JP4339482B2 - 非水重合体分散液及びこの重合体を含有する塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗膜の光沢、仕上り外観、乾燥性を低下させずにタレ抵抗性を塗料に付与できる非水重合体分散液及び該重合体を含有する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、塗料の高固形分化、耐候性、機械的性質などの物性の向上、及び塗料への構造粘性の付与によるメタリック顔料の配向性やタレ抵抗性の向上などを目的に非水重合体分散液が使用されている。
【0003】
非水重合体分散液としては、12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物などのポリエステル、セルロースアセテートブチレート、アクリル樹脂などを分散安定剤(皮成分)とするものなどが知られている。
【0004】
しかしながら、上記12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物又はセルロースアセテートブチレートを分散安定剤とする非水重合体分散液は、基体樹脂と相溶し難く、塗料に構造粘性を付与する効果は大きいものの、とりわけ常乾型用途では塗膜の光沢低下をもたらすといった問題があった。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物を分散安定剤とする非水重合体分散液の場合は、得られる塗膜の乾燥性、耐ガソリン性などの低下を招く場合も多かった。一方、塗膜の光沢を殆ど低下させないためには、アクリル樹脂を分散安定剤としてなるだけ小粒子の非水重合体分散液を得ることが好ましいが、分散安定剤の分散安定化能力が十分ではなく、分散安定剤、分散媒、重合体粒子組成のきめ細かな設計が必要であり設計の幅が極めて小さかった。しかも、このようなアクリル樹脂を分散安定剤とした非水重合体分散液では、塗料へのタレ抵抗性の付与が十分でなかった。
【0005】
アクリル樹脂系の分散安定剤の安定化能力を向上させるためには、ヘプタン等の貧溶媒の分散媒系における分散安定剤の溶解性を向上させることが必要であり、そのため分散安定剤の極性を下げ得るモノマーである、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどの、長鎖アルキル基を有するモノマーを多量に共重合することが一般に行われているが、上記長鎖アルキル基を有するモノマーから得られる重合体はガラス転移温度(Tg)が低く、得られる塗膜の硬度、常温での乾燥性、耐ガソリン性などの点で問題があった。
【0006】
本発明の目的は、塗膜の光沢低下や仕上り外観の低下をもたらすことなく、塗料に構造粘性を付与によるメタリック顔料の配向性やタレ抵抗性の向上を行うことができ、さらに得られる塗膜の硬度、常温での乾燥性、耐ガソリン性なども良好な非水重合体分散液を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体を一単量体成分とするエチレン性不飽和単量体の共重合体でありSP値が7.5〜9.3である分散安定剤(A)と特定の環状飽和炭化水素基を有さないエチレン性不飽和単量体の共重合体でありSP値が7.5〜9.3である分散安定剤(B)との両者を分散安定剤として併用し、これらの分散安定剤の存在下で、モノマーを重合して得た非水重合体分散液が上記目的を達成できることを見出し本発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち本発明は、樹脂成分として、非水重合体分散液、該非水重合体分散液以外の基体樹脂及び硬化剤を含有する塗料組成物であって、該非水重合体分散液が炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体を20重量%以上含有するエチレン性不飽和単量体成分の(共)重合体であり溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3である分散安定剤(A)5〜95重量%と、炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を含有しないか又は20重量%未満含有するエチレン性不飽和単量体混合物の共重合体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3であり、かつ1分子当り平均して1.5個以下の重合性不飽和二重結合を有する分散安定剤(B)5〜95重量%とからなる分散安定剤混合物の存在下に、重合性不飽和モノマーは溶解するが該重合性不飽和モノマーから形成される重合体は実質的に溶解しない有機液体中で、該重合性不飽和モノマーを重合してなる非水重合体分散液であり、かつ該非水重合体分散液以外の基体樹脂が、重量平均分子量1,000〜80,000、水酸基価30〜180及び溶解性パラメータ7.5〜9.5の範囲内にある水酸基含有アクリル樹脂であることを特徴とする塗料組成物を提供するものである。
【0010】
以下に、本発明の非水重合体分散液及び本発明の塗料組成物について詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の非水重合体分散液について詳細に説明する。
【0012】
本発明の非水重合体分散液は、下記分散安定剤(A)と分散安定剤(B)との存在下に、重合性不飽和モノマーは溶解するが該重合性不飽和モノマーから形成される重合体は実質的に溶解しない有機液体中で、該重合性不飽和モノマーを重合してなるものである。
【0013】
分散安定剤(A)
本発明の非水重合体分散液の製造の際に後記分散安定剤(B)とともに使用される分散安定剤(A)は、炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「環状飽和基含有モノマー」と略称することがある)を分散安定剤(A)を構成する構成モノマー成分全量に基いて20重量%以上含有するエチレン性不飽和単量体の重合体又は共重合体である。
【0014】
上記環状飽和基含有モノマーの代表例としては、例えば、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレートなどを挙げることができる。環状飽和基含有モノマーにおける炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基としては、なかでもイソボルニル基、トリシクロデカニル基が好適である。上記環状飽和基含有モノマーは、単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0015】
本発明において、分散安定剤は、構成モノマー成分として環状飽和基含有モノマーを含有し、その含有量は特に限定されるものではないが、構成モノマー成分中、通常、20重量%以上、好ましくは30〜70重量%の範囲内にあることが好適である。
【0016】
分散安定剤を、上記環状飽和基含有モノマーとともに構成することができる、その他のエチレン性不飽和単量体(以下、「その他モノマー」と略称する)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名、アルキル基が炭素原子数18個の分岐アルキル基であるアクリル酸アルキルエステル)、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類;ビスコート3F、同3MF、同8F、同8MF(以上いずれも大阪有機化学社製、商品名)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フッ化ビニルなどの含フッ素ビニル系単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルメタクリルアミドなどの含窒素ビニル系単量体;ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート; アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーなどを挙げることができる。本発明において、語尾の「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味するものとする。
【0017】
分散安定剤を構成するエチレン性不飽和単量体における上記その他モノマーの含有量は、通常、0〜80重量%、好ましくは30〜70重量%の範囲内にあることが好適である。
【0018】
分散安定剤は、脂肪族炭化水素等の比較的低極性溶剤に溶解可能であることが必要であることなどから、分散安定剤(B)は溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3の範囲となるようにモノマー配合が選択される。このため、その他モノマーとしては、なかでもエステルのアルキル部分の炭素数が3個(プロピル)以上、好ましくは6個(ヘキシル)以上のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類を主体とするものが好適である。
【0019】
溶解性パラメータは、液体分子の分子間相互作用の尺度を表すものである。重合性モノマーのホモポリマーのSP値は、J. Paint Technology, vol.42,176 (1970)に記載されている。重合性モノマーの混合物の共重合体ポリマーのSP値は、下記式により計算して求めることができる。
【0020】
SP値=SP1×fw1+SP2×fw2+………+SPn×fwn
上記式中、 SP1、SP2、………SPnは、各重合性モノマーのホモポリマーのSP値を表し、 fw1、fw2、………fwnは、各モノマーのモノマー総量に対する重量分率を表す。
【0021】
分散安定剤を得るための上記エチレン性不飽和単量体の(共)重合は、それ自体既知の重合方法によって行うことができ、例えば、有機溶剤中にて、ラジカル重合触媒の存在下で行う溶液重合法によって好適に得ることができる。
【0022】
分散安定剤は、上記環状飽和基含有モノマーと必要に応じてその他モノマーとからなるエチレン性不飽和単量体の(共)重合体であり、該(共)重合体は、グラフト(共)重合体であってもよく、また(共)重合体中に重合性不飽和基が導入されたものであってもよい。
【0023】
(共)重合体中に重合性不飽和基を導入する方法としては、例えば、下記の(1)、(2)又は(3)の方法などを挙げることができる。
(1)エチレン性不飽和単量体中のその他モノマーの一部として、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアナト基又は水酸基などの第1の化学反応性基を含有する重合性不飽和モノマーを用いて共重合を行い、ついでこのポリマー中の第1の化学反応性基と反応可能な第2の化学反応性基を有する重合性不飽和モノマーを反応させて重合性不飽和基を導入する方法。
(2)エチレン性不飽和単量体を(共)重合するに際して、カルボキシル基、水酸基、アミノ基などの第1の化学反応性基を含有する連鎖移動剤の存在下で重合を行うことによって、ポリマー鎖末端に第1の化学反応性基を導入し、ついでこのポリマー中の第1の化学反応性基と反応可能な第2の化学反応性基を有する重合性不飽和モノマーを反応させて重合性不飽和基を導入する方法。
(3)触媒的連鎖移動重合法(Catalytic Chain Transfer Polymerization、CCTP法)によって重合性不飽和基を導入する方法(特公平6−23209号公報、特公平7−35411号公報、特公平9−501457号公報、特開平−176256号公報、Macromolecules 1996、29、8083−8089参照)。
【0024】
上記(1)の方法において、第1の化学反応性基を含有する重合性不飽和モノマーとしては、代表例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーなどを挙げることができる。
【0025】
上記共重合体中の第1の化学反応性基と反応して重合性不飽和基を導入するための前記第2モノマーとしては、例えば、第1の化学反応性基がカルボキシ基である場合には、上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基がエポキシ基である場合には、上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基がイソシアナト基である場合には、上記水酸基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基が水酸基である場合には、上記イソシアナト基含有重合性不飽和モノマーを好適に使用することができる。
【0026】
上記(2)の方法において、カルボキシル基、水酸基、アミノ基などの第1の化学反応性基を含有する連鎖移動剤としては、メルカプト酢酸、2ーメルカプトプロピオン酸、3ーメルカプトプロピオン酸、2ーメルカプトエタノール、2ーアミノエタンチオール等を好適に使用することができる。
【0027】
上記共重合体中の第1の化学反応性基と反応して重合性不飽和基を導入するための前記第2のモノマーとしては、例えば、第1の化学反応性基がカルボキシ基である場合には、上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基が水酸基である場合には、上記イソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基がアミノ基である場合には、上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマーを好適に使用することができる。
【0028】
分散安定剤(A)となりうるグラフト(共)重合体は、上記重合性不飽和基が導入されたプレポリマー(マクロモノマー)とエチレン性不飽和単量体中のその他モノマーの一部として、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアナト基又は水酸基などの第1の化学反応性基を含有する重合性不飽和モノマーを用いて共重合を行い、ついでこのポリマー中の第1の化学反応性基と反応可能な第2の化学反応性基を有する重合性不飽和モノマーを反応させることにより得ることができる。
【0029】
分散安定剤(B)
本発明の非水重合体分散液の製造の際に上記分散安定剤(A)とともに使用される分散安定剤(B)は、分散安定剤(B)を構成する構成モノマー成分中に前記環状飽和基含有モノマーを含有しないか、構成モノマー成分全量に基いて20重量%未満含有するエチレン性不飽和単量体の共重合体であって重合性不飽和二重結合を1分子当り平均して約1.5個以下、好ましくは0.1〜1.2個、さらに好ましくは0.2〜1.0個有する分散安定剤であり、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3、好ましくは8.0〜9.0の範囲内にあることが適当である。また、分散安定剤(B)は、重量平均分子量が1,000〜50,000、好ましくは3,000〜20,000の範囲内にあり、水酸基価が0〜160mgKOH/g、好ましくは30〜140mgKOH/gの範囲内にあることが適している。
【0030】
分散安定剤(B)は、例えば、前記「第1モノマー」と前記「その他モノマー」と必要に応じて前記「環状飽和基含有モノマー」からなるモノマー成分を共重合してなる共重合体に、該共重合体中の第1の化学反応性基と反応可能な前記「第2モノマー」を反応させて重合性不飽和基を導入したものであることができる。
【0031】
上記共重合体中の第1の化学反応性基と反応して重合性不飽和基を導入するための前記第2モノマーとしては、例えば、第1の化学反応性基がカルボキシ基である場合には、前記エポキシ基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基がエポキシ基である場合には、前記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基がイソシアナト基である場合には、前記水酸基含有重合性不飽和モノマー;第1の化学反応性基が水酸基である場合には、前記イソシアナト基含有重合性不飽和モノマーなどを好適に使用することができる。
【0032】
共重合体中に重合性不飽和基を導入する方法としては、上記方法以外に、例えば、前記分散安定剤(A)における重合性不飽和基を導入する方法として説明した前記(2)又は(3)の方法なども挙げることができる。
【0033】
分散安定剤(B)は、脂肪族炭化水素等の比較的低極性溶剤に溶解可能であることが必要であることなどから、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3の範囲となるようにモノマー配合が選択される。このため、前記その他モノマーとしては、なかでもエステルのアルキル部分の炭素数が3個(プロピル)以上、好ましくは6個(ヘキシル)以上のアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類を主体とするものが好適である。
【0034】
上記分散安定剤(B)の市販品としては、例えば、「AA−6」(東亜合成(株)製、商品名、アクリル樹脂マクロモノマー)などを挙げることができる。
【0035】
本発明の非水重合体分散液は、前記分散安定剤(A)と上記分散安定剤(B)との混合物の存在下に、下記有機液体中で、重合性不飽和モノマーを重合することによって得ることができる。
【0036】
上記重合に際しての分散安定剤(A)と分散安定剤(B)との混合物における両者の配合比率は、両者の合計固形分に基いて、固形分重量比で下記の範囲内にあることが、塗膜の光沢や仕上り外観の低下をもたらすことなく、塗料に構造粘性を付与する効果が大きい点から適している。
【0037】
分散安定剤(A):5〜95重量%、好ましくは10〜70重量%、
分散安定剤(B):5〜95重量%、好ましくは30〜90重量%。
【0038】
非水重合体分散液製造の際の、上記分散安定剤(A)及び分散安定剤(B)の分散安定剤の合計と重合性不飽和モノマーとの配合比率は、前者/後者の重量比で、一般に10/90〜70/30、好ましくは30/70〜60/40の範囲内である。
【0039】
非水重合体分散液製造の際に用いられる溶媒である有機液体は、重合される上記重合性不飽和モノマーは溶解するが、該重合性不飽和モノマーから形成される重合体は実質的に溶解しないものであり、極性の小さいものが好ましく、例えば、VM&Pナフサ、ミネラルスピリット、ソルベント灯油、芳香族ナフサ、ソルベントナフサなどの比較的溶解力の小さい脂肪族系又は芳香族系炭化水素類;n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカンなどの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの脂環式炭化水素類などが用いられる。必要に応じて、キシレン、トルエン、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系などの極性溶剤を少量の割合で併用することもできる。
【0040】
上記有機液体や分散安定剤混合物の存在下で重合される上記重合性不飽和モノマーとしては、前記分散安定剤(A)を形成する環状飽和基含有モノマー、第1モノマー及びその他モノマーとして記載したものと同様のモノマーを使用することができる。なかでも形成される重合体が上記有機液体に実質的に溶解しないことが必要であるため、スチレン、アクリロニトリル及びエステルのアルキル部分の炭素原子数が4個(ブチル)以下のメタアクリル酸のエステル類(特にメチルメタクリレート)を主体とするものが好適である。上記重合性不飽和モノマーの一部として、例えば2種の相互に反応する化学反応性基を有するモノマーを使用し、その化学反応性基を互いに反応させて化学結合を形成させる(例えば、第1モノマーとして、アクリル酸とグリシジルメタクリレートとを使用して反応させる)ことによって、又はジビニルベンゼンなどの多ビニル化合物を使用することによって、得られる重合体を内部架橋させることができる。
【0041】
上記重合性不飽和モノマーを重合体粒子に重合するに際しては、重合開始剤を配合して、重合温度を60〜160℃、好ましくは70〜120℃とし、重合時間を通常2〜10時間程度とすることが好ましい。
【0042】
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化カプロイル、 t−ブチルパーオクトエート、過酸化ジアセチルなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチルα,α´−アゾイソブチレートなどのアゾ系開始剤;ジイソプロピルペルオキシジカルボネートなどのジアルキルペルオキシジカルボネート;及びレドックス系開始剤などを挙げることができる。重合開始剤の濃度は、重合性不飽和単量体に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲内であることが好適である。
【0043】
重合体粒子は、性能上及び重合反応における安定性の点などから、ガラス転移温度が−20〜100℃、より好ましくは0〜80℃の範囲内であり、平均粒子径が50〜500nmの範囲内であることが好適である。
【0044】
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、上記本発明の非水重合体分散液と該非水重合体分散液以外の基体樹脂及び硬化剤を必須成分として含有する。本発明の塗料組成物は、通常、有機溶剤型塗料である。また、本発明の塗料組成物は、常温硬化型塗料、焼付け硬化型塗料のいずれであってもよい。
【0045】
上記基体樹脂としては、硬化剤と反応して良好な塗膜を形成できる樹脂であればよく、例えばエポキシ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性基を有する樹脂を挙げることができる。該反応性基を有する樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル(アルキド樹脂も包含する)、フッ素樹脂などを挙げることができる。
【0046】
上記硬化剤としては、上記基体樹脂と反応して硬化塗膜を形成できるものであればよく、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂;イソシアナト基がブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物;低分子量で高酸価のカルボキシル基含有化合物などを挙げることができる。
【0047】
本発明の塗料組成物を上塗り塗料として使用する場合には、なかでも基体樹脂が水酸基含有アクリル樹脂であり、硬化剤がアミノ樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種である塗料を好適に使用することができる。特に、基体樹脂としての水酸基含有アクリル樹脂が重量平均分子量が1,000〜80,000、水酸基価が30〜180mgKOH/g及び溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.5の範囲内にあるものを好適に使用することができる。
【0048】
本発明の塗料組成物中に配合される本発明の非水重合体分散液の量は、塗料組成物の全樹脂固形分(非水重合体分散液の樹脂固形分も含む)100重量部に対して、通常、固形分重量で1〜20重量部、さらに好ましくは3〜10重量部の範囲内であることが塗料へのチキソトロピー性の付与によるタレ防止性の向上、塗膜の仕上がり外観などの点から好適である。
【0049】
本発明の塗料組成物における基体樹脂と硬化剤との配合比率は、良好な硬化塗膜が得られる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、基体樹脂と硬化剤との合計固形分に対して、固形分量で、基体樹脂が50〜90重量%、硬化剤が10〜50重量%の範囲内にあることが好適である。
【0050】
本発明の塗料組成物は、上記非水重合体分散液と上記基体樹脂及び上記硬化剤ならびに有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて、硬化触媒、顔料、並びに消泡剤、塗面調整剤、流動性調整剤及び表面滑り性付与剤などのそれ自体既知の塗料添加剤を含有することができる。
【0051】
本発明の塗料組成物は、1コート塗料、下塗塗料、中塗塗料、上塗着色塗料、上塗クリヤ塗料などとして、被塗物に塗装することができる。
【0052】
上記被塗物としては、鉄、アルミニウム、真鍮、銅板、ステンレス鋼板、ブリキ板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Feなどの)めっき鋼板などの金属;これらの金属表面に燐酸塩処理、クロメート処理などの化成処理を施した表面処理金属板;プラスチック、木材、コンクリート、モルタル等の非金属素材;上記金属、表面処理金属板又は非金属素材にプライマー及び/又は中塗及び/又は上塗ベースを施した塗膜形成被塗物などを挙げることができる。本発明塗料組成物の塗装膜厚は、特に制限されるものではないが、通常、乾燥膜厚で5〜100μmの範囲内であり、特に20〜60μmの範囲内にあることがタレ防止効果を顕著に発揮することができる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。以下、「部」及び「%」は、特に断りのない限り重量基準によるものとする。
【0054】
アクリル樹脂溶液(基体樹脂溶液)の合成
合成例1
反応容器にキシレン80部を仕込み、125℃に加熱し、この中に下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて固形分55%のアクリル樹脂(a)溶液を得た。
【0055】
スチレン 20部
t−ブチルメタクリレート 20部
シクロヘキシルメタクリレート 20部
2−エチルヘキシルアクリレート 21.7部
アクリル酸 0.5部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 17.8部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 3.3部
得られたアクリル樹脂(a)溶液の樹脂固形分は、SP値8.84、水酸基価86mgKOH/g、重量平均分子量約11,000を有していた。
【0056】
合成例2
反応容器にキシレン80部を仕込み、125℃に加熱し、この中に下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて固形分55%のアクリル樹脂(b)溶液を得た。
【0057】
スチレン 30部
メチルメタクリレート 30部
n−ブチルメタクリレート 5部
メチルアクリレート 14部
メタクリル酸 2部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 19部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 4部
得られたアクリル樹脂(b)溶液の樹脂固形分は、SP値9.58、水酸基価92mgKOH/g、重量平均分子量約9,000を有していた。
【0058】
分散安定剤の製造
製造例1
反応容器中に、トルエン80部を配合し、この中に還流下にて、下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、滴下後、同温度で2時間熟成を行ってアクリル樹脂ワニスを得た。
【0059】
イソボルニルアクリレート 30部
スチレン 10部
n−ブチルアクリレート 20部
2−エチルヘキシルメタクリレート 13部
アクリル酸 2部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 25部
tert−ブチルパーオキシオクトエート 6部
ついで、得られたアクリル樹脂ワニス186部に、グリシジルメタクリレート2.4部、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びN,N−ジメチルアミノエタノール0.1部を加えて110℃で5時間撹拌し、不揮発分約55%の分散安定剤(A−1)溶液を得た。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、SP値8.81、重量平均分子量約6,000、水酸基価約108mgKOH/g樹脂であった。
【0060】
製造例2
反応容器中に、トルエン82部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80〜85℃に加温し、イソボルニルアクリレート100部、メルカプト酢酸1.6部および2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を4時間かけて均一速度で滴下し重合した。その後、同温度で2時間熟成させた後、95℃で1時間加熱して55%プレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液の酸価は、4.7mgKOH/gであった。ついで、この中に、グリシジルメタクリレート2.7部、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド1.2部および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.04部を加え、95℃にて8時間反応させ、不揮発分約55%の分散安定剤(A−2)溶液を得た。この反応におけるグリシジルメタクリレートの反応率は99%以上であった。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、末端メタクリレート型ポリイソボルニルアクリレートマクロモノマーを主体とし、 SP値8.0、重量平均分子量が約8,700であった。
【0061】
製造例3
反応容器中に、トルエン80部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら100〜114℃に加温し、イソボルニルアクリレート99部、アクリル酸1部およびtert−ブチルパーオキシオクトエート1部の混合溶液を3時間かけて均一速度で滴下し重合した。その後、同温度で2時間熟成させた後、55%プレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液の酸価は、7.2mgKOH/gであった。ついで、この中に、グリシジルメタクリレート2部、触媒としてtert−ブチルピロカテコール0.018部およびジメチルエタノールアミン0.2部を加え、110℃にて3時間反応させ、不揮発分約55%の分散安定剤(A−3)溶液を得た。得られた分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、SP値8.05、重量平均分子量が約8,000であった。
【0062】
製造例4
製造例2において、イソボルニルアクリレート100部の代わりにトリシクロデシルメタクリレート100部を使用する以外は製造例2と同様に行い、不揮発分約55%の分散安定剤(A−4)溶液を得た。この反応におけるグリシジルメタクリレートの反応率は99%以上であった。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、末端メタクリレート型ポリトリシクロデシルメタクリレートマクロモノマーを主体とし、SP値8.0、重量平均分子量約8,700であった。
【0063】
製造例5
反応容器中に、トルエン82部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80〜85℃に加温し、イソボルニルアクリレート100部、メルカプト酢酸3.7部および2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を4時間かけて均一速度で滴下し重合した。その後、同温度で2時間熟成させた後、95℃で1時間加熱して55%プレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマー溶液の酸価は、10.9mgKOH/gであった。ついで、この中に、グリシジルメタクリレート6.2部、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド1.2部および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.04部を加え、95℃にて8時間反応させ、不揮発分約55%のマクロモノマー溶液を得た。この反応におけるグリシジルメタクリレートの反応率は99%以上であった。得られたマクロモノマーは、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、末端メタクリレート型ポリイソボルニルアクリレートマクロモノマーを主体とし、重量平均分子量は約3,000であった。
【0064】
別の反応容器中にトルエン42部を配合し、還流下にて、この中に下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、滴下後、同温度で2時間熟成を行ってアクリル樹脂ワニスを得た。
【0065】
上記不揮発分約55%のマクロモノマー溶液 90.9部
メチルメタクリレート 47部
グリシジルメタクリレート 3部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 0.4部
ついで、得られたアクリル樹脂ワニス183.3部に、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部、メタクリル酸0.6部、及びN,N−ジメチルアミノエタノール0.2部を加えて110℃で5時間撹拌し、不揮発分約55%のグラフト共重合体分散安定剤(A−5)溶液を得た。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約4.0個有しており、SP値8.59、重量平均分子量約62,000であった。
【0066】
製造例6
反応容器中にトルエン80部を配合し、この中に還流下にて、下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、滴下後、同温度で2時間熟成を行ってアクリル樹脂ワニスを得た。
【0067】
スチレン 10部
イソブチルメタクリレート 30部
tert−ブチルメタクリレート 10部
シクロヘキシルメタクリレート 10部
2−エチルヘキシルメタクリレート 13部
アクリル酸 2部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 25部
tert−ブチルパーオキシオクトエート 6部
ついで、得られたアクリル樹脂ワニス186部に、グリシジルメタクリレート2.4部、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びN,N−ジメチルアミノエタノール0.1部を加えて110℃で5時間撹拌し、不揮発分約55%の分散安定剤(B−1)溶液を得た。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.0個有しており、SP値8.79、重量平均分子量約6,000、水酸基価約108mgKOH/g樹脂であった。
【0068】
製造例7 (比較用の分散安定剤の製造)
反応容器中にトルエン80部を配合し、この中に還流下にて、下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、滴下後、同温度で2時間熟成を行ってアクリル樹脂ワニスを得た。
【0069】
スチレン 20部
メチルメタクリレート 40部
2−エチルヘキシルメタクリレート 18部
メタクリル酸 2部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 4.5部
ついで、得られたアクリル樹脂ワニス184.5部に、グリシジルメタクリレート2.1部、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びN,N−ジメチルアミノエタノール0.1部を加えて110℃で5時間撹拌し、不揮発分約55%の分散安定剤(C−1)溶液を得た。分散安定剤樹脂は、重合性二重結合を1分子中当り平均して約1.2個有しており、SP値9.36、重量平均分子量約8,000、水酸基価約97mgKOH/g樹脂であった。
【0070】
非水重合体分散液の製造
実施例1
反応容器中に、ヘプタン218部、不揮発分約55%の分散安定剤(A−1)溶液145.6部及び不揮発分約55%の分散安定剤(B−1)溶液36.4部を配合し、95℃に昇温した。この中に下記の単量体及び重合開始剤の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて非水重合体分散液(N−1)を得た。
【0071】
スチレン 5部
メチルメタクリレート 50部
メチルアクリレート 23部
アクリロニトリル 10部
メタクリル酸 2部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 10部
t−ブチルパーオキシオクトエート 3部
得られた非水重合体分散液(N−1)は、乳白色で、不揮発分約40重量%であり、重合体粒子の粒子径は約190nmであった。この非水重合体分散液(N−1)は、室温(20℃)で3ケ月間密閉して放置しても貯蔵安定性は良好であった。
【0072】
実施例2〜5及び比較例1〜3
実施例1において、有機溶剤、分散安定剤、ならびに単量体と重合開始剤との混合物として、下記表1に示す組成配合のものを使用する以外は実施例1と同様に行い、乳白色で、不揮発分約40重量%の各非水重合体分散液を得た。得られた各非水重合体分散液の性状、貯蔵安定性、及び重合体粒子形成モノマー/分散安定剤の比率を下記表1に示す。
【0073】
表1における貯蔵安定性は、各例で得た非水重合体分散液を密閉容器に入れ、室温(20℃)で3ケ月間放置した後の非水重合体分散液の液状態を評価した結果である。液状態に変化がない場合を良好とし、分散液がゲル化又は樹脂が沈降し再分散不能の場合を不良と表示した。
【0074】
【表1】
【0075】
塗料組成物の製造
実施例6
合成例1で得た固形分55%のアクリル樹脂(a)溶液163.6部、スミジュールN−3500(住友バイエルウレタン(株)製、商品名、ポリイソシアネート化合物)29.5部及び実施例1で得た固形分約40%の非水重合体分散液(N−1)25部を混合して塗料組成物を得た。
【0076】
実施例7〜10及び比較例4〜7
実施例6において、使用する各成分の配合を後記表2に示すとおりとする以外は実施例6と同様に行い塗料組成物を得た。
【0077】
試験板の作成
上記実施例6〜10及び比較例4〜7で得た各塗料組成物を、キシレン/酢酸ブチル=50/50(重量比)の組成のシンナーにて粘度11秒(フォードカップ#4/20℃)に調整し、ほぼ垂直にたてたブリキ板上に乾燥膜厚が約40μmとなるようにスプレー塗装した。実施例6〜10及び比較例4〜7は室温(20℃)で1週間静置して乾燥させて試験板を得た。得られた試験板について下記試験方法に基づいて仕上がり外観と垂直面の光沢の試験を行った。また、タレ限界膜厚についても下記試験方法に基いて試験を行った。これらの試験結果を後記表2に示す。
【0078】
試験方法
垂直面タレ限界膜厚:ブリキ板をほぼ垂直に立て、膜厚が徐々に増加するように膜厚を傾斜させて各塗料組成物を塗装し、ほぼ垂直に立てた状態で、10分間室温(20℃)で放置後の塗装板を観察し、タレが発生し始める膜厚(乾燥膜厚)をタレ限界膜厚とした。
【0079】
垂直面光沢:JIS K5400 7.6(1990)に規定の20度鏡面光沢度に従い、塗膜の光沢の程度を、入射角と受光角とがそれぞれ20度のときの反射率を測定し、鏡面光沢度の基準面を100としたときの百分率(20°グロス)で表した。
【0080】
仕上がり外観:上記試験板の塗膜のツヤ感、平滑性、透明性を目視にて判定し、下記基準にて評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い。
【0081】
【表2】
【0082】
【発明の効果】
本発明の非水重合体分散液は、2種類の分散安定剤の存在下で重合して得た非水重合体分散液であって、上記分散安定剤混合物を使用することによって、塗膜の光沢低下や仕上り外観の低下、及び常温乾燥性や塗膜性能の低下をもたらすことなく、塗料に構造粘性を付与する効果が大きく、メタリック顔料の配向性やタレ抵抗性の向上を行うことができるものである。また、本発明の非水重合体分散液は、乾燥性にも優れており常温硬化型塗料にも適用可能である。
Claims (8)
- 樹脂成分として、非水重合体分散液、該非水重合体分散液以外の基体樹脂及び硬化剤を含有する塗料組成物であって、該非水重合体分散液が炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体を20重量%以上含有するエチレン性不飽和単量体成分の(共)重合体であり溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3である分散安定剤(A)5〜95重量%と、炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を含有しないか又は20重量%未満含有するエチレン性不飽和単量体混合物の共重合体であって、溶解性パラメータ(SP値)が7.5〜9.3であり、かつ1分子当り平均して1.5個以下の重合性不飽和二重結合を有する分散安定剤(B)5〜95重量%とからなる分散安定剤混合物の存在下に、重合性不飽和モノマーは溶解するが該重合性不飽和モノマーから形成される重合体は実質的に溶解しない有機液体中で、該重合性不飽和モノマーを重合してなる非水重合体分散液であり、かつ該非水重合体分散液以外の基体樹脂が、重量平均分子量1,000〜80,000、水酸基価30〜180及び溶解性パラメータ7.5〜9.5の範囲内にある水酸基含有アクリル樹脂であることを特徴とする塗料組成物。
- 分散安定剤(A)における上記炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体の環状飽和炭化水素基が、イソボルニル基又はトリシクロデカニル基である請求項1記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(A)が、1分子当り平均して0.1〜10個の範囲内の重合性不飽和二重結合を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(A)が、重量平均分子量1,000〜80,000及び水酸基価0〜150mgKOH/gを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(A)が、炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体と第1の化学反応性基含有重合性不飽和単量体を含有するエチレン性不飽和単量体混合物の共重合体に第1の化学反応性基と反応可能な相補的反応性基を有するエチレン性不飽和化合物を付加してなり、且つ重合性不飽和二重結合を1分子当り平均して0.1〜1.5個有する分散安定剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(A)が、炭素原子数10〜20の環状飽和炭化水素基を有するエチレン性不飽和単量体と第1の化学反応性基を有する重合性不飽和単量体を含有するエチレン性不飽和単量体混合物の共重合体に第1の化学反応性基と反応可能な相補的反応性基を有するエチレン性不飽和化合物を付加してなるマクロモノマーと、第2の化学反応性基を有する重合性不飽和単量体を含有するエチレン性不飽和化合物とを共重合してなるグラフト共重合体に、第2の化学反応性基と反応可能な相補的反応性基を有するエチレン性不飽和化合物を付加してなり、且つ重合性不飽和二重結合を1分子当り平均して1〜10個有する重合性不飽和基含有グラフト共重合体である請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(B)が、重量平均分子量1,000〜50,000及び水酸基価0〜160mgKOH/gを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- 分散安定剤(B)が、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体を一部含有するエチレン性不飽和単量体の共重合体にエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物を付加してなり、且つ重合性不飽和二重結合を1分子当り平均して0.1〜1.5個有する分散安定剤である請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗料組成物。
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