JP4339026B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板に処理流体を供給して処理する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造工程においては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という)を薬液,純水等の処理液によって洗浄する工程が行われる。従来,ウェハに処理液を供給して処理する基板処理装置として,ウェハの周囲を包囲するカップを備え,ウェハを囲む位置とウェハの下方とにカップを昇降させる構成を有するものが知られていた(例えば,特許文献1参照。)。かかる構成によれば,ウェハに薬液を供給するときはカップによって薬液を受け,ウェハに純水を供給するときはカップの外側に純水を排出するようにして,薬液のみ回収して再利用することができる。従って,薬液の消費量を節約して,低コストを図ることができる。カップを昇降させる構成としては,例えば,カップを支持するカップ支持シャフトをシリンダーによって昇降させることにより,カップを昇降させる構成が考えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−160546号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の基板処理装置においては,数種類の薬液を用いる場合,異なる薬液が反応して析出物が発生し,装置内に残留する問題があった。また,カップ支持シャフトに薬液が付着したまま残留して,薬液の回収効率が低下する問題があった。
【0005】
従って本発明の目的は,チャンバー内の処理液や析出物を除去できる基板処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,基板に処理液を供給して処理する基板処理装置であって,前記基板を収納するチャンバー内に,基板に供給された処理液を受けるカップを備え,前記カップの底部に,前記カップによって受けた処理液を下方に排出する開口を設け,前記開口の下方を囲む筒状部材を備え,前記筒状部材の内側に,前記筒状部材の内側から処理液を排出する排出路を設け,前記筒状部材及び前記チャンバーの底面を洗浄可能な構成とし,前記排出路に,洗浄用液体を供給する供給路を介設し,前記供給路から前記排出路を介して前記チャンバー内に前記洗浄用流体を供給する構成としたことを特徴とする,基板処理装置が提供される。かかる基板処理装置にあっては,筒状部材及びチャンバーの底面から薬液や析出物を洗い流すことができる。薬液を洗い流すことにより,析出物が発生することを防止できる。
【0007】
この基板処理装置にあっては,前記排出路に,洗浄用液体を供給する供給路を介設し,前記供給路から前記排出路を介して前記チャンバー内に前記洗浄用流体を供給する構成とする。これにより,筒状部材及びチャンバーの底面を確実に洗浄できる。
【0008】
さらに,前記筒状部材は,前記カップの底部下面に備えられ前記開口の下方を囲む第1の筒状部材と,前記チャンバーの底部上面に備えられ前記第1の筒状部材を囲む第2の筒状部材で構成され,前記第2の筒状部材の外側に,前記チャンバー内から処理液を排出するチャンバー排出路を設け,前記第1の筒状部材と第2の筒状部材の間に前記洗浄用流体を通過させ,前記第1の筒状部材と第2の筒状部材の間を通過した洗浄用流体を前記チャンバー排出路から排液する構成としても良い。この場合,第1の筒状部材,第2の筒状部材を洗浄できる。洗浄用流体の流れを形成して,効果的に洗浄できる。
【0009】
また,前記カップを昇降させる昇降機構を備え,前記昇降機構は,前記カップを支持するカップ支持部材を備え,前記筒状部材の外側に,前記カップ支持部材を設け,前記カップを上昇させ,前記処理液をカップによって受ける状態とし,前記基板を第1の処理液で処理し,前記カップを下降させ,前記基板を第2の処理液で処理することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を,基板の一例としてのウェハに対して,ウェハの表面に塗布されたレジストを水溶化して除去する処理システムに組み込まれた,基板処理装置としての基板洗浄ユニットに基づいて説明する。図1に示すように,処理システム1は,ウェハWに洗浄処理及びレジスト水溶化処理を施す処理部2と,処理部2に対してウェハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。
【0011】
搬入出部3は,複数枚,例えば25枚の略円盤形状のウェハWを所定の間隔で略水平に収容可能な容器(キャリアC)を載置するための載置台4が設けられたイン・アウトポート5と,載置台4に載置されたキャリアCと処理部2との間でウェハWの受け渡しを行うウェハ搬送装置6が備えられたウェハ搬送部7と,から構成されている。
【0012】
ウェハWはキャリアCの一側面を通して搬入出され,キャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられている。また,ウェハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており,ウェハWを収容する25個のスロットが形成されている。ウェハWは表面(半導体デバイスを形成する面)が上面(ウェハWを水平に保持した場合に上側となっている面)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。
【0013】
イン・アウトポート5の載置台4上には,例えば,3個のキャリアを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。キャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート5とウェハ搬送部7との境界壁8側に向けて載置される。境界壁8においてキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており,窓部9のウェハ搬送部7側には,窓部9をシャッター等により開閉する窓部開閉機構10が設けられている。
【0014】
この窓部開閉機構10は,キャリアCに設けられた蓋体もまた開閉可能であり,窓部9の開閉と同時にキャリアCの蓋体も開閉する。窓部9を開口してキャリアCのウェハ搬入出口とウェハ搬送部7とを連通させると,ウェハ搬送部7に配設されたウェハ搬送装置6のキャリアCへのアクセスが可能となり,ウェハWの搬送を行うことが可能な状態となる。
【0015】
ウェハ搬送部7に配設されたウェハ搬送装置6は,Y方向とZ方向(鉛直方向)に移動可能であり,かつ,X―Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されている。また,ウェハ搬送装置6は,ウェハWを把持する取出収納アーム11を有し,この取出収納アーム11はX方向にスライド自在となっている。こうして,ウェハ搬送装置6は,載置台4に載置された全てのキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし,また,処理部2に配設された上下2台のウェハ受け渡しユニット16,17にアクセスして,イン・アウトポート5側から処理部2側へ,逆に処理部2側からイン・アウトポート5側へウェハWを搬送することができるように構成されている。
【0016】
上記処理部2は,搬送手段である主ウェハ搬送装置18と,ウェハ搬送部7との間でウェハWの受け渡しを行うためにウェハWを一時的に載置するウェハ受け渡しユニット16,17と,8台の基板処理ユニット20A〜20Hと,4台の本実施の形態にかかる基板洗浄ユニット21A〜21Dとを備えている。
【0017】
各基板処理ユニット20A〜20Hは,ウェハWの表面に塗布されているレジストを水溶化する処理を行う。基板処理ユニット20A〜20Hは,上下方向に4段で各段に2台ずつ配設されている。図2において図示はしないが,左段には基板処理ユニット20A,20B,20C,20Dが上からこの順で配設され,右段には基板処理ユニット20E,20F,20G,20Hが上からこの順で配設されている。図1に示すように,基板処理ユニット20Aと基板処理ユニット20E,基板処理ユニット20Bと基板処理ユニット20F,基板処理ユニット20Cと基板処理ユニット20G,基板処理ユニット20Dと基板処理ユニット20Hとは,その境界をなしている壁面22に対して対称な構造を有しているが,対称であることを除けば,各基板処理ユニット20A〜20Hは概ね同様の構成を備えている。
【0018】
各基板洗浄ユニット21A〜21Dは,基板処理ユニット20A〜20Hにおいてレジスト水溶化処理が施されたウェハWに対して,洗浄処理及び乾燥処理を施す。基板洗浄ユニット21A〜21Dは,図2に示すように,上下2段で各段に2台ずつ配設されている。左段には基板洗浄ユニット21A,21Bが上からこの順で配設され,右段には基板洗浄ユニット21C,21Dが上からこの順で配設されている。図1に示すように,基板洗浄ユニット21Aと基板洗浄ユニット21Cは,左右に並べて配設されている。基板洗浄ユニット21Bと基板洗浄ユニット21Dは,左右に並べて配設されている。基板洗浄ユニット21A,21Bは,基板洗浄ユニット21C,21Dよりウェハ搬送部7側に設けられている。上下に重ねられた基板洗浄ユニット21Aと基板洗浄ユニット21Bは,概ね同様の構成を備え,基板洗浄ユニット21Cと基板洗浄ユニット21Dは,概ね同様の構成を備えている。上段において左右に隣り合う基板洗浄ユニット21Aと基板洗浄ユニット21Cは,その境界をなしている壁面23を中心として概ね面対称な構造を有し,対称であることを除けば,基板洗浄ユニット21Aと基板洗浄ユニット21Cは概ね同様の構成を備えている。下段において左右に隣り合う基板洗浄ユニット21Bと基板洗浄ユニット21Dは,その境界をなしている壁面24を中心として概ね面対称な構造を有し,対称であることを除けば,基板洗浄ユニット21Bと基板洗浄ユニット21Dは概ね同様の構成を備えている。各基板洗浄ユニット21A〜21Dの構造については,後に詳細に説明する。
【0019】
主ウェハ搬送装置18の筒状の筐体18aは,X―Y平面内で回転自在に構成されている。筐体18aに支持されたウェハWを保持する搬送アーム18bは,Z方向に昇降するとともに,筐体18aに対してX―Y平面内でスライド自在となっている。これにより,主ウェハ搬送装置18は,各ウェハ受け渡しユニット16,17,各基板処理ユニット20A〜20H,各基板洗浄ユニット21A〜21Dに搬送アーム18bを進入・退出させ,各基板処理ユニット20A〜20H,各基板洗浄ユニット21A〜21Dに対してウェハWの搬入出を行うことができるようになっている。
【0020】
図2に示すように,処理部2の天井部には,各ユニット及び主ウェハ搬送装置18に,清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。また,ウェハ搬送部7の上部に,ウェハ搬送部7に清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)27が配設されている。
【0021】
上記ファンフィルターユニット(FFU)26からのダウンフローの一部は,ウェハ受け渡しユニット16,17と,その上部の空間を通ってウェハ搬送部7に向けて流出する構造となっている。これにより,ウェハ搬送部7から処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され,処理部2の清浄度が保持される。
【0022】
上記ウェハ受け渡しユニット16,17は,いずれもウェハ搬送部7との間でウェハWを一時的に載置するものであり,これらウェハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み重ねられて配置されている。この場合,下段のウェハ受け渡しユニット17は,イン・アウトポート5側から処理部2側へ搬送するようにウェハWを載置するために用い,上段のウェハ受け渡しユニット16は,処理部2側からイン・アウトポート5側へ搬送するウェハWを載置するために用いることができる。
【0023】
次に,基板洗浄ユニット21A〜21Dの構造について詳細に説明する。先ず,基板洗浄ユニット21Aの構成について説明する。図3に示すように,基板洗浄ユニット21Aのユニットチャンバー30内には,ウェハWを収納する密閉構造のアウターチャンバー31が備えられている。ユニットチャンバー30には,ウェハWを搬入出させるための開口32が形成されている。
【0024】
アウターチャンバー31の内側には,ウェハWを略水平に支持して回転させるスピンチャック35が配置されている。アウターチャンバー31の外側には,アウターチャンバー31の内側に移動してウェハWに酸性の薬液,アルカリ性の薬液,純水(DIW)等の処理液や,窒素(N)ガスをウェハWに処理流体として供給するノズルアーム36が配置されている。
【0025】
図4に示すように,アウターチャンバー31の内面には,ウェハWの周囲に飛散した処理液を受け止める傾斜部40が形成されている。傾斜部40は,スピンチャック35によって保持されたウェハWが位置する高さに,ウェハWの周縁外側に沿って,環状に形成されている。また,傾斜部40は,ウェハWの位置する高さより上方から下方まで形成されており,下方に向かうほど外側に広がるように傾斜している。ウェハWの周囲に飛散した処理液は,傾斜部40に受け止められ,アウターチャンバー31の下部に落下するようになっている。
【0026】
傾斜部40の上端部には,上端部から下方に垂れ下がるように形成された下垂部41が設けられている。下垂部41は,傾斜部40の上端部に沿って環状に形成されている。このように下垂部41を形成することにより,アウターチャンバー31の内部にスピンチャック35及びウェハWの回転によって旋回気流が発生しても,旋回気流を下垂部41より上方に流入させないようになっている。従って,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWより上方に流入することを防止できる。下垂部41は,スピンチャック35によって保持されたウェハWの周縁より外側に設けられている。即ち,下垂部41から処理液の液滴が落下しても,ウェハWの上面に付着しないようになっている。また,下垂部41の内側(スピンチャック35側)の下部には,下方に向かうほど外側に広がるように傾斜した傾斜面が形成されており,下垂部41に付着した処理液を外側に誘導して,下垂部41の下端からウェハWの外側に落下させるようになっている。
【0027】
傾斜部40には,ウェハWを搬入出させるための開口45が形成されており,開口45を開閉するシャッター46が設けられている。シャッター46の内面は,傾斜部40の一部となっている。即ち,シャッター46によって開口45を閉じた状態では,シャッター46の傾斜部40とアウターチャンバー31内面の傾斜部40が環状に連続した面になるように形成されている。シャッター46はアウターチャンバー31の内側から開口45を開閉するようになっている。即ち,アウターチャンバー31内が陽圧になった場合でも,シャッター46によって開口45を確実に塞ぎ,アウターチャンバー31内部の雰囲気を開口45から外部に漏出させないようになっている。
【0028】
開口45とシャッター46は,ユニットチャンバー30の開口32が位置する側に設けられている。また,開口32,45は,スピンチャック35によってウェハWが保持される高さに開口している。ウェハWをスピンチャック35に受け渡すときは,主ウェハ搬送装置18の搬送アーム18b及びウェハWを水平面内で直線移動させ,開口32,45内に通過させて,アウターチャンバー31内にウェハWを搬入するようになっている。
【0029】
傾斜部40の上方には,アウターチャンバー31の側壁51が形成されている。側壁51は,傾斜部40の上縁とほぼ同じ径を有する円筒状に形成されている。側壁51の下部には,処理液の液滴を集める溝52が形成されている。溝52は,側壁51の内面から内部に向かうほど下向きに傾斜するように形成されている。また,側壁51の内面に沿って円弧状に形成されている。さらに,溝52の下部に開口し,アウターチャンバー31の側壁を貫通して傾斜部40の下端部に開口する図示しない連通孔が形成されている。側壁51に付着した処理液の液滴は,側壁51に沿って落下して溝52に集められ,連通孔(図示せず)を通過して傾斜部40の下端部に排出される。
【0030】
図4に示すように,側壁51には,ノズルアーム36を通過させるノズル用開口55が形成されている。なお,開口45とノズル用開口55は,ウェハWを挟んで互いにほぼ対向する位置に設けられている。
【0031】
図4に示すように,側壁51の上端部は,アウターチャンバー31の円盤形状の天井61によって塞がれている。天井61には,図5に示すように,窒素ガス若しくはクリーンエアー等のダウンフロー用の流体を吐出する吐出口62が,天井61の中央を囲むように4箇所に設けられている。
【0032】
図4に示すように,傾斜部40の下方には,アウターチャンバー31の側壁65が形成されている。側壁65は,傾斜部40の下縁とほぼ同じ径を有する円筒状に形成されている。側壁65の下端部は,アウターチャンバー31の底面66に接続されている。
【0033】
底面66には,アウターチャンバー31内から液滴を排液し,また,アウターチャンバー31内を排気するアウターチャンバー排出路67が備えられている。アウターチャンバー排出路67は,スピンチャック35を挟んで開口45及びシャッター46とほぼ対向する位置において底面66に開口しており,底面66から下方に向かって延設され,図3に示すように,壁面23に向かって曲げられ,壁面23に向かって延設されている。さらに,壁面23の近傍において,開口45及びシャッター46から離隔する方向に向かって,上方から見て約90°程度の角度で曲げられ,壁面23に沿って配設されている。その下流側において,壁面23から離隔する方向に向かって,上方から見て約45°程度の角度で曲げられている。その下流側において,下方に曲げられ処理システム1の外部に延設されている。
【0034】
図3に示すように,スピンチャック35は,ウェハWの周縁を保持する3つの保持部材70を備えている。また,図4に示すように,スピンチャック35は,保持部材70と,保持部材70を支持する支持部材としてのチャックプレート71と,チャックプレート71の底部に接続する回転筒体72によって構成されている。回転筒体72の下端は,中空モータ73の中空回転軸74の上端に接続されている。中空モータ73を駆動させると,中空回転軸74が回転して,回転筒体72,チャックプレート71,保持部材70が一体的に回転するようになっている。中空モータ73は,基板洗浄ユニット21Aを上方から見たとき中空回転軸74及びスピンチャック35を反時計方向CCW(Counter clock wise)に回転させる。即ち,スピンチャック35によって保持されたウェハWは,図3に示すように,上方から見て反時計方向CCWに回転させられる。
【0035】
図3に示すように,保持部材70は,チャックプレート71の周囲において3箇所に配置されている。図4に示すように,保持部材70は,縦腕75と横腕76を備えた略L字型に形成されている。横腕76は,チャックプレート71の下面に支持され,縦腕75は,チャックプレート71の上方に突出するように配置される。図6に示すように,縦腕75上部の内面には,スピンチャック35の静止時にウェハWの周縁部を保持する仮置き部77と,スピンチャック35の回転時にウェハWの周縁に接触させてウェハWの周縁を保持する当接部78が形成されている。仮置き部77は,ウェハWの周縁部を載せる載置面81と,載置面81に載置されたウェハWの周縁に近接した位置に配置されるずれ防止ピン82を備えている。ずれ防止ピン82は,載置面81に載置されたウェハWが外側に飛び出ることを防止する。当接部78には,ウェハWの周縁を挿入させる保持溝83が形成されている。横腕76の上面には,チャックプレート71にそれぞれ支持される支持部としての凸部86と凹部87が形成されている。この凸部86と凹部87をそれぞれチャックプレート71の下面に係合させることにより,保持部材70がチャックプレート71に支持されるようになっている。
【0036】
保持部材70は,導電性が異なる2種類の材質を貼り合わせて成形した構造になっている。PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)によって形成された不導体部分の間に,カーボンを加えたPEEK(以下,「導電性PEEK」という。)によって形成された導体の層が挟み込まれている。当接部78から凸部86,凹部87に連続した連続部分90は,導電性PEEKによって形成されている。連続部分90以外の部分91は,カーボンを加えないPEEKによって形成されている。連続部分90(以下,「導体部分90」)の表面は,縦腕75の内面において縦方向に帯状に露出しており,横腕76の上面において縦腕75側から横腕76先端に向かって帯状に露出している。
【0037】
ここで,カーボンを加えないPEEKによって形成された不導体部分91は,耐薬液性と強度性が良好であるが,導体部分90は,不導体部分91と比較して耐薬液性が劣り,導電性PEEKからカーボンが溶出する虞がある。そこで,保持部材70においては,導体部分90の表面積が導体部分90以外の部分91(以下,「不導体部分91」)の表面積より小さくなるように形成されており,保持部材70を総て導電性PEEKによって形成した場合と比較して,保持部材70全体の耐薬液性が良好になるようにしている。即ち,導電性PEEKから溶出するカーボンの量を抑制できるようになっている。この場合,導電性PEEKから溶出するカーボンによって発生するパーティクルを少なくすることができ,ウェハWにパーティクルが付着することを防止できる。
【0038】
中空モータ73は,図7に示すように,中空モータの筐体95を備えている。筐体95の上面と下面には,前述の中空回転軸74を内側に配置する穴96,97がそれぞれ設けられている。また,筐体95の内面側において,穴96,97の周縁に沿って,ベアリング100,101がそれぞれ備えられている。筐体95の下面には,エンコーダ102が固定されている。中空回転軸74は,ベアリング100,101を介して筐体95に回転可能に支持され,また,エンコーダ102の内側でも回転可能に支持されている。筐体95の内部において,中空回転軸74の外周面には,コイル105が巻回されている。筐体95の内周面には,コイル105を囲むようにコイル106が筐体95に対し固定されている。
【0039】
筐体95の側壁には,筐体95の内部にエアーを供給する供給路107が備えられている。また,筐体95の内部を排気する排気路108が備えられている。供給路107は,コイル105,106の下方に開口している。排気路108は,コイル105,106の上方に開口している。供給路107からエアーを供給すると,エアーは,コイル105,106の下方から,コイル105,106の間を通過して上方に流れ,排気路108によって排出される。中空モータ73の回転等により筐体95内に発生したパーティクル等は,エアーと共に,排気路108によって排出できる。なお,供給路107からの供給流量と排気路108からの排気流量を調整することにより,筐体95の内部の圧力を外側とほぼ同じ圧力に維持することが好ましい。これにより,中空回転軸74の外周面と穴96,97の内周面との間の隙間から筐体95の外側にパーティクルが漏れ出ることと,筐体95内に筐体95の外側の雰囲気が侵入することを防止できる。
【0040】
図4に示すように,中空モータ73は,アウターチャンバー31の底面66に形成された開口111の内側に配置されており,開口111の下方に位置するユニットチャンバー30底面に固定されている。中空モータ73の周囲には,中空モータ73の側方及び上方を囲むモータ囲繞部材112が備えられている。モータ囲繞部材112の天井部は,中空モータ73とチャックプレート71との間に配置されている。回転筒体72は,モータ囲繞部材112の天井部に形成された穴113の内側に配置されている。モータ囲繞部材112の下端部は,アウターチャンバー31の底面66に,開口111の周縁に沿って固定されている。また,ユニットチャンバー30の底面には,開口111の下方に位置する部分に,モータ囲繞部材112の内部をユニットチャンバー30の外部に排気するための排気口114が形成されている。中空モータ73を駆動させると,スピンチャック35の回転によって旋回気流が発生するが,中空回転軸74及び回転筒体72の回転によってモータ囲繞部材112の内部に発生した旋回気流は,モータ囲繞部材112の内部に閉じ込められ,モータ囲繞部材112の外側に流れ出ないようになっている。また,モータ囲繞部材112の内部に薬液等の腐食性の雰囲気が流れ込むことを防止して,中空モータ73が腐食することを防止するようになっている。
【0041】
ここで,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,ユニットチャンバー30の底面を支持する処理システム1のフレームは,それぞれウェハWや保持部材70の帯電を逃がすことができる導電性を有する材質によって形成されており,さらに,処理システム1のフレームは接地されている。即ち,導体部分90は,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して,接地されている。従って,帯電しているウェハWを当接部78によって保持すると,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して,ウェハWに発生していた静電気を大地に逃がすことができる。即ち,ウェハWの帯電を解消することができる。また,当接部78によって保持されたウェハWは,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して接地されているので,基板洗浄ユニット21Aの処理によってウェハWが帯電することを防止できる。
【0042】
図8に示すように,モータ囲繞部材112の天井部には,回転筒体72の外周面と穴113の内周面との間の隙間115に窒素ガスを吐出する供給路116が備えられている。供給路116は,隙間115のほぼ中間の高さに開口している。回転筒体72の外周面には,隙間115の内側に位置する高さに,溝117が形成されている。溝117は,回転筒体72の外周面に沿って環状に形成されている。また,供給路116の開口より下方に形成されている。
【0043】
供給路116から窒素ガスを吐出すると,隙間115の上部及び下部から窒素ガスが吹き出るようになっている。これにより,モータ囲繞部材112の天井部上方からモータ囲繞部材112の内部に薬液等の腐食性の雰囲気が流れ込むことを防止でき,また,モータ囲繞部材112の内部からモータ囲繞部材112の天井部上方に雰囲気が流出することを防止できる。従って,ウェハWが中空モータ73の駆動等により発生したパーティクル等によって汚染される心配が無い。また,薬液等の腐食性の雰囲気が中空モータ73に悪影響を与える心配が無い。隙間115の下部からモータ囲繞部材112の内部に供給された窒素ガスは,下方に向かって流れ,図4に示す中空モータ73と開口111との間を通過して,排気口114によってユニットチャンバー30の外部に排気される。このように,モータ囲繞部材112の内部に窒素ガスによるダウンフローが形成される。従って,モータ囲繞部材112の内部に,中空モータ73から回転等により発生したパーティクル等が漏れ出ても,窒素ガスと共にユニットチャンバー30の外部に排出することができ,モータ囲繞部材112の内部を清浄な状態に維持することができる。なお,窒素ガスが回転筒体72の外周面に形成された溝117に流入する際,流速が低下して,窒素ガスが隙間115の下部からモータ囲繞部材112の内部に広範囲に拡散される効果がある。なお,供給路116からの供給流量と排気口114からの排気流量を調整することにより,モータ囲繞部材112の内部の圧力を外側とほぼ同じ圧力に維持することが好ましい。これにより,モータ囲繞部材112の内部に薬液等の腐食性の雰囲気が流れ込むことと,モータ囲繞部材112の天井部上方にパーティクル等が流出することを効果的に防止できる。
【0044】
図9に示すように,モータ囲繞部材112の天井部の上方に突出して3つの保持部材70を開閉させる開閉ピン118が備えられている。開閉ピン118は,各保持部材70の横腕76の下方にそれぞれ備えられている。開閉ピン118は,モータ囲繞部材112の天井部に形成された穴の内側で昇降し,上昇したとき各保持部材70の横腕76の下面に当接して横腕76を押し上げるようになっている。これにより,縦腕75を外側に傾斜させ,仮置き部77の載置面81を上昇させ,当接部78を外側に移動させることができる。また,開閉ピン118を下降させて横腕76から離隔させると,縦腕75が内側に移動して,仮置き部77の載置面81を下降させ,当接部78を内側に移動させることができる。仮置き部77によってウェハWを支持するときは,開閉ピン118を上昇させ,仮置き部77の載置面81をウェハWの下面が位置する高さに上昇させ,当接部78をウェハWの周縁から離隔した外側の位置に移動させるようにする。当接部78によってウェハWを支持するときは,開閉ピン118を下降させ,当接部78をウェハWの周縁に当接させるように内側に移動させ保持溝83にウェハWの周縁を挿入させるようにし,仮置き部77の載置面81をウェハWの下面が位置する高さから下降させ,ウェハWの下面から離隔させるようにする。このように,開閉ピン118を昇降させることで,ウェハWを仮置き部77によって支持する状態と,当接部78によって支持する状態を切り換えることができる。
【0045】
図4に示すように,チャックプレート71の上方には,スピンチャック35に支持されたウェハWの下面を覆う円盤状のアンダープレート120が,3つの保持部材70より内側に備えられている。また,回転筒体72と中空回転軸74の内側には,アンダープレート120を支持するシャフト121が備えられている。シャフト121の上部は,チャックプレート71の中心部に形成された穴の内側に配置され,チャックプレート71の上方に突出しており,シャフト121の上端がアンダープレート120の下面中心部に固着されている。アンダープレート120は,上面がウェハWの下面とほぼ平行になるように支持されている。シャフト121の下部は,ユニットチャンバー30の底面に形成された穴の内側に配置され,ユニットチャンバー30の底面下方に突出しており,シャフト121の下端は,ユニットチャンバー30の底面下方に配置された水平板122の上面に固着されている。水平板122の下面には,シリンダー123のロッド124が固着されている。シリンダー123を駆動させると,水平板122を鉛直方向に昇降させ,アンダープレート120,シャフト121を水平板122と一体的に鉛直方向に昇降させることができる。これにより,アンダープレート120を,スピンチャック35に支持されたウェハWの下面に近接した位置とウェハWの下面から離隔した位置とに上下に移動させることができる。
【0046】
アンダープレート120には,ウェハWの下面に酸性の薬液,アルカリ性の薬液,純水等の処理液,窒素ガス等を供給する下面供給路127が備えられている。下面供給路127は,シャフト121の内部を貫通するように設けられている。
【0047】
図4に示すように,アウターチャンバー31の内部には,ウェハWに供給された処理液を受けるインナーカップ128が備えられている。また,インナーカップ128をスピンチャック35に支持されたウェハWを囲む上昇位置とウェハWより下方の下降位置との間で昇降させる昇降機構130が備えられている。
【0048】
インナーカップ128は,スピンチャック35及びモータ囲繞部材112を囲むように形成されており,スピンチャック35に支持されたウェハWを囲む上昇位置とウェハWより下方の下降位置との間で昇降可能である。インナーカップ128は,円筒状の側壁131と,側壁131の上方に形成された傾斜部132と,側壁131の下端部に沿って形成された底部133によって構成されている。
【0049】
側壁131は,アウターチャンバー31の側壁65の径より小さく,モータ囲繞部材112の側壁より大きく形成されており,側壁65とモータ囲繞部材112との間で昇降可能である。
【0050】
傾斜部132は,上方に向かうほど内側に傾斜するように形成されており,傾斜部132の上端部に沿って,環状に形成されている。図9に示すように,傾斜部132は,インナーカップ128を上昇させたとき,アウターチャンバー31の傾斜部40と下垂部41の間に進入させることができ,これにより,傾斜部132によってウェハWを囲むようになっている。傾斜部132によってウェハWの周囲を囲むようにすると,ウェハWの周囲に飛散した処理液が傾斜部132に受け止められ,インナーカップ128内に落下するようになっている。
【0051】
図4に示すように,底部133は,側壁131の下端部に沿って環状に形成されている。即ち,底部133には,円形の開口134が形成されており,開口134の内側に,モータ囲繞部材112が配置されている。また,インナーカップ128によって受けた処理液は,開口134に通過させて底部133の下方に排出するようになっている。即ち,底部133の内面とモータ囲繞部材112の外面との間には,リング状の隙間が形成されており,インナーカップ128によって受けた処理液は,この隙間を通過して底部133の下方に排出されるようになっている。
【0052】
底部133の上面は,側壁131の下端部から開口134の周縁に向かって下降するように傾斜する傾斜面となっており,底部133上の処理液を開口134に向かって下降させやすいようになっている。
【0053】
モータ囲繞部材112の上部には,インナーカップ128を下降させた際に傾斜部132の上端に接触するリング状部材138が設けられている。リング状部材138の内周部は,モータ囲繞部材112に支持されており,外側に向かうほど下方に傾斜するように形成されている。リング状部材138の外周部は,下方に折れ曲がるように形成されており,傾斜部132の上端をリング状部材138の外周部に円滑に接触させ易い構成となっている。こうすることで,傾斜部132の上端部の開口部が閉じられることが容易となる。
【0054】
図9に示すように,インナーカップ128の底部133の下面には,開口134の下方を囲む第1の円筒状部材140が備えられている。第1の円筒状部材140は,開口134の周縁部から垂れ下がるように設けられている。また,モータ囲繞部材112の外周面との間に隙間を設けた状態で,モータ囲繞部材112の周囲を囲むように配置されている。さらに,底部133の下面には,第1の円筒状部材140の外側を囲む外側円筒状部材141が備えられている。
【0055】
一方,アウターチャンバー31の底面66に,開口134の下方を囲む第2の円筒状部材143が立設されている。第2の円筒状部材143は,第1の円筒状部材140を囲むように配置され,外側円筒状部材141より内側に配置されている。即ち,第1の円筒状部材140と外側円筒状部材141の間に,第2の円筒状部材143を挟むように配置されている。第1の円筒状部材140は,第2の円筒状部材143の内周面に近接して配置されている。外側円筒状部材141は,第2の円筒状部材143の外周面に近接して配置されている。なお,前述のアウターチャンバー排出路67は,第2の円筒状部材143の外側において,アウターチャンバー31の底面66に開口している。
【0056】
インナーカップ128を昇降させる際,第1の円筒状部材140と外側円筒状部材141は,第2の円筒状部材143に沿って昇降する。インナーカップ128を上昇させ,傾斜部132をアウターチャンバー31の傾斜部40と下垂部41の間に進入させたときは,第1の円筒状部材140と外側円筒状部材141の各下端部の間に,第2の円筒状部材143の上端部が挟まれた状態となる。インナーカップ128を下降させ,傾斜部132の上端をリング状部材138に接触させたときは,第1の円筒状部材140,外側円筒状部材141,第2の円筒状部材143の配置は,第1の円筒状部材140と外側円筒状部材141の間に第2の円筒状部材143全体を進入させた状態になる。即ち,第1の円筒状部材140と第2の円筒状部材143は,インナーカップ128を昇降させる間,常に重なるような高さに形成されている。この場合,インナーカップ128を昇降させるときも,開口134から排出される処理液が第1の円筒状部材140と第2の円筒状部材143の外側に飛散することを防止できる。
【0057】
第2の円筒状部材143の内側には,第2の円筒状部材143の内側から処理液を排出するインナーカップ排出路145が設けられている。インナーカップ排出路145は,第2の円筒状部材143とモータ囲繞部材112との間において,アウターチャンバー31の底面66に開口している。
【0058】
インナーカップ128を上昇させ,インナーカップ128の傾斜部132をアウターチャンバー31の傾斜部40と下垂部41の間に進入させたときは,ウェハWの周囲に飛散した処理液は,インナーカップ128によって受け止められ,側壁131とモータ囲繞部材112との間から,第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112との間に落下して,インナーカップ排出路145によって排出されるようになっている。インナーカップ128を下降させ,傾斜部132をリング状部材138の外周部に密着させたときは,ウェハWの周囲に飛散した処理液は,傾斜部40に受け止められ,傾斜部132とリング状部材138の上面を下降するようになっている。そして,側壁65と側壁131との間から,側壁65と外側円筒状部材140との間に落下して,図4に示すアウターチャンバー排出路67によって排出される。
【0059】
なお,インナーカップ排出路145は,開口45及びシャッター46の下方において,底面66に開口している。即ち,アウターチャンバー排出路67が底面66に開口している位置とほぼ対向する位置において,底面66に開口している。インナーカップ排出路145は,底面66から下方に向かって延設され,図3に示すように,壁面23から離隔する方向に向かって曲げられている。その下流側において,下方に曲げられ処理システム1の外部に延設されている。
【0060】
図4に示すように,昇降機構130は,インナーカップ128を支持するインナーカップ支持部材としてのインナーカップ支持シャフト147と,インナーカップ支持シャフト147を支持する水平板148と,水平板148を昇降させるシリンダー150を備えている。
【0061】
図9に示すように,インナーカップ支持シャフト147は,アウターチャンバー31の底面66に形成された通過口151の内側,及び,ユニットチャンバー30の底面に形成された通過口152の内側に配置され,アウターチャンバー31内に突出するように配置されている。アウターチャンバー31内において,インナーカップ支持シャフト147は,外側円筒状部材141の外側に配置されている。即ち,第1の円筒状部材140,外側円筒状部材141,第2の円筒状部材143の外側に配置されている。インナーカップ支持シャフト147の上端部は,底部133の下面に,シャフト固定部材153を介して固定されている。
【0062】
シャフト固定部材153と底面66の間には,インナーカップ支持シャフト147の周囲を囲む伸縮可能なベローズ155が備えられている。ベローズ155の上端は,シャフト固定部材153の下面周縁部に固定され,ベローズ155の下端は,通過口151の周囲に固定されている。インナーカップ128を昇降させるときは,ベローズ155を伸縮させながらインナーカップ支持シャフト147を昇降させるようになっている。
【0063】
このように,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に配置した場合,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の内側に配置した場合と比較して,処理液をインナーカップ排出路145に効率的に排出することができる。即ち,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140と第2の円筒状部材143の内側に配置すると,第1の円筒状部材140と第2の円筒状部材143が開口134の周縁部から離隔した位置に配置されるため,底部133の下方の容積,即ち,第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112の間,及び,第2の円筒状部材143とモータ囲繞部材112の間の容積が大きくなる。そのため,底部133の下方に処理液や処理液雰囲気が溜まりやすくなる。さらに,シャフト固定部材153,ベローズ155に処理液が付着して残留する問題がある。また,インナーカップ128の上方からインナーカップ128内にダウンフローを形成しても,底部133の下方に溜まった処理液や処理液雰囲気を下降させ難い。このように,処理液をインナーカップ排出路145に効率的に排出できない問題が生じる。これに対し,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に配置して,第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141を開口134の周縁部に配置すれば,開口134の外側に処理液や処理液雰囲気が溜まる空間が無いので,インナーカップ128内の処理液や処理液雰囲気を,インナーカップ排出路145に効率的に排出できる。
【0064】
図4に示すように,水平板148は,ユニットチャンバー30の底面下方に配置されている。インナーカップ支持シャフト147の下端は,水平板148の上面に固着されている。シリンダー150は,アウターチャンバー31の外側において,ユニットチャンバー30の底面に固定されており,ロッド156をシリンダー150の下方において伸縮させるように配置されている。ロッド156の先端は,水平板148の上面に固着されている。シリンダー150を駆動させると,水平板148を鉛直方向に昇降させ,インナーカップ128,インナーカップ支持シャフト147を水平板148と一体的に鉛直方向に昇降させることができる。
【0065】
図9に示すように,アウターチャンバー31の側壁65には,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を取り付け,また,修理する際に開口させるメンテナンス用開口158が形成されている。メンテナンス用開口158は,インナーカップ128を下降させた状態のシャフト固定部材153及びベローズ155とほぼ同じ高さに開口している。メンテナンス用開口158は,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155の取り付けや修理を行う場合以外は,蓋159によって閉塞されており,アウターチャンバー31の内側の雰囲気がメンテナンス用開口158からアウターチャンバー31の外側に漏れず,また,アウターチャンバー31の外側の雰囲気がメンテナンス用開口158からアウターチャンバー31の内側に侵入しないようになっている。
【0066】
図4に示すように,アウターチャンバー31の上部には,吐出口62から吐出された窒素ガスの流れを邪魔する邪魔板160が備えられている。邪魔板160は,アウターチャンバー31の側壁51より小さい径で形成された円盤形状をしており,中央部に円形の穴161が設けられている。各吐出口62から吐出された窒素ガスは,邪魔板160と側壁51との間,及び,穴161を通過し,邪魔板160を迂回して邪魔板160の下方に流れ,スピンチャック35によって保持されたウェハWの上方に流れるようになっている。そして,インナーカップ128を上昇させ傾斜部132によってウェハWを囲む状態にしたときは,窒素ガスはウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部132との間に流入して,インナーカップ排出路145によって排気されるようになっている。インナーカップ128を下降させ傾斜部40によってウェハWを囲む状態にしたときは,窒素ガスはウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部40との間に流入して,アウターチャンバー排出路67によって排気されるようになっている。このように,吐出口62から吐出された窒素ガスが邪魔板160を迂回して供給されるようにし,吐出口62からウェハWの上面に向かって窒素ガスが直に下降しないようにしたことにより,ウェハWにパーティクルが吹き付けられて生じる局所的な帯電が発生することを防止できる。
【0067】
図3に示すように,ノズルアーム36の内部には,処理流体供給路162が備えられている。処理流体供給路162は,ノズルアーム36の先端部に開口している。ノズルアーム36の基端には,回転駆動機構163が備えられている。回転駆動機構163を駆動させると,ノズルアーム36の基端を中心として,ノズルアーム36を水平面内で回転させることができる。回転駆動機構163は,基板洗浄ユニット21Aを上方から見たときノズルアーム36を反時計方向CCW及び時計方向CW(Clock wise)に回転させることができる。これにより,ノズルアーム36の先端部を,アウターチャンバー31の外側からノズル用開口55に通過させてウェハWの上方に移動させ,また,ウェハWの上方からアウターチャンバー31の外側に移動させることができる。ノズルアーム36の先端部は,少なくともウェハWの中心上方から周縁上方までの間を移動することができる。
【0068】
なお,アウターチャンバー31の外側に位置しているときのノズルアーム36は,基板洗浄ユニット21Aを上方から見てアウターチャンバー31を挟んで開口45及びシャッター46とほぼ対向する位置に配設されている。ノズルアーム36の先端側は,ノズル用開口55側に配設され,回転駆動機構163は開口45及びシャッター46側に配設されている。回転駆動機構163によってノズルアーム36を反時計方向CCWに回転させることにより,ノズルアーム36の先端部をアウターチャンバー31の外側からアウターチャンバー31の内側に移動させ,回転駆動機構163によってノズルアーム36を時計方向CWに回転させることにより,ノズルアーム36の先端部をウェハWの中央部から周縁部に,また,アウターチャンバー31の内側からアウターチャンバー31の外側に移動させるようになっている。
【0069】
図10に示すように,処理流体供給路162と下面供給路127は,処理流体供給路165に接続されている。処理流体供給路162と下面供給路127には,開閉弁166,167がそれぞれ介設されている。処理流体供給路165には,処理液の供給を切り換える供給切換部168を介して,酸性薬液供給源169から酸性薬液を供給する酸性薬液供給路170と,アルカリ性薬液供給源172からアルカリ性薬液を供給するアルカリ性薬液供給路173と,純水供給源174から純水を供給する純水供給路175と,窒素ガス供給源176から窒素ガスを供給する窒素ガス供給路177と,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127内の処理液を吸引するアスピレータ180が接続されている。
【0070】
インナーカップ排出路145の下流端は,ミストトラップ190に接続されている。このミストトラップ190により,インナーカップ排出路145によって排液された液滴中から気泡などを除去するようになっている。除去された気泡は,ミストトラップ190に設けられたミストトラップ排気管191により処理システム1の外部に排気される。気泡を除去された液滴は,ミストトラップ190に設けられた排液回収路192により回収される。排液回収路192は,切換弁194を介して排液管195又は排液回収路196に接続されている。排液回収路196はタンク198に接続されている。タンク198は排液管201と循環路202を有し,循環路202にはポンプ203とフィルター204が設けられている。循環路202は,切換弁205を介して酸性薬液供給路170に接続されている。即ち,インナーカップ排出路145によって排出された酸性薬液は,回収され再利用されるようになっている。一方,アウターチャンバー排出路67によって排出された排液及び排気は再利用されず,処理システム1の外部に排出されるようになっている。
【0071】
図1及び図2に示す基板洗浄ユニット21Aの真下に備えられた基板洗浄ユニット21Bは,基板洗浄ユニット21Aと概ね同様の構成を備えている。基板洗浄ユニット21A,21Bの各ユニットチャンバー30,各アウターチャンバー31,各開口32,各スピンチャック35,各ノズルアーム36,各開口45,各シャッター46,各ノズル用開口55,各アウターチャンバー排出路67,各インナーカップ排出路145等は,基板洗浄ユニット21A,21Bを上方から見たとき互いにほぼ上下に重なる位置に設けられている。基板洗浄ユニット21Bの中空モータ73は,基板洗浄ユニット21Bを上方から見たとき中空回転軸74及びスピンチャック35を反時計方向CCW(Counter clockwise)に回転させ,基板洗浄ユニット21Bのスピンチャック35によって保持されたウェハWは,図3に示すように,上方から見て反時計方向CCWに回転させられる。
【0072】
図3に示すように,基板洗浄ユニット21Aの隣に備えられた基板洗浄ユニット21Cの中空モータ73は,基板洗浄ユニット21Cを上方から見たとき中空回転軸74及びスピンチャック35を時計方向CWに回転させ,基板洗浄ユニット21Cのスピンチャック35によって保持されたウェハWは,上方から見て時計方向CWに回転させられる。即ち,基板洗浄ユニット21A,21Cの各中空モータ73は,互いに逆方向に回転するようになっており,基板洗浄ユニット21A,21Cにおいて,ウェハWは互いに逆方向に回転させられるようになっている。このように,基板洗浄ユニット21A,21Cの各中空モータ73を互いに逆方向に回転させるようにすると,基板洗浄ユニット21A,21Cを壁面23を中心とした面対称な構造(ミラー構造)にすることができる。即ち,基板洗浄ユニット21A,21Cの各ユニットチャンバー30,各アウターチャンバー31,各開口32,各スピンチャック35,各ノズルアーム36,各開口45,各シャッター46,各ノズル用開口55,各アウターチャンバー排出路67,各インナーカップ排出路145等は,基板洗浄ユニット21A,21Cを上方から見たとき,壁面23を中心として互いにほぼ線対称な形状及び配置となっている。この場合,基板洗浄ユニット21A,21Cの各部の形状や配置の設計が容易になる。
【0073】
また,基板洗浄ユニット21A,21Cの各開口32,45は,主ウェハ搬送装置18側に備えられており,主ウェハ搬送装置18の筐体18aを回転させるだけで,各開口32に対向する位置に,搬送アーム18bを移動させることができるようになっている。従って,ウェハWの搬入出を効率良く行うことができる。
【0074】
なお,基板洗浄ユニット21Cにおいては,回転駆動機構163によってノズルアーム36を時計方向CWに回転させることにより,ノズルアーム36の先端部をアウターチャンバー31の外側からアウターチャンバー31の内側に移動させ,回転駆動機構163によってノズルアーム36を反時計方向CCWに回転させることにより,ノズルアーム36の先端部をアウターチャンバー31の内側からアウターチャンバー31の外側に移動させるようになっている。即ち,基板洗浄ユニット21A,21Cの各ノズルアーム36は,互いに逆方向に回転しながらウェハWに処理液を供給するようになっている。ここで,ノズルアーム36先端部をウェハWの中心部から周縁部に回動させ,ウェハWを回転させながら処理液を供給する場合,ウェハW上面に処理液が供給される位置の軌跡(処理液供給位置の軌跡)は,ウェハWの中心部から周縁部に向かう渦巻状の形になる。基板洗浄ユニット21Aにおける処理液供給位置の軌跡は,中心部から周縁部に向かう時計方向CWの渦巻状の形になり,基板洗浄ユニット21Cにおける処理液供給位置の軌跡は,中心部から周縁部に向かう反時計方向CCWの渦巻状の形になる。また,ノズルアーム36先端部の移動速度及びスピンチャック35の回転速度を同じ大きさにした場合,基板洗浄ユニット21A,21Cにおける処理液供給位置の軌跡は線対称な形になる。
【0075】
このように,基板洗浄ユニット21A,21Cの各中空モータ73を互いに逆方向に回転させる構成とし,基板洗浄ユニット21A,21Cをミラー構造としたことにより,処理液供給位置の軌跡も線対称な形にすることができる。また,各アウターチャンバー排出路67,各インナーカップ排出路145の形状がミラー構造であり,排液性能や排気性能が同じであるため,ダウンフローなどアウターチャンバー31内の液滴や雰囲気の流れを面対称な状態にすることができる。即ち,処理液や雰囲気の流れを面対称な状態にすることで,各基板洗浄ユニット21A,21CにおいてウェハWに施される洗浄処理性能の均一性を向上させることができる。
【0076】
図1及び図2に示す基板処理ユニット21Dは,基板洗浄ユニット21Cの真下に備えられ,また,基板洗浄ユニット21Bの隣に備えられており,基板洗浄ユニット21Cと概ね同様の構成を備え,また,基板洗浄ユニット21Bと線対称な構成を有している。基板洗浄ユニット21B,21Dの各中空モータ73は,互いに逆方向に回転するようになっており,基板洗浄ユニット21B,21Dにおいて,ウェハWは互いに逆方向に回転させられるようになっている。基板洗浄ユニット21B,21Dの各ノズルアーム36は,互いに逆方向に回転しながらウェハWに処理液を供給するようになっている。このように,各中空モータ73を互いに逆方向に回転させる構成とし,基板洗浄ユニット21B,21Dをミラー構造としたことにより,基板洗浄ユニット21B,21Dの各部の形状や配置の設計が容易になる。各基板洗浄ユニット21B,21DにおいてウェハWに施される洗浄処理性能の均一性を向上させることができる。即ち,各基板洗浄ユニット21A〜21DにおいてウェハWに施される洗浄処理性能の均一性を向上させることができる。
【0077】
次に,上記のように構成された処理システム1におけるウェハWの処理工程を説明する。先ず,図示しない搬送ロボットにより,表面にレジストが塗布されているウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがイン・アウトポート5の載置台4に載置される。載置台4において,キャリアCは,各ウェハWの表面,即ち,レジストが塗布された面を上面にした状態で載置される。このように載置台4に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって一枚ずつウェハWが取り出され,取出収納アーム11によって取り出したウェハWをウェハ受け渡しユニット17に搬送する。そして,主ウェハ搬送装置18の搬送アーム18bがウェハ受け渡しユニット17からウェハWを受け取り,主ウェハ搬送装置18の搬送アーム18bによって各基板処理ユニット20A〜20HにウェハWを適宜搬入する。各基板処理ユニット20A〜20Hにおいては,ウェハWにオゾンガスと水蒸気の混合流体を供給して,ウェハWの表面に塗布されているレジストを水溶化する処理を行う。レジストを水溶化させた後,主ウェハ搬送装置18の搬送アーム18bによって各基板処理ユニット20A〜20HからウェハWを搬出し,各基板洗浄ユニット21A〜21DにウェハWを適宜搬入する。
【0078】
基板洗浄ユニット21A〜21Dの動作態様はほぼ同様であるので,基板洗浄ユニット21Aを代表して説明することとする。ウェハWを搬入する前の基板洗浄ユニット21Aにおいては,インナーカップ128を予め下降させ,スピンチャック35の上部をインナーカップ128の上方に突出させた状態にしておく。アンダープレート120は予め下降させ,ウェハWがスピンチャック35に保持される高さより下方に離隔した位置に待機させておく。アンダープレート120上面と保持部材70上部の仮置き部77との間には,ウェハWの授受に十分な空間が形成されている。ノズルアーム36はノズル用開口55の外側に待機させておく。また,各保持部材70は,開閉ピン118を上昇させ横腕76を押し上げることにより,仮置き部77の載置面81を上昇させ,当接部78を外側に移動させた状態にしておく。
【0079】
このような状態の基板洗浄ユニット21Aにおいて,開口45を開き,ウェハWを保持した搬送アーム18bを開口32,45からアウターチャンバー31内に進入させる。そして,搬送アーム18bを水平方向に直線移動させて,3つの保持部材70に各々形成された載置面81の上方にウェハWの周縁部が位置するようにウェハWを移動させ,搬送アーム18bを下降させて,載置面81にウェハWの下面周縁部をそれぞれ当接させる。こうして,ウェハWは下面に3つの載置面81を当接させた状態で仮置き部77によってスピンチャック35に支持される。各保持部材70の当接部78は,ウェハWの周縁が配置される位置より外側に離隔しているので,ウェハWに当接部78が接触することなく,余裕をもってウェハWを載置面81まで下降させることができる。ウェハWは,水溶化されたレジストが付着している表面を上面にした状態で,搬送アーム18bに保持され,スピンチャック35に支持される。
【0080】
ウェハWをスピンチャック35に受け渡した後,搬送アーム18bをウェハWとアンダープレート120の間に下降させ,水平方向に直線移動させて保持部材70の間から後退させ,アウターチャンバー31の内部から退出させ,退出後,シャッター46によって開口45を閉じる。アンダープレート120は,ウェハWが支持される位置から離隔しているので,搬送アーム18bは,アンダープレート120に接触することなく,余裕をもってウェハWをスピンチャック35に受け渡し,退出することができる。また,インナーカップ128はウェハWが支持される位置から離隔しているので,搬送アーム18bは,インナーカップ128に接触することなく,余裕をもってウェハWをスピンチャック35に受け渡し,退出することができる。
【0081】
次に,開閉ピン118を下降させることにより,各保持部材70の載置面81を下降させると同時に,当接部78を内側に移動させる。これにより,載置面81をウェハWの下面から離隔させ,保持溝83にウェハWの周縁を挿入させる。即ち,ウェハWの周縁を載置面81から相対的に持ち上げて,保持溝83に挿入させる。こうして,ウェハWは周縁を当接部78によって保持された状態でスピンチャック35に支持される。スピンチャック35は,開閉ピン118と横腕76が離隔したことにより,回転可能な状態になる。
【0082】
ここで,ウェハWが帯電している場合,ウェハWに当接部78を当接させることにより,ウェハWの帯電を解消することができる。即ち,ウェハWに発生していた静電気を,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して,大地に逃がすことができる。また,当接部78によって保持されたウェハWは,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して接地された状態となるので,基板洗浄ユニット21Aの処理によってウェハWが帯電することを防止できる。
【0083】
さらに,アンダープレート120をウェハWに近接した位置に上昇させる。近接位置に移動したアンダープレート120とウェハWの下面(裏面)の間には,例えば1mm程度の隙間が形成される。インナーカップ128を上昇させ,傾斜部132をアウターチャンバー31の傾斜部40と下垂部41の間に移動させる。こうして,傾斜部132をウェハWが位置する高さに上昇させ,傾斜部132によってウェハWの周縁を囲む状態にする。
【0084】
回転駆動機構163を駆動させてノズルアーム36を回動させ,ノズルアーム36の先端部をノズル用開口55からアウターチャンバー31内に移動させ,ウェハWの中心部上方まで移動させる。中空モータ73の駆動によりスピンチャック35を低速回転させ,ウェハWをスピンチャック35と一体的に低速回転させる。そして,ノズルアーム36の先端部から酸性薬液を吐出して,ウェハWの上面中心部近傍に酸性薬液を供給する。ウェハWの中心部近傍に供給された薬液は,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れ,ウェハWの上面に酸性薬液の液膜が形成される。また,下面供給路127からウェハWの下面に酸性薬液を供給する。ウェハWの下面中心部近傍に供給された薬液は,ウェハWの回転による遠心力でウェハWの外周方向に流れ,ウェハWの下面に酸性薬液の液膜が形成される。アンダープレート120とウェハW下面の間には狭い隙間が形成されているので,これらの間に酸性薬液のみを介在させることができる。こうしてウェハWの両面に酸性薬液の液膜を形成したら,供給切換部168を閉じて,ノズルアーム36と下面供給路127からの酸性薬液の供給を停止し,所定時間,ウェハWを液膜が崩れない程度に低速に回転させる。こうして,ウェハWの両面を酸性薬液によって処理し,ウェハWの表面に付着している水溶化した変質レジストを除去し,さらに,ウェハWの表面に付着しているメタルを除去し若しくはウェハWの表面に形成されている酸化膜を除去する。このように液膜を形成して処理する場合,少量の酸性薬液で処理することができ,酸性薬液の供給量を節約することができる。
【0085】
ノズルアーム36と下面供給路127からの酸性薬液の供給を停止するときは,供給切換部168を切り換えて,処理流体供給路165と酸性薬液供給路170を接続する状態から,処理流体供給路165とアスピレータ180を接続する状態にする。アスピレータ180を作動させ,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から酸性薬液を吸引する。その後,開閉弁166,167を閉じる。
【0086】
酸性薬液の供給時や,酸性薬液処理の間,ウェハWの周囲に飛散した酸性薬液は,インナーカップ128によって受け止められ,側壁131とモータ囲繞部材112との間から,第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112との間に落下して,インナーカップ排出路145によって排液される。
【0087】
酸性薬液の供給時や,酸性薬液処理の間は,吐出口62から窒素ガスを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。吐出口62から吐出された窒素ガス又はクリーンエアーは,邪魔板160と側壁51との間,及び,穴161を通過して,邪魔板160の下方に流れ,スピンチャック35によって保持されたウェハWに向かって下降し,ウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部132との間に流入する。そして,側壁131とモータ囲繞部材112との間から,第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112との間に下降するように,インナーカップ128内を下降して,インナーカップ排出路145によって排気される。このようにダウンフローを形成することにより,スピンチャック35及びウェハWの回転によって発生した旋回気流が上昇することを防止できる。即ち,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWに向かって上昇することを防止して,ウェハWに不浄な排液やパーティクル等が付着することを防止できる。排液や排気は,ダウンフローによりインナーカップ128内をスムーズに下降して,インナーカップ排出路145によってスムーズに排気される。また,高温の酸性薬液が蒸発して酸性薬液雰囲気が発生しても,酸性薬液雰囲気をダウンフローによってインナーカップ128内に下降させ,インナーカップ排出路145によってスムーズに排気させることができ,ウェハWの上方に酸性薬液雰囲気が上昇して滞留することを防止できる。また,吐出口62から吐出された窒素ガス又はクリーンエアーが邪魔板160を迂回して供給されるようにしたことにより,ウェハWが局所的な帯電することを防止できる。
【0088】
なお,ウェハWの上方に酸性薬液雰囲気が上昇し,酸性薬液雰囲気が側壁51において結露して液滴となって付着した場合,液滴は側壁51に沿って下降し,側壁51に設けた溝52によって受け止められる。従って,側壁51に付着した酸性薬液が,ウェハWに向かって落下することを防止できる。溝52によって受け止められた液滴は,連通孔(図示せず)を通過して傾斜部40の下端部に排出され,アウターチャンバー31とインナーカップ128との間を下降して,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排出され,処理システム1外に排出される。また,下垂部41は,ウェハWの周縁より外側に設けられているので,下垂部41の下端から酸性薬液の液滴が落下しても,ウェハWの上面に付着しないようになっている。
【0089】
ウェハWの両面の薬液処理が終了したら,中空モータ73の駆動によりスピンチャック35を酸性薬液処理時より高速で回転させ,ウェハWをスピンチャック35と一体的に酸性薬液処理時より高速で回転させる。この回転により,ウェハWの両面の液膜を振り切る。これにより,ウェハWの表面に付着していた変質したレジストは,酸性薬液と共に,ウェハWの表面から除去される。また,スピンチャック35を回転させる際,スピンチャック35,アンダープレート120に付着した酸性薬液が振り切られる。ウェハW,スピンチャック35,アンダープレート120から振り切られた酸性薬液と変質レジストは,インナーカップ128によって受け止められ,側壁131とモータ囲繞部材112との間から,第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112との間に落下して,インナーカップ排出路145によって排出される。なお,酸性薬液を振り切る際に,ノズルアーム36と下面供給路127から窒素ガスを供給して,窒素ガスによって酸性薬液を押し流すようにしても良い。
【0090】
酸性薬液を振り切る間も,吐出口62から窒素ガス又はクリーンエアーを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。吐出口62から吐出された窒素ガス又はクリーンエアーは,邪魔板160と側壁51との間,及び,穴161を通過して,邪魔板160の下方に流れ,ウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部132との間に流入し,インナーカップ128内を下降して,インナーカップ排出路145によって排気される。このようにダウンフローを形成することにより,スピンチャック35及びウェハWの回転によって発生した旋回気流が上昇することを効果的に防止できる。即ち,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWに向かって上昇することを防止して,振り切られた酸性薬液の液滴がウェハWに再付着すること,また,ウェハWに不浄な排液やパーティクル等が付着することを防止できる。振り切られた液滴等の排液や排気は,ダウンフローによりインナーカップ128内をスムーズに下降して,インナーカップ排出路145によってスムーズに排出される。
【0091】
インナーカップ排出路145によって排出された酸性薬液,変質レジスト,酸性薬液雰囲気,窒素ガス又はクリーンエアー等は,ミストトラップ190に導入されて,ミストトラップ190により,排液及び排気中の酸性薬液と気体が分離される。気体は,ミストトラップ排気管191により処理システム1の外部に排気される。酸性薬液は,ミストトラップ190に設けられた排液回収路192により送液され,排液管195によってタンク198に回収され,又は,排液回収路196によって処理システム1の外部に排液される。タンク198に貯留された酸性薬液は,循環路202を通過して,フィルター204によって変質レジストが除去され清浄化された後,再び薬液供給路170,処理流体供給路165に送液され,処理流体供給路162又は下面供給路127からウェハWに供給される。このようにして,酸性薬液を再利用することができる。この場合,低コストを図ることができる。特に,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に配置し,インナーカップ128内の処理液や処理液雰囲気を,インナーカップ排出路145に効率的に排出できる構成としたことにより,酸性薬液の回収効率を向上させることができる。
【0092】
酸性薬液を振り切った後,インナーカップ128を下降させ,ウェハWの周縁が傾斜部40に囲まれる状態にする。インナーカップ128は,傾斜部132の先端がリング状部材138の外周部に密着する位置まで下降させる。
【0093】
その後,ノズルアーム36の先端部から純水を吐出しながら,ノズルアーム36の先端部を回転中のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,ウェハWの上面全体に純水を供給して,ウェハWに付着した酸性薬液を純水によって洗い流す。また,下面供給路127からも純水を吐出し,ウェハWの下面に純水を供給して,ウェハWに付着した酸性薬液を純水によって洗い流す。こうして,ウェハWを純水によってリンス処理する。リンス処理においては,スピンチャック35とウェハWを酸性薬液処理時よりも高速に回転させる。なお,純水を供給する前に,アスピレータ180の作動により,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から酸性薬液が吸引されているので,処理流体供給路162,下面供給路127から清浄な純水を供給することができる。また,アンダープレート120とウェハWの間に狭い隙間を形成して,これらの間に純水を流すことにより,少量の純水でウェハWの下面全体を処理することができる。
【0094】
ウェハWに供給された純水は,ウェハWの外周方向に流れ,アウターチャンバー31によって受け止められ,側壁65と側壁131との間から,側壁65と外側円筒状部材141との間に落下して,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排出され,処理システム1外に排出される。純水がウェハWから外側に流れる際,保持部材70,アンダープレート120も,純水によって洗浄され,保持部材70,アンダープレート120に付着した酸性薬液が純水によって洗い流される。
【0095】
リンス処理の間も,吐出口62から窒素ガス又はクリーンエアーを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。吐出口62から吐出された窒素ガス又はクリーンエアーは,邪魔板160と側壁51との間,及び,穴161を通過して,邪魔板160の下方に流れ,スピンチャック35によって保持されたウェハWに向かって下降し,ウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部40との間に流入する。そして,側壁65と側壁131との間から,側壁65と外側円筒状部材141との間を下降するように,アウターチャンバー31内を下降して,アウターチャンバー排出路67によって排気される。このようにダウンフローを形成することにより,スピンチャック35及びウェハWの回転によって発生した旋回気流が上昇することを防止できる。即ち,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWに向かって上昇することを防止して,振り切られた純水がウェハWに再付着すること,また,ウェハWに不浄な排液やパーティクル等が付着することを防止できる。排液や排気は,ダウンフローによりアウターチャンバー31内をスムーズに下降して,アウターチャンバー排出路67によってスムーズに排気される。
【0096】
ウェハWを十分にリンス処理したら,ノズルアーム36と下面供給路127からの純水の供給を停止する。純水の供給を停止するときは,供給切換部168を切り換えて,処理流体供給路165と純水供給路175を接続する状態から,処理流体供給路165とアスピレータ180を接続する状態にする。アスピレータ180を作動させ,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から純水を吸引する。その後,開閉弁166,167を閉じる。
【0097】
次に,ノズルアーム36の先端部からアルカリ性薬液を吐出しながら,ノズルアーム36の先端部を回転中のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,ウェハWの上面全体にアルカリ性薬液を供給する。また,下面供給路127からもアルカリ性薬液を吐出し,ウェハWの下面にアルカリ性薬液を供給する。こうして,ウェハWの両面をアルカリ性薬液によって処理する。アルカリ性薬液処理時においては,スピンチャック35とウェハWを酸性薬液処理時よりも高速に回転させる。なお,アルカリ性薬液を供給する前に,アスピレータ180の作動により,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から純水を吸引しておくことにより,処理流体供給路162,下面供給路127にアルカリ性薬液を通過させる際,アルカリ性薬液の濃度が低下することを防止できる。また,アンダープレート120とウェハWの間に狭い隙間を形成して,これらの間にアルカリ性薬液を流すことにより,少量のアルカリ性薬液でウェハWの下面全体を処理することができる。
【0098】
ウェハWに供給されたアルカリ性薬液は,ウェハWの外周方向に流れ,アウターチャンバー31によって受け止められ,側壁65と側壁131との間から,側壁65と外側円筒状部材140との間に落下して,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排出され,処理システム1外に排出される。
【0099】
アルカリ性薬液処理の間も,吐出口62から窒素ガス又はクリーンエアーを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。吐出口62から吐出された窒素ガス又はクリーンエアーは,邪魔板160と側壁51との間,及び,穴161を通過して,邪魔板160の下方に流れ,スピンチャック35によって保持されたウェハWに向かって下降し,ウェハWの上方からスピンチャック35と傾斜部40との間に流入する。そして,側壁65と側壁131との間から,側壁65と外側円筒状部材141との間を下降するように,アウターチャンバー31内を下降して,アウターチャンバー排出路67によって排気される。このようにダウンフローを形成することにより,スピンチャック35及びウェハWの回転によって発生した旋回気流が上昇することを防止できる。即ち,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWに向かって上昇することを防止して,振り切られた純水がウェハWに再付着すること,また,ウェハWに不浄な排液やパーティクル等が付着することを防止できる。排液や排気は,ダウンフローによりアウターチャンバー31内をスムーズに下降して,アウターチャンバー排出路67によってスムーズに排気される。また,アルカリ性薬液雰囲気が発生しても,アルカリ性薬液雰囲気をダウンフローによってインナーカップ128内に下降させ,インナーカップ排出路145によってスムーズに排気させることができ,ウェハWの上方にアルカリ性薬液雰囲気が上昇して滞留することを防止できる。
【0100】
なお,ウェハWの上方にアルカリ性薬液雰囲気が上昇し,アルカリ性薬液雰囲気が側壁51において結露して液滴となって付着した場合,液滴は側壁51に沿って下降し,側壁51に設けた溝52によって受け止められる。従って,側壁51に付着したアルカリ性薬液が,ウェハWに向かって落下することを防止できる。溝52によって受け止められた液滴は,連通孔(図示せず)を通過して傾斜部40の下端部に排出され,アウターチャンバー31内を下降して,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排出され,処理システム1外に排出される。また,下垂部41は,ウェハWの周縁より外側に設けられているので,下垂部41の下端からアルカリ性薬液の液滴が落下しても,ウェハWの上面に付着しないようになっている。
【0101】
ウェハWを十分にアルカリ性薬液によって処理したら,ノズルアーム36と下面供給路127からのアルカリ性薬液の供給を停止する。アルカリ性薬液の供給を停止するときは,供給切換部168を切り換えて,処理流体供給路165とアルカリ性薬液供給路173を接続する状態から,処理流体供給路165とアスピレータ180を接続する状態にする。アスピレータ180を作動させ,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127からアルカリ性薬液を吸引する。その後,開閉弁166,167を閉じる。
【0102】
その後,ノズルアーム36の先端部から純水を吐出しながら,ノズルアーム36の先端部を回転中のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,ウェハWの上面全体に純水を供給して,ウェハWに付着したアルカリ性薬液を純水によって洗い流す。また,下面供給路127からも純水を吐出し,ウェハWの下面に純水を供給して,ウェハWに付着したアルカリ性薬液を純水によって洗い流す。こうして,ウェハWを純水によってリンス処理する。リンス処理においては,スピンチャック35とウェハWを酸性薬液処理時よりも高速に回転させる。なお,純水を供給する前に,アスピレータ180の作動により,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127からアルカリ性薬液が吸引されているので,処理流体供給路162,下面供給路127から清浄な純水を供給することができる。また,アンダープレート120とウェハWの間に狭い隙間を形成して,これらの間に純水を流すことにより,少量の純水でウェハWの下面全体を処理することができる。
【0103】
ウェハWに供給された純水は,ウェハWの外周方向に流れ,アウターチャンバー31によって受け止められ,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排出され,処理システム1外に排出される。純水がウェハWから外側に流れる際,保持部材70,アンダープレート120も,純水によって洗浄され,保持部材70,アンダープレート120に付着したアルカリ性薬液が純水によって洗い流される。このリンス処理の間も,吐出口62から窒素ガス又はクリーンエアーを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。
【0104】
ウェハWを十分にリンス処理したら,ノズルアーム36と下面供給路127からの純水の供給を停止する。純水の供給を停止するときは,供給切換部168を切り換えて,処理流体供給路165と純水供給路175を接続する状態から,処理流体供給路165とアスピレータ180を接続する状態にする。アスピレータ180を作動させ,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から純水を吸引する。その後,開閉弁166,167を閉じる。
【0105】
次に,ノズルアーム36の先端部から窒素ガスを吐出しながら,ノズルアーム36の先端部を回転中のウェハWの少なくとも中心から周縁まで移動させ,ウェハWの上面全体に窒素ガスを供給して,純水を除去する。また,下面供給路127からも窒素ガスを吐出し,ウェハWの下面に窒素ガスを供給して,純水を除去する。こうして,ウェハWに窒素ガスを供給してウェハWを乾燥させる。乾燥処理においては,スピンチャック35とウェハWを酸性薬液処理時よりも高速に回転させる。なお,窒素ガスを供給する前に,アスピレータ180の作動により,処理流体供給路165,処理流体供給路162,下面供給路127から純水が吸引されているので,処理流体供給路162,下面供給路127から純水が押し出されることなく,乾燥した窒素ガスを供給することができる。また,アンダープレート120とウェハWの間に狭い隙間を形成して,これらの間に窒素ガスを流すことにより,少量の窒素ガスでウェハWの下面全体を乾燥させることができる。
【0106】
乾燥処理の間も,吐出口62から窒素ガス又はクリーンエアーを供給し,アウターチャンバー31内に窒素ガス又はクリーンエアーによるダウンフローを形成することが好ましい。ウェハWに供給された乾燥用の窒素ガス,ダウンフロー用の窒素ガス又はクリーンエアーは,ウェハWの外周方向に流れ,アウターチャンバー31によって受け止められ,アウターチャンバー排出路67によってアウターチャンバー31内から排気され,処理システム1外に排気される。乾燥用の窒素ガスやダウンフロー用の窒素ガス又はクリーンエアーがウェハWから外側に流れる際,保持部材70,アンダープレート120に付着した純水も,乾燥用の窒素ガスやダウンフロー用の窒素ガス又はクリーンエアーによって除去され,保持部材70,アンダープレート120を乾燥させることができる。
【0107】
ウェハWを十分に乾燥処理したら,供給切換部168,開閉弁166,167を閉じて,ノズルアーム36と下面供給路127からの窒素ガスの供給を停止する。ノズル用開口55を開き,回転駆動機構163を駆動させてノズルアーム36を回動させ,ノズルアーム36をノズル用開口55からアウターチャンバー31の外側に移動させる。また,中空モータ73の駆動を停止させ,スピンチャック35とウェハWの回転を停止させる。スピンチャック35の回転を停止させるときは,各開閉ピン118が横腕76を押し上げることができる位置になるように,各保持部材70の位置を調整して停止させる。また,アンダープレート120を下降させ,ウェハWの下面から離隔させる。
【0108】
さらに,開閉ピン118を上昇させ横腕76を押し上げることにより,仮置き部77の載置面81を上昇させ,当接部78を外側に移動させる。これにより,載置面81をウェハWの下面に当接させ,保持溝83をウェハWの周縁から離隔させる。即ち,ウェハWの周縁を保持溝83から相対的に下降させて,ウェハWの周縁部を載置面81に載せる。こうして,ウェハWは周縁部を仮置き部77によって支持された状態で,スピンチャック35に支持される。
【0109】
開口45を開き,搬送アーム18bを開口32,45からアウターチャンバー31内に進入させる。そして,搬送アーム18bを水平方向に直線移動させて,保持部材70の間からウェハWとアンダープレート120の間に進入させる。そして,搬送アーム18bを上昇させることにより,載置面81からウェハWを上昇させて,スピンチャック35から搬送アーム18bにウェハWが受け渡されるようにする。各保持部材70の当接部78は,ウェハWの周縁が配置される位置より外側に離隔しているので,ウェハWに当接部78が接触することなく,余裕をもってウェハWを搬送アーム18bに受け渡すことができる。ウェハWを搬送アーム18bによって保持した後,搬送アーム18bをスピンチャック35の上方から水平方向に直線移動させて後退させ,アウターチャンバー31の内部から退出させ,シャッター46によって開口45を閉じる。アンダープレート120は,ウェハWが支持されている位置から離隔しているので,搬送アーム18bは,アンダープレート120に接触することなく,余裕をもってウェハWをスピンチャック35から受け取り,退出することができる。また,インナーカップ128はウェハWが支持されている位置から離隔しているので,搬送アーム18bは,インナーカップ128に接触することなく,余裕をもってウェハWをスピンチャック35から受け取り,退出することができる。こうして,基板洗浄ユニット21Aにおいて洗浄されレジストが除去されたウェハWが,基板洗浄ユニット21Aから搬出される。
【0110】
なお,各基板洗浄ユニット21B〜21Dは,基板洗浄ユニット21Aと概ね同様の洗浄処理を行う。各基板洗浄ユニット21A〜21Dから搬出されたウェハWは,再び搬送アーム18bによって上側の受け渡しユニット16に搬送される。そして,受け渡しユニット16から取出収納アーム11によってウェハWが受け取られ,取出収納アーム11によって,レジストが剥離されたウェハWがキャリアC内に収納される。こうして,処理システム1におけるウェハWのレジスト除去処理が終了する。
【0111】
かかる基板洗浄ユニット21Aによれば,ウェハWや保持部材70に発生する虞があった静電気を,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して,大地に逃がすことができるので,ウェハWの帯電を解消することができる。また,当接部78によって保持されたウェハWは,導体部分90,チャックプレート71,回転筒体72,中空モータ73,ユニットチャンバー30,処理システム1のフレームを介して接地された状態となるので,基板洗浄ユニット21Aの処理によってウェハWが帯電することを防止できる。また,保持部材70の導体部分90の表面積は不導体部分91の表面積より小さく,導体部分90から溶出するカーボンの量を,保持部材70を総て導電性PEEKによって形成した場合と比較して少なくすることができる。従って,導電性PEEKから溶出するカーボンによって発生するパーティクルを少なくすることができ,ウェハWにパーティクルが付着することを防止できる。
【0112】
また,かかる基板洗浄ユニット21Aによれば,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に配置し,インナーカップ128内の処理液や処理液雰囲気を,インナーカップ排出路145に効率的に排出できる構成としたことにより,酸性薬液の回収効率を向上させることができる。
【0113】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されない。例えば,基板は半導体ウェハに限らず,その他のLCD基板用ガラスやCD基板,プリント基板,セラミック基板などであっても良い。
【0114】
図11に示すように,インナーカップ128の内面に,複数の羽根208を設けても良い。図11において,複数の羽根208は,傾斜部132から側壁131にかけて,インナーカップ128の内側に突出するように設けられ,ウェハWの回転方向に向かって下降するように傾斜しており,隣り合う羽根208同士が互いに略平行になるように形成されている。即ち,スピンチャック35を回転させるときスピンチャック35の周囲に発生する旋回気流を,羽根208に沿って下方に誘導させるようになっている。これにより,旋回気流が上昇することを防止できる。従って,ウェハWより下方の雰囲気がウェハWに向かって上昇することを防止して,ウェハWに不浄な排液やパーティクル等が付着することを防止できる。また,傾斜部132や側壁131に付着した酸性薬液や変質レジストを羽根208に沿ってスムーズに下降させ,インナーカップ排出路145によってスムーズに排出させることができる。従って,酸性薬液の回収効率をさらに向上させることができる。
【0115】
図12に示すように,インナーカップ排出路145の途中に,洗浄用液体として純水を供給する純水供給路210を介設しても良い。そうすれば,純水供給路210からインナーカップ排出路145を介してアウターチャンバー31内に純水を供給することにより,第1の円筒状部材140と第2の円筒状部材143の内側を洗浄することができる。
【0116】
例えば,純水供給源211に接続された純水供給路184を,切換弁212を介して,インナーカップ排出路145の途中に接続する。切換弁212は,インナーカップ排出路145の切換弁212より上流側と下流側を接続して,インナーカップ排出路145から純水供給路184を遮断する状態と,インナーカップ排出路145の切換弁212より上流側と下流側を遮断し,インナーカップ排出路145の切換弁212より上流側と純水供給路210とを接続する状態とを切り換えることができる。即ち,インナーカップ排出路145によって排液及び排気を行う状態と,純水供給路210からインナーカップ排出路145を介してアウターチャンバー31内に純水を供給する状態とに切り換えることができる。純水供給路210からインナーカップ排出路145を介して供給された純水は,第2の円筒状部材143とモータ囲繞部材112との間,及び第1の円筒状部材140とモータ囲繞部材112との間に溜められる。従って,第1の円筒状部材140の内側,第2の円筒状部材143の内側,モータ囲繞部材112の下部外側,第2の円筒状部材143とモータ囲繞部材112との間の底面66を,純水によって洗浄することができる。即ち,第1の円筒状部材140の内側,第2の円筒状部材143の内側,モータ囲繞部材112の下部外側,第2の円筒状部材143とモータ囲繞部材112との間の底面66に付着した酸性薬液や変質レジストを洗い流すことができる。また,アウターチャンバー31の下部において,酸性薬液とアルカリ性薬液が反応して塩が生じやすい問題があるが,塩を純水によって除去することができる。酸性薬液を洗い流すことにより,塩が発生することを防止できる。
【0117】
さらに,第2の円筒状部材143よりも上方まで純水を溜め,純水を第1の円筒状部材140の内側と第2の円筒状部材143の間,第2の円筒状部材143と外側円筒状部材141との間に通過させて,第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に純水をオーバーフローさせるようにしても良い。この場合,純水はアウターチャンバー31の側壁65の下部にも供給され,第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141,底面66全体,側壁65の下部を純水によって洗浄して,アルカリ性薬液,塩を洗い流すことができる。アルカリ性薬液を洗い流すことにより,塩が発生することを防止できる。さらに,第2の円筒状部材143と側壁65の間及び外側円筒状部材141と側壁65の間に純水を溜めるようにすれば,シャフト固定部材153やベローズ155も洗浄して,アルカリ性薬液,塩を洗い流すことができる。アルカリ性薬液を洗い流すことにより,塩が発生することを防止できる。
【0118】
また,純水をインナーカップ排出路145から連続的に供給し,オーバーフローさせた純水をアウターチャンバー排出路67から排液するようにして,第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の内側から外側に向かう純水の流れを形成するようにすれば,より効果的に洗浄することができる。
【0119】
なお,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の外側に配置した場合,メンテナンス用開口158及び蓋159を側壁65に設けることができ,メンテナンス用開口及び蓋をモータ囲繞部材112の下部にメンテナンス用開口及び蓋を設ける場合と比較して,メンテナンス用開口158と蓋159との間のシール構造を簡単なものにすることができる。即ち,インナーカップ支持シャフト147,シャフト固定部材153,ベローズ155を第1の円筒状部材140,第2の円筒状部材143,外側円筒状部材141の内側に配置すると,メンテナンス用開口及び蓋をモータ囲繞部材112の下部に設ける必要があり,この場合,モータ囲繞部材112の下部に溜めた純水による水圧が蓋に加えられるため,メンテナンス用開口と蓋との間のシールを確実に行い,メンテナンス用開口と蓋の間から純水が漏れないようにする必要がある。これに対し,メンテナンス用開口158及び蓋159を側壁65に設ける場合,蓋159に加えられる純水の水圧は,モータ囲繞部材112の下部と比較して小さいので,メンテナンス用開口158と蓋159との間のシール構造をより簡単なものにすることができる。この場合,低コストを図ることができる。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば,カップの下方に付着した処理液や析出物を除去することができる。処理液がカップ支持部材に付着することを防止できる。カップによって受けた処理液をカップ内から効率的に回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】処理システムの概要を示す概略平面図である。
【図2】処理システムの概要を示す概略立面図である。
【図3】同じ段に設けられた2個の基板洗浄ユニットの構成を示す概略横断面図である。
【図4】基板洗浄ユニットの構成を示す概略縦断面図である。
【図5】アウターチャンバーの天井を示した平面図である。
【図6】保持部材の斜視図である。
【図7】モータの概略縦断面図である。
【図8】モータ囲繞部材と回転筒体を拡大して示した概略縦断面図である。
【図9】インナーカップ周辺を拡大して示した概略縦断面図である。
【図10】基板洗浄ユニットの配管系統を示す説明図である。
【図11】インナーカップに羽根を設けた状態を示す説明図である。
【図12】インナーカップ排出路に純水供給路を設け,インナーカップを洗浄する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
W ウェハ
1 処理システム
21A〜21D 基板洗浄ユニット
30 ユニットチャンバー
31 アウターチャンバー
35 スピンチャック
67 アウターチャンバー排出路
128 インナーカップ
130 昇降機構
140 第1の円筒状部材
141 外側円筒状部材
143 第2の円筒状部材
145 インナーカップ排出路
147 インナーカップ支持シャフト
210 純水供給路

Claims (3)

  1. 基板に処理液を供給して処理する基板処理装置であって,
    前記基板を収納するチャンバー内に,基板に供給された処理液を受けるカップを備え,
    前記カップの底部に,前記カップによって受けた処理液を下方に排出する開口を設け,
    前記開口の下方を囲む筒状部材を備え,
    前記筒状部材の内側に,前記筒状部材の内側から処理液を排出する排出路を設け,
    前記筒状部材及び前記チャンバーの底面を洗浄可能な構成とし
    前記排出路に,洗浄用液体を供給する供給路を介設し,
    前記供給路から前記排出路を介して前記チャンバー内に前記洗浄用流体を供給する構成としたことを特徴とする,基板処理装置。
  2. 前記筒状部材は,前記カップの底部下面に備えられ前記開口の下方を囲む第1の筒状部材と,前記チャンバーの底部上面に備えられ前記第1の筒状部材を囲む第2の筒状部材で構成され,
    前記第2の筒状部材の外側に,前記チャンバー内から処理液を排出するチャンバー排出路を設け,
    前記第1の筒状部材と第2の筒状部材の間に前記洗浄用流体を通過させ,前記第1の筒状部材と第2の筒状部材の間を通過した洗浄用流体を前記チャンバー排出路から排液する構成としたことを特徴とする,請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記カップを昇降させる昇降機構を備え,
    前記昇降機構は,前記カップを支持するカップ支持部材を備え,
    前記筒状部材の外側に,前記カップ支持部材を設け,
    前記カップを上昇させ,前記処理液をカップによって受ける状態とし,前記基板を第1の処理液で処理し,前記カップを下降させ,前記基板を第2の処理液で処理することを特徴とする,請求項1又は2に記載の基板処理装置。
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