JP4339009B2 - 工作物の支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達用に用いられる等速自在継手の構成部品である内輪等の外周面加工に適した工作物の位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば等速自在継手(例えば特許文献1)にはその構成部品として図10(a)(b)に示すような内輪1が使用されている。内輪1は、その中心に貫通孔2が形成されるとともに、外周面3に軸方向に延びる複数の断面円弧状の溝4(円弧溝4という)が周方向に等間隔で形成された歯車状の部材で、円弧溝4の部分を除き外周面3は球面状に形成されている。
【0003】
内輪1は、その機能上、円弧溝4に対して外周面3の同心度を確保することが要求されており、そのため一般には、内輪1の軸方向両側に形成される平坦な端面5と貫通孔2の内周面2aとを基準として外周面3および各円弧溝4を研削することが行われている。この場合、外周面3の研削は、回転駆動される主軸の基準面(端面)に前記端面5を突き当てた状態で内周面2a側から内輪1を支持することにより主軸に対して内輪1を固定し、この状態で主軸と内輪1とが一体に回転駆動されて行われるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−14281号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、上記のような内輪1の製作工程においては、内輪1の機能上影響のない範囲で製作工程を省略して製作コストを削減することが行われており、具体的には円弧溝4の研削工程を省略することが行われている。
【0006】
ところが、円弧溝4の研削工程を省略した上で、各円弧溝4に対する外周面3の同心度を確保するには、円弧溝4を基準として外周面3を研削すること、つまり、チャック等により内輪1の円弧溝4の部分をその外側から掴んだ状態で外周面3を研削することが必要となる。そのため外周面3の研削が困難となる。
【0007】
そこで、円弧溝4から外側(内輪1の径方向外側)にはみ出ないような軸状の爪をもつチャックで内輪1(円弧溝4の部分)を掴むことも考えられているが、溝の浅いタイプの内輪1ではその分、チャックの爪も細くなるため、このようなチャックを使って内輪1を位置決めするにも強度との関係で自ずと限界がある。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、等速自在継手の内輪等、外周面に溝を有するワークをその溝を基準として外周面を加工する場合に、当該ワークを確実、かつ適切に位置決めした状態で支持できるようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の出願人は、次のような工作物の支持装置を発明した。すなわち、軸方向に延びる複数の溝が周方向に並べて形成された工作物を前記軸方向両側から挟持した状態で回転可能に挟持する装置であって、工作物の前記軸方向一端が突き当てられる当接部材を末端部分に備え、回転駆動される主軸と、この主軸と略同軸回りに回転可能に構成され、かつ前記当接部材に突き当てられた工作物に対して前記主軸の反対側から当接することにより前記主軸と協働して工作物を挟持する挟持用部材と、工作物を挟持するための挟持位置と当該工作物を開放するための退避位置との間で前記主軸と挟持用部材とを相対的に軸方向に移動させる第1駆動手段と、前記主軸とは別に設けられるとともに工作物の溝と係合可能な係合部をもち、この係合部が前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の溝に係合することにより前記溝の位置を基準として工作物を主軸中心に対して位置決めする位置決め部材と、前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の溝に前記係合部が係合する作動位置とこの作動位置から前記係合部が軸方向に退避した退避位置との間で前記位置決め部材を前記主軸及び挟持用部材に対して相対的に移動させる第2駆動手段と、前記主軸に設けられるとともに当該主軸の中心に対して基準となる内周面を有し、かつ前記当接部材に突き当てられた工作物の外側に配置される基準部材と、前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の外側に配置される作動位置とこの作動位置から軸方向に退避した退避位置との間で、前記基準部材を前記主軸に対して相対的に移動させる第3駆動手段と、上記各駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備え、前記主軸又は上記挟持用部材は、工作物を前記軸方向に弾性的に挟持し得るように構成され、前記位置決め部材は、前記基準部材が作動位置に配置された状態で前記作動位置に配置されると、前記基準部材の前記内周面と工作物との間に割り込んで前記工作物を主軸中心に対して位置決めするように構成されており、前記第1駆動手段は、前記挟持位置として、工作物の位置補正が可能な弾発力で工作物を挟持する仮挟持位置と、この仮挟持位置の弾発力よりも大きい力で工作物を挟持する本挟持位置とに前記主軸および挟持用部材を相対的に移動させ得るように構成されており、前記駆動制御手段は、前記工作物の支持の際に、第1駆動手段を作動させて前記挟持用部材を退避位置から仮挟持位置に移動させるとともに、この第1駆動手段の作動と同時又はそれより遅いタイミングで第3駆動手段を作動させて基準部材を退避位置から作動位置に相対的に移動させ、この状態で、第2駆動手段を作動させて位置決め部材を退避位置から作動位置に移動させ、次いで第1駆動手段を作動させて挟持用部材を前記仮挟持位置から本挟持位置に移動させた後、第2駆動手段および第3駆動手段を作動させて基準部材および位置決め部材を前記作動位置から退避位置に移動させるように構成されているものである。
【0010】
この装置によれば、挟持用部材を相対的に挟持位置に移動させて主軸(当接部材)と挟持用部材とにより工作物をその両側から挟持し、この状態で位置決め部材を作動位置に移動させることにより、工作物をその溝を基準として主軸中心に位置決めすることができる。そして、この状態で位置決め部材を退避位置に移動させ、主軸を回転駆動することによりその位置決め状態を保った状態で工作物を回転駆動することができる。従って、この駆動状態で工作物の外周面を加工することにより、工作物の各溝を基準として工作物の外周面を加工することができることとなる。この装置によると、工作物をその軸方向両側から挟持した状態で支持するので、チャック等により溝を介して工作物をその外側から掴む支持構造のように溝深さが問題となることがなく、上記のような工作物をその溝を基準として良好に回転可能に支持することができる。
【0012】
また、基準部材の内周面を基準として工作物を主軸中心に対して位置決めすることとなるため、位置決め部材側の精度負担を軽減することができる。従って、主軸とは別に位置決め部材を設けながらも、工作物をその溝基準で良好に主軸中心に位置決めすることができる。また、仮挟持位置において工作物の位置決めを行うことにより工作物の位置決めを円滑に行うことが可能となる一方で、置決め後は、本挟持位置に切換作動させることにより、工作部をより強固に挟持することが可能となり、位置決め状態を良好に保った状態で工作物を加工することができる。
【0013】
この構成において、前記基準部材の内周面は、主軸の基端側から先端側に向って先広がりのテーパ状に形成されているのが、より好ましい。この構成によれば、基準部材と工作物との間にスムーズに位置決め部材を割り込ませることができるため、工作物の位置決めのための動作をスムーズに行わせることが可能となる。
【0014】
なお、例えば工作物が、その溝方向に貫通する貫通孔を有するものである場合には、前記当接部材又は挟持用部材に、工作物の前記貫通孔に挿入可能な軸方向に延びるピン部材が設けられているのが、より好ましい。この構成によれば、挟持用部材が相対的に挟持位置に移動して工作物を挾むまでのあいだ、工作物をピン部材に挿入した状態で主軸又は挟持用部材に仮置き(保持)しておくことができるため、作業性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1〜図4は、本発明に係る工作物の支持装置が適用される工作機械を示しており、当実施形態では、従来技術において説明した等速自在継手の構成部品である内輪の外周面研削を行う研削装置に上記支持装置を適用した例について説明する。なお、内輪の構成は従来技術と同一であるため、以下の説明では、従来技術で使用した符号と同一符号を付してその具体的な説明は省略することにする。
【0020】
図1に示すように研削装置の基台10上には、支持装置を構成する主軸11と固定装置12とが設けられ、これらが主軸11の方向に対向して配置されている。また、主軸11の先端部上方には、砥石車13が昇降可能に配置されている。
【0021】
主軸11は、後述する駆動装置30により回転駆動される軸で、図4に示すように主軸本体11aを有している。この主軸本体11aの先端には、略円筒状のベース部材15が固定されている。そして、このベース部材15の先端中心部分に工作物をセットするための略円柱状のバッキング部材(当接部材)20が配設されるとともに、このバッキング部材20とベース部材15の間のスペースに環状の可動プレート17が配設されている。
【0022】
バッキング部材20は、ベース部材15の内周面に形成されたフランジ16にスペーサ19を介して固定されている。バッキング部材20の先端には、主軸11に対して内輪1を軸方向に位置決めするための基準として主軸11の方向(以下、軸方向という)と直交する当接面21が形成されている。当接面21の中心には、軸方向に延びるピン22が設けられている。つまり、内輪1をこのピン22に通すことにより主軸11の先端に内輪1を仮置き(保持)できるように構成されている。なお、ピン22は、内輪1に対して遊挿される程度の外径寸法とされ、かつその軸方向長さは内輪1の幅(図10(b)の左右方向の寸法)よりも若干短く設定されている。
【0023】
可動プレート17は、ベアリング26を介して前記フランジ16に支持された軸方向に延びる複数本のシャフト27の末端に固定されており、このシャフト27の移動に伴い主軸11に対して相対的に軸方向へ移動し得るように構成されている。
【0024】
可動プレート17の前端面(図4では右側端面)には、前記バッキング部材20を囲む基準リング18(基準部材)が固定されている。この基準リング18には、同図に示すように、その前端部に、主軸11の後端側から先端側に向って先広がりのテーパ状の内周面18aが形成されている。この内周面18aは、主軸11の中心(回転中心)に対して高い同心度で設けられており、主軸11に対して内輪1を位置決めする上での基準面を形成している。
【0025】
一方、主軸本体11aの中心には、この主軸本体11aと一体に回転する内側軸24が配置されている。この内側軸24は、主軸本体11aに対して相対的に軸方向に移動可能とされており、その先端が連結部材25を介して各シャフト27の端部(可動プレート17側と反対側の端部)に連結されている。すなわち、内側軸24の作動に伴い連結部材25、シャフト27及び可動プレート17を介して前記基準リング18を軸方向に移動させるように構成されている。具体的には、バッキング部材20の当接面21よりも後方に基準リング18が引き込まれる退避位置(図4の実線に示す位置)と、この位置から前進してバッキング部材20の前記ピン22の外側に基準リング18が配置される作動位置(図4の二点鎖線に示す位置)とに亘って基準リング18を進退させるように構成されている。すなわち、この実施形態では、内側軸24、連結部材25、シャフト27および後述する内側軸24用の油圧シリンダ等により本発明の第3駆動手段が構成されている。
【0026】
上記のように内側軸24を進退駆動する装置としては種々の機構を用いたものが知られているが、当実施形態では、次のような駆動装置が適用されている。
【0027】
図4は、その駆動装置30を示す断面図である。この図に示す駆動装置30は、ベース一体型のケーシング30aを有しており、このケーシング30aを介して前記基台10上に固定されている。
【0028】
このケーシング30aには、ベアリング31a,31bを介して主軸本体11aが回転可能に支持されており、この主軸本体11aに対して前記内側軸24が軸方向への相対的な移動が可能で、かつ回転方向への相対的な回転が阻止された状態で挿入されている。具体的には、内側軸24の外周面に形成されたキー溝24bに主軸本体11aに螺合挿入されたピン46が挿入されることにより、主軸本体11aに対して内側軸24が回り止めされる一方で、キー溝24bの範囲内で主軸本体11aに対して内側軸24が軸方向へ相対的に移動し得るように構成されている。
【0029】
主軸本体11aの後端には、外周にプーリ34が一体形成された動力伝達部材33が固定され、さらにこの動力伝達部材33の後端に回転継手36が固定されている。そして、前記内側軸24がこれら動力伝達部材33および回転継手36を貫通している。なお、プーリ34には図外のモータとの間に伝動ベルトが掛け渡されている。
【0030】
動力伝達部材33の内部には油圧シリンダを構成するためのシリンダ形成部材35が一体に組込まれており内側軸24の途中部分に形成されたピストン部24aがこのシリンダ形成部材35内に嵌挿されている。これによりシリンダ形成部材35およびピストン部24aにより内側軸24を軸方向に進退駆動する油圧シリンダが構成されている。
【0031】
前記回転継手36の外側には油圧供給リング37が相対回転可能な状態で外嵌装着され、この油圧供給リング37が回り止め37aを介して前記基台10に対して固定されている。油圧供給リング37の内周面には、二つの周溝42,43が軸方向に並設されるとともに、周溝42,43に連通する油圧給排用のポート44,45が設けられている。そして、一方側の周溝42が動力伝達部材33及び回転継手36に形成された油路40を通じてシリンダ形成部材35の第1油圧室35a(ピストン部24aよりも前方の油圧室)に連通される一方で、他方側の周溝43が回転継手36に形成された油路41を通じてシリンダ形成部材35の第2油圧室35b(ピストン部24aよりも後方の油圧室)に連通されている。
【0032】
この構成により、一方側のポート44から油路40を通じて第1油圧室35aに圧油を供給する一方で、油路41およびポート45を通じて第2油圧室35bから圧油を排出すると、内側軸24が後退し(図4に示す状態;以下、内側軸24の後退駆動状態という)、逆に、他方側のポート45から油路41を通じて第2油圧室35bに圧油を供給する一方で、油路40およびポート44を通じて第1油圧室35aから圧油を排出すると、内側軸24が前進(図4の状態から右側に移動した状態;以下、内側軸24の前進駆動状態という)するようになっている。
【0033】
そして、前記主軸本体11aの前端面にベース部材15の後端が固定されている。
【0034】
この構成により、前記プーリ34に掛け渡された伝動ベルトを介して動力伝達部材33に回転駆動力が伝達されると、この回転駆動力が主軸本体11aを介して内側軸24に伝達される。その結果、主軸本体11aと内側軸24とが一体的に回転するようになっている。そしてその一方で、上述したように油圧シリンダに対する圧油の給排が行われることにより内側軸24が進退駆動されるようになっている。
【0035】
一方、固定装置12は、図1〜図3に示すようにベース50を有し、このベース50を介して前記基台10上に固定されている。
【0036】
このベース50上には軸方向に移動可能なスライダ55が設けられている。このスライダ55は、ベース50上に固定台51a、および51bを介して支持された上下一対のシャフト52にベアリング52aを介して装着されおり、これにより軸方向に移動可能に支持されている。スライダ55の側方(図2では下側)には、固定ブロック57が固定されており、ベース50に立設された固定台53に取付けられた油圧シリンダ54のロッド54a先端がこの固定ブロック57に連結されている。この構成により、油圧シリンダ54が作動するとスライダ55がシャフト52に沿って軸方向に進退するようになっている。
【0037】
スライダ55には、主軸11の前記バッキング部材20と協働して内輪1を挟持する軸状のワークプッシャ61が、該スライダ55の前端面(図1では左側面)から前方に突出した状態で設けられている。
【0038】
ワークプッシャ61は、前側の当接部材62とその後側の受け軸63とから構成されており、前記受け軸63が、前記スライダ55にベアリング59を介して回転可能に支持された支持軸60の凹部60aに挿入されることによりスライダ55に支持されるとともに、前記主軸11の回転中心と略同軸上に配置されている。
【0039】
ワークプッシャ61の受け軸63は、支持軸60に対して軸方向への相対的な移動が可能で、かつ回転方向への相対的な回転が阻止された状態で挿入されている。具体的には、図6に示すように、受け軸63の外周面に形成された軸方向のキー溝63cに支持軸60に螺合挿入されたピン69が挿入されており、これにより支持軸60に対して受け軸63が回り止めされる一方で、キー溝63cの範囲内で支持軸60に対して受け軸63が相対的に軸方向に移動し得るようになっている。また、支持軸60の前記凹部60aには、その奥端部と前記受け軸63との間にスプリング70が介装されており、このスプリング70の弾発力により受け軸63が前方に押圧されている。この構成により、ワークプッシャ61は、スライダ55に対して相対的に回転可能で、かつスライダ55に対して弾性的に前後方向に変位可能な状態で支持されている。
【0040】
ワークプッシャ61の当接部材62と受け軸63との連結構造は次のような構造となっている。まず、当接部材62には、円錐状の玉受部64aを末端に備えた結合部材64がその後端部に螺合装着され、この結合部材64に対して該部材64を外側から覆うホルダー65が装着されるとともに、このホルダー65と結合部材64とに亘って軸方向と直交する方向に固定ピン66が貫通装着されている。一方、受け軸63の前端には当接部材62と同様の玉受部63aが形成されている。そして、図6に示すように、当接部材62の玉受部64aと受け軸63の玉受部63aとが球67(剛球)を挟んで互いに突き合わされた状態で受け軸63の先端がホルダー65内に挿入され、この状態で受け軸63の周面に形成された凹部63bにホルダー65に螺合挿入されたピン68(とがり先をもつボルト)が挿入されることにより、当接部材62と受け軸63とがホルダー65を介して連結されている。この構成において、受け軸63とホルダー65との間、および結合部材64のピン孔内周面と固定ピン66との間には隙間が形成されており、これによって図6中に矢印で示すように、受け軸63に対して当接部材62が僅かに揺動し得るように構成されている。つまり、当接部材62と受け軸63とは自在軸継手に相当する構造で連結されている。
【0041】
なお、前記受け軸63の先端部分はそれより後側の部分より大径に形成されており、これにより受け軸63の先端部に前記支持軸60に対向する当り面63dが形成されている。この当り面63dは、前記スプリング70の弾発力によりワークプッシャ61が前方に押出された状態では支持軸60の端面から離間しており、これにより当り面63dと支持軸60の端面との間に隙間S1を形成している。
【0042】
スライダ55の前方には、さらに可動プレート80が設けられている。可動プレート80の略中央には前後方向に貫通する開口部81が形成されており、こ開口部81に前記ワークプッシャ61を貫通させた状態で可動プレート80がスライダ55の前方側に配置されている。
【0043】
この可動プレート80の前面(図1〜図3では左側面)であって前記開口部81の周囲には、図3及び図5等に示すように、複数の位置決め用球体82(係合部)が並べて配置されている。これらの位置決め用球体82は、内輪1の円弧溝4の断面形状に対応する球面を備えた剛球からなり、それぞれ軸方向に延びる支持軸83(軸状部材)の先端に固定され、この支持軸83を介して可動プレート80の前面に支持されている。これらの位置決め用球体82は、工作物となる内輪1の溝数と同数設けられ、かつ円弧溝4と同じ間隔で配列されており、当実施形態では、8つの位置決め用球体82が円周上に等間隔で配列されている。なお、当実施形態では、この位置決め用球体82、支持軸83及び可動プレート80等により本発明の位置決め部材が構成されている。
【0044】
可動プレート80は、それぞれ前記スライダ55にベアリング84を介して支持された軸方向に延びる上下一対のシャフト85の先端に固定されている。これらシャフト85は、それぞれ後端が共通の連結プレート86に固定されており、この連結プレート86には、支持フレーム87を介してスライダ55に固定された油圧シリンダ88のロッド88aが連結軸90を介して連結されている。この構成により、油圧シリンダ88が作動すると連結プレート86、シャフト85および可動プレート80がスライダ55に対して相対的に前後方向に移動し、この移動により可動プレート80に支持された各位置決め用球体82を軸方向に進退させるようにようになっている。つまり、当実施形態では、位置決め用球体82、支持軸83及び可動プレート80等により本発明の位置決め部材が構成され、油圧シリンダ88等により本発明の第2駆動手段が構成されている。
【0045】
油圧シリンダ88のロッド88aと連結プレート86を繋ぐ連結軸90は、図3に示すように、先端に細軸部90aを備えており、この細軸部90aが連結プレート86に対してその後側から遊挿された状態でプレート前側から抜け止めされることにより連結プレート86に連結されている。
【0046】
細軸部90aの軸長は連結プレート86の厚み(厚さ方向の寸法;図3では左右方向)よりも長く設定されており、その結果、連結プレート86と連結軸90とが一定ストロークだけ相対的に軸方向に移動し得るようになっている。また、連結軸90にはスプリング91が装着されており、このスプリング91が連結軸後端に形成された鍔部90bと連結プレート86との間に介装されている。この構成により、連結プレート86等に外力が作用しない状態では、スプリング91の弾発力により連結プレート86が連結軸90に対して前方に押出され、細軸部90aの基端に形成される段状部と連結プレート86との間に上記一定ストローク分の隙間S2が形成されるようになっている。
【0047】
スライダ55の側方には、さらにその変位を規制するストッパ73が設けられている。このストッパ73は、基台10に後向きに固定される油圧シリンダ74を有しており、この油圧シリンダ74のロッド先端に固定される当り74aをスライダ55側方に固定される規制ブロック72の当り面72aに当接させてスライダ55の軸方向の位置規制を行うように構成されている。
【0048】
ストッパ73は、油圧シリンダ74の作動状態の切換え、すなわちロッド突出駆動状態とロッド引込駆動状態の切換えに応じて当り74aの位置を後方当り位置(図1の実線に示す位置)と前方位置(同二点鎖線に示す位置)の2カ所に切換え得るように構成されている。ここで、後方当り位置は、後に説明するように、内輪1にワークプッシャ61が当接して内輪1を仮締めする位置(仮挟持位置)でスライダ55を規制し、前方位置は、内輪1を本締めする位置(本挟持位置)までスライダ55を前進させ得るように、具体的には、内輪1を本締めする位置までスライダ55を前進させた時に、当り74aと当り面72aとの間に僅かな隙間を生じるように予め位置設定がなされている。すなわち、当実施形態では、ワークプッシャ61及びスライダ55等により本発明の挟持部材が構成され、油圧シリンダ54等により本発明の第1駆動手段が構成されている。
【0049】
なお、図1及び図2において、符号93は、固定装置12のカバー部材であって、固定装置12は、主軸11に対向する側が開放されている以外、その略全体がこのカバー部材93により覆われている。
【0050】
また、砥石車13は、詳しく図示していないが、外周に内輪1の外周面3に対応した形状の砥石面を備えており、図外の昇降機構を介して内輪1の上方に昇降可能に支持されている。
【0051】
ところで、上記研削装置には、図示を省略するが、マイクロコンピュータ等を構成要素とする制御装置(駆動制御手段)が設けられており、この研削装置を構成する上記の各装置、すなわち駆動装置30、固定装置12および砥石車13の駆動装置等は全てこの制御装置に電気的に接続されており、この制御装置により統括的に制御されるようになっている。
【0052】
以下、この制御装置による前記研削装置の制御内容および装置全体の作用について図8及び図9を参照しながら図7のフローチャートに従って説明する。
【0053】
初期設定(図7のステップS1)
内輪1を主軸11にセットする前の初期段階では、駆動装置30内の油圧リンダを内側軸24の後退駆動状態とすることにより基準リング18を退避位置に待機させる。また、油圧シリンダ54,88を共にロッド引込駆動状態とすることによりスライダ55を退避位置、すなわち主軸11から最も離間した位置(図1に示す位置)に待機させるとともに、位置決め用球体82をスライダ55の前端面に最も接近した退避位置(図1に示す位置)に待機させる。また、ストッパ73の油圧シリンダ74をロッド突出駆動状態とすることにより当り74aを後方当り位置にセットする。なお、砥石車13は、主軸上方の退避位置(図1の実線に示す位置)に待機させる。
【0054】
ワークローディング(ステップS2)
図外の搬送装置により内輪1を主軸11の前方に搬送し、図8(a)に示すように、バッキング部材20のピン22に内輪1を通した状態で主軸11の先端に内輪1をセット(仮置き)する。この際、上記の通り、ピン22はその外径が内輪1に対して遊挿可能な寸法設定となっているため、容易に内輪1をピン22に通した状態でセットすることができる。
【0055】
ワーク仮締め(ステップS3)
内輪1の搬入後、油圧シリンダ54をロッド引込駆動状態からロッド突出駆動状態に切換えてスライダ55を前進させる。すなわち、後方当り位置にセットされているストッパ73(当り74a)に規制ブロック72が当接する位置までスライダ55を前進させる(図3の二点鎖線に示す状態)。このようにスライダ55を前進させると、図8(b)に示すように、ワークプッシャ61及び位置決め用球体82等が一体に前進し、主軸11にセットされている内輪1に対してワークプッシャ61(当接部材62)がその前方から当接するとともに、スプリング70の弾発力に抗してワークプッシャ61が適度に押し戻される。具体的には受け軸63と支持軸60との隙間S1(図6参照)が略半減する位置まで支持軸60に対してワークプッシャ61が押し戻される。この押し戻しによりスプリング70の圧縮に応じた力で内輪1がバッキング部材20とワークプッシャ61とにより弾性的に挟持された仮締め状態とされる。
【0056】
ワーク位置決め(ステップS4)
内輪1の仮締め完了後、駆動装置30内の油圧シリンダを内側軸24の前進駆動状態に切換え、図8(c)に示すように、基準リング18を作動位置に前進させる。また、固定装置12において、油圧シリンダ88をロッド引込駆動状態からロッド突出駆動状態に切換え、図9(a)に示すように、位置決め用球体82を退避位置から前進させる。このように位置決め用球体82を前進させると、同図に示すように、内輪1の各円弧溝4に対してその前方から各位置決め用球体82が侵入し、この侵入に伴い内輪1の位置を径方向(主軸11の径方向)に修正しながら最終的に各位置決め用球体82が基準リング18の内周面18aに当接する位置まで前進する。これにより位置決め用球体82が基準リング18と内輪1との間に割り込み、主軸中心に対する基準面である内周面18aに当接した状態で内輪1を押し動かすことにより内輪1の位置修正が行われ、その結果、内輪1が円弧溝4を基準として芯出しされることとなる(主軸中心に対する位置決めが行われる)。この芯出しは、上記の通りバッキング部材20とワークプッシャ61との間に内輪1が弾性的に挟持された状態で行われるため、位置決め用球体82の前進に伴い内輪1は比較的容易に径方向に移動することとなり、その結果、内輪1の芯出し動作が適切、かつ円滑に行われることとなる。
【0057】
なお、上記のように位置決め用球体82が前進して基準リング18に当接すると、スプリング91の弾発力に抗して位置決め用球体82、可動プレート80、シャフト85および連結プレート86が一体的に適度に押し戻される。具体的には連結軸90(細軸部90aの段状部)と連結プレート86との隙間S2(図3参照)が略半減する位置まで押し戻される。つまり、この押し戻しによる弾発力により位置決め用球体82が基準リング18に押し付けられる結果、支持軸83の座屈は防止しながらも基準リング18に対して各位置決め用球体82が隙間無く確実に当接することとなる。
【0058】
ワーク本締め(ステップS5)
内輪1の芯出し完了後、ストッパ73の油圧シリンダ74をロッド突出駆動状態からロッド引込駆動状態に切換えて当り74aを前方位置に前進させる。このように当り74aを後方当り位置から前方位置に切換えると、スライダ55の位置規制状態が解除されるため、スライダ55は、規制ブロック72が当り74aに当接する手前の位置まで再び前進することとなる。この際、ワークプッシャ61は既に内輪1に当接しているため、スライダ55は、スプリング70を圧縮させながらワークプッシャ61に対して相対的に前進し、最終的には、図9(b)に示すようにワークプッシャ61を構成する受け軸63の当り面63dと支持軸60の端面とが突き当たった状態(すなわち当り面63dと支持軸60との隙間S1が「0」となる状態)まで前進する。これにより油圧シリンダ54のシリンダ推力(仮締め時よりも大きい力)で内輪1がバッキング部材20とワークプッシャ61とにより強固に挟持された本締め状態とされる。
【0059】
加工準備(ステップS6)
内輪1の本締め完了後、駆動装置30内の油圧シリンダを内側軸24の前進駆動状態から後退駆動状態に切換えて基準リング18を退避位置に後退させる。また、固定装置12において、油圧シリンダ88をロッド突出駆動状態からロッド引込駆動状態に切換え、同図に示すように、位置決め用球体82を退避位置に後退させる。これにより内輪1の周囲を開放した状態とする。
【0060】
加工(ステップS7)
加工準備完了後、主軸11を回転駆動させる。このように主軸11を駆動すると、バッキング部材20を介して内輪1に回転駆動力が伝達されて主軸11が回転するとともに、内輪1に押付けられたワークプッシャ61が内輪1の回転に連れ回りする。これにより主軸11に対して芯出しされた状態で内輪1が回転駆動される。この際、ワークプッシャ61を構成する当接部材62が同受け軸63に対して適度に揺動し得るように構成されている結果、内輪1の両端面の平行度が悪い状態であっても、ワークプッシャ61は内輪1に均一な押付力を与えるとともに、内輪1に対して良好にワークプッシャ61が連れ回りすることとなり、その結果、両側から確実に挟持された状態で内輪1が回転駆動されることとなる。
【0061】
このように内輪1を回転駆動させる一方で、砥石車13を回転駆動させ、図9(c)に示すように、この砥石車13を下降させて内輪1に接触させる。これにより該内輪1の外周面3を砥石車13により研削加工する。
【0062】
アンローディング(ステップS8)
研削加工後は、砥石車13を退避位置に上昇させる一方で、固定装置12において、油圧シリンダ54をロッド突出駆動状態からロッド引込駆動状態に切換えてスライダ55を退避位置に後退させる。そして、主軸先端にある内輪1を図外の搬送装置により取り外して回収する。これにより上記研削装置による一連の内輪1の研削作業が終了する。
【0063】
以上説明したように、この研削装置によると内輪1の円弧溝4を基準としてその外周面3を良好に研削加工することができる。しかも、研削加工中は、軸方向両側から挟持した状態で内輪1を回転駆動するので、各円弧溝4を介して内輪1をその外側からチャック等により掴んで回転駆動する場合のように、砥石車とチャックとの干渉が問題となることもない。従って、円弧溝4を基準とする内輪1の外周面の研削加工を良好に実施することできる。
【0064】
なお、上述した研削装置は、本発明に係る工作物の支持装置が適用された工作機械の一の実施形態であって、研削装置の具体的な構成は元より、支持装置の具体的な構成も本は発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、以下のような実施の形態を採用することもできる。
▲1▼ 実施形態では、内輪1を仮締めして芯出した後(図7のステップS3,S4)、本締め(ステップS5)してから研削加工を開始させているが、仮締め時の挟持力でも加工に充分耐え得る場合には、つまり研削抵抗を受けても内輪1がずれない場合には、本締め動作を省略することもできる。
▲2▼ バッキング部材20(当接面21)と内輪1(端面5)とが確実に密着した状態で内輪1の芯出しが行われ得るように、例えば、図7のステップS3において仮締め状態にセットしてから、一旦本締め状態に切換え、その後、再び仮締め状態に戻し、この状態で内輪1の芯出しを行ってから最終的な本締め状態に切換えるようにしてもよい。
▲3▼ 実施形態では、ワーク位置決め動作において、まず基準リング18を退避位置から作動位置に前進させた後、位置決め用球体82を退避位置から作動位置に前進させて内輪1の芯出しを行っているが、逆に、位置決め用球体82を先に作動位置に前進させてから基準リング18を作動位置に前進させるようにしてもよい。また、基準リング18を作動位置に前進させる動作は、必ずしも内輪1を仮締めした後に行う必要はなく、例えば、サイクルタイムを短縮するために、内輪1の仮締め動作と並行して行わせてもよい。
▲4▼ 実施形態では、内輪1に当接してその芯出しを直接行う部材(位置決め部材)として位置決め用球体82を設け、これを主軸11とは別個に設けているが、例えば、このような位置決め部材は、主軸11側に設けるようにしてもよい。例えば、主軸中心に対して精度も持った位置決め用球体を軸方向に進退可能な状態で主軸11に搭載し、バッキング部材20とワークプッシャ61とにより内輪1を仮締めした状態で位置決め用球体を主軸内部の退避位置から前進させて内輪1の芯出しを行うように構成してもよい。この構成の場合には、位置決め用球体により直接内輪1を芯出しすることができるため、実施形態で用いられているような基準リング18は不要となる。
▲5▼ 実施形態では、内輪1の円弧溝4の数と同じ数の位置決め用球体82を設けているが、内輪1の位置決めが可能であればその数は必ずしも円弧溝4の数と同数である必要はなく、少なくともよい。また、内輪1の位置決めが可能であれば、位置決め部材(位置決め用球体82等に相当)の形状は必ずしも円弧溝4の断面形状と同一である必要はない。
▲6▼ 実施形態では、基準リング18、ワークプッシャ61及び位置決め用球体82を進退駆動する駆動手段として、いずれも油圧シリンダを駆動源とする機構を採用しているが、それ以外の構成、例えば電動機を駆動源とするねじ軸の回転に伴いワークプッシャ61等を進退させる構成を採用することもできる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る工作物の支持装置では、主軸(当接部材)と挟持用部材とにより工作物を軸方向両側から挟持し、この状態で位置決め部材を相対的に作動位置に移動させて工作物の溝に係合させることにより、工作物をその溝を基準として主軸の中心に対して位置決めし、この状態で位置決め部材を退避位置に移動させて主軸を回転駆動することにより、その位置決め状態を保ったままで工作物を回転駆動できるようにしたので、この駆動状態で工作物の外周面を加工することによって工作物の外周面をその溝基準で加工することができるようになる。従って、チャック等により溝を介して工作物をその外側から掴む支持構造のように溝深さが問題となることがなく、例えば等速自在継手の構成部品である内輪の外周面加工等を良好に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る工作物の支持装置を示す側面図である。
【図2】同支持装置を示す平面図である。
【図3】同支持装置を示す断面図である。
【図4】主軸および主軸を駆動するための装置(駆動装置)を示す断面図である。
【図5】可動プレートの構成(位置決め用球体の配列)を示す図1のA矢視図である。
【図6】ワークプッシャの構成を示す要部断面図である。
【図7】研削装置における制御装置の制御内容を説明するフローチャートである。
【図8】前記制御装置の制御に基づく内輪(工作物)の加工動作を説明する図である((a)は研削装置に内輪が搬入された状態、(b)はスライダが前進して内輪が仮締めされた状態、(c)は基準リングが作動位置に前進した状態をそれぞれ示している)。
【図9】前記制御装置の制御に基づく内輪(工作物)の加工動作を説明する図である((a)は位置決め用球体が前進して内輪の芯出しが行われた状態、(b)は内輪が本締めされた状態、(c)は砥石車による加工が開始される状態をそれぞれ示している)。
【図10】等速自在継手の構成部品である内輪を示す概略図である((a)は内輪を示す平面図、(b)は同断面図である)。
【符号の説明】
1 内輪
3 外周面
4 円弧溝
11 主軸
12 固定装置
13 砥石車
18 基準リング(基準部材)
20 バッキング部材(当接部材)
22 ピン(ピン部材)
54,88 油圧シリンダ
55 スライダ
61 ワークプッシャ(挟持用部材)
82 位置決め用球体(係合部;位置決め部材)
Claims (4)
- 軸方向に延びる複数の溝が周方向に並べて形成された工作物を前記軸方向両側から挟持した状態で回転可能に挟持する装置であって、
工作物の前記軸方向一端が突き当てられる当接部材を末端部分に備え、回転駆動される主軸と、この主軸と略同軸回りに回転可能に構成され、かつ前記当接部材に突き当てられた工作物に対して前記主軸の反対側から当接することにより前記主軸と協働して工作物を挟持する挟持用部材と、
工作物を挟持するための挟持位置と当該工作物を開放するための退避位置との間で前記主軸と挟持用部材とを相対的に軸方向に移動させる第1駆動手段と、
前記主軸とは別に設けられるとともに工作物の溝と係合可能な係合部をもち、この係合部が前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の溝に係合することにより前記溝の位置を基準として工作物を主軸中心に対して位置決めする位置決め部材と、
前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の溝に前記係合部が係合する作動位置とこの作動位置から前記係合部が軸方向に退避した退避位置との間で前記位置決め部材を前記主軸及び挟持用部材に対して相対的に移動させる第2駆動手段と、
前記主軸に設けられるとともに当該主軸の中心に対して基準となる内周面を有し、かつ前記当接部材に突き当てられた工作物の外側に配置される基準部材と、
前記主軸および挟持用部材により挟持された工作物の外側に配置される作動位置とこの作動位置から軸方向に退避した退避位置との間で、前記基準部材を前記主軸に対して相対的に移動させる第3駆動手段と、
上記各駆動手段を制御する駆動制御手段と、を備え、
前記主軸又は上記挟持用部材は、工作物を前記軸方向に弾性的に挟持し得るように構成され、
前記位置決め部材は、前記基準部材が作動位置に配置された状態で前記作動位置に配置されると、前記基準部材の前記内周面と工作物との間に割り込んで前記工作物を主軸中心に対して位置決めするように構成され、
前記第1駆動手段は、前記挟持位置として、工作物の位置補正が可能な弾発力で工作物を挟持する仮挟持位置と、この仮挟持位置の弾発力よりも大きい力で工作物を挟持する本挟持位置とに前記主軸および挟持用部材を相対的に移動させ得るように構成されており、
前記駆動制御手段は、前記工作物の支持の際に、第1駆動手段を作動させて前記挟持用部材を退避位置から仮挟持位置に移動させるとともに、この第1駆動手段の作動と同時又はそれより遅いタイミングで第3駆動手段を作動させて基準部材を退避位置から作動位置に相対的に移動させ、この状態で、第2駆動手段を作動させて位置決め部材を退避位置から作動位置に移動させ、次いで第1駆動手段を作動させて挟持用部材を前記仮挟持位置から本挟持位置に移動させた後、第2駆動手段および第3駆動手段を作動させて基準部材および位置決め部材を前記作動位置から退避位置に移動させることを特徴とする工作物の支持装置。 - 請求項1に記載の工作物の支持装置において、
前記位置決め部材は、軸方向に延びる軸状部材の先端に前記係合部を備えた構成を有していることを特徴とする工作物の支持装置。 - 請求項1又は2に記載の工作物の支持装置において、
前記基準部材の内周面は、前記主軸の基端側から先端側に向って先広がりのテーパ状に形成されていることを特徴とする工作物の支持装置。 - 請求項1乃至3の何れか一項に記載の工作物の支持装置において、
前記工作物はその溝方向に貫通する貫通孔を有するものであって、前記当接部材又は挟持用部材には、工作物の前記貫通孔に挿入可能な軸方向に延びるピン部材が設けられていることを特徴とする工作物の支持装置。
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