JP4293807B2 - 主軸装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削盤等のワーク加工機械に搭載され、ワークをチャックし回転させる主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の主軸装置の主軸前端部側を示した断面図である。同図の主軸装置1は、主軸前端3a側の軸受4と同主軸後端側の軸受(図示省略)とで主軸3が支持され、かつ、その主軸3の前端に一体に設けたチャック部14でワークWをチャックする構造となっている。(例えば、特開2003‐011008号公報参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の主軸装置1によると、主軸3の前端に、チャック部14とこれを開閉するためのピストン等を設置してなる構造であるため、チャック部14が主軸前端3a側の軸受4より前方に大きく張り出し、剛性が低く、また、主軸3の軸方向熱変位による影響が大きく、ワークWの加工位置が変化しやすいため、高精度のワーク加工を行なうことが困難であり、さらに、主軸の軸心方向に大型で大きな設置スペースが必要となり、小型の研削盤に搭載することができない等の問題点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2003‐11008号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高剛性で主軸の軸方向熱変位による影響が小さく、高精度のワーク加工を行なうことができ、かつ、コンパクトで小型の研削盤への搭載に好適な、主軸装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、前後両端側を軸受で回転可能に支持した筒状の主軸と、上記主軸をその軸心回りに回転駆動する駆動手段と、上記主軸と一体にその軸心回りに回転する開閉可能なチャック部と、上記チャック部を開閉するチャック開閉機構とを有し、上記チャック部は、上記主軸の内側であって上記主軸前端側の軸受から上記主軸後端側の軸受までの間の中央付近にあるフランジ部に取り付けられて、上記主軸前端側の軸受の前端面より後方へ引っ込んだ位置若しくはその前端面と同じ位置に配置されてなることを特徴とする。
【0007】
本発明では、上記構造の採用により、チャック部が主軸の内側空間で2つの軸受間に位置し、かつ、主軸前端側の軸受の前端面より少しも前方にチャック部が張り出さない、高剛性構造が得られる。
【0008】
本発明において、上記チャック部については、上記主軸の内側に取り付け設置され、かつ押圧力の付与と解除で上記主軸の軸方向に弾性変形するダイヤフラムと、上記ダイヤフラムの表面に放射状に取り付けられた複数の爪とを有する構造からなる、いわゆるダイヤフラムチャックを採用することができる。
【0009】
本発明において、上記チャック部については、上記主軸の内側に取り付け設置され、かつ押圧力の付与と解除で上記主軸の軸方向に弾性変形するダイヤフラムと、上記ダイヤフラムの表面に放射状に取り付けられた複数の爪とを有する構造からなる、いわゆるダイヤフラムチャックを採用し、かつ、上記チャック開閉機構については、上記主軸の内側に収容され、該主軸の内面に沿って主軸の軸心方向にスライド可能に設置されるとともに、そのスライドの推力で上記ダイヤフラムに押圧力を付与するピストンと、上記ピストンの外側に設けられるとともに、上記ピストンを上記ダイヤフラム方向へスライドさせるための推力を、上記ピストンの外部に発生させる第1の加圧室と、上記ピストンの内側に設けられるとともに、上記ピストンを上記ダイヤフラム方向へスライドさせるための推力を、上記ピストンの内部に発生させる第2の加圧室と、上記ピストンの推力を発生させるためのエアー圧を上記第1および第2の加圧室へ供給するエアー供給手段とを備えてなる構造を採用することができる。
【0010】
本発明において、上記主軸の後端側は軸端部閉鎖部材により塞がれ、上記ピストンの内部は空洞に形成され、上記ピストン内の空洞部は、仕切り部によりピストン長手方向に仕切られてなり、上記第1の加圧室は、上記ピストンの後端面とこれに対向する軸端部閉鎖部材の内側面との間の空隙部からなり、上記第2の加圧室は、上記仕切り部の前面とこれに対向している上記ピストン内の空洞部前方壁面との間の隙間空間からなる構造を採用することができる。
【0011】
本発明において、上記エアー供給手段については、一端が上記第1の加圧室に連通し、他端がエアー供給装置側に連通する第1のエアー供給通路と、一端が上記第1の加圧室に連通し、他端が上記第2の加圧室に連通する第2のエアー供給通路とからなる構造を採用することができる。
【0012】
本発明において、上記仕切り部の後面とこれに対向している上記ピストン内の空洞部後方壁面との間の隙間空間は、エアーダクト通路を介し外部に開放され、空気の出入りが自由となっている構造を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る主軸装置の実施形態について図1ないし図4を基に詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態である主軸装置の断面図、図2は図1のA矢視図、図3は図1のB矢視図である。
【0015】
図1の主軸装置1はベース2上に横置きに設置された筒状の主軸3を有している。この筒状の主軸3はその前後両端3a、3b側が軸受4、5で回転可能に支持されている。
【0016】
主軸前端3aの軸受4は完全に固定されているが、主軸後端3bの軸受5について主軸3の軸方向にスライド変位できるようにセットされている。これは、主軸3の先端側ではワークWの加工が行なわれるが、その加工位置が主軸3の熱膨張によって変化すると所望のワークWの加工精度が得られないため、主軸3の軸方向熱変位を主軸後端3b側へ逃がすようにしたものである。
【0017】
主軸3の前端3a側はその主軸3内部が見えるように開放されているが、同主軸3の後端3b側は軸端部閉鎖部材6により塞がれている。
【0018】
軸端部閉鎖部材6の中心部には、その軸端部閉鎖部材6の内外両面を貫通する形状の主軸センターロッド7が一体に設けられている。
【0019】
主軸センターロッド7の先端7a側は、主軸前端3aより少し奥に引っ込んだ位置付近まで突出し、同主軸センターロッド7の後端7b側は主軸3の後端3bより後方に突出するように形成されている。
【0020】
上記主軸センターロッド7の後端7b側にはプーリ8が一体に取り付けられており、この主軸側プーリ8はベルト9を介してモータ10のモータ軸側プーリ12に連結されている(図3参照)。
【0021】
モータ10を起動すると、モータ軸側プーリ12、ベルト9、主軸側プーリ8および軸端部閉鎖部材6を介し、主軸3側にモータの回転力が伝達され、これにより主軸3がその軸心回りに回転駆動される。
【0022】
つまり、本実施形態では、モータ10と、その回転力を主軸側に伝達するモータ軸側プーリ12、ベルト9、主軸側プーリ8および軸端部閉鎖部材6等の動力伝達部材とにより、主軸3をその軸心回りに回転駆動する駆動手段が構成されている。
【0023】
主軸3の内側空間には、該主軸3と一体にその軸心回りに回転する開閉可能なチャック部14が収容されている。このチャック部14は、前後の軸受4、5間の中央付近、すなわち主軸前端3a側の軸受4から同主軸後端3b側の軸受5までの間の中央付近にあるフランジ部18に取り付けられて、主軸前端3a側の軸受4の前端面4aより後方へ引っ込んだ位置若しくはその前端面4aと同じ位置に配置されている。
【0024】
上記のようなチャック部14と主軸前端3a側の軸受4との位置関係をモデル化して図示すると図4(a)のようになる。図4(a)からも分かるように、図1の主軸装置では、2つの軸受4、5間の中央付近にあるフランジ部18にチャック部14が取り付けられる構造のため、その2つの軸受4、5間の中央付近がチャック部14の支持部となり、また、軸受4の前端面より前方に少しもチャック部14は張り出していない。
【0025】
尚、図4(b)は図5に示す従来の主軸装置1におけるチャック部14と主軸前端3a側の軸受4との位置関係をモデル化して図示したものであり、この図4(b)から分かるように、図5の従来の主軸装置1では、チャック部14が主軸3の外側に位置し、かつ、軸受4の前端面より前方にチャック部14が大きく張り出している。
【0026】
チャック部14については、押圧力の付与と解除で複数の爪が開閉する構造が適用される。本実施形態では、その構造例として、ダイヤフラムチャック15を採用している。
【0027】
上記ダイヤフラムチャック15は、ダイヤフラム16と複数の爪17、17…とを有する構造であって(図2参照)、ダイヤフラム16は、主軸3の内側に取り付け設置され、かつ、押圧力の付与と解除で主軸3の軸方向に弾性変形する構造となっている。また、複数の爪17、17…は、ダイヤフラム16の表面に放射状に取り付けられている。
【0028】
本実施形態の場合、ダイヤフラム16は主軸3内側のフランジ部18を利用して主軸3の内側に取り付け固定されている。
【0029】
すなわち、主軸3の内周面には、その主軸3の軸方向略中央付近、具体的にはこの主軸3を両端支持する前後の上記軸受4、5間の中央付近に、環状のフランジ部18が一体に形成されており、このフランジ部18(以下、主軸内側フランジ部という。)の表面にダイヤフラム16の支持部材16‐1がボルトで固定されている。
【0030】
主軸3の後端3bから前端3aに向かう方向の押圧力がダイヤフラム16の中央部に与えられると、ダイヤフラム16は中央凸状に弾性変形し、これにより複数の爪17、17…が放射状に開く。この状態でダイヤフラムチャック15は開となる。
【0031】
また、上記押圧力が解除されると、ダイヤフラム16の弾性復帰力によりダイヤフラム16が元の形に戻り、これにより複数の爪17、17…が閉じる。この状態でダイヤフラムチャック15は閉となる。
【0032】
上記のようなダイヤフラムチャック15の開閉動作は、主軸3の内側に内蔵されたチャック開閉機構19により行なわれる。次に、このチャック開閉機構19の構造を説明する。
【0033】
主軸内側フランジ部18と軸端部閉鎖部材6で挟まれた主軸3内の後方空間部G(以下、主軸内後方空間という。)には、内部が空洞のピストン20が設置されており、このピストン20は、主軸3の内周面に沿って主軸3の軸心方向にスライド可能に設置されている。そして、このようなピストン20のスライドの推力によりダイヤフラム16に対し押圧力が付与される。
【0034】
本実施形態では、上記の如く主軸3がピストン20のシリンダとしても機能する構造となっている。したがって、ピストン20のために特別シリンダを設ける必要はない。
【0035】
上記のように設置されたピストン20の先端面20aは、ダイヤフラム16の方向を向いて主軸内側フランジ部18と対向するように配置され、また、同ピストン20の後端面20bは、軸端部閉鎖部材6の内側面6aと対向するように配置されている。
【0036】
主軸内後方空間部Gには上記の如く軸端部閉鎖部材6から突き出た主軸センターロッド7の一部が横たわっている。そして、その主軸センターロッド7を通すためのロッド通し穴21がピストン20の中心部に開設されており、ピストン20はこのロッド通し穴21を介して主軸センターロッド7に串刺し状にセットされている。
【0037】
さらに、上記ピストン20の先端面20aにはその中心部に押圧ロッド22が一体に突出形成されている。この押圧ロッド22は、主軸内側フランジ部18の内側を通り抜けて、上記ダイヤフラム16の裏面中央部に当接する構造となっている。
【0038】
尚、上記押圧ロッド22の軸心にも主軸センターロッド7を通すためのロッド通し穴21が設けられている。そして、上記の如く軸端部閉鎖部材6から突き出てピストン20を貫通している主軸センターロッド7は、この押圧ロッド22のロッド通し穴21も突き抜けて爪17、17…の裏側付近まで突出する構造となっている。
【0039】
ピストン20の外側には第1の加圧室23が設けられている。この第1の加圧室23は、ピストン20の後端面20bとこれに対向する軸端部閉鎖部材6の内側面6aとの間の空隙部からなる。
【0040】
また、この第1の加圧室23には、上記ピストン20をダイヤフラムチャック15のダイヤフラム16方向に向かってスライドさせるためのエアーが供給される。
【0041】
第1の加圧室23の前方壁面を形成しているピストン後端面20bは該ピストン20全体の受圧面の一部を構成する。
【0042】
第1の加圧室23に所定のエアー圧が供給されると、そのエアー圧がピストン後端面20bに作用し、これによりピストン20がその外側からダイヤフラム16方向に向かって押圧されスライドする。
【0043】
従って、第1の加圧室23(ピストン20の後端面20bとこれに対向する軸端部閉鎖部材6の内側面6aとの間の空隙部)は、ピストン20をダイヤフラム16方向へスライドさせるための推力を、該ピストン20の外部に発生させる手段として機能する。
【0044】
ピストン20内の空洞部24には仕切り部25が設けられている。この仕切り部25は、ピストン20内の空洞部24を貫通している主軸センターロッド7の外周回りに環状に一体に形成され、かつ、ピストン20内の空洞部24をピストン長手方向に仕切っている。
【0045】
ピストン20内の空洞部24は上記仕切り部25により独立した2つの室に仕切られている。この2つの室とは、具体的には、▲1▼仕切り部25の前面25aとこれに対向しているピストン内の空洞部前方壁面24aとの間の隙間空間からなるピストン内前方室24‐1と、▲2▼同じ仕切り部25の後面25bとこれに対向しているピストン20内の空洞部後方壁面24bとの間の隙間空間からなるピストン内後方室24‐2である。
【0046】
上記ピストン内前方室24‐1の前方壁面を形成しているピストン内の空洞部前方壁面24aは、前述のピストン後端面20bと同様、ピストン20全体の受圧面の一部を構成する。
【0047】
上記ピストン内前方室24‐1にエアーが供給されると、このピストン内前方室24‐1の前方壁面を形成しているピストン内の空洞部前方壁面24aに、そのエアー圧が作用し、これによりピストン20がその内側からダイヤフラム16方向に向かって押圧されスライドする。
【0048】
要するに、上記▲1▼のピストン内前方室24‐1は、ピストン20をダイヤフラム16方向へスライドさせるための推力を、該ピストン20の内部に発生させる室、すなわち第2の加圧室である。
【0049】
上記▲2▼のピストン内後方室24‐2は、エアーダクト通路26を介し外部に開放され、空気の出入りが自由となっている。
【0050】
エアーダクト通路26は、主軸側プーリ8の端面側から主軸センターロッド7をその軸心方向に進んで上記ピストン内後方室24‐2に連通する構造となっている。
【0051】
第1の加圧室23へのエアー供給は、主軸3に設けた第1のエアー供給通路27を介して行なわれる。
【0052】
第1のエアー供給通路27は、一端27a(エアー吐出口)が第1の加圧室23に連通するように開口形成され、他端27b(エアー導入口)が図示しない工場内エアー供給装置側に接続されている。
【0053】
従って、本実施形態では、工場内エアー供給装置から第1のエアー供給通路27を介して第1の加圧室23に所定の圧力のエアーが供給される。
【0054】
ピストン内前方室24‐1(第2の加圧室)へのエアー供給はピストン20に設けた第2のエアー供給通路28を介して行なわれる。
【0055】
第2のエアー供給通路28は、一端28a(エアー吐出口)が第1の加圧室23に連通するように開口形成され、他端28b(エアー導入口)がピストン内前方室24‐1に連通するように開口形成されている。
【0056】
従って、本実施形態では、第1の加圧室23に供給されたエアーの一部が自動的に第2のエアー供給通路28を介してピストン内前方室24‐1(第2の加圧室)にも供給される。
【0057】
ピストン20のスライドの推力はピストン20への供給エアー圧力と、これを受けるピストン20の受圧面積で決定される。本実施形態では、第1の加圧室23や第2の加圧室(ピストン内前方室24‐1)に供給されるエアー供給圧力がピストン20への供給エアー圧力となる。また、ピストン後端面20bの面積とピストン内の空洞部前方壁面24aの面積との合計がピストン20全体の受圧面積である。
【0058】
本実施形態のように第1の加圧室23と第2の加圧室(ピストン内前方室24‐1)の双方から押圧されるピストン構造のものと、第1の加圧室23しかないピストン構造のものとにおいて、そのピストンへの供給エアー圧力を一定としてピストンの推力を比較してみると、本実施形態のピストン構造の方が、そのピストン内の空洞部前方壁面24aの受圧面積分だけ大きな推力を得られる。
【0059】
したがって、本実施形態のようなピストン構造によると、この主軸装置1全体を特に主軸3の径方向に小型化する場合に、ピストン20も小径化されるが、その場合でも従来と同一の供給エアー圧力で従来同様またはそれ以上のピストン20の推力をうることができ、ダイヤフラムチャック15において十分な把持力を確保することが可能である。
【0060】
次に、上記の如く構成された主軸装置の動作について図1を基に説明する。
【0061】
図1の主軸装置では、ダイヤフラムチャック15の爪17でワークWをチャックしクランプする。
【0062】
このとき、ダイヤフラムチャック15は主軸前端3a側の軸受4の前端面4aより後方へ引っ込んだ位置若しくはその前端面4aと同じ位置に配置されているので、ワークWはその軸受4の前端面4aより後方へ引っ込んだ位置、若しくはその前端面4aと同じ位置でクランプされる。したがって、当該ワークWの加工も主軸3の内側で行なわれることになる。
【0063】
尚、実際にワークWを加工する際は、モータ10を起動し、主軸3を回転させるが、主軸3が回転すると、ダイヤフラムチャック15とこれにチャックされているワークWがその主軸3の軸心周りに回転する。
【0064】
ダイヤフラムチャック15からワークWを取り外すときは、第1のエアー供給通路27を介し第1の加圧室23に所定の圧力のエアーを供給する。この際、第1の加圧室23に供給されたエアーの一部が第2のエアー供給通路28を介しピストン内前方室24‐1(第2の加圧室)にも供給される。
【0065】
第1の加圧室23に供給されたエアーの圧力は、ピストン20の後端面20bに作用し、該ピストン20をその外側からダイヤフラム16方向に向かって押圧する力となる。また、ピストン内前方室24‐1(第2の加圧室)に供給されたエアーの圧力は、ピストン内の空洞部前方壁面24aに作用し、該ピストン20をその内側からダイヤフラム16方向に向かって押圧する力となる。
【0066】
上記の如くピストン20の内外で発生した2つの力により、ピストン20がダイヤフラム16方向に押圧されスライドする。そして、このようにスライドするピストン20の推力により、そのピストン先端面20aの押圧ロッド22でダイヤフラム16が押されて中央凸状に弾性変形し、かつ爪17が放射状に開き、ダイヤフラムチャック15が開となる。この時点で、ダイヤフラムチャック15からワークWを取り外すことが可能となる。
【0067】
ところで、上記の如くピストン20がダイヤフラム16方向に向かってスライド前進すると、そのスライド前進ストローク分だけピストン内の空洞部後方壁面24bが仕切り部25の後面25bに接近する。このとき、その接近移動するピストン内の空洞部後方壁面24bによってピストン内後方室24‐2のエアーがエアーダクト通路26を介し外部へ押し出されるので、エアーダクト通路26のエアーによりピストン20のスライド前進動作が妨げられることはなく、ピストン20はスムーズにスライド前進できる。
【0068】
また、上記の如くダイヤフラムチャック15の開状態で爪17の内側にワークWをセットし、その後、第1の加圧室23とピストン内前方室24‐1(第2の加圧室)の双方のエアー圧を抜くと、ダイヤフラム16が弾性復帰し、爪17が元の位置に戻って当該ワークWをクランプする。
【0069】
このとき、ダイヤフラム16の弾性復帰力により押圧ロッド22を介しピストン20が押し戻されてスライド後退する。この際、ピストン内の空洞部後方壁面24bは仕切り部25の後面25bから遠ざかるが、このとき、エアーダクト通路26を介してピストン内後方室24‐2に外部エアーが取り込まれるので、ピストン内の空洞部後方壁面24bと仕切り部25の後面25bとの間にバキューム力が働くことはなく、よって、ピストン20のスライド後退動作もスムーズに行なうことができる。
【0070】
本実施形態の主軸装置1によると、ダイヤフラムチャック15は、主軸3を支持する前後2つの軸受4、5間の中央付近にある主軸内側フランジ部18に取り付けられて、主軸前端3a側の軸受4の前端面4aより後方へ引っ込んだ位置に配置される構造を採用した。このため、ダイヤフラムチャック15の支持部が2つの軸受4、5間の中央付近となり、しかも、主軸前端側の軸受4の前端面4aより少しも前方にダイヤフラムチャック15が張り出していないから、剛性が高く、また主軸3の軸方向熱変位による影響が小さく、ワークWの加工位置が変化し難いため、高精度のワーク加工を行なうことが可能であり、さらに、主軸3の軸方向にコンパクトで設置スペースをとらず、小型の研削盤への搭載に好適である。
【0071】
また、本実施形態の主軸装置1は、チャック開閉機構19の構造として、ピストン20の内外両側でこのピストン20をスライドさせる推力が発生する構造を採用したため、ピストン20を大径にすることなく、チャック部14を開閉するための十分なピストンの推力をうることができ、主軸3の径方向にもコンパクトで、特に主軸装置1全体を小型化する場合に好適である。
【0072】
【発明の効果】
本発明に係る主軸装置によると、チャック部は、主軸の内側であって主軸前端側の軸受から主軸後端側の軸受までの間の中央付近にあるフランジ部に取り付けられて、主軸前端側の軸受の前端面より後方へ引っ込んだ位置若しくはその前端面と同じ位置に配置される構造を採用した。このため、チャック部の支持部が2つの軸受間の中央付近となり、かつ、主軸前端側の軸受の前端面より少しも前方にチャック部が張り出していないから、剛性が高く、また主軸の軸方向熱変位による影響が小さく、ワークの加工位置が変化し難いため、高精度のワーク加工を行なうことが可能であり、さらに、主軸の軸方向にコンパクトで設置スペースをとらず、小型の研削盤への搭載に好適な主軸装置を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である主軸装置の断面図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】図1のB矢視図。
【図4】図4(a)は本発明に係る主軸装置おけるチャック部と軸受との位置関係の説明図、図4(b)は従来の主軸装置におけるチャック部と軸受との位置関係の説明図である。
【図5】従来の主軸装置の断面図。
【符号の説明】
1 主軸装置
2 ベース
3 主軸
3a 主軸前端
3b 主軸後端
4 主軸前端の軸受
4a 主軸前端の軸受の前端面
5 主軸後端の軸受
6 軸端部閉鎖部材
7 主軸センターロッド
8 主軸側プーリ
9 ベルト
10 モータ
12 モータ軸側プーリ
14 チャック部
15 ダイヤフラムチャック
16 ダイヤフラム
16‐1 ダイヤフラムの支持部材
17 爪
18 フランジ部(主軸内側フランジ部)
19 チャック開閉機構
20 ピストン
20a ピストン先端面
20b ピストン後端面
21 ロッド通し穴
22 押圧ロッド
23 第1の加圧室
24 空洞部
24a ピストン内の空洞部前方壁面
24b ピストン内の空洞部後方壁面
24‐1 ピストン内前方室(第2の加圧室)
24‐2 ピストン内後方室
25 仕切り部
25a 仕切り部の前面
26 エアーダクト通路
27 第1のエアー供給通路
27a 第1のエアー供給通路の一端
27b 第1のエアー供給通路の他端
28 第2のエアー供給通路
28a 第2のエアー供給通路の一端
28b 第2のエアー供給通路の他端
G 主軸内後方空間

Claims (6)

  1. 前後両端側を軸受で回転可能に支持した筒状の主軸と、
    上記主軸をその軸心回りに回転駆動する駆動手段と、
    上記主軸と一体にその軸心回りに回転する開閉可能なチャック部と、
    上記チャック部を開閉するチャック開閉機構とを有し、
    上記チャック部は、上記主軸の内側であって上記主軸前端側の軸受から上記主軸後端側の軸受までの間の中央付近にあるフランジ部に取り付けられて、上記主軸前端側の軸受の前端面より後方へ引っ込んだ位置若しくはその前端面と同じ位置に配置されてなること
    を特徴とする主軸装置。
  2. 上記チャック部は、
    上記主軸の内側に取り付け設置され、かつ押圧力の付与と解除で上記主軸の軸方向に弾性変形するダイヤフラムと、
    上記ダイヤフラムの表面に放射状に取り付けられた複数の爪とを有する構造からなること
    を特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  3. 上記チャック部は、
    上記主軸の内側に取り付け設置され、かつ押圧力の付与と解除で上記主軸の軸方向に弾性変形するダイヤフラムと、
    上記ダイヤフラムの表面に放射状に取り付けられた複数の爪とを有する構造からなり、
    上記チャック開閉機構は、
    上記主軸の内側に収容され、該主軸の内面に沿って主軸の軸心方向にスライド可能に設置されるとともに、そのスライドの推力で上記ダイヤフラムに押圧力を付与するピストンと、
    上記ピストンの外側に設けられるとともに、上記ピストンを上記ダイヤフラム方向へスライドさせるための推力を、上記ピストンの外部に発生させる第1の加圧室と、
    上記ピストンの内側に設けられるとともに、上記ピストンを上記ダイヤフラム方向へスライドさせるための推力を、上記ピストンの内部に発生させる第2の加圧室と、
    上記ピストンの推力を発生させるためのエアー圧を上記第1および第2の加圧室へ供給するエアー供給手段とを備えてなること
    を特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  4. 上記主軸の後端側は軸端部閉鎖部材により塞がれ、
    上記ピストンの内部は空洞に形成され、
    上記ピストン内の空洞部は、仕切り部によりピストン長手方向に仕切られてなり、
    上記第1の加圧室は、上記ピストンの後端面とこれに対向する軸端部閉鎖部材の内側面との間の空隙部からなり、
    上記第2の加圧室は、上記仕切り部の前面とこれに対向している上記ピストン内の空洞部前方壁面との間の隙間空間からなること
    を特徴とする請求項3に記載の主軸装置。
  5. 上記エアー供給手段は、
    一端が上記第1の加圧室に連通し、他端がエアー供給装置側に連通する第1のエアー供給通路と、
    一端が上記第1の加圧室に連通し、他端が上記第2の加圧室に連通する第2のエアー供給通路とからなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の主軸装置。
  6. 上記仕切り部の後面とこれに対向している上記ピストン内の空洞部後方壁面との間の隙間空間は、エアーダクト通路を介し外部に開放され、空気の出入りが自由となっていること
    を特徴とする請求項4に記載の主軸装置。
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