JP4338841B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒の後端に配設したノック部材を押圧せしめることで、ノック部材と連動した鉛芯繰り出し機構を作動させ、鉛芯を繰り出し可能な筆記具に関し、さらに詳しくは、軸筒の後端に止着物を配設してなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ノック部材を押圧せしめることで、ノック部材と連動した鉛芯繰り出し機構または筆記先端部繰り出し機構を作動させ、鉛芯または筆記先端部を繰り出し可能な筆記具は、よく知られている。また、こうした筆記具において軸筒の後端に消しゴムや印鑑等の止着物を配設しているものもよく知られていることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記したようにノック部材を押圧せしめることで、ノック部材と連動した鉛芯繰り出し機構または筆記先端部繰り出し機構を作動させ、鉛芯または筆記先端部を繰り出し可能な筆記具においては、止着物保持部はノック部材と連動するようになっていたため、止着物を使用する際に、誤って止着物を押圧してしまい、不要に鉛芯または筆記先端部が繰り出されるという不具合が生じていた。
【0004】
本発明は上記問題を鑑み、止着物を使用する際に、誤って止着物を押圧し、不要に鉛芯または筆記先端部が繰り出される不具合が生じることのない筆記具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸筒内にシャープペンシル体を含む複数の筆記体を、摺動体内に配設した弾発部材により後方に付勢して配設し、シャープペンシル体の後端に取り付けたスライド部材の係子部を、前記軸筒の後端部に付設した摺動体に形成した被係子部に係子して、前記シャープペンシル体の先端部を突出した状態で、前記軸筒の後端に配設したノック部材を押圧せしめることで、該ノック部材と連動した前記摺動体、及び該摺動体に係子した前記スライド部材を移動させ、前記軸筒の内壁により、軸筒の先端開口部方向への移動を規制したシャープペンシル体の鉛芯繰り出し機構を作動させ、鉛芯を繰り出し可能なスライド式の筆記具であって、前記軸筒の後端に、止着物を適宜突出した状態に保持した止着物保持部材を一体に形成または装着し、前記ノック部材を、止着物を被覆するように、ノック部材の先端部に形成した凸部が、止着物保持部材の底壁に形成した通過孔を通過し、コイルスプリングによって軸筒の後端方向に付勢して収納した摺動体に連動可能とし、止着物上端面とノック部材の頭部内壁面との間に、少なくともノックストローク分の間隙を設けるように、前記摺動体に着脱自在に装着する。
【0006】
本発明の繰り出し機構は、軸筒の後端に配設したノック部材を押圧することによって作動する機構であって、鉛芯繰り出し機構とは、チャック、締めリング等で構成される、従来から知られているシャープペンシルに使用する機構のことである。
【0007】
本発明の止着物とは、止着物保持部材を介して軸筒の後端に付設して使用する消しゴム、印鑑、スタンプ等をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
本発明の筆記具は、シャープペンシル体の先端部を突出した状態で、ノック部材を押圧せしめることで、ノック部材と連動した鉛芯繰り出し機構を作動させ、鉛芯を繰り出し可能な、一般的に知られている多芯筆記具等に使用することができる。
【0010】
止着物保持部材の形状は、特に限定されるものではなく、軸筒後端に一体に形成または装着し、止着物を保持可能な形状であればよい。また、本発明のノック部材の先端部に形成した凸部および止着物保持部材の底壁に形成した通過孔の形状についても特に限定されるものではなく、周状に設けてもよいし、所望の位置に所望数設けてあってもよい。また、ノック部材の止着物保持部材への装着方法も、乗り越し嵌合や圧入嵌合等、着脱自在に装着する、一般的に知られている装着方法を適宜選択して使用することができる。
【0011】
【実施例】
本発明の実施例を、図面を用いて説明する。図1から図7に示す、本発明の実施例は、軸筒2内にボールペン体3およびシャープペンシル体4と、図示はしていないが、もう一本のボールペン体の、複数の筆記体を、摺動体12内に配設した弾発部材5、6により後方に付勢させ、各筆記体の後端に取り付けられているスライド部材7、8の隆起部7a、8aを前進せしめることで、スライド部材7、8の係子部7b、8bが摺動体12に形成した被係子部12aに係子して、前記筆記体の先端部3a、4aを軸筒先端2aから選択して突出することができる、一般的に知られているサイドスライド式の多芯筆記具1である。
【0012】
軸筒2の後端には、止着物保持部材9を軸筒2の後端部に圧入嵌合により装着してあり、その止着物保持部材9に止着物である消しゴム10を止着物保持部材9の保持部9cに、止着物保持部材9から適宜突出した状態に、保持部9cに形成した押え部9dにより容易に抜け落ちしないように着脱自在に保持してある。また、止着物保持部材9にはクリップ19が一体に形成してある。
【0013】
ノック部材11は、前記止着物保持部材9に保持した消しゴム10を被覆するように、ノック部材11の先端部に形成した凸部15が、止着物保持部材9の底壁9aに形成した通過孔9bを通過し、ノック部材11と連動する軸方向に摺動可能に配設した摺動体12に当接して、ノック部材11の内周面に形成したリブ16と摺動体12に形成した突起部18との乗り越し嵌合により、止着物保持部材9に対し着脱自在に装着する。また、この時、消しゴム10上端面とノック部材11の頭部17の内壁面との間にノックストロークより大きい間隙Jを設ける。さらに、ノック部材11の頭部17には空気流通孔11aが形成してある。
【0014】
スライド部材8の隆起部8aを摘み軸筒の先端開口部2a側にスライドさせシャープペンシル体4の先端部4aである先端パイプを突出させる。その後、ノック部材11を押圧することにより、ノック部材11がノックストローク分を移動し前記間隙Jから間隙Kになる。すなわち、間隙Jと間隙Kとの差がノックストロークとなる。このノック部材11の押圧によって、凸部15と当接した、コイルスプリング13によって軸筒2の後端方向に付勢されて収納してある摺動体12を移動させ、摺動体12の移動によって、スライド部材8、スライド部材8と連接した鉛芯ホルダー14も同時に移動する。鉛芯ホルダー14の移動は、軸筒2の内壁により、軸筒の先端開口部2a方向への移動を規制してあるため、従来から知られているチャック(図示せず)、締めリング(図示せず)で構成される鉛芯繰り出し機構Hを作動させ、シャープペンシル体4の先端パイプ部4aより鉛芯(図示せず)を繰り出すことができる。
【0015】
消しゴム10を使用する際には、前記ノック部材11を取り外して使用する。消しゴム10は、軸筒2の後端に装着した止着物保持部材9に、鉛芯繰り出し機構と連動することなく保持してあるので、消しゴム10を使用しても、鉛芯繰り出し機構Hが作動することはなく、誤って鉛芯(図示せず)が繰り出される不具合を生じることはない。
【0016】
【発明の効果】
本発明による筆記具は、前述したような構成なので、止着物を使用する際に、誤って止着物および止着物保持部材を押圧し、鉛芯が繰り出される不具合が生じることのない筆記具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における筆記具を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるシャープペンシル体を選択した図である。
【図3】図2におけるノック部材を押圧した図である。
【図4】図1における、一部を省略した要部の側面の断面図である。
【図5】図1におけるノック部材の拡大図である。
【図6】図1における止着物保持部材の拡大断面図である。
【図7】図6におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
1 筆記具
2 軸筒
3 ボールペン体
4 シャープペンシル体
9 止着物保持部材
9a 底壁
9b 通過孔
10 消しゴム
11 ノック部材
15 凸部
H 鉛芯繰り出し機構
J、K 間隙
Claims (1)
- 軸筒内にシャープペンシル体を含む複数の筆記体を、摺動体内に配設した弾発部材により後方に付勢して配設し、シャープペンシル体の後端に取り付けたスライド部材の係子部を、前記軸筒の後端部に付設した摺動体に形成した被係子部に係子して、前記シャープペンシル体の先端部を突出した状態で、前記軸筒の後端に配設したノック部材を押圧せしめることで、該ノック部材と連動した前記摺動体、及び該摺動体に係子した前記スライド部材を移動させ、前記軸筒の内壁により、軸筒の先端開口部方向への移動を規制したシャープペンシル体の鉛芯繰り出し機構を作動させ、鉛芯を繰り出し可能なスライド式の筆記具であって、前記軸筒の後端に、止着物を適宜突出した状態に保持した止着物保持部材を一体に形成または装着し、前記ノック部材を、止着物を被覆するように、ノック部材の先端部に形成した凸部が、止着物保持部材の底壁に形成した通過孔を通過し、コイルスプリングによって軸筒の後端方向に付勢して収納した摺動体に連動可能とし、止着物上端面とノック部材の頭部内壁面との間に、少なくともノックストローク分の間隙を設けるように、前記摺動体に着脱自在に装着したことを特徴とする筆記具。
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1999
- 1999-09-13 JP JP25852099A patent/JP4338841B2/ja not_active Expired - Fee Related
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