JP4611541B2 - シャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸筒内に、少なくとも1本のシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のシャープペンシル体を配設したスライド式の複合筆記具を図1及び図2を用いて説明すると、軸筒後端部内に付設した摺動ケース11の摺動溝13内に配設した第2コイルスプリング9により軸筒後端方向に付勢した一方の摺動体4を、軸筒先端開口部2a方向にスライドすることにより摺動体4の後端部に形成した係合突起4bを摺動ケース11に形成した止め部(図示せず)に係止して、ボールペン体6の筆記先端部6aを軸筒先端開口部2aから突出することができ、他方の第2コイルスプリング10により軸筒後端方向に付勢した他方の摺動体5の隆起部5aを軸筒先端方向に前進せしめることで、他方の解除突起5dが、一方の被解除突起4cを押圧し、止め部に係止していた係合突起4bを解除し、さらに他方の摺動体5を前進することにより他方の係合突起5bが止め部に係止して突出状態を維持することのできる、筆記先端部を選択して操り出し可能な繰り出し機構を有するともに、シャープペンシル体7の突出状態を維持した状態で、摺動ケースの前方に配設した第1コイルスプリング8により軸筒後端方向に付勢した樹脂製の摺動ケース11を軸筒先端方向に押圧することにより、シャープペンシル体7の鉛芯繰出機構(図示せず)を作動させて鉛芯を繰出し可能な構造としてある。
【0003】
前記した従来のシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具においては、摺動ケース11を軸筒後端側へ付勢する第1コイルスプリング8は、摺動ケースの先端面が第1コイルスプリング受部となっており、単に当接しているだけであった。
【0004】
ところで、こうしたシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具において、一方の筆記体と他方の筆記体を交互に、しかもスムーズな出没作動を可能とするため、筆記体、摺動体、コイルスプリングの配設位置やコイルスプリングの設定荷重等、適宜選択している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、筆記体のスムーズな出没作動について検討した結果、前述した従来の構造では、第1コイルスプリングと筆記体が接触することが間々あり、この接触によって、引っ掛かり感があり、スムーズな出没作動を阻害していることが判った。これは、コイルスプリングの端部は移動し易く、組立時や使用時に端部が内側へ移動し、筆記体と接触しているためである。また、端部の移動は、内側(筆記体側)へ移動する場合は勿論のこと、図4、図5に示すように、外側へ移動した場合にも、第1コイルスプリング8の端部8aが座巻き部Gの外側に位置し、座巻きG部を内側へ押圧することにより、座巻き部が内側へ移動することがあった。前記第1コイルスプリングの端部または座巻き部の移動によって、筆記体と接触してしまう。また、スライド式の複合筆記具においては、軸心から偏心した位置に筆記体を配設してあり、筆記体は軸筒先端開口部に向って、テーパー状に移動するので、第1コイルスプリングの後端側である摺動ケース近傍において接触し易いということも判った。
【0006】
こうした接触を防ぐためには、コイルスプリングの径を大きくすることが考えられるが、コイルスプリングの径を大きくすると、それに比例して軸筒の径も大きくする必要があり、デザインの幅をひろげることができない。
【0007】
本発明の目的は、コイルスプリングの径を大きくすることなく、筆記体の出没作動がスムーズな、シャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸筒内にシャープペンシル体を含む複数の筆記体を配設し、軸筒後端部に、軸心方向に沿って延びる外部に開口した摺動溝を径方向に区画してなる摺動ケースを、該摺動ケースの前方に配設した座巻き部を有する第1コイルスプリングにより軸筒後端方向に付勢して摺動自在に付設し、各筆記体の後部に連接した摺動体を、該摺動体に形成した隆起部を各摺動溝より摺動ケース外周面に突出させ、摺動溝内に配設した第2コイルスプリングにより軸筒後端方向に付勢して摺動溝に摺動自在に収納してなり、前記摺動体を軸筒先端方向にスライドすることにより、摺動体の後端部に形成した係合突起を摺動ケースに形成した止め部に係止して筆記体の突出状態を維持するとともに、シャープペンシル体が突出した際は、摺動ケースを軸筒先端方向に押圧することにより、シャープペンシル体の鉛芯繰出機構を作動させて、鉛芯を繰出し可能としたシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具において、前記摺動ケースの先端に、摺動ケースと一体にかつ、軸心方向で第1コイルスプリングの座巻き部より長い突部を形成し、前記コイルスプリングの端部が、径方向で座巻き部の外側に位置するとともに、前記突部に前記第1コイルスプリングを嵌挿するように配設したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明における鉛芯繰出機構とは、シャープペンシルにおいて一般的に知られているチャック等の鉛芯を繰り出す機構のことである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面中同じ部材、同じ部品については同じ番号を付してある。
図1から図3に示す、シャープペンシル体を含む複合筆記具1は、前軸2と後軸3を螺合させ、さらに後軸3の後端に摺動ケース11を付設した構造である。摺動ケース11には、径方向に区画し外部に開口した摺動溝13を形成してある。各摺動溝13に、ボールペン体6とシャープペンシル体7と、ボールペン体6及びシャープペンシル体7の後端に取り付けられた摺動体4,5を、第2コイルスプリングにより後方に付勢させて摺動可能に配設する。摺動体4,5の隆起部4a,5aは、摺動溝13より突出させてある。摺動ケースの先端面と後軸3に形成した段部3aとの間に第1コイルスプリング8を配設し、摺動ケースを軸筒後端方向に付勢して配設してある。摺動ケース11は、摺動ケース11に形成した凸部(図示せず)を、後軸3の係合孔(図示せず)に嵌合させ、摺動可能に配設してある。後軸3の後端には頭冠14が付設してある。
【0011】
ボールペン体6の筆記先端6aを軸筒先端開口部2aから出没させるには、摺動体の一方の隆起部4aを軸筒先端開口部2a方向に前進せしめることで、摺動体4の後端部の係合突起4bが軸筒内に形成した止め部11aに係止して、ボールペン体6のチップ先端部6aを軸筒先端開口部2aから選択して突出することができる。他方の隆起部5aを軸筒先端2a方向に前進せしめることで、一方の止め部11aに係止していた係合突起4bを他方の解除突起5dが、一方の被解除突起4cを押圧して解除し、前記ボールペン体6の筆記先端6aは軸筒2内に没入させることができる。さらに他方の隆起部5aを前進することにより他方の係合突起5bが止め部11aに係止して、シャープペンシル体の筆記先端部7aの突出状態を維持することができる。シャープペンシル体の筆記先端部7aを突出した状態で、第1コイルスプリング8により軸筒後端側へ付勢した摺動ケース11を軸筒先端開口部2a方向に押圧することにより、シャープペンシル体の鉛芯繰出装置(図示せず)が作動して鉛芯を繰出すことができる。
【0012】
第1コイルスプリング8は、摺動ケースに一体に形成した突部12に嵌挿するように配設してあるので、組立時や使用時に、端部が内側へ移動あるいは移動することがないので、筆記体の出没がスムーズである。また突部12は、軸心方向において第1コイルスプリング8の座巻部Gより長くしてあるので、端部8aが座巻き部Gの外側に位置し、座巻き部Gを内側へ押圧することがあっても筆記体6,7と接触することはないので、スムーズな出没作動が可能である。
【0013】
本発明のシャープペンシル体を1本含むスライド式の複合筆記具は、前述したシャープペンシル体を1本とボールペン体を1本の複合筆記具に限定されるものではなく、少なくともシャープペンシル体を1本含む複数の筆記体を適宜選択して用いることができる。また、筆記体に摺動体を連接する構造も特に限定されない。
【0014】
【発明の効果】
以上の通り、筆記体の出没作動がスムーズな、シャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるシャープペンシル体の筆記先端部を繰り出した状態を示す縦断面図である。
【図3】摺動ケース及び第1コイルスプリングの拡大図である。
【図4】第1コイルスプリングの外側の移動を示した拡大図である。
【図5】図4における、第1コイルスプリングの後端F方向から見た図である。
【符号の説明】
1 シャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具
2 軸筒
2a 軸筒先端開口部
3 後軸
4,5 摺動体
6 ボールペン体
7 シャープペンシル体
8 第1コイルスプリング
8a 端部
9,10 第2コイルスプリング
11 摺動ケース
12 突部
13 摺動溝
Claims (1)
- 軸筒内にシャープペンシル体を含む複数の筆記体を配設し、軸筒後端部に、軸心方向に沿って延びる外部に開口した摺動溝を径方向に区画してなる摺動ケースを、該摺動ケースの前方に配設した座巻き部を有する第1コイルスプリングにより軸筒後端方向に付勢して摺動自在に付設し、各筆記体の後部に連接した摺動体を、該摺動体に形成した隆起部を各摺動溝より摺動ケース外周面に突出させ、摺動溝内に配設した第2コイルスプリングにより軸筒後端方向に付勢して摺動溝に摺動自在に収納してなり、前記摺動体を軸筒先端方向にスライドすることにより、摺動体の後端部に形成した係合突起を摺動ケースに形成した止め部に係止して筆記体の突出状態を維持するとともに、シャープペンシル体が突出した際は、摺動ケースを軸筒先端方向に押圧することにより、シャープペンシル体の鉛芯繰出機構を作動させて、鉛芯を繰出し可能としたシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具において、前記摺動ケースの先端に、摺動ケースと一体にかつ、軸心方向で第1コイルスプリングの座巻き部より長い突部を形成し、前記コイルスプリングの端部が、径方向で座巻き部の外側に位置するとともに、前記突部に前記第1コイルスプリングを嵌挿するように配設したことを特徴とするシャープペンシル体を含むスライド式の複合筆記具。
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- 2001-02-13 JP JP2001035376A patent/JP4611541B2/ja not_active Expired - Fee Related
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