JP4338840B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料用積層体の製造方法に関し、より詳細には耐水性、酸・アルカリ・溶剤等の耐化学薬品性及び耐油性に優れたポリオレフィン系包装材料用積層体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品、医療品、工業用品等の包装材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のプラスチックフィルム、金属蒸着フィルム、紙、金属箔等の材料を積層したものが用いられており、これら材料を接着するのにポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂を成分とする接着剤が使用されている。これら接着剤の接着性を改善するために、例えば、ポリウレタン樹脂接着剤では、分子中に少なくとも2個の酸無水物基を有する多塩基酸無水物を配合した接着剤(特開昭60−243182号公報)、有機ポリオールの分子末端にカルボキシル基をもったポリエステル樹脂を配合した接着剤(特開平5−51574号公報)、有機ポリイソシアネート及び有機ポリオールを含有する組成物にリンの酸素酸若しくはその誘導体、エポキシ樹脂並びにシランカップリング剤を配合した接着剤(特公昭61−4864号公報)等が提案されている。
【0003】
一方、ポリオレフィン系接着剤では、ポリオレフィン(A)にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸(B)がグラフト重合したものに、金属化合物(C)を加熱配合した接着剤(特開昭56−8478号公報)、金属上にカルボン酸含有ポリオレフィンの塩を塗着後、ポリオレフィンを積層させる方法(特開昭56−89517号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の接着剤を使用した包装材はいくつかの弱点を有しており、更に性能の幅が広いものが望まれている。例えば、ポリウレタン樹脂接着剤は120℃以上の高温熱水で殺菌し、若しくは80℃以上の高温雰囲気に水を入れて長期保存すると、金属箔とプラスチックフィルムとの接着力が低下し、包装材としての強度も低下する。又、食酢や遊離脂肪酸の含有量が多い高酸性食品を内容物とした場合、ボイル、レトルト処理後、長期間の保存で接着力が低下し、場合によっては金属箔とプラスチックフィルムが剥離する場合も生じる。
【0005】
一方、ポリオレフィン系接着剤は好適なプラスチックフィルムと組み合わせれば、内容物が水の場合ではレトルト処理、高温長期保存後でもほとんど接着力の低下はなく、優れた包装材が得られるものの、酸、アルカリ、塩及び溶剤等の化学薬品を内容物とし、高温で長期間に保存した時、場合によっては大幅に金属箔とプラスチックフィルムの接着力が低下し、実用に耐えない場合がある。
【0006】
本発明は、従来の接着剤を用いた包装材用積層体に比べ、熱水、高酸性食品、酸・アルカリ・溶剤等の化学薬品及び油を内容物とした場合、高温、長期間保存後の接着力が極めて良好な包装材用積層体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を改善すべく鋭意検討した結果、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン樹脂の配合物に、熱硬化性樹脂を配合したものを用いて得た積層体が本発明の目的を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂(A)10〜90重量%及び未変性ポリオレフィン樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂混合物100重量部並びに熱硬化性樹脂(C)1〜10重量部からなる組成物で、アルミニウムを被覆することからなる包装材料用積層体の製造方法を要旨とする。
【0009】
又、本発明の積層体の製造方法は、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素よりなる群から選ばれる溶剤に分散させた上記組成物の分散物をアルミニウムに塗着した後、該溶剤を加熱除去させることを特徴とする。
又、本発明の積層体の製造方法は、上記組成物の溶融物をアルミニウム上に押出し被覆することを特徴とする。
又、本発明の積層体の製造方法は、上記ポリオレフィン樹脂(A)は無水マレイン酸がポリプロピレンに0.05〜5重量%化学的に結合したものであることを特徴とする。
又、本発明の積層体の製造方法は、熱硬化性樹脂(C)がポリイソシアネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂から選ばれる1種若しくは2種以上からなることを特徴とする。
又、本発明の積層体の製造方法は、上記組成物が更にシランカップリング剤を含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の態様】
本発明で用いられるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂(以下、変性ポリオレフィンという。)(A)を製造する際に用いられるポリオレフィン樹脂(以下、ベース樹脂という。)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。得られる積層体をレトルト用包装材に使用する場合には、特に、耐熱性のあるポリオレフィン樹脂が好ましく、例えば、低圧法で得られる高密度ポリエチレン、中圧法で得られるエチレン−プロピレン共重合体、高立体規則性のポリプロピレンを使用することが望ましく、特に高立体規則性のポリプロピレンが好ましい。
【0011】
当該ベース樹脂に付加させるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等及びこれら酸の無水物の1種若しくは2種以上が用いられる。これらの中でも、アクリル酸、無水マレイン酸、特に無水マレイン酸が好ましい。
【0012】
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、上記ベース樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部配合して、加熱反応することにより、0.5〜5重量%程度のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸がグラフトした変性ポリオレフィン(A)を製造することができる。具体的には、次に示す溶融法及び溶媒法で製造することができる。
【0013】
まず溶融法について述べると、ベース樹脂とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を熱ロール又は押出機を使用してベース樹脂の軟化点よりも10℃ないし100℃高い温度で溶融混合する。ベース樹脂の種類によって溶融混合する時間を調節することが望ましいが、通常は5〜90分間である。
【0014】
一方、溶媒法について述べるが、この方法は未反応物を除去する場合や樹脂の着色を避ける必要がある場合に有利である。溶媒としてはトルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物、その市販品として、例えば「ソルベッソ」(エッソ化学社製)等、並びにヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素及びそれらの混合物、その市販品として、例えば「アイソパー」(エッソ化学社製)等を使用することができる。例えば、キシレンにベース樹脂とα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を所定量添加混合し、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤の存在下、ベース樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸をグラフト重合させる。
【0015】
重合開始剤の存在下、グラフト重合を行う場合、α,β−不飽和カルボン酸を一度に全量を配合しておく以外に少量ずつ添加する方法もあり、後者の方が副生成物の生成が少なく、この方法で得られる変性ポリオレフィン(A)を用いて調製した積層体の接着性が優れている。当該グラフト重合は120℃〜150℃で30分間〜3時間の条件で行うことができる。又、得られるグラフト重合物は包装材の用途に応じて、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等で十分洗浄しておくことが望ましく、洗浄処理を行って得られた変性ポリオレフィン(A)を用いて調製した積層体は、高い接着強度を示す。
【0016】
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(B)には、前記変性ポリオレフィン(A)以外の任意のポリオレフィン樹脂が含まれるが、実用上は上記変性ポリオレフィン(A)の製造の際に使用したベース樹脂と同じポリオレフィン樹脂を用いるのが望ましい。無論、ベース樹脂とは異なるポリオレフィン樹脂が使用できることは言うまでもない。
【0017】
変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン樹脂(B)の配合割合は、変性ポリオレフィン(A)の変性率や用途によって異なるが、エチレン性不飽和カルボン酸の含有量が変性ポリオレフィン(A)及びポリオレフィン樹脂(B)のオレフィン成分に対して、0.02〜5重量%になるような割合で混合するのが望ましい。上記のエチレン性不飽和カルボン酸の含有量とするには、変性ポリオレフィン(A)が10〜90重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)が90〜10重量%であるが、好ましくは変性ポリオレフィン(A)が40〜70重量%であり、ポリオレフィン樹脂(B)が60〜30重量%である。変性ポリオレフィン(A)が10重量%未満では、得られる積層体の耐水性、耐化学薬品性及び耐油性が低下し、90重量%を超えると、得られる積層体の強度が低下すると共に後記の積層体を溶媒分散型樹脂によるコーティング法によって製造する場合均一な上記組成物の分散液が得られなくなる。変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン樹脂(B)は、両者を混合しても良く、後記の熱硬化性樹脂(C)と同時に混合しても良い。
【0018】
本発明で用いられる熱硬化性樹脂(C)としては、ポリイソシアネート樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂の1種類若しくは2種類以上が用いられる。アミノ樹脂としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アニリン樹脂、アセトグアナミン樹脂が挙げられる。
【0019】
熱硬化性樹脂(C)は、変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン樹脂(B)の混合物100重量部に対して、1〜10重量部の割合で配合される。熱硬化性樹脂(C)の配合割合が1重量部未満では、得られる積層体の耐化学薬品性及び耐油性が低下し、内容物を充填した包装材の基材が剥がれ易くなり、10重量部を超えると、変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン樹脂(B)の混合物との相溶性が低下し、包装材の接着強度も低下する。
【0020】
上記の変性ポリオレフィン樹脂(A)、ポリオレフィン樹脂(B)及び熱硬化性樹脂(C)からなる組成物は、必要に応じてシランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、分子内に2個以上の異なった反応性基を有し、その一方がメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基であり、他方がビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリロキシ基、メルカプト基等である通常の有機珪素化合物が好適である。これらは各種のものが市販されており、それらの中から適宜選択することができる。シランカップリング剤の配合量は、通常該組成物100重量部当り、0.5〜5重量部である。シランカップリング剤を含有せることにより、無機質材であるアルミニウムと有機質材である組成物との結合を強め、包装材の接着強度を増すという効果をもたらす。
【0021】
上記の組成物、更に必要に応じてシランカップリング剤を含有する組成物とアルミニウムとの積層体を得る方法としては、溶融押出法及び溶媒分散型樹脂によるコーティング法が挙げられる。
【0022】
溶融押出法は、変性ポリオレフィン(A)、未変性ポリオレフィン(B)及び熱硬化性樹脂(C)、更に必要に応じてシランカップリング剤を所定量秤量し、混合加熱した後、押出機より積層後の膜厚が5〜20μm程度になるように、アルミニウム、好ましくは厚さ5〜20μmのアルミニウム箔に溶融押出する。この際、アルミニウム箔に腰を持たせるためにポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルムを積層した、積層アルミニウム箔を用いるのが望ましい。又、この際に積層アルミニウム箔とポリオレフィンフィルム等の2つの基材の間に溶融押出することもできる。この2つの基材の間に溶融押出する方法は、本発明に係る上記組成物とアルミニウムとの積層体に上記のプラスチックフィルム等を更に積層する場合に有効である。
【0023】
上記組成物とアルミニウムとの積層とポリオレフィンフィルムからなる基材の積層を同時に行う場合、上記組成物の溶融押出と同時若しくは直後に、表面温度が当該ポリオレフィンの溶融温度以上の表面温度の熱ロールに接触させる。すなわち熱ロールの表面温度は100〜250℃に設定されるが、少なくともポリオレフィンの溶融温度以上の温度であることが必要である。勿論、ポリオレフィン等の一方の基材の種類、グレード、他方の基材の種類、熱ロールでの基材の接触時間等を考慮して決めることができる。用いる基材の溶融温度より低い表面温度では、得られた積層体の接着強度が十分でなく、熱ロールの表面温度が250℃を超えるような高温では、積層体の接着力に悪影響を及ぼすか、極めて短い時間の接触となるため、積層体の品質にバラツキが生じ易いので避けなければならない。
熱ロールとの接触時間は0.1〜5秒間程度であり、好ましくは0.3〜2秒間である。1秒間前後の接触で熱ロールの大きさにもよるが、熱ロールは約50m/分前後の速度で回転させることができる。熱ロールには回転するための動力を設けてもよく、接触により回転するものでもよい。
【0024】
熱ロールは、電熱、誘電加熱等により加熱されるが、熱ロールの表面が一定となる熱源であれば、いずれも用いることができる。熱ロールの表面温度は、主としてポリオレフィンや他基材の種類、ライン速度及び接触時間に応じて変わるが、ポリオレフィンがポリエチレンやポリブテンの場合、150〜220℃程度であり、ポリプロピレン及びプロピレン−エチレン共重合体の場合、180〜250℃程度である。
熱ロールの材質は金属製が好ましいが、耐熱性良好な材質であれば用いることができ、金属、耐熱性高分子の被覆物を用いることも可能である。ポリオレフィンや他の基材の一部が熱ロールに移行する恐れのある場合には、熱ロールの表面をフッソ樹脂(例えば、テフロン:登録商標)等で被覆したもの等を使用するのが好ましい。
【0025】
次に、溶媒分散型樹脂によるコーティング法で積層物を得る方法について説明する。変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン(B)を配合し、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物、その市販品として、例えば 「スワゾール」(丸善石油化学社製)、「ソルベッソ」(エッソ化学社製)等、並びにヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素及びそれらの混合物、その市販品として、例えば「アイソパー」(エッソ化学社製)等の有機溶剤と混合して、15〜20重量%の変性ポリオレフィン(A)とポリオレフィン(B)を含有する分散物を形成する。更に、熱硬化性樹脂(C)、必要に応じてシランカップリング剤を配合し、最終的な分散物を調製する。
【0026】
この分散物から積層物を製造するには、当該分散物をグラビヤコーター、メッシュコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、スプレー等の塗装装置を用いて、アルミニウム、好ましくはプラスチックフィルムを積層したアルミニウム箔面に塗布する。更に、熱ロール、高周波誘導加熱、オーブン等の加熱装置を用いて、有機溶剤を除去し、アルミニウム上若しくは積層したアルミニウム箔上に上記3成分からなる組成物を析出させ、本発明に係る積層体を得る。
【0027】
更に、この積層体に他の基材を積層する場合は、積層体上の上記組成物をその融点以上の温度で加熱した後、ポリオレフィンフィルム等の他の基材を上記組成物面に積層する。この際、上記組成物の加熱は、上記組成物が析出した直後若しくはわずかに有機溶剤及び水が残留して、上記組成物の融点以上での加熱開始直後にそれら有機溶剤及び水が除去されるようにするのが好ましい。有機溶剤及び水が除去されてから、融点以上の加熱までの時間が長くなると、アルミニウム上若しくは積層したアルミニウム箔上に析出した上記組成物がそれら基材から剥離することがあり好ましくない。必要に応じて他の基材を予熱しておくこともできる。
【0028】
他の基材としては、金属、プラスチック、紙等が挙げられる。プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、各種ナイロン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられ、通常それらのフィルムやシートが用いられる。それらフィルムの厚さは通常5〜200μm程度であり、シートの厚さは通常0.25〜2mm程度である。金属や紙等の厚さも同程度で良いが、勿論これらの厚さを超えても良いことは言うまでもない。組成物と接する他の基材としてポリプロピレンフィルムを用いると接着力の点で優れた結果が得られ、好ましい。
【0029】
これらの他の基材と積層した積層体の例としては、AL/上記組成物/PP,PET/AL/上記組成物/PP,PE/AL/上記組成物/PE−PP,PET/NY/AL/上記組成物/PP,AL/上記組成物/PET,NY/AL//上記組成物/PP,AL/上記組成物/PE,PET/AL/上記組成物/PB等が挙げられる。
【0030】
なお、上記積層体の例におけるアルファベットは、以下の物質を示している。
【0031】
AL:アルミニウム箔,PP:ポリプロピレンフィルム,PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム,PE:ポリエチレンフィルム,NY:ナイロンフィルム,PB:ポリブテンフィルム,PE−PP:エチレン−プロピレン共重合体フィルム。
【0032】
一般に、ウレタン樹脂接着剤を用いた製造した包装材に、高温水を長期間暴露した場合や、強酸、強アルカリ、酸化性物質及び高溶解性の溶剤等を充填した場合は接着力の低下が大きい。一方、従来の一般のポリオレフィン系接着剤を用いた包装剤では、比較的接着力の低下は少ないものの、内容物の種類によっては、金属箔とプラスチックスフィルムの接着力が低下し、剥離してしまう。
これに対して、本発明の方法で製造される積層物で、水、高酸性食品、酸・アルカリ・塩・溶剤等の化学薬品及び油を内容物として包装したものものは、意外にも、80℃以上での長期間保存後の接着力は殆ど低下しないという性質を示すが、その理由は、熱硬化性樹脂(C)を配合することにより、金属箔に対する接着性が増し、接着剤の硬化被膜が強靭になるためと考えられる。
【0033】
上記から、本発明の方法で製造した積層体は、水、鉱物油、植物油等の油は勿論、特に酢酸、カプロン酸、カプリル酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸若しくはそれらの水溶液、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、メチレンカーボネート、イソプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート等の極性溶媒等、又はそれらを含有する物を包装若しくは充填する際の包装材として特に好適である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、詳細に説明する。
(実施例1)
ポリプロピレン(MRF:10g/10分(ASTM D1238))100部(重量部、以下同じ。)に、無マレイン酸15部及びキシレン380部を、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら130℃に加熱した。このものに、0.1部の過酸化ベンゾイルを50部のキシレンに溶解したものを、90分間で滴下した。130℃で60分間加熱、攪拌を続けた後、室温まで冷却した。得られた凝濁物を濾過した後、メチルエチルケトンで洗浄した。得られた変性ポリプロピレン(A)100部に上記のポリプロピレン(B)60部、ポリイソシアネート樹脂(東洋モートン社製、商品名:CAT−10L、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートの付加物)(C)8部を押出機で180℃にて溶融し、これら3成分からなる組成物のペレットを得た。
【0035】
上記ペレットを押出機(ダイス温度240℃、樹脂温度210℃)を使用して、12μmのポリエステルフィルムと9μmのアルミニウム箔からなる積層体のアルミニウム箔面と70μmのポリプロピレンフィルム間に10μmの塗膜厚になるように溶融押出して積層し、直ちに表面温度180℃の熱ロールに1秒間接触させて、積層物を得た。得られた積層体のポリプロピレンフィルムとアルミニウム箔を剥離しようとしたが、ポリプロピレンフィルムが破断し、剥離不能であった。
【0036】
上記で得られた積層体を用いて袋状の包装材にしたものに、モデル内容物として、水、カプロン酸、プロピレンカーボネート、鉱物油を充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度をJIS K6854に則り測定し、それらの結果を表1に示した。
【0037】
(実施例2)
実施例1で得られた変性ポリプロピレン(A)100部、実施例1で用いたポリプロピレン(B)60部及びポリイソシアネート樹脂(C)3部、アイソパーM(商品名、エクソン化学社製、イソパラフィン系溶剤)320部並びにキシレン40部を窒素ガス雰囲気下で130℃に加熱し、溶液を得た。この溶液を水冷したバットに注いで急冷し、平均粒径10μ以下の乳白色分散体を得た。この分散体をホモジナイザーを用いて平均粒子径が3μ以下の分散体とした。この分散体は調製後3ヶ月経過しても安定であった。
【0038】
次に、得られた上記3成分からなる組成物の分散体をグラビヤコーターを用いて、ポリエステルフィルムと積層した厚さ9μmのアルミニウム箔へ塗布し、続いて220℃のオーブンで5秒間加熱して、溶剤を除去した後、上記組成物を溶融させた。直ちに表面温度190℃の熱ロールで70μmポリプロピレンフィルムと積層し、積層体を得た。得られた積層体のポリプロピレンフィルムとアルミニウム箔を剥離しようとしたが、ポリプロピレンフィルムが破断し、剥離不能であった。
【0039】
上記で得られた積層体を用いて袋状の包装材にしたものに、実施例1と同様にしてモデル内容物を充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表1に示した。
【0040】
(実施例3)
実施例2と同様にして得た乳白色分散体に、更にシランカップリング剤(日本ユニカー社製、商品名:A−187)を該分散体の樹脂分の1重量%加え、実施例2と同様にして平均粒子径が3μ以下の分散体を得た。この分散体を用い、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体のポリプロピレンフィルムとアルミニウム箔を剥離しようとしたが、ポリプロピレンフィルムが破断し、剥離不能であった。
【0041】
上記で得られた積層体を用いて袋状の包装材にしたものに、実施例1と同様にしてモデル内容物を充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表1に示した。
【0042】
(比較例1)
ポリイソシアネート樹脂(C)を用いない以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂のペレットを調製した。このペレットから実施例1と同様にして積層体を得、更に得られた積層体を用いて袋状の包装材にしたものに、実施例1と同様にしてモデル内容物を充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表1に示した。
【0043】
(比較例2)
イソフタル酸、アジピン酸、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを用いて合成したイソフタル酸系ポリエステル樹脂(MW3,000)とイソホロンジイソシアネートを反応させてポリエステルウレタン(MW25,000)を製造した。100部のポリエステルウレタンと10部のポリイソシアネート硬化剤(東洋モートン社製、商品名:CAT−10L)を用い、ポリエステルウレタン系樹脂の接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液をドライラミネーターにてポリエステルフィルムと積層した厚さ9μmのアルミニウム箔へ塗布し、80℃のオーブンで5〜10秒間通過させ、溶剤を除去した後、70μmのポリプロピレンフィルムと貼り合わせた。この積層体を40℃で4日間エージングした。このものを用いて袋状の包装材にしたものに、実施例1と同様にしてモデル内容物を充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
Figure 0004338840
表1から、本発明の方法で製造した積層体を用いて得た包装材は、80℃で10日間という高温、長期間の条件下でも、高い接着強度を維持することが判る。
【0045】
特に、従来の接着剤を用いて製造した包装材では、そのような高温、長期間の条件下では、接着強度が大幅に低下する酸性の強いカプロン酸やプロピレンカーボネートのような特殊な化学薬品であっても、高い接着強度を示すことが明らかである。更にシランカップリング剤を配合して製造した積層体を用いて得た包装材は、その効果が一層向上することが判る。
【0046】
(実施例4〜7)
表2に示すベース樹脂及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を用いて、実施例1と同様にして変性ポリプロピレン(A)を調製した。この変性ポリプロピレン(A)、実施例1で用いたポリプロピレン(B)並びに表2に示す熱硬化性樹脂(C)を表2に示す割合で用い、実施例1と同様にしてこれら3成分からなる組成物のペレットを調製した。このペレットから実施例1と同様にして積層体を得た。なお、表2に示す熱硬化性樹脂(C)は、以下の通りである。
【0047】
ポリイソシアネート樹脂:実施例1で用いたものと同じ。
アミノ樹脂:ブチル化ベンゾグアナミン樹脂(日立化成社製、商品名:メラミン22DW)
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量;920、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート#1004)
フェノール樹脂:ビスフェノールA型レゾール樹脂(日立化成社製、商品名:ヒタノール1120)
上記で得られた積層体を用いて袋状の包装材にしたものに、プロピレンカーボネートを充填し、80℃で10日間経過後のアルミニウム箔とポリプロピレンフィルム間の接着強度を実施例1と同様にして測定し、それらの結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
Figure 0004338840
表2から、本発明の方法で製造した積層体は、プロピレンカーボネートのような特殊な化学薬品に対して、高い接着強度を高温で長期間維持することが判る。
【0049】
【発明の効果】
本発明の方法で製造した積層体は、熱水、高酸性食品、化学薬品及び油を内容物とした場合、高温、長期間保存後の接着力の低下は殆どない。特に、高酸性食品や化学薬品の高温、長期間保存後の効果が顕著である。

Claims (4)

  1. α,β−エチレン性不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂(A)10〜90重量%及び未変性ポリオレフィン樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂混合物100重量部並びにポリイソシアネート樹脂(C)1〜10重量部からなる組成物で、アルミニウムを被覆することからなる包装材料用積層体の製造方法であって、上記ポリオレフィン樹脂(A)は無水マレイン酸がポリプロピレンに0.05〜5重量%化学的に結合したものである、包装材料用積層体の製造方法。
  2. 脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素よりなる群から選ばれる溶剤に分散させた上記組成物の分散物をアルミニウムに塗着した後、該溶剤を加熱除去させることからなる請求項1記載の方法。
  3. 上記組成物の溶融物をアルミニウム上に押出し被覆することからなる請求項1記載の方法。
  4. 上記組成物が更にシランカップリング剤を含有することからなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の方法。
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