JP2002127328A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
ネート強度を有し、包装体として成形して強浸透性物質
からなる内容物を充填・包装した場合であっても、その
内容物の影響を受けてラミネート強度が低下することの
ない積層体を提供することを目的とする。 【解決手段】熱可塑性樹脂フィルム、金属蒸着フィル
ム、無機化合物蒸着フィルム、金属箔等のバリア性基材
上に、イソシアナート基を有する複合体により変性され
たポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹
脂からなる接着性樹脂を押出ラミネート法により積層さ
せた構成を少なくとも含むことを特徴とする積層体であ
る。
Description
基材に、優れた接着性を附与することが可能な接着性樹
脂を積層させた構成を含む積層体に係わり、さらに詳細
には、これらの積層体を各種包装形態に加工し、強浸透
性物質からなる内容物を充填・包装した場合であって
も、その内容物によるラミネート強度が低下することが
ない積層体に関する。
性樹脂フィルムの積層には、各種接着剤を用いること
で、ドライラミネートや押出ラミネートなどの公知の手
法により貼り合わせる方法が一般に行われている。ま
た、アルミニウム箔やアルミ蒸着フィルムは、遮光性、
酸素・水蒸気などから内容物を保護するためのバリア層
として使用されている。さらに、アルミニウム箔に関し
ては、折り曲げの際に、その形状を維持すること(デッ
ドホールド性)が可能であることから、カップラーメン
などのカップ容器の蓋材などにも使用されている。一
方、アルミナ蒸着フィルムは、バリア性だけでなく透明
性を兼ね備えていることから、各種包装形態に使用され
ている。このように、バリア性やその他の機能性を包装
材(パッケージ)に付与するため、アルミニウム箔、ア
ルミ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム等を中間層と
した積層体を各種形態の包装材料として使用しているケ
ースが多い。
ム、アルミナ蒸着フィルム等を用いて各種包装形態に加
工するための積層体の作成方法としては、接着剤を用い
る方法だけでなく、アルミニウム箔の金属面、やアルミ
蒸着フィルムまたはアルミナ蒸着フィルム蒸着面に、エ
チレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタアクリル酸
共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体等のエチレ
ン-α,β不飽和カルボン酸もしくはそのイオン架橋物
を、押出ラミネートなどの手法を用いて積層する方法が
挙げられる。
ン酸共重合体やそのイオン架橋物だけでなく、汎用の低
密度ポリエチレンを300℃以上の高い温度で押し出す
ことで、カルボキシル基やカルボニル基、水酸基等の官
能基を形成させ低密度ポリエチレンを、2液硬化型ウレ
タン系接着剤を用いて、アルミニウム箔、アルミ蒸着フ
ィルム、アルミナ蒸着フィルムに積層させる方法も挙げ
られる。
ルムを積層させた積層体や、アルミニウム箔、アルミ蒸
着フィルム、アルミナ蒸着フィルム等の基材に、熱可塑
性樹脂を押出ラミネート等により基材に直接積層した積
層体、あるいは2液硬化型ウレタン系接着剤を用いて積
層させた積層体は、その積層体を、例えばパウチや液体
用複合紙容器のような各種包装形態に加工して、浸透性
の強い内容物を充填・包装した場合、アルミニウム箔、
アルミ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム等はバリア
性を有するので、強浸透性物質がバリア層と熱可塑性樹
脂層との間でトラップされてしまい、その結果、強浸透
性物質からなる内容物の影響で、界面におけるラミネー
ト強度の低下が起きる。このような強浸透性物質として
は、浴用剤の香料や発布剤成分、あるいは各種殺菌剤な
どの溶剤系内容物が挙げられる。また、特に2液ウレタ
ン型接着剤を用いた構成の積層体を容器のような各種包
装形態に加工して、溶剤成分を主成分とする内容物を充
填・包装した場合、接着剤層を溶解してしまい、著しい
ラミネート強度の低下を引き起こす。
脂フィルム、アルミニウム箔、アルミ蒸着フィルム、ア
ルミナ蒸着フィルム等の基材からなる積層体は、その基
材の優れたバリア性等の機能を有するで、包装材料とし
て欠かせない存在であるが、その積層体を容器等の各種
包装形態に加工して、強浸透性物質や溶剤成分を主成分
とする内容物を充填・包装した場合、ラミネート強度の
低下が問題となっており、これらの問題点を改善した積
層体が要求されている。
解決すべくなされたものであって、熱可塑性樹脂フィル
ム、アルミ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、アル
ミニウム箔等のバリア性基材に対して、優れたラミネー
ト強度を有し、包装体として成形して強浸透性物質から
なる内容物を充填・包装した場合であっても、その内容
物の影響を受けてラミネート強度が低下することのない
積層体を提供することを目的とする。
に、請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂フィルム、金
属蒸着フィルム、無機化合物蒸着フィルム、金属箔等の
バリア性基材上に、イソシアナート基を有する複合体に
より変性されたポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン
系共重合体樹脂からなる接着性樹脂を押出ラミネート法
により積層させた構成を少なくとも含むことを特徴とす
る積層体である。
層体において、前記イソシアナート基を有する複合体
が、2官能以上のイソシアナート基を有するモノマーあ
るいはその誘導体であるイソシアナート化合物(A)
と、該化合物(A)と反応性を有し、かつ化学構造中に
不飽和結合を有する化合物(B)とが反応してなる複合
体であって、複合体中に少なくとも1官能以上の未反応
のイソシアナート基を含むことを特徴とする。
記載の積層体において、前記接着性樹脂は、イソシアナ
ート基を有する複合体をグラフト反応によって導入して
変成したポリオレフィン樹脂あるいはポリオレフィン系
共重合体樹脂であって、該樹脂に対する前記複合体のグ
ラフト量が、樹脂100重量部に対し、0.001〜1
0重量部の範囲であることを特徴とする。
ずれか1項に記載の接着性樹脂において、前記化合物
(B)の不飽和結合が、ビニル、アリル、または(メ
タ)アクリル系不飽和結合であって、かつイソシアナー
ト基と反応性を有する活性水素を含有することを特徴と
する。
ずれか1項に記載の接着性樹脂において、前記イソシア
ナート化合物(A)が、トリレンジイソシアナート、キ
シリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート等のイソシアナー
ト単体、または少なくとも1種以上からなる誘導体ある
こと特徴とする。
層体において、熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエステル
系樹脂あるいはポリアミド系樹脂よりなるフィルムであ
ることを特徴とする。
層体において、熱可塑性樹脂フィルムの前記接着性樹脂
と接する面に、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処
理、オゾン処理から選ばれる少なくとも1種以上の表面
処理が施されていることを特徴とする。
層体において、金属蒸着フィルム、無機化合物蒸着フィ
ルム、金属箔が、各々金属蒸着層がアルミ蒸着層、無機
化合物蒸着層がアルミナ蒸着層、金属がアルミニウムで
あることを特徴とする。
層体において、金属蒸着フィルム、無機化合物蒸着フィ
ルム、金属箔の前記接着性樹脂と接する、各々の金属蒸
着面、無機化合物蒸着面、金属箔面に、熱水変性処理が
施されている特徴とする。
につて詳細に説明する。本発明の積層体は、熱可塑性樹
脂フィルム、金属蒸着フィルム、無機化合物蒸着フィル
ム、金属箔等のバリア性基材上に、イソシアナート基を
有する複合体により変性されたポリオレフィン樹脂ある
いはオレフィン系共重合体樹脂からなる接着性樹脂を押
出ラミネート法により積層させた構成を少なくとも含む
ことを特徴とするものである。
は、少なくとも2官能以上のイソシアナート基を有する
モノマーあるいはその誘導体と、不飽和ヒドロキシ化合
物のようなイソシアナートと反応性を有する官能基を持
った不飽和化合物との複合体である。
ナート化合物としては、特に制限されるものでなく、
2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジ
イソシアナート、キシリレンジイソシアナート、イソホ
ロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートなど
各種ジイソシアナート系モノマーを使用することが可能
である。
を、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官
能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプ
や、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアナ
ート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレー
ト)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性
の誘導体を用いることもできる。
ト基と反応性を有し、かつその構造中に不飽和二重結合
を有する化合物としては、上述した不飽和ヒドロキシ化
合物があげられ、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、グリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ
アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエ
ーテル、アリルオキシエチルアルコールなどが挙げられ
る。上述した不飽和二重結合を有する化合物としては、
活性水素として主に水酸基を挙げているが、例えばアミ
ンのようなその他の活性水素基を含有する化合物を用い
ても良い。また、イソシアナートモノマーから得られた
複合体を、さらに各種モノマーと複合化させ、アダクト
タイプやビューレットタイプやイソシアヌレートタイプ
のような誘導体にしても構わない。この場合の複合体
は、不飽和結合を有する2官能のイソシアナート化合物
ということになる。
ポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹脂
にグラフト反応によって導入してなる接着性樹脂は、イ
ソシアナート基を有する複合体を、過酸化物存在下の溶
融状態状態で、ポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン
系共重合体樹脂にグラフト重合させて得られる。
系樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹脂としては、A
STM D1238に準ずるメルトインデックス(M
I)が0.1〜200、さらに好ましくは3〜50の範
囲を満たす、押出ラミネートなどの高速加工性を有する
樹脂が好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-αオレ
フィン共重合体、ポリαオレフィン、ポリプロピレン、
プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-αオレフィ
ン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル
酸-(メタ)アクリル酸エステル3元共重合体、エチレ
ン-(メタ)アクリル酸エステル-酸無水物3元共重合体
から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド樹
脂から選択されるが、特に脂に限定されるものではな
い。また、必要に応じて、上記の樹脂に対し、酸化防止
剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなどの各種添加
剤を添加することもできる。
まずイソシアナート基を有するの複合体を調製する。調
製法としては、汎用の各種イソシアナートモノマーを使
用することが可能であり、このイソシアナートモノマー
と不飽和ヒドロキシ化合物のようにイソシアナート基と
反応性を有し、かつその化学構造中に不飽和二重結合を
有する化合物とをモル比で当量を、窒素雰囲気下(室温
から60℃の範囲)で6時間攪拌させることで複合体を
得ることができる。また、必要に応じて、有機錫化合物
を用いることもできる。
有するの複合体を、ポリオレフィン系樹脂あるいはオレ
フィン系共重合体樹脂に、グラフト反応によって導入す
る。グラフト反応は、過酸化物存在下の溶融状態で行わ
れ、それに用いる装置としては、公知の装置を用いるこ
とが可能であり、二軸押出機を始めとして、各種ニーダ
ー、各種ミキサーを用いることができる。グラフト反応
に用いる過酸化物としては、汎用のグラフト反応に用い
られる過酸化物を使用することが可能であり、反応温度
および反応時間に応じて選定することができる。半減期
1分の温度が100〜280℃、好ましくは150〜2
30℃の過酸化物を使用することが望ましい。例えば、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-
2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンなどがあげ
られるが、これらに限られたものではない。
たポリオレフィン系樹脂あるいはオレフィン系共重合体
樹脂の種類によって異なるが、150〜230℃の範囲
で行われる。2軸押出機を用いてグラフト反応を行う場
合は、液添フィーダーを用いて、所定量のイソシアナー
ト化合物からなる複合体と有機過酸化物の混合物を溶融
樹脂に滴下させる。仕込量は、上記樹脂100重量部に
対し、イソシアナート化合物からなる複合体が0.01
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、有機過
酸化物が、0.001〜5重量部、好ましくは0.01
〜3重量部である。この条件下において、得られる接着
性樹脂のポリオレフィン系樹脂あるいはオレフィン系共
重合体樹脂に対するイソシアナート化合物からなる複合
体のグラフト量が、樹脂100重量部に対し0.001
〜10重量部、好ましくは、0.01〜5重量部である
ことが好ましい。
体や、分解後の過酸化物残渣は、接着性やその他に大き
く影響を及ぼすので、未反応物や過酸化物残渣を取り除
く必要がある。除去方法としては、2軸押出による製法
であれば、減圧下で押出すことで、除去することが可能
であり、またバッチ式の製法であれば、ホットキシレン
中に精製した接着性樹脂を溶解させ、さらにその後、再
析出・洗浄・乾燥処理を施すことで、未反応物や過酸化
物残渣を取り除くことが可能である
は、熱可塑性樹脂フィルム、金属蒸着フィルム、無機化
合物蒸着フィルム、金属箔などが挙げられる。
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが好適に使用される
が、特にこれらに制限されるものでなく、上述したポリ
エステル系樹脂やポリアミド系樹脂の種類に限定されな
い。
着性樹脂と接する面に、コロナ処理、フレーム処理、プ
ラズマ処理、およびオゾン処理などから選ばれる少なく
とも1種以上の表面処理を施すことが望ましい。コロナ
処理やプラズマ処理のなかでも大気圧プラズマのよう
に、各種ガス雰囲気下で処理を施すことで、ガスに特有
の表面状態が得られることから、例えば、窒素ガス雰囲
気下でポリエステルフィルムにコロナ処理を施すこと
で、表面に窒素化合物を導入することも可能であり、ま
た、ポリアミドフィルムに関しては、アミド結合が崩壊
することで末端アミンの含量が多くなり、基材表面に、
イソシアナート化合物と反応性を有する官能基を附与す
ることも可能である。また、これらの表面処理だけでな
く、ウレタン系コート剤や各種易接着処理を施した各種
基材を用いることもできる。
フィルムあるいは金属箔としては、アルミ蒸着フィル
ム、アルミナ蒸着フィルム、アルミニウム箔が挙げられ
る。上記のフィルムあるいは箔は、公知の方法で作成さ
れたものを使用することが可能である。特に、アルミ蒸
着やアルミナ蒸着フィルムでは、その蒸着用基材として
は延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリプロピレンフィ
ルム、延伸ナイロンフィルムなど各種基材を使用するこ
とが可能であり、蒸着用のプライマーも各種基材に応じ
たものを選定することが可能である。
する面に熱水変性処理(ベーマイト処理)を施した方が
好ましい。熱水変性処理(ベーマイト処理)を施すこと
で、アルミニウム箔、アルミ蒸着面、アルミナ蒸着面の
最表層に水酸基を導入することが可能であり、これらの
バリア層表層とイソシアナート基を導入した接着性樹脂
との接着性が向上する。
理(ベーマイト処理)を施すと、下記の特性が変化し、
熱水変性処理の指標とすることができる。まず、第一
に、X線光電子分光測定した場合に、Al2p軌道の酸
化物および水酸化物由来のスペクトルピーク位置が、7
5.4eV以下になっていることが挙げられる。また、
同様に、X線光電子分光測定を行ったときの酸素(O)
/アルミニウム(Al)の比が1.7以上であることが
挙げられる。さらに、飛行時間型2次イオン質量分析測
定を行った場合に、水酸基(OH)/酸素(O)の比が
0.9以上であることが挙げられる。最後に、走査型電
子顕微鏡による表面観察結果が、表面がミクロオーダー
の微細な凹凸状の形態を示している。
理)を施したアルミニウム箔層、アルミ蒸着層、アルミ
ナ蒸着層は、極度の酸化・水酸化した構造を形成し、特
に水酸化によってイソシアナート化合物の反応性が向上
する。さらに、表面形態は、イソシアナート化合物だけ
でなく、更にその上に積層されるポリオレフィン樹脂や
オレフィン系共重合体樹脂間における投錨効果や接着面
積の拡大によって接着性が向上する。
て強浸透性物質からなる内容物を充填・包装した場合の
強浸透性物質からなる内容物に対する積層体の耐性は、
表層が官能化された各種基材と接着性樹脂間の1次およ
び2次結合があげられる。特に、熱水変性を施したアル
ミニウム箔を例に取ると、汎用の低密度ポリエチレンを
直接アルミニウム箔の熱水変性処理面に押し出した場合
は、初期の接着状態は良好であるが、強浸透性物質、特
に殺菌剤などの溶剤系内容物を充填した場合には、徐々
にそのラミネート強度が低下する傾向がある。このこと
は、初期の接着状態は、熱水変性処理によって形成した
表面の微細な凹凸による投錨効果によるものであるが、
接着性樹脂の溶融状態の粘度では、その微細な凹凸から
なる空隙を完全に樹脂が充填されていないことから、そ
の空隙部分に溶剤成分が入り込み、毛細管現象の効果
で、ラミネート界面が侵され、接着強度が低下するもの
と考えられている。
接着剤の場合では、バリア層とポリオレフィン系樹脂層
との層間に数μmオーダーの接着剤層を形成すると、耐
溶剤性の低いウレタン結合を形成してしまうため、溶剤
成分が2液硬化型ウレタン接着剤層を侵してしまう。
せた接着性樹脂を積層させることで、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)の時と同様の投錨効果だけでなく、アル
ミニウム表面の熱水変性処理による水酸化物基との反応
で各種結合を形成し、接着面積が拡大することで耐性を
付与することが可能であると思われる。
ラインあるいはオフラインで各種処理を施したポリエス
テル系、ポリアミド系の熱可塑性樹脂フィルムを基材と
して、その処理面上にイソシアナート基を含む複合体を
グラフトした接着性樹脂を押出ラミネートにより積層さ
せることがあげられる。
ルミナ蒸着フィルムに施す熱水変性処理としては、アン
モニアあるいはトリエタノールアミンなどの添加剤を蒸
留水中に0.01〜1重量%、好ましくは0.1〜0.
5重量%の範囲で処理液を作成し、その処理液を75〜
100℃の範囲、好ましくは85〜100℃の範囲、さ
らに好ましくは90〜100℃の範囲に加熱し、上述し
た各種バリア層を1分以上、好ましくは2分以上、さら
に好ましくは3分以上浸漬させることで、熱水処理変性
を行った各種バリア層を得ることが可能である。この処
理においては、ウェブによる処理でもバッチによる処理
でも可能である。
処理面に、上記接着性樹脂を同様に押出ラミネートを施
すことで積層体を得ることが可能である。
く、様々なタイプの押出機やダイ設計、スクリュー設計
で押出すことが可能であり、必要に応じては、共押出に
より接着性樹脂を押出すこともできる。
種包装形態に展開が可能であり、パウチなどの軟包装体
から、紙と複合させることで、液体用複合紙容器などの
展開が可能である。また、これらの包装容器において
は、従来、充填困難であった強浸透性物質からなる内容
物にも、その用途展開が可能である。
するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
ソシアナート化合物(A)と、該化合物(A)と反応性
を有し、かつ化学構造中に不飽和結合を有する化合物
(B)とが反応してなる複合体を、下記に示す材料およ
び製造方法に基づいて作成した。
ート 化合物(b):ヒドロキシエチルメタクリレート
ブルフラスコ中に、モル比1:1になるように上記化合
物を配合し、完全に窒素置換を施した。その後、水浴に
より50℃に加温し、スターラーで攪拌しながら、5時
間放置することで、不飽和結合を有するイソシアナート
複合体を作成した。
密度ポリエチレンからなるポリオレフィン樹脂(PO−
1)、基材として、Heガス雰囲気下大気圧プラズマ処
理ポリアミドフィルム25μm(S−1)を用いて、下
記の製造方法に基づいて積層体を作成した。得られた積
層体を下記の初期ラミネート強度測定法および耐内容物
適性試験に基づき評価を行った。その結果を表1に示し
た。
った。あらかじめ不飽和結合を有するイソシアナート複
合体中に過酸化物2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチ
ルパーオキシ)ヘキシンを配合したものを、完全に溶融
状態のポリオレフィン樹脂中に液添を行うことで接着性
樹脂を作成した。その際の加工条件としては、樹脂/イ
ソシアナート化合物/過酸化物=100/5/0.5、
加工温度180℃、滞留時間180sec.、回転数1
00rpm、吐出12kg/hであり、残留モノマー除
去のため、減圧下で加工を行った。また、得られたスト
ランドサンプルは水冷後ペレタイズ後、乾燥処理を施し
た。得られた接着性樹脂のグラフト率は2〜3wt%で
あった。上記接着性樹脂を単軸押出機により、加工温度
230℃、加工速度80m/min.、30μmで基材
に積層させた。その際、あらかじめ作成しておいたポリ
エステルフィルム/低密度ポリエチレンの積層体を用い
て、サンドラミネーションにより接着性樹脂を挟み込む
ように積層させた。
樹脂間のラミネート強度(クロスヘッドスピード300
mm/min.T型剥離)および剥離界面を評価した。
プルを製造するにあたって、サンドラミネート用の基材
を除いた構成(基材と接着性樹脂のみからなる積層体)
を作成し、それを用いてパウチを作成した。そのパウチ
中に、発布剤、浴用剤、および溶剤系殺菌剤を封入し、
40℃−90%R.H.雰囲気下で1ヶ月保存した後の
ラミネート強度および剥離界面を評価した。
密度ポリエチレンからなるポリオレフィン樹脂(PO−
1)、基材として、N2雰囲気下コロナ処理ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム25μm(S−2)を使用し
た以外は実施例1と同様にして積層体を作成した。ま
た、得られた積層体を実施例1と同様にして評価し、そ
の結果を表1に示した。
密度ポリエチレンからなるポリオレフィン樹脂(PO−
1)、基材として、熱水変性処理アルミニウム箔40μ
m(S−3)を使用した以外は実施例1と同様にして積
層体を作成した。また、得られた積層体を実施例1と同
様にして評価し、その結果を表1に示した。
チレン-アクリル酸エチル共重合体からなるオレフィン
系共重合体樹脂(PO−2)、基材として、N2雰囲気
下コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム25
μm(S−2)を使用した以外は実施例1と同様にして
積層体を作成した。また、得られた積層体を実施例1と
同様にして評価し、その結果を表1に示した。
チレン-アクリル酸エチル共重合体からなるオレフィン
系共重合体樹脂(PO−2)、基材として、熱水変性処
理アルミニウム箔40μm(S−3)を使用した以外は
実施例1と同様にして積層体を作成した。また、得られ
た積層体を実施例1と同様にして評価し、その結果を表
1に示した。
いない樹脂(PO−1、PO−2)を用いた以外は、実
施例1〜5と同様にして積層体を作成した。また、得ら
れた積層体を実施例1〜5と同様にして評価し、実施例
1〜5に対応して比較例1〜5とした。その結果を表1
に示した。なお、樹脂PO−1、PO−2の加工温度は
各々340℃、300℃である。
は、各種表面処理を施した熱可塑性樹脂フィルム、ある
いは熱水変性処理を施したアルミニウム箔などのバリア
性基材に対し、イソシアナート基を有する複合体をグラ
フト化させて変成した接着性樹脂を積層させた積層体
は、初期のラミネート強度だけでなく、その積層体を包
装体として成形して強浸透性物質からなる内容物を充填
・包装した場合であっても、その内容物によりラミネー
ト強度が低下することがないことが確認された。
ム、アルミ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、アル
ミニウム箔等のバリア性基材に対して、優れたラミネー
ト強度を有し、包装体として成形して強浸透性物質から
なる内容物を充填・包装した場合であっても、その内容
物の影響を受けてラミネート強度が低下することのない
積層体を提供することが可能となった。本発明の積層体
は、イソシアナート複合体をグラフト化させた樹脂の物
性を生かすことで、エチレン-ビニルアルコール共重合
体やポリアミド樹脂などの活性水素含有ポリマーとの共
押出成形による機能性包材の展開や、接着剤を用いない
ラミネート方法の提案等、環境対応や、各種ニーズに対
応した包装材料を提供することができ、各種軟包装材分
野や、液体用複合紙容器などの分野に好適に用いられる
ものである。
した断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂フィルム、金属蒸着フィル
ム、無機化合物蒸着フィルム、金属箔等のバリア性基材
上に、イソシアナート基を有する複合体により変性され
たポリオレフィン樹脂あるいはオレフィン系共重合体樹
脂からなる接着性樹脂を押出ラミネート法により積層さ
せた構成を少なくとも含むことを特徴とする積層体。 - 【請求項2】前記イソシアナート基を有する複合体が、
2官能以上のイソシアナート基を有するモノマーあるい
はその誘導体であるイソシアナート化合物(A)と、該
化合物(A)と反応性を有し、かつ化学構造中に不飽和
結合を有する化合物(B)とが反応してなる複合体であ
って、複合体中に少なくとも1官能以上の未反応のイソ
シアナート基を含むことを特徴とする請求項1記載の積
層体。 - 【請求項3】 前記接着性樹脂は、イソシアナート基を有
する複合体をグラフト反応によって導入して変成したポ
リオレフィン樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体樹
脂であって、該樹脂に対する前記複合体のグラフト量
が、樹脂100重量部に対し、0.001〜10重量部
の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の
積層体。 - 【請求項4】前記化合物(B)の不飽和結合が、ビニ
ル、アリル、または(メタ)アクリル系不飽和結合であ
って、かつイソシアナート基と反応性を有する活性水素
を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載の接着性樹脂。 - 【請求項5】前記イソシアナート化合物(A)が、トリ
レンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、
イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシ
アナート等のイソシアナート単体、または少なくとも1
種以上からなる誘導体あること特徴とする請求項1〜4
のいずれか1項に記載の接着性樹脂。 - 【請求項6】請求項1記載の積層体において、熱可塑性
樹脂フィルムが、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミ
ド系樹脂よりなるフィルムであることを特徴とする積層
体。 - 【請求項7】請求項1記載の積層体において、熱可塑性
樹脂フィルムの前記接着性樹脂と接する面に、コロナ処
理、フレーム処理、プラズマ処理、オゾン処理から選ば
れる少なくとも1種以上の表面処理が施されていること
を特徴とする積層体。 - 【請求項8】請求項1記載の積層体において、金属蒸着
フィルム、無機化合物蒸着フィルム、金属箔が、各々金
属蒸着層がアルミ蒸着層、無機化合物蒸着層がアルミナ
蒸着層、金属がアルミニウムであることを特徴とする積
層体。 - 【請求項9】請求項1記載の積層体において、金属蒸着
フィルム、無機化合物蒸着フィルム、金属箔の前記接着
性樹脂と接する、各々の金属蒸着面、無機化合物蒸着
面、金属箔面に、熱水変性処理が施されていることを特
徴とする積層体。
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