JP4337618B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
この種のローラ式の給紙装置では、給紙方向の先端部に円筒形の給紙ローラを配置し、用紙の先端近傍を給紙ローラで引き込んで送り出すようにすることが多い。
一つは、レーザープリンタやコピー機などによく見られる方式で、用紙を給紙カセット内に水平置きし、用紙の上下左右の位置決めを確実に行う方式である(例えば、特許文献1参照)。
もう一つは、インクジェットプリンタなどによく見られる方式で、用紙の向きを下向きにセット(縦置き)し、重力を利用して下側のパッド部まで用紙の先端を落とし込む方式である(例えば、特許文献2参照)。
また、用紙の向きを下向きにセットし、重力を利用して下側のパッドまで用紙の先端を落とし込む方式の場合は、給紙装置を小型化できるものの、用紙のセット方向が上下でないと給紙できないため、設置姿勢に制約がある。
また、本発明の給紙装置において、前記摩擦分離パッドは、前記用紙の先端に対する接触角度を変えることができるように回動自在とされると共に回動先端が用紙後端方向に弾性付勢されており、前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記用紙の先端を位置決め可能な位置に前記摩擦分離パッドを変位させるパッド制御機構を備えていることが好ましい。
そして、給紙ローラと摩擦分離パッドとの間に挟まれて送り出された用紙は、適宜方向付けられた用紙搬送経路に進入する際、用紙搬送方向下流側に向かって用紙の先端に対する接触幅が大きくなる用紙案内部に接触する。
この場合、用紙の幅方向の一端側から他端側へ向けて効果的に用紙の先端を均していくことができる。
尚、前記円弧部の外周面は前記給紙ローラの回転中心軸と同心の円弧面とされ、前記弦部の外周面は前記円弧面より内側に引っ込んだ曲面または略平面とされる。
即ち、前記給紙ローラが用紙に接触し始める位置(給紙ローラが用紙を引き込む位置)を、円筒形の給紙ローラが接触する位置よりも用紙後端側の位置に設定することができる。
これにより、用紙が不揃いで先端が後端側に位置している用紙についても、前記給紙ローラで確実に引き込んで送り出すことができる。言い換えれば、多少先端が揃っていない場合であっても、用紙を安定給紙することが可能になる。
そのため、前記弦部が押圧部材と対向している待機状態において、用紙挿入部に用紙をセットする際には、前記摩擦分離パッドが用紙の先端を位置決めすることができる。即ち、用紙挿入部にセットされる用紙が、例えば下流の用紙搬送経路に不用意に入ってしまうことがない。
従って、前記給紙ローラを回転駆動して複数の用紙を順次送り出す際に、摩擦分離パッドは、用紙のこしの強さと弾性付勢力とのバランスで接触角度を自動的に調整しながら、用紙の分離・供給をスムーズに行う。そして、分離された用紙は、給紙ローラの円弧部と摩擦分離パッドとの間に挟まれて一枚ずつ送り出される。
これにより、給紙方向と用紙搬送経路とを同一方向にして給紙装置の小型化を図ることができる。また、小型で簡略な構造でありながら設置姿勢の制約が少ない給紙装置を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る給紙装置の概略構成を示す平面図、図2はその主要部の構成を示す分解斜視図、図3は図1に示した給紙装置の側面図、図4乃至図8は図1に示した主要部品の位置関係を取り出して示す説明図である。
給紙ローラ20は、用紙ホルダ10の一方の側壁12Aの側に配置され、押圧部材30は、用紙挿入部11を挟んで他方の側壁12Bの側に配置されている。摩擦分離パッド40は、前記押圧部材30よりも小切手Sの給紙方向(矢印Y1方向)における下流側に配置されている。
さらに、給紙ローラ20の外周面が、ゴム等の高摩擦部材でライニングされている。そして、給紙ローラ20は、図3に示すように、用紙ホルダ10の一方の側壁12Aに形成した開口13を介して、回転する円弧部23が、用紙挿入部11の内側の空間に突出できるように設けられている。
この摩擦分離パッド40は、前記押圧部材30の自由端近傍に配置された支軸42を中心に回動自在に支持されており、ねじりコイルバネ43によって、回動先端が小切手Sの後端方向に弾性付勢されている。
さらに、図2及び図3に示すように、給紙ローラ20のローラ軸21の下端には、図示略のモータの回転をローラ軸21を介して給紙ローラ20や円盤カム25に伝える伝動歯車28が取り付けられている。
本実施形態の給送装置Mにより複数枚の小切手Sの給紙を行う場合は、図1及び図4に示すように、複数枚の小切手Sを束ねたまま、立姿勢で先端を水平方向(図の右方向)に向けて用紙ホルダ10にセットする。
そこで、前記給紙ローラ20の弦部24が押圧部材30と対向している待機状態において、用紙挿入部11に小切手Sをセットする際には、前記摩擦分離パッド40が小切手Sの先端を位置決めすることができる。即ち、用紙挿入部11にセットされる小切手Sが、下流の用紙搬送経路に不用意に入ってしまうことがなく、2枚送り等の発生も防止できる
。
この段階で、押圧部材駆動用カム26の凹部26bに押圧部材30のカムフォロワ38が落ち込むことで、上記した待機位置への規制が解除され、押圧部材30が小切手Sを給紙ローラ20の外周面に向けて弾性付勢する。
なお、この前の段階において、図6に示すように、パッド駆動用カム27Aの作用により、摩擦分離パッド40がねじりコイルバネ43の付勢力に抗して徐々に押し戻され、小切手Sの先端に対して所定の接触角度に傾いている。
従って、給紙ローラ20の円弧部23によって用紙挿入部11から送り出された小切手Sは、先端がパッド面41に摺接しながら一枚だけ分離され、円弧部23の回転に伴って下流側の搬送経路14へスムーズに送り出されていく。
搬送経路14へ案内された小切手Sは、図7に示すように、最初は側壁14Aの用紙案内部16に対して小切手Sの先端Saが小さな接触幅で接触し、搬送方向(矢印Y3方向)へ進むにつれて次第にその接触幅が大きくなる。その際、小切手Sの幅方向の一端(上端)側から他端(下端)へ向かって傾斜端部15が小切手Sの先端Saに接触して、小切手Sはその幅方向に紙面が均されていく。そして、図7に示したように、例えば小切手Sに折れ曲がり(所謂ドッグイヤー)Sbや曲げ癖があった場合でも、それらは傾斜端部15に接触した際に下方向(底面17側方向)の力を受けて、小切手Sの搬送に伴って図8に示すように矯正されていく。これにより、小切手Sの搬送が非常にスムーズに行われる。
また、案内端部である傾斜端部15は、小切手Sの搬送方向に対して小切手Sの幅方向の一端側から他端側へ傾斜しているため、小切手Sの幅方向の一端側から他端側へ向けて、小切手Sの先端Saを掬い上げるようにして効果的に用紙の先端を均していくことができる。
そしてこの後、摩擦分離パッド40に対向していた円弧部23が摩擦分離パッド40を通過し、該摩擦分離パッド40が弦部24に対応する位置に達することで、摩擦分離パッド40は揺動範囲に干渉物がなくなり、ねじりコイルバネ43の付勢力により用紙後端方向へ回動する。すると、カムフォロワ48がパッド駆動用カム27に当接し、摩擦分離パッド40は小切手Sの先端を位置決め可能な位置に保持される。
即ち、給紙ローラ20が1回転し、給紙ローラ20の弦部24が押圧部材30に向かい合う度に、摩擦分離パッド40が小切手Sの先端を位置決め可能な位置に揺動して、小切手Sの先端を揃える作用を有する。
また、本実施形態の給紙装置Mは、重力を利用して小切手Sの先端を揃えるものではないから、小切手Sの先端を水平に向けて小切手Sを縦置きする場合にも対応することが容易であり、設置姿勢を特に選ばずに、プリンタやデータ読み込み装置等の各種機器に搭載することができる。
このデータ読み込み装置Pでは、U字形にレイアウトした第1の搬送経路101の入口部分に前記実施形態の給紙装置Mが配置され、第1の搬送経路101の途中の適宜箇所に給紙ローラ102,103,104が配置され、出口部分に排出ローラ105が配置されている。また、U字形の第1の搬送路101の中間直線部101Aに読み取り処理部(スキャナ)110,120が配置されている。また中間直線部101Aの延長線上には、中間直線部101Aを共用することで直線的な第2の搬送経路112を構成する直線搬送路112Aが接続されている。
例えば、上記実施形態における押圧部材30は、給紙ローラ20の回転中心軸Oと平行な支軸33を中心に自由端側が揺動できるように構成したが、給紙ローラ20の回転中心軸Oに対して押圧面が平行に進退動するように構成することもできる。
13a 傾斜窓
14 用紙搬送経路
14A 側壁
15 傾斜端部(案内端部)
16 用紙案内部
17 底面
20 給紙ローラ
23 円弧部
24 弦部
26 押圧部材駆動用カム(カム面)
27A パッド駆動用カム(カム面)
27B パッドロック用カム(カム部材)
30 押圧部材
37 押圧部材制御機構
38,48A,48B カムフォロワ
40 摩擦分離パッド
47A パッド制御機構
47B パッド回動規制機構
M 給紙装置
S 小切手(用紙)
Claims (2)
- 複数枚の用紙を収容保持する用紙挿入部と、
回転駆動される給紙ローラと、
前記用紙挿入部を挟んで前記給紙ローラの外周面と対向する位置に配置され、前記用紙を前記給紙ローラの外周面に向けて弾性付勢する押圧部材と、
前記押圧部材よりも用紙搬送方向下流側に配置され、前記用紙挿入部に収容保持された複数枚の用紙の先端に接触し、前記給紙ローラの回転に伴って、複数枚の用紙から一枚を分離する摩擦分離パッドと、
前記摩擦分離パッドよりも用紙搬送方向下流側の用紙搬送経路の壁面に形成され、用紙搬送方向下流側に向かって前記用紙の先端に対する接触幅が大きくなる用紙案内部と、
前記給紙ローラの外周面は、円弧部及び弦部を有する扇形状に形成されており、前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記押圧部材を前記給紙ローラから離間する位置に変位させる押圧部材制御機構とを備えたことを特徴とする給紙装置。 - 前記摩擦分離パッドは、前記用紙の先端に対する接触角度を変えることができるように回動自在とされると共に回動先端が用紙後端方向に弾性付勢されており、
前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記用紙の先端を位置決め可能な位置に前記摩擦分離パッドを変位させるパッド制御機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
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