JP4200879B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
この種のローラ式の給紙装置では、給紙方向の先端部に円筒形の給紙ローラを配置し、用紙の先端近傍を給紙ローラで引き込んで送り出すようにすることが多い。
一つは、レーザープリンタやコピー機などによく見られる方式で、用紙を給紙カセット内に水平置きし、用紙の上下左右の位置決めを確実に行う方式である(例えば、特許文献1参照)。
もう一つは、インクジェットプリンタなどによく見られる方式で、用紙の向きを下向きにセット(縦置き)し、重力を利用して下側のパッド部まで用紙の先端を落とし込む方式である(例えば、特許文献2参照)。
また、用紙の向きを下向きにセットし、重力を利用して下側のパッドまで用紙の先端を落とし込む方式の場合は、給紙装置を小型化できるものの、用紙のセット方向が上下でないと給紙できないため、設置姿勢に制約がある。
上記構成の給紙装置によれば、給紙ローラの弦部が用紙挿入部を挟んで押圧部材と対向する待機状態では、該押圧部材が押圧部材制御機構により前記給紙ローラから離間する位置に変位させられている。そして、前記給紙ローラが回動され、該給紙ローラの円弧部が押圧部材と対向する給紙状態にある間は、前記押圧部材が前記給紙ローラの外周面に向けて用紙を弾性付勢する。
即ち、前記給紙ローラが用紙に接触し始める位置(給紙ローラが用紙を引き込む位置)を、円筒形の給紙ローラが接触する位置よりも用紙後端側の位置に設定することができる。
これにより、用紙が不揃いで先端が後端側に位置している用紙についても、前記給紙ローラで確実に引き込んで送り出すことができる。言い換えれば、多少先端が揃っていない場合であっても、用紙を安定給紙することが可能になる。
そこで、前記摩擦分離パッドが用紙の先端を位置決めすることができ、用紙挿入部にセットされる用紙が、例えば下流の用紙搬送経路に不用意に入ってしまったり、所定位置を過ぎてセットされることによる2枚送り等の発生を防止することができる。
従って、前記給紙ローラを回転駆動して複数の用紙を順次送り出す際に、摩擦分離パッドは、用紙のこしの強さと弾性付勢力とのバランスで接触角度を自動的に調整しながら、用紙の分離・供給をスムーズに行う。そして、分離された用紙は、給紙ローラの円弧部と摩擦分離パッドとの間に挟まれて一枚ずつ送り出される。
この場合、前記給紙ローラの円弧部が摩擦分離パッドを通過した後で、給紙中の用紙に摩擦分離パッドの回動先端が接触している状態(即ち、給紙ローラの円弧部が通過した後でも用紙の後端がまだ摩擦分離パッド上に掛かっている状態)において、前記摩擦分離パッドが前記用紙の先端を位置決め可能な位置に回動するのを阻止することができる。
従って、摩擦分離パッドによる無用な押し付け力が用紙に作用しないようにすることができ、最後まで安定した給紙動作が可能になる。
図1は本発明の一実施形態に係る給紙装置の概略構成を示す平面図、図2はその主要部の構成を示す分解斜視図、図3は図1に示した給紙装置の側面図、図4乃至図8は図1に示した主要部品の位置関係を取り出して示す説明図である。
給紙ローラ20は、用紙ホルダ10の一方の側壁12Aの側に配置され、押圧部材30は、用紙挿入部11を挟んで他方の側壁12Bの側に配置されている。摩擦分離パッド40は、前記押圧部材30よりも小切手Sの給紙方向(矢印Y1方向)における下流側に配置されている。
更に、給紙ローラ20の外周面が、ゴム等の高摩擦部材でライニングされている。そして、給紙ローラ20は、図3に示すように、用紙ホルダ10の一方の側壁12Aに形成した開口13を介して、回転する円弧部23が、用紙挿入部11の内側の空間に突出できるように設けられている。
この摩擦分離パッド40は、前記押圧部材30の自由端近傍に配置された支軸42を中心に回動自在に支持されており、ねじりコイルバネ43によって、回動先端が小切手Sの後端方向に弾性付勢されている。
更に、図2及び図3に示すように、給紙ローラ20のローラ軸21の下端には、図示略のモータの回転をローラ軸21を介して給紙ローラ20や円盤カム25に伝える伝動歯車28が取り付けられている。
即ち、伝導歯車28の上面に形成された所定長の円弧溝28mに、前記パッドロック用カム27Bの下面に突設された係合ピン27pを嵌挿することにより、該パッドロック用カム27Bは、ローラ軸21を中心に伝導歯車28に対して所定角度範囲だけ回動可能とされている。
このように、押圧部材30のカムフォロワ38を従動させる押圧部材駆動用カム26と、L型レバー48のカムフォロワ48Aを従動させるパッド駆動用カム27Aとを備えた円盤カム25は、ローラ軸21に取り付けられており、これにより押圧部材30及び摩擦分離パッド40が給紙ローラ20の回転に連動して駆動される。
本実施形態の給送装置Mにより複数枚の小切手Sの給紙を行う場合は、図1及び図4に示すように、複数枚の小切手Sを束ねたまま、立姿勢で先端を水平方向(図の右方向)に向けて用紙ホルダ10にセットする。
そこで、前記給紙ローラ20の弦部24が押圧部材30と対向している待機状態において、用紙挿入部11に小切手Sをセットする際には、前記摩擦分離パッド40が小切手Sの先端を位置決めすることができる。即ち、用紙挿入部11にセットされる小切手Sが、下流の用紙搬送経路に不用意に入ってしまうことがなく、2枚送り等の発生も防止できる。
そうなると、小切手Sの先端の位置決めが適正に行われない可能性があるが、本実施形態の給紙装置Mでは、小切手Sの先端を位置決め可能な位置に変位した摩擦分離パッド40をロックして用紙先端方向への回動変位を規制するパッド回動規制機構47Bを設けているので、確実に小切手Sの先端の位置を揃えることができる。
従って、摩擦分離パッド40の用紙先端方向の回動が規制されることで、小切手Sの先端が行き過ぎた位置にセットされることを確実に防止することができる。
この段階で、押圧部材駆動用カム26の凹部26bに押圧部材30のカムフォロワ38が落ち込むことで、上記した待機位置への規制が解除され、押圧部材30が小切手Sを給紙ローラ20の外周面に向けて弾性付勢する。
なお、この前の段階において、図6に示すように、パッド駆動用カム27Aの作用により、摩擦分離パッド40がねじりコイルバネ43の付勢力に抗して徐々に押し戻され、小切手Sの先端に対して所定の接触角度に傾いている。
従って、給紙ローラ20の円弧部23によって用紙挿入部11から送り出された小切手Sは、先端がパッド面41に摺接しながら一枚だけ分離され、円弧部23の回転に伴って給紙装置M外(例えば、下流の用紙搬送経路)へスムーズに送り出されていく。
そしてこの後、摩擦分離パッド40に対向していた円弧部23が摩擦分離パッド40を通過し、該摩擦分離パッド40が弦部24に対応する位置に達することで、摩擦分離パッド40は揺動範囲に干渉物がなくなり、ねじりコイルバネ43の付勢力により用紙後端方向へ回動する。すると、カムフォロワ48Aがパッド駆動用カム27Aに当接し、摩擦分離パッド40は小切手Sの先端を位置決め可能な位置に保持される。
即ち、給紙ローラ20が1回転し、給紙ローラ20の弦部24が押圧部材30に向かい合う度に、摩擦分離パッド40が小切手Sの先端を位置決め可能な位置に揺動して、小切手Sの先端を揃える作用を有する。
即ち、本実施形態に係る給紙装置Mは、給紙中の小切手Sに摩擦分離パッド40の回動先端が接触している際には、摩擦分離パッド40による無用な押し付け力が小切手Sに作用しないようにすることができ、最後まで安定した給紙動作が可能になる。
従って、複数のローラを使用する場合と比べて、機構を簡略化・小型化することができる。また、重力を利用して小切手Sの先端を揃えるものではないから、小切手Sの先端を水平に向けて小切手Sを立置きする場合にも対応することが容易であり、設置姿勢を特に選ばずに、プリンタやデータ読み込み装置等の各種機器に搭載することができる。
このデータ読み込み装置Pでは、U字形にレイアウトした第1の搬送経路101の入口部分に前記実施形態の給紙装置Mが配置され、第1の搬送経路101の途中の適宜箇所に給紙ローラ102,103,104が配置され、出口部分に排出ローラ105が配置されている。また、U字形の第1の搬送路101の中間直線部101Aに読み取り処理部(スキャナ)110,120が配置されている。また中間直線部101Aの延長線上には、中間直線部101Aを共用することで直線的な第2の搬送経路112を構成する直線搬送路112Aが接続されている。
例えば、上記実施形態における押圧部材30は、給紙ローラ20の回転中心軸Oと平行な支軸33を中心に自由端側が揺動できるように構成したが、給紙ローラ20の回転中心軸Oに対して押圧面が平行に進退動するように構成することもできる。
20 給紙ローラ
23 円弧部
24 弦部
26 押圧部材駆動用カム(カム面)
27A パッド駆動用カム(カム面)
27B パッドロック用カム(カム部材)
30 押圧部材
37 押圧部材制御機構
38,48A,48B カムフォロワ
40 摩擦分離パッド
47A パッド制御機構
47B パッド回動規制機構
M 給紙装置
S 小切手(用紙)
Claims (4)
- 複数枚の用紙を収容保持する用紙挿入部と、
外周面が円弧部及び弦部を有する扇形状に形成されて回転駆動される給紙ローラと、
前記用紙挿入部を挟んで前記給紙ローラの外周面と対向する位置に配置され、前記用紙を前記給紙ローラの外周面に向けて弾性付勢する押圧部材と、
前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記押圧部材を前記給紙ローラから離間する位置に変位させる押圧部材制御機構と、
前記押圧部材よりも前記用紙挿入部における下流側に配置され、前記用紙の先端に対する接触角度を変えることができるように回動自在とされると共に回動先端が用紙後端方向に弾性付勢された摩擦分離パッドと、
前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記用紙の先端を位置決め可能な位置に前記摩擦分離パッドを変位させるパッド制御機構と、
前記用紙の先端を位置決め可能な位置に変位した前記摩擦分離パッドをロックして回動を規制するパッド回動規制機構と、
を備えたことを特徴とする給紙装置。 - 前記パッド回動規制機構は、前記摩擦分離パッドの回動先端が給紙中の前記用紙に接触している際に、前記摩擦分離パッドが前記用紙の先端を位置決め可能な位置に回動するのを阻止することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記パッド回動規制機構が、カム面を備えて前記給紙ローラと一体回転するカム部材と、該カム面に当接するように前記摩擦分離パッドに設けられたカムフォロワとを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給紙装置。
- 前記カム面は、
前記給紙ローラの弦部が前記用紙挿入部を挟んで前記押圧部材と対向する際に、前記カムフォロワに当接して前記用紙の先端を位置決め可能な位置に前記摩擦分離パッドをロックする第1のカム面と、
前記摩擦分離パッドの回動先端が給紙中の前記用紙に接触している際に、前記カムフォロワに当接することにより、前記給紙ローラの回転駆動方向に対して所定量回転遅れ可能に設けられた前記カム部材に回転遅れを生じさせながら前記摩擦分離パッドが前記用紙の先端を位置決め可能な位置に回動するのを阻止する第2のカム面と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
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