JP4337068B2 - 窓のロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、通常の蝶番に支持された窓、縦滑り出し窓或いはドレーキップ窓等の窓のロック装置(以下単にロック装置という)に係り、特に、障子を窓枠に引き寄せる機能を有し、作動が確実なロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、ロック装置は、窓の自由側端縁に係止ピンを植設し、窓枠側に鈎形のロック部材を揺動可能に設け、障子閉鎖後このロック部材を係止ピンに引っ掛ける方向に回動させて両者を係合させることにより窓をロックする。
【0003】
或いは、アルミサッシ窓では、閉鎖時障子の自由端縁に対向する窓枠に沿って上下方向に移動可能に案内された連動杆を設け、この連動杆によって複数のロック部材を同時に作動させるように構成されているものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来の窓のロック装置は、作動を円滑にしようとすれば係止ピンとロック部材との間に多少の隙間を設けなければならず、その為窓を閉鎖したとき少し窓がガタつくという不都合がある。
【0005】
また、窓開放時に誤ってロック部材を作動位置にまで回動させ、それを知らずに窓を閉めると、係止ピンとロック部材とが衝突して不愉快な騒音や振動が発生する、という不都合もある。
【0006】
そこで、この発明は、障子を窓枠に引き寄せる機能を有し、窓の閉鎖時障子と窓枠との間にガタがなく、しかも作動が確実な窓のロック装置を提供し、もって上記した不都合を解消することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、鉛直な回動軸線を有する障子の自由側端縁の長さ方向に沿って配設、固定された複数の係止ローラーと、窓閉鎖時障子の自由側端縁に対向する窓枠の縦長の内面に沿って配設され、対応する係止ローラーに外側から係合する鉛直な係止端縁及びこれに連設された傾斜端縁を有する複数のカマと、これら複数のカマを相互に連結し、窓枠の内面に沿って上下方向に移動可能に案内された連結ロッドと、中央部を窓枠の内面に回動自在に支承され、一端が外方に付勢された少なくとも1個のトリガーとを有し、このトリガーの近傍におけるカマに係止突部を形成し、障子開放時トリガーの他端がこの係止突部の移動軌跡に干渉するようにこれらの形成位置を設定すると共に、少なくとも1個のカマを窓枠の室内側に設けられた操作部材に連結し、以て、障子開放時操作部材を操作しても連結ロッドが動かないようにして係止ローラーとカマとの衝突を防ぎ、一方、障子閉鎖時、係止ローラーがトリガーの一端部を押動してトリガーの他端をカマの係止突部の移動軌跡から退避させることにより、トリガーによって拘束されていたカマを解放して操作部材によるカマの移動を可能にし、また、障子閉鎖時、上記操作部材によりカマの傾斜端縁を障子に固設された係止ローラーに近接する方向に移動させ、カマの傾斜端縁と係止ローラーとの間に生じる楔作用により障子全体を窓枠に引寄せると共に、カマの傾斜端縁に連設された係止端縁に係止ローラーを係合させることにより、障子を窓枠に安定に係止するようにしたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】
以下、図面を参照してこの発明について説明する。
図1において符号1は窓の障子の自由端部を示し、この障子1の回動中心(図示せず)は遥か右方にあって、障子1は窓閉鎖時矢印A方向に移動して図1に示すように閉鎖される。
【0009】
この障子1の自由側端縁には、図1及び図2に示すように、その長さ方向(上下方向)に沿って複数(図示の実施例では2個)の係止ローラー2、2が配設され固定されている。
【0010】
図示の実施例では、各係止ローラー2は、図3に示すように、縦長の取付け板3に装着され、この取付け板3を介して障子1の自由側端縁にねじ止めされている。
【0011】
ちなみに、窓の閉鎖時障子1の自由側端縁は図1で矢印A方向に移動するから、係止ローラー2は図2で矢印B方向に移動し、障子が完全に閉った状態では図2に鎖線で示す位置にある。
【0012】
一方、前記窓枠4(図1参照)の窓閉鎖時障子1の自由側端縁と対向する縦長の内面5(図1参照)には、上記2個の係止ローラー2、2の夫々に対応して、図2に示すように、上部引き寄せ機構6及び下部引き寄せ機構7が夫々配設されている。
【0013】
説明の都合上下部引き寄せ機構7について先に説明すると、この下部引き寄せ機構7は、図1に示すように断面コ字形の縦長のスペーサー8を介して窓枠の内面にねじ止めされたケース9(図2参照)を有している。
【0014】
このケース9は、図2と及び図4に示すように、厚板を折曲げて一面が開き、側面を切り欠いたケース本体11の一面に裏板12をかしめ付けて略箱状に成形されている。
【0015】
このケース9内には、全体の形状がし字形の第1カマ13が収納され、上下方向に移動可能に案内されている。
【0016】
図示の実施例では、ケース9を貫通するようにして上下方向に配設された一対の案内ピン14、14に、これも上下方向に沿って配設された一対の縦長の案内長孔15、15を摺動可能に係合させることにより、第1カマ13が上下方向に移動可能に案内されている。
【0017】
この第1カマ13の下端縁部には、全体の形状が逆L字形の引き寄せブレード15が一体に形成されており、この引き寄せブレード15はケース9の側面の切欠部を挿通して外方に延伸している。
【0018】
また、この引き寄せブレード15の室内側には鉛直な係止端縁16が、更にまた、この係止端縁16の上方には傾斜端縁17が連設されている。
【0019】
この傾斜端縁17は、図2に示すように、下端が係止端縁に接続され、上端が外方になるように傾斜している。
【0020】
一方、図1及び図2に示すように、ケース9の上方の案内ピン14には障子1に垂直(図1で上下方向)な前後方向に延在する操作レバー18が回動自在に支承されている。
【0021】
そして、この操作レバー18の外端部(図2で右端)に植設された操作ピン19が第1カマ13の外端縁に形成されたU字形の係合溝21と係合している。
【0022】
また、操作レバー18の室内側の内端部には摘み22が一体的に装着されており、この摘み22を手指で上げ下げすることにより第1カマ13をケース9内で上下動させることができる。
【0023】
図示の実施例では、図1及び図2に示すように、摘み22と窓枠4との間に円盤の一部をなす摘みガイド23が装着されている。
【0024】
この摘みガイド23は、摘み22と扉枠4との間における操作レバー18に無理な力が掛からないようにすると共に、摘み22の案内装置を兼ねるもので、一体に結合された取付け箱24を窓枠の室内側の開口に嵌め込むことによって窓枠4に装着される。
【0025】
なお、図1及び図2において、符号25は合成樹脂製の取付け箱24に一体に形成された係止爪を示し、この係止爪25は、取付け箱24が窓枠の開口に嵌め込まれるとき弾性変形し、開口を潜り抜けた後図2に示すように突出して開口端縁の裏側と係合し、取付け箱24を窓枠4に係止する。
【0026】
上記した構成の操作レバー18は、摘み22を手指で操作して例えば約90度図2で反時計方向に回動させれば、操作ピン19と係合溝21との係合を介して第1カマ13及びこれと一体の引き寄せブレード15を鎖線で示す位置にまで上昇させることができる。
【0027】
このとき、ケース9内に弾装されたねじりコイルばねとしてのクリックばね26の作用により、操作レバー18の操作の始端と終端においてクリック感が生じる。
【0028】
他方、図2に示すように、ケース9の下方の案内ピン14によって細長い板状のトリガー27の中央部が回動可能に支承されており、このトリガー27の一端(図2で上端)は、ケース9の下方に弾装されたねじりコイルばねとしてのトリガーばね28の弾力により、外方(右方)に付勢されている。
【0029】
また、第1カマの下端には、図2に示すように、係止突部29が形成されており、この係止突部29は、図2に示す窓の開放時、トリガー27の他端(下端)に衝接可能に臨んでいる。
【0030】
上記した構成の下部引き寄せ機構7に対応して、図2に示すように、上方の係止ローラー2の近傍に上部引き寄せ機構6が設けられている。
【0031】
この上部引き寄せ機構6は、前記引き寄せブレードと同じ構成の引き寄せブレード15を形成した第2カマ32そのものよりなり、この第2カマ32及び前記第1カマ13は連結ロッド31により一体的に結合されている。
【0032】
そして、この連結ロッド31は、図1に示すように、窓枠の内面5に形成された付番しないガイド溝に嵌め込まれ、上下方向に移動可能に案内されている。
【0033】
なお、上部及び下部引き寄せ機構6、7における係止端縁16の形成位置は、図2に鎖線で示すように引き寄せブレード15が上昇したとき、閉鎖位置にある障子1の係止ローラー2に接合するように設定されている。
【0034】
上記のように構成されたこの発明の一実施例によるロック装置は、窓が開いているとき、すなわち障子が窓枠から離間しているときには、図2において係止ローラー2、2が遥か右方にある。
【0035】
このときには、トリガー27の一端(上端)はトリガーばね28の弾力により外方に付勢されて実線で示す角度位置にあるので、摘み22を押し下げてロック装置を作動させようとすると、第1カマ13の係止突部29がトリガー27の他端に衝接する。
【0036】
したがって操作レバー18をそれ以上押し下げることができず、上部及び下部引き寄せ機構6、7の引き寄せブレード15、15が上昇しないので、窓の閉鎖時係止ローラー2が引き寄せブレード15に衝突することを防止できる。
【0037】
窓を閉めると、図2に示すように、障子の自由側端縁に設けられた係止ローラー2、2が引き寄せブレード15の上端を乗り越えて、鎖線で示す閉鎖位置付近に移動する。
【0038】
通常、気密を保持するため障子と窓枠との間にパッキン材(図示せず)を挿設するので、係止ローラー2は図2に鎖線で示す位置より僅か右方に位置する。
【0039】
このとき、トリガー27の一端は下方の係止ローラー2に押動されて内方に移動するから(図示せず)、トリガーの他端は外方に移動して第1カマの係止突部29の移動軌跡から外れ、そのためこのロック装置が作動可能となる。
【0040】
この状態で室内側から摘み22を操作して操作レバー18を図2で反時計方向に回動させると、前記したように、第1カマ13及び連結ロッド31を介して連結された第2カマ32が一体的に上昇する。
【0041】
すると、各引き寄せブレード15の傾斜端縁17が先ず対応する係止ローラー2に当接し、これらの間に生じる楔作用により、パッキン材の弾力に抗して係止ローラー1及びこれと一体の障子1が窓枠に引き寄せられる。
以降、引き寄せブレードの係止端縁16が係止ローラー2と摺接しつつ、或いは係止ローラーを回転させつつ上昇し、図2に鎖線で示す位置にまで上昇して停止する。
【0042】
このロック状態では、係止端縁17が係止ローラー2から受ける反力は係止端縁に垂直に作用し、障子1を開けようとする外力に対して引き寄せブレードを下方に押し戻す分力が生じないので、障子を窓枠に安定に係止することができる。
【0043】
窓を開けるときには、端に摘み22を元の位置に戻せばよく、この場合図2に実線で示すようにカマの引き寄せブレード15が係止ローラーの移動軌跡から退避するので、自由に障子を開けることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、カマに傾斜端縁及び係止端縁を連設した引き寄せブレードを結合し、最初に傾斜端縁で障子の係止ローラーに係合させるようにしたので、これらの間に生じる楔作用により障子を窓枠に引き寄せることができる。
【0045】
また、上記引き寄せ機能により障子を窓枠のパッキン材に押圧して係止するようにしたので、障子はパッキン材と係止端縁とに挟持されてガタつかない。
【0046】
更にまた、窓閉鎖時係止ローラーに制御されるトリガーを設け、窓が閉鎖されないとカマが動かないようにしたので、窓閉鎖時における引き寄せブレードと係止ローラーとの衝突を防止することができる。
【0047】
加えて、係止端縁の長さ及びカマの移動量を自由に設定できるので、例えば縦滑り出し窓のように障子の開度によって係止ローラーの窓枠に対する相対位置が大きく変化する窓にこの発明を適用するとき、カマの移動量を大きくすることによって、窓を完全に閉めなくても確実に係止ローラーを引き寄せブレードに係合させてロックすることができる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるロック装置の要部の水平な切断面による断面図。
【図2】図1のII−II線から見たロック装置の要部の正面図。
【図3】係止ローラーの側面図。
【図4】下部引き寄せ機構の側面図。
【符号の説明】
1 障子
2 係止ローラー
4 窓枠
5 内面
6 上部引き寄せ機構
7 下部引き寄せ機構
9 ケース
13 第1カマ
15 引き寄せブレード
15 係止端縁
17 傾斜端縁
18 操作レバー
19 操作ピン
21 係合溝
22 摘み
27 トリガー
29 係止突部
31 連結ロッド
32 第2カマ
Claims (1)
- 鉛直な回動軸線を有する障子の自由側端縁の長さ方向に沿って配設、固定された複数の係止ローラーと、窓閉鎖時障子の自由側端縁に対向する窓枠の縦長の内面に沿って配設され、対応する係止ローラーに外側から係合する鉛直な係止端縁及びこれに連設された傾斜端縁を有する複数のカマと、これら複数のカマを相互に連結し、窓枠の内面に沿って上下方向に移動可能に案内された連結ロッドと、中央部を窓枠の内面に回動自在に支承され、一端が外方に付勢された少なくとも1個のトリガーとを有し、このトリガーの近傍におけるカマに係止突部を形成し、障子開放時トリガーの他端がこの係止突部の移動軌跡に干渉するようにこれらの形成位置を設定すると共に、少なくとも1個のカマを窓枠の室内側に設けられた操作部材に連結し、以て、障子開放時操作部材を操作しても連結ロッドが動かないようにして係止ローラーとカマとの衝突を防ぎ、一方、障子閉鎖時、係止ローラーがトリガーの一端部を押動してトリガーの他端をカマの係止突部の移動軌跡から退避させることにより、トリガーによって拘束されていたカマを解放して操作部材によるカマの移動を可能にし、また、障子閉鎖時、上記操作部材によりカマの傾斜端縁を障子に固設された係止ローラーに近接する方向に移動させ、カマの傾斜端縁と係止ローラーとの間に生じる楔作用により障子全体を窓枠に引寄せると共に、カマの傾斜端縁に連設された係止端縁に係止ローラーを係合させることにより、障子を窓枠に安定に係止するようにしたことを特徴とする窓のロック装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25978899A JP4337068B2 (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | 窓のロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25978899A JP4337068B2 (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | 窓のロック装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001082021A JP2001082021A (ja) | 2001-03-27 |
JP4337068B2 true JP4337068B2 (ja) | 2009-09-30 |
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ID=17339005
Family Applications (1)
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JP (1) | JP4337068B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012202044A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Nakanishi Metal Works Co Ltd | 誤ロック防止装置及びそれを備えた窓用ロック装置 |
-
1999
- 1999-09-14 JP JP25978899A patent/JP4337068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012202044A (ja) * | 2011-03-24 | 2012-10-22 | Nakanishi Metal Works Co Ltd | 誤ロック防止装置及びそれを備えた窓用ロック装置 |
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