JP4336075B2 - 自動車に用いる照明装置またはインジケータ装置のための光学構成要素 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に用いる照明装置およびインジケータ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インジケータの装置等を設置するのに、自動車で利用できる空間が不十分な場合が多い。たとえば、幾つかの機能部を、容積の小さい単一の組立体、たとえば、下向きビーム・ヘッドランプ、主ビーム・ヘッドランプ、方向インジケータ、またはパーキングライトが入っているハウジングに、一つに纏めなければならないとき、および補助または補足機能部を設置したいときが、この場合にあたる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
同じように、照明またはインジケータ装置を設置するのに利用できる空間が制限されること、およびこの装置を、規定を満たすために設置しなければならないことがある。たとえば、所定車両の特性によるが、第３のストップライトを、後部窓に近接して、車両の客室内にのみ設置すると、この第３のストップライトが、この後部窓を通しての可視性を低下させる場合がある。
【０００４】
更に、スタイリングに関する事項が、重要性を増してきており、自動車機器、および特にヘッドランプ、またはインジケータランプの設計に関する主要な関心事になってきている。設計者は常に、これらの装置を、車両に審美的に組み込むための新しい可能性を探求している。
【０００５】
したがって、たとえば、異なる構成要素の間の、たとえば、ヘッドランプのリフレクタと保護窓ガラスとの間の、不連続部を隠すのに使用されるマスク、またはハウジング自身のように光学機能を持たない部品を、新規な審美的効果を得るために、それらに特定の外観を、たとえば、ぼかし、または反射性塗膜、または特定の構成、たとえば、レリーフまたは模様を付加することにより、装飾要素として使用している。
【０００６】
これと対照的に、光ビームを発生するのに関係する照明装置またはインジケータ装置の要素、すなわち、光学構成要素には、スタイリングのこのような自由度はない。これは、このような装置により放出された光ビームが、光度および優勢色の双方に関して、それらの幾何学的範囲、およびそれらの測光品質の双方に関連する制約に従わなければならないことを現行の法規が規定しているからである。
【０００７】
従って、これら光学構成要素に、非常にうすい陰影または彩色を加え、装置により放出された光ビームに加えられる効果が気付かれないようにすると共に、これらの陰影または彩色が、実際上目につかないようにすることしか行えない。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、容積が制限され、それにも拘らず、照明、インジケータ、またはスタイリングの機能を利用できるようにしたい照明、またはインジケータ装置のための空間に設置しやすくするように、全体の大きさを、無視できるか、ゼロにできる照明、またはインジケータ装置の構成要素を提案することである。
【０００９】
本発明は上記の点に鑑み、なされたものであり、その目的は、照明またはインジケータ装置のための構成要素であって、設置容積が限られている場合には、これら照明またはインジケータ装置のための空間に容易に設置できるよう、全体のサイズが無視できるか、またはゼロであり、照明機能、インジケータ機能またはスタイリング機能を利用できるようにしたい場合には、消灯時にはヘッドライトまたはインジケータライトのための所定の外観が得られ、一方、点灯時にはこの装置から放出される光ビームを変更し、照明機能またはインジケータ機能が得られ、ビームは現行の法規に従ったままであり、かかる装置はヘッドランプまたはライトのコストを高めないよう、更に安価となっているような照明装置またはインジケータ装置のための構成部品を提案することにある。
【００１０】
したがって、本発明は、自動車の照明装置またはインジケータ装置のための構成要素に関する。
【００１１】
本発明は、照明装置またはインジケータ装置に関連する光源により放出された光を拡散するために、内部に局部的不連続部から成る光拡散中心が設けられた透明材料から構成されている。
【００１２】
本発明の他の、好ましく、非限定的特徴事項は、下記の通りである。特性によれば、
−透明材料の局部的不連続部は、透明材料の個々の部分の構造を非可逆的に変化させることにより形成されている。
−透明材料の個々の部分から成る構造を非可逆的に変化させることは、電磁放射を合焦することにより行われる。
−電磁放射は、レーザ放射である。
【００１３】
第１の実施形態では、構成要素は、ヘッドランプの覆いガラスを構成する。この場合には、
−光拡散中心は、ヘッドランプの光源から発して、構成要素に入射する光線を拡散する。
−光拡散中心は、補助光源から発して、連続する全反射により構成要素内を伝播する光線を拡散する。
【００１４】
他の実施形態では、構成要素は、自動車のヘッドランプに設置されたインサートを構成し、拡散中心は、補助光源から発した光線を拡散する。
【００１５】
更に他の実施形態では、構成要素は、そのリフレクタの断面が楕円形であるヘッドランプの収束レンズを構成する。
【００１６】
更に他の実施形態では、構成要素は、インジケータの細長ライトを構成し、拡散中心は、所定のパターンに従って分布し、少なくとも一つの光源により放出されて、連続する全反射により細長ライト内を伝播する光線を拡散する。この場合、構成要素を部分的に金属被覆することができる。
【００１７】
一他の実施形態では、本発明の構成要素は、照明およびインジケータの機能を繰り返す点滅ライトを構成しており、その点滅は、構成要素が点滅ライトを構成する機能である光源の点滅と同時に制御される特定の光源に関連している。
【００１８】
他の実施形態では、本発明の構成要素は、それ自体が特定の光源に関連する照明装置を構成する。
【００１９】
これらすべての実施形態において、
−拡散中心の大きさは、１ミクロンと３５ミクロンとの間にあり、
−透明材料は、プラスチックであり、
−透明材料は、ガラスである。
【００２０】
本発明はまた、上に規定した構成要素を備えるヘッドランプ、およびインジケータライトを提供するものである。
【００２１】
本発明の他の目的、特性、および利点は図面により非限定的に示す本発明の実施形態の次の説明から、明らかになると思う。
【００２２】
【発明の実施の形態】
図１Ａおよび図１Ｂは、本発明の一実施形態による構成要素１０の断面図を示す。この構成要素１０は、透明材料、たとえば、ガラスまたは、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、またはポリカーボネート（ＰＣ）のようなプラスチックから構成されている。構成要素１０は、含有物１２を含む。
【００２３】
構成要素１０に入射する光線Ｉのビームは、構成要素１０が平行面を有するストリップであれば、入射光線Ｉに平行な透過光線Ｔを発生し、また光線Ｉが拡散中心１２に入射するときは、いつでも拡散光線Ｄを発生する。拡散光線Ｄは、図１Ａに示すように、拡散中心として働く含有物１２により、あらゆる方向に放出される。
【００２４】
構成要素１０が光ガイドとして使用されている場合、光ビームは、その末端の少なくとも一つにより構成要素１０に入り、光線は、拡散中心１２に当たるまで、連続する全反射により、構成要素１０の中を伝播するようになり、拡散中心１２により光線は、図１Ｂに示すように、次に構成要素１０から出ることができるあらゆる方向に拡散した光線Ｄ’を生成する。
【００２５】
本発明によれば、含有物１２は、構成要素１０を構成する材料内の、精密に所定の位置のみに設けられる。
【００２６】
図１Ａに示すように、含有物１２は、たとえば、構成要素１０の面に平行で、入口面より出口面に近い（これらの面は互いに等距離にある）平面内に設置することができ、図１Ａでは下方部分だけにある。
【００２７】
図１Ｂに示すように、拡散光の所要量および分布に応じて、構成要素１０の材料の中に含有物１２を設置できる。
【００２８】
図２に示すように、設置台を使用して含有物を得ることができる。図２では、光学構成要素１６および１８により、構成要素１０の透明材料の内部に収束される波のビームを放出する電磁放射エミッタ１４、たとえばレーザが示されている。
【００２９】
構成要素１０は、機構板２０の上に取付けられ、機構板２０は、三つの直交方向Ｘ、Ｙ、およびＺに移動可能であり、機構板２０の移動は、エミッタ１４をも駆動する制御装置２２により制御される。エミッタ１４は、好適には赤外領域で放出するレーザである。
【００３０】
このようにして、エミッタ１４により放出されるビームが備えているエネルギは、構成要素１０の透明材料の個々の容積部分に集中しており、構成要素１０の寸法は、合焦光学構成要素１８により決まる。
【００３１】
この個々の容積部分に集中しているエネルギにより、すなわち個々の部分にこのエネルギを照射する時間、このエネルギの値、および電磁放射の波長に応じ、更に、問題としている材料に応じて、局部溶融してから固化するような、原子、分子、または結晶構造の不可逆的変化が、このように照射された透明材料の個々の部分に生ずる。これら不可逆的変化は、局部イオン化を伴うか、伴わないが、イオン化は、材料の構造を乱し、この個々の容積部分に局部的異方性または不連続部を生じ、したがって拡散中心を構成する。
【００３２】
このようにして作られた拡散中心を、構成要素１０を構成する材料の性質により違うものにすることができる。たとえば、ガラス、またはＰＭＭＡのようなプラスチックの場合には、拡散中心の外観が透き通っており、ポリカーボネートのようなプラスチックの場合には、拡散中心の外観は暗い。
【００３３】
このような装置により、エミッタ１４から発する放射の合焦の位置を定めることができ、したがってそれから生ずる不連続部および拡散中心を、光拡散中心の所定の配置を含む光学的またはスタイリングの構成要素を得るために、および自動車の照明装置またはインジケータ装置に所要結果を得るために、構成要素１０の材料の内部のどんな所定の位置にも二次元または三次元で位置決めすることができる。
【００３４】
図３は、通常の態様で、ハウジング２４に、主照明ビームまたは下向き（ディップ）照明ビームを形成するようにリフレクタ２８とともに動作する光源２６、ハウジングを漏れ防止して閉じる覆いガラス３０を備えている自動車のヘッドランプを示す。リフレクタ２８は、それ自身で規定の光ビームを発生することができるので、覆いガラス３０を滑らかにまたはわずかに曲げ、ハウジング２４の漏れ防止閉鎖の役割だけを果たすようにすることができる。
【００３５】
本発明によれば、覆いガラス３０は、これまで説明したような構成要素から構成され、不連続部１２を、これら拡散中心１２により拡散された光により奏すべき所望する役割に応じて、所定場所に備えている。
【００３６】
たとえば、ヘッドランプにより放出されたビームが下向きビーム、すなわち反対方向から来るドライバを眩惑させないために上方遮断したビームであるとき、たとえば、車道の上方に構台に設置された道路標識パネルを照らすために、一部の光を上方に放出したい場合がある。
【００３７】
このことは、本発明により、覆いガラス３０を構成する構成要素１０の上方部分（図３を考えるとき）に、拡散中心１２を形成することにより容易に達成することができる。
【００３８】
このようにして、ヘッドランプにより発生された下向きビームは、実際上不変であり、実質的にその光学軸Ｘ’−Ｘの方向に伝播する。
【００３９】
しかし、リフレクタ２８により反射され、拡散中心１２に入射する光線は、あらゆる方向に、特に上方に拡散し、空間のこの部分に必要な光を供給するようになる。
【００４０】
言うまでもないが、拡散中心１２の数および密度は、透過光線Ｔが法規に従うように、すなわち眩惑しないように選定される。
【００４１】
インジケータ機能が付いていないヘッドランプに、たとえば、サイドライト機能または方向変更インジケータ機能を付加したいこともある。本発明によると、この変更機能を、非常に容易に組み込むことが可能である。
【００４２】
図４に示す第２の実施形態から分かるように、ヘッドランプの覆いガラス３０を構成する構成要素１０は、覆いガラス３０の一部、たとえば下方部分（図４について）に拡散中心１２を形成している。更に、補助光源３２が窓ガラス３０に関連しており、光源３２により放出される光束が覆いガラス３０に進入し、その中を、その後の連続する内部反射により光ガイドのように伝播するようになっている。
【００４３】
補助光源３２は、その縁の少なくとも一つの近くに設置された発光ダイオードから、または発光ダイオードの列から構成されている。
【００４４】
このようにして、補助光源３２を点灯すると、それにより放出された光線は、覆いガラス３０に進入し、拡散中心１２に当たるまでその中を伝播する。次に、その光線は、あらゆる方向に拡散し、拡散中心の数および密度が、拡散光線Ｄ’の光束がこの機能に関連する法規に従うように計算されている限り、所要の補足機能を果たす。
【００４５】
方向指示機能については、補助光源３２は、たとえば、アンバー色の光のビームを発生でき、補助光源３２が点灯しているときにしか拡散中心はこの色を拡散できない。サイドライトについては、補助光源３２は、白色光のビームを放出できる。
【００４６】
この実施形態によれば、拡散中心１２は、光源２６が点灯しているとき発生する透過光線Ｔを乱さないように設けられている。
【００４７】
上に説明してきた二つの実施形態によれば、更に、その光学機能を保存しながら特定の審美的パターンを形成するために、所定の構成を有するように拡散中心１２を設けることができる。
【００４８】
本発明による一つの重要な長所は、インジケータ機能を、すでに存在する構成要素に、その形状を変えずに付加することができるということである。これにより、生産、およびそれをヘッドランプに設置するのに必要なすべての工具をそのまま使用することができる。
【００４９】
拡散中心を形成する補足段階だけを、必要に応じて、実施することができるが、この段階は、構成要素の最終価格に、大きな影響を与えるものではない。
【００５０】
図５に示した第３の実施形態によるヘッドランプに、サイドライトおよび方向変更インジケータの機能を付加することも可能である。図５では、構成要素１０は、ヘッドランプに設置されたインサート１５を、閉鎖窓ガラス３０から分離させて、このヘッドランプの、リフレクタ２８により発生された光ビームを邪魔しない場所に形成しており、補助光源３２’がインサート１５に関連している。
【００５１】
したがって、補助光源３２’を点灯すると、それにより放出された光線はインサート１５に進入し、拡散中心１２に当たるまでその中を伝播する。この光線は、次にあらゆる方向に拡散し、拡散光線Ｄ’の一部は、覆いガラス３０の方に、ヘッドランプから外側に向かい、この場合、拡散中心の数および密度が、拡散光線Ｄ’の全照明束がこの機能に関連する法規に従っているように計算されていれば、所要の補足機能を果たす。
【００５２】
前の実施形態の場合のように、方向指示（インジケータ）機能が、補助アンバー色光源３２’の助けを借りて得られ、一方サイドライト機能が白色光のビームを放出する補助光源３２’を用いて得られる。
【００５３】
この第３の実施形態によれば、補助光源３２’を、すでにその機能を備えている光源から構成できる。それを、たとえば、図５のヘッドランプの下に設けられた方向変更インジケータの光源とすることができる。このとき、構成要素１０は点滅器の機能を果たす。
【００５４】
この第３の実施形態によれば、また、拡散中心１２の光学機能を保持しながら、特定の審美的パターンを形成するために、所定の構成を有するように拡散中心１２を設けることが可能になる。また、拡散光線Ｄ’の放出の方向を、覆いガラス３０の方にヘッドランプから外側に選ぶように、覆いガラス３０の方に回転するものとは反対のインサート１５の面を、金属被覆することが可能である。
【００５５】
図９は、この第３の実施形態の変形を示す。図９は、照明ビームまたはインジケータビームを形成するために、ミラー２８’とともに動作する例における白熱ランプのフィラメントのような光源２６’、ミラー２８’が入っているハウジング（図９には示してない）を閉鎖し封止する覆いガラス３０を備えている照明またはインジケータ装置５０を示している。
【００５６】
本発明による構成要素１０は、照明ビームまたはインジケータビームが横断するように、覆いガラス３０の後に設けられている。一つ以上の補助光源３２”が、構成要素１０が図１Ｂで光ガイドのように、振る舞うように構成要素１０と関連している。
【００５７】
一つ以上の光源３２”が点灯すると、この光源により発生された光線が、構成要素１０の反対面で多数の反射を受け、遂に拡散中心１２に当たる。この光線は、次にあらゆる方向に、特に前方、および後方に拡散し、そこでミラー２８’により前方に反射される。
【００５８】
光源２６’を点灯すると、図１Ａに示すように、光線が構成要素１０を通過し、光線の一部が、拡散中心１２により拡散される。
【００５９】
このようにして、光源３２”だけが点灯すると、覆いガラス３０を通して光束が放出され、この光束の色が光源２０の色により固定される。光源２６’だけが点灯すると、ミラー２８’により反射された光束も、構成要素１０および覆いガラス３０を通して放出され、この光束の色がランプの管球２７の色または中間スクリーン（図示してない）の色により固定される。これにより、光源２６’および３２”により果たされる機能を、それらの色または輝度により完全に変えることができる。
【００６０】
フィラメント２６’により発せられる輝度は、光源３２”の輝度よりも大きいので、光源２６’および３２”が同時に点灯すると、全光束が光源２６’により果たされる機能に対する規制照明要件を満たす。
【００６１】
構成要素１０は、たとえば、車両の後部サイドライトの機能を果たすことができ、フィラメント２６’は、ストップライトの機能を果たすことができ、これら二つの機能の照明度および照明色は、規定に従っている。
【００６２】
本発明により、このようにして、覆いガラス３０の同じ表面が、別々の機能を果たす別々の光ビームを放出することが可能になる。これにより、照明またはインジケータ装置５０および構成要素１０を収容している組立体の全体の大きさを非常に小さくすることができる。
【００６３】
本発明は、図６に模式的に示したような楕円形形式のヘッドランプにも適用しうる。このようなヘッドランプは、通常、楕円形断面のリフレクタ２８の第１の焦点の直近に、光源２６によりにより放出される光線が、平／凸収束レンズ３６の物体焦点と一致するミラー２８の第２の焦点３４に集中するように設けられている光源２６を備えている。
【００６４】
シェード３８は、光軸Ｘ’−Ｘに垂直な一つの水平縁を備え、Ｘ’−Ｘに関して下向きのビームを遮断している。この組立体は覆いガラス３０により閉鎖されたハウジング（図示していない）内に収められている。
【００６５】
覆いガラス３０は、構成要素１０自身から構成でき、拡散中心１２は、上述の第１の実施形態の場合のように、光源２６からの光、または上述の第２の実施形態の場合のように、補助光源３２からの光を拡散する。構成要素１０はまた、上述の第３の実施形態の場合のように、楕円形ヘッドランプに設けられたインサート１５を構成することができる。
【００６６】
平／凸レンズ３６は、それ自身構成要素１０から構成することができ、所定の場所に、かつこの所定の場所のみに、拡散中心１２を備えることができる。
【００６７】
拡散中心１２を、たとえば、レンズ３６の領域Ｈに、拡散された光が、たとえば、車道の上方に構台に設置された方向インジケータパネルを照らすように、上方に放出されるように設けることができる。拡散中心１２は、このとき、レンズの適切な区域、たとえばその下部部分にある領域Ｈ（図６）に形成される。
【００６８】
拡散中心１２を、光軸Ｘ’−Ｘに近い水平区域にあるレンズ３６の中心部分の領域Ｍに、楕円形ヘッドランプにより放出されるビームの遮断をぼやけさせ、したがって車両前方の道路の照明領域と非照明領域との間の変化を弱めるように、設けることもできる。言うまでもないが、レンズ３６は、領域ＨおよびＭの双方に拡散中心を備えることができる。
【００６９】
本発明は、図７および図８に示すように、インジケータ照明にも適用しうる。これらの図には、本発明による構成要素１０から構成された、ガラスまたはプラスチックから作られる細長インジケータライト４０が存在し、拡散中心１２が特定の整然としたパターンを成して配置されている。
【００７０】
光源４２は、図７に示す例では二つあるが、細長ライトの一方の先端に設けられ、細長ライト４０が、光ガイドのように振る舞うようになっている。
【００７１】
一つ以上の光源４２から発する光線は、細長ライト４０に進入し、その後の連続する全反射により、図１を参照して既に説明したように、拡散中心１２に入射するまで、その中を伝播する。このとき、拡散光線Ｄ’が放出され、これは細長ライト４０から出ることができる。
【００７２】
拡散中心１２の配置および密度の他に、一つ以上の光源４２により放出される光束の輝度および色を適切に選択することにより、拡散光線Ｄ≡の総合計が、第３の高所ストップライト、たとえば、点滅する方向変更インジケータ、テールライト、または他に横点滅器のような、インジケータ機能を果たすに十分な光束を発生できる。
【００７３】
この実施形態による一つの長所は、インジケータ機能を、非常にわずかにすることができる細長ライト４０の機能だけを有することにある。
【００７４】
他の長所は、インジケータ機能により、細長ライト４０が引き受けるインジケータ機能によって決まるが、光源４２を消灯したときには、拡散中心１２の集合から成るパターンだけを見ることができる無色に近い色相の外観を呈し、および光源４２を点灯したときには、光源４２を消灯したときに示される外観の色とは完全に異なる色の別の外観を呈することができることである。
【００７５】
光の損失を極小にし、かつ細長ライト４０から出てくる拡散光線Ｄ’の優先方向を助長するために、細長ライト４０が長方形の箱の形状をしているとき、細長ライト４０の面の少なくとも一つについて、メタリゼーション４４を設けることが好ましい。
【００７６】
本発明は、既に説明した実施形態だけに限定されるものではなく、その範囲内に入る変形例も包含している。したがって、たとえば、本発明の構成要素を、たとえば、車両の車体の要素上に設けることにより、この車体のウィング、またはこの車両の外側後方視ミラーの前部のような照明、およびインジケータ機能の照明点滅器として使用できる。
【００７７】
この場合には、構成要素を特定の光源に関連づけることができ、その光源の点灯および消灯を、その構成要素が点滅器を構成している機能である光源の点灯および消灯と同時に制御される。
【００７８】
構成要素を、特定の光源と関連させることにより、照明装置、たとえば車両の客室の内部照明を与えるフロアライト、または、グローブボックスまたは荷物空間の内部照明のための装置をも構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 Ａは、本発明による光学構成要素の断面図であり、Ｂは、別の使用状態にある図１Ａの構成要素の断面図である。
【図２】 本発明による構成要素を作成するための装置を示す。
【図３】 本発明の第１の実施形態による構成要素を備えるヘッドランプの断面図である。
【図４】 本発明の第２の実施形態による構成要素を備えているヘッドランプの断面図である。
【図５】 本発明の第３の実施形態による構成要素を備えているヘッドランプの断面図である。
【図６】 本発明による構成要素を組み込んだ楕円形形式のヘッドランプを垂直断面で示す模式図である。
【図７】 本発明による構成要素を組み込んだインジケータ装置の等角斜視図である。
【図８】 図７の線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩにおける断面図である。
【図９】 図５の変形を示す図である。
【符号の説明】
１０ 構成要素
１２ 光拡散中心
１５ インサート
２６ 光源
２８ リフレクタ
３０ 覆いガラス
３２ 補助光源
３６ 収束レンズ
４０ 細長ライト
４２ 光源

Claims (19)

1. 自動車の照明装置またはインジケータ装置のための構成要素であって、
   前記照明装置またはインジケータ装置が、透明材料から構成されており、
   前記照明装置またはインジケータ装置に関連する光源（２６、３２、３２’、３２”、４２）により放出される光を拡散するために、前記透明材料の局部的不連続部（１２）から構成される光拡散中心（１２）が、前記透明材料内部の所定の位置にのみ存在し、前記透明材料の局部的不連続部（１２）が、前記透明材料の個々の部分の構造を不可逆的に変化させることにより形成されたものであることを特徴とする構成要素。
2. 前記透明材料の個々の部分の構造を不可逆的に変化させることは、電磁放射線を合焦することにより行うことを特徴とする請求項１に記載の構成要素。
3. 前記電磁放射線がレーザ放射線であることを特徴とする請求項２に記載の構成要素。
4. 前記光源からの光路内に自動車のヘッドランプのための覆いガラスが設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。
5. 光拡散中心（１２）が、ヘッドランプの光源（２６）から放出され、構成要素（１０）に入射する光線を拡散することを特徴とする請求項４に記載の構成要素。
6. 光拡散中心（１２）が、補助光源（３２）から放出され、連続する全反射により構成要素（１０）に伝播する光線を拡散することを特徴とする請求項４に記載の構成要素。
7. 前記構成要素が、自動車のヘッドランプに設置されるインサート（１５）を構成し、前記拡散中心（１２）が、補助光源（３２’）から放出される光線を拡散することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。
8. 前記構成要素が、断面が楕円形であるリフレクタ（２８）を備えたヘッドランプの収束レンズ（３６）を構成していることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。
9. 前記構成要素が、細長インジケータライト（４０）を構成し、前記拡散中心（１２）が、所定のパターンに従って分布し、少なくとも一つの光源（４２）から放出されて、連続する全反射により、細長ライト（４０）に伝播する光線を拡散することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。
10. 部分的に金属被覆されていることを特徴とする請求項９に記載の構成要素。
11. 拡散中心の大きさが、１ミクロンと３５ミクロンとの間にあることを特徴とする請求項１〜１０のいずれかに記載の構成要素。
12. 透明材料が、プラスチックであることを特徴とする請求項１〜１１のいずれかに記載の構成要素。
13. 透明材料が、ガラスであることを特徴とする請求項１〜１１のいずれかに記載の構成要素。
14. 覆いガラス（３０）により、請求項１〜６のいずれか、または請求項１１〜１３のいずれか記載の構成要素（１０）を内蔵することを特徴とする自動車のヘッドランプ。
15. インサート（１５）により、請求項７、または請求項１１〜１３のいずれかに記載の構成要素を内蔵することを特徴とする自動車のヘッドランプ。
16. 収束レンズ（３６）により、請求項９、または請求項１１〜１３のいずれかに記載の構成要素を内蔵することを特徴とする自動車のヘッドランプ。
17. 請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素を内蔵することを特徴とする自動車用インジケータランプ。
18. 照明またはインジケータの機能を繰り返すようになっている点滅ランプを構成していること、およびその点滅が、前記構成要素が点滅ランプを構成する機能である光源の点滅と同時に制御される特定の光源に関連していることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。
19. 特定の光源に関連している照明装置を構成することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の構成要素。

Images