JP4336016B2 - 半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波通信分野およびミリ波通信分野等で用いられ、高周波帯域で作動するガリウム砒素(GaAs)等の化合物半導体等から成る各種半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイクロ波通信分野またはミリ波通信分野等で用いられ、高周波帯域で作動する各種半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージという)を図5に示す。同図において、21,24はそれぞれ金属材料から成り容器本体を構成する基体と側壁用の枠体、25はセラミックスから成り基体21上に接合され高周波信号を入出力する入出力端子、26は蓋体、28は半導体素子を示す。これら基体21、枠体24、入出力端子25、蓋体26とで、半導体素子28を半導体パッケージ内部に収容する。
【0003】
また、このような半導体パッケージは、一般に半導体素子28が載置される載置部21aを有する基体21と、基体21上面の外周部に載置部21aを囲繞するように接合される枠体24および接合面に金属層が設けられた入出力端子25とが、銀ロウ等のロウ材で接合される。さらに、蓋体26と枠体24上面とが、蓋体26と枠体24上面にそれぞれ設けられた金属層を介して金(Au)−錫(Sn)合金半田等の低融点ロウ材で接合される。
【0004】
基体21は、銅(Cu)−タングステン(W)合金等の比較的高い熱伝導性を有する金属材料から成り、半導体素子28作動時に発熱する熱を吸収し放散するための放熱板として機能するとともに、半導体素子28を支持する支持部材として機能する。
【0005】
また、枠体24は、基体21に熱膨張係数が近似する鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属材料から成るとともに、入出力端子25を嵌着するための貫通孔または切欠部から成る取付部24aが形成されており、入出力端子25の上面および下面にそれぞれ設けられた金属層を介して銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0006】
また、この入出力端子25は、基体21,枠体24に熱膨張係数が近似するアルミナ(Al2O3)セラミックス等のセラミックスから成るとともに、半導体パッケージの内外を導出するようにモリブデン(Mo)−マンガン(Mn)等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ金属層25aが被着されている。
【0007】
また、このメタライズ金属層25aには、外部電気回路との高周波信号の入出力を行なうために、導電性を有する鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金等の金属材料から成るリード端子27が銀ロウ等のロウ材で接合されるとともに、半導体素子28と電気的に接続するためのボンディングワイヤ29が接合される。
【0008】
なお、この半導体素子28は、載置部21aに錫(Sn)−鉛(Pb)半田等の低融点半田を介して接合され、作動時にはこの低融点半田を介して基体21に伝熱される。
【0009】
しかる後、枠体24の上面に、Fe−Ni−Co合金等の金属材料またはアルミナセラミックス等のセラミックスから成る蓋体26により、金(Au)−錫(Sn)合金半田等の低融点ロウ材で接合することによって、半導体パッケージ内部に半導体素子28を気密に収容しその作動性を良好なものとする。
【0010】
このように、基体21、枠体24、入出力端子25、蓋体26とで、半導体素子28を半導体パッケージ内部に収容するとともに、ボンディングワイヤ29とリード端子27と外部電気回路とを電気的に接合することによって、半導体素子28が高周波信号によって作動する半導体装置となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、半導体素子28は高密度化、高集積化が急激に進み、そのため半導体素子28の作動時に発する熱量が従来に比し極めて大きなものとなっている。従って、半導体素子28を従来の半導体パッケージに収納して半導体装置となした場合、半導体素子28の作動時に発する熱を放散するCu−W合金から成る基体21の熱伝導率が200W/mK程度と比較的高くても、近年の半導体素子28が発する多量の熱を十分に吸収することができない。その結果、半導体素子28は、発熱によって高温となり熱破壊を起こしたり、熱による特性劣化を引き起こし誤作動が生じる等の問題点を有していた。
【0012】
このような問題点を解決する手段として、図3および図4に示すように、放熱板12として、この上面から下面にかけて熱伝導率が300W/mK以上である部材、即ち厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体12aの上下両面に、各50μm以下の厚さを有するCr−Fe合金層12b−1,Cu層12b−2,Fe−Ni層またはFe−Ni−Co層12b−3の3層構造を有する金属層12bを拡散接合したものを使用し、さらにこの放熱板12側部の気孔を塞ぎ耐外圧性を強化するため、Fe−Ni−Co合金またはFe−Ni合金から成る枠状の基体11の穴部(開口)11bに、放熱板12を銀ロウ等のロウ材で挿着するといったものを本出願人は提案した(特願平10−327216号)。
【0013】
しかしながら、図3,図4のものでは、厚さ方向の熱伝導は非常に優れているが、幅方向の熱伝導率、即ち金属層12bの横方向への熱伝導率は、金属層12bの組成とその厚さが150μm以下である点から非常に低い。そのため、穴部11bに熱伝導性に優れる銀ロウを介して挿着しても、発する熱は銀ロウまで十分に伝熱しない。そのため、半導体素子18は、その作動時に発する熱が非常に高いために、厚さ方向のみの熱伝導では十分放熱できない場合、高温となり熱破壊を起こしたり、熱による特性劣化を引き起こし誤作動が生じる等の問題点を有していた。
【0014】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたもので、その目的は、半導体素子が作動時に発する熱を外部に効率良く放散させて半導体素子を常に適温とし、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させ得る半導体パッケージを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体パッケージは、Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金またはCu−W合金から成る枠状の基体と、該基体の開口に嵌め込まれロウ材を介して接合されるとともに上面に半導体素子が載置される載置部を有する放熱板と、前記基体上面に前記放熱板を囲繞するように取着され、かつ側部に貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付部を有しFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金またはCu−W合金から成る枠体と、前記取付部に嵌着された入出力端子とから成る半導体素子収納用パッケージにおいて、前記放熱板は、厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成り、かつ上面および下面に前記放熱板側からクロム−鉄合金層,銅層,モリブデン層および銅層から成る金属層が積層されて成ることを特徴とする。
【0016】
本発明は、このような構成により、上面に半導体素子が載置される放熱板が、その上面側から下面側にかけての熱伝導率が300W/mK以上であるものとなり、さらに、Cu−W合金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金から成り放熱板側部の気孔を塞ぎ耐外圧性を強化する基体の開口に、熱伝導性に優れる銀ロウ等のロウ材を介して嵌着したことから、半導体素子の作動時の熱は、厚さ方向、即ち半導体素子が放熱板に低融点半田を介して接合されている面からそのまま垂直下方に伝熱する経路と、幅方向、即ち金属層の横方向(面方向)から放熱板の側面(ロウ材)へ伝熱する経路との2経路で、放熱板の下面側に伝熱され大気中に効率良く放散される。その結果、半導体素子は常に適温となり、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0017】
さらに、本発明の上記構成の放熱板は、その重量が極めて小さなものであり、半導体パッケージ内部に半導体素子を収納して半導体装置となした場合、半導体装置の重量も極めて小さなものとなって、近年の小型軽量化が進む電子装置への実装も可能となる。
【0018】
本発明において、好ましくは、前記放熱板と前記金属層および前記金属層内は拡散接合により互いに接合されて成ることを特徴とする。これにより、耐熱性の劣る樹脂接着剤を介して接合させる場合に比較して、放熱板をロウ材により基体に接合することが容易となり、またスパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成法により金属層を形成する場合よりも、横方向の熱伝導性が良好な厚い金属層が効率良く安定して形成できる。また、拡散接合により放熱板と金属層および金属層内を一時に接合することが可能になるため、きわめて生産性の高いものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の半導体パッケージの一実施形態を示す断面図であり、図2は図1の放熱板の部分拡大断面図である。これらの図において、1は基体、2は放熱板、3はロウ材、4は枠体、5は入出力端子、6は蓋体、8は半導体素子である。これら基体1、放熱板2、ロウ材3、枠体4、入出力端子5および蓋体6とで、半導体素子8を収容するための容器が構成される。
【0020】
枠状の基体1は、Cu−W合金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金から成り、また略中央部に開口(貫通孔)1bが形成され、これに放熱板2をロウ材3で嵌着することによって、放熱板2側部の気孔を塞ぐとともに耐外圧性を強化する機能を有する。
【0021】
この基体1が上記金属材料から成る場合、基体1は、半導体パッケージ内外に高周波信号を入出力させた際に発生する電磁場を遮蔽する所謂電磁遮蔽板としても機能し、また基体1は、その外側周縁部に設けられたネジ穴(図示せず)にトルクをかけてネジを締めても、この基体1が弾性を有することから、クラック等の破損を有効に防止でき、所謂破損防止板としても機能する。
【0022】
また、この金属材料から成る基体1は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工を施すことによって、その主面に開口1bを有する形状、所謂枠状に製作される。また、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層をメッキ法により被着させておくと、放熱板2や入出力端子5との銀ロウ等のロウ材3による接合をより強固なものとできる。
【0023】
また、この放熱板2は、半導体素子8を支持する支持部材として機能するとともに、半導体素子8が作動時に発する熱を吸収し大気中に放散する機能を有しており、図2に示すように、上面側から下面側にかけての熱伝導率が300W/mK以上である部材、即ち厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面に、Cr−Fe合金層2b−1,Cu層2b−2,Mo層2b−3,Cu層2b−4の4層構造を有する金属層2bを、好ましくは拡散接合によって積層させ被着させたものである。この拡散接合の他に、厚膜法によって形成してもよい。
【0024】
この一方向性複合材料から成る芯体2aは、例えば一方向に配向した炭素繊維の束を、固体のピッチあるいはコークス等の微粉末に分散させたフェルール樹脂等の熱硬化性樹脂の溶液中に含浸させ、次にこれを乾燥させて一方向に炭素繊維が配向している複数枚のシートを形成するとともに、各々のシートを炭素繊維の方向が同一となるようにして複数枚積層する。次に、積層された複数枚のシートに所定の圧力を加えるとともに加熱して熱硬化性樹脂部分を硬化させ、最後にこれを不活性雰囲気中高温で焼成し、フェノール樹脂とピッチあるいはコークスの微粉末を炭化させる(炭素を形成する)とともに、この炭素で各々の炭素繊維を結合させることによって製作されている。
【0025】
また、この放熱板2の一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面には、Cr−Fe合金層2b−1,Cu層2b−2,Mo層2b−3,Cu層2b−4の4層構造を有する金属層2bが拡散接合によって積層され被着されており、それぞれの厚さを調整することによって、特に幅方向(横方向)の熱膨張係数を調整できる。
【0026】
なお、放熱板2の厚さ方向(縦方向)の熱膨張係数は、金属層2bの厚さが一方向性複合材料から成る芯体2aの厚さに比し非常に薄く、また、一方向性複合材料から成る芯体2aの厚さ方向の弾性率は芯体2aの幅方向の弾性率に比し1/100以下と非常に低いため、一方向性複合材料から成る芯体2aの厚さ方向の熱膨張係数にほとんど近似し、およそ7×10-6/℃となる。
【0027】
このようなことから、この放熱板2の幅方向の熱膨張係数を基体1の熱膨張係数に近似させ、それぞれロウ付けした際に発生する残留熱応力を非常に小さくし接合を強固なものとするためには、Cr−Fe合金層2b−1,Cu層2b−2,Mo層2b−3,Cu層2b−4のそれぞれの厚さ、特に一方向性複合材料から成る芯体2aの熱膨張係数、弾性率のような特性の影響を直接的に受けにくい放熱板2の表層側(Mo層2b−3,Cu層2b−4)の厚さを調整するのがよい。
【0028】
例えば、基体1の熱膨張係数がおよそ10〜13×10-6/℃のFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金のような金属材料に近似させるためには、最表層でかつ熱膨張係数の大きなCu層2b−4の厚さを最も厚くし、Mo層2b−3の厚さをCu層2b−4の厚さよりも比較的薄くする。さらにCr−Fe層2b−1とCu層2b−2との厚さは、Mo層2b−3の厚さよりもさらに薄くする。具体的には、Cu層2b−4の厚さを20μm程度、Mo層2b−3の厚さを10μm程度、Cr−Fe合金層2b−1とCu層2b−2との厚さを5μm程度としておく。
【0029】
なお、金属層2bが一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面に拡散接合させることによって被着される場合、具体的には、芯体2aの上下両面にそれぞれの厚さが50μm以下でかつ基体1の熱膨張係数に近似させるように厚さ調整された、Cr−Fe合金層2b−1用のCr−Fe合金箔,Cu層2b−2用のCu箔,Mo層2b−3用のMo箔,Cu層2b−4用のCu箔を、順次載置して積層させ、次にこれを真空ホットプレスで5MPaの圧力をかけつつ1200℃の温度で1時間加熱することによって行なわれる。
【0030】
また、Cr−Fe合金層2b−1は、金属層2bを一方向性複合材料から成る芯体2aに強固に接合させる密着層であり、Cu層2b−2は、Cr−Fe合金層2b−1とMo層2b−3とを強固に接合させるとともに両者の相互拡散を有効に防止する拡散防止層であり、Mo層2b−3とCu層2b−4は、Cr−Fe合金層2b−1およびCu層2b−2と相まって、その厚さを調整することによって放熱板2の熱膨張係数を基体1の熱膨張係数に近似させる熱膨張係数調整層である。
【0031】
なお、最表層のCu層2b−4は、その熱伝導性に優れた特性から、半導体素子8が発する熱を効率良く放熱板2上面を伝熱させる機能を有するとともに、その表面にNiメッキやCuメッキ等のメッキを非常に容易に被着させることを可能とする。
【0032】
また、放熱板2の側部には、ロウ材3との接合を強固なものとするために、耐蝕性に優れかつロウ材3との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層をメッキ法により被着させておくと、ロウ材3を介して基体1に強固に接合できる。
【0033】
このように、基体1の熱膨張係数に近似させた放熱板2を基体1の開口1bに銀ロウ等のロウ材3を介して嵌着させても、その残留熱応力によって剥がれたり、放熱板2が破損するようなことはない。また、この放熱板2上に半導体素子8を載置固定し、半導体素子8を作動させても作動時に発する高温の熱によって、基体1と放熱板2とが熱膨張差によって剥がれたり、放熱板2が破損するようなことはない。
【0034】
また、半導体素子8の作動時に発する高温の熱は、厚さ方向と幅方向の2経路で下面側に伝熱され大気中に効率良く放散される。その結果、半導体素子8は常に適温となり、半導体素子8を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0035】
また、このような放熱板2は、比重がきわめて小さく(Alと同程度)その重量が小さいことから、この放熱板2を使用した半導体パッケージに半導体素子8を収納して半導体装置となした際、従来の半導体装置に比し極めて軽量なものとなり、近年の小型軽量化が進む電子装置にも実装が可能となる。
【0036】
また、放熱板2は、幅方向の弾性率が30GPa以下と軟質であることから、放熱板2と基体1との間に若干の熱膨張差があったとしても両者間に発生する熱応力は放熱板2が適度に変形することによって吸収される。その結果、基体1と放熱板2との接合が正常に保たれることから、半導体素子8が発する熱を常に大気中へ効率良く放散させることができる。
【0037】
さらに、一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面に金属層2bを被着させた放熱板2は、芯体2aと上面の金属層2bとの間および芯体2aと下面の金属層2bとの間に、両者の熱膨張係数の相違による熱応力が発生するが、その各々の熱応力は金属層2bの芯体2aに対する被着位置が異なることから互いに相殺される。その結果、放熱板2は芯体2aと金属層2bとの間に発生する熱応力によって変形することなく常に平坦となり、これにより放熱板2上に半導体素子8を強固に載置固定させることができるとともに、半導体素子8が作動時に発する熱を常に大気中へ効率良く放散させることができる。
【0038】
本発明の放熱板2の厚さは0.2〜5mmが好ましく、0.2mm未満では、製造するのが困難であるとともに、製造できたとしても芯体2a部分が薄すぎてその弾性率が非常に小さなものとなり、放熱板2の熱膨張係数は金属層2bに影響され決定されることとなる。金属層2bの影響を小さくするには、金属層2bの各層の厚さを非常に薄くする必要があり、金属箔で作製するには厚さを5μm未満とするのは非常に困難なため、金属層2bを形成することが困難となる。一方、放熱板2の厚さが5mmを超える場合、厚さが厚すぎて小型軽量化がなされず、実用性の乏しいものとなる。
【0039】
また、放熱板2の載置部1aを有する上面の大きさは、半導体素子8の下面に対して、面積比で50%以上であるのがよく、50%未満では、熱放散効果が従来のCu−W合金から成るものを半導体素子8の下面に100%程度の面積比で形成した場合と同等以下となる。
【0040】
さらに、図1では、放熱板2の上面および下面は基体1の上面および下面に略面一とされているが、放熱板2の上面は基体1の上面よりも高くても低くても構わない。好ましくは、小型軽量化のために、放熱板2の上面は基体1の上面から突出しているよりも面一とされているのがよい。一方、放熱板2の下面は、放熱効果が損なわれないようにするために、基体1の下面に面一とされているか、または基体1の下面より突出していることが好ましい。
【0041】
この放熱板2が挿着される基体1の上面には、基体1に熱膨張係数が近似するアルミナセラミックス等から成るセラミックスから成り、高周波信号を入出力する入出力端子5が、枠体4の貫通孔または切欠部からなる取付部4aに、Mo−Mn等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ層とその表面に被着したNiメッキ層とを介して銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0042】
また、この入出力端子5には、半導体パッケージ内外を導出するように、Mo−Mn等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ金属層5aが被着されているとともに、この入出力端子5上面にも枠体4との接合用のメタライズ層とその表面に被着されたNiメッキ層とが形成されている。
【0043】
このメタライズ金属層5aの表面には、耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層をメッキ法により被着させておくと、リード端子7との銀ロウ等のロウ材3による接合を可能とし、また、このNi層の表面にさらに厚さ0.5〜9μmのAu層をメッキ法により被着させることによって、半導体素子8と電気的に接続させるためのボンディングワイヤ9を接合できる。
【0044】
このリード端子7は、外部電気回路との高周波信号の入出力を行なうために導電性を有するFe−Ni−Co合金等の金属材料から成り、その金属材料のインゴットに圧延加工法や打ち抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状に形成される。
【0045】
枠体4は、Cu−W合金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金から成り、入出力端子5にその熱膨張係数が近似したものを用いることによって、ロウ付け後の残留熱応力を小さいものとし、その結果それらの接合を強固なものとできる。
【0046】
また、この枠体4が金属材料から成る場合、枠体4は半導体パッケージ内外に高周波信号を入出力させた際に発生する電磁場を遮蔽する所謂電磁遮蔽版として機能する。
【0047】
この金属材料から成る枠体4は、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工を施すことによって所定の枠状の形状に製作される。また、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層をメッキ法により被着させておくと、入出力端子5の上面との銀ロウ等のロウ材3による接合をより強固なものとできる。
【0048】
なお、枠体4の上面すなわち蓋体6に接合される面は、Au−Sn合金半田等の低融点ロウ材で接合されるため、その低融点ロウ材との濡れに優れる接合面としておく必要があることから、上述のNi層の表面にさらに厚さ0.5〜9μmのAu層を被着させておくと良い。
【0049】
このような枠体4の上面には、好ましくは枠体4と同じ材料のFe−Ni−Co合金等の金属材料から成るか、またはアルミナセラミックス等のセラミックスから成る蓋体6が、Au−Sn合金半田等の低融点ロウ材を介して接合される。
【0050】
かくして、半導体素子8は、半導体パッケージ内部に気密に封止され、また半導体装置となされた後に作動時に発する熱が効率良く大気中に放散されるため、誤作動等の問題を全く発生させない。
【0051】
このように、本発明の半導体パッケージは、上面に半導体素子8が載置される載置部1aを有する放熱板2として、放熱板2の上面側から下面側にかけての熱伝導率が300W/mK以上である部材、即ち厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面にCr−Fe合金層2b−1,Cu層2b−2,Mo層2b−3,Cu層2b−4の4層構造を有する金属層2bを拡散接合により積層させ被着させたものを使用し、さらにCu−W合金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金から成り、放熱板2側部の気孔を塞ぎ耐外圧性を強化するための基体1の開口1bに、熱伝導性に優れる銀ロウ等のロウ材3を介して嵌着して成る。
【0052】
これにより、半導体素子8が作動時に発した熱は、厚さ方向(半導体素子8が放熱板2に低融点半田を介して接合されている面からそのまま垂直下方に伝熱する経路)と、幅方向{金属層2bの横方向から放熱板2の側面(ロウ材3)を伝熱する経路}との2経路で、放熱板2の下面側に伝熱され大気中に効率良く放散される。その結果、半導体素子8は常に適温となり、半導体素子8を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0053】
また、本発明によれば、厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体2aの上下両面に、Cr−Fe合金層2b−1,Cu層2b−2,Mo層2b−3,Cu層2b−4の4層構造を有する金属層2bを拡散接合により積層させ被着させた放熱板2は、その重量が極めて軽量なものであり、半導体パッケージ内部に半導体素子8を収納して半導体装置となした場合、半導体装置の重量も極めて軽量なものとなって、近年の小型軽量化が進む電子装置への実装も可能となる。
【0054】
さらに、本発明によれば、上記金属層2bのうち、特にMo層2b−3,Cu層2b−4の2層のそれぞれの厚さを調整することによって、放熱板2の幅方向の熱膨張係数を基体1のそれに近似させることができ、そのため基体1と放熱板2との接合を強固なものとできる。
【0055】
かくして、本発明の半導体パッケージは、放熱板2の載置部1a上に半導体素子8をSn−Pb半田等の低融点半田を介して載置固定するとともに、半導体素子8の各電極をボンディングワイヤ9を介してメタライズ金属層5aに接続させ、しかる後、枠体4の上面に蓋体6をAu−Sn合金半田等の低融点ロウ材を介して接合させ、基体1、放熱板2、ロウ材3、枠体4、入出力端子5および蓋体6とから成る容器内部に半導体素子8を収納することによって、製品としての半導体装置となる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を行なうことは何等支障ない。
【0057】
例えば、放熱板2の側面とCu層2b−4の表面とに、その熱膨張係数が大きく変わらない程度にCuメッキを施しておくと、Cuメッキの熱伝導性に優れた性質から、幅方向{金属層2bの横方向から放熱板2の側面(Cuメッキとロウ材3)を伝熱する経路}の熱伝導性を非常に高くできる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、上面に半導体素子が載置される放熱板として、放熱板の上面側から下面側にかけての熱伝導率が300W/mK以上である部材、即ち厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体の上下両面に、Cr−Fe合金層,Cu層,Mo層,Cu層の4層構造を有する金属層を拡散接合させることにより積層被着させたものを使用し、さらにCu−W合金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金から成り、放熱板側部の気孔を塞ぎ耐外圧性を強化するための基体の開口に、熱伝導性に優れる銀ロウ等のロウ材を介して嵌着したことから、半導体素子が作動時に発した熱は、厚さ方向と幅方向との2経路で、放熱板の下面側に伝熱され大気中に効率良く放散される。その結果、半導体素子は常に適温となり、半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
【0059】
さらに、厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成る芯体の上下両面に、Cr−Fe合金層,Cu層,Mo層,Cu層の4層構造を有する金属層を拡散接合により積層被着させた放熱板は、その重量が極めて小さいものであり、半導体パッケージ内部に半導体素子を収納して半導体装置となした場合、半導体装置の重量も極めて小さなものとなって、近年の小型軽量化が進む電子装置への実装も可能となる。
【0060】
本発明は、好ましくは、放熱板と金属層および金属層内は拡散接合により互いに接合されて成るにより、耐熱性の劣る樹脂接着剤を介して接合させる場合に比較して、放熱板をロウ材により基体に接合することが容易となり、またスパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成法により金属層を形成する場合よりも、厚い金属層が効率良く安定して形成できる。また、拡散接合により放熱板と金属層および金属層内を一時に接合することが可能になるため、きわめて生産性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の放熱板の部分拡大断面図である。
【図3】従来の半導体パッケージの断面図である。
【図4】図3の放熱板の部分拡大断面図である。
【図5】従来の半導体パッケージの断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
1b:開口
2:放熱板
2a:芯体
2b:金属層
2b−1:クロム−鉄合金層
2b−2:銅層
2b−3:モリブデン層
2b−4:銅層
3:ロウ材
4:枠体
4a:取付部
5:入出力端子
8:半導体素子
Claims (2)
- Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金またはCu−W合金から成る枠状の基体と、該基体の開口に嵌め込まれロウ材を介して接合されるとともに上面に半導体素子が載置される載置部を有する放熱板と、前記基体上面に前記放熱板を囲繞するように取着され、かつ側部に貫通孔または切欠部から成る入出力端子の取付部を有しFe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金またはCu−W合金から成る枠体と、前記取付部に嵌着された入出力端子とから成る半導体素子収納用パッケージにおいて、前記放熱板は、厚さ方向に配向した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料から成り、かつ上面および下面に前記放熱板側からクロム−鉄合金層,銅層,モリブデン層および銅層から成る金属層が積層されて成ることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 前記放熱板と前記金属層および前記金属層内は拡散接合により互いに接合されて成ることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
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