JP2003060279A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

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JP2003060279A
JP2003060279A JP2001244090A JP2001244090A JP2003060279A JP 2003060279 A JP2003060279 A JP 2003060279A JP 2001244090 A JP2001244090 A JP 2001244090A JP 2001244090 A JP2001244090 A JP 2001244090A JP 2003060279 A JP2003060279 A JP 2003060279A
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Japan
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optical semiconductor
layer
semiconductor element
mounting portion
metal
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Application number
JP2001244090A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Kawabata
和弘 川畑
Koichi Uchimoto
晃一 内本
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光半導体素子の気密性、光半導体素子と光フ
ァイバとの光の結合効率、光半導体素子と入出力端子と
の高周波伝送特性、光半導体素子の作動時における熱放
散性を良好とする。 【解決手段】 略直方体とされた光半導体パッケージの
基体2は、Ag,Ti,Cr,ZrおよびWのうちの少
なくとも一種を0.2〜10重量部、銅を90〜99.
8重量部含有する金属成分nが含浸された炭素質母材m
内に一方向性炭素繊維lの集合体が分散された金属炭素
複合体Aから成る基材の表面に、基材側から、Fe,F
e−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から成る接着
層Xと、Mo層Yと、Cu層Zとが順次積層されて成る
金属層Bが被着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ(L
D),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を収
容するための光半導体素子収納用パッケージ、およびそ
の光半導体素子収納用パッケージを用いた光半導体装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光半導体素子収納用パッケージ
(以下、光半導体パッケージという)を図3〜図5にそ
れぞれ平面図,断面図および部分拡大断面図で示す(特
開2000−150746号公報参照)。
【0003】この光半導体パッケージは、上面に光半導
体素子101がペルチェ素子等の熱電冷却素子105を
介して載置される載置部102aを有するとともに、対
向する端部に貫通穴または切欠きから成るネジ取付部1
02bを有する基体102を有する。また、基体102
の上面に載置部102aを囲繞するように銀ロウ等のロ
ウ材で接合されるとともに、一側部に形成された光信号
の経路と成る貫通孔103aと、他の側部に形成された
貫通開口または切欠き部から成る入出力端子取付部10
3bが設けられた枠体103を有する。また、入出力端
子取付部103bに嵌着された入出力端子106を有し
ている。さらに、貫通孔103aには、内周面に集光用
レンズとして機能する透光性部材108がロウ付けされ
るとともに光信号を光半導体パッケージ内外に伝送する
光ファイバ(図示せず)を固定する筒状の光ファイバ固
定部材107が嵌着されている。
【0004】また、入出力端子106には、メタライズ
層106aが枠体103を挿通するように形成されると
ともに、外部電気回路(図示せず)に接合されるリード
端子107が枠体103外側のメタライズ層106aに
銀ロウ等のロウ材を介して接合される。
【0005】また、シールリング104は、ほぼ面一と
なる枠体103上面と入出力端子106上面に銀ロウ等
のロウ材で接合され、光半導体パッケージに蓋体(図示
せず)をシーム溶接やロウ接合する際の接合媒体として
機能する。
【0006】なお、基体102は、その上面側から下面
側にかけて一方向に配列した一方向性炭素繊維を炭素で
結合した一方向性炭素繊維複合材料から成る。その一方
向性炭素繊維複合材料は、横方向(一方向性炭素繊維の
方向に垂直な方向)の弾性率が非常に低く、かつ熱膨張
係数が約7ppm/℃(×10-6/℃)であり、その上
下面に、クロム(Cr)−Fe合金層から成る第1層
と、銅(Cu)層から成る第2層と、Fe−Ni−Co
合金層から成る第3層の3層構造を有する金属層が被着
されている。これにより、横方向の熱膨張係数を10〜
13ppm/℃に調整している。
【0007】また、基体102の縦方向(一方向性炭素
繊維の方向に平行な方向)の熱膨張係数は、一方向性炭
素繊維の方向の弾性率が非常に高いため、その弾性率は
高く、かつその熱膨張係数は一方向性炭素繊維の方向の
熱膨張係数(殆ど約0ppm/℃)に近似したものとな
る。また、基体102は、縦方向の熱伝導率が約300
W/m・K以上と非常に高いのに対し、横方向の熱伝導
率は、それぞれの一方向性炭素繊維の間に非常に多くの
気孔を有しているため約30W/m・K以下と非常に低
く、縦方向と横方向とで熱伝導率が大きく異なってい
る。
【0008】このような基体102は、ネジ取付部10
2bを介して外部電気回路のヒートシンク部にネジ止め
されて密着固定されることにより、光半導体素子101
が作動時に発する熱を効率良くヒートシンク部に伝える
所謂放熱板としても機能する。
【0009】そして、基体102を有する光半導体パッ
ケージに光半導体素子101を載置固定した後、光半導
体素子101とメタライズ層106aとをボンディング
ワイヤ(図示せず)で電気的に接続し、蓋体により光半
導体素子101を気密に封止することにより、製品とし
ての光半導体装置となる。なお、光半導体素子101
は、外部電気回路から入力される高周波信号、または光
ファイバから入力される光信号により作動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基体1
02の上面に接合される枠体103が基体102の上面
の所定の位置に無い場合、即ち、枠体103の接合位置
がずれている場合、基体102と枠体103との間に隙
間ができて、光半導体素子101の気密性が損なわれる
という問題点があった。
【0011】また、この場合、略直方体の光半導体素子
101の一側面を略四角形の基体102の端面に平行と
なるようにして光半導体素子101を載置部102aに
載置固定した際、光半導体素子101と、枠体103の
一側部に対してほぼ垂直方向に伸びるように光ファイバ
固定部材107に固定される光ファイバとの光軸の調整
が非常に困難となる。即ち、光半導体素子101と光フ
ァイバとの光の結合効率が低くなるため、光半導体素子
101が誤作動する等の問題点を有していた。
【0012】さらに、上記従来の構成では、光半導体素
子101の電極と入出力端子106のメタライズ層10
6aがボンディングワイヤで接続されるべき所定の位置
からずれるため、光半導体素子101と入出力端子10
6との電気的接続を行うためのボンディングワイヤの長
さが非常に長くなる部位が生じる。このため、この部位
におけるインピーダンスが大きくなる。その結果、光半
導体素子101と入出力端子106との高周波信号の伝
送特性が劣化するという問題点があった。
【0013】なお、このような問題点を解決する手段と
して、枠体103の側面を光半導体素子101に対する
アライメント面として、光半導体素子101の一側面を
枠体103の側面に平行となるように載置部102aに
載置固定することも考えられる。しかし、枠体103を
基体102の上面に対して正確に垂直に設置することが
困難なため、基体102の上面に対して光ファイバが正
確に平行とはなり難い。また、そのような光軸がずれた
光ファイバを有する光半導体装置が多数ある場合、光フ
ァイバの光軸を外部電気回路上で個々に調整しようとす
ると、調整作業が非常に煩雑なものとなる。
【0014】また、光半導体素子101が作動時に発す
る熱量が非常に大きい場合、その熱は、基体102上面
の熱電冷却素子105が接合されている接合部(載置部
102a)からほぼ直下のみにしか伝わらないことと、
Fe−Ni−Co合金等から成る枠体103の熱伝導率
が約17W/m・Kであり基体102に比し非常に低い
ことから、熱は基体102と枠体103とで構成される
空所(内部空間)に蓄熱され、その結果光半導体素子1
01の作動性を損なわせたり、光半導体素子101を熱
破壊させたりするといった問題点があった。
【0015】この問題点を解決する手段として、熱電冷
却素子105を大型化し熱伝達の効率を向上させること
も考えられるが、この場合光半導体パッケージが大型化
し近時の小型化,軽量化といった動向から外れることに
なる。
【0016】また、光半導体パッケージと外部電気回路
のヒートシンク部との密着固定を強固なものとし、ヒー
トシンク部への熱伝達効率を高めるために、ネジ取付部
102bをネジでヒートシンク部に高いトルクで締め付
けると、圧縮強度が金属に比べて桁違いに小さいネジ取
付部102bが厚さ方向に潰れてしまい、光半導体パッ
ケージとヒートシンク部との密着固定ができなくなる。
そのため、光半導体素子101の発する熱をヒートシン
ク部に良好に伝達できなくなり、光半導体素子101の
作動性を損なわせたり、光半導体素子101を熱破壊さ
せたりする等の問題点を有していた。
【0017】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、LD,PD等の光半導体
素子の気密性を確実なものとし、また光半導体素子と光
ファイバとの光の結合効率を良好なものとし、さらに光
半導体素子と入出力端子との高周波伝送特性を良好なも
のとすることである。また、光半導体素子の作動時に発
する熱を効率良く大気中やヒートシンク部に伝えること
により、光半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作
動させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光半導体パッケ
ージは、略直方体とされ、上面に形成された凹部の底面
に光半導体素子を載置するための載置部および一側部か
ら前記凹部にかけて形成された貫通孔から成る光ファイ
バ固定部材取付部ならびに他の側部から前記凹部にかけ
て形成された貫通開口または切欠き部から成る入出力端
子取付部を有するとともに、対向する側壁の外面の下端
の外側に突出するように形成された張出部に貫通穴また
は切欠きから成るネジ取付部が設けられた基体と、前記
光ファイバ固定部材取付部に嵌着された筒状の光ファイ
バ固定部材と、前記入出力端子取付部に嵌着された入出
力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージにお
いて、前記基体は、銀,チタン,クロム,ジルコニウム
およびタングステンのうちの少なくとも一種を0.2〜
10重量部、銅を90〜99.8重量部含有する金属成
分が含浸された炭素質母材内に一方向性炭素繊維の集合
体が分散された金属炭素複合体から成る基材の表面に、
前記基材側から鉄,鉄−ニッケル合金または鉄−ニッケ
ル−コバルト合金から成る接着層と、モリブデン層と、
銅層とが順次積層されて成る金属層が被着されているこ
とを特徴とする。
【0019】本発明は、上記の構成により、光半導体素
子の気密性、光半導体素子と光ファイバとの光の結合効
率、光半導体素子と入出力端子との高周波伝送特性、光
半導体素子の作動時に発する熱の伝達性、および基体の
剛性を良好なものとできる。その結果、光半導体素子を
長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0020】本発明において、好ましくは、前記接着層
および前記モリブデン層は厚さが5〜30μmであり、
前記銅層は厚さが100〜700μmであることを特徴
とする。
【0021】本発明は、上記の構成により、光半導体素
子の作動時に発する熱の伝達性をより良好とできる。
【0022】本発明の光半導体装置は、本発明の光半導
体パッケージと、前記載置部に載置固定され前記入出力
端子に電気的に接続された光半導体素子と、前記基体の
上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0023】本発明は、このような構成により、上記本
発明の光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導
体装置を提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の光半導体パッケージにつ
いて以下に詳細に説明する。図1,図2は本発明の光半
導体パッケージについて実施の形態の一例を示すもので
あり、図1は光半導体パッケージの断面図、図2は光半
導体パッケージの基体の部分拡大断面図である。
【0025】図1において、1はLD,PD等の光半導
体素子、2は金属炭素複合体Aから成る基材の表面に金
属層Bが形成された基体、3は基体2の上面に接合され
たシールリング、4は基体2の取付部2dに嵌着された
入出力端子、6は基体2の貫通孔2cから成る光ファイ
バ固定部材取付部に嵌着された筒状の光ファイバ固定部
材(以下、固定部材という)である。これら基体2,シ
ールリング3,入出力端子4,固定部材6とで光半導体
素子1を内部に収容する容器が主に構成される。
【0026】また、図2において、Bは金属層、lは一
方向性炭素繊維、mは炭素質母材、nは銀(Ag),チ
タン(Ti),クロム(Cr),ジルコニウム(Z
r),タングステン(W)のうちの少なくとも一種を
0.2〜10重量部、銅(Cu)を90〜99.8重量
部含有する金属成分である。Aは一方向性炭素繊維l、
炭素質母材m、金属成分nから成る金属炭素複合体であ
り、基体2は金属炭素複合体Aから成る基材の表面に金
属層Bを被着して成る。
【0027】図2に示すように、金属炭素複合体Aは、
Ag,Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を
0.2〜10重量部、Cuを90〜99.8重量部含有
する金属成分nが含浸された炭素質母材m内に一方向性
炭素繊維lの集合体が分散されたものである。この金属
炭素複合体Aは、例えば以下の工程[1]〜[7]のよ
うにして作製される。
【0028】[1]一方向性炭素繊維の束を炭素で結合
したブロックを小さな炭素繊維の集合体に破砕し、破砕
された炭素繊維の集合体を集めて固体のピッチあるいは
コークス等の微粉末を分散させたフェノール樹脂等の熱
硬化性樹脂の溶液中に浸す。なお、ブロックを破砕して
得られる小塊の大きさは矩形のものに換算して一辺が約
0.1〜1mm程度である。
【0029】[2]これを乾燥させて所定の圧力を加え
るとともに加熱して熱硬化性樹脂部分を硬化させる。
【0030】[3]不活性雰囲気中、高温で焼成するこ
とでフェノール樹脂とピッチあるいはコークスの微粉末
を炭化させて炭素質母材mとする。炭素質母材mは、そ
れ自体200〜300W/m・Kの大きな熱伝導率を有
し、光半導体素子1の発する熱の伝熱経路としても機能
する。
【0031】[4]一方、溶融したCuの中に、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部含有することにより、互いに融解した液状
体を作製しておく。
【0032】[5]次に、[4]で作製された、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部、Cuを90〜99.8重量部含有する金
属成分n(液状体)を、炭素質母材m内に高温高圧のも
とで含浸させたブロックとなす。含浸された金属成分n
は塊状または薄板状であり、炭素質母材m内に分散され
ることとなる。このブロックを板状に切り出して金属炭
素複合体Aとなる板を作製し、この板の寸法は、例えば
厚さが0.5〜2mm程度、平視面における縦×横の寸
法が100mm角程度である。
【0033】[6]この板を所望の形状に加工して金属
炭素複合体Aを作製する。
【0034】[7]金属炭素複合体Aの表面に金属層B
を被着する。
【0035】本発明の金属炭素複合体Aの熱膨張係数
は、金属成分nが含浸されていることにより、8〜10
ppm/℃となる。また、金属成分nが含浸されている
ことにより、炭素質母材mとの密着性が非常に良好なも
のとなる。そのため、光半導体素子1の作動時に発する
熱は基体2の内部を効率良く伝達し、外部電気回路のヒ
ートシンク部に確実に伝熱される。さらに、金属成分n
が含浸されていることにより、金属炭素複合体Aの剛性
が高くなり、光半導体パッケージをネジ取付部2bを介
して外部電気回路にネジ止めにより固定する場合、金属
炭素複合体Aが潰れることなく強固に固定できる。その
ため、光半導体素子1の作動時に発する熱を外部電気回
路のヒートシンク部に確実に伝熱できる。
【0036】なお、金属成分nは、その熱膨張係数が1
7〜20ppm/℃、熱伝導率が350W/m・K以
上、弾性率が80GPa以上、融点が1000℃以上と
なり、それらの諸特性は光半導体パッケージの製作上、
特性上好ましいものとなる。
【0037】また、金属成分nがAgとCuから成る場
合、金属成分nと炭素質母材mとは、それらの間の濡れ
性が高いため密着性が非常に高くなる。また、金属成分
nがTi,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種とC
uとから成る場合、金属成分nと炭素質母材mとは、そ
れらの間でTi,Cr,Zr,Wの炭素化合物が生成さ
れるため密着性が非常に高くなる。
【0038】Ag,Ti,Cr,Zr,Wのうちの少な
くとも一種が0.2重量部未満の場合、濡れ性や炭素化
合物の生成が促進されないため、密着性が低下し、その
結果、光半導体素子1の作動時に発する熱は基体2の内
部を効率良く伝達し難くなる。一方、10重量部を超え
る場合、同様に濡れ性や炭素化合物の生成が促進されな
いため、密着性が低下する。特にTi,Cr,Zr,W
の場合には、Cu中に融解され難くなり、熱伝導性の低
いTi,Cr,Zr,WがCu中および/またはCu表
面に分散されることとなり、光半導体素子1の作動時に
発する熱は基体2の内部を効率良く伝達し難くなる。
【0039】また、熱膨張係数について、金属成分nを
炭素質母材m内に適当量(10〜20重量%程度)の含
有量で含浸させれば、金属炭素複合体Aとしての熱膨張
係数が光半導体素子1と大幅に異なる程度に上昇するこ
とは無い。また、金属成分nのうち特にAgの場合は熱
伝導率が非常に高いため光半導体素子1の作動時に発す
る熱を伝えるのに有利である。また、金属炭素複合体A
の弾性率は従来に比し高くなるため、金属成分nが基体
2の両端部をネジで外部電気回路基板等に締め付けた際
の補強材として機能し、基体2の破損を有効に防止す
る。
【0040】また、金属成分nの融点は非常に高いた
め、光半導体パッケージを融点が780℃程度以上の銀
ロウ等のロウ材で組み立てても溶融されることが無く、
常に炭素質母材m内を安定させておくことができる。な
お、ロウ付け時に溶融するような金属の場合は基体2の
端面から溶け出す場合があり、光半導体パッケージ用と
しては不適である。
【0041】また、基体2は金属炭素複合体Aから成る
基材の表面に金属層Bが被着されている。金属層Bは、
Fe,Fe−Ni合金またはFe−Ni−Co合金から
成り、金属炭素複合体Aとの接合を強固とする接着層X
と、金属炭素複合体Aと金属層Bとの熱膨張係数を調整
するMo層Yと、光半導体素子1が発する熱を効率良く
伝達するCu層Zとから成る。接着層Xは、その成分で
あるFe成分と金属炭素複合体A中のカーボン(C)と
の拡散接合により、金属炭素複合体Aと金属層Bとの接
合を強固とし得る。
【0042】なお、従来の技術では接着層X(第1層)
はCr−Fe合金から成るとしていたが、これは、第2
層(Cu層)が第1層の成分であるCrと第3層(Fe
−Ni−Co合金層)との相互拡散を有効に防止する、
所謂拡散防止層として機能することにより、第1層を正
常な状態、即ち空隙の無い緻密な状態に保持し、第1層
と金属炭素複合体Aとの接合を良好なものとしていたた
めであった。
【0043】しかしながら、光半導体素子1が発する熱
が非常に大きくなる場合、第2層の厚さを厚くしなけれ
ば金属炭素複合体Aへの伝熱が低下してしまう。そのた
め、第2層の厚さを厚くして熱の伝達を良好なものとす
ることを試みた。しかし、第1層と第2層との熱膨張係
数差、および第2層と第3層との熱膨張係数差により、
第1層,第3層と第2層との接着性が損なわれ、光半導
体素子1が発する熱を効率良く金属炭素複合体Aに伝達
できなかった。
【0044】そこで、本発明者は、Mo層Y(従来の第
2層)として拡散防止層(Cu層)を形成せずとも、接
着層X(従来の第1層)とMo層Yとの接合が強固とな
るとともに接着層Xが正常な状態となるように、接着層
Xとして、Crを含有せず、かつ金属炭素複合体Aとの
拡散接合が良好な金属、即ちFe,Fe−Ni合金また
はFe−Ni−Co合金のいずれかを採用した。
【0045】この接着層Xの厚さは5〜30μm程度が
良く、5μm未満の場合、金属炭素複合体Aにホットプ
レスにより熱を加えて接合した際、接着層Xに空隙(ボ
イド)等が発生し接合性が劣化し、光半導体素子1が発
する熱を効率良く金属層Bから金属炭素複合体Aに伝え
難くなる。一方、30μmを超えると、接着層Xと金属
炭素複合体Aとの熱膨張係数差によって発生する熱応力
により、接着層Xと金属炭素複合体Aとの接合性が劣化
し、光半導体素子1が発する熱を効率良く金属層Bから
金属炭素複合体Aに伝え難くなる。
【0046】また、Mo層Yは、接着層Xとの接合の際
にMoが接着層Xならびに金属炭素複合体Aに拡散する
ことにより接合が強固なものとなる。即ち、従来のよう
に拡散防止層としてのCu層が存在しないため、Moの
接着層Xや金属炭素複合体Aへの拡散が促進され接合が
強固となる。また、前述のように接着層XはCr成分を
含有していないため、Mo層Y中に接着層XのCr成分
が拡散することはなく、接着層Xに空隙等を発生させる
ことはない。そのため、接着層Xと金属炭素複合体Aと
の接合性が劣化することはない。
【0047】また、Mo層Yは剛性が高く、かつ熱膨張
係数が約5ppm/℃程度であるため、接着層XとCu
層Zとの中間媒体、具体的には熱膨張係数の調整層とし
て機能する。
【0048】このMo層Yの厚さは5〜30μm程度が
良く、5μm未満の場合、薄すぎるため熱膨張係数の調
整層としての機能が低下する。その結果、基体2に接合
される入出力端子4等との間で熱膨張係数差が生じ、基
体2または入出力端子4等にクラック等が発生し、光半
導体パッケージ内部の気密性が劣化する。一方、30μ
mを超えると、熱膨張係数の調整層としての機能が低下
するとともに、熱伝導率がそれほど高くないため光半導
体素子1が発する熱を効率良く金属炭素複合体Aに伝達
し難くなる。
【0049】Mo層Yの上面に接合されるCu層Zは、
熱伝導率が非常に高いCuから成り、光半導体素子1が
発する熱を効率良く載置部2aから面方向(横方向)に
伝え、金属炭素複合体Aの全面に伝熱する。Cu層Zと
Mo層Yとの接合は、Mo層YのMoがCu層Zに拡散
することにより強固に行なわれる。即ち、Mo層YのM
oは、接着層X,金属炭素複合体A,Cu層Zに拡散さ
れることになり、熱膨張係数調整層としての機能以外
に、接着層X,金属炭素複合体A,Cu層Z間を強固に
接着する接合媒体としての機能も有する。
【0050】Cu層Zの厚さは100〜700μm程度
が良く、100μm未満では、厚さが薄いため光半導体
素子1が発する熱を効率良く外部に伝達できない場合が
ある。700μmを超えると、Mo層YとCu層Zとの
間の熱膨張係数差による熱応力により、それらの間で熱
歪みが発生し剥がれる場合があり、光半導体素子1が発
する熱を効率良く伝達し難くなる。本発明者は、好まし
くはCu層Zの厚さが100〜700μm、より好まし
くは300〜700μmであれば、光半導体素子1が発
する熱を十分に金属炭素複合体Aに伝達できることを確
認した。
【0051】また、金属層Bの金属炭素複合体Aへの接
合は、例えば、金属炭素複合体Aの表面に厚さがそれぞ
れ10μm程度のFe箔から成る接着層XとMo箔から
成るMo層Yを順次載置し、Mo層Yの上面に厚さが5
00μm程度のCu箔から成るCu層Zを載置し、次に
真空ホットプレスで5MPa(メガパスカル)の圧力を
かけつつ1200℃程度の温度を1時間加えることによ
りなされる。
【0052】この金属層Bは、基材の表面に露出してい
る一方向性炭素繊維lの気孔を完全に被覆し、光半導体
パッケージ内部の気密性を保持する機能を有するととも
に、光半導体素子1の作動時に発する熱を横方向(載置
部2aの面方向)に伝える所謂伝熱媒体として機能す
る。
【0053】また、金属層Bは、光半導体パッケージ内
部の気密性をヘリウム(He)を使用して検査した際、
Heの一部が一方向性炭素繊維lの気孔中にトラップさ
れるのを有効に防止し、その結果検査に対して適格な光
半導体パッケージとし得る。更に、金属層Bは、光半導
体素子1が作動時に発する熱を、光半導体素子1が載置
されている載置部2aから金属層Bに沿って横方向に伝
えることによって、光半導体パッケージ内部全域から光
半導体パッケージ外部全域(ヒートシンク部と大気中)
へと効率良く熱を放散させ得る。
【0054】また、本発明においては、従来構成では載
置部2aを囲繞する枠体(側壁部)となる部位も、載置
部2aを有する部位と全く同一の材質で構成されている
ため、光半導体素子1の発する熱が載置部2aの周辺部
から載置部2aを囲繞する側壁部に伝わっても、側壁部
から効率良く外部(大気中)に放散される。即ち、光半
導体素子1が作動時に発する熱量が非常に大きい場合で
あっても、載置部2aを有する部位(底部)から載置部
2aを囲繞する側壁部を介して大気中に伝わる経路と、
載置部2aを有する部位からその下方のヒートシンク部
に伝わる経路との2経路により、効率良く熱を放散させ
得る。
【0055】具体的には、基体2は、光半導体素子1の
載置部2aに垂直な方向および水平な方向のいずれにお
いても350〜400W/m・K程度の熱伝導率が得ら
れる。その結果、光半導体素子1の作動時に発する熱量
が非常に大きい場合であっても、その熱は載置部2aの
部位から側壁部にランダムな経路で効率良く伝わり、最
終的に大気中に伝わる経路と、載置部2aの部位からラ
ンダムな経路でヒートシンク部に伝わる経路との2経路
により、効率良く熱を放散させ得る。
【0056】また、載置部2aの部位と載置部2aを囲
繞する側壁部とが一体的に作製されているため、従来の
ようにそれらの間に隙間ができて光半導体素子1の気密
性が損なわれるという懸念が全く無い。また、上記のよ
うに一体的に作製されているため、略直方体の光半導体
素子1の光入出力端面が側壁部の一側面に平行となるよ
うに載置部2aに光半導体素子1を載置固定すると、光
半導体素子1と、側壁部の一側面にほぼ垂直に伸びるよ
うに固定部材6に固定される光ファイバ7との光軸調整
が非常に容易になる。即ち、光半導体素子1の光入出力
端面と側壁部の一側面とが常に平行となるため、光半導
体素子1と光ファイバ7との光の結合効率を常に良好と
し得る。
【0057】さらに、本発明では、基体2の底部と側壁
部とが一体化されているため底部と側壁部とが位置ずれ
を起こすことがない。その結果、光半導体素子1の電極
は入出力端子4のメタライズ層4aに対して、常に接続
されるべき所定位置にあるため、それらを電気的に接続
するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなければ
ならない部位が発生しなくなる。従って、ボンディング
ワイヤの長さをいずれの部位においても常に一定とで
き、インピーダンスが常に一定となる光半導体素子1と
なる。そのため、光半導体素子1と入出力端子4との高
周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0058】基体2の側壁の一側部には、光信号の経路
となる貫通孔2cが形成されるとともに、側壁の他の側
部には、外部電気回路と高周波信号の入出力を行う入出
力端子4を嵌着するための貫通開口または切欠き部から
成る入出力端子取付部2dが形成される。貫通孔2cの
内周面または貫通孔2cの基体2の外面側開口の周辺部
には、光ファイバ7を挿通し樹脂接着剤等で接着したホ
ルダー8を固定するための固定部材6が、銀ロウ等のロ
ウ材で接合される。固定部材6はFe−Ni−Co合金
やFe−Ni合金等の金属材料から成り、Fe−Ni−
Co合金から成る場合、この合金のインゴットに圧延加
工やプレス加工等の金属加工を施すことにより所定の形
状に作製される。また、その表面には酸化腐食を有効に
防止するために、0.5〜9μmのNi層や0.5〜5
μmのAu層等の金属層をメッキ法により被着させてお
くと良い。
【0059】なお、固定部材6の内周面には、集光レン
ズとして機能するとともに光半導体パッケージの内部を
塞ぐ非晶質ガラス等から成る透光性部材9が、その接合
部の表面に形成されたメタライズ層を介して、200〜
400℃の融点を有するAu−Sn合金等の低融点ロウ
材で接合される。この透光性部材9は、熱膨張係数が4
〜12ppm/℃(室温〜400℃)のサファイア(単
結晶アルミナ)や非晶質ガラス等から成り、球状,半球
状,凸レンズ状,ロッドレンズ状等の形状とされる。そ
して、光ファイバ7を伝わってきた外部のレーザ光等の
光を光半導体素子1に入力させる、または光半導体素子
1で出力したレーザ光等の光を光ファイバ7に入力させ
るための集光用部材として用いられる。透光性部材9
が、例えば結晶軸の存在しない非晶質ガラスの場合、酸
化珪素(SiO2),酸化鉛(PbO)を主成分とする
鉛系、またはホウ酸やケイ砂を主成分とするホウケイ酸
系のものを用いる。
【0060】また、透光性部材9は、その熱膨張係数が
基体2のそれと異なっていても、固定部材6が熱膨張差
による応力を吸収し緩和するので、結晶軸が応力のため
にある方向に揃うことにより光の屈折率の変化を起こす
ようなことは発生しにくい。従って、このような透光性
部材9を用いることにより、光半導体素子1と光ファイ
バ7との間の光の結合効率を高くできる。
【0061】また、ホルダー8は、固定部材6にYAG
レーザ溶接等で接合されるため、固定部材6と同様に金
属材料から成る方が良い。更には、ホルダー8の熱膨張
係数は、光半導体素子1と光ファイバ7との光軸がずれ
ることが無いように、固定部材6と同様の材質であるこ
とが良い。従って、ホルダー8の材料は、固定部材6が
Fe−Ni−Co合金であればFe−Ni−Co合金が
良く、固定部材6がFe−Ni合金であればFe−Ni
合金であることが良い。
【0062】また、入出力端子取付部2dには、その内
周面に入出力端子4が金属層Bを介してAgロウ等のロ
ウ材で嵌着接合されている。この入出力端子4は、絶縁
性のセラミック基板に導電性のメタライズ層4aが被着
された平板部と、メタライズ層4aを間に挟んで平板部
上面に接合された立壁部とから成り、光半導体パッケー
ジ内部の気密性を保持する機能を有するとともに、光半
導体パッケージと外部電気回路との高周波信号の入出力
を行う機能を有する。なお、セラミック基板の材料は、
誘電率や熱膨張係数等の特性に応じて、アルミナ(Al
23)セラミックスや窒化アルミニウム(AlN)セラ
ミックス等のセラミックス材料から選択すればよい。
【0063】入出力端子4は、セラミック基板となる原
料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペー
スト状と成すとともに、このペーストをドクターブレー
ド法やカレンダーロール法によって形成されたセラミッ
クグリーンシートに、メタライズ層4aとなるW,M
o,マンガン(Mn)等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加
混合して得た金属ペーストを、従来周知のスクリーン印
刷法により所望のパターン形状に印刷塗布し、約160
0℃の高温で同時焼結することにより作製される。
【0064】また、メタライズ層4a上面には、入出力
端子4との接合を強固なものとするために熱膨張係数が
入出力端子4のセラミック基板に近似した部材から成る
リード端子(図示せず)が銀ロウ等のロウ材で接合され
る。例えば入出力端子4のセラミック基板がAl23
ラミックスから成る場合、リード端子はFe−Ni−C
o合金やFe−Ni合金から成る。
【0065】このような入出力端子4,固定部材6が嵌
着接合された基体2上面には、蓋体5をシーム溶接やA
u−Snロウで接合するための接合媒体として機能す
る、Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等の金属か
ら成るシールリング3が、Agロウ等のロウ材で接合さ
れる。シールリング3は、例えばFe−Ni−Co合金
から成る場合、この合金のインゴットに圧延加工やプレ
ス加工等の金属加工を施すことにより所定の形状に製作
される。また、その表面には酸化腐食を有効に防止する
ために、0.5〜9μmのNi層や0.5〜5μmのA
u層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良
い。
【0066】また、シールリング3の上面には、Fe−
Ni−Co合金,Fe−Ni合金等から成る金属製の蓋
体5、またはAl23セラミックス,AlNセラミック
ス等から成るセラミックス製の蓋体5が接合され、蓋体
5により光半導体素子1を光半導体パッケージ内部に気
密に封止する。
【0067】このように、本発明の光半導体パッケージ
は、略直方体とされ、上面に形成された凹部の底面に光
半導体素子1を載置するための載置部2aおよび一側部
から凹部にかけて形成された貫通孔2cから成る光ファ
イバ固定部材取付部ならびに他の側部から凹部にかけて
形成された貫通開口または切欠き部から成る入出力端子
取付部2dを有するとともに、対向する側壁の外面の下
端の外側に突出するように形成された張出部に貫通穴ま
たは切欠きから成るネジ取付部2bが設けられた基体2
と、光ファイバ固定部材取付部2cに嵌着された筒状の
固定部材6と、入出力端子取付部2dに嵌着された入出
力端子4とを具備する。
【0068】そして、基体2は、Ag,Ti,Cr,Z
rおよびWのうちの少なくとも一種を0.2〜10重量
部、Cuを90〜99.8重量部含有する金属成分nが
含浸された炭素質母材m内に一方向性炭素繊維lの集合
体が分散された金属炭素複合体Aから成る基材の表面
に、基材側からFe,Fe−Ni合金またはFe−Ni
−Co合金から成る接着層Xと、Mo層Yと、Cu層Z
とが順次積層されて成る金属層Bが被着されていること
を特徴とする。
【0069】また、上記本発明の光半導体パッケージ
と、載置部2aに載置固定され入出力端子4に電気的に
接続された光半導体素子1と、基体2の上面に接合され
た蓋体5とを具備することにより、製品としての光半導
体装置となる。なお、固定部材6に端部が挿着される光
ファイバ7は、一般に光半導体装置の使用時に設けられ
るが、単品としての光半導体装置に付加されていてもよ
く、または光半導体装置が外部電気回路等に固定されて
使用される際に取り付けるようにしてもよい。
【0070】光半導体装置は、具体的には、載置部2a
に光半導体素子1をガラス,樹脂,ロウ材等の接着剤を
介して接着固定するとともに光半導体素子1の電極をボ
ンディングワイヤを介して所定のメタライズ層4aに電
気的に接続し、しかる後、シールリング3上面に蓋体5
をガラス,樹脂,ロウ材,シーム溶接等により接合する
ことにより、基体2,シールリング3,入出力端子4,
蓋体5,固定部材6,透光性部材9から成る光半導体パ
ッケージ内部に光半導体素子1を収納した製品としての
光半導体装置となる。
【0071】このような光半導体装置は、例えば外部電
気回路から供給される高周波信号により光半導体素子1
を光励起させ、励起したレーザ光等の光を透光性部材9
を通して光ファイバ7に授受させるとともに光ファイバ
7内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝
送できる光電変換装置として機能し、光通信分野等に用
いられる。
【0072】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変
更を行うことは何等支障ない。例えば、光半導体装置
は、内部または外部に、例えば固定部材6の基体2内側
または外側に、あるいは基体2外側の光ファイバ7の途
中に、戻り光防止用の光アイソレータを設けても良い。
この場合、光半導体素子1と光ファイバ7との光の結合
効率がさらに良好なものとなる。
【0073】
【発明の効果】本発明は、略直方体とされ、上面に形成
された凹部の底面に光半導体素子を載置する載置部を有
する基体は、銀,チタン,クロム,ジルコニウムおよび
タングステンのうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部、銅を90〜99.8重量部含有する金属成分が含
浸された炭素質母材内に一方向性炭素繊維の集合体が分
散された金属炭素複合体から成る基材の表面に、基材側
から鉄,鉄−ニッケル合金または鉄−ニッケル−コバル
ト合金から成る接着層と、モリブデン層と、銅層とが順
次積層されて成る金属層が被着されていることにより、
光半導体素子の気密性、光半導体素子と光ファイバとの
光の結合効率、光半導体素子と入出力端子との高周波伝
送特性、および光半導体素子の作動時の熱放散性を非常
に良好とし得るという作用効果を有する。その結果、光
半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得
る。
【0074】本発明の光半導体装置は、本発明の光半導
体パッケージと、載置部に載置固定され入出力端子に電
気的に接続された光半導体素子と、基体の上面に接合さ
れた蓋体とを具備したことにより、上記本発明の作用効
果を有する光半導体パッケージを用いた信頼性の高いも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体パッケージについて実施の形
態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の光半導体パッケージにおける基体の部分
拡大断面図である。
【図3】従来の光半導体パッケージの平面図である。
【図4】図3の光半導体パッケージの断面図である。
【図5】図3の光半導体パッケージにおける基体の部分
拡大断面図である。
【符号の説明】
1:光半導体素子 2:基体 2a:載置部 2b:ネジ取付部 2c:貫通孔 2d:入出力端子取付部 4:入出力端子 5:蓋体 6:光ファイバ固定部材 l:一方向性炭素繊維 m:炭素質母材 n:金属成分 A:金属炭素複合体 X:接着層 Y:Mo層 Z:Cu層 B:金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 BA12 DA03 DA04 DA05 DA06 DA15 DA36 5F073 AB27 AB28 BA02 EA29 FA15 FA27 5F088 AA01 BA15 BA16 BA20 BB01 JA03 JA10 JA12 JA14 JA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体とされ、上面に形成された凹部
    の底面に光半導体素子を載置するための載置部および一
    側部から前記凹部にかけて形成された貫通孔から成る光
    ファイバ固定部材取付部ならびに他の側部から前記凹部
    にかけて形成された貫通開口または切欠き部から成る入
    出力端子取付部を有するとともに、対向する側壁の外面
    の下端の外側に突出するように形成された張出部に貫通
    穴または切欠きから成るネジ取付部が設けられた基体
    と、前記光ファイバ固定部材取付部に嵌着された筒状の
    光ファイバ固定部材と、前記入出力端子取付部に嵌着さ
    れた入出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケ
    ージにおいて、前記基体は、銀,チタン,クロム,ジル
    コニウムおよびタングステンのうちの少なくとも一種を
    0.2〜10重量部、銅を90〜99.8重量部含有す
    る金属成分が含浸された炭素質母材内に一方向性炭素繊
    維の集合体が分散された金属炭素複合体から成る基材の
    表面に、前記基材側から鉄,鉄−ニッケル合金または鉄
    −ニッケル−コバルト合金から成る接着層と、モリブデ
    ン層と、銅層とが順次積層されて成る金属層が被着され
    ていることを特徴とする光半導体素子収納用パッケー
    ジ。
  2. 【請求項2】 前記接着層および前記モリブデン層は厚
    さが5〜30μmであり、前記銅層は厚さが100〜7
    00μmであることを特徴とする請求項1記載の光半導
    体素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光半導体素子収納用パッ
    ケージと、前記載置部に載置固定され前記入出力端子に
    電気的に接続された光半導体素子と、前記基体の上面に
    接合された蓋体とを具備したことを特徴とする光半導体
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006049605A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体レーザ装置

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