JP2003152261A - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置

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JP2003152261A
JP2003152261A JP2001351532A JP2001351532A JP2003152261A JP 2003152261 A JP2003152261 A JP 2003152261A JP 2001351532 A JP2001351532 A JP 2001351532A JP 2001351532 A JP2001351532 A JP 2001351532A JP 2003152261 A JP2003152261 A JP 2003152261A
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optical semiconductor
layer
semiconductor element
metal
mounting portion
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JP2001351532A
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English (en)
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Kiyotaka Yokoi
清孝 横井
Koichi Uchimoto
晃一 内本
Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光半導体素子の気密性、光半導体素子と光フ
ァイバとの光の結合効率、光半導体素子と入出力端子と
の高周波伝送特性、光半導体素子の作動時における熱放
散性を良好とする。 【解決手段】 略直方体とされた光半導体パッケージの
基体2は、Ag,Ti,Cr,ZrおよびWのうちの少
なくとも一種を0.2〜10重量部ならびにCuを90
〜99.8重量部含有する金属成分nが含浸された炭素
質母材m内に一方向性炭素繊維lの集合体が分散された
金属炭素複合体Aを基材とし、その基材の表面に金属メ
ッキ層Xとロウ材層Yと金属炭素複合体Aの厚さの1/
10〜1/2のCu層Zとが順次積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ(L
D),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を収
容するための光半導体素子収納用パッケージ、およびそ
の光半導体素子収納用パッケージを用いた光半導体装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光半導体素子収納用パッケージ
(以下、光半導体パッケージという)を図3〜図5にそ
れぞれ平面図,断面図および部分拡大断面図で示す(特
開2000−150746号公報参照)。
【0003】この光半導体パッケージは、上面に光半導
体素子101がペルチェ素子等の熱電冷却素子105を
介して載置される載置部102aを有するとともに、対
向する端部に貫通穴または切欠きから成るネジ取付部1
02bが設けられた基体102を有する。また、基体1
02の上面に載置部102aを囲繞するように銀ロウ等
のロウ材で接合されるとともに、一側部に形成された貫
通孔から成る光ファイバ固定部材取付部103aと、他
の側部に形成された貫通開口または切欠き部から成る入
出力端子取付部103bが設けられた枠体103を有す
る。また、入出力端子取付部103bに嵌着された入出
力端子106を有している。さらに、光ファイバ固定部
材取付部103aには、光信号を光半導体パッケージ内
外に伝送する光ファイバ(図示せず)を固定する筒状の
光ファイバ固定部材107が嵌着されており、その光フ
ァイバ固定部材107の内周面には集光用レンズとして
機能する透光性部材108がロウ付けされている。
【0004】また、入出力端子106には、メタライズ
層106aが枠体103内外を導通するように形成され
るとともに、外部電気回路(図示せず)に接合されるリ
ード端子109が枠体103外側のメタライズ層106
aに銀ロウ等のロウ材を介して接合される。
【0005】また、シールリング104は、ほぼ面一と
なる枠体103上面と入出力端子106上面に銀ロウ等
のロウ材で接合され、光半導体パッケージに蓋体(図示
せず)をシーム溶接やロウ接合する際の接合媒体として
機能する。
【0006】なお、基体102は、その上面側から下面
側にかけて一方向に配列した一方向性炭素繊維を炭素で
結合した一方向性炭素繊維複合材料から成る。その一方
向性炭素繊維複合材料は、横方向(一方向性炭素繊維の
方向に垂直な方向)の弾性率が非常に低く、かつ熱膨張
係数が約7×10-6/℃であり、その上下面に、クロム
(Cr)−鉄(Fe)合金層から成る第1層と、銅(C
u)層から成る第2層と、Fe−ニッケル(Ni)−コ
バルト(Co)合金層から成る第3層の3層構造を有す
る金属層が被着されている。これにより、横方向の熱膨
張係数を10×10-6〜13×10-6/℃に調整してい
る。
【0007】また、基体102の縦方向(一方向性炭素
繊維の方向に平行な方向)の熱膨張係数は、一方向性炭
素繊維の方向の弾性率が非常に高いため、その弾性率は
高く、かつその熱膨張係数は一方向性炭素繊維の方向の
熱膨張係数(殆ど0)に近似したものとなる。また、基
体102は、縦方向の熱伝導率が約300W/m・K以
上と非常に高いのに対し、横方向の熱伝導率は、それぞ
れの一方向性炭素繊維の間に非常に多くの気孔を有して
いるため約30W/m・K以下と非常に低く、縦方向と
横方向とで熱伝導率が大きく異なっている。
【0008】このような基体102は、ネジ取付部10
2bを介して外部電気回路のヒートシンク部にネジ止め
されて密着固定されることにより、光半導体素子101
が作動時に発する熱を効率良くヒートシンク部に伝える
所謂放熱板としても機能する。
【0009】そして、基体102を有する光半導体パッ
ケージに光半導体素子101を載置固定した後、光半導
体素子101とメタライズ層106aとをボンディング
ワイヤ(図示せず)で電気的に接続し、蓋体により光半
導体素子101を気密に封止することにより、製品とし
ての光半導体装置となる。なお、光半導体素子101
は、外部電気回路から入力される高周波信号、または光
ファイバから入力される光信号により作動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の光半導体パッケージにおいては、基体102の上面
に接合される枠体103が所定位置に無い場合、即ち枠
体103の接合位置がずれている場合、基体102と枠
体103との間に隙間ができて光半導体素子101の気
密性が損なわれることがあるという問題点があった。
【0011】また、この場合、略直方体の光半導体素子
101の一側面を略四角形の基体102の側面に平行に
して光半導体素子101を載置部102aに載置固定し
た際、光半導体素子101と、枠体103の一側部に対
して略垂直方向に伸びるように光ファイバ固定部材10
7に固定される光ファイバとの光軸の調整が非常に困難
となる。即ち、光半導体素子101と光ファイバとの光
の結合効率が低くなるため、光半導体素子101が誤作
動する等の問題点を有していた。
【0012】さらに、基体102の上面で枠体103の
位置がずれていると、光半導体素子101の電極と入出
力端子106のメタライズ層106aがボンディングワ
イヤで接続されるべき所定の位置からずれるため、光半
導体素子101と入出力端子106との電気的接続を行
うためのボンディングワイヤの長さが非常に長くなる部
位が生じる。このため、この部位におけるインピーダン
スが大きくなる。その結果、光半導体素子101と入出
力端子106との高周波信号の伝送特性が劣化するとい
う問題点があった。
【0013】なお、このような問題点を解決する構成と
して、枠体103の側面(内面)を光半導体素子101
に対するアライメント面として、光半導体素子101の
一側面を枠体103の側面に平行となるように載置部1
02aに載置することも考えられる。しかし、枠体10
3を基体102の上面に正確に垂直に設置することが困
難なため、基体102の上面に対して光ファイバが正確
に平行とはなり難い。また、そのような光軸がずれた光
ファイバを有する光半導体装置が多数ある場合、光ファ
イバの光軸を外部電気回路上で個々に調整しようとする
と、調整作業が非常に煩雑なものとなる。
【0014】また、光半導体素子101の熱量が非常に
大きい場合、その熱は、基体102上面の熱電冷却素子
105が接合されている接合部(載置部102a)から
ほぼ直下のみにしか伝わらないことと、Fe−Ni−C
o合金等から成る枠体103の熱伝導率が約17W/m
・Kであり基体102に比し非常に低いことから、熱は
基体102と枠体103とで構成される空所(内部空
間)に蓄熱され、その結果光半導体素子101の作動性
が劣化したり、光半導体素子101が熱破壊されるとい
った問題点があった。
【0015】この問題点を解決する手段として、熱電冷
却素子105を大型化し熱伝達の効率を向上させること
も考えられるが、この場合光半導体パッケージが大型化
し近時の小型化,軽量化といった動向から外れることに
なる。
【0016】また、光半導体パッケージと外部電気回路
のヒートシンク部との密着固定を強固なものとし、ヒー
トシンク部への熱伝達効率を高めるために、ネジ取付部
102bをネジでヒートシンク部に高いトルクで締め付
けると、圧縮強度が金属に比べて桁違いに小さいネジ取
付部102bが厚さ方向に潰れて、光半導体パッケージ
とヒートシンク部との密着固定ができなくなる。そのた
め、光半導体素子101の熱をヒートシンク部に良好に
伝達できなくなり、光半導体素子101の作動性が劣化
したり、光半導体素子101が熱破壊されるといった問
題点があった。
【0017】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、LD,PD等の光半導体
素子の気密性を確実なものとし、また光半導体素子と光
ファイバとの光の結合効率を良好なものとし、さらに光
半導体素子と入出力端子との間の高周波伝送特性を良好
なものとすることである。また、光半導体素子の熱を効
率良く大気中やヒートシンク部に伝えることにより、光
半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させるこ
とである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の光半導体パッケ
ージは、略直方体とされ、上面に形成された凹部の底面
に光半導体素子を載置するための載置部を、および一側
部から前記凹部にかけて形成された貫通孔から成る光フ
ァイバ固定部材取付部を、ならびに他の側部から前記凹
部にかけて形成された貫通開口または切欠き部から成る
入出力端子取付部を有するとともに、対向する一対の側
部の外面の下端に外側に突出するように形成された張出
部に貫通穴または切欠きから成るネジ取付部が設けられ
た基体と、前記光ファイバ固定部材取付部に嵌着された
筒状の光ファイバ固定部材と、前記入出力端子取付部に
嵌着された入出力端子とを具備した光半導体素子収納用
パッケージにおいて、前記基体は、銀,チタン,ジルコ
ニウムおよびタングステンのうちの少なくとも一種を
0.2〜10重量部ならびに銅を90〜99.8重量部
含有する金属成分が含浸された炭素質母材内に一方向性
炭素繊維の集合体が分散された金属炭素複合体を基材と
し、該基材の表面に金属メッキ層とロウ材層と前記金属
炭素複合体の厚さの1/10〜1/2の銅層とが順次積
層されていることを特徴とする。
【0019】また本発明の光半導体パッケージは、略直
方体とされ、上面に形成された凹部の底面に光半導体素
子を載置するための載置部を、および一側部から前記凹
部にかけて形成された貫通孔から成る光ファイバ固定部
材取付部を、ならびに他の側部から前記凹部にかけて形
成された貫通開口または切欠き部から成る入出力端子取
付部を有するとともに、対向する一対の側部の外面の下
端に外側に突出するように形成された張出部に貫通穴ま
たは切欠きから成るネジ取付部が設けられた基体と、前
記光ファイバ固定部材取付部に嵌着された筒状の光ファ
イバ固定部材と、前記入出力端子取付部に嵌着された入
出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージに
おいて、前記基体は、銀,チタン,ジルコニウムおよび
タングステンのうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部ならびに銅を90〜99.8重量部含有する金属成
分が含浸された炭素質母材内に一方向性炭素繊維の集合
体が分散された金属炭素複合体を基材とし、該基材の表
面に金属メッキ層とロウ材層と5〜100μmの厚さの
モリブデン層とロウ材層と100〜1000μmの厚さ
の銅層とが順次積層されていることを特徴とする。
【0020】本発明は、金属炭素複合体が炭素繊維と高
温高圧下で含浸された金属とからなるため、その表面が
緻密になり、金属炭素複合体の表面に金属メッキ層が形
成できるようになった。そして、基材の表面に金属メッ
キ層を介してロウ材層、およびCu層等を強固に接合で
きるようになった。即ち、金属メッキ層の炭素繊維への
被着部における被着力の弱さを、含浸された金属が表面
に露出している部位における被着力で補強することがで
きるとともに、金属炭素複合体の表面が緻密になるため
炭素繊維に被着される金属メッキ層の表面欠陥が極めて
少なくなっており、その結果、金属炭素複合体の表面に
金属メッキ層を強固かつ信頼性よく被着することができ
る。このように、基材表面に金属メッキ層を信頼性良く
かつ強固に形成できることによって、ロウ材層を介して
熱伝導性の極めて良好なCu層等を形成することができ
る。その結果、従来のCr−Fe合金層,Fe−Ni−
Co合金層等のFe系の金属層を形成した構成では得ら
れない効率のよい熱伝達が可能になる。
【0021】従って、本発明は、上記の構成により、光
半導体素子の気密性、光半導体素子と光ファイバとの光
の結合効率、光半導体素子と入出力端子との間の高周波
伝送特性、光半導体素子の熱の伝達性、および基体の剛
性を良好なものとできる。その結果、光半導体素子を長
期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0022】本発明の光半導体装置は、本発明の光半導
体パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出
力端子に電気的に接続された光半導体素子と、基体の上
面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0023】本発明は、上記の構成により、上記本発明
の光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導体装
置を提供できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の光半導体パッケージにつ
いて以下に詳細に説明する。図1,図2は本発明の光半
導体パッケージについて実施の形態の一例を示すもので
あり、図1は光半導体パッケージの断面図、図2
(a),(b)はそれぞれ光半導体パッケージの基体の
部分拡大断面図である。
【0025】図1において、1はLD,PD等の光半導
体素子、2は金属炭素複合体Aから成る基材の表面に金
属層Bが形成された基体、3は基体2の上面に形成され
たシールリング、4は基体2の入出力端子取付部(以
下、取付部という)2dに嵌着される入出力端子、6は
基体2の貫通孔から成る光ファイバ固定部材取付部(以
下、固定部材取付部という)2cに嵌着された筒状の光
ファイバ固定部材(以下、固定部材という)である。こ
れら基体2,シールリング3,入出力端子4,固定部材
6とで光半導体素子1を内部に収容する容器が主に構成
される。
【0026】また、図2において、lは一方向性炭素繊
維、mは炭素質母材、nは銀(Ag),チタン(T
i),クロム(Cr),ジルコニウム(Zr),タング
ステン(W)のうちの少なくとも一種を0.2〜10重
量部ならびに銅(Cu)を90〜99.8重量部含有す
る金属成分である。Aは一方向性炭素繊維l、炭素質母
材m、金属成分nから成る金属炭素複合体であり、基体
2は金属炭素複合体Aから成る基材の表面に金属層Bを
被着して成る。
【0027】金属層Bは、図2(a)に示すように、N
iメッキ層,Cuメッキ層等の金属メッキ層X、銀ロウ
等のロウ材層Yおよび金属炭素複合体Aの厚さの1/1
0〜1/2の厚さを有するCu層Zが順次積層されて成
る3層構造であるか、または図2(b)に示すように、
金属メッキ層X、ロウ材層Y、5〜100μmの厚さの
Mo層W、ロウ材層Yおよび100〜1000μmの厚
さのCu層Zが順次積層されて成る5層構造である。
【0028】図2(a),(b)に示すように、金属炭
素複合体Aは、Ag,Ti,Cr,Zr,Wのうちの少
なくとも一種を0.2〜10重量部ならびにCuを90
〜99.8重量部含有する金属成分nが含浸された炭素
質母材m内に一方向性炭素繊維lの集合体が分散された
ものである。この金属炭素複合体Aは、例えば以下の工
程[1]〜[7]のようにして作製される。
【0029】[1]一方向性炭素繊維lの束を炭素で結
合した板状の塊を小さな炭素繊維の集合体となるように
破砕し、破砕された炭素繊維の集合体を集めて固体のピ
ッチあるいはコークス等の微粉末を分散させたフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂の溶液中に浸す。なお、板状の
塊を破砕して得られる小塊の大きさは矩形(略立方体)
のものに換算して一辺が約0.1〜1mm程度である。
【0030】[2]これを乾燥させて所定の圧力を加え
るとともに加熱して熱硬化性樹脂部分を硬化させ板状の
ブロックを得る。
【0031】[3]これを不活性雰囲気中、高温で焼成
することでフェノール樹脂とピッチあるいはコークスの
微粉末を炭化させることにより、一方向性炭素繊維lが
分散された炭素質母材mが作製される。炭素質母材m
は、それ自体200〜300W/m・Kの大きな熱伝導
率を有し、半導体素子1の発する熱の伝熱経路としても
機能する。
【0032】[4]一方、溶融したCuの中に、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部含有させることにより、互いに融解した液
状体を作製しておく。
【0033】[5]次に、[4]で作製された、Ag,
Ti,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種を0.2
〜10重量部ならびにCuを90〜99.8重量部含有
する金属成分n(液状体)を、炭素質母材m内に高温高
圧のもとで含浸させたブロックとなす。含浸された金属
成分nは塊状または薄板状であり、炭素質母材m内に分
散される。このブロックを板状に切り出して金属炭素複
合体Aとなる板を作製する。この板の寸法は、例えば厚
さが0.5〜2mm程度、平視面における縦×横の寸法
が100mm角程度である。
【0034】[6]この板を所望の形状に加工して金属
炭素複合体Aを作製する。
【0035】[7]金属炭素複合体Aの表面に金属層B
を形成する。
【0036】本発明の金属炭素複合体Aの熱膨張係数
は、金属成分nが含浸されていることにより、8×10
-6〜10×10-6/℃となる。また、金属成分nが含浸
されていることにより、炭素質母材mとの密着性が非常
に良好なものとなる。そのため、光半導体素子1が作動
時に発する熱は基体2の内部を効率良く伝達し、外部電
気回路のヒートシンク部に確実に伝熱される。さらに、
金属成分nが含浸されていることにより、金属炭素複合
体Aの剛性が高くなり、光半導体パッケージをネジ取付
部2bを介して外部電気回路にネジ止めにより固定する
場合、金属炭素複合体Aが潰れることなく強固に固定で
きる。そのため、光半導体素子1の熱を外部電気回路の
ヒートシンク部に確実に伝熱できる。
【0037】なお、金属成分nは、その熱膨張係数が1
7×10-6〜20×10-6/℃、熱伝導率が350W/
m・K以上、弾性率が80GPa(ギガパスカル)以
上、融点が1000℃以上となり、それらの諸特性は光
半導体パッケージの製作上、特性上好ましいものとな
る。
【0038】また、金属成分nがAgとCuから成る場
合、金属成分nと炭素質母材mとは、それらの間の濡れ
性が高いため密着性が非常に高くなる。また、金属成分
nがTi,Cr,Zr,Wのうちの少なくとも一種とC
uとから成る場合、金属成分nと炭素質母材mとは、そ
れらの間でTi,Cr,Zr,Wの炭素化合物が生成さ
れるため密着性が非常に高くなる。
【0039】Ag,Ti,Cr,Zr,Wのうちの少な
くとも一種が0.2重量部未満の場合、濡れ性や炭素化
合物の生成が促進されないため密着性が低下し、その結
果、光半導体素子1の熱は基体2の内部を効率良く伝達
し難くなる。一方、10重量部を超える場合、同様に濡
れ性や炭素化合物の生成が促進されないため密着性が低
下する。特にTi,Cr,Zr,Wの場合には、Cu中
に融解され難くなり、熱伝導性の低いTi,Cr,Z
r,WがCu中および/またはCu表面に分散されるこ
ととなり、光半導体素子1の熱は基体2の内部を効率良
く伝達し難くなる。
【0040】また、金属成分nのうち特にAgの場合は
熱伝導率が非常に高いため光半導体素子1の熱を伝える
のに有利である。また、金属炭素複合体Aの弾性率は従
来に比し高くなるため、金属成分nが基体2の両端部の
ネジ取付部2bをネジで外部電気回路基板等に締め付け
た際の補強材として機能し、基体2の破損を有効に防止
する。
【0041】また、金属成分nの融点は非常に高いた
め、光半導体パッケージを融点が780℃程度以上の銀
ロウ等のロウ材で組み立てても溶融されることが無く、
常に炭素質母材m内を安定させておくことができる。な
お、ロウ付け時に溶融するような金属の場合は基体2の
端面から溶け出す場合があり、光半導体パッケージ用と
しては不適である。
【0042】なお、熱膨張係数について、金属成分nを
炭素質母材m内に適当量、即ち10〜20重量%程度の
含有量で含浸させれば良い。10重量%未満の場合、横
方向(載置部2aの面方向)で所望の熱伝導率が得られ
ない。一方、20重量%を超えると、光半導体素子1と
基体2との熱膨張差が大きくなり、光半導体素子1の基
体2への接合を強固なものとし難い。なお、金属成分n
の上記含有量に伴い金属炭素複合体Aの表面の約6〜1
0%程度の部位に、金属成分nの表層が露出することに
なり、金属メッキ層Xとの接合を強固なものとし得る。
【0043】基体2を成す基材の表面の金属層Bが、図
2(a)のような金属メッキ層X、ロウ材層YおよびC
u層Zが順次積層されて成る3層構造である場合、金属
メッキ層Xは、Niメッキ層やCuメッキ層等から成
り、金属炭素複合体Aの表面全面に被着され、金属炭素
複合体Aとロウ材層Yとの接合媒体として機能する。金
属メッキ層Xは、一方向性炭素繊維l,炭素質母材mと
の密着性は若干弱いが、金属炭素複合体Aの表面に約6
〜10%程度の表面積で露出している金属成分nとの密
着性が非常に強固であるため、金属炭素複合体Aと金属
メッキ層Xとの密着性は全体的に強固になる。
【0044】金属メッキ層Xの厚さは1〜30μmが良
く、1μm未満の場合、金属メッキ層Xの厚さのばらつ
きにより金属メッキ層Xがほとんど被着されない部位が
発生する場合がある。そのため、金属炭素複合体Aとロ
ウ材層Yとの接合媒体としての機能が劣化する。一方、
30μmを超えると、Niメッキ層の場合はその熱伝達
効率の低さにより光半導体素子1の熱を効率良く外部に
伝え難くなり、Cuメッキ層の場合は金属炭素複合体A
との熱膨張差により密着性が劣化する。
【0045】ロウ材層Yは、金属メッキ層XとCu層Z
との接合媒体、金属メッキ層XとMo層W{図2
(b)}との接合媒体、およびMo層WとCu層Zとの
接合媒体として機能するとともに、光半導体素子1の熱
をCu層Zから金属メッキ層Xに効率良く伝える熱伝達
媒体として機能する。また、ロウ材層Yは他の層に比べ
て軟らかいことから、金属メッキ層XとCu層Zとの
間、金属メッキ層XとMo層Wとの間、およびMo層W
とCu層Zとの間に発生する熱膨張差による応力発生を
緩和する所謂応力緩和層としても機能する。なお、ロウ
材層Yは、主にAgから成る純Agロウ、AgとCuと
から成るAgロウ等の熱伝達性の優れた金属ロウ材から
成る。
【0046】ロウ材層Yの厚さは3〜50μmが良く、
3μm未満の場合、厚さが非常に薄いため応力緩和層と
しての機能が劣化する。一方、50μmを超えると、厚
さが厚いため、熱伝達効率が劣化し、また金属メッキ層
XとCu層Zとの間、金属メッキ層XとMo層Wとの
間、およびMo層WとCu層Zとの間に発生する熱膨張
差による応力発生を緩和する応力緩和層としての機能が
劣化する。
【0047】Cu層Zは、基体2の熱伝達効率を良好と
する機能を有するとともに、光半導体素子1の載置部2
aを滑らかな面とする機能を有する。即ち、Cu層Zは
それ自体で非常に熱伝達効率が高く、またCu層Zが無
く最表層がロウ材層Yである場合、最表面がロウ材層Y
のボイド等により粗面となり光半導体素子1を良好に載
置できず、それに伴い光半導体素子1から基体2への熱
伝達効率が劣化する。
【0048】Cu層Zは、金属層Bが金属メッキ層X、
ロウ材層Y、Cu層Zから成る3層構造の場合、その厚
さは金属炭素複合体Aの厚さの1/10〜1/2であれ
ば良い。1/10未満の場合、金属炭素複合体Aの厚さ
が薄い場合は、それに伴い非常に薄いものとなり、ロウ
材層Y表面の凹凸がほぼそのまま表面に現れたCu層Z
となり、表面が滑らかで凹凸のないものとなり難い。そ
のため、載置部2aに凹凸が発生し光半導体素子1の載
置を良好とし難い。一方、1/2を超えると、Cu層Z
が厚くなり過ぎて光半導体素子1の熱を効率良くロウ材
層Yに伝え難くなるとともに、金属炭素複合体AとCu
層Zとの熱膨張差により密着性が劣化する傾向にある。
【0049】金属層Bが図2(b)のように金属メッキ
層X、ロウ材層Y、Mo層W、ロウ材層YおよびCu層
Zから成る5層構造の場合、Mo層Wの厚さは5〜10
0μmがよく、Cu層Zの厚さは100〜1000μm
が良い。Mo層Wの厚さが5μm未満の場合、基体2の
熱膨張係数を調整する効果が小さくなり、基体2にFe
−Ni−Co合金やFe−Ni合金から成るシールリン
グ3,固定部材6をロウ付けした場合にロウ材にクラッ
ク等が発生し光半導体パッケージ内部の気密性が損なわ
れ易くなる。一方、100μmを超えると、光半導体素
子1の熱を効率良く基体2に伝達し難くなる。また、C
u層Zの厚さが100μm未満の場合、横方向への熱伝
達効率が劣化し、光半導体素子1の発する熱を効率良く
伝え難い。一方、1000μmを超えると、基体2の熱
膨張係数を調整する効果が小さくなり、基体2にFe−
Ni−Co合金やFe−Ni合金から成るシールリング
3,固定部材6をロウ付けした場合にロウ材にクラック
が発生し、光半導体パッケージ内部の気密性が損なわれ
易くなる。
【0050】従って、金属層Bは上記の3層構造または
5層構造であるが、製作上のコスト,時間等の削減や、
基体2の熱伝達効率等の特性からして、5層構造よりも
3層構造のほうが好ましい。これら3層構造または5層
構造の金属層Bは、金属炭素複合体Aの表面に露出して
いる一方向性炭素繊維lの気孔を完全に被覆し、光半導
体パッケージ内部の気密性を保持する機能を有するとと
もに、光半導体素子1の熱を縦方向(載置部2aの面に
垂直な方向)および横方向(載置部2aの面に平行な方
向)に効率良く伝える所謂伝熱媒体として機能する。具
体的には、基体2は、光半導体素子1の載置部2aの面
に垂直な方向および平行な方向のいずれにおいても30
0〜400W/m・K程度の熱伝導率が得られる。
【0051】また、金属層Bは、光半導体パッケージ内
部の気密性をヘリウム(He)を使用して検査する際、
Heの一部が一方向性炭素繊維lの気孔中にトラップさ
れるのを有効に防止し、その結果検査に対して適格な光
半導体パッケージとし得る。更に、金属層Bは、光半導
体素子1の熱を、載置部2aから金属層Bに沿って横方
向に伝えることによって、光半導体パッケージ内部全域
から光半導体パッケージ外部全域(ヒートシンク部と大
気中)へと効率良く熱を放散させ得る。
【0052】また、本発明においては、従来構成では載
置部2aを囲繞する枠体(側壁部)となる部位も、載置
部2aを有する底板部と全く同一の材質から成るととも
に底板部に一体化しているため、光半導体素子1の熱が
載置部2aの周辺部から側壁部に迅速に伝わって側壁部
から効率良く外部(大気中)に放散される。即ち、光半
導体素子1の熱量が非常に大きい場合であっても、載置
部2aを有する底板部から側壁部を介して大気中に伝わ
る経路と、底板部からその下方のヒートシンク部に伝わ
る経路との2経路により、効率良く熱を放散させ得る。
【0053】具体的には、基体2は、光半導体素子1の
載置部2aの面に垂直な方向および水平な方向のいずれ
においても300〜400W/m・K程度の熱伝導率が
得られる。その結果、光半導体素子1の熱量が非常に大
きい場合であっても、その熱は載置部2aから側壁部に
ランダムな経路で効率良く伝わり、最終的に大気中に伝
わる経路と、載置部2aからランダムな経路で下方のヒ
ートシンク部に伝わる経路との2経路により、効率良く
熱を放散させ得る。
【0054】また、載置部2aを有する底板部と載置部
2aを囲繞する側壁部とが一体的に形成されているた
め、従来のようにそれらの間に隙間ができて光半導体素
子1の気密性が損なわれるという懸念が全く無い。ま
た、略直方体の光半導体素子1の光入出力端面が側壁部
の内面に平行となるように載置部2aに光半導体素子1
を載置すると、光半導体素子1と、側壁部の内外面にほ
ぼ垂直に伸びるように固定部材6に固定される光ファイ
バ7との光軸調整が非常に容易になる。即ち、光半導体
素子1の光入出力端面と側壁部の内面とが常に平行とな
るため、光半導体素子1と光ファイバ7との光の結合効
率を常に良好とし得る。
【0055】さらに、本発明では、基体2の底板部と側
壁部とが一体化されているため底板部と側壁部とが位置
ずれを起こすことがない。その結果、光半導体素子1の
電極は入出力端子4のメタライズ層4aに対して、常に
接続されるべき所定位置にあるため、それらを電気的に
接続するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなけ
ればならない部位が発生しなくなる。従って、ボンディ
ングワイヤの長さをいずれの部位においても常に一定と
でき、インピーダンスが常に一定となる光半導体素子1
となる。そのため、光半導体素子1と入出力端子4との
高周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0056】基体2の側壁部の一側部には、光信号の経
路となる固定部材取付部2cが形成されるとともに、側
壁部の他の側部には、外部電気回路と高周波信号の入出
力を行う入出力端子4を嵌着するための貫通開口または
切欠き部から成る取付部2dが形成される。固定部材取
付部2cの内周面または固定部材取付部2cの基体2の
側部外面側開口の周辺部に、光ファイバ7を挿通し樹脂
接着剤等で接着したホルダー8を固定するための固定部
材6が、銀ロウ等のロウ材で接合される。この固定部材
6はFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属か
ら成り、Fe−Ni−Co合金から成る場合、この合金
のインゴットに圧延加工やプレス加工等の金属加工を施
すことにより所定の形状に作製される。また、その表面
には酸化腐食を有効に防止するために、0.5〜9μm
のNi層や0.5〜5μmのAu層等の金属層をメッキ
法により被着させておくと良い。
【0057】なお、固定部材6の内周面には、集光レン
ズとして機能するとともに光半導体パッケージの内部を
塞ぐ非晶質ガラス等から成る透光性部材9が、その接合
部の表面に形成されたメタライズ層を介して、200〜
400℃の融点を有するAu−錫(Sn)合金等の低融
点ロウ材で接合される。この透光性部材9は、熱膨張係
数が4×10-6〜12×10-6/℃(室温〜400℃)
のサファイア(単結晶アルミナ)や非晶質ガラス等から
成り、球状,半球状,凸レンズ状,ロッドレンズ状等の
形状とされる。そして、光ファイバ7を伝わってきた外
部のレーザ光等の光を光半導体素子1に入力させる、ま
たは光半導体素子1で出力したレーザ光等の光を光ファ
イバ7に入力させるための集光用部材として用いられ
る。透光性部材9が、例えば結晶軸の存在しない非晶質
ガラスの場合、酸化珪素(SiO2),酸化鉛(Pb
O)を主成分とする鉛系、またはホウ酸やケイ砂を主成
分とするホウケイ酸系のものを用いる。
【0058】また、透光性部材9は、その熱膨張係数が
基体2のそれと異なっていても、固定部材6が熱膨張差
による応力を吸収し緩和するので、結晶軸が応力のため
にある方向に揃うことにより光の屈折率の変化を起こす
ようなことは発生しにくい。従って、このような透光性
部材9を用いることにより、光半導体素子1と光ファイ
バ7との間の光の結合効率を高くできる。
【0059】また、ホルダー8は、固定部材6にYAG
レーザ溶接等で接合されるため、固定部材6と同様の金
属から成るのが良い。更に、ホルダー8は、その熱膨張
係数と固定部材6の熱膨張係数との差によって光半導体
素子1と光ファイバ7との光軸がずれることが無いよう
に、固定部材6と同様の材質であることが良い。従っ
て、ホルダー8の材料は、固定部材6がFe−Ni−C
o合金であればFe−Ni−Co合金が良く、固定部材
6がFe−Ni合金であればFe−Ni合金であること
が良い。
【0060】また、取付部2dには、その内周面に入出
力端子4がAgロウ等のロウ材で嵌着接合されている。
この入出力端子4は、絶縁性のセラミック基板に導電性
のメタライズ層4aが被着された平板部と、メタライズ
層4aを間に挟んで平板部上面に接合された立壁部とか
ら成り、光半導体パッケージ内部の気密性を保持する機
能を有するとともに、光半導体パッケージと外部電気回
路との高周波信号の入出力を行う機能を有する。なお、
セラミック基板の材料は、誘電率や熱膨張係数等の特性
に応じて、アルミナ(Al23)セラミックスや窒化ア
ルミニウム(AlN)セラミックス等のセラミックスか
ら選択すれば良い。
【0061】入出力端子4は、セラミック基板の原料で
あるセラミック粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添
加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブ
レード法やカレンダーロール法により成形したセラミッ
クグリーンシートに、メタライズ層4aとなるW,M
o,マンガン(Mn)等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加
混合して得た金属ペーストを、従来周知のスクリーン印
刷法により所望のパターン形状に印刷塗布し、約160
0℃の高温で同時焼結することにより作製される。
【0062】また、メタライズ層4aの基体2外側の上
面には、入出力端子4との接合を強固なものとするため
に熱膨張係数が入出力端子4のセラミック基板に近似し
た材料から成るリード端子(図示せず)が銀ロウ等のロ
ウ材で接合される。例えば入出力端子4のセラミック基
板がAl23セラミックスから成る場合、リード端子は
Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金から成る。
【0063】このような入出力端子4,固定部材6が嵌
着接合された基体2の上面には、蓋体5をシーム溶接や
Au−Snロウで接合するための接合媒体として機能す
る、Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金等の金属か
ら成るシールリング3が、Agロウ等のロウ材で接合さ
れる。シールリング3は、例えばFe−Ni−Co合金
から成る場合、この合金のインゴットに圧延加工やプレ
ス加工等の金属加工を施すことにより所定の形状に製作
される。また、その表面には酸化腐食を有効に防止する
ために、0.5〜9μmのNi層や0.5〜5μmのA
u層等の金属層をメッキ法により被着させておくと良
い。このシールリング3の上面には、Fe−Ni−Co
合金,Fe−Ni合金等から成る金属製の蓋体5、また
はAl23セラミックス,AlNセラミックス等から成
るセラミックス製の蓋体5が接合され、蓋体5により光
半導体素子1を光半導体パッケージ内部に気密に封止す
る。
【0064】このように、本発明の光半導体パッケージ
は、略直方体とされ、上面に形成された凹部の底面に光
半導体素子1を載置するための載置部2aを、および一
側部から凹部にかけて形成された貫通孔から成る固定部
材取付部2cを、ならびに他の側部から凹部にかけて形
成された貫通開口または切欠き部から成る取付部2dを
有するとともに、対向する一対の側部の外面の下端に外
側に突出するように形成された張出部に貫通穴または切
欠きから成るネジ取付部2bが設けられた基体2と、固
定部材取付部2cに嵌着された筒状の固定部材6と、取
付部2dに嵌着された入出力端子4とを具備する。
【0065】そして、基体2は、Ag,Ti,Zrおよ
びWのうちの少なくとも一種を0.2〜10重量部なら
びにCuを90〜99.8重量部含有する金属成分nが
含浸された炭素質母材m内に一方向性炭素繊維lの集合
体が分散された金属炭素複合体Aを基材とし、その基材
の表面に金属メッキ層Xとロウ材層Yと金属炭素複合体
Aの厚さの1/10〜1/2の銅層Zとが順次積層され
ていることを特徴とする。または、その基材の表面に金
属メッキ層Xとロウ材層Yと5〜100μmの厚さのM
o層Wとロウ材層Yと100〜1000μmの厚さのC
u層Zとが順次積層されていることを特徴とする。
【0066】また、上記本発明の光半導体パッケージ
と、載置部2aに載置固定され入出力端子4に電気的に
接続された光半導体素子1と、基体2の上面に接合され
た蓋体5とを具備することにより、製品としての光半導
体装置となる。なお、固定部材6に端部が挿着される光
ファイバ7は、一般に光半導体装置の使用時に設けられ
るが、単品としての光半導体装置に付加されていてもよ
く、または光半導体装置が外部電気回路等に固定されて
使用される際に取り付けるようにしてもよい。
【0067】光半導体装置は、具体的には、載置部2a
に光半導体素子1をガラス,樹脂,ロウ材等の接着剤を
介して接着固定するとともに光半導体素子1の電極をボ
ンディングワイヤを介して所定のメタライズ層4aに電
気的に接続し、しかる後、シールリング3上面に蓋体5
をガラス,樹脂,ロウ材,シーム溶接等により接合する
ことにより、基体2,シールリング3,入出力端子4,
固定部材6,透光性部材9から成る光半導体パッケージ
内部に光半導体素子1を載置固定し蓋体5で封止して成
る製品としての光半導体装置となる。
【0068】このような光半導体装置は、例えば外部電
気回路から供給される高周波信号により光半導体素子1
を光励起させ、励起したレーザ光等の光を透光性部材9
を通して光ファイバ7に授受させるとともに光ファイバ
7内を伝送させることにより、大容量の情報を高速に伝
送できる光電変換装置として機能し、光通信分野等に用
いられる。
【0069】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行
うことは何等支障ない。例えば、光半導体装置は、内部
または外部に、例えば固定部材6の基体2内側または外
側に、あるいは基体2外側の光ファイバ7の途中に、戻
り光防止用の光アイソレータを設けても良い。この場
合、光半導体素子1と光ファイバ7との光の結合効率が
さらに良好なものとなる。
【0070】
【発明の効果】本発明は、略直方体とされ、上面に形成
された凹部の底面に光半導体素子を載置するための載置
部を有する基体は、Ag,Ti,Cr,ZrおよびWの
うちの少なくとも一種を0.2〜10重量部ならびにC
uを90〜99.8重量部含有する金属成分が含浸され
た炭素質母材内に一方向性炭素繊維の集合体が分散され
た金属炭素複合体を基材とし、その基材の表面に金属メ
ッキ層とロウ材層と金属炭素複合体の厚さの1/10〜
1/2のCu層とが順次積層されているか、または、上
記基材の表面に金属メッキ層とロウ材層と5〜100μ
mの厚さのMo層とロウ材層と100〜1000μmの
厚さのCu層とが順次積層されていることにより、光半
導体素子の気密性、光半導体素子と光ファイバとの光の
結合効率、光半導体素子と入出力端子との高周波伝送特
性、および光半導体素子の作動時の熱放散性を非常に良
好とし得るという作用効果を有する。その結果、光半導
体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動させ得る。
【0071】本発明の光半導体装置は、本発明の光半導
体パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出
力端子に電気的に接続された光半導体素子と、基体の上
面に接合された蓋体とを具備したことにより、上記本発
明の作用効果を有する光半導体パッケージを用いた信頼
性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体パッケージについて実施の形
態の一例を示す断面図である。
【図2】(a)は図1の光半導体パッケージにおける基
体の部分拡大断面図、(b)は他の発明による光半導体
パッケージにおける基体の部分拡大断面図である。
【図3】従来の光半導体パッケージの平面図である。
【図4】図3の光半導体パッケージの断面図である。
【図5】図3の光半導体パッケージにおける基体の部分
拡大断面図である。
【符号の説明】
1:光半導体素子 2:基体 2a:載置部 2b:ネジ取付部 2c:光ファイバ固定部材取付部 2d:入出力端子取付部 4:入出力端子 5:蓋体 6:光ファイバ固定部材 l:一方向性炭素繊維 m:炭素質母材 n:金属成分 A:金属炭素複合体 B:金属層 X:金属メッキ層 Y:ロウ材層 Z:銅層 W:モリブデン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 GA09 HA02 5F073 AB27 AB28 AB30 BA02 EA15 EA29 FA22 FA27 FA28 FA29 FA30 HA05 HA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体とされ、上面に形成された凹部
    の底面に光半導体素子を載置するための載置部を、およ
    び一側部から前記凹部にかけて形成された貫通孔から成
    る光ファイバ固定部材取付部を、ならびに他の側部から
    前記凹部にかけて形成された貫通開口または切欠き部か
    ら成る入出力端子取付部を有するとともに、対向する一
    対の側部の外面の下端に外側に突出するように形成され
    た張出部に貫通穴または切欠きから成るネジ取付部が設
    けられた基体と、前記光ファイバ固定部材取付部に嵌着
    された筒状の光ファイバ固定部材と、前記入出力端子取
    付部に嵌着された入出力端子とを具備した光半導体素子
    収納用パッケージにおいて、前記基体は、銀,チタン,
    ジルコニウムおよびタングステンのうちの少なくとも一
    種を0.2〜10重量部ならびに銅を90〜99.8重
    量部含有する金属成分が含浸された炭素質母材内に一方
    向性炭素繊維の集合体が分散された金属炭素複合体を基
    材とし、該基材の表面に金属メッキ層とロウ材層と前記
    金属炭素複合体の厚さの1/10〜1/2の銅層とが順
    次積層されていることを特徴とする光半導体素子収納用
    パッケージ。
  2. 【請求項2】 略直方体とされ、上面に形成された凹部
    の底面に光半導体素子を載置するための載置部を、およ
    び一側部から前記凹部にかけて形成された貫通孔から成
    る光ファイバ固定部材取付部を、ならびに他の側部から
    前記凹部にかけて形成された貫通開口または切欠き部か
    ら成る入出力端子取付部を有するとともに、対向する一
    対の側部の外面の下端に外側に突出するように形成され
    た張出部に貫通穴または切欠きから成るネジ取付部が設
    けられた基体と、前記光ファイバ固定部材取付部に嵌着
    された筒状の光ファイバ固定部材と、前記入出力端子取
    付部に嵌着された入出力端子とを具備した光半導体素子
    収納用パッケージにおいて、前記基体は、銀,チタン,
    ジルコニウムおよびタングステンのうちの少なくとも一
    種を0.2〜10重量部ならびに銅を90〜99.8重
    量部含有する金属成分が含浸された炭素質母材内に一方
    向性炭素繊維の集合体が分散された金属炭素複合体を基
    材とし、該基材の表面に金属メッキ層とロウ材層と5〜
    100μmの厚さのモリブデン層とロウ材層と100〜
    1000μmの厚さの銅層とが順次積層されていること
    を特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の光半導体
    素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定される
    とともに前記入出力端子に電気的に接続された光半導体
    素子と、前記基体の上面に接合された蓋体とを具備した
    ことを特徴とする光半導体装置。
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