JP4335780B2 - ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体とその組成物 - Google Patents

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本発明は、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体および、本重合体を相容化剤として利用する熱可塑性樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表される芳香環含有熱可塑性ポリエステルは、加工性の容易さ、機械的特性、その他物理的、化学的特性に優れているため、自動車部品、電気・電子機器部品、その他精密機器部品の分野に幅広く使用されているが、近年これらの部品に対して、更に一層の機械的特性、特に靭性の向上が要求される場合が多く、又、取扱い上軽量化が要求されることが多い。これらの要求に答えるための一手段として、ポリエステルより柔軟で比重の小さいポリオレフィン系樹脂を熱可塑性ポリエステルに配合する方法が考えられる。しかし、上記ポリエステルとポリオレフィン系樹脂は一般的に相容性が悪いため、単純に溶融混練しても分散不良となり成形品表面で剥離を生じ易くなってしまうばかりか、衝撃強度の低下を来すこととなり、結局実用に耐え得る樹脂組成物が得られないという問題があった。かかる問題を解決し得る手段として、上述したポリエステルとポリオレフィン系樹脂との相容性を改良するために、エポキシ基やグリシジル基を有する化合物をラジカルグラフト化した変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレン樹脂を配合することで、ポリエステルとポリオレフィンの相容性を改善する方法が開示されている。(特開昭61-60744 号公報、特開昭61-60746 号公報、特開平3-285931号公報、特開平5-230191号公報および特開平6-73264号公報)。しかしながら、これらの方法を用いてもポリエステルとポリオレフィン系との樹脂との相容性は必ずしも十分なものとはならなかった。また、特開平9-309955号公報では、ポリエステル系プラスチックと、酸無水物で変性したポリプロピレンに橋かけ剤としての多官能性エポキシ化合物、ジアミン化合物、ジイソシアナート化合物を加え成形することにより、成形機内で橋かけ反応を生起させ、機械的特性、耐薬品性、耐熱性に優れたポリエステル系プラスチック/橋かけ化合物/酸無水物変性ポリプロピレンの高機能樹脂組成物が得られることが開示されている。しかし、本手法では、本質的にポリマー末端同士の反応であり、反応を促進させるには、高グラフト化率の酸無水物を用いたり、橋かけ化合物の濃度を高くしたりする必要がある。また、橋かけ化合物によるポリプロピレン同士の架橋反応によるゲル状成分の生成やポリエステル結合の切断による樹脂の劣化、未反応橋かけ化合物によるポリマーの着色等が懸念され、相容化剤としての機能を十分果たさない可能性がある。事実、酸無水物で変性したポリプロピレンの濃度が高いと該ポリプロピレン同士の橋かけ反応が起こり、ポリエステル系プラスチックと該ポリプロピレンとの橋かけ反応が起りにくくなり相分離を起こすことも指摘されている。
一方、近年の地球環境問題への意識が高まる中、化石原料、石油資源の枯渇、二酸化炭素の増大が問題視される結果、上述の石化資源用来の芳香環含有ポリエステルだけでなく、脂肪族系ポリエステルなどの生分解性樹脂・植物を原料として合成する樹脂の研究開発が活発に行われている。特に、乳酸系樹脂は融点が160〜180℃と十分に高く、また溶融成形可能であることから、実用上優れた生分解性・植物由来ポリマーとして大いに期待されている。しかし、例えば乳酸系樹脂はその剛直な分子構造のために、衝撃強度が劣り脆いという欠点があり、これら乳酸系樹脂の改良が望まれている。
このような問題を解決するために、例えば特開平9-316310号公報にはポリ乳酸樹脂に変性ポリオレフィンを添加する方法が開示されている。特開平11-124495号公報では軟質性の他の脂肪族系ポリエステルとポリ乳酸との共重合体を添加する方法が開示されている。また、Macromolecular Chemical Physics 197巻 1503-1523頁では脂肪族系ポリエステルであるポリε-カプロラクトンを添加する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法による衝撃強度の向上は十分ではなく、衝撃強度を改良するための改質剤を多量に添加しようとすると成形性や耐熱性が低下するという問題があった。
ところで、樹脂の衝撃強度を改良する方法としては、軟質性のゴムを樹脂中に分散させる方法が広く知られている。樹脂中に分散させたゴムの粒子系を数μm程度以下とすることが衝撃強度の改良に有効であることが知られている。しかしながら、一般に二種の高分子は互いに相容しがたいため、樹脂に添加したゴムの粒子径は非常に大きなものとなり、衝撃強度も改良されない。そこで二種の高分子の相容性を改善するような相容化剤を添加し、異種高分子間の界面張力を低下させることにより、ゴムの分散状態を大きく改良することができる。
ゴムの分散状態を改善させる相容化剤としては、相容化させたい二種の高分子をそれぞれブロックとして持つものが効果が優れるとされ、Journal of Applied Polymer Science, 89巻 3757-3768頁にはポリ乳酸とポリエチレンのブロック重合体をポリ乳酸と直鎖状低密度ポリエチレンのブレンド物に添加することにより、ポリ乳酸の衝撃強度が大幅に向上することが記載されている。しかしながら、ポリ乳酸とポリエチレンのブロック体は重合方法が煩雑でコスト高になりやすいなどの欠点があった。
また、微分散させるゴムと樹脂との相容性を向上させることにより、ゴムを樹脂中に微分散させることができる。ゴムと樹脂との相容性を向上させる方法の一つとして、ゴムに樹脂と相容性の良い部位を付加させる方法がある。例えば、「ポリマーABCハンドブック」高分子学会 高分子ABC研究会編 372-379頁にはゴム補強ポリスチレン(HIPS)ではゴムにスチレンをグラフトさせてスチレン系樹脂中に分散させることにより、衝撃強度が向上することが記載されている。しかしながら、スチレン系樹脂のようなビニル系のポリマーと異なり、乳酸系樹脂のようなエステル縮合系のポリマーでは、衝撃強度の改良に有効なゴムとのブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体の製造が困難であった。
特開昭61-60744 号公報 特開昭61-60746 号公報 特開平3-285931号公報 特開平5-230191号公報 特開平6-73264号公報 特開平9-309955号公報 特開平9-316310号公報 特開平11-124495号公報 Macromolecular Chemical Physics 197巻1503-1523頁 Journal of Applied Polymer Science,89巻3757-3768頁 「ポリマーABCハンドブック」高分子学会 高分子ABC研究会編 372-379頁
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ポリエステル樹脂とポリオレフィン系樹脂との相容性をなお一層改善するための、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体、該重合体からなる高性能相容化剤もしくは接着剤を提供すること、あるいは、この相容化剤もしくは接着剤を含むポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂の組成物からなる、軽量で表面状態も良く、しかも機械的性質等、諸物性に優れた、射出成形、押出成形、ブロー成形等の成形用材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)特にポリ乳酸セグメントとを有し、これらが化学的に安定な結合であるアミド結合を介し連結したポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)が、ポリオレフィンとポリエステル両樹脂の優れた相容化剤として働き、ポリオレフィンとポリエステルの優れた特性低下を最小限にしつつ、成形品とした場合にその表面状態が良好で、しかもその機械的物性、特に靭性や衝撃強度の優れたポリエステル樹脂組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、重量平均分子量が2000〜50万のポリオレフィンセグメント(A)1〜99重量%、および、重量平均分子量が500〜30万のポリ乳酸セグメント(B)1〜99重量%からなり、かつ、ポリオレフィンセグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)がアミド結合を介しグラフト状に結合している構造を有すポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)および、該重合体(C)を含む熱可塑性樹脂組成物(D)及び該樹脂組成物から得られる成形体(G)に関する。
本発明によれば、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂との樹脂組成物における従前の問題点が解決され、ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂との相容性や接着性が改善され、軽量で表面状態もよく、しかも機械的諸性質を改良するポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体が提供される。また、該重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、およびそれから得られる成型体が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
ポリオレフィンセグメント(A)
本発明における、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を構成するポリオレフィンセグメント(A)とは、炭素原子数が2〜20のオレフィンから導かれる繰返し単位からなり、具体的には炭素原子数が2〜20のオレフィンから選ばれるオレフィンの単独重合体または共重合体である。ポリオレフィンセグメントの重量平均分子量は2000〜50万の範囲が好ましく更に好ましくは、8000〜20万である。このポリオレフィンセグメントが立体規則性を有する場合は、アイソタクティックポリオレフィン、シンジオタクティックポリオレフィンのいずれであっても良く、共重合体である場合には、その構造もランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれをとっても良い。
炭素原子数が2〜20のオレフィンとしては、例えば直鎖状または分岐状のα-オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ジエンなどが挙げられる。直鎖状または分岐状のα-オレフィンとして具体的には、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10のものが挙げられる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数が3〜20、好ましくは5〜15のものが挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、およびα-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m−エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノまたはポリアルキルスチレンが挙げられる。
共役ジエンとしては、例えば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンなどの炭素原子数が4〜20、好ましくは4〜10のものが挙げられる。非共役ジエンとしては、例えば1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペンル-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは5〜10のものが挙げられる。
ポリエステルセグメント(B)
本発明における、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を構成するポリエステルセグメント(B)とは、主鎖の繰り返し単位がエステル結合を介した重合体を主成分とするものであり、該セグメントの重量平均分子量は、500〜30万が好ましく、更に好ましくは、1000〜10万の範囲である。この分子量範囲で、本発明のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体は、ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の相容化剤・接着剤としての高い性能を示し、得られる組成物の相構造を微細化させることが可能となる。ポリエステルには、ポリエステル形成成分であるジカルボン酸またはそのエステル、及び/またはジオール類に芳香族環を有する芳香環含有ポリエステルと、芳香族環を有しない脂肪族系ポリエステルからなるセグメントが挙げられる。
芳香環含有ポリエステルとしては、特に芳香族ジカルボン酸またはそのエステルから形成されるポリエステルが好ましい。かかる芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジオール類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは各々単独で、または2種以上併せて用いることができる。芳香環含有ポリエステルとして好ましいセグメントは、アルキレンテレフタレート単位を含むポリエステルセグメントである。
脂肪族系ポリエステルとしては、ヒドロキシカルボン酸(例えば、乳酸、グリコール酸、カプロン酸等)、脂肪族多価アルコール(例えば、ブタンジオール、エチレングリコール等)や脂肪族多価カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸等)が単独あるいは、共重合した構造を有するものが挙げられる。
また本発明におけるポリエステルセグメント(B)は、該重合体の性質を著しく損なわない範囲で共重合可能な他のモノマーが共重合されたもの、あるいは、他の化合物が共有結合を介して修飾させられたものであってもよい。
ポリエステルセグメント(B)が共重合体の場合、コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの様式でもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の二官能以上等の多価アルコール、キシリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート等のような多価イソシアネートやセルロース、アセチルセルロースやエチルセルロース等のような多糖類等が共重合されたものでもよく、少なくとも一部が、線状、環状、分岐状、星形、三次元網目構造、等のいずれの構造をとってもよく、何ら制限はない。
ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)
本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)は、先に述べたポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)が、化学的に安定なアミド結合を有する結合部で共有結合した構造を有する。
一般にアミド結合は、エステル結合などに比べ加水分解や熱による分解を起こしにくいため、本発明のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)が相容化剤や接着剤として使用される場合においても、安定に構造が維持され、本重合体の優れた特徴が安定かつ長期的に保たれるとから、工業的価値が高い。
また、本発明のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を、相容化剤や接着剤として用いる際、架橋等によって発生したゲル成分の存在は、ベース樹脂への相容性や接着性、あるいは外観を悪化させるため、ゲル分率が5重量%未満であることが好ましく、更に好ましくは、1重量%未満であり、更に好ましくは、0.5重量%未満である。
本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)は、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)が、直接アミド結合を介して結合していても良いが、スペーサー部を有すアミド基を介して結合していても良い。
本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)において、ポリオレフィンセグメント(A)に酸無水物基や水酸基が含まれると、成型時にポリオレフィン同士の架橋反応を起こす可能性があり、相容化性能を著しく低減させる原因となるのでこのような反応性基は実質的に存在しないことが好ましい。
また、本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)においては、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)からなるハイブリッド重合体の分子構造を適切に選択することで相容化剤としての性能や接着剤としての性能をコントロールすることが可能である。ハイブリッド重合体の分子構造は、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)がブロック状、グラフト状あるいはランダム状いずれに結合していても良いが、ブロック状あるいはグラフト状に結合していることが好ましい。
本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)がブロック状の分子構造である場合、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)が(A)−(B)のようにジブロック構造であっても、(A)−(B)−(A)もしくは(B)−(A)−(B)のようにトリブロック構造であってもよく、更に、テトラブロック状、ペンタブロック状など高度なブロック構造を形成していても良い。本発明においては、製造容易であることから、ジブロック構造またはトリブロック構造であるものが好んで採用される。
本発明におけるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)がグラフト状の分子構造である場合、その主鎖がポリオレフィンセグメントで側鎖がポリエステルセグメントである場合と、主鎖がポリエステルセグメントで側鎖がポリオレフィンセグメントである場合が考えられる。本発明においては、いずれの場合でもよいが、主鎖に対する側鎖の数は、平均値として0.5本〜10本が好ましく、0.5本〜3本が更に好ましい。主鎖に対する側鎖の数が10本を超えると、相容性や接着性の性能を低下させる場合があるからである。
ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の製法
本発明における、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)は、通常はアミノ基含有ポリオレフィンとポリエステル樹脂を、押出し機中で溶融混練あるいは不活性な有機溶媒中で溶液反応させる方法等で製造が可能である。
上記の反応条件下で、アミノ基含有ポリオレフィン中の一級または二級アミノ基がポリエステル主鎖エステル結合におけるカルボニル炭素に求核攻撃することで、エステル結合の開裂と同時にアミド結合を形成し、当該ポリオレフィン-ポリエステルハイブリッド重合体(C)を得るに至る。
本製造反応は、ポリエステル(B)がエステル結合の連鎖によって成り立っており、反応点(エステル結合)の濃度が高いため、極めて有利なポリマー変性反応といえる。すなわち、従来の官能基末端同士のポリマーカップリング反応と比較した場合、反応速度を早くすることが可能となる。また、反応時に水の生成がないことから、ポリエステル鎖の加水分解による劣化を防ぐことも可能となる。また、ラジカル開始剤を添加したような系に比べ、分子内架橋やポリマー鎖の切断などの副反応が起きにくい。さらには、本発明に係わる上記製造反応では、反応中のポリマーの劣化や架橋反応や着色を防ぐだけでなく、溶融混練や溶液反応いずれにおいても反応時間を短縮させることが可能であり、コスト的にも有利で、工業的価値が高い。本反応では、溶融混練や溶液反応いずれにおいても適切な酸触媒あるいは塩基触媒を用いて反応を促進させることが可能な場合もある。
上記反応にて得られるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)が、ポリオレフィンセグメント(A)とポリエステルセグメント(B)とがアミド結合を介してブロック状およびまたはグラフト状およびまたはランダム状に結合している構造を有しているかどうかは、例えば得られたポリマーの分子量、有機溶媒への溶解度、または、分光学的解析によって判断することができる。すなわち、本発明の方法で得られる重合体の分子量が、原料のアミノ基含有ポリオレフィンの分子量より高い値を示すこと、または、反応後に適切な溶媒で抽出されたポリエステル樹脂の分子量が、原料のポリエステルより小さいこと(アミノリシス反応が進行していれば、ポリエステルは分子鎖が切断されるため分子量が低下する)で確認できる。
または、本発明の方法で得られるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の構造を核磁気共鳴スペクトル(NMR)や赤外線吸収スペクトル(IR)で解析して、ポリオレフィンセグメントとポリエステル単位を構成成分として含むセグメントとの化学的結合(アミド結合)に由来するピークを検出することによって目的とするブロック共重合体が製造できたものと判断することができる。
ポリエステル樹脂との反応に用いるアミノ基含有ポリオレフィンのアミノ基は、一級アミノ基あるいは二級アミノ基が好ましい。また、アミノ基含有ポリオレフィンのアミノ基は、直接ポリオレフィン鎖に結合していても、他のスペーサー基や結合基を介してポリオレフィンと結合していてもよい。
アミノ基含有ポリオレフィンの数平均分子量は、1000〜20万が好ましく、更に好ましくは、5000〜10万の範囲である。
アミノ基含有ポリオレフィンにおける、アミノ基の導入位置は、ポリマーの末端でも、ポリマー中にグラフトされていてもどちらでもよい。
アミノ基含有ポリオレフィン1分子鎖中に含有する平均アミノ基含量(Namine)は、好ましくは、0.5〜10の範囲であり、更に好ましくは、0.5〜3.0の範囲である。1分子鎖中のアミノ基含量が多すぎると、反応により得られるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の相容化性能や接着性能の低下をもたらす場合がある。
アミノ基含有ポリオレフィンのアミノ基は、そのまま反応に用いても良いが、塩酸塩や酢酸塩やp-トルエンスルホン酸塩などの4級アンモニウム塩の形で反応に用いてもよい。
アミノ基含有オレフィン系重合体の製造は、(1)オレフィンとアミノ基含有モノマーの共重合法や(2)ポリオレフィンにアミノ化合物を付加する方法などで合成することが可能であるが、これらの方法に限定されるものではない。以下、上記に二方法について述べる。
(1)オレフィンとアミノ基含有モノマーの共重合による方法としては、特開2002-155109、特開2002-145944、Chemistry Letter,32, 2003, 656-657頁に報告されているような、オレフィン重合触媒を用いたオレフィンとアリルアミンの共重合例などを挙げることができる。
また、(2)ポリオレフィンにアミノ化合物を付加する方法として、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、酸ハロゲン基、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基、シラノール基、スルホン酸基およびエポキシ基から選ばれる極性基を導入したポリオレフィン樹脂にアミノ化合物を付加することで、目的のアミノ基含有ポリオレフィンを得ることができる。特に、酸無水基を導入したポリオレフィンをジアミン化合物と反応させることで容易にアミノ基含有ポリオレフィンを得ることができる。酸無水基を導入したポリオレフィンは、不飽和基を含有する酸または酸無水物基を用い、ラジカル発生剤の存在下でポリオレフィンにグラフトしたものである。酸無水基を導入したポリオレフィンの製造は公知の方法で行なうことが出来る(例えば特開平6-207064号公報、特開2002-167412号公報等に記載の方法)。ポリオレフィンにアミノ化合物を付与する反応方法は公知であり、例えば溶融混練法、溶液法、懸濁法等により行うことができる。
溶融混練法はすなわち、ラボプラストミルや一軸もしくは二軸以上の多軸混練機のような、混練機、混練押出し機、攪拌機等を用いて行われる。例えばオレフィン系重合体にジアミン化合物を高速攪拌機などにより均一混合した後、十分な混練能力のある一軸あるいは他軸の押出し機で溶融混練する方法が一般的である。混練温度は通常50℃〜400℃程度の範囲で、好ましくは100℃〜350℃程度の範囲である。混練時間は通常0.1秒〜5時間程度の範囲で、好ましくは1秒〜1時間程度の範囲である。溶融混練時、変性剤またはラジカル開始剤のような化合物を添加してもよい。溶融混練時、粘度調製や反応効率向上のため例えばトルエン、キシレン等の有機溶剤を添加して行っても良い。また、溶融混練は、0.01mmHg〜常温大気圧の範囲で行なっても良い。減圧下で溶融混練することは、未反応変性剤や添加溶剤の除去に効果がある。溶液法、懸濁法等としては、オレフィン系重合体とジアミン化合物を溶媒に溶解し反応させることで行なうことも出来る。溶剤は特に制限無く用いることが出来、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤等が好適に用いられる。製造は0℃〜400℃の範囲で行なわれ、好ましくは50℃〜200℃である。反応時間は1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間である。また、反応を促進させるために公知の化合物である、いわゆる酸触媒や脱水触媒等の触媒作用を有する化合物を用いてもかまわない。
アミノ基含有ポリオレフィンとの反応に用いるポリエステル樹脂は、主鎖の繰り返し単位がエステル結合を介した重合体を主成分とするものであり、セグメントの重量平均分子量は、500〜30万が好ましく、更に好ましくは、1000〜10万の範囲である。ポリエステルには、ポリエステル形成成分であるジカルボン酸またはそのエステル、及び/またはジオール類に芳香族環を有する芳香環含有ポリエステルと、芳香族環を有しない脂肪族系ポリエステル樹脂が挙げられる。
芳香環含有ポリエステルでも脂肪族系ポリエステル樹脂、どちらも本発明におけるアミノ基含有ポリオレフィンとの反応に用いることができるが、反応による架橋構造化を避けるためには、酪酸やカプロン酸などの非対称モノマー単位からなるポリエステルを用いることが好ましい。
芳香環含有ポリエステル樹脂としては、特に芳香族ジカルボン酸またはそのエステルから形成されるポリエステルが好ましい。かかる芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジオール類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは各々単独で、または2種以上併せて用いることができる。
芳香環含有ポリエステルとして好ましいセグメントは、アルキレンテレフタレート単位を含むポリエステルセグメントである。
脂肪族系ポリエステル樹脂としては、ヒドロキシカルボン酸(例えば、乳酸、グリコール酸、カプロン酸等)、脂肪族多価アルコール(例えば、ブタンジオール、エチレングリコール等)や脂肪族多価カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸等)が単独あるいは、共重合した構造を有するものが挙げられる。
また本ポリエステル樹脂は、該重合体の性質を著しく損なわない範囲で共重合可能な他のモノマーが共重合されたもの、あるいは、他の化合物を共有結合を介して修飾させたものでもよい。
ポリエステル樹脂が共重合体の場合、コポリマーの配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれの様式でもよい。さらに、これらは少なくとも一部が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の二官能以上等の多価アルコール、キシリレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート等のような多価イソシアネートやセルロース、アセチルセルロースやエチルセルロース等のような多糖類等が共重合されたものでもよく、少なくとも一部が、線状、環状、分岐状、星形、三次元網目構造等のいずれの構造をとってもよく、何ら制限はない。
熱可塑性樹脂組成物(D
本発明におけるポリオレフィン-ポリエステルハイブリッド重合体(C)を含有する熱可塑性樹脂組成物(D)は、互いに非相容な2種以上の熱可塑性樹脂が良好に相容化することでそれぞれ樹脂の特性損失を最小限に抑え、互いの樹脂の特性を良好に発現することができる。
特に、本発明におけるポリオレフィン-ポリエステルハイブリッド重合体(C)、ポリオレフィン樹脂(E)およびポリエステル系樹脂(F)から構成される熱可塑性樹脂組成物は、両樹脂が良好に相容化されるためポリエステルの優れた特性を殆ど損なうことなく、成形品とした場合にその表面状態が良好で、しかもその機械的物性優れた成型物を与える。ここで、当該熱可塑性樹脂組成物における樹脂の組成は目的の物性を得るために任意に変動させることができる。ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)のポリオレフィンセグメント(A)とポリオレフィン樹脂(E)は同一モノマー連鎖の重合体が好ましいが、異なっていてもお互いが親和性の高いものであればよい。また、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)のポリエステルセグメント(B)とポリエステル系樹脂(F)は同一モノマー連鎖の重合体が好ましいが、異なっていてもお互いが親和性の高いものであればよい。
また、当該熱可塑性樹脂組成物(D)中の、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)は1種類には限定されず、2種類以上含まれていてもよく、ポリオレフィン樹脂(E)が1種類とは限らず、2種類以上含まれていてもよく、更に、ポリエステル系樹脂(F)が1種類とは限らず2種類以上含まれていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(D)では、構成成分の添加量や種類を適切に選択することにより、耐衝撃性や剛性、耐熱性その他の物性とのバランスを取ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物(D)中に含まれるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の含有量は使用目的に応じて適宜変更できる。ポリオレフィン樹脂(E)およびポリエステル系樹脂()に、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を加えていくと樹脂の分散性が向上する。本発明の熱可塑性樹脂組成物中に含まれるポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の含有量として、好ましくは0.1重量部以30重量部以下であり、より好ましくは0.5重量部以上10重量部以下である。
より衝撃強度を向上させるためにはポリオレフィン樹脂(E)として非晶性または結晶性が低く、ガラス転移点(Tg)が低いものを選ぶことが良く、耐衝撃性と耐熱性のバランスをとるためには、ポリオレフィン樹脂として結晶性が高い、もしくはガラス転移点の高いのものを選ぶことが良い。衝撃強度を改良する成分として好ましくはポリオレフィン樹脂のガラス転移温度(Tg)が0℃以下、より好ましくは−20℃以下となる樹脂がよい。ポリオレフィン樹脂(A)の添加量が増加すると衝撃強度が向上するものの剛性や耐熱性が低下する。
本発明において、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)、ポリオレフィン樹脂(E)およびポリエステル系樹脂(F)から構成される熱可塑性樹脂組成物(D)は、その相構造が良好に微分散していることが特徴である。
具体的には、酸化ルテニウムによる染色を行った後に透過型電子顕微鏡で観察される切片のミクロ相構造が、ポリオレフィンを主成分とするマトリックス相(a-1)を形成し、ポリエステルを主成分とする一次分散相(b-1)を形成している場合、該一次分散相(b-1)の数平均半径が0.1〜3.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが更に好ましい。
また、酸化ルテニウムによる染色を行った後に透過型電子顕微鏡で観察される切片のミクロ相構造が、ポリオレフィンを主成分とする一次分散相(a-2相)を形成し、ポリエステルを主成分とするマトリックス相(b-2)を形成している場合、該一次分散相(a-2)の数平均半径が0.1〜3.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることが更に好ましい。
該一次分散相の数平均半径は、例えば以下のように算出することができる。
JPEG形式でフォーマットしたTEM画像ファイルをPOPIMAGING(Digital being kids Co. Ltd.製)で開き、画像を二値化する。二値化において一次分散相がポリエステルを主成分として形成されている場合にはマトリックス相であるポリエチレン相(a-1)がすべて黒色となるように、一次分散相がポリオレフィンを主成分として形成されている場合には当該ポリオレフィン相(a-2)がすべて黒色となるように、二値化の閾値を規定する。二値化画像の一次分散相が黒色の場合には、二値化画像処理により白黒を反転処理し、一次分散相を白色にする。このようにして得られた一次分散相が白色の画像に対し、円形パターン領域解析を行ない、半径の数平均値を算出する。ただし、円形パターン領域解析においては統計的な精度を保つために50個以上の円形領域を計測し、100nm以下の円形は染色や画像のムラであるために円形領域の計算から除いた。
添加物
本発明の熱可塑性樹脂組成物(D)に対しては、使用目的に応じて他の樹脂や各種添加剤を添加する事ができる。添加する他の樹脂としては、例えば熱可塑性のものとして、ポリオレフィン、ビニル系樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどなどが挙げられる。また熱硬化性ものとして、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は1種または二種以上を含有させることができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物(D)から得られる成形体(G)には、使用目的(例えば成形性、二次加工性、分解性、引張強度、耐熱性、保存安定性、耐候性、難燃性等の向上)に応じて各種添加剤(可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、染料、核化剤、滑剤、天然物等)を添加することができる。例えば、Tダイ押出成形では、フィルム、シートのブロッキング防止やすべり性を改良するために、無機添加剤や滑剤(脂肪族カルボン酸アミド類)を添加することもできる。
無機添加剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、カオリナイト、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、特にシリカや炭酸カルシウムが好適である。これ等は一種又は二種以上の混合物として用いる事もできる。また、有機添加剤としては、デンプン及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、パルプ及びその誘導体、紙及びその誘導体、小麦粉、おから、ふすま、ヤシ殻、コーヒー糟、タンパク等が挙げられる。これ等は一種又は二種以上の混合物として用いる事もできる。
熱可塑性樹脂組成物(D)の製造
本発明のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を含んでなる熱可塑性樹脂組成物(D)や、ポリオレフィン樹脂(A)、ポリエステル系樹脂(B)およびポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)から構成される熱可塑性樹脂組成物(D)、および該熱可塑性樹脂組成物(D)に対してさらに必要に応じて他の改質剤を添加した組成物を製造する方法については、熱可塑性樹脂からなる通常の熱可塑性樹脂組成物を製造する公知の方法を適宜採用することができるが。例えば、高速撹拌機、又は、低速攪拌機等を用いて予め均一に混合した後、樹脂の融点以上において十分な混練能力のある一軸あるいは多軸の押出機で溶融混練する方法、溶融時に混合混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などを採用することができる。また、前述のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の製造過程を、本熱可塑性樹脂組成物製造過程と同時に進行させてもよい。
該熱可塑性樹脂組成物(D)の製造は、成形体の成形前に行っても良いし、製造と成形を同時に行ってもよい。成形前に該熱可塑性樹脂組成物(D)を製造する場合、樹熱可塑性脂組成物(D)の形状は、通常、ペレット、棒状、粉末等が好ましい。
成形体(G)の製造方法
本発明の、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を含んでなる熱可塑性樹脂組成物(D)やポリオレフィン樹脂(A)およびポリエステル系樹脂(B)、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)から構成される熱可塑性樹脂組成物(D)から得られる成形体(G)の製造方法は公知公用の方法を用いることができる。たとえば、以下のような方法を用いて製造することができる。
(1)押出成形においては、本発明に係る樹脂組成物を、一般的なTダイ押出成形機で成形することにより、フィルムやシートを成形することができる。
(2)射出成形においては、本発明に係る樹脂組成物のペレットを溶融軟化させて金型に充填し、成形サイクル20〜90秒で成形物が得られる。
(3)ブロー成形(射出ブロー成形、延伸ブロー成形、ダイレクトブロー成形)
の内、例えば射出ブロー成形においては、本発明に係る樹脂組成物のペレットを、一般的な射出ブロー成形機で溶融して金型に充填することにより、予備成形体を得る。得られた予備成形体をオーブン(加熱炉)中で再加熱した後に、一定温度に保持された金型内に入れて、圧力空気を送出してブローすることによりブローボトルを成形することができる。
(4)真空成形・真空圧空成形においては、上記(1)の押出成形と同様の方法により成形したフィルムやシートを、予備成形体とする。得られた予備成形体を加熱して、一旦、軟化させた後、一般的な真空成形機を用いて、一定温度に保持された金型内で、真空成形、又は、真空圧空成形することにより、成形物を成形することができる。
(5)積層体成形積層体成形においては、上記(1)の押出成形の方法で得たフィルムやシートを他の基材と接着剤や熱でラミネーションする方法や、上記(1)の押出成形の方法と同様の方法でTダイから溶融樹脂を直接、紙、金属、プラスチックなどの基材上へ押出す押出ラミネーション法、本発明の樹脂組成物などを別の押出機で各々溶融し、ダイヘッドで合流させて同時に押し出す共押出法、これらを組み合わせた共押出ラミネーションなどの方法で積層成形体を得ることができる。
(6)テープヤーン成形テープヤーン成形においては、上記(1)の押出成形と同様の方法により成形したフィルムやシートを特定の幅にスリットし、60℃〜140℃の温度範囲で一軸に熱延伸し、場合によってはさらに80℃〜160℃の温度範囲で熱固定することで成形物を成形することができる。
(7)糸成形糸成形においては、押出機を用い150〜240℃の温度で溶融させ紡糸口金から吐出させる溶融紡糸法により糸を得ることができる。所望によっては60℃〜100℃の温度範囲で一軸に熱延伸し、場合によってはさらに80℃〜140℃の温度範囲で熱固定することで糸を成形することができる。
(8)不織布成形不織布成形においては、スパンボンド法またはメルトブローン法により成形体を成形することができる。スパンボンド法では、上記(7)の糸成形と同様の方法で、多孔の紡糸口金を通し溶融紡糸し、紡糸口金の下部に設置したエアーサッカを用いて延伸しウェブを形成し、捕集面に堆積させ、さらにこれをエンボスロールと平滑ロールにて圧着、熱融着させることで不織布を得ることができる。メルトブローン法では、多孔の紡糸口金を通し吐出された溶融樹脂が加熱気体吹出口から吹き出される高速度の加熱気体と接触して微細なファイバーに繊維化され、さらに移動支持体上に堆積されることで不織布を得ることができる。
本発明に係るポリオレフィン樹脂(A)およびポリエステル系樹脂(B)、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)からなる熱可塑性樹脂組成物(D)により、単なるポリオレフィンとポリポリエステル系樹脂のみが混合されただけの樹脂組成物より、相分離構造が微細化し、耐衝撃性や曲げ弾性率などの諸物性の優れた成形物が提供される。本発明においてアイゾット衝撃強度とは、ASTMD256に準じて測定した23℃、ノッチ付きのアイゾット衝撃強度をいう。
熱可塑性樹脂組成物(D)および成形体(G)の用途
本発明の樹脂組成物(D)は、上述した種々の成形加工方法により成形することができ、特に限定されることなく様々な用途に好適に使用することができる。また、これらの成形品は、電気・電子部品、建築部材、土木部材、農業資材、自動車部品および日用品、各種フィルム、通気性フィルムやシート、一般産業用途及びレクリエーション用途に好適な発泡体、糸やテキスタイル、医療又は衛生用品、などの各種用途に利用することができる。
以下に、実施例を示し、本発明の内容を詳細に説明するが、本発明はこの方法に制限されるものではない。
[調製例1]
(アミノ基含有ポリエチレン(PE-AA)の合成)
吹き込み管、熱電対、ジムロートを取り付けた1Lガラス製重合器を十分に窒素置換し、トルエン750mLを入れ、窒素ガス(30L/h)を流通させながら、攪拌条件(600rpm)で45℃まで昇温した。次いで、トリエチルアルミニウム3.3ml、アリルアミン(allyl amine)1.5mlを加えた後、50℃に調整した。5分後、別の窒素置換された20mlシュレンク瓶に調製された、下記一般式(I)で表わされるメタロセン化合物 16.9mgとメチルアルミノキサン(Al濃度が1.58mol/Lのトルエン溶液3.2ml)を接触させた深緑色溶液を添加し、速やかに窒素ガスからエチレンガス10L/hに切り替え、600rpmの攪拌速度で、50℃、180分間重合させた後、イソブチルアルコール20mLを添加し重合反応を停止させた。1N塩酸30mlを含むメタノール2Lの中に重合混合液を注ぎ、一晩攪拌した。グラスフィルターで濾別し、得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、エチレン/アリルアミン共重合体18.3gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定より得られた重量平均分子量(Mw)は、35600g/mol、数平均分子量(Mn)は、15100g/molであり、核磁気共鳴(H-NMR)分析の結果より、0.10wt%のアリルアミンが共重合されていることが確認された。
Figure 0004335780
[調製例2]
(アミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA)の合成)
減圧乾燥機で乾燥(120℃、10Torr、10時間)された、無水マレイン酸(MAH)グラフト化PP(MAH含量 0.55wt%,[η]=0.94 dl/g)110gを、熱電対、ジムロートを取り付けた500mlガラス製重合装置に入れ、一時間少量の窒素ガスで重合器内を置換した後、無水エチレンジアミン(EDA)300mlを入れ、120℃までオイルバスの温度を上昇させた。不均一状態で600ppmの攪拌速度で3時間反応させた後、氷水で室温付近まで冷却した。スラリー状のポリマーを桐山ロートで濾取し、アセトン1L中に移し、スターラーチップで攪拌しながら固液洗浄を行い(30分間)、再度桐山ロートで濾取することで、未反応のエチレンジアミンを取り除いた。得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、PP−EDA 109.5gを得た。得られたポリマーのIR測定の結果、酸無水物基に由来する1780cm−1,1840−1860cm−1の吸収がほとんど消失し、イミド結合に由来する1705cm−1付近の吸収が増大したことから、EDAのアミノ基と酸無水物基の反応によりイミド結合が生成したことが確認され、更に本ポリマーがニンヒドリンにより紫色に発色することから一級アミンの存在が確認された。
[調製例3]
(アミノ基含有ポリプロピレン(PP-HMDA)の合成)
減圧乾燥機で乾燥(120℃、10Torr、10時間)された無水マレイン酸(MAH)グラフト化PP(MAH含量 0.55wt%,[η]=0.94 dl/g)50gを、熱電対、ジムロートを取り付けた500mlガラス製重合装置に入れ、一時間少量の窒素ガスで重合器内を置換した後、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)のキシレン溶液(HMDA:Xylene=1:1(vol%))200mlを入れ、130℃までオイルバスの温度を上昇させた。均一溶解したポリマー溶液を600rpmの攪拌速度で3時間反応させた後、氷水で室温付近まで冷却した。スラリー状のポリマーを桐山ロートで濾取し、メタノール1L中に移し、スターラーチップで攪拌しながら固液洗浄を行い(30分間)、再度桐山ロートで濾取することで、未反応のエチレンジアミンを取り除いた。得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、PP−HMDA 50gを得た。ポリマーのIR測定の結果、酸無水物基に由来する1780cm−1,1840−1860cm−1の吸収がほとんど消失し、イミド結合に由来する1705cm−1付近の吸収が増大したことから、HMDAのアミノ基と酸無水物基の反応によりイミド結合が生成したことが確認され、更に本ポリマーがニンヒドリンにより紫色に発色することから一級アミンの存在が確認された。
グラフト体(PE-g-PLA)
調製例1で得られたアミノ基含有ポリエチレン(PE-EDA) 7.5gと三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−900)7.5gを500mlガラス製重合器に入れキシレン250mlを加え、110℃に加熱し溶解し、600rpmの攪拌速度で1時間攪拌した。重合器を氷水で室温まで冷却し、メタノール1.0Lに注ぐことで、ポリマーを全析出させた。析出したポリマーを桐山ロートで濾別し、メタノールをリンスすることで洗浄した。得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、さらに、その中から約3gを取り出し、クロロホルム100ml中で、3時間スターラーチップを用い攪拌した。クロロホルムに可溶なポリ乳酸のホモポリマーを除いた濾別成分を乾燥し、IRよりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、2.5wt%のポリ乳酸がグラフト化されたPE−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッドポリマーが得られていることが明らかとなった。
グラフト体(PE-g-PLA)
調製例1で得られたアミノ基含有ポリエチレン(PE-EDA) 17.0gと三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)17.0gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量60cc)を用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、クロロホルム100ml中で、3時間スターラーチップを用い攪拌した。クロロホルムに可溶なポリ乳酸のホモポリマーを除いた濾別成分を乾燥し、IRよりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、21wt%のポリ乳酸がグラフト化されたPE−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッドポリマーが得られていることが明らかとなった。
グラフト体(PP-g-PLA)
調製例2で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA) 7.5gと三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−900)7.5gを500mlガラス製重合器に入れキシレン250mlを加え、130℃に加熱し溶解し、600rpmの攪拌速度で4.5時間攪拌した。重合器を氷水で室温まで冷却し、メタノール1.0Lに注ぐことで、ポリマーを全析出させた。析出したポリマーを桐山ロートで濾別し、メタノールをリンスすることで洗浄した。得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、さらに、その中から約3gを取り出し、クロロホルム100ml中で、3時間スターラーチップを用い攪拌した。クロロホルムに可溶なポリ乳酸のホモポリマーを除いた濾別成分を乾燥し、H-NMR測定を行った結果、7.5wt%のポリ乳酸がグラフト化されたPP−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッドポリマーが得られていることが明らかとなった。
グラフト体(PP-g-PLA)
調製例2で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA) 17.0gと三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)17.0gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量60cc)を用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、クロロホルム100ml中で、3時間スターラーチップを用い攪拌した。クロロホルムに可溶なポリ乳酸のホモポリマーを除いた濾別成分を乾燥し、IRよりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、28wt%のポリ乳酸がグラフト化されたPP−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッドポリマーが得られていることが明らかとなった。
グラフト体(PP-g-PCL)
調製例2で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA) 17.0gと和光純薬製ポリ-ε-カプロラクトン(PCL:分子量70000−100000)17.0g及び、触媒として、塩化第二鉄(FeCl3)30mgを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量60cc)を用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、ソックスレー抽出機を用い、アセトン溶媒を還流(16時間)させることで、ポリ-ε-カプロラクトンのホモポリマーを除いた円筒濾紙に残留したポリマー成分を乾燥した。IRよりアミド結合の存在を確認し、11H-NMR測定より、3.3wt%のポリ-ε-カプロラクトンがグラフト化されたPP−PCLグラフト状ハイブリッドポリマーが得られていることが明らかとなった。尚、実施例5は参考例である。
[比較例1]PP-MAH/PLA
あらかじめ減圧乾燥機で乾燥(120℃,10Torr,10時間)された無水マレイン酸(MAH)グラフト化PP(MAH含量 0.55wt%,[η]=0.94 dl/g)7.5gと三井化学製ポリ乳酸 (登録商標LACEA グレードH−900)7.5gを500mlガラス製重合器に入れキシレン250mlを加え、130℃に加熱し溶解し、600rpmの攪拌速度で4.5時間攪拌した。重合器を氷水で室温まで冷却し、メタノール1.0Lに注ぐことで、ポリマーを全析出させた。析出したポリマーを桐山ロートで濾別し、メタノールをリンスすることで洗浄した。得られた白色ポリマーを減圧(10Torr)下、80℃で10時間乾燥させ、さらに、その中から約3gを取り出し、クロロホルム100ml中で、3時間スターラーチップを用い攪拌した。クロロホルムに可溶なポリ乳酸のホモポリマーを除いた濾別成分を乾燥し、H-NMR測定を行った結果、ポリ乳酸の存在を確認することはできなかった。
組成物1(EBR/PLA/PE-g-PLA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製EBR(登録商標:タフマー、グレードA0550)10gおよび実施例1で得られたポリエチレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は51.5J/mでであり、TEM測定より算出したEBR相の数平均半径は、0.55μmであった。
組成物2(EBR/PLA/PE-AA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製EBR(登録商標:タフマー、グレードA4050)10gおよび前記調製例1で得られたアミノ基含有ポリエチレン(PE-AA)1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は61.0J/mであり、TEM測定より算出したEBR相の数平均半径は、0.40μmであった。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、ソックスレー抽出機を用い、クロロホルム溶媒を還流(16時間)させることで、ポリ乳酸のホモポリマーを除いた円筒濾紙に残留したポリマー成分を乾燥した。IR測定よりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、ポリ乳酸セグメントが確認されたことから、本混練によりポリエチレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体が形成され、樹脂組成物中に存在することが確認された。
組成物3(PP/PLA/PP-g-PLA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gおよび実施例2で得られたポリプロピレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は42.5J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は、0.44μmであった。
組成物4(PP/PLA/PP-EDA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gおよび前記調製例2で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA)1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は44.0J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は0.42μmであった。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、ソックスレー抽出機を用い、クロロホルム溶媒を還流(16時間)させることで、ポリ乳酸のホモポリマーを除いた円筒濾紙に残留したポリマー成分を乾燥した。IR測定よりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、ポリ乳酸セグメントが確認されたことから、本混練によりポリプロピレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体が形成され、樹脂組成物中に存在することが確認された。
組成物5(PP/PLA/PP-HMDA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gおよび前記調製例3で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-HMDA)1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は34.9J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は、0.55μmであった。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、ソックスレー抽出機を用い、クロロホルム溶媒を還流(16時間)させることで、ポリ乳酸のホモポリマーを除いた円筒濾紙に残留したポリマー成分を乾燥した。IR測定よりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、ポリ乳酸セグメントが確認されたことから、本混練によりポリプロピレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体が形成され、樹脂組成物中に存在することが確認された。
組成物6(PP/PLA/PP-EDA)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)10gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)23gおよび前記調製例2で得られたアミノ基含有ポリプロピレン(PP-EDA)1.65gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量60cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は40.5J/mであり、TEM測定より算出したポリ乳酸相の数平均半径は0.65μmであった。得られた樹脂組成物の中から3.0gを取り出し、ソックスレー抽出機を用い、クロロホルム溶媒を還流(16時間)させることで、ポリ乳酸のホモポリマーを除いた円筒濾紙に残留したポリマー成分を乾燥した。IR測定よりアミド結合の存在を確認し、H-NMR測定より、ポリ乳酸セグメントが確認されたことから、本混練によりポリプロピレン−ポリ乳酸グラフト状ハイブリッド重合体が形成され、樹脂組成物中に存在することが確認された。
[比較例2] 組成物7(PLAのみ)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)100重量パーセントを東洋精機社製ラボプラストミルを用いて温度200℃、時間5分、回転数100rpmの条件で溶融した。得られた樹脂を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は30.0J/mであった。
[比較例3] 組成物7(PP/PLA/なし)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミルを用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は19.3J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は5.7μmであった。
[比較例4] 組成物8(PP/PLA/なし)
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)10gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)23gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミルを用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は20.5J/mであり、TEM測定より算出したポリ乳酸相の数平均半径は6.2μmであった。
[比較例5] 組成物9
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gおよびマレイン酸グラフトPP(IRで測定したPP一分子鎖当たりのマレイン酸グラフト量1.1個)3.3gおよびエチレンジアミン0.017gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は17.3J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は、5.3μmであった。
[比較例6] 組成物10
三井化学製ポリ乳酸 (登録商標 LACEA グレードH−100)23gおよび三井化学製ポリプロピレン(登録商標 三井ポリプロ、グレードJ736A)10gおよびマレイン酸グラフトPP(IRで測定したPP一分子鎖当たりのマレイン酸グラフト量1.1個)3.3gおよびエチレンジアミン0.5gを混合し、東洋精機社製ラボプラストミル(容量30cc)を用いて温度200℃、時間3分、回転数100rpmの条件で混練した。得られた樹脂組成物を温度200℃で時間5分加熱し、圧力100kg/cm、加圧時間5分の条件でプレスした後に温度30℃、圧力100kg/cmの条件で急冷することにより、厚み約3mm、幅約6.4mm、長さ約12.8mmの成形品を得た。得られた成形品をASTM法で測定したアイゾット衝撃強度は16.3J/mであり、TEM測定より算出したPP相の数平均半径は、5.6μmであった。
以上の結果から明らかなように、本発明のポリオレフィン-ポリエステルハイブリッド重合体は、ポリオレフィン樹脂とポリエステル樹脂の効果的な相容化剤として働き、得られた樹脂組成物は、比較例に示したものよりも高い衝撃強度を示している。
ポリエステル樹脂とポリオレフィン樹脂との相容性や接着性が改善され、軽量で表面状態もよく、しかも機械的諸性質を改良するポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体が提供される。また、該重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、およびそれから得られる成型体が提供される。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が2000〜50万のポリオレフィンセグメント(A)1〜99重量%、および、重量平均分子量が500〜30万のポリ乳酸セグメント(B)1〜99重量%からなり、かつ、ポリオレフィンセグメント(A)とポリ乳酸セグメント(B)がアミド結合を介しグラフト状に結合している構造を有すポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)。
  2. ゲル分率が5重量%未満である請求項1記載のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)。
  3. 請求項1または2に記載のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)を含む熱可塑性樹脂組成物(D)
  4. ポリオレフィン樹脂(E)とポリエステル樹脂(F)と請求項1または2に記載のポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)から構成され、ポリオレフィン−ポリエステルハイブリッド重合体(C)の含有量が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物(D)。
  5. 酸化ルテニウムによる染色を行った後に透過型電子顕微鏡で観察される切片のミクロ相構造が、ポリオレフィンを主成分とするマトリックス相(a-1)とポリ乳酸を主成分とする一次分散相(b-1)を形成しており、且つ、該一次分散相(b-1)の数平均半径が0.1〜3.0μmである請求項3または記載の熱可塑性樹脂組成物(D)。
  6. 酸化ルテニウムによる染色を行った後に透過型電子顕微鏡で観察される切片のミクロ相構造が、ポリオレフィンを主成分とする一次分散相(a-2)とポリ乳酸を主成分とするマトリックス相(b-2)を形成しており、且つ、該一次分散相(a-2)の数平均半径が0.1〜3.0μmである請求項またはに記載の熱可塑性樹脂組成物(D)
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体(G)。
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