JP4335541B2 - SiO2粒子とSiC粒子を分離する方法及び装置並びに分離回収SiC - Google Patents
SiO2粒子とSiC粒子を分離する方法及び装置並びに分離回収SiC Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、SiO2 粒子とSiC粒子を混合含有したスラリー液からSiC粒子を浮選分離する方法及び分離装置並びに分離回収されたSiC、SiO2 に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェハー(silicon wafer )を製造する際には、その表面を鏡面に研削するために、ウェハーの表面を、研削面にSiC砥粒を備えた研削板で研削することが行われている。このような研削を行うことから、シリコンウェハー製造時にはSi粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー廃液が多量に生じる。このような研削スラリー廃液は、従来では、有効に再利用されることなくそのまま産業廃棄物として処理されていた。
【0003】
なお、この分野における一般的技術水準を示す発明として、下記特許文献1を挙げることができる。この文献には、SiC砥粒、潤滑油、鉄分、水晶からの石英その他の微量成分を含む粘稠液体からSiCを選択的に回収する方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−254543号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では地球環境保護の社会的要請の高まりの中、このような産業廃棄物の廃棄量を縮小することが要求されると共に、可能な限り資源を再利用、有効利用することが強く求められている。
【0006】
しかしながら、上記研削スラリー廃液は、Si粒子とSiC砥粒を混合含有しているために、このままの状態では再利用に供することはできない。勿論、Si粒子とSiC砥粒とを相互に分離すれば良いのであるが、従来ではこれらを分離する実用的技術はなかった。また、Si粒子を酸化してSiO2 粒子として、SiO2 粒子とSiC粒子の混合系としたものであっても、従来ではこれらを相互分離する技術はなかったのが実状である。このような技術的背景から、従来、Si粒子とSiC砥粒を混合含有した研削スラリー廃液は、産業廃棄物として処理されていた。
【0007】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、SiO2 粒子とSiC粒子を混合含有したスラリー液からSiO2 粒子とSiC粒子を分離する方法及び分離する装置並びに分離回収SiC、SiO2 を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究の結果、SiO2 粒子とSiC粒子を含有したスラリー液に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤と、起泡剤とを配合せしめ、かつスラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に設定した状態で微細気泡を上昇させることによって、SiO2 粒子とSiC粒子とを良好に浮選分離できることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0009】
即ち、この発明に係るSiO2 粒子とSiC粒子を分離する方法(第1発明の分離方法)は、SiO2 粒子とSiC粒子を含有したスラリー液に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤と、起泡剤とを配合すると共に、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC粒子を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2 粒子を沈降させて、SiO2 粒子とSiC粒子とを分離することを特徴とするものである。
【0010】
また、この発明の別のSiO2 粒子とSiC砥粒を分離する方法(第2発明の分離方法)は、シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたSi粒子及びSiC砥粒を含む混合物を加熱処理することによって、SiO2 粒子とSiC砥粒の混合物を得る工程と、前記混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得る工程と、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC砥粒を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2 粒子を沈降させて、SiO2 粒子とSiC砥粒とを分離する工程とを包含することを特徴とする。
【0011】
また、この発明のさらに別のSiO2 粒子とSiC砥粒を分離する方法(第3発明の分離方法)は、シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたスラリーであって、Si粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー液から油分を粗回収除去したのち加熱処理を行って油分を燃焼させる油分除去工程と、前記油分除去工程を経て得られたSiO2 粒子とSiC砥粒の混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得る工程と、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC砥粒を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2 粒子を沈降させて、SiO2 粒子とSiC砥粒とを分離する分離工程とを包含することを特徴とする。
【0012】
上記第1〜3発明に係る分離方法では、スラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に調節している。このpH2.0〜4.0の条件では、図1からも理解できるように、SiO2 のゼータ電位は負であり、即ちSiO2 の表面は負の電荷を有しているのに対して、SiCのゼータ電位は正であり、即ちSiCの表面は正の電荷を有している。そして、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤は、正の電荷を持つSiCに静電的に吸着して、該捕収剤が吸着したSiC粒子は微細気泡とともに浮上する一方、前記捕収剤は負の電荷を持つSiO2 には吸着しないから、SiO2 粒子は微細気泡の上昇には関係なく沈降する。このようにしてSiC粒子とSiO2 粒子が分離される、即ちSiC粒子が浮上物となる一方、SiO2 粒子が沈降物となって両者が相互に分離される。またスラリー液に起泡剤を含有せしめているので、微細な気泡が多数生じるものとなり、これによりSiC粒子を効率良く浮上させて浮選分離することができる。
【0013】
また、第3発明では、油分を粗回収除去したのち加熱処理して油分を燃焼させる油分除去工程を設けているから、不純物含有の少ない高純度のSiC粒子を分離回収できる利点がある。
【0014】
前記第3発明において、油分の粗回収除去操作はフィルタープレスを用いて行うのが好ましい。フィルタープレスを用いることで、油分の除去を効率良く行うことが可能となる。
【0015】
また、第2及び第3発明において、加熱処理は400〜800℃で行うのが好ましい。
【0016】
この発明の分離方法において、捕収剤としては1−ドデカンスルホン酸ナトリウムまたはアルキルベンゼンスルホン酸を用いるのが好ましく、この場合にはSiC粒子に対する捕収剤の吸着性能が一層向上して、SiC粒子を余すことなく浮上させることができるので、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能となる。
【0017】
また、微細気泡の平均直径は0.05〜5mmの範囲に設定するのが好ましく、これによりSiC粒子を余すことなく浮上させることができると共にSiC粒子の浮上速度も増大させることができる。
【0018】
また、起泡剤としてはパインオイルを用いるのが好ましい。これにより、SiC粒子を一層速やかに浮上させることができ、分離に要する時間を一層短縮できる利点がある。
【0019】
また、スラリー液の水素イオン濃度をpH2.3〜3.7の範囲に設定するのが好ましく、この場合にはSiO2 の表面は負の電荷を多く有するものとなると共に、SiCの表面は正の電荷を多く有するものとなるから、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能となる。
【0020】
この発明に係る回収SiCは、上記いずれかの分離方法によって浮選分離されたSiCを水洗したのち乾燥させて得られたことを特徴とする。この回収SiCは、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0021】
この発明に係る回収SiO2 は、上記いずれかの分離方法によって分離されたSiO2 を水洗したのち乾燥させて得られたことを特徴とする。この回収SiO2 は、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0022】
また、この発明の別のSiO2 粒子とSiC粒子を分離する方法(第4発明の分離方法)は、SiO2 粒子とSiC粒子を含有したスラリー液に、1級アミン、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤と、起泡剤とを配合すると共に、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiO2 粒子を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiC粒子を沈降させて、SiO2 粒子とSiC粒子とを分離することを特徴とする。
【0023】
この分離方法では、スラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に調節している。このpH2.0〜4.0の条件では、図1からも理解できるように、SiO2 のゼータ電位は負であり、即ちSiO2 の表面は負の電荷を有しているのに対して、SiCのゼータ電位は正であり、即ちSiCの表面は正の電荷を有している。そして、1級アミン、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤は、負の電荷を持つSiO2 に静電的に吸着して、該捕収剤が吸着したSiO2 粒子は微細気泡とともに浮上する一方、前記捕収剤は正の電荷を持つSiCには吸着しないから、SiC粒子は微細気泡の上昇には関係なく沈降する。このようにしてSiC粒子とSiO2 粒子が分離される、即ちSiO2 粒子が浮上物となる一方、SiC粒子が沈降物となって両者が相互に分離される。またスラリー液に起泡剤を含有せしめているので、微細な気泡が多数生じるものとなり、これによりSiO2 粒子を効率良く浮上させて浮選分離することができる。
【0024】
上記第4発明の分離方法において、捕収剤としてはトリメチルオクチルアンモニウムクロライドまたはトリメチルオクチルアンモニウムブロマイドを用いるのが好ましく、この場合にはSiO2 粒子に対する捕収剤の吸着性能が一層向上して、SiO2 粒子を余すことなく浮上させることができるので、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能となる。
【0025】
この発明に係る、SiO2 粒子とSiC粒子を分離する装置は、下方位置に気体入口が設けられ、上方位置に気体出口が設けられた分離容器を備え、該分離容器の内部における上下方向の中間部に濾過フィルター部材が設けられて、分離容器の内部空間が、前記濾過フィルター部材によって上部空間と下部空間に仕切られると共に、前記分離容器における上部空間に連通する位置にスラリー液供給口が設けられ、前記分離容器における前記スラリー液供給口よりも上方位置に回収口が設けられる一方、前記分離容器における下部空間に連通する位置に液出口が設けられていることを特徴とする。
【0026】
本分離装置を第1〜3発明の分離方法に用いた場合を例に説明すれば、スラリー液供給口よりSiO2 粒子とSiC粒子を含有したスラリー液を分離容器内に送液しつつ、気体入口より空気等を分離容器内に送気すると、微細気泡が発生して上昇し、この上昇気泡とともにスラリー液中のSiC粒子(捕収剤が吸着したもの)が浮上し、これによって回収口からSiC含有スラリー液が溢れ出て、SiC粒子が分離回収される。一方、捕収剤が吸着していないSiO2 粒子は沈降し、濾過フィルター部材によって捕捉されて、粒子を含まない液体のみが濾過フィルター部材を通過して液出口より吐出される。このようにして、SiC粒子とSiO2 粒子とを分離することができる。本分離装置は、第4発明の分離方法にも適用できる。
【0027】
上記装置において、気体入口は、スラリー液供給口よりも下の位置に配置されるのが望ましい。このような構成を採用すれば、スラリー液供給口より送り込まれたSiC粒子を微細気泡によって余すことなく浮上させることができ、SiCの分離回収効率を顕著に向上させることができる。
【0028】
上記濾過フィルター部材としてはガラスフィルター板または金属製多孔板が用いられるのが望ましい。この場合には、SiO2 粒子を確実に捕捉できるし、濾過フィルター部材としての耐久性が向上する。
【0029】
更に、分離容器の周側壁の上方位置からその全周にわたってタンク底壁が外方に向けて突設され、該タンク底壁の外周縁部から上方に向けてタンク側壁が延設されることで回収タンク部が構成され、前記分離容器の回収口から溢れ出てきたスラリー液(例えばSiC含有スラリー液)が、前記回収タンク部に受容されるものとなされている構成を採用するのが、好ましい。SiCを浮上分離させる場合を例に説明すれば、回収タンク部において、回収口から溢れ出てきた分離SiC含有スラリー液を漏らすことなく集束して受容することができるのであるが、このような簡易な構成で、分離SiC含有スラリー液を集めることができるので、装置コストを低減できる利点がある。なお、本構成は、第1〜4発明のいずれの分離方法にも適用できるものである。
【0030】
更に、回収タンク部の一部に通液口が設けられ、該通液口に回収管が接続されると共に、前記回収タンク部のタンク底壁の少なくとも一部が前記通液口に向けて下に傾斜する傾斜面に形成されている構成を採用するのが、好ましい。SiCを浮上分離させる場合を例に説明すれば、このような構成を採用することで、回収タンク部に受容されたSiC含有スラリー液は、スムーズに通液口に向けて流れて回収管に回収されるものとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
この発明に係るSiO2 粒子とSiC粒子を分離する方法の好適な一実施形態について説明する。本実施形態で用いるスラリー液は、シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたスラリーであって、Si粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー液である。
【0032】
まず、前記研削スラリー液から油分を粗回収除去する。この粗回収除去する手法は特に限定されないが、フィルタープレスを用いて行うのが、油分の除去を効率良く行い得る点で、好ましい。
【0033】
次いで、加熱処理を行って油分を燃焼させる。このような加熱処理は、通常は加熱炉内で行われる。このような油分除去工程を経ることによって、最終的に不純物(油分等)含有の少ない高純度のSiCを分離回収することができる。また、この加熱処理の際にSi粒子は酸化されてSiO2 粒子になる。
【0034】
前記油分除去工程を経て得られたSiO2 粒子とSiC砥粒の混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得ると共に、このスラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節する。捕収剤、起泡剤、水の配合順序は特に限定されない。また、水素イオン濃度の調節もどの段階で行っても良いが、最後に行うのが好ましい。
【0035】
上記のようにスラリー液を調整した後、このスラリー液中において微細気泡を上昇させる。例えばスラリー液中に空気を吹き込むことによって気泡を発生させると該気泡が上昇するものとなる。この時、スラリー液に起泡剤を含有せしめているので、微細な気泡が多数生じる。なお、空気の代わりに、酸素、窒素、アルゴン、ネオン等の気体を吹き込んで微細気泡を発生させるようにしても良い。
【0036】
スラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に調節しているが、このpH2.0〜4.0の条件では、図1からも理解できるように、SiO2 のゼータ電位は負であり、即ちSiO2 の表面は負の電荷を有しているのに対して、SiCのゼータ電位は正であり、即ちSiCの表面は正の電荷を有している。そして、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤は、正の電荷を持つSiCに静電的に吸着して、該捕収剤が吸着したSiC粒子は微細気泡とともに浮上する一方、前記捕収剤は負の電荷を持つSiO2 には吸着しないから、SiO2 粒子は微細気泡の上昇には関係なく沈降する。このようにしてSiC粒子とSiO2 粒子が分離される、即ちSiC粒子が浮上物となる一方、SiO2 粒子が沈降物となって両者が相互に分離される。
【0037】
次に、分離されたSiC粒子(スラリー液状態)を回収した後、水洗、乾燥を行うことによって、回収SiC粒子が得られる。この回収SiCは、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0038】
また、分離されたSiO2 粒子(スラリー液状態)を回収した後、水洗、乾燥を行うことによって、回収SiO2 粒子が得られる。この回収SiO2 は、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0039】
この発明の分離方法において、捕収剤としては、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤を用いる。これらの中でも、1−ドデカンスルホン酸ナトリウムまたはアルキルベンゼンスルホン酸を用いるのが好ましい。この場合にはSiC粒子に対する捕収剤の吸着性能が向上し、SiC粒子を微細気泡によって余すことなく浮上させることができるので、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能となる。
【0040】
前記捕収剤の濃度は、5〜500mg/kgの範囲に設定するのが好ましい。下限値を下回ると捕収剤の吸着性能が低下するので好ましくないし、一方上限値を上回っても効果の増大は望めず徒に分離コストを増大させるだけであるので好ましくない。
【0041】
起泡剤としては、泡発生を促進する作用を有するものであれば、特に限定されず、どのようなものでも使用できるが、その中でもパインオイルを用いるのが好ましい。パインオイルを用いた場合には、SiC粒子を一層速やかに浮上させることができるので、分離に要する時間を一層短縮できる。
【0042】
前記起泡剤の濃度は、0.1〜5g/Lの範囲に設定するのが好ましい。下限値を下回ると微細気泡の発生量が不足してSiCの分離回収率が低下するので好ましくないし、一方上限値を上回ると微細気泡の発生量があまりにも増えすぎて却ってスムーズな浮選分離操作に支障を来すことが懸念されるので好ましくない。
【0043】
前記微細気泡の平均直径は0.05〜5mmの範囲に設定するのが好ましい。下限値を下回ると微細気泡の浮上速度が低下してSiC粒子の浮上速度が低下するので好ましくないし、一方上限値を上回るとSiCの分離回収率が低下するので好ましくない。
【0044】
また、この発明では、スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に設定するが、pHをこのような範囲に調整するためのpH調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば塩酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0045】
前記スラリー液の水素イオン濃度はpH2.3〜3.7の範囲に設定するのが好ましく、この場合にはSiO2 の表面は負の電荷を多く有するものとなると共に、SiCの表面は正の電荷を多く有するものとなるから、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能となる。即ち、分離回収されたSiC粒子は、不純物含有の極めて少ない高純度のものとなるし、同じく分離回収されたSiO2 粒子は、不純物含有の極めて少ない高純度のものとなる。特に好ましいpH範囲は、2.5〜3.5の範囲であり、このような範囲に設定すれば上記効果を確実に享受できるものとなる。
【0046】
次に、この発明の分離方法を実施するのに好適な分離装置の一例を図2に示す。この分離装置(1)において、(2)は分離容器、(3)は濾過フィルター部材、(4)は気体入口、(5)は気体出口、(6)はスラリー液供給口、(7)は液出口、(8)はSiC回収口である。
【0047】
前記分離容器(2)は、筒状の周側壁(18)の下側端面(開口端面)に円形状の底壁(19)が接合されてなる。この分離容器(2)の内部における上下方向の略中央部には、濾過フィルター部材(3)が設けられている。即ち、前記分離容器(2)の周側壁(18)の内面からリング状のフィルター受け部(16)が内方に向けて水平に突設固定されており、このフィルター受け部(16)の上面内周縁部に形成された凹部に嵌まり込む態様で、円板状の濾過フィルター部材(3)が載置されると共に、該濾過フィルター部材(3)の上に更にテーパ状押さえ部(17)が載置されることによって、濾過フィルター部材(3)がこれら(16)(17)の間に挟み込まれて、分離容器(2)の内部における上下方向の略中央部に支承配置されている。そして、この濾過フィルター部材(3)によって分離容器(2)の内部空間が上部空間(9)と下部空間(10)に仕切られている。なお、分離容器(2)の底壁(19)には脚部(30)が設けられており、これによって分離容器(2)が設置床面から離間して配置されるように構成されている。なお、本実施形態では、前記濾過フィルター部材(3)としてガラスフィルター板を用いている。
【0048】
前記分離容器(2)における上部空間(9)に連通する位置にスラリー液供給口(6)が設けられている。本実施形態では、前記濾過フィルター部材(3)より少し上の位置にスラリー液供給口(6)が設けられている。このスラリー液供給口(6)にはスラリー液供給管(14)が連通接続されている。
【0049】
前記分離容器(2)における下部空間(10)に連通する位置に気体入口(4)が設けられている。即ち、気体入口(4)は、前記スラリー液供給口(6)よりも下の位置に配置されている。この気体入口(4)には空気供給管(12)が連通接続されており、ポンプ等により圧送されてくる空気が、空気供給管(12)、気体入口(4)を介して前記分離容器(2)内に送り込まれる。送り込まれた空気は、微細気泡となって前記下部空間(10)内を上昇して前記濾過フィルター部材(3)を通過して前記上部空間(9)内に入り込み、さらに上昇する。
【0050】
前記分離容器(2)の上面は開口されており、該開口部がSiC回収口(8)を形成すると共に気体出口(5)をも形成している。即ち、この開口部であるSiC回収口(8)から、分離容器(2)内を浮上分離してきたSiC含有スラリー液が溢れ出る一方、同じく分離容器(2)内を浮上してきた微細気泡がこの気体出口(5)を介してさらに上方に移動する。
【0051】
また、前記分離容器(2)の底壁(19)には液出口(7)が設けられており、該液出口(7)に液排出管(15)が連通接続されている。この液排出管(15)は、液出口(7)から下方に延ばされたのち略L字状に屈曲されて水平方向に延ばされており、前記脚部(30)における液排出管(15)の先端部に対向する領域には挿通開口部(31)が穿設されている。この挿通開口部(31)に接続管(図示しない)を挿通することによって前記液排出管(15)にこの接続管を連通接続し得るものとなされている。
【0052】
更に、前記分離容器(2)の上端部には回収タンク部(20)が連結されている。即ち、前記分離容器(2)の周側壁(18)の上端部からその全周にわたってタンク底壁(21)が外方に向けて突設されると共に、このタンク底壁(21)の外周縁部から上方に向けてタンク側壁(22)が延設され、これらタンク底壁(21)とタンク側壁(22)によって回収タンク部(20)が構成されている。前記タンク側壁(22)の一部には通液口(25)が穿設されており、該通液口(25)に回収管(11)が連通接続されている。しかして、分離容器(2)のSiC回収口(8)から溢れ出てきたSiC含有スラリー液は、前記回収タンク部(20)に受容された後、通液口(25)、回収管(11)を介して回収される。
【0053】
本実施形態では、前記回収タンク部(20)のタンク底壁(21)の一部が前記通液口(25)に向けて下に傾斜する傾斜面(21a)に形成されているから、回収タンク部(20)に受容されたSiC含有スラリー液は、通液口(25)に向けてスムーズに流れて回収管(11)に回収される。
【0054】
前記回収タンク部(20)の上面には蓋体(23)が接合されている。この蓋体(23)の中央部には通気口(24)が設けられており、該通気口(24)に空気排出管(13)が連通接続されている。前記分離容器(2)内を上昇してきた微細気泡は、気体出口(5)、通気口(24)、空気排出管(13)を通過して外部に排出される。
【0055】
しかして、上記分離装置(1)を用いた、SiO2 粒子とSiC粒子を含有したスラリー液からの両者の分離方法について説明する。本実施形態で用いるスラリー液は、シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたスラリーであって、Si粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー液である。まず、前記研削スラリー液から油分を粗回収除去した後、加熱処理を行って油分を燃焼させる。こうして得られたSiO2 粒子とSiC砥粒の混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得ると共に、このスラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節する。
【0056】
前記調節後のスラリー液を、スラリー液供給管(14)、スラリー液供給口(6)を介して分離容器(2)内の上部空間(9)内に送液しつつ、前記気体入口(4)より空気を分離容器(2)の下部空間(10)内に送気する。この送気によって、下部空間(10)内で微細気泡が発生して上昇し、前記濾過フィルター部材(3)を通過して上部空間(9)内に入り込み、さらに上昇する。この上部空間(9)内では、上昇気泡とともにスラリー液中のSiC粒子(周りに捕収剤が吸着している)が浮上し、このSiC含有スラリー液は、前記SiC回収口(8)から溢れ出て、前記回収タンク部(20)に受容された後、通液口(25)、回収管(11)を介して回収される。回収したSiCを水洗したのち、乾燥させることによって、回収SiCが得られる。
【0057】
一方、前記分離容器(2)の上部空間(9)内において、SiO2 粒子には捕収剤が吸着しないので、該SiO2 粒子は沈降し、濾過フィルター部材(3)によって捕捉される。従って、粒子を含まない液体のみが濾過フィルター部材(3)を通過して下部空間(10)内に入り、底面に設けられた液出口(7)を介して液排出管(15)より排出される。このような過程を経てSiC粒子とSiO2 粒子とが分離される。なお、濾過フィルター部材(3)によって捕捉したSiO2 粒子は、取り出した後、これを水洗、乾燥させることによって、回収SiO2 が得られる。
【0058】
上記実施形態では、微細気泡形成のための気体として空気を用いているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば酸素、窒素、アルゴン、ネオン等の気体を用いるものとしても良い。
【0059】
上記分離装置(1)は、この発明の分離方法を実施する装置の好適例を示したものであり、この発明の分離方法は、このような装置(1)によって行うものに特に限定されるものではなく、例えば従来より鉱山で用いられてきた公知の浮選機を用いて行うこともできる。
【0060】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0061】
<実施例1>
シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたスラリーであって、Si粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー液から油分をフィルタープレスを用いて粗回収除去した後、600℃で加熱処理を行って油分を燃焼させて除去した。こうして得られた混合物に水を加えて得たスラリーであって、SiO2 粒子(平均粒径2μm)とSiC砥粒(平均粒径20μm)を含有したスラリー液(SiO2 含量5重量%、SiC含量20重量%、水含量65重量%)1000gに、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム0.02gとパインオイル2gとを混合した後、pH調整剤(塩酸、水酸化ナトリウム)を添加して該スラリー液のpHを3.0に調節した。
【0062】
調節後のスラリー液を、図2に示す分離装置(1)のスラリー液供給管(14)に送液しつつ、気体入口(4)より空気を送気した。回収管(11)から、分離SiC含有スラリー液を回収し、これを水で洗浄したのち、乾燥させることによって、回収SiCを得た。また、濾過フィルター部材(3)によって捕捉したSiO2 粒子を取り出した後、これを水洗、乾燥させることによって、回収SiO2 を得た。
【0063】
<実施例2>
スラリー液のpHを2.6に調節した以外は、実施例1と同様にして分離を行って、回収SiCを得ると共に回収SiO2 を得た。
【0064】
<実施例3>
スラリー液のpHを3.4に調節した以外は、実施例1と同様にして分離を行って、回収SiCを得ると共に回収SiO2 を得た。
【0065】
<実施例4>
捕収剤として、1−ドデカンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシルベンゼンスルホン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして分離を行って、回収SiCを得ると共に回収SiO2 を得た。
【0066】
<実施例5>
捕収剤として、1−ドデカンスルホン酸ナトリウムに代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして分離を行って、回収SiCを得ると共に回収SiO2 を得た。
【0067】
<比較例1>
捕収剤を用いないものとした以外は、実施例1と同様にして分離を試みたが、SiCを浮上分離することはできなかった。即ち、SiC、SiO2 ともに沈殿した。
【0068】
<比較例2>
スラリー液のpHを1.0に調節した以外は、実施例1と同様にして分離を試みたが、SiC、SiO2 ともに浮上物となり、相互分離できなかった。
【0069】
<比較例3>
スラリー液のpHを5.0に調節した以外は、実施例1と同様にして分離を試みたが、SiCを浮上分離することはできなかった。即ち、SiC、SiO2 ともに沈殿した。
【0070】
<比較例4>
スラリー液に起泡剤を含有せしめない構成とした以外は、実施例1と同様にして分離を行って、回収SiCを得ることはできたが、その分離回収効率は低かったし、また浮上回収できなかった残りのSiCは、SiO2 とともに多量に沈殿した。
【0071】
【表1】
【0072】
<SiCの分離回収率>
SiCの分離回収率(X)は次式により求めた。
【0073】
X(%)=(回収SiC量/投入スラリー液中のSiC含有量)×100
<SiC分離性の評価>
浮上物を回収して得られた回収物において、SiCの純度が極めて高いものを「◎」、SiCの純度が高いものを「○」、SiCの純度がやや高いものを「△」、SiCの純度が低いものを「×」とした。
【0074】
<SiO2 分離性の評価>
沈殿物を回収して得られた回収物において、SiO2 の純度が極めて高いものを「◎」、SiO2 の純度が高いものを「○」、SiO2 の純度がやや高いものを「△」、SiO2 の純度が低いものを「×」とした。
【0075】
【表2】
【0076】
表から明らかなように、この発明の分離方法を適用した実施例1〜5では、高純度の分離回収SiCを得ることができると共に、高純度の分離回収SiO2 を得ることができた。
【0077】
これに対し、捕収剤無添加の比較例1では、SiCを浮選分離することはできなかった。また、pHがこの発明の規定範囲を下回って逸脱する比較例2では、SiC、SiO2 ともに浮上物となってしまい、相互分離することはできなかった。また、pHがこの発明の規定範囲を上回って逸脱する比較例3では、SiCを浮選分離することはできなかった。また、起泡剤を含有せしめなかった比較例4では、SiCを浮選分離することはできたものの、その分離回収効率は低かったし、また浮上回収できなかった残りのSiCは、SiO2 とともに多量に沈殿した。
【0078】
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明(分離方法)によれば、スラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に調節することで、SiO2 の表面は負の電荷を有しているのに対して、SiCの表面は正の電荷を有したものとなり、スルホン酸及びスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤が、正の電荷を持つSiCに静電的に吸着して、該捕収剤が吸着したSiC粒子は微細気泡とともに浮上する一方、前記捕収剤は負の電荷を持つSiO2 には吸着しないから、SiO2 粒子は微細気泡の上昇には関係なく沈降する。このようにしてSiC粒子とSiO2 粒子を分離できる。また、スラリー液に起泡剤を含有せしめているので、微細な気泡が多数生じるものとなり、これによりSiC粒子を効率良く浮上させて浮選分離することができる。
【0079】
更に、請求項3に係る発明では、上記諸効果に加えて、不純物含有の少ない高純度のSiC粒子を分離回収できる利点がある。
【0080】
請求項4に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、油分の除去を効率良く行うことができる。
【0081】
請求項5に係る発明によれば、付着油分を確実に除去できる。
【0082】
請求項6、7に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することができ、分離して得られたSiC粒子、SiO2 粒子は、いずれも不純物含有が少なく高純度である。
【0083】
請求項8に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、SiC粒子を余すことなく浮上させることができると共にSiC粒子の浮上速度も増大させることができる。
【0084】
請求項9に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、分離に要する時間を一層短縮できる利点がある。
【0085】
請求項10に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することが可能になる。
【0086】
請求項11に係る回収SiCは、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0087】
請求項12に係る回収SiO2 は、不純物含有が少なく高純度であり、様々な用途に有効利用可能である。
【0088】
請求項13に係る発明(分離装置)によれば、簡単な構成であり装置コストを低減しつつ、SiC粒子とSiO2 粒子とを効率よく分離することができる。
【0089】
請求項14に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、SiCの分離回収効率を顕著に向上させることができる。
【0090】
請求項15に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、SiO2 粒子を確実に捕捉できる利点があるし、濾過フィルター部材の耐久性も向上できる。
【0091】
請求項16に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、簡易な構成で分離粒子(例えばSiC粒子)含有スラリー液を集めることができるので、装置コストをさらに低減できる利点がある。
【0092】
請求項17に係る発明によれば、上記諸効果に加えて、分離された粒子(例えばSiC粒子)を含有したスラリー液をスムーズに回収することができる。
【0093】
請求項18に係る発明によれば、スラリー液のpHを2.0〜4.0の範囲に調節することで、SiO2 の表面は負の電荷を有しているのに対して、SiCの表面は正の電荷を有したものとなり、1級アミン、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤が、負の電荷を持つSiO2 に静電的に吸着して、該捕収剤が吸着したSiO2 粒子は微細気泡とともに浮上する一方、前記捕収剤は正の電荷を持つSiCには吸着しないから、SiC粒子は微細気泡の上昇には関係なく沈降する。このようにしてSiC粒子とSiO2 粒子を分離できる。また、スラリー液に起泡剤を含有せしめているので、微細な気泡が多数生じるものとなり、これによりSiO2 粒子を効率良く浮上させて浮選分離することができる。
【0094】
請求項19に係る発明によれば、SiC粒子とSiO2 粒子とを確実に相互分離することができ、分離して得られたSiC粒子、SiO2 粒子は、いずれも不純物含有が少なく高純度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】SiCとSiO2 におけるゼータ電位とpHの関係を示す図である。
【図2】この発明の分離装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…分離装置
2…分離容器
3…濾過フィルター部材
4…気体入口
5…気体出口
6…スラリー液供給口
7…液出口
8…SiC回収口
9…上部空間
10…下部空間
11…回収管
20…回収タンク部
21…タンク底壁
21a…傾斜面
22…タンク側壁
25…通液口
Claims (12)
- SiO2粒子とSiC粒子を含有したスラリー液に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤と、起泡剤とを配合すると共に、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC粒子を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2粒子を沈降させて、SiO2粒子とSiC粒子とを分離することを特徴とするSiO2粒子とSiC粒子を分離する方法。
- シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたSi粒子及びSiC砥粒を含む混合物を加熱処理することによって、SiO2粒子とSiC砥粒の混合物を得る工程と、
前記混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得る工程と、
前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC砥粒を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2粒子を沈降させて、SiO2粒子とSiC砥粒とを分離する工程とを包含することを特徴とするSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。 - シリコンウェハー製造時の研削工程で生じたスラリーであって、Si粒子とSiC砥粒を含有した研削スラリー液から油分を粗回収除去したのち加熱処理を行って油分を燃焼させる油分除去工程と、
前記油分除去工程を経て得られたSiO2粒子とSiC砥粒の混合物に、アルキルスルホン酸及びアルキルスルホン酸ナトリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤、起泡剤および水を配合してスラリー液を得る工程と、
前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiC砥粒を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiO2粒子を沈降させて、SiO2粒子とSiC砥粒とを分離する分離工程とを包含することを特徴とするSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。 - 前記油分の粗回収除去操作をフィルタープレスを用いて行う請求項3に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記加熱処理を400〜800℃で行う請求項2〜4のいずれか1項に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記捕収剤として1−ドデカンスルホン酸ナトリウムを用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記捕収剤としてアルキルベンゼンスルホン酸を用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記微細気泡の平均直径が0.05〜5mmの範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記起泡剤としてパインオイルを用いる請求項1〜8のいずれか1項に記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- 前記研削スラリー液の水素イオン濃度をpH2.3〜3.7の範囲に設定する請求項1〜9のいずれか1項記載のSiO2粒子とSiC砥粒を分離する方法。
- SiO2粒子とSiC粒子を含有したスラリー液に、1級アミン、2級アミン、3級アミン及び4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種または2種以上の捕収剤と、起泡剤とを配合すると共に、前記スラリー液の水素イオン濃度をpH2.0〜4.0の範囲に調節し、この状態でスラリー液中に微細気泡を上昇させることによって、捕収剤が吸着したSiO2粒子を微細気泡とともに浮上させる一方、捕収剤が吸着しないSiC粒子を沈降させて、SiO2粒子とSiC粒子とを分離することを特徴とするSiO2粒子とSiC粒子を分離する方法。
- 前記捕収剤としてトリメチルオクチルアンモニウムクロライドまたはトリメチルオクチルアンモニウムブロマイドを用いる請求項11に記載のSiO2粒子とSiC粒子を分離する方法。
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