JP4335369B2 - 汚染物質が付着した粒状体の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染土壌や焼却灰等の汚染物質が付着された粒状体の減容化と無害化とを実現するための処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リサイクルができない生ゴミ等の可燃物は、主に、ストーカ式焼却炉あるいは流動床式焼却炉において焼却され、焼却灰として廃棄物処分場に搬出されて埋設される。実際の焼却灰には、上記可燃物に混って焼却された金属屑やガラスあるいは陶器類の欠片や土砂等も含まれているので、焼却灰の成分としては、各種金属やシリカ,アルミナ,石灰等が混ざっている。このような焼却灰は、廃棄量が多いことや、重金属類や焼却過程で生じたダイオキシン等の有害物質が付着していることから、焼却灰の減容化及び無害化の方法あるいは再利用の技術の確立が望まれている。
焼却灰に含まれる鉛,亜鉛,銅,カドミウム等の有害な重金属類を無害とする方法として、(1)溶融固化、(2)セメント固化、(3)薬剤処理、(4)酸やその他の溶媒による安定化、(5)炭酸塩化処理、(6)水洗浄などがある。これらの内で最も確実な方法は(1)の溶融固化で、これは焼却灰を約1500℃以上の高温で溶融した後廃棄物処分場に廃棄、または粉砕して微粒片とし再利用する方法で、この処理方法は現在実用化されている。この処理方法では、重金属類は溶融物の内部に封じ込められているので、上記溶融物が水に触れた場合でも上記重金属類が溶出することはないといわれている。
(2)のセメント固化は、焼却灰にセメントを入れるため、廃棄物の量が増大してしまうという致命的な欠点がある。その上、セメントの混入によって処理された焼却灰はアルカリ性が強くなり、かえって鉛などが溶出する危険性が高い。(3)の薬剤処理では、pH調整が重要であるが、焼却灰に含まれる物質が一定せずかつ多様なことからpH調整が難しく、不適切であると薬剤添加の効果がないので疑問視されている。(4)の酸やその他の溶媒による安定化は、重金属類を残存させた状態で安定化させるので、長期的に溶出を防止することは難しい。(5)の炭酸塩化処理は維持管理が難しく、その上装置が複雑なので実用的ではない。(6)の水洗浄は、酸性雨等で酸性環境にならなければ、比較的容易に重金属類が除去できるといわれているが、その効果は粉体状の飛灰で確認されているだけで、焼却灰の場合のように、団粒状態にあるような粒状体に付着されている重金属類に対しては、十分な効果が期待できない。
また、上述した溶融固化は、焼却灰の処理温度が高いため、ダイオキシン類を熱分解して無害化することができるので、現状では、この溶融固化による処理が最も効果的であるといわれており、この溶融固化が焼却灰の処理方法の主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長期的にみると、溶融固化においても、処分場に埋設された溶融物の内部に封じ込められている重金属類が溶出する可能性は否定できない。また、溶融固化では、焼却灰を高温で溶融するために、溶融炉等の大型設備を必要とすることや、多大な燃料を必要とすることから、設備の建設費や処理コストが高いといった問題点がある。
【0004】
一方、近年、化学工場や金属精錬工場等の工場近辺の土壌が、重金属類や有機塩素化合物あるいは油性分等で汚染されていることが問題視されている。また、海難事故等により海に流出した原油で汚染された海浜の土壌や、原油存在地盤のトンネル掘削に伴い搬出される掘削土には原油が付着しているため、その処理が困難となることがしばしばある。更に、汚染物質が付着した土壌(汚染土壌)としては、上述した焼却灰により汚染されたものもある。
このような汚染土壌に対しても、上記汚染物質を除去し、石,砂,微粒分等を抽出して再利用する技術の確立が望まれている。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、汚染土壌や焼却灰等の汚染物質の付着した粒状体から、上記汚染物質を効率的に分離して除去することのできる汚染物質が付着した粒状体の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法は、内周面に軸方向に沿って取付けられた中心方向に突出する複数の外羽根を有する円筒状の回転ドラムと、外周面に軸方向に沿って取付けられた径方向に突出する複数の内羽根を有するロータとを備え、上記ロータが上記回転ドラムの内部に上記回転ドラムに対し偏心して取付けられた細粒化手段の処理空隙である上記回転ドラムと上記ロータとの間隙に、粒状体同士が固着面で固着されて団粒状態となっている汚染物質が付着した粒状体を投入するとともに上記粒状体に加水し、上記回転ドラムと上記ロータとを互いに逆方向に回転させて、上記団粒状態となっている粒状体に圧縮力及び粒状体相互間の擦り合わせの力を作用させ、上記団粒状態となっている粒状体を独立した個々の粒状体に分離して細粒化する第1の工程と、この第1の工程の後に設けられて、上記回転ドラムと上記ロータとの間隙を上記第1の工程よりも狭くして、上記回転ドラムと上記ロータとを互いに逆方向に回転させ、上記第1の工程で細粒化された上記個々の粒状体の表面に付着している汚染物質を含む微粒片を上記個々の粒状体から分離する第2の工程と、上記第1及び第2の工程で細粒化された粒状体中から、上記汚染物質を含む微粒片が分離された粒径の大きな粒状体を分離し、残りの汚染物質を含む微粒片を水とともに回収する第3の工程と、上記回収された微粒片と上記水とを分離して、上記微粒片を廃棄場へ廃棄可能とする第4の工程とを備えたことを特徴とする。
上記細粒化処理は、詳細には、投入した汚染物質が付着した粒状体に圧縮応力を作用させ、多数の粒状体同士が固着している団粒状の汚染物質が付着した粒状体を、上記粒状体を破壊することなくほぼ独立した粒状体に分離して細粒化する第1の工程の細粒化処理(以下、解砕処理と呼ぶ)と、上記粒状体に加える応力を大きくし、粒状体相互間の擦り合わせの力を作用させて、粒状体同士の摩擦による相互研磨を行わせ、上記粒状体の表面に付着している汚染物質を分離する第2の工程の細粒化処理(以下、解膠処理と呼ぶ)とをいう。
【0008】
請求項2に記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法は、上記回収した水を、薬剤処理及び清浄化処理してから循環させて再利用することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法は、汚染物質を含まない粒径の大きな粒状体を、液体サイクロンにより分離することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法は、液体サイクロンで分離された汚染物質を含む微粒片を遠心分離機に導いて、重金属類・ダイオキシン類を含む微粒片と、この微粒片よりも粒径の大きな無害な微粒片とに分離することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法は、遠心分離機で分離された2種類の微粒片から2種類のケーキを作るようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態に係わる汚染物質が付着した粒状体の連続処理システムを示す処理フローである。本実施の形態の連続処理システムは、汚染物質が付着した粒状体に加水し上記粒状体の粗い解砕を行うための一次細粒化機11と、この一次細粒化機11で解砕処理された上記粒状体に加水し、上記粒状体の解砕・解膠処理を行うための二次細粒化機12とを備えた細粒化手段1と、上記細粒化手段1から排出された粒状体の中から、5mm〜10mm径以上の大きさの粒状体とそれより大きさの小さな粒状体を分離する粒状体分離手段である一次選別振動スクリーン20及び二次選別振動スクリーン22と、第1及び第2の液体サイクロン30,34を備え、上記汚染物質を含まない粒径の大きな粒状体と上記汚染物質を含む微粒片とを分離する細粒分離手段3と、シックナータンク40と遠心分離器42とを備え、細粒分離手段3で分離された汚染物質を含む微粒片を、更に、重金属類・ダイオキシン類を含む微粒片と、この微粒片よりも粒径の大きな無害な微粒片とに分離する微粒片分離手段4と、微粒片分離手段4から排出される処理水を浄化して処理水を細粒化手段1に循環させる水処理手段5とを備えている。
【0014】
上記一次細粒化機11と二次細粒化機12とは、図2に示すような従来の破砕機10と略同様の構造の細粒化手段を用いて汚染物質が付着した粒状体の細粒化処理を行っている。この破砕機10は、特開平8−164363号公報に開示された浚渫土等の破砕に用いられる装置で、砂礫や粘土等を含む浚渫土を粉砕することなく、浚渫土中の石等の鋭角部を取り除くとともに土塊や砂塊等を破砕するもので、内周面に軸方向に沿って取付けられ、中心方向に突出する複数の外羽根6Wを有する円筒状の回転ドラム6と、外周面に軸方向に沿って取付けられ、径方向に突出する複数の内羽根7Wを有し、上記回転ドラム6の内部に偏心して取付けられたロータ7とを備え、回転ドラム6の外周に設けられた環状歯車6aをモータ8により、ロータ7に取付けられた回転軸7aを駆動機構7bにより、それぞれ互いに逆方向に回転させ、破砕機10に投入された浚渫土等の投入物に圧縮及びすべり応力を作用させて上記投入物を破砕したり、破砕された投入物間の相互摩擦により破砕物を研磨するものである。上記投入物に作用する応力の大きさは、主に、回転ドラム6とロータ7との間隔(ロータ7の偏心度)と、回転ドラム6及びロータ7のそれぞれの回転速度により調整する。
【0015】
本発明の一次細粒化機11と二次細粒化機12での解砕・解膠の条件は、粒状体同士が固着されて団粒状態となっている汚染物質が付着した粒状体を、上記粒状体を破壊することなく分離し、かつ上記粒状体中の各粒状体表面に付着している重金属類やダイオキシン類などの汚染物質を上記粒状体から剥離するような条件にそれぞれ設定してある。
汚染物質が付着した粒状体の粗い解砕を行う一次細粒化機11は、図3(a)に示すように、ロータ7の偏心量を小さくして回転ドラム6とロータ7との間隔D1を比較的広くするとともに、回転速度を低速としている。また、上記粒状体焼却灰の解膠処理を主とする二次細粒化機12では、図3(b)に示すように、ロータ7の偏心量を大きくして回転ドラム6とロータ7との間隔D2を狭くし、かつ回転速度を高速にしている。
【0016】
一次細粒化機11または二次細粒化機12中では、図4に示すように、処理空隙である回転ドラム6とロータ7との間隙に投入された汚染物質が付着した粒状体Sは、回転ドラム6の外羽根6Wによって上方に掻き上げられるとともに、ロータ7の内羽根7Wによって下方に引き下げられるので、上記粒状体Sには圧縮応力とともにせん断応力が作用し上記粒状体Sは解砕・解膠処理される。
すなわち、図5(a)に示すように、粒状体同士が固着面rで固着されて団粒状態となっている汚染物質が付着した粒状体の各粒状体pあるいは粒状体同士が固着してはいないが大きさの大きい粒状体pに圧縮応力及びせん断応力が作用し、上記団粒状の各粒状体が上記固着面rのところから分かれてほぼ独立した細かな粒状体pに細粒化される(解砕)とともに、図5(b)に示すように、粒状体同士に擦り合わせ方向の力が作用し、粒状体p相互の摩擦により各粒状体の表面に付着された重金属類やダイオキシン類などの汚染物質qの粒状片が剥離され粒状体pから分離される(解膠)。なお、上記汚染物質qは、団粒状の粒状体の表面だけでなく、各粒状体pの表面である上記固着面rにも付着されている(図5(a)参照)。したがって、解砕時には、団粒状の粒状体の表面に付着されている汚染物質qの一部は剥離されることもあるが、ほとんどは上記解膠処理の際に粒状体pの表面から分離される。また、一部の大きさの大きい粒状体の中には破砕されて細粒化されるものもある。
【0017】
次に、処理材料が焼却灰である場合を例にとり、図6のフローチャートに従って、図1の処理フローを説明する。
まず、受け入れホッパ13に投入された焼却灰をベルトコンベアにより搬送し、一次細粒化機11に投入し、一次細粒化機11において、給水部である後述する二次処理水槽53からの処理水を上記焼却灰に加水しながら、上記焼却灰に対して粗い解砕を行い、焼却灰を種々の大きさの粒状体に分離するとともに、焼却灰の表面に弱く付着しているダイオキシン類や重金属類を上記処理水中に浮遊あるいは溶解した状態で離脱させつつ、上記焼却灰を下流側に移動させ、一次細粒化機11の排出口11aから排出し(ステップS1)た後、分級用の網11bと一次選別振動スクリーン20とにより第1回の粒状体分離を行う(ステップS2)。一次細粒化機11では、回転ドラム6とロータ7との間隔が広く、かつ低速回転であるので、大型の金属類や挟雑物等の固形物は解砕されずに排出される。この大型の固形物は、上記排出口11aに設けられた約30mmの分級用の網11bにより捕獲されて除去され、ベルトコンベアにより搬出される。一方、約30mm以下の粒状体となった焼却灰は、5mm〜10mm程度の一次選別振動スクリーン20により篩い分けされる。
篩い分けされた10mm以下の焼却灰は、磁気式金属除去機21において、焼却灰中の金属片を取り除いた後に、二次細粒化機12に送られる。一方、10mm〜30mm程度の大きさの粒状体はベルトコンベアにより搬出され再利用または廃棄される。なお、一次選別振動スクリーン20には二次処理水槽53から水が供給され、一次選別振動スクリーン20を通過した水は、後述する第1のフィードサンプ23に送られる。
【0018】
二次細粒化機12においては、一次選別振動スクリーン20を通過した概ね10mm以下の粒状体から成る上記焼却灰に対し、二次処理水槽53からの処理水を上記焼却灰に加水しながら、回転ドラム6とロータ7との間隔を狭くしかつ回転速度を高速にして焼却灰中の粒状体相互の摩擦による研磨を行い、焼却灰に強く付着している重金属類やダイオキシン類を離脱させつつ上記焼却灰を下流側に移動させ、二次細粒化機12の排出口12aから排出する(ステップS3)。二次細粒化機12から排出された焼却灰は、5mm程度の二次選別振動スクリーン22に送られ、第2回の粒状体分離を行う(ステップS4)。二次選別振動スクリーン22で選別された5mm以下の砂分や細粒化された灰粒子等の粒状体を含んだ泥状の焼却灰は、第1のフィードサンプ23に一時貯蔵され後、細粒分離手段3の第1の液体サイクロン30に送られる。一方、分離された5mm〜10mm程度の砂礫や細かい陶器片を主とした粒状体は、搬出され再利用あるいは破棄される。
【0019】
第1の液体サイクロン30では、約100μm以下の粒状体を処理水中に浮遊させて上部から排出する。また、第1の液体サイクロン30の底部から排出された粒径が100μmを越える粒状体を含むスラリーは、第1のスピゴットタンク31に送られた後、第1の脱水振動スクリーン32で約100μm以上の砂分を主体とした粒状体が分離され(ステップS5)て、第2のフィードサンプ33に送られる。また、上記第1の液体サイクロン30の上部から排出された汚染物質等の有害な微粒片を含む約100μm以下の粒状体を含んだ処理水は、第1のフィードサンプ23に一時貯蔵された後、第2のフィードサンプ33に送られる。
同様に、第2のフィードサンプ33に貯蔵された約100μm以下の粒状体となった焼却灰は、第2の液体サイクロン34と第2の脱水振動スクリーン36とにより、20〜100μmの微粒砂を主とした粒状体と20μm以下の微粒片とに分級される。すなわち、第2の液体サイクロン34の上部から排出された約20μm以下の微粒片を含んだ処理水は、第2のフィードサンプ33に一時貯蔵された後、ゴミ処理トロンメル37を介してシックナータンク40に送られる。また、一方、第1の液体サイクロン30の底部から排出された粒径が20μmを越える粒状体を含むスラリーは、第2のスピゴットタンク35に送られた後、第2の脱水振動スクリーン36により、約20μm以上の微粒砂を主体とした粒状体が分離されて、シックナータンク40に送られる。
【0020】
微粒片分離手段4では、シックナータンク40により、処理水中に溶解または浮遊している重金属類を分離するとともに、遠心分離器42により、ダイオキシン類等の微粒片を分離する微粒片の分離を行う(ステップS7)。
すなわち、シックナータンク40では、上記約20μm以下の微粒片を含んだ処理水と泥状の焼却灰とをタンク内でゆっくりと回転させ、粒状体等の固形物を凝集沈殿させる固液分離を行う。上記シックナータンク40の上澄み液には、上述したように、焼却灰から分離された重金属類が溶解あるいは浮遊しているので、汚水処理部18の一次処理水槽50に送られ処理される。この一次処理水槽50では、キレート剤等の添加によって上記重金属類の不溶化塩を形成させ重金属類を不溶化することにより、上記重金属類を上記処理液から分離する。
一方、シックナータンク40の底部に沈殿したスラリー状の焼却灰は、第1のスラリータンク41に貯蔵された後、遠心分離器42において、ダイオキシン類等の微粒片を除去した後、第2のスラリータンク43に送られ貯蔵される。このスラリーは、重金属類やダイオキシン類が除去されて無害化されているので、脱水機44に送り、脱水ケーキAを作製し再利用することができる。また、遠心分離器42で分離された、ダイオキシン類等の微粒片を多く含む有害な汚泥からも脱水ケーキBを作製し、溶融固化等の処理を施し廃棄する。
【0021】
なお、脱水機44で脱水された水は濾過水返却用タンク51に送られ一時貯蔵され、その後、一次処理水槽50で重金属類を不溶化した後、液体濾過装置52に送られる。液体濾過装置52では、上記処理水を活性炭等の吸着材で濾過して重金属類やダイオキシン類を除去して浄化する。この浄化された処理水は給水部である二次処理水槽53に送られる。また、シックナータンク40から一次処理水槽50に送られた処理水も、上記液体濾過装置52で浄化された後、二次処理水槽53に送られる。二次処理水槽53に戻された処理水は、補給用の清水と混合されて、再び、一次細粒化機11,二次細粒化機12及び一次選別振動スクリーン20等に供給される。
【0022】
なお、上記実施の形態においては、処理材料が焼却灰である場合の処理フローについて説明したが、汚染土壌についても、上記処理フローと同様の処理フローチャートにより、土粒子に付着した汚染物質を効率よく取り除くことができるとともに、汚染土壌中の石,砂,微粒分等を抽出して再利用することができる。
但し、処理材料が汚染土壌の場合には、土粒子は団粒化していることが少ないと思われるので、一次細粒化機11,二次細粒化機12ともに、上記図5(b)に示す解膠作用が主となる。なお、焼却灰を含んだ汚染土壌の場合には、一次細粒化機11では粗い解砕を行い、二次細粒化機12では解砕及び解膠を行う。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、円筒状の回転ドラムと上記回転ドラムの内部に回転ドラムに対し偏心して取付けられたロータとを備えた細粒化手段の処理空隙である上記回転ドラムと上記ロータとの間隙に、粒状体同士が固着面で固着されて団粒状態となっている汚染物質が付着した粒状体を投入して加水し、上記回転ドラムと上記ロータとを互いに逆方向に回転させて、上記団粒状態となっている粒状体に圧縮力及び粒状体相互間の擦り合わせの力を作用させ、上記団粒状態となっている粒状体を独立した個々の粒状体に分離し、更に、回転ドラムと上記ロータとの間隙を狭くして、上記個々の粒状体の表面に付着している汚染物質を含む微粒片を上記個々の粒状体から分離した後、上記細粒化処理された粒状体中から、重金属等の汚染物質を含む微粒片が分離された粒径の大きな粒状体を分離し、残りの汚染物質を含む微粒片を水とともに回収し、しかる後に、上記微粒片と上記水とを分離して、上記微粒片を廃棄場へ廃棄可能としたので、大きな粒状体を再利用できるとともに、有害物のみを廃棄できるので、廃棄量を削減することができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、処理水を薬剤処理及び清浄化処理してから循環させて再利用するようにしたので、排水量や水の供給量を最小限にすることができ、設備の小型化と省コスト化とを図ることができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、液体サイクロンを用い、重金属類・ダイオキシン類などの汚染物質を含む微粒片を、液体サイクロン上部の処理水に浮遊させるようにして分離したので、汚染物質を含まない粒径の大きな粒状体と汚染物質を含む微粒片とを確実に分離することができる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明によれば、液体サイクロンで分離された汚染物質を含む微粒片を遠心分離機に導いて、重金属類・ダイオキシン類を含む微粒片と、この微粒片よりも粒径の大きな無害な微粒片とに分離したので、無害化処理を行う微粒片を少なくすることができる。
【0029】
請求項5に記載の発明によれば、遠心分離機で分離された2種類の微粒片から2種類のケーキを作るようにしたので、汚染物質が付着した粒状体の減容化を図ることができる。なお、汚染物質を含む有害な汚泥をケーキ状にすれば、扱いが容易で、無害化して再利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる処理フローを示す図である。
【図2】 従来の破砕機の構造を示す図である。
【図3】 本実施の形態の細粒化手段の設定条件を示す図である。
【図4】 本実施の形態の解砕・解膠作用を説明するための図である。
【図5】 本実施の形態の解砕・解膠作用を説明するための図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係わる焼却灰の処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 細粒化手段、3 細粒分離手段、4 微粒片分離手段、5 水処理手段、
6 回転ドラム、6W 外羽根、7 ロータ、7W 内羽根、
11 一次細粒化機、12 二次細粒化機、13 受け入れホッパ、
20 一次選別振動スクリーン、21 磁気式金属除去機、
22 二次選別振動スクリーン、23 第1のフィードサンプ、
30 第1の液体サイクロン、31 第1のスピゴットタンク、
32 第1の脱水振動スクリーン、33 第2のフィードサンプ、
34 第2の液体サイクロン、35 第2のスピゴットタンク、
36 第2の脱水振動スクリーン、37 ゴミ処理トロンメル、
40 シックナータンク、41 第1のスラリータンク、42 遠心分離器、
43 第2のスラリータンク、44 脱水機、50 一次処理水槽、
51 濾過水返却用タンク、52 液体濾過装置、53 二次処理水槽。
Claims (5)
- 内周面に軸方向に沿って取付けられた中心方向に突出する複数の外羽根を有する円筒状の回転ドラムと、外周面に軸方向に沿って取付けられた径方向に突出する複数の内羽根を有するロータとを備え、上記ロータが上記回転ドラムの内部に上記回転ドラムに対し偏心して取付けられた細粒化手段の処理空隙である上記回転ドラムと上記ロータとの間隙に、粒状体同士が固着面で固着されて団粒状態となっている汚染物質が付着した粒状体を投入するとともに上記粒状体に加水し、上記回転ドラムと上記ロータとを互いに逆方向に回転させて、上記団粒状態となっている粒状体に圧縮力及び粒状体相互間の擦り合わせの力を作用させ、上記団粒状態となっている粒状体を独立した個々の粒状体に分離して細粒化する第1の工程と、
この第1の工程の後に設けられて、上記回転ドラムと上記ロータとの間隙を上記第1の工程よりも狭くして、上記回転ドラムと上記ロータとを互いに逆方向に回転させ、上記第1の工程で細粒化された上記個々の粒状体の表面に付着している汚染物質を含む微粒片を上記個々の粒状体から分離する第2の工程と、
上記第1及び第2の工程で細粒化された粒状体中から、上記汚染物質を含む微粒片が分離された粒径の大きな粒状体を分離し、残りの汚染物質を含む微粒片を水とともに回収する第3の工程と、
上記回収された微粒片と上記水とを分離して、上記微粒片を廃棄場へ廃棄可能とする第4の工程とを備えたことを特徴とする汚染物質が付着した粒状体の処理方法。 - 水は薬剤処理及び清浄化処理してから循環させて再利用することを特徴とする請求項1記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法。
- 汚染物質を含まない粒径の大きな粒状体を、液体サイクロンにより分離することを特徴とする請求項1記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法。
- 液体サイクロンで分離された汚染物質を含む微粒片を遠心分離機に導いて、重金属類・ダイオキシン類を含む微粒片と、この微粒片よりも粒径の大きな無害な微粒片とに分離することを特徴とする請求項3記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法。
- 遠心分離機で分離された2種類の微粒片から2種類のケーキを作るようにしたことを特徴とする請求項4記載の汚染物質が付着した粒状体の処理方法。
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