JP4847498B2 - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイオキシン類を含む汚染土壌の浄化方法に関する。
汚染土壌の洗浄方法としては、例えば、特許文献1に示されるように、重金属を含む汚染土壌について、重金属を含む微細粒子が付着している土壌粒子と塩基性化合物とを混合してpHを調整し、次いで該混合物を、振動装置を通過させてから液体サイクロンに導入する方法、或いは、特許文献2に示されるように、重金属類やダイオキシン等の有害物質が付着した粒状体の中から重金属等を含まない粒径の大きい粒状体を分離し、残りの有害物を含む微粒片を水と共に回収した後、水を分離して廃棄可能とする粒状体の処理方法が知られている。
しかしながら、粒径75μm以下の土粒子が90%以上あるような「底質」に対しては、粒径が微小であるため、従来の方法では、効果的な分級洗浄は困難である。
底質とは、河川、湖沼、海洋等の水底に砂利、砂、粘土、ヘドロ等の不溶物が堆積したものであり、本来は無害なものであるが、近年の人間生活の高度化ならびに産業の発達に伴い、自然の浄化能力を超えた汚染物質が排出されるようになり、ダイオキシン等の有害物質や有機物が高濃度に含まれる環境汚染が問題となっている。ダイオキシンは、元々、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)という物質を指している。「ダイオキシン類対策特別措置法」では、このダイオキシンと似たような性質を示すポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナー塩化ビフェニル(Co−PCB)を合わせて「ダイオキシン類」と定義している。これらは、置換した塩素の位置や数により多数の構造異性体を持ち、毒性も異なっている。
すなわち、ダイオキシン類は物質により毒性の強さが異なるため、ダイオキシン類の濃度は、最も毒性の高い、PCDDの一種である2,3,7,8-TCDDの毒性を1として、他のダイオキシン類の毒性の強さを換算した毒性等価係数を用いて、ダイオキシン類の毒性を足し合わせた毒性等量(TEQ:Toxic Equivalent)が用いられている。
そして、陸上処分する場合に選定される処理方法として、3000 pg-TEQ/g超の場合は、埋め立てる区画を明確に管理して一時保管することも可能であるが、最終的には分解無害化するように示されている。土壌の環境基準値1000pg-TEQ/g以下であれば、土質材料として、制限なく利用が可能である。
底質ダイオキシン類は、対策の必要な量が数千から数十万立方メートルと大量になるため、その処理のための費用が莫大なものとなることが想定されている。その中でも、ダイオキシン類濃度が高い場合には無害化処理が必要とされる。ダイオキシン類の無害化処理技術は、溶融法、低温還元熱分解法、化学分解法等、様々なものが開発されているが、いずれも高価になるため、コストダウンを実現する技術が望まれている。
特開2000−325936公報 特開2000−210651公報
本発明は、ダイオキシン類を含む汚染土壌を低コストで浄化処理する方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダイオキシン類を含む土壌について次のような知見に基づいてなされたものである。
まず、底質には、腐食性の有機物が付着しており、ダイオキシン類は、この有機物に付着しやすい性質を有する。そこで、この有機物を土粒子から剥がせば、ダイオキシン類と土粒子を分離できる。粒子は粒径が小さいほど比表面積が大きいので、ダイオキシン類濃度は、微粒分ほど高く、粗粒分ほど低くなる。従って、底質を洗浄して土粒子から有機物を剥がすと共に土塊を細粒化させ、これを分級してダイオキシン類の付着量の比較的少ない粗粒分を取出すことにより、土質材料として利用可能になる。すなわち、この取り出された粗粒分については、それ以上、費用がかかる無害化処理を行う必要が無くなる。
かかる知見に基づき、本発明は、上記の目的を達成する汚染土壌の浄化方法として、
ダイオキシン類を含む汚染土壌の底質を所定濃度の泥水に調整し、
該泥水をハイドロサイクロンに導入することにより粗粒分を分離し、当該分離された粗粒分のダイオキシン類濃度をハイドロサイクロンの設置段数毎に予め測定しておき、
該泥水中の固形分のダイオキシン類濃度に対する前記分離された粗粒分のダイオキシン類濃度の比が最少となる、ハイドロサイクロンの設置段数を定めておき、
当該ハイドロサイクロンの設置段数で、前記泥水から分離された粗粒分を脱水処理する一方、分級された微粒分を含む泥水を無害化処理することを特徴とする方法を提供する。
本発明によれば、ダイオキシン類を含む汚染土壌の底質の泥水をハイドロサイクロンに導入することにより粗粒分を分離し、当該分離された粗粒分のダイオキシン類濃度をハイドロサイクロンの設置段数毎に予め測定しておく。また、該泥水中の固形分のダイオキシン類濃度に対する前記分離された粗粒分のダイオキシン類濃度の比が最少となるハイドロサイクロンの設置段数を定めておく。そして、当該ハイドロサイクロンの設置段数で、前記泥水から分離された粗粒分を脱水処理するようにしたので、最終粗粒分のダイオキシン類濃度を最少にして、以後の無害化処理を簡易化することができ、それにより汚染土壌の処理に要する費用を大幅に低減することができる。
本発明の浄化方法においては、前記底質を所定濃度の泥水に調整した後、該泥水をハイドロサイクロンに導入する前に、前記所定濃度に調整した泥水についてpHをアルカリ性側に調整することによって該泥水中の土粒子を分散させ、該泥水に乱流を付与して、土粒子に付着した有機物を分離させることが好ましい。
また、前記脱水処理する前の粗粒分に水を加え、所定時間静置して得られる沈殿物を脱水処理することが好ましい。更に、前記脱水処理する前の粗粒分に水を加えた泥水についてpHを酸性側に調整した後、静置することが好ましい。
また、洗浄のために、一旦アルカリ性側にpH調整されて土粒子が分散状態となっている泥水を沈降分離するに際し、当該泥水のpHを酸性側に調整しておくことにより、土粒子の沈降を促進させ、当該沈降分離に要する時間を短縮でき、処理の効率化を図ることができる。また、凝集剤添加の場合に生じる粗粒分の土粒子と共にダイオキシン類濃度が高い微粒子も一緒に沈降してしまうのを阻止し、先に粗粒分の土粒子のみを沈降させることができる。
更に、本発明の浄化方法において、前記底質を所定濃度の泥水に調整した後、該泥水をハイドロサイクロンに導入する前に、前記所定濃度に調整した泥水に過酸化水素を添加して有機物を酸化分解することにより、泥水中の土粒子からダイオキシン類が付着した有機物を除去することができる。
図1は、ダイオキシン類による汚染底質の処理システムの概念図である。このシステムは、底質Aを洗浄・分級処理する工程1と、ここで脱水された汚泥B及び汚水Cを浄水化処理する工程2と、上記汚泥Bを無害化処理する工程3とを含み、上記工程1で洗浄された土粒子(洗浄土)Dは、土壌の環境基準値(1000pg-TEQ/g)以下になり、汚泥Bは、工程3で無害化物Eとなる。このシステムでは、後述のように本発明の浄化方法を実施する工程1で底質を洗浄・分級処理することにより、最終的に無害化処理する底質量を低減することが可能となり、全体の処理費用を低減することができる。
上記のように洗浄・分級処理される汚染土壌に含まれるダイオキシン類は、難水溶性であり、水中では水に溶けているのではなく、微粒子状のものに吸着して存在している。底質の場合は、底質の土粒子に付着している有機物にダイオキシン類が吸着していると考えられる。図2に、実験結果から得られた底質のTOC(全有機炭素)とダイオキシン類濃度との関係を示す。これにより、TOCとダイオキシン類濃度は正の相関があることがわかる。従って、土粒子からダイオキシン類が付着している有機物を取り除くことにより、ダイオキシン類濃度の低い底質を分離できる可能性が高い。
また、底質の土粒子の比表面積を考えると、微粒子ほど比表面積が大きいため、単位重量当たりのダイオキシン類濃度は高くなると想定できる。このため、図3に示すように、底質を比較的粒径が大きくダイオキシン類濃度が低いと考えられる部分と、粒径が小さくダイオキシン類濃度が高くて無害化処理が必要な部分とに分級することにより、無害化処理する底質量を低減することが可能と考えられる。
従来、土壌を対象とした洗浄分級技術の研究・開発が行われ、実用化されたものもあるが、有機物を含み且つ比較的粒径の小さい粒子が大部分を占める底質に対しては、実績が乏しいというのが現状である。
図4は、本発明の浄化方法を実施する浄化システムを示す。このシステムは、汚染土壌の底質を入れる汚泥槽11、スタティックミキサー12、4段の超小型ハイドロサイクロン13a〜13d、沈殿槽14、及び2台の脱水機15,16を備えて構成されている。
ここで、スタティックミキサーは、駆動部のない静止型ミキサーであって複数の流体を混合するものであり、流体を流す方向に複数のエレメントを交互にねじれた形に配置して構成されている。流体は、1つのエレメントを通過する毎に2分割されながら、左右交互にねじれているエレメントによって反転し、各エレメントのねじれ面に沿って中心部から壁面、そして壁面から中心部へと移動することで混合される。図4の浄化システムでは、スタティックミキサー2は、スラリー状の土壌に乱流を生じさせることで、土粒子から有機物を剥がすために用いられる。
ハイドロサイクロンは、液体中の粒子を遠心力によって連続的に分離する装置であり、次のような機能を有する。図5に示すように、材料(底質)をハイドロサイクロン内部に円筒断面の接線方向に圧入すると、本体内面に沿って回転(1次回転流)しながら流下する。下部の排出口からは一部しか排出されないため、上向きの2次回転流が生じ、上部の溢流排出口を通って排出する。1次回転流は、遠心力が比較的小さいため、粗大粒子が内壁へと沈降する。2次回転流は周速、角速度とも1次回転流よりもはるかに大きいため、強い遠心力により微細粒子が分離され、一次回転流により分離された粒子と共に、内壁に沿って移動し、下部から濃縮されたスラリーとなって排出される。
ハイドロサイクロンの分離性(分級点)は、遠心加速度及び滞留時間によって決定される。沈降分離が可能な限界粒子径dsは、次式(1)のように表される。しかし、実際には、限界粒子径で完全に分離できるわけではなく、粗粒分に微粒分が、また微粒分に粗粒分が、それぞれ一部混入する。
s=[18μq/g(ρp−ρf)Z]0.5 ・・・(1)
ここで、ds:限界粒子径(cm)、μ:粘度g/cm/s、q:単位面積当りの流量cm/s、g:重力加速度cm/s2、ρp:粒子密度g/cm3、ρf:液体密度g/cm3、Z:重力加速度に対する倍率(遠心効果)。
このようなハイドロサイクロンの分級性能に影響を与える要因として、固液混合材料の投入圧力、粒子形状や固形分濃度がある。スラリーの場合、固形分濃度が高くなると、粘性の増加や粒子間の流れが妨げられることによって分級性能が低下する。また、ハイドロサイクロンの分級性能は、サイクロンの内径と相関があり、材料の粒径が小さいと、サイクロンも小さくしなければ十分な分離性能が得られない。本発明の実施形態では、底質を分級するに際しその粒径が小さいことから、これまで建設分野等で一般的に使われてきたものに比べて非常に小さい、超小型ハイドロサイクロンを用いている。具体的には、ハイドロサイクロンは円錐状で、寸法は、例えば上部流入部内径:10 mm、下部排出口内径:1.5 mmと、非常に小型である。このハイドロサイクロンを複数個、並列に組み込むことにより単位時間当たりの必要処理量を確保できる。
以下、図4の浄化システムで実施される本発明の浄化方法について説明する。
(1)底質の分散化
初めに、汚染土壌の底質を入れて一定濃度の泥水として調整した汚泥槽11に、分散剤として水酸化ナトリウム(NaOH)を入れて攪拌する。ここで、底質は微粒子であり、水中では電気的に凝集している。この状態では洗浄効率が悪いので、水酸化ナトリウム(NaOH)等の分散剤を添加することによりpHをアルカリ側に調整して、土粒子を分散させる。
また、過酸化水素(H)を(10%VOL程度)添加して有機物を酸化分解することにより、土粒子から、ダイオキシン類が付着した有機物を除去することも可能である。
(2)底質の洗浄、分級
上記(1)の処理を行った後、上記土粒子を含む底質スラリーを、前述のようなスタティックミキサー12に導入して乱流を生じさせ、底質から、ダイオキシン類が付着した有機物を剥がす。その後、底質の粒径に対応するために、4段の超小型ハイドロサイクロン13a〜13dにより順次連続して、且つ2〜4段目のハイドロサイクロン13b〜13dでは水を加えながら、比較的粒径が大きくダイオキシン類の付着量が少ない粗粒分と、ダイオキシン類の付着量が多い微粒分とに分級する。ここで、2〜4段以降、各段で加水するのは、各段のハイドロサイクロンを通す毎に粗粒分が濃縮されて固形分濃度が上がるため、次段のハイドロサイクロンに供給できるように濃度を調整するためである。
また、この浄化システムでは、ハイドロサイクロンに4回通すこととしているが、これは、次の理由による。
図6は、ハイドロサイクロンの設置段数と実験で使用した土壌の最終粗粒分のダイオキシン類濃度との関係を示す。図に示すように、ハイドロサイクロンの段数が4段になるまでは、段数の増加に伴ってダイオキシン類濃度が低減している。しかし、5段以上に増加すると、4段に比べて濃度は高くなり、段数の増加が濃度低減に結びついていない。これは、段数を増やすと、土粒子からダイオキシン類が付着した有機物が剥がれ、剥がれた微粒子状の有機物が水中に浮遊し、分級した時に最終粗粒分に混じるか或いは一部が付着することにより、粗粒分のダイオキシン類濃度が上昇してしまうため(ダイオキシン類が剥がれた結果、ダイオキシン類の付着の少なくなった微粒分は上昇して取除かれてしまうため)と考えられる。
また、ハイドロサイクロンによる分級が進むと、下部から排出される粗粒分は濃縮されて、固形分濃度が大きくなる。4段以降は、粗粒分の固形分濃度に殆ど変化が見られない。また、最終粗粒分の粒度分布を4回のケースと比べても、顕著な差が見られない。以上より、4段が適切な設置数と考えられる。
上記のハイドロサイクロンによる分級過程においても、ある程度の洗浄効果が得られる。この処理を複数回繰り返すことで、洗浄分級効果を高めることができる。最終段のハイドロサイクロン13dから得られた粗粒分は、沈殿槽14に入れられる。
(3)ダイオキシン類毒性濃度が低い土粒子の取り出し
上記(2)の処理で得られた粗粒分には、毒性濃度が高い微粒子も少量混入している。また、水溶液中にもダイオキシン類が分散している。そのため、粗粒分のダイオキシン類濃度を更に低下させるためには、比較的粒径の大きい土粒子のみを分離して取り出すことが望ましい。
しかしながら、粒径が底質ほど小さくない土壌であれば、膜処理によって土粒子を分離することができるが、底質の場合には、膜処理ではすぐに目詰まりを起こすので、上記のような分離は難しい。
そこで、上記(2)の処理で得られた粗粒分を含むスラリーを、沈殿槽14内で沈降分離させることにより、粗粒分を取り出す。そのまま沈降分離させると、アルカリ性側へのpH調整により泥水は分散状態にあるため、その沈降に時間を要する。その対策として凝集剤を用いると、微粒分と粗粒分とが凝集して一つのフロックを形成し、ダイオキシン類濃度が高い微粒子も一緒に沈降してしまうので、ここでは土粒子の電気的性質を利用する。すなわち、pH調整剤(この場合、HCl)を添加してpHを酸性側に調整することにより、粗粒分の土粒子を沈降させる。沈降したら、上澄み液を除去するか或いは沈降物を底部から抜き取ることにより、粒径が比較的大きくダイオキシン濃度が低い土粒子のみを取り出す。
相対的にダイオキシン類の付着の多い微粒分が多く存在している上層の液分については、第1の脱水機15にて脱水し、残留物は脱水ケーキとなって、前述のような無害化処理に送られる。また、脱水処理で分離された水も無害化処理されて、最終的に排出される。
一方、沈殿槽14内の沈降物については、そのダイオキシン類濃度と静置時間との関係が、図7のグラフで示されるように変化する。これは、図4の浄化システムにおいて、汚染土壌の試料について泥水中の沈殿固形物のダイオキシン濃度を所定の静置時間(分)毎に予め測定し、実験データとして記録したものである。
これによれば、当初はダイオキシン類の付着の少ない大径の粒子が、ダイオキシン類の付着の多い小径の粒子と比べて先に沈降する。このため、沈殿物における固形分のダイオキシン類濃度は、スラリー全体の固形分のそれと比べて低くなる。一方、時間の経過と共に、ダイオキシン類の付着の多い小径の粒子も沈降してくるので、沈殿物において固形分のダイオキシン類濃度は次第に上昇し、最終的には当初のスラリー全体の固形分のダイオキシン類濃度に近づく。
そこで、沈殿物における固形分のダイオキシン類濃度が環境基準値以下になっている間だけ、沈降物を沈殿槽14の底部から抜き取るようにし、この静置時間の範囲を引抜き期間として定める。こうして定めた引抜き期間中に沈殿槽14の底部から抜き取った沈殿物(粗粒分)は、第2の脱水機16で脱水され、残留物は脱水ケーキとなって廃棄されるか或いは、環境基準値以下の土壌として再利用される。また、脱水処理で分離された水も無害化処理されて、最終的に排出される。
このように、上記(2)の処理で得られた粗粒分を含むスラリーを、上記の引抜き期間中に沈殿槽14から引き抜くことにより、最終粗粒分のダイオキシン類濃度を最少にすることができる。
また、上記の浄化方法によれば、ハイドロサイクロンを用いることで、分級のみならず、洗浄効果も得られる。しかしながら、土壌のダイオキシン類濃度がある程度以上高くなると、ハイドロサイクロンのみでは、土粒子からダイオキシン類が付着した有機物を十分に取り除くことが困難となり、洗浄効果が低下する。その理由として、ハイドロサイクロンの機構上、土粒子を限界粒子径で完全に分離できず、微粒分が幾らか混ざってしまうと考えられる。そこで、図4の浄化システムでは、(2)のハイドロサイクロンによる処理に先立って、(1)の処理で底質を洗浄して有機物をできるだけ剥がすこととしている。そのための物理的な方法の一つとして、上記のようなスタティックミキサー(内径8mm、長さ260mm、エレメント数21枚)を使用する。そして、スタティックミキサーに底質を圧入し乱流を生じさせることで、粒子同士の擦り合いやミキサーの羽根等への衝突による洗浄効果が得られる。
以上、底質を浄化対象として説明したが、陸上の一般土壌を浄化する場合も、掘削等して採取した土壌に加水して一定濃度の泥水に調整することとなる。
本発明の方法を実施する工程を含む汚染土壌の処理システムの概略構成図。 実験で得られた底質のTOC(全有機炭素)とダイオキシン類濃度との関係を示すグラフ。 底質の分級効果を示す概念図。 本発明の方法を実施する浄化システムの構成を示す図。 ハイドロサイクロンの機能を説明する概念図。 ハイドロサイクロンの設置段数と実験で使用した土壌の最終粗粒分のダイオキシン類濃度との関係を示すグラフ。 図4の沈殿槽内の沈降物のダイオキシン類濃度と静置時間との関係を示すグラフ。
符号の説明
1…洗浄・分級処理、2…浄水化処理、3…無害化処理、11…汚泥槽、12…スタティックミキサー、13a〜13d…ハイドロサイクロン、14…沈殿槽、15,16…脱水機。

Claims (5)

  1. ダイオキシン類を含む汚染土壌の浄化方法であって、
    汚染土壌の底質を所定濃度の泥水に調整し、
    該泥水をハイドロサイクロンに導入することにより粗粒分を分離し、当該分離された粗粒分のダイオキシン類濃度をハイドロサイクロンの設置段数毎に予め測定しておき、
    該泥水中の固形分のダイオキシン類濃度に対する前記分離された粗粒分のダイオキシン類濃度の比が最少となる、ハイドロサイクロンの設置段数を定めておき、
    当該ハイドロサイクロンの設置段数で、前記泥水から分離された粗粒分を脱水処理する一方、分級された微粒分を含む泥水を無害化処理する
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、
    前記底質を所定濃度の泥水に調整した後、該泥水をハイドロサイクロンに導入する前に、前記所定濃度に調整した泥水についてpHをアルカリ性側に調整することによって該泥水中の土粒子を分散させ、該泥水に乱流を付与して、土粒子に付着した有機物を分離させることを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  3. 請求項1又は2に記載の汚染土壌の浄化方法において、
    前記脱水処理する前の粗粒分に水を加え、所定時間静置して得られる沈殿物を脱水処理することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  4. 請求項3記載の汚染土壌の浄化方法において、
    前記脱水処理する前の粗粒分に水を加えた泥水についてpHを酸性側に調整した後、静置することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の汚染土壌の浄化方法において、
    前記底質を所定濃度の泥水に調整した後、該泥水をハイドロサイクロンに導入する前に、前記所定濃度に調整した泥水に過酸化水素を添加しておくことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
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