JP4334773B2 - 酸化物単結晶の板状体の製造方法 - Google Patents
酸化物単結晶の板状体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4334773B2 JP4334773B2 JP2001018096A JP2001018096A JP4334773B2 JP 4334773 B2 JP4334773 B2 JP 4334773B2 JP 2001018096 A JP2001018096 A JP 2001018096A JP 2001018096 A JP2001018096 A JP 2001018096A JP 4334773 B2 JP4334773 B2 JP 4334773B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- plate
- crucible
- seed crystal
- crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B15/00—Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
- C30B15/08—Downward pulling
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B15/00—Single-crystal growth by pulling from a melt, e.g. Czochralski method
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
- C30B29/10—Inorganic compounds or compositions
- C30B29/16—Oxides
- C30B29/22—Complex oxides
- C30B29/30—Niobates; Vanadates; Tantalates
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物単結晶の板状体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニオブ酸リチウムカリウム単結晶やニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶は、特に半導体レーザー用の青色光第二高調波発生(SHG)素子用の単結晶として注目されている。これは、390nmの紫外光領域まで発生することが可能であるので、こうした短波長の光を利用することで、光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が可能である。また、前記の単結晶は、電気光学効果も大きいので、そのフォトリフラクティブ効果を利用した光記憶素子等にも適用できる。
【0003】
しかし、例えば第二高調波発生素子用途においては、単結晶の組成が僅かでも変動すると、素子から発振する第二高調波の波長が変動する。このため、上記単結晶に要求される組成範囲の仕様は厳しいものであり、組成変動を狭い範囲に抑える必要がある。しかし、構成成分が3成分あるいは4成分と多いので、各構成成分の割合を一定に制御しつつ、単結晶を高速度で育成することは一般的に極めて困難である。
【0004】
その上、光学用途、特に第二高調波発生用途においては、単結晶内に例えば400nm近辺の短波長のレーザー光を、できる限り高い出力密度で伝搬させる必要がある。しかも、このときに光損傷を最小限に抑制する必要がある。このように光損傷を抑制することは必須であるが、このためには単結晶の結晶性が良好なものである必要がある。
【0005】
また、ニオブ酸リチウムやニオブ酸リチウムカリウムは、陽イオン間の置換が可能であり、これによって陽イオンが固溶した固溶体を生成する。このため、特定組成の単結晶を育成するためには、溶融物の組成を制御する必要がある。こうした背景から、二重ルツボ法や、原料供給を行いながら結晶を育成する方法が、CZ法やTSSG法を中心に検討されている。例えば、北村らは、二重ルツボCZ法に対して自動粉末供給装置を組み合わせ、化学量論組成のニオブ酸リチウム単結晶の育成を試みている(J. Crystal Growth, 116(1992),327頁)。しかしながら、これらの方法では、結晶育成速度を大きくすることが困難であった。
【0006】
本出願人は、前記のような単結晶を、一定した組成比率で育成する方法として、例えば特開平8−319191号公報において、μ引き下げ法を提案した。この方法では、例えばニオブ酸リチウムカリウムからなる原料を白金ルツボ内に収容し、溶融させ、ルツボの底面に取り付けたノズルの開口から、溶融物を下方へと向かって徐々に連続的に引き出す。また、μ引き下げ法は、CZ法やTSSG法と比較して速い速度での単結晶育成が可能である。また、原料溶融ルツボに単結晶育成用の原料を追加しながら単結晶を連続的に育成することによって、溶融物の組成や、育成される単結晶の組成を制御できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、μ引き下げ技術を使用して、良質の単結晶プレート(単結晶の板状体)を連続的に高速度で育成することには未だ限界があった。なぜなら、プレート状の種結晶を用いて単結晶の板状体を引き下げると、種結晶と板状体との境界面付近でクラックが発生し易いからである。
【0008】
本発明者は、種結晶と板状体の格子定数が離れているほどクラックが発生し易いことを発見し、特願2000−065123明細書において、高い精度で種結晶の格子定数と板状体の格子定数とを一致させることにより、クラックを防止する方法を提案した。しかし、ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体のような多成分固溶系においては、クラックの発生を防止できる程度にまで高い精度で種結晶の格子定数と板状体の格子定数とを一致させることは実際にはかなり困難であった。
【0009】
本発明の課題は、酸化物単結晶の板状体をマイクロ引き下げ法によって育成するのに際して、簡便な方法で、種結晶と板状体との境界面付近でのクラックを防止し、良好な結晶性を有する板状体を、連続的に安定して育成できるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、マイクロ引き下げ法によって酸化物単結晶の板状体を育成する方法を種々探索した結果、種結晶と板状体の境界面の面積が小さいほどクラックが発生しにくいことを見出した。そこで、酸化物単結晶の原料をルツボ内で溶融させ、この溶融物に対してファイバー状の種結晶を接触させ、この種結晶を引き下げることによって溶融物をルツボの開口から引下げ、種結晶に続いて肩部を生成させ、この肩部に続いて板状体を生成させ、この際種結晶の各結晶軸の各格子定数と肩部の対応する各結晶軸の各格子定数との差がそれぞれ1%以下(特に好ましくは0.5%以下)になるように制御することで、良質な結晶性を有する板状体を連続的に生成させた。
【0011】
この際、肩部の各結晶軸の各格子定数は、ルツボ内の各成分の割合を制御することによって調節できる。例えば、ニオブ酸リチウムカリウムにおいては、ルツボ内におけるニオブとリチウムとカリウムとの相対比率を僅かに変更することによって、育成された板状体中の各結晶軸の格子定数を変更することができる。
【0012】
図1は、単結晶育成用の製造装置を示す概略断面図である。図2(a)−(c)は、単結晶の板状体を引き出していくプロセスの各段階を模式的に示す図である。
【0013】
炉体の内部にはルツボ7が設置されている。ルツボ7およびその上側空間5を包囲するように、上側炉1が設置されており、上側炉1内にはヒーター2が埋設されている。ルツボ7の下端部から下方向へと向かってノズル部13が延びている。ノズル部13は、細長い連結管部13aと、連結管部13aの下端部にある細長い拡張された板状拡張部13bとを備えている。ただし、図1には、板状拡張部13bの横断面を示している。連結管部13aおよび板状拡張部13bの形状は種々に変更可能である。また、両者の組み合わせも自由に変更できる。板状拡張部13bの下端部には、細長い開口13cが形成されており、開口13cの近辺が単結晶育成部35となる。ノズル部13およびその周囲の空間6を包囲するように下側炉3が設置されており、下側炉3の中にヒーター4が埋設されている。ルツボ7およびノズル部13は、いずれも耐食性の導電性材料によって形成されている。
【0014】
ルツボ7の位置Aに対して、電源10の一方の電極が電線9によって接続されており、ルツボ7の下端Bに対して、電源10の他方の電極が接続されている。連結管部13aの位置Cに対して、電源10の一方の電極が電線9によって接続されており、板状拡張部13bの下端Dに対して他方の電極が接続されている。これらの各通電機構は、共に分離されており、独立してその電圧を制御できるように構成されている。
【0015】
ノズル部13を包囲するように、間隔を置いて、空間6内にアフターヒーター12が設けられている。ルツボ7内で、取り入れ管11が上方向へと向かって延びており、この取り入れ管11の上端に取り入れ口22が設けられている。この取り入れ口22は、溶融物8の底部から若干突き出している。
【0016】
上側炉1、下側炉3およびアフターヒーター12を発熱させて空間5、6の温度分布を適切に定め、溶融物の原料をルツボ7内に供給し、ルツボ7、ノズル部13に電力を供給して発熱させる。この状態では、単結晶育成部35では、開口13cから溶融物が僅かに突出する。
【0017】
この状態で、図2(a)に示すように、ファイバー状の種結晶15を上方向へと移動させ、種結晶15の上面を、開口13cから突出した溶融物に対して接触させる。この際、種結晶15の上端部と、ノズル部13から下方向へと引き出されてくる溶融物18との間には、均一な固相液相界面(メニスカス)が形成される。次いで、図2(b)に示すように、種結晶15を下方向へと引下げる。この結果、種結晶15の上側に肩部14Aが連続的に形成され、下方向へと向かって引き出されてくる。
【0018】
肩部14Aの幅は、種結晶からルツボへと向かって徐々に大きくなり、肩部の角度は、結晶の種類と組成、単結晶育成部の温度および引き下げ速度等によって決定される。そして、単結晶育成部の温度を若干上げることにより、肩部14Aの幅の拡大が停止し、それ以降は図2(c)に示すように、一定幅の板状体14Bが連続的に引き出されてくる。
【0019】
クラックの発生を防止する観点からは、溶融物と種結晶の接触面積は小さいほど良いが、種結晶が細すぎると、強度不足により種結晶が折れる場合がある。したがって、種結晶の幅は、板状体の幅に関らず、1〜3mmであることが好ましい。
【0020】
前記格子定数は、X線回折装置(フィリップス社製MRD回折計)によって測定する。また、酸化物単結晶に等価でない結晶軸がある場合には、各結晶軸に対応する各格子定数の差がそれぞれ1%以下である必要がある。
【0021】
酸化物単結晶は特に限定されないが、例えば、ニオブ酸リチウムカリウム(KLN)、ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体(KLTN:〔K3 Li2-x (Tay Nb1-y )5+x O15+2x 〕)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、Ba1-X SrX Nb2 O6 、Mn−Znフェライト、Nd、Er、Ybによって置換されたイットリウムアルミニウムガーネット、YAG、Nd、Er、Ybによって置換されたYVO4 を例示できる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)
図1に示すような単結晶製造装置を使用し、本発明に従ってニオブ酸リチウムカリウム単結晶の板状体を製造した。具体的には、上側炉1と下側炉3とによって炉内全体の温度を制御した。ノズル部13に対する電力供給とアフターヒーター12の発熱とによって、単結晶育成部35近辺の温度勾配を制御できるように構成した。単結晶プレートの引下げ機構としては、垂直方向に2〜100mm/時間の範囲内で、引下げ速度を均一に制御しながら、単結晶プレートを引き下げる機構を搭載した。
【0023】
ニオブ酸リチウムカリウムからなるファイバー状の種結晶を使用した。種結晶の寸法は、断面1mm×1mm×長さ15mmとした。種結晶の格子定数は、a軸の長さは12.60オングストロームであり、c軸の長さは3.97オングストロームであった。カリウムとリチウムとニオブとの比率は、mol比で、30:14:56であった。種結晶の0 0 4反射のX線ロッキングカーブの半値幅は80秒であった(測定装置:フィリップス社製MRD回折計)。種結晶を耐熱性無機接着剤で保持棒に保持し、保持棒を引き下げ機構に接続した。
【0024】
炭酸カリウム、炭酸リチウムおよび五酸化ニオブを、mol比で、30:25:45の比率で調合し、原料粉末を製造した。この原料粉末を、白金製のルツボ7内に供給し、このルツボ7を所定位置に設置した。上側炉1内の空間5の温度を1100〜1200℃の範囲に調整し、ルツボ7内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、500〜1000℃に均一に制御した。ルツボ7、ノズル部13およびアフターヒーター12に対して所定の電力を供給し、単結晶成長を実施した。この際、単結晶育成部の温度を980℃〜1150℃とすることができ、単結晶育成部における温度勾配を10〜150℃/mmに制御することができた。
【0025】
ルツボ7の平面形状は楕円形とし、その長径は50mmとし、その短径は10mmとし、その高さは10mmとした。連結管部の長さは5mmとした。板状拡張部13bの横断面寸法は1mm×50mmとした。開口13cの寸法は、縦1mm×横50mmとした。この状態で、10mm/時間の速度で種結晶15を引き下げた。
【0026】
この結果、固相液相界面が降下し、融帯の下部が凝固温度以下に冷却され、種結晶の上端で次第に単結晶化が生じた。更に引き下げを継続すると、連続的に単結晶化が進行し、肩部14Aが生成した。ルツボ7、ノズル部13、アフターヒーター12の温度を変化させて単結晶育成部の温度を下げると単結晶化が促進され、肩部14Aの広がり角度θが大きくなった。広がり角度θが大きすぎる場合は、単結晶育成部の温度を上げることにより広がりを抑制し、広がり角度θが30度付近で一定に維持した。広がり角度θを制御しながら肩部の育成を継続すると、肩部14Aの面積は次第に増大し、やがて横幅35mm、厚さ1mmに達した。このとき、単結晶育成部の温度を上げて単結晶化を抑制し、板状体14Bの横幅を35mmで一定となるように制御した。
【0027】
結晶化した溶融物と等量の原料をルツボ7に供給しながら、結晶育成を継続し、肩部14Aおよび板状体14Bの合計長さが100mmに達したところで、板状体をノズル部13から切り離し、冷却した。回収した板状体の肩部の格子定数を測定したところ、a軸長さは12.58オングストロームであり、c軸長さは4.01オングストロームであった。カリウムとリチウムとニオブとの比率は、mol比で、30:17:53であった。肩部と種結晶との間の格子定数の相違(格子ミスマッチ)は、a軸で0.15%であり、c軸で1.0%であった。しかし、種結晶と肩部との間の接合部分でのクラックは発生しなかった。また、肩部における0 0 4反射のX線ロッキングカーブの半値幅は50秒であった。
【0028】
(実施例2)
ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶のプレートについても、実施例1と同様の結果を得た。
【0029】
(実施例3)
実施例1と同様にしてニオブ酸リチウムの板状体を育成した。ただし、ニオブ酸リチウムからなるファイバー状の種結晶を使用した。種結晶の寸法は、断面1mm×1mm×長さ15mmとした。種結晶は、チョクラルスキー法によって育成された一致溶融組成のニオブ酸リチウム単結晶から切り出して得たものである。種結晶の引き下げ方位がX軸に平行となり、成長面方位がZ軸に平行となるようにした。種結晶の格子定数は、a軸の長さは5.150オングストロームであり、c軸の長さは13.864オングストロームであった。リチウムとニオブとの比率は、mol比で、48.6:51.4であった。種結晶の0 0 12反射のX線ロッキングカーブの半値幅は12秒であった。
【0030】
炭酸リチウムおよび五酸化ニオブを、mol比で、58:42の比率で調合し、原料粉末を製造した。この原料粉末を、白金製のルツボ7内に供給し、このルツボ7を所定位置に設置した。上側炉1の空間5の温度を1200−1300℃の範囲に調整し、ルツボ7内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度は、500−1000℃に均一に制御した。ルツボ7、ノズル部13およびアフターヒーター12に対して所定の電力を供給し、単結晶成長を実施した。この際、単結晶育成部の温度を1200−1250℃とすることができ、単結晶育成部における温度勾配を10−150℃/mmに制御することができた。また、種結晶の引き下げ速度は30mm/時間とした。結晶化したニオブ酸リチウムの体積を単位時間ごとに測定し、この体積を重量に換算し、この換算重量と等しい重量のニオブ酸リチウムの原料粉末をルツボ内に供給した。ただし、このようにして後で供給するニオブ酸リチウム粉末は、最初に融解した原料粉末とは異なり、リチウムとニオブとの比率がmol比で50:50となるように調合されている。肩部14Aの幅が50mmに到達した時点でノズル部13の温度を調節し、幅が50mmの板状体14Bを育成した。
【0031】
肩部14Aおよび板状体14Bの合計長さが100mmに達するまで、ニオブ酸リチウムの原料粉末を供給しながら、育成を継続した。次いで、板状体をノズル部13から切り離し、冷却した。
【0032】
回収した板状体の肩部の組成を誘導結合プラズマ法によって分析したところ、リチウムとニオブとの比率はmol比で50:50であり、化学量論組成と一致した。板状体の格子定数を測定したところ、a軸長さは5.148オングストロームであり、c軸長さは13.857オングストロームであった。肩部と種結晶との間の格子定数の相違(格子ミスマッチ)は、a軸で0.04%であり、c軸で0.05%であった。種結晶と肩部との間の接合部分でのクラックは発生しなかった。また、肩部におけるX線ロッキングカーブの半値幅は12秒であった。
【0033】
(実施例4)
実施例3と同様にして板状体を育成した。ただし、種結晶の引き下げ方位がZ軸に平行となり、成長面の方位がX軸に平行となるように、種結晶を加工した。種結晶、肩部における各a軸長さ、c軸長さ、およびX線ロッキングカーブの半値幅は、いずれも実施例3と同様であった。また、肩部と種結晶との接合面でクラックは発生しなかった。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、酸化物単結晶の板状体をマイクロ引き下げ法によって育成するのに際して、種結晶と板状体との境界面付近でのクラックを防止し、良好な結晶性を有する板状体を、連続的に安定して育成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で使用できる育成装置を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、肩部および板状体の育成プロセスを示す模式図である。
【符号の説明】
7 ルツボ 8 ルツボ内の溶融物 13 ノズル部 13b ノズル部の板状拡張部 13c 板状拡張部13bの開口 14 育成された酸化物単結晶 14A 肩部 14B 板状体 15 種結晶 18 開口より引き出された溶融物
Claims (1)
- 酸化物単結晶の原料をルツボ内で溶融させ、この溶融物に対してファイバー状の種結晶を接触させ、この種結晶を引き下げることによって前記溶融物を前記ルツボの開口から引下げ、前記種結晶に続いて肩部を生成させ、この肩部に続いて前記板状体を生成させる酸化物単結晶の板状体を製造する方法であって、ルツボ内の各成分の割合を制御することにより、前記種結晶の各結晶軸の各格子定数と前記肩部の対応する各結晶軸の各格子定数との差をそれぞれ1%以下としたことを特徴とする、酸化物単結晶の板状体の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018096A JP4334773B2 (ja) | 2000-03-09 | 2001-01-26 | 酸化物単結晶の板状体の製造方法 |
US09/798,750 US6527851B2 (en) | 2000-03-09 | 2001-03-02 | Process for producing a planar body of an oxide single crystal |
EP01302033A EP1143041A1 (en) | 2000-03-09 | 2001-03-06 | Process for producing a planar body of an oxide single crystal |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000065132 | 2000-03-09 | ||
JP2000-65132 | 2000-03-09 | ||
JP2001018096A JP4334773B2 (ja) | 2000-03-09 | 2001-01-26 | 酸化物単結晶の板状体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001322891A JP2001322891A (ja) | 2001-11-20 |
JP4334773B2 true JP4334773B2 (ja) | 2009-09-30 |
Family
ID=26587106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001018096A Expired - Fee Related JP4334773B2 (ja) | 2000-03-09 | 2001-01-26 | 酸化物単結晶の板状体の製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6527851B2 (ja) |
EP (1) | EP1143041A1 (ja) |
JP (1) | JP4334773B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20060015524A (ko) * | 2003-04-23 | 2006-02-17 | 스텔라 케미파 코포레이션 | 불화물 결정의 제조 장치 |
CN105112990B (zh) * | 2015-10-12 | 2018-07-06 | 山东大学 | 一种微下拉定向生长异型近器件倍频晶体的方法 |
CN112695378A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-23 | 中国科学院长春应用化学研究所 | 生长可弯曲柔性稀土单晶光纤的坩埚及微下拉法生长可弯曲柔性稀土单晶光纤的方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2321326A1 (fr) | 1975-08-08 | 1977-03-18 | Ugine Kuhlmann | Procede de fabrication en continu de monocristaux preformes |
JP3792768B2 (ja) | 1995-03-22 | 2006-07-05 | 日本碍子株式会社 | 酸化物単結晶の製造方法および装置 |
US5690734A (en) * | 1995-03-22 | 1997-11-25 | Ngk Insulators, Ltd. | Single crystal growing method |
JPH08339002A (ja) | 1995-04-10 | 1996-12-24 | Ngk Insulators Ltd | 第二高調波発生素子およびその製造方法 |
JP2001253792A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-09-18 | Ngk Insulators Ltd | 酸化物単結晶の板状体の製造方法 |
-
2001
- 2001-01-26 JP JP2001018096A patent/JP4334773B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2001-03-02 US US09/798,750 patent/US6527851B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-03-06 EP EP01302033A patent/EP1143041A1/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6527851B2 (en) | 2003-03-04 |
US20010020436A1 (en) | 2001-09-13 |
EP1143041A1 (en) | 2001-10-10 |
JP2001322891A (ja) | 2001-11-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6547360B2 (ja) | CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法およびSGGG単結晶基板の製造方法 | |
JPH10251098A (ja) | 酸化物単結晶体の製造方法およびその装置 | |
JP4334773B2 (ja) | 酸化物単結晶の板状体の製造方法 | |
JP2006124223A (ja) | 酸化物単結晶の製造方法 | |
US6451110B2 (en) | Process for producing a planar body of an oxide single crystal | |
JP4789133B2 (ja) | 単結晶および単結晶の製造方法 | |
US6565654B2 (en) | Process and apparatus for producing a planar body of an oxide single crystal | |
Yoon | Crystal growth of the oxide fiber single crystal for optical applications | |
US6447603B2 (en) | Process and apparatus for producing oxide single crystals | |
JP4312341B2 (ja) | 酸化物単結晶の板状体の製造方法、これに使用する種結晶および種結晶の保持具 | |
JP4365002B2 (ja) | 酸化物単結晶の製造方法および製造装置 | |
JP3825127B2 (ja) | 単結晶の育成方法および装置 | |
Fukuda et al. | Crystal growth of oxide and fluoride materials for optical, piezoelectric and other applications | |
JP4548952B2 (ja) | 酸化物単結晶の製造方法および装置 | |
JP3416964B2 (ja) | KTiOPO4 単結晶の製造方法 | |
JP6401673B2 (ja) | 単結晶成長方法およびその装置 | |
JP2002080292A (ja) | 酸化物単結晶の板状体の製造方法および製造装置 | |
JP3747505B2 (ja) | ベータバリウムボレート単結晶体の製造方法 | |
JP2008201618A (ja) | 希土類バナデイト単結晶の製造方法 | |
JPH06191996A (ja) | ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法および光素子 | |
JPH04325496A (ja) | マグネシウム添加ニオブ酸リチウム単結晶の製法 | |
JPH0465399A (ja) | ニオブ酸リチウム単結晶の製造方法 | |
JPS62191489A (ja) | 酸化物単結晶の製造方法 | |
JPH10259096A (ja) | 光学用四ほう酸リチウム単結晶の育成方法 | |
JPH04325497A (ja) | マグネシウム添加ニオブ酸リチウム単結晶の製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090302 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090623 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090624 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |