JP4332412B2 - 表面特性に優れたCu−Ti合金板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、表面特性、具体的には半田付け性等のめっき性に優れるチタン銅合金板、及びその製造方法に関するものである。
電子機器の各種端子、コネクタ、リレー、スイッチ等の素材には、電気伝導性とばね性が要求される。従来、コスト面を重視する用途では安価な「黄銅」が適用され、ばね特性が重視される用途では「りん青銅」が適用され、ばね特性と耐食性が重視される用途では「洋白」が適用されていた。ところが、近年の電子機器類及びその部品の小型化、薄肉化傾向に伴ない、これらの素材では強度を満足できなくなり、ベリリウム銅(以下「Cu−Be合金」と称す)やチタン銅(以下「Cu−Ti合金」と称す)などの高強度を有する高級ばね材の需要が増えている。
JIS−C1990に代表されるCu−Ti合金の製造プロセスでは、溶体化処理によりTiを完全固溶させた後、冷間圧延を行い、その後、時効処理を行う。この時効処理においてCu3TiあるいはCu4Tiの微細粒子が析出し、耐力、ばね限界値等の強度特性が向上する。強度をさらに高めるために、時効処理後に冷間圧延を行う場合もある。しかし、Cu−Ti合金は極めて活性な元素であるTiを含有するため、時効処理において表面に強固な酸化膜層が生成し、半田濡れ性、めっき性等が著しく低下する。そこで、従来は、還元性ガス雰囲気下などの酸化防止雰囲気下で時効処理を行ない、時効後に化学研磨及び/又は機械研磨を行って、表面の酸化膜層を完全に除去していた。このようなプロセスで製造されたCu−Ti合金は、通常、プレス等により部品に加工され、使用目的に応じて、めっき、半田付け等の表面処理が施される(例えば、特許文献1参照。)。
上記のように、従来Cu−Ti合金は、酸化防止雰囲気下にもかかわらず時効で生成してしまう酸化膜層を完全に除去した後に表面処理に供されていた。しかし、酸化膜層を除去してから表面処理を行うまでの保管期間が長期に及ぶ、あるいは高湿度、高温、腐食性ガス成分の存在等、保管環境が悪いと、保管中に表面酸化膜層が成長してしまう。そして、Cu−Ti合金の酸化膜層は、Tiを高濃度で含有し化学的に安定であるため、表面処理直前の一般的な前処理(希硫酸による酸洗浄等)では除去されず、半田をはじく等の問題を引き起こす。
このような保管中における酸化膜層の成長に関わる課題を解決するために、Cu−Ti合金の表面にCuめっきを施すことが行われている。しかし、これはめっき工程を新たに付加する必要があり、製造コストの点では好ましくない。
特開平10−60666号公報(第2頁第2欄第5〜9行)
本発明の課題は、半田付け性等の表面特性に優れるCu−Ti合金を低コストで提供することにある。
本発明は、Tiを1.5〜4.5mass%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板であり、表面にTiが1mass%以下、Oが1mass%以下、厚さが0.1〜2.0μmのTi欠乏層を有することを特徴とする表面特性に優れたCu−Ti合金板に関する。
又、本発明は、Tiを1.5〜4.5mass%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板を熱処理して、Tiが10mass%以上、Oが5mass%以上、厚さが0.05〜3.0μmである酸化膜層を表面に生成させ、次いで、化学研磨及び/又は機械研磨を施こすことにより、この酸化膜層を除去し、酸化膜層の直下に存在するTi欠乏層を表面に露呈させることを特徴とする、上記表面特性に優れたCu−Ti合金板の製造方法に関する。
本発明のCu−Ti合金板は、電子機器の各種端子、コネクタ、リレー又はスイッチ等の素材として、電気伝導性とばね性に加え、表面特性にも優れている。
本発明者らは、種々の条件で時効処理を行った後のCu−Ti合金の表面を詳細に分析した。
図3は、従来技術として、露点が−50℃の水素中において400℃で8時間時効した後のCu−3.2mass%Ti合金表面のGDS(グロー放電発光分光分析法)分析結果を示す。分析結果は、GDSを用い、表面をArスパッタリングで削りながら成分分析を行うことにより、深さ方向のTi及びO濃度の変化を求めている。この場合、酸化防止雰囲気下であるので酸化膜層の厚みは0.1μm以下と薄く、酸化膜層直下のTi濃度は母地の3.2mass%に対してやや低下しているものの2mass%を超えており、Ti含有量が1mass%以下となることはない。この表面に、(30mass%硫酸+1mass%過酸化水素)水溶液を用いて化学研磨を行った後、回転式バフを用いて機械研磨を行って得られる試料のGDS分析チャートを図4に示す。化学研磨及び機械研磨で除去した厚みは、この場合約1.0μmである。表面への吸着物質(水分、汚れ等)の存在により極表層部においてTi濃度が急激に低下しているが、この部分を除いた表面は、母地の3.2mass%に近いTi濃度が保たれている。
このように、従来技術では、還元性ガス雰囲気下などの酸化防止雰囲気下で時効処理を行なっていたため、酸化膜層が余り成長しない一方、酸化膜層下のTi含有量が激減することもない。そして時効処理の後に表面に成長した酸化膜層を研磨により完全に除去していた。しかしその場合、表面組成は内部組成と同じCu−3.2%Tiであり、表面に酸化されやすいTiが存在するため保管中に表面酸化膜層が成長しやすかった。
一方、図1は、露点が0℃のAr中において400℃で8時間時効した後の、Cu−3.0mass%Ti合金表面を分析した結果である。図1より、高濃度のTi(Ti濃度10%以上)を含有する酸化膜層が表面近傍に存在することがわかる。酸化膜層において、Oが5mass%の位置におけるTi濃度は約10%であり、表面に近づくに従いO及びTi濃度はさらに増加している。酸化膜層の厚みは約0.2μmである。
ところが、上記時効条件下では、酸化膜層の直下に、Ti濃度が母地の3.0mass%よりかなり低い(Ti濃度1mass%以下)部分(以下、Ti欠乏層と称す)が、約1.5μmの厚みで存在している。このTi欠乏層は、ある程度の酸化雰囲気下で、高Ti濃度の酸化膜層が成長する過程において、Ti欠乏層の位置の元組成(Cu−3.0%Ti)中のTiが表面の酸化膜層側に拡散する速度に比べ、合金内部のTiがTi欠乏層の位置へ拡散する速度が遅れることにより生成したと考えられる。
上記時効後の表面に対し、上記と同様の研磨を行い、酸化膜層を除去すると本発明のCu−Ti合金板を得ることができる。化学研磨及び機械研磨で除去した厚みは、この場合約0.5μmである。図2に、酸化膜層除去後のGDS分析結果を示す。酸化膜層直下に存在したTi欠乏層が表面に露呈することにより、表面から深さ約0.5μmに渡り、Ti濃度が1mass%に満たない金属層が存在している。
酸化膜層除去後の本発明の図2及び従来技術の図4の試料について、表面特性を比較調査したところ、図2の試料の表面特性は、図4の試料の表面特性と比較して極めて優れ、Cuめっきを施した後も遜色が無かった。
本発明者らは、図2の表面構造を有するCu−Ti合金が非常に優れた表面特性を示すことを発見して、所望の表面特性を得るための表面構造の条件及びその表面構造を得るための製造条件を明らかにし、本発明を完成させた。
上記の通り、従来のCu−Ti合金製造プロセスでは、熱処理の際の表面酸化を極力抑え、さらに、熱処理後の時効処理、化学研磨及び/又は機械研磨において、酸化膜層及び酸化の結果生じた表面の成分異常層(Ti欠乏層)を完全に除去するように管理されてきた。この結果得られるCu−Ti合金の表面構造は図4に示されている。これに対し、本発明は、従来、成分異常層と考えられていたTi欠乏層を表面特性改良のため積極的に利用するという新たな発想に基づいたものである。
合金組成
TiはCuに高強度を付与するために添加される。合金中のTiが1.5mass%を下回ると充分な強度が得られず、Tiが4.5mass%を超えると導電率が著しく低下する。尚、Cu−Ti合金の強度等の特性を改良するために、Fe,Ni,P,Zr,Mn,Zn,Si,Mg,Cr等を微量に添加する場合があるが、これらの合計添加量が0.3mass%以下であれば、本発明の効果は得られる。
表面構造
純Cuに近い表面特性を得るために、Cu−Ti合金の表面にTi欠乏層を形成する。Ti欠乏層の組成は、Ti濃度が1mass%以下でかつO濃度が1mass%以下である必要がある。組成がこの上限を超えると、表面特性の改善効果が不十分になる。
一方、上記Ti欠乏層の厚みは、2.0μm以下に調整する必要がある。2.0μmを超えると、Ti欠乏層の強度が母地の強度より弱いことにより、ばね限界値等の機械的強度が低下するためである。一方、Ti欠乏層の厚みが0.1μm未満では、表面特性の改善効果が不十分になる。尚Ti欠乏層の厚みは、好ましくは0.2〜1.0μmである。
製造方法
所望のTi欠乏層を得るために、Tiを1.5〜4.5mass%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板を熱処理して、表面酸化膜層を生成させる。適度な組成及び厚みの表面酸化膜層を生成させると、この酸化膜層の直下にTi欠乏層が形成される。その後、酸化膜層を除去し、Ti欠乏層を表面に露呈させる。
ここで、適度な酸化膜層の組成とは、好ましくはTiが10mass%以上でかつOが5mass%以上である。酸化膜層の組成がこの範囲から外れると、酸化膜層直下におけるTi欠乏層の形成が不十分になり、酸化膜層除去後に目的とするTi欠乏層が得られない。
酸化膜層の厚みは、好ましくは0.05〜3.0μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。0.05μm未満であると、酸化膜層直下におけるTi欠乏層の形成が不十分になり、酸化膜層除去後に上記のTi欠乏層が得られない。一方、酸化膜層の厚みが3.0μmを超えると、酸化膜層直下のTi欠乏層の厚みが不均一になり、次工程での研磨量を調整しても、Ti欠乏層の厚みが部分的に0.05μmを下回ったり、部分的に1.0μmを超えたりする。又、研磨に要するコストも増大する場合もある。
Cu−Ti合金の一般的な製造プロセスでは、溶体化処理の後、冷間圧延を行い、その後時効処理を行う。本発明の酸化膜層及びTi欠乏層を形成するための熱処理として、上記プロセス中の溶体化処理及び/又は時効処理を利用することができる。又、酸化膜層及びTi欠乏層の作り込みを目的とした熱処理を、時効処理後に実施してもよい。酸化膜層及びTi欠乏層を形成するための溶体化処理では、連続焼鈍炉において、材料を700〜900℃の温度で数秒間〜数分間加熱する。又、酸化膜層及びTi欠乏層を形成するための時効処理では、バッチ焼鈍炉において、材料を300〜500℃の温度で数時間〜数十時間加熱する。時効処理後の酸化膜層及びTi欠乏層を形成するための熱処理では、材料を200〜400℃の温度で数時間〜数十時間加熱する。
溶体化処理、時効処理とも、加熱温度及び加熱時間を決定する上で、熱処理後の材料の機械的特性及び導電率を考慮しなければならない。従って、酸化膜層の組成と厚みの調整、その結果としてのTi欠乏層の調整は、主として加熱雰囲気によって行う。雰囲気ガスとしては空気、窒素、Ar、CO、CO2及びこれらの混合ガスが挙げられ、同じガスでも露点(水蒸気濃度)の調整により酸化の程度が変化する。用いるガス及び露点は、加熱温度と時間に応じて実験で決定すればよい。
熱処理で生じた酸化膜層の除去は、化学研磨で行ってもよいし、機械研磨で行ってもよい。又、化学研磨と機械研磨を併用してもよく、順序は問わない。化学研磨液には、Cuに対する強い腐食力を持つ、硫酸−過酸化水素溶液、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、硝酸溶液などを用いる。機械研磨の代表的な方法は、砥粒を埋め込んだ回転式バフを用いるバフ研磨である。化学研磨及び化学研磨による表面の除去厚みは、表面分析データに基いて決定すればよい。
酸化膜層(及びTi欠乏層)形成のための熱処理工程とTi欠乏層現出のための研磨工程との間で冷間圧延を行ってもよい。又、Ti欠乏層現出のための研磨工程後に冷間圧延を行ってもよい。
尚、時効処理により形成された酸化膜層を研磨除去して得られる本発明のCu−Ti合金板は、その表面にTi欠乏層を有するが、Ti欠乏層と合金内部とは一体となっており、Ti濃度は表面から内部へ連続的に上昇している。一方、従来めっき法でめっきされたCu−Ti合金板では、表面の銅めっき層は、当然Tiを含有しない。しかし、めっきCu−Ti合金板は、銅めっき層とCu−Ti合金板とからなるものであり、Ti濃度は表面から内部へ段階的に上昇している。
以下、実施例により、発明の実施様態を説明する。この実施例では、時効処理においてTi欠乏層を形成しているが、時効前の溶体化処理におけるTi欠乏層の形成、Ti欠乏層の形成を目的とした熱処理を時効後に実施することも可能である。
高周波真空溶解炉にて、電気銅を溶解して所定量のTiを添加した後、鋳造し、厚さ150mmのCu−Ti合金インゴットを製造した。このインゴットを熱間圧延で10mmまで圧延し、表面スケールを切削除去した後、冷間圧延により厚さ0.35mmに加工した。溶体化処理として、大気中で700〜850℃の温度で60分間加熱した後、水中で急冷した。溶体化処理上がりの結晶粒径が10μmになるように、Ti濃度に応じて、溶体化処理温度を変化させた。その後、化学研磨及び機械研磨を行い、溶体化処理で生成した酸化スケール(膜層)及び酸化スケールの直下のTi欠乏層を完全に除去した。
次に、冷間圧延により厚さ0.25mmまで加工し、時効処理として400℃で8時間の加熱を行った。この時効処理において加熱雰囲気を変化させることにより、酸化スケールの厚み(及びTi欠乏層の厚み)を調整し、実施例1〜5及び比較例6〜9とした。時効処理で得られた製品の表面について、三箇所をGDSで分析し、Ti及びO濃度の深さ方向の変化を求めた。
その後、この分析データに基いて研磨量を決定し、化学研磨、機械研磨の順に研磨を行った。化学研磨液には(30mass%硫酸+1mass%過酸化水素)水溶液を用い、機械研磨には砥粒を埋め込んだ回転式バフを用いた。研磨後の表面について、三箇所をGDSで分析しTi及びO濃度の深さ方向の変化を求めた。
又、冷間圧延後、酸化防止雰囲気下で時効処理を行ない、時効後に化学研磨及び/又は機械研磨を行い、表面の酸化膜層を完全に除去しTi欠乏層のない表面に厚さ2μmのCuめっきを施した試料を比較例10とした。
表面特性の評価として、半田濡れ性を評価した。半田濡れ性の評価は、研磨後、温度が約30℃、湿度が約70%の環境で約500時間保管した後の試料について行った。この様な処理をした試料を用いるのは、保管中の表面酸化に伴う表面特性の劣化も含めて評価するためである。又、機械的特性としてばね限界値を測定した。半田濡れ試験、ばね限界値測定の方法を下記に詳述する。
半田濡れ試験:幅10mmの短冊型試験片を採取し、10%硫酸水溶液中で洗浄した。JIS−C0053に準じ、メニスコグラフ法により、ロジン−エタノールフラックスを使用し、半田濡れ時間を測定した。
ばね限界値:圧延方向と平行な方向を長手に幅10mm短冊型試験片を採取し、JIS−H3130に規定されているモーメント式試験によりばね限界値を測定した。
表1に各試料の表面3箇所をGDS測定して得られた厚み、その他特性の評価結果を示す。尚、表中の酸化膜層は、GDS分析結果でTiが10mass%以上、Oが5mass%以上の組成を有する層であり、Ti欠乏層は、Tiが1mass%以下、Oが1mass%以下の組成を有する層である。
実施例1〜3では、Ti濃度が3mass%程度の試料を使用して雰囲気の露点を変化させて時効処理を行なった。本発明の範囲内である実施例1〜3では、雰囲気の露点が上昇するほど酸化膜層の厚み及びTi欠乏層の厚みが増しており、研磨後の試料は良好な半田濡れ性とばね性を示した。実施例4はTi濃度が2.2mass%、実施例5はTi濃度が4.0mass%の試料を使用しており、研磨後の試料は同様に良好な半田濡れ性とばね性を有した。一方、比較例6では雰囲気を還元性にするためH2でかつ露点の低い雰囲気下で行なった。比較例6では、時効後に酸化膜層及びTi欠乏層が形成されず、研磨後の試料は半田濡れ性が悪い。
比較例7は雰囲気が大気であるため、酸化される速度が1つの試料の中で異なり、Ti欠乏層の厚みにバラツキが大きく、本発明の範囲外となる場合があった。更に形成される酸化膜層の厚みは、本発明の好ましい上限を超えており、研磨後の試料は半田濡れ性は良好だがばね性が著しく劣った。
又、比較例8及び9は、Ti欠乏層の厚みが本発明の範囲外である。即ち、比較例8及び9において時効雰囲気下は実施例3と同じであるため、形成された酸化膜層の厚みは本発明の好ましい範囲内であり、形成されたTi欠乏層の厚みも本発明の範囲内であったと思われる。しかし、比較例8では、研磨量を少なくした結果、Ti欠乏層の厚みが本発明の範囲を超えており、研磨後の試料は、半田濡れ性は良好だがばね性が著しく劣った。一方、比較例9では研磨量を多くした結果、Ti欠乏層の厚みが本発明の下限未満であり、研磨後の試料は半田濡れ性が劣った。比較例10は、従来のめっき法により得られる試料の半田濡れ性及びばね性を示しており、本発明の実施例が従来技術と同等の効果を有していることが明らかである。
Figure 0004332412
本発明の実施例2における時効後のCu−Ti合金に関して、表面からの深さと、Ti濃度(実線)及びO濃度(点線)との関係のグラフである。 本発明の実施例2における研磨後のCu−Ti合金に関して、表面からの深さと、Ti濃度(実線)及びO濃度(点線)との関係のグラフである。 従来例である比較例6における時効後のCu−Ti合金に関して、表面からの深さと、Ti濃度(実線)及びO濃度(点線)との関係のグラフである。 従来例である比較例6における研磨後のCu−Ti合金に関して、表面からの深さと、Ti濃度(実線)及びO濃度(点線)との関係のグラフである。

Claims (2)

  1. Tiを1.5〜4.5mass%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板であり、表面にTiが1mass%以下、Oが1mass%以下、厚さが0.1〜2.0μmのTi欠乏層を有することを特徴とする表面特性に優れたCu−Ti合金板。
  2. Tiを1.5〜4.5mass%含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板を熱処理して、Tiが10mass%以上、Oが5mass%以上、厚さが0.05〜3.0μmである酸化膜層を表面に生成させ、次いで、化学研磨及び/又は機械研磨を施こすことにより、この酸化膜層を除去し、酸化膜層の直下に存在するTi欠乏層を表面に露呈させることを特徴とする、請求項1の表面特性に優れたCu−Ti合金板の製造方法。
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