JP4331902B2 - かご操作盤及びかご操作盤制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータかごの内壁に取り付けられるかご操作盤及びかご操作盤の表示を制御する装置、特に行先階を登録するエレベータ利用者の便宜を図る改良されたかご操作盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータを利用する際に行先階を登録するには、エレベータかご内のかご操作盤に配設されている対応する行先階登録釦を押下する必要がある。現行の行先階登録釦は、それぞれに行先階が固定的に割り付けられており、また、かご制御盤における取付位置は固定されている。このため、高層マンション等階床が比較的多い建物に設置されたエレベータを子供や車椅子利用者等が利用する場合、かご操作盤の上部にある行先階登録釦まで手が届かない場合がある。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば実開平5−1770号公報には、かご操作盤に建物の階床を分割表示するようにした構成が示されている。つまり、この従来例においては、操作盤を五階床程度を同時に表示できるような大きさとすることでかご操作盤のサイズを小型化し、子供等の利用者でもかご操作盤の最上部の行先階登録釦が確実に操作できるようにしている。なお、この従来例において目的とする階床が表示されていないときには、表示切り替え釦を操作させて表示画面を一括切替えをして目的階を表示させている。このように、表示する階床数を制限することによってサービス階数が増えても操作盤の大型化を防止することができるため、子供等によっても利用しやすい位置に配設することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的なかご操作盤には、建物の全階床が表示されているため、部分的な階床のみを表示する従来例は、違和感があって操作者が戸惑うおそれがある。例えば、初めてこのエレベータを利用する者は、操作がわからずに6階以上にある目的階に行けないおそれがある。
【0005】
また、エレベータ設置の建物の全階床が同時に表示されないため、例えば10階建ての建物に設置されたエレベータ装置の操作盤に1階から5階まで表示されていた場合には、その建物が5階建てと勘違いされてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、子供や車椅子利用者等高いところまで手の届かない者の便宜を図る改良されたかご操作盤及びかご制御盤制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明に係るかご操作盤は、エレベータかごの内壁に取り付けられるかご操作盤において、前記かご操作盤上に整列配置され、行先として指定可能な階床数個の行先階登録釦と、前記各行先階登録釦に対応付けして設けられ、各行先階登録釦に割り付けられた階床を表示する階床表示手段と、前記かご操作盤上の下方に配設され、前記各階床表示手段が表示する階床を変更させるために設けられた表示階床変更操作釦とを有し、前記表示階床変更操作釦は、上又は下方向の少なくとも一方を指定させるスクロール釦であり、このスクロール釦が操作されると前記各階床表示手段が表示する階床が全体としてスクロールしたように表示するものである。
【0009】
また、本発明に係るかご操作盤制御装置は、上記発明に係るかご操作盤に配設されている前記表示階床変更操作釦が操作されたことに応じて前記階床表示手段が表示している階床を全体としてスクロールさせる階床表示制御手段を有するものである。
また、前記階床表示制御手段は、エレベータかごの利用者による行先階登録後に、前記階床表示手段による階床の表示位置を初期状態に戻すものである。
【0010】
また、前記階床表示制御手段は、前記行先階登録釦を複数のブロックに分割して管理し、前記表示階床変更操作釦の操作に応じて前記各階床表示手段が表示する階床をブロック単位でスクロールさせるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明に係るかご制御盤制御装置の一実施の形態を示した概略構成図であり、図2は、本発明に係るかご操作盤の一実施の形態を示した外観図である。図1及び図2に示したかご操作盤1には、行先階登録釦2、表示階床変更操作釦としてのスクロール釦3a,3b及び戸の開閉釦4a,4bが設けられている。また、表示器5には、エレベータの移動方向とエレベータかごの現在位置が表示される。本実施の形態におけるかご操作盤1には、行先として指定可能なサービス階数個の行先階登録釦2が整列配置されている。図2には、2列に並べられている12階床までの行先階登録釦2が示されている。行先階登録釦2は、全て同じ構成である。各行先階登録釦2は、対応する行先階登録釦2に割り付けられた階床を表示するための階床表示部6、行先階登録釦2が押下されたことを検知するための可動部7及び行先階要求接点8、行先階登録釦2の押下により当該階床が登録されたことを知らせるために点灯する点灯部9を有している。このうち、階床表示部6は、2桁表示用に例えば8×8個のLEDが並べられて形成されており、LEDを点灯させることによって表示する階床は、後述する釦制御部10における表示制御により変更可能である。
【0013】
釦制御部10は、かご操作盤1に設けられている各釦の入出力制御を行う。特に、本実施の形態における釦制御部10は、階床表示部6が表示している階床を変更する階床表示制御手段でもある。各釦入出力回路11は、行先階登録釦2それぞれに対応付けして設けられ、釦制御部10による入出力制御に従い、各階床表示部6に表示する階床及び各点灯部9への点灯指示を、対応する行先階登録釦2に対して出力する。また、対応する行先階登録釦2に配設された行先階要求接点8からの登録要求を入力する。変更入力回路12は、スクロール釦3a,3bが操作されたことを受け付け、それを釦制御部10へ出力する。階床記憶部13は、エレベータが設置されている建物のサービス階数を記憶する。図2に示したかご操作盤1の例に従うと、階床記憶部13には、1階から12階までの階床数が登録されている。
【0014】
エレベータ制御部14は、利用者により選択された行先階の登録等エレベータ装置全体の運行管理の制御を行う。
【0015】
次に、エレベータが利用されるときの本実施の形態における動作について説明する。
【0016】
まず、本実施の形態における釦制御部10は、かご操作盤1の初期状態として図2に示したように行先階登録釦2の下方から1階、2階、そして、利用可能な階床を全て表示する。この並びは一般的なので、エレベータ利用者は何ら違和感を持たない。
【0017】
ここで、利用者がエレベータに1階から乗り込んだとする。この利用者は、子供又は車椅子の利用者であり、かご操作盤1の上方に配置された行先階登録釦2まで手が届かないものとする。この利用者が12階に訪れたいとき、図2に示した例では12階用の行先階登録釦2まで手が届かないため押下することができない。このとき、利用者は、上方向用のスクロール釦3bを1回押下すると、かご操作盤1に表示される階床は、図3のとおりになる。このときの動作を詳述すると、変更入力回路12は、スクロール釦3bの押下に応じてスクロール要求信号を釦制御部10へ出力する。釦制御部10は、スクロール要求信号に応じて現在、各行先階登録釦2の階床表示部6に表示されている階床と、階床記憶部13に登録されている階床に基づいて、各階床表示部6に表示されている階床を上方向に一つずらしてスクロールしたように見せるために各階床表示部6に該当する階床の表示指令を送る。各階床表示部6は、指令された階床を表示する。各行先階登録釦2は、物理的にかご操作盤1に固定されているが、それぞれに表示される階床は、変更されるため、行先階登録釦2全体として上方向に1つスクロールしたように見える。この上方向のスクロールによって追い出された最上部に表示されていた階床は、最下部に表示される。図3に示した表示例によると、このスクロールにより12階用の行先階登録釦2は、行先階登録釦2の並びの最下位に表示されるので、当該利用者は何の苦もなく12階用の行先階登録釦2を押下することができる。行先階要求接点8は、この押下により登録要求を釦制御部10へ出力し、釦制御部10は、これをエレベータ制御部14へ送る。登録要求が受け付けられたとき、釦制御部10は、点灯要求を該当する行先階登録釦2へ送り、点灯部9を点灯させる。この結果、利用者は、行先階が登録されたことを目視により確認することができる。
【0018】
登録後、本実施の形態では、階床の表示位置を図2に示した初期状態に戻す。初期状態に戻すことによって、その後かごに乗り込んできた利用者に対して一般的な位置に各階床を表示した状態のかご操作盤1を示すことができる。なお、初期状態へは、登録直後でもよいし、同じ階床から乗り込んだ他の利用者が操作する可能性を考慮して数秒経過後に戻すようにしてもよい。
【0019】
なお、登録する前に図2から連続して2回スクロール釦3bが押下された場合には、図4に示したように階床は表示される。また、図2の表示状態からスクロール釦3aが1階押下されたときの表示例を図5に示す。
【0020】
以上のように、エレベータ利用者は、目的とする階床が割り当てられた行先階登録釦2が手の届かない位置にあるときに、手の届くところまで上方向又は下方向にスクロールさせ押下することで所望の階床を行先階として登録することができる。どちらの方向にスクロ−ルさせるかは利用者が選択することができ、また、手の届くところまでスクロ−ルさせればよく、必ずしも最下位の位置までスクロ−ルさせる必要はない。
【0021】
また、本実施の形態においては、全サービス階、すなわち行先階として指定可能な全ての階床を常に表示しているので、違和感がなく、また、建物の階床数が一目瞭然に把握することができる。更に、かご操作盤1の上方に手が届く利用者の場合には、スクロ−ル操作をさせることなく従来と同様に行先階の登録をさせることができる。
【0022】
ところで、本実施の形態では、全ての階床を同時に表示することを特徴としているが、オフィスビルなどの建物では、エレベータから直接利用できない階床が存在するところもある。本実施の形態では、各行先階登録釦2の階床表示部6に表示する階床を階床記憶部13への登録内容に基づき表示するようにしたので、この階床記憶部13の登録内容を操作することによって該当する階床が選択できないようにすることが容易にできる。例えば、該当する階床をとばして表示したり、ブランク表示、すなわち行先階登録釦2は占有するものの対応する階床表示部6には階床を表示しないような設定を容易にすることができる。
【0023】
実施の形態2.
図6は、本実施の形態におけるかご操作盤を示した外観図であるが、この図を用いて本実施の形態におけるかご操作盤制御装置の動作について説明する。なお、かご操作盤制御装置の構成自体は図1と同じである。
【0024】
上記実施の形態1では、行先階登録釦2を個々に取り扱っていたので、スクロール釦3a,3bが押下されたときには上又は下方向に1ずつスクロールさせていた。本実施の形態は、行先階登録釦2を複数のブロックに分割して管理するようにしたことを特徴としている。図6には、行先階登録釦2が2つのブロック15a,15bに分割された場合が示されている。また、ブロック切替釦16は、表示階床変更操作釦として設けられている。
【0025】
以上の構成を有するかご操作盤17において、利用者がブロック切替釦16を押下すると図7に示したように階床が表示されることになる。すなわち、2つのブロック15a,15bの表示位置が入れ替わっており、かご操作盤17の上方に表示されていた行先階登録釦2が下方に表示され、下方に表示されていた行先階登録釦2が上方に表示される。
【0026】
本実施の形態によれば、行先階登録釦2を複数のブロックに分割し、ブロック15a,15bを入替表示するようにしたので、行先階登録釦2の表示位置を一気に移動させることができる。このため、スクロール釦を数回押下しなくても所望の行先階を一気に手の届く位置に表示させることができる。
【0027】
なお、本実施の形態では、2つのブロック15a,15bに分割するようにしたので、階床表示制御手段である釦制御部10は、各ブロック15a,15bの表示位置を単に入れ替えれるように表示制御すればよい。このため、ブロックの入替指示を利用者に入力させるためには、図6に示したように表示階床変更操作釦として1つのブロック切替釦16を設ければよい。
【0028】
しかし、形成するブロック数を2つに限る必要はなくそれ以上のブロック数に分割してもよい。ただ、3つ以上に分割した場合は移動する方向が指定できるようにスクロール釦を採用することが好ましい。ブロック数を増やしていくと各ブロックに含まれる行先階登録釦2の数は減っていく。ブロック数をかご操作盤上における段数と等しくしたとき(図6においては6段)、本実施の形態は実施の形態1と同じになる。すなわち、行先階登録釦2全体をブロックに分割して管理するという本実施の形態の特徴的なことは、スクロールする段数を任意に設定するための方法であるということができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、各行先階登録釦に対応付けした階床表示手段に表示する階床を変更可能とし、表示階床変更操作釦を利用者に操作させることにより階床の表示位置を変更できるようにしたので、目的とする階床が割り当てられた行先階登録釦が手の届かない位置にあるときでもその行先階登録釦を手の届く高さに変更することができる。
【0030】
また、行先階として指定可能な全ての階床を常に表示しているので、違和感がなく、また、建物の階床数が一目瞭然に把握することができる。更に、かご操作盤の上方に手が届く利用者の場合には、階床の表示を変更させるための操作をさせることなく従来と同様に行先階の登録をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るかご制御盤制御装置の一実施の形態を示した概略構成図である。
【図2】 本発明に係るかご操作盤の実施の形態1を示した外観図である。
【図3】 実施の形態1において図2に示した階床の表示状態から上方向のスクロール釦が1回押下されたときのかご操作盤の外観図である。
【図4】 実施の形態1において図2に示した階床の表示状態から上方向のスクロール釦が2回押下されたときのかご操作盤の外観図である。
【図5】 実施の形態1において図2に示した階床の表示状態から下方向のスクロール釦が1回押下されたときのかご操作盤の外観図である。
【図6】 本発明に係るかご操作盤の実施の形態2を示した外観図である。
【図7】 実施の形態2において図6に示した階床の表示状態からブロック切替釦が1回押下されたときのかご操作盤の外観図である。
【符号の説明】
1,17 かご操作盤、2 行先階登録釦、3a,3b スクロール釦、4a,4b 開閉釦、5 表示器、6 階床表示部、7 可動部、8 行先階要求接点、9 点灯部、10 釦制御部、11 釦入出力回路、12 変更入力回路、13 階床記憶部、14 エレベータ制御部、15a,15b ブロック、16ブロック切替釦。
Claims (4)
- エレベータかごの内壁に取り付けられるかご操作盤において、
前記かご操作盤上に整列配置され、行先として指定可能な階床数個の行先階登録釦と、
前記各行先階登録釦に対応付けして設けられ、各行先階登録釦に割り付けられた階床を表示する階床表示手段と、
前記かご操作盤上の下方に配設され、前記各階床表示手段が表示する階床を変更させるために設けられた表示階床変更操作釦と、
を有し、
前記表示階床変更操作釦は、上又は下方向の少なくとも一方を指定させるスクロール釦であり、このスクロール釦が操作されると前記各階床表示手段が表示する階床が全体としてスクロールしたように表示することを特徴とするかご操作盤。 - 請求項1記載のかご操作盤に配設されている前記表示階床変更操作釦が操作されたことに応じて前記階床表示手段が表示している階床を全体としてスクロールさせる階床表示制御手段を有することを特徴とするかご操作盤制御装置。
- 前記階床表示制御手段は、エレベータかごの利用者による行先階登録後に、前記階床表示手段による階床の表示位置を初期状態に戻すことを特徴とする請求項2記載のかご操作盤制御装置。
- 前記階床表示制御手段は、前記行先階登録釦を複数のブロックに分割して管理し、前記表示階床変更操作釦の操作に応じて前記各階床表示手段が表示する階床をブロック単位でスクロールさせることを特徴とする請求項2記載のかご操作盤制御装置。
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