JP4331388B2 - 肉盛補修溶接方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素鋼または低合金鋼の厚板または管の表面のきずを肉盛溶接によって補修する方法に関するものである。
なお、本発明は炭素鋼または低合金鋼の厚板または管の表面きず補修に適用できるが、以下の説明では特に大きな効用が期待できる既設ガスパイプラインのインサービス肉盛溶接補修に適用する場合について述べる。
【0002】
【従来の技術】
既設ガスパイプラインの導管部の外面にきずが認められた場合、きずの最深部の残存厚みがパイプラインの設計値以上の浅いきずについては、きずを含む凹部をその部分の厚みが設計値を下回らない範囲で滑らかに研削すればよいが、残存厚みが設計値以下の深いきずについては、新しい鋼管との差し替えまたは補修が必要である。特に、ガス輸送・供給上導管を切断し取り替えることが困難な場合には補修を余儀なくされる。
【0003】
例えば、社団法人日本ガス協会ガス工作物等技術基準調査委員会「高圧導管指針」(JGA指-204-89)342ページ解表8−1の「高圧導管等の主な修理方法」では、「貫通に至らない欠陥が、土木機械等により局所的に生じたすり傷等軽度な損傷の場合で、かつガス輸送・供給上導管を切断し取り替えることが困難な場合にあっては、溶接スリーブ工法、または同工法が適用できない場合は、肉盛溶接工法を用いることができる」とされ、同書345ページから346ページにかけて「肉盛溶接予定部分の管厚が7mm以上」、「ガウジング幅は50mm以下」で 「溶接は低水素系溶接棒による被覆アーク溶接すること」が定められ、さらに 「修理対象導管の材質がAPI 5L−X52相当以上で、ガス供給を継続しながら溶接を行う場合は、当該溶接部を所定の温度に後熱する」とされている。同書では溶接スリーブ工法を肉盛溶接工法より先に検討することを推奨しているが、スリーブにより剛性が増した部分とその他の部分の境界のように、剛性に大きな差がある部分が隣接するのは座屈防止の観点から好ましくなく、地震の多い日本ではあまり使われていない。
【0004】
一方、米国においては平成11年に改訂された米国石油協会(API)規格1104(19th edition,1999)のAppendix Bに新たに“In-service Welding”と題してスリーブによる補修方法がAPI規格1107から取り込まれたが、同規格には肉盛補修溶接に関する規定は含まれていない。肉盛補修溶接に関する規定としては、米国ガス協会(American Gas Association)がエディソン溶接研究所(Edison Welding Institute,米国)に委託して作成したガイドライン(Guidelines for weld deposition repair on pipelines,Feb.24,1998,EWI Project No.PR-185-9734)がある。同ガイドライン13ページではきず深さが3.2mm以上のときに低温割れを防止するための多層盛り溶接によるテンパービード法が推奨されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、鉄鋼材料を用いるパイプラインや圧力容器の溶接では、低温割れ防止の観点から溶接熱影響部と溶接金属部(以下ではこれらを合わせて溶接部と称する)の最高硬さが規制される。溶接部の硬さは、母材と溶接材料の化学成分および溶接部の温度履歴で決まり、化学成分から計算される炭素当量値が低いほど、また加熱された部分の冷却時間(例えば800℃から500℃まで温度が低下する時間)が長いほど硬さは低下する傾向にある。母材に生じたきずの凹部の厚みを設計厚み以上に増すために行う肉盛補修溶接の場合、厚み方向への伝熱の影響により導管敷設時の周溶接部に比べて同じ溶接条件でも冷却時間が短くなる。とくに、母材を予熱しない場合には最初の補修溶接ビードの冷却時間が最も短く、その溶接部はかなり硬くなる。前述した「高圧導管指針」ではAPI 5L−X52相当材以上のグレードの鋼管の肉盛補修溶接後の後熱を義務づけて硬さの低減を図ることを定めている。予熱や後熱は専用の熱処理設備を要し、工事の時間とコストを増大させるので、これらを省くことができれば産業上有用な価値がある。
【0006】
熱処理を省略する方法として多層盛り溶接を行って前の層で硬化した部分を後の層の溶接熱による熱履歴により軟化させるテンパービード法が知られており、前述した米国ガス協会の「ガイドライン」にも示されている。同「ガイドライン」12ページとFig.1からFig.9にかけて1層当たり15パスの2層溶接による肉盛補修方法が例示されている。この方法は1層目と2層目の最初にその層の補修溶接部の周縁を溶接し、2層目の周縁溶接ビードは母材を溶融させず1層目のみを溶融することによって母材に新たな硬化部を生じさせないようにする点に特徴がある。
【0007】
ところが、小規模のきずの補修にこのガイドラインに例示されている方法を適用すると次のような施工上の問題が生じる。すなわち、直径10mmないし20mm程度のきずでは周囲を滑らかに仕上げても、窪み部のサイズはたかだか直径20mmないし30mm程度であり、最初に周縁部のビードを溶接するとその溶接ビードで囲まれた部分の面積が狭すぎ、そのまま内側のパスを溶接すると溶接欠陥を生じてしまう。発明者らの実験では「ガイドライン」の例の方法を適用するには少なくとも幅50mm、長さ70mm程度以上の寸法が必要であり、小さな面積の浅いきずの補修部をガイドラインの例の方法が適用できるまで広げるのは非常に無駄が多い。
また、「高圧導管指針」と「ガイドライン」に例示されている溶接方法は、いずれも低水素系の溶接棒を用いる被覆アーク溶接法による施工を推奨または例示している。被覆アーク溶接で多層盛り溶接を行う場合、各パス溶接後にグラインダ等による下地の研削が必要であり、補修溶接施工時間の大きな割合を占めているので、この手間を減らすことも有用である。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、鋼板または鋼管の直径10mmないし20mm程度の小さいきずの補修においても、予熱や後熱を必要としない、簡便で施工性に優れた肉盛補修溶接方法を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では以下の手段を採用した。
本発明は、鋼板または鋼管の表面のきずの肉盛補修溶接において、きず部を非補修部の母材と同等の厚みまでティグ溶接法で肉盛溶接した後、その補修溶接ビードの全表面を覆う層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接し、さらにその層のほぼ全表面を覆うが母材部は全く溶融しない層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接する手順で施工する。
【0010】
本発明は、さらに最終層の溶接に際し、始端同士、終端同士または始端と終端が重なる1本ないし複数本の溶接ビードで最終層全体の周りを縁取る最外周ビードを構成するように溶接するとともに、最外周を構成する溶接ビードに囲まれるすべての溶接ビードを最外周を構成する溶接ビードの溶接に先だって施工する手順で溶接する。
【0011】
本発明の溶接方法では、きず部を非補修部の母材と同等の厚みまで肉盛溶接した後、その補修溶接ビードの全表面を覆う層を1層溶接することによるテンパー効果により、それまでの層の溶接で硬化した溶接部の硬さの低減をはかり、さらにその層のほぼ全表面を覆うが母材部は全く溶融しない層を1層溶接することによるテンパー効果により、その前層の溶接で硬化した溶接部の硬さの低減を図る方法を提供する。これらの溶接をすべてティグ溶接法で行うことにより、パス間のグラインダ等による手入れがほとんど不要となる。また、最後の2層のうち、先に溶接する層がそれまで溶接した層の表面の溶接ビードを完全に覆うように溶接することにより、それまでの溶接で硬化した部分の硬度を確実かつ十分に低減することができる。さらに、最終層では前層の溶接ビードの表面のほとんどを覆うが母材は全く溶かさないように溶接することによって、新たな母材の硬化を防ぐことができる。また、最後の2層の両方または最後の層の溶接のみをティグ溶接法ではなく被覆アーク溶接法で行うことにより、これらの層の溶接においてティグ溶接法より確実にテンパー効果を発揮させる方法を提供する。被覆アーク溶接法では溶接棒の溶融速度が溶接電流とほぼ比例するので、溶加棒の溶融速度と溶接電流の関係が溶接士の技量に依存するティグ溶接法より確実かつ容易に溶接入熱をコントロールできるからである。ただしこの場合、パス間にグラインダ等でビード表面を滑らかに研削する手間がかかる。
【0012】
また、本発明の溶接方法では、最終層全体の最外周溶接ビードの始端同士、終端同士または始端と終端が必ず重なる手順で溶接することによって、その前層の溶接で最も硬化しやすいビードの外縁部に十分な熱を与えて、それらの近傍の硬さの低減を図る方法を提供する。このとき、最外周を構成するビードを溶接する以前に、最外周より内側の溶接ビードの溶接をすべて済ませておくと、それまでの溶接の予熱効果により最外周溶接ビードの溶接時の冷却時間が長くなるので、この手順で溶接しない場合に比べて硬さの低減の面で効果的であるうえ、溶接がしやすいので溶接欠陥の発生が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施形態例に基づいて説明する。
図1に本発明に係る方法により補修溶接された部分の長手方向に垂直な断面での積層状態を示す。11A、11B、11Cの順序で溶接された1層目の3本の溶接ビードの上に、1層目の溶接ビード全表面を覆う12A、12B、12Cの順で溶接された2層目の3本のビードが積層され、さらに母材1を溶かさないように2層目の溶接ビードの母材側の端部のみを残して2層目のビード表面を覆う13A、13B、13Cの順で溶接された3層目の3本のビードが積層されている。
図2は図1の状態を上面から見た図であり、3層目の3本の溶接ビード13A、13B、13Cは長手方向でも母材1を溶融しない範囲に留められている。なお、きず深さが深い場合は1層目の溶接に相当する11A、11B、11Cの部分を2層ないしそれ以上の多層盛り溶接とすればよい。
【0014】
図3は本発明に係る方法によるビード積層状況の一例を示しており、最終層である3層目の溶接順序が図1及び図2の例と異なっている。すなわち、まずビード14Aが2層目上の中央部に溶接され、つぎに溶接ビード14Bがビード14Aの下縁部と左縁部に沿って溶接されている。最後に、溶接ビード14Cがビード14Aの右縁部と上縁部に沿って溶接されている。溶接ビード14Bと14Cは3層目の最外周を構成し、それら2本の溶接ビードの始端同士および終端同士は互いに重なっている。この方法によって、ビード14Aの溶接時に硬化した溶接部全体にテンパー効果を与えることができ、とくにビード14Bの始端部と終端部にもビード14Cにより十分にテンパー効果を与えることができる。
なお、図3においては3層目の最外周を2本の溶接ビードで形成したが、本発明ではこれに限ることなく、場合によっては1本もしくは3本以上の溶接ビードで最外周を構成することもできる。1本の場合には溶接ビードの始端と終端とは必ず重なることが必要であるが、3本以上の場合でも始端同士、終端同士または始端と終端が重なることが必要である。
【0015】
【実施例】
外径609mm、肉厚13.5mmのAPI 5LX グレードX60規格の鋼管のきず補修を対象にした本発明の実施例を示す。鋼管の主要な化学成分と炭素当量を表1に示す。溶接材料として、ティグ溶接にはJIS YGT50の溶加棒を、被覆アーク溶接にはJIS D5816溶接棒を用いた。予熱および後熱は実施していない。
【0016】
【表1】
【0017】
図4に補修溶接直前の補修部の状況を示す。図4には補修部の正面図が右側に、正面図の左右方向中央部の断面図が左側に示されている。母材1における補修部3の中央部に存在した管軸方向(図の上下方向)に11mm、管周方向(図の左右方向)に19mm、深さ2.0mmのきずは、そのきずを中心に30mm□の範囲をきずの深さまで鍋底状にグラインダで研削して完全に取り除いた。さらに、この補修部3に隣接した管軸方向両側の20mm長さの部分2の母材表面を軽くグラインダで研削して酸化膜等を除去して清浄面を露出させた。図4の形状の供試体5体を用意し、それぞれを表2に示す比較例を含む5通りの手順にて肉盛溶接した。
【0018】
【表2】
【0019】
以下では、実施例と比較例の溶接手順を詳細に述べる。なお、説明で引用する図5から図10までのすべての図には補修部の正面図が右側に、正面図の左右方向中央部の断面図が左側に示されており、図示されている溶接ビードはすべて図の下側が始端で上側が終端である。
【0020】
まず、実施例1の溶接手順を述べる。図5に示される1層目は表面が非補修部の母材表面と同等の高さとなるように、補修部3をビード11A、11B、11Cの順でティグ溶接法により3パス溶接した。次に、図6に示される2層目は1層目全体と1層目溶接前に研削した母材表面部2の全範囲を覆うように、ビード12A、12B、12Cの順でティグ溶接法により3パス溶接した。さらに、図7に示される3層目は、2層目ビードのみを溶かして母材を溶かさないようにビード13A、13B、13Cの順でティグ溶接法により3パス溶接した。なお、1層目および2層目の溶接ビードの表面は滑らかなので、溶接後のグラインダ研削等のビード整形処理は施さなかった。
【0021】
実施例2の溶接手順は、実施例1と3層目の溶接方式のみが異なり、図7に示される3層目を実施例1と同じ順序でティグ溶接法ではなく被覆アーク溶接法で溶接した。
【0022】
実施例3の溶接手順は、実施例2と2層目の溶接方式のみが異なり、図6に示される2層目を実施例2と同じ順序でティグ溶接法ではなく被覆アーク溶接法で溶接した。なお、2層目の溶接後に補修溶接部のビード高さが非補修部の母材表面から2mmとなるまで2層目溶接ビード表面をグラインダで研削した。
【0023】
実施例4の溶接手順は、実施例3と3層目のみが溶接順序で異なる。すなわち、まず図8の平面図に示される3層目の3本のビードのうち、中央のビード14Aを先に溶接した。次に、ビード14Bを図の右下角から左下角、左上角に進む手順でビード14Aの下縁部と左縁部に沿って連続的に溶接した。さらに、ビード14Bの始端部から図の右上角、左上角に進む手順でビード14Aの右縁部と上縁部に沿って連続的に溶接した。この結果、ビード14Bとビード14Cの始端部同士および終端部同士は重なった。
【0024】
なお、実施例1から実施例4において、3層目で溶かさない2層目の未溶融部の幅はほぼ2mmとした。2mmより未溶融部幅が広いと2層目の周縁部の硬化した部分へのテンパー効果が不十分であり、2mmより未溶融部幅が狭いと過って母材を溶融する恐れが生じ、母材を溶融した場合はその近傍が硬化してしまう。また、実施例における施工では3層目の溶接終了後、塗覆装施工のために補修溶接ビード表面を滑らかに仕上げることが必要である。母材表面と同じ高さになるまで削れば最も理想的であるが、例えば図9に示すように、肉盛部4のビード高さが母材表面から1mmとなるように研削すれば通常は十分である。
なお、比較例では図10に示されるビード15A、15B、15Cの順で1層目のみ被覆アーク溶接にて3パス溶接を実施した。
【0025】
これら5体の供試体の肉盛溶接終了後、溶接始端部から管軸方向10mm中央寄り、中央部、終端部から10mm中央寄りの3箇所で溶接ビードを切断し断面を研磨した後、ビッカース硬さ試験を荷重98Nで行った。硬さ測定位置は母材表面、そこからビード表面側に1mm、2mmおよび母材側に1mm、2mmの母材表面に平行な5本の線上とし、測定ピッチは1mmとした。母材部の硬さは最も硬化しやすい場所、すなわち後者の2本の計測線の左右端の溶融線より母材側それぞれ3点づつを計測した。それ以遠では本来の母材の硬度とほぼ同等で、計測する意味がない。実施例では塗覆装施工のためグラインダ等で研削するが、この例では硬さ値を得るために研削はしなかった。表3に硬さ試験での最高硬さ値とその発生位置を示す。表3の中でパス番号とは最高硬さを示した部分を含むか最も近いパスの1層目から数えた通算のパス数であり、4、5、6パスが2層目の3本のパスである。
【0026】
【表3】
【0027】
比較例では1パス目の始端部付近の熱影響部が最も硬化しており、最高ビッカース硬さは267であった。これに対し、実施例1から実施例3までのビッカース硬さはいずれも2層目の4パス目ないし6パス目の始端部または終端部の溶接金属部で最高値を示し、それぞれ242、243、240であった。1層目の溶接金属や熱影響部ではこれより低値であり、2層目のテンパー効果が有効に作用したと考えられる。実施例4では2層5パス目の始端部が最も硬化していたものの、最高ビッカース硬さは235で実施例中最低値を示し、始端と終端同士を重ねた部分のテンパー効果が最高硬さの低減に有効に作用したと考えられる。
【0028】
【発明の効果】
上述のごとく本発明によれば、鋼板または鋼管の直径10mmないし20mm程度の小さいきずの補修においても予熱や後熱を必要としない、簡便で施工性に優れた肉盛補修溶接方法が実現できる。
すなわち、鋼板または鋼管の表面のきずの肉盛補修溶接において、きず部を非補修部の母材と同等の厚みまでティグ溶接法で肉盛溶接した後、その補修溶接ビードの全表面を覆う層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接し、さらにその層のほぼ全表面を覆うが母材部は全く溶融しない層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接する手順で施工することにより、予熱や後熱なしに溶接部近傍の硬さを低下させることができる。さらに、始端同士、終端同士または始端と終端が重なる1本ないし複数本の溶接ビードで最終層全体の周りを縁取る最外周ビードを構成するように溶接し、かつ最外周を構成する溶接ビードに囲まれるすべての溶接ビードを最外周を構成する溶接ビードの溶接に先だって施工する手順で溶接することにより、前層の周縁部全体に有効にテンパー効果を与えて、前層周縁部の硬さをさらに低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例を示す補修溶接部の断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 本発明の実施形態例を示す補修溶接部の平面図である。
【図4】 本発明の実施例1から4および比較例における補修溶接直前の補修部の状況を示す図である。
【図5】 本発明の実施例1から4における1層溶接後の補修部の状況を示す図である。
【図6】 本発明の実施例1から4における2層溶接後の補修部の状況を示す図である。
【図7】 本発明の実施例1から3における3層溶接後の補修部の状況を示す図である。
【図8】 本発明の実施例4における3層溶接後の補修部の状況を示す図である。
【図9】 本発明における補修後の仕上げ状況の例を示す図である。
【図10】 比較例における1層溶接後の補修部の状況を示す図である。
Claims (1)
- 鋼板または鋼管の表面のきずの肉盛補修溶接において、きず部を非補修部の母材と同等の厚みまでティグ溶接法で肉盛溶接した後、その補修溶接ビードの全表面を覆う層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接し、さらにその層のほぼ全表面を覆うが母材部は全く溶融しない層をティグ溶接法または被覆アーク溶接法で1層溶接する手順で施工し、最終層の溶接に際し、始端同士、終端同士または始端と終端が重なる1本ないし複数本の溶接ビードで最終層全体の周りを縁取る最外周ビードを構成するように溶接するとともに、最外周を構成する溶接ビードに囲まれるすべての溶接ビードを最外周を構成する溶接ビードの溶接に先だって施工する手順で溶接することを特徴とする肉盛補修溶接方法。
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