JP3272853B2 - 亀裂の溶融補修方法 - Google Patents

亀裂の溶融補修方法

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JP3272853B2
JP3272853B2 JP03334694A JP3334694A JP3272853B2 JP 3272853 B2 JP3272853 B2 JP 3272853B2 JP 03334694 A JP03334694 A JP 03334694A JP 3334694 A JP3334694 A JP 3334694A JP 3272853 B2 JP3272853 B2 JP 3272853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亀裂の溶融補修方法に
係り、特にオーステナイト系ステンレス鋼製又はNi基
合金製の硬化した構造物に発生した亀裂の溶融補修方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の亀裂の溶融補修技術として、亀裂
をグラインダ等で除去し、開先加工を行った後に溶融補
修を施工する方法、又は溶接の際に発生する熱を熱源に
使用して亀裂を連続溶融し、その時に生じるビードを仕
上げる方法が、一般に用いられている。
【0003】また、炭素鋼の溶接時における亀裂の発生
防止技術として、溶接前に母材を100〜400℃に予
熱する予熱処理、及び溶接後に600℃前後に後熱する
後熱処理をそれぞれ行い、溶接後の冷却速度を緩和して
硬化組織の生成を抑制する方法が広く実用化されてい
る。
【0004】また、溶接金属表面に開口状に発生した亀
裂を覆うように余盛りし、亀裂の進展を防止する方法
が、特開昭54−11045号公報に開示されている。
【0005】また、ビーム溶接工程で発生した亀裂を再
ビーム溶接により溶融する方法が、特開昭54−110
45号公報に開示されている。
【0006】更に、亀裂発生の危険性のある箇所を囲う
ように高靭性円環材を母材に溶接し、この円環材内に発
生した亀裂の進展を防止する方法が、特開昭61−78
575号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の亀裂の
溶融補修方法では、亀裂の溶融時に熱影響部に発生する
熱影響部亀裂の防止対策及び事後対策などについては、
一般に、配慮されていない。特に、オーステナイト系ス
テンレス鋼製又はNi基合金製の硬化した構造物のよう
な、硬い材料からなる構造物に発生した亀裂を溶融補修
する場合には、熱影響部に亀裂が発生しやすいが、この
ような場合の対策については全く配慮がなされていな
い。上述のいずれの公知例においても、亀裂の溶融補修
時に発生する亀裂への対策については述べられておら
ず、未解決の状態にある。
【0008】また、構造物へのアクセスが困難なため、
溶接前の亀裂の取り除き、開先加工、溶接後の余盛、及
びアンダーカット処理のための仕上げなどの作業の不可
能な場合がある。しかし、それらの対策についても、未
解決のままである。
【0009】本発明は、上述のような事情に鑑み実施し
たものであり、構造物、特に硬化した構造物に発生した
亀裂を溶融補修する際、熱影響部亀裂の発生及び進展を
防止できる方法を確立すること目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0011】(1)構造物に発生した亀裂を溶融処理す
る亀裂の溶融補修方法において、亀裂の溶融処理の際に
発生が見込まれる熱影響部に予め延性回復処理を行った
後、亀裂の溶融を実施すること。
【0012】(2)腐食性流体が接触する構造物に発生
した亀裂を溶融処理する亀裂の溶融補修方法において、
予め亀裂の周辺に低入熱溶融処理又は低入熱非溶融処理
を施すことにより、亀裂の高入熱溶融処理の際に発生が
見込まれる高入熱熱影響部を延性に優れた組織に改質し
た後、亀裂に沿って高入熱溶融処理を施すことにより亀
裂を溶融すること、又は亀裂の表面層を溶融して亀裂を
構造物の内部に封じ込め亀裂を腐食性流体から隔離する
こと。
【0013】(3)腐食性流体が接触する構造物に発生
した亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、
亀裂に沿って高入熱溶融処理を施すことにより亀裂を溶
融した後、又は亀裂の表面層を溶融して亀裂を前記構造
物の内部に封じ込め亀裂を腐食性流体から隔離した後、
低入熱溶融処理により、高入熱溶融処理の際に生じた高
入熱熱影響部に発生した高入熱熱影響部亀裂を溶融する
こと、又は高入熱熱影響部亀裂の表面層を溶融して高入
熱熱影響部亀裂を構造物の内部に封じ込め高入熱熱影響
部亀裂を腐食性流体から隔離すること。
【0014】(4)腐食性流体が接触する構造物に発生
した亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、
亀裂に沿って高入熱溶融処理を施すことにより亀裂を溶
融した後、又は亀裂の表面層を溶融して亀裂を構造物の
内部に封じ込め亀裂を腐食性流体から隔離した後、低入
熱溶融処理により、高入熱溶融処理の際に生じた高入熱
熱影響部に発生した高入熱熱影響部亀裂を完全に溶融す
ること、又は高入熱熱影響部亀裂の表面層を溶融して高
入熱熱影響部亀裂を構造物の内部に封じ込め高入熱熱影
響部亀裂を腐食性流体から隔離することを行うととも
に、高入熱熱影響部を延性に優れた組織に改質するこ
と。
【0015】(5)腐食性流体が接触する構造物に発生
した亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、
亀裂に沿って高入熱溶融処理を施すことにより亀裂を溶
融した後、又は亀裂の表面層を溶融して亀裂を前記構造
物の内部に封じ込め亀裂を腐食性流体から隔離した後、
高入熱溶融処理の際に生じた高入熱熱影響部の周辺を低
入熱溶融処理により溶融すること。
【0016】(6)腐食性流体が接触する構造物に発生
した亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、
低入熱溶融処理により亀裂の高入熱溶融処理の際に発生
が見込まれる高入熱熱影響部の外周を溶融した後、亀裂
に沿って高入熱溶融処理を施すことにより亀裂を溶融す
ること、又は亀裂の表面層を溶融して亀裂を構造物の内
部に封じ込め腐食性流体から隔離すること。
【0017】(7)(1)〜(6)において、構造物
が、オーステナイト系ステンレス鋼製又はNi基合金製
の硬化した構造物であること。
【0018】(8)(1)〜(7)において、溶融処理
が、溶接材料を使用し、又は溶接材料を使用せずに、T
IG溶接、プラズマ溶接、電子ビーム溶接及びレーザ溶
接のいずれかを熱源として用い、連続溶融により、又は
点溶融を連ねることにより行われること。
【0019】(9)(2)〜(7)において、低入熱溶
融処理が、溶接材料を使用し、又は前記溶接材料を使用
せずに、TIG溶接、プラズマ溶接、電子ビーム溶接及
びレーザ溶接のいずれかを熱源として用い、入熱量を1
1〜103J/mmに制御して、連続溶融により、又は
点溶融を連ねることにより行われること。
【0020】(10)(2)又は(7)において、低入
熱非溶融処理が、溶接材料を使用し、又は前記溶接材料
を使用せずに、TIG溶接、プラズマ溶接、電子ビーム
溶接及びレーザ溶接のいずれかを熱源として用い、構造
物の延性を回復させる温度に加熱制御して、連続非溶融
により、又は点非溶融を連ねることにより行われるこ
と。
【0021】
【作用】本発明では、構造物、特にオーステナイト系ス
テンレス鋼製又はNi基合金製の硬化した構造物に発生
した亀裂の溶融補修方法において、次の作用が得られ
る。(1)亀裂の溶融処理の際に発生が見込まれる熱影
響部に対して予め延性回復処理を行った後、亀裂の溶融
処理を実施するので、転位のもつれによる延性の低下し
た硬化状態の組織が延性に優れた組織に改質され、亀裂
の溶融処理に際して熱影響部への亀裂の発生が防止され
る。
【0022】(2)予め亀裂の周辺について低入熱溶融
処理又は低入熱非溶融処理を用いて延性回復処理を施す
ことにより、亀裂の高入熱溶融処理の際に発生が見込ま
れる高入熱熱影響部を延性に優れた組織に改質した後、
亀裂に沿って高入熱溶融処理を施し亀裂を完全に溶融す
ること、又は亀裂の表面層を溶融し亀裂を構造物の内部
に封じ込めることを実施している。
【0023】したがって、転位のもつれによる延性の低
下した硬化状態の組織が延性に優れた組織に改質され、
亀裂の溶融処理時における高入熱熱影響部への亀裂の発
生が防止される。また、低入熱溶融処理部又は低入熱非
溶融処理部は急冷により生成されるので、高入熱熱影響
部を含めて耐食性に優れた組織に改質され、耐応力腐食
割れ性が向上する。更に、亀裂は腐食性流体から隔離さ
れる。
【0024】(3)亀裂に沿って高入熱溶融処理を施し
亀裂を完全に溶融した後、又は亀裂の表面層を溶融し亀
裂を構造物の内部に封じ込めた後、低入熱溶融処理によ
り、高入熱溶融処理時に生じた高入熱熱影響部に発生し
た高入熱熱影響部亀裂を完全に溶融すること、又は高入
熱熱影響部亀裂の表面層を溶融して高入熱熱影響部亀裂
を構造物の内部に封じ込めることを実施している。
【0025】すなわち、低入熱溶融処理の際に発生する
熱歪は小さいので、低入熱溶融熱影響部への亀裂の発生
が回避される。また、亀裂及び熱影響部亀裂は腐食性流
体から隔離される。
【0026】(4)亀裂に沿って高入熱溶融処理を施し
亀裂を完全に溶融した後、又は亀裂の表面層を溶融し亀
裂を構造物の内部に封じ込めた後、低入熱溶融処理によ
り、高入熱溶融処理時に生じた高入熱熱影響部に発生し
た高入熱熱影響部亀裂を完全に溶融すること、又は熱影
響部亀裂の表面層を溶融し高入熱熱影響部亀裂を構造物
の内部に封じ込めることを行うとともに、高入熱熱影響
部について延性回復処理を実施している。
【0027】すなわち、低入熱溶融処理の際に発生する
熱歪は小さいので、低入熱溶融熱影響部への亀裂の発生
が回避され、また、高入熱熱影響部が延性と耐食性とに
優れた組織に改質され、その後の亀裂発生も防止され
る。更に、亀裂及び熱影響部亀裂は腐食性流体から隔離
される。
【0028】(5)亀裂に沿って高入熱溶融処理を施し
亀裂を溶融した後、又は亀裂の表面層を溶融し亀裂を構
造物の内部に封じ込めた後、高入熱溶融処理時に生じた
高入熱熱影響部の周辺を低入熱溶融処理により溶融して
いる。
【0029】したがって、高入熱熱影響部に発生した高
入熱熱影響部亀裂の進展が防止される。また、亀裂は腐
食性流体から隔離される。
【0030】(6)低入熱溶融処理により、亀裂の高入
熱溶融処理時に発生が見込まれる高入熱熱影響部の外周
を溶融した後、亀裂に沿って高入熱溶融処理を施すこと
により亀裂を溶融すること、又は亀裂の表面層を溶融し
亀裂を構造物の内部に封じ込めることを行っている。
【0031】したがって、高入熱熱影響部亀裂の進展は
防止され、また、高入熱熱影響部亀裂に限らず、その後
に発生する亀裂の進展も防止される。更に、亀裂は腐食
性流体から隔離される。
【0032】(7)溶融処理は、溶接材料を使用し、又
は溶接材料を使用せずに、TIG溶接、プラズマ溶接、
電子ビーム溶接及びレーザ溶接のいずれかを熱源として
用い、連続溶融により、又は点溶融を連ねることにより
行っている。
【0033】また、溶融処理のうち、低入熱溶融処理
は、構造物の延性回復が可能な温度となるように、入熱
量を101〜103J/mmに制御した、連続溶融によ
り、又は点溶融を連ねることにより行っている。
【0034】すなわち、溶融処理の際、溶融入熱制御が
可能であるので、亀裂を溶融する高入熱溶融処理、高入
熱熱影響部亀裂を溶融する低入熱溶融処理、高入熱熱影
響部の延性を回復させる低入熱溶融処理、及び低入熱熱
影響部の延性を回復させる低入熱溶融処理を、それぞれ
行うことができる。
【0035】(8)低入熱非溶融処理は、溶接材料を使
用し、又は溶接材料を使用せずに、TIG溶接、プラズ
マ溶接、電子ビーム溶接及びレーザ溶接のいずれかを熱
源として用い、構造物の延性を回復させる温度に加熱制
御して、連続非溶融により、又は点非溶融を連ねること
により行っているので、非溶融の状態において、延性に
優れた組織に改質することができる。
【0036】なお、そのほかの作用を述べると、次のと
おりである。
【0037】(a)溶接材料の使用と点溶融を連ねるこ
とを採用した場合、溶接材料なしで連続溶融をした場合
に比べて耐食性を向上させることができる。また、点溶
融の場合、十分なパス間時間を設け、パス間温度を低く
保つ状態で施工できるので、連続溶融に比べ構造物に与
える単位時間当たりの熱容量が小さくなり、構造物の溶
融変形を小さく抑えることができる。
【0038】(b)点溶融は、溶融速度が零の状態で施
工されるため、単位面積当たり投入エネルギが大きく、
同一の電流及び電圧において連続溶融よりも深い溶け込
みが得られる。また、十分なパス間時間を設け、溶融部
の周辺温度を低く保持することができるので、横向きの
連続溶融の際に見られるような、溶融池が次第に大きく
なり、垂れ落ち現象によるアンダーカット等の凹凸の生
じることがない。
【0039】(c)点溶融は、溶融部の周辺温度を低く
保持できるので、連続溶融に比べて冷却速度が大きい。
したがって、オーステナイト系ステンレス鋼製又はNi
基合金製の硬化した構造物のように、高温割れや鋭敏化
が問題になる場合、及び熱影響部のフェライトを確保す
る必要のある場合には、特に有効である。
【0040】(d)点溶融の溶融条件パラメータは、電
流、電圧、及び不連続な溶融時間を含めた施工要件であ
り、構造物の板厚に応じた溶融条件の追従が、連続溶融
の場合に比べて容易である。
【0041】
【実施例】本発明の第1実施例を、図1を用いて説明す
る。図1は亀裂の周辺を低入熱溶融処理した後に亀裂溶
融処理をしたときの略解図である。なお、図1は(a)、
(b)、(c)の3図からなるが、それらは、亀裂溶融処理
の順序で示している。(次図以降同じ)。
【0042】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂の溶融補修におい
て、高入熱TIG溶接の熱源による点溶融(以下、高入
熱TIG点溶融と略称)を亀裂に沿って実施することに
より、亀裂を溶かし込んで、構造物を補修する際に、発
生が見込まれる高入熱熱影響部を含む亀裂の周辺につい
て、予め低入熱TIG溶接の熱源による溶融(以下、低
入熱TIG溶融と略称)処理を施した場合である。
【0043】これにより、高入熱熱影響部亀裂の発生を
防止でき、また、構造物をほとんど変形させずに、亀裂
を十分に溶け込ますことができる。また、アンダーカッ
ト及び高温亀裂の発生が防止でき、鋭敏化範囲も小さく
なる。
【0044】本実施例は、図1の(a)に示すように、
構造物1に発生した長さ約8mmの亀裂2を溶融補修し
た場合である。(なお、次の実施例以降、亀裂2の長さ
は、本実施例の場合と同じ長さである。)本実施例で
は、亀裂2の溶融に先立ち、亀裂2の高入熱溶融時に発
生すると見込まれる、亀裂2の周辺の高入熱熱影響部3
[図1の(c)に記載]を、溶融条件150A−10V
−20cm/分−450J/mmのノンフィラー低入熱
TIG溶融により溶融した。すなわち、図1の(b)に
示すように、ノンフィラー低入熱TIG溶融部4を形成
させ、延性に富み、転位のからみが取れた組織に改質し
た。また、この場合、ノンフィラー低入熱TIG溶融部
4は、急熱急冷により生成されるため、耐食性に優れた
組織にも改質されている。
【0045】ノンフィラー低入熱TIG溶融のビードシ
ーケンスは、高入熱熱影響部3の発生が見込まれる部分
を完全に覆うことができるように、図1の(b)に示す
ように、亀裂溶融処理ビード最内端部5から亀裂溶融処
理ビード最外端6まで、トーチを一回に1〜2mmのピ
ッチでずらす構成にした。その範囲は、亀裂からおよそ
8mmから13mm離れた位置になる。
【0046】その後、亀裂2に沿って高入熱TIG点溶
融により亀裂を溶かし込んで溶融補修を実施し、図1の
(c)に示すように、高入熱TIG点溶融部7を形成さ
せた。また、高入熱TIG点溶融の条件を、250A−
10V−5秒−2mmピッチに設定した。
【0047】更に、本実施例の効果を明確にするため
に、本実施例を適用しない場合の例を、図2を用いて説
明する。図2は亀裂に直接溶融処理を施し熱影響部亀裂
が発生したときの略解図である。
【0048】この実施例は、硬化したオーステナイト系
ステンレス鋼製の構造物1に発生した亀裂2を高入熱溶
融により溶融補修を行う際、発生が見込まれる高入熱熱
影響部3に対して低入熱溶融処理を施すことなく、直接
に亀裂に沿って250A−10V−5秒−2mmピッチ
の高入熱条件で亀裂を溶融処理し、高入熱TIG点溶融
部7を形成させた場合である。
【0049】この場合は、高入熱熱影響部3に高入熱熱
影響部亀裂8が発生した。すなわち、発生が見込まれる
高入熱熱影響部3に低入熱溶融処理を施工しなかったの
で、高入熱TIG点溶融の際の熱影響により高入熱熱影
響部亀裂8が発生したものである。
【0050】本発明の第2実施例を、図3を用いて説明
する。図3は高入熱熱影響部亀裂を低入熱溶融処理した
ときの略解図である。
【0051】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂を高入熱溶融によ
り溶かし込み、この高入熱溶融処理の際に発生した高入
熱熱影響部亀裂を低入熱溶融処理した場合である。
【0052】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
を、まず250A−10V−10cm/分の1500J
/mmの高入熱TIG溶接の熱源による溶融(以下、高
入熱TIG溶融と略称)により、亀裂2に沿って溶かし
込み、高入熱TIG溶融部9を形成させた。その後、亀
裂2の高入熱溶融の際に生じた高入熱熱影響部3に発生
した高入熱熱影響部亀裂8を、150A−10V−20
cm/分−450J/mmのノンフィラー低入熱TIG
溶融により亀裂2を溶かし込み、ノンフィラー低入熱T
IG溶融部3を形成させた。
【0053】これにより、ノンフィラー低入熱TIG溶
融部3の周辺に生じた低入熱熱影響部に、亀裂を発生さ
せることなく、高入熱熱影響部亀裂8の溶融処理を行う
ことができた。なお、ノンフィラー低入熱TIG溶融に
より、低入熱溶融部の延性回復及び耐食性が改善され
た。
【0054】本発明の第3実施例を、図4を用いて説明
する。図4は低入熱熱影響部亀裂の発生を抑制しながら
高入熱熱影響部亀裂を溶融したときの略解図である。
【0055】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂を、高入熱溶融に
より溶かし込み、高入熱溶融処理によって生じた高入熱
熱影響部、及び高入熱熱影響部に発生した高入熱熱影響
部亀裂を低入熱溶融処理し、低入熱熱影響部亀裂の発生
を抑制しながら、高入熱熱影響部亀裂を溶融した場合で
ある。低入熱溶融処理は、高入熱熱影響部を覆うように
実施した。低入熱溶融部は延性の回復した組織に改質さ
れ、耐食性も改善された。
【0056】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
を、まず250A−10V−10cm/分−1500J
/mmの高入熱TIG溶融により、高入熱TIG溶融部
9を形成させ、亀裂2を溶融した。その後、高入熱熱影
響部3、及び高入熱熱影響部3に発生した高入熱熱影響
部亀裂8を150A−10V−20cm/分−450J
/mmのノンフィラー低入熱TIG溶融により溶かし込
み、ノンフィラー低入熱TIG溶融部4を形成させた。
これにより、高入熱熱影響部亀裂8を消滅させるととも
に、高入熱熱影響部3の延性が回復され、耐食性も改善
された。
【0057】なお、ノンフィラー低入熱TIG溶融は、
亀裂溶融処理ビード最内端部5から亀裂溶融処理ビード
最外端部6に向かって、1〜2mmの範囲のトーチシフ
トで施工した。
【0058】本発明の第4実施例を、図5を用いて説明
する。図5は高入熱熱影響部亀裂の進展を防止しながら
高入熱熱影響亀裂の溶融処理したときの略解図である。
【0059】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製又はNi基合金の硬化した構造物に発生した亀裂
を、高入熱溶融により溶かし込み、高入熱溶融処理によ
って発生した高入熱熱影響亀裂の周辺を低入熱溶融処理
し、高入熱熱影響部亀裂の進展を防止した場合である。
低入熱溶融処理は、高入熱熱影響部を囲うように、高入
熱熱影響部の外周について実施した。低入熱溶融部は、
延性の回復した組織に改質され、耐食性も同時に改善さ
れた。
【0060】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
を、まず250A−10V−10cm/分−1500J
/mmの高入熱TIG溶融により亀裂2を溶かし込み、
高入熱TIG溶融部9を形成させた。その後、高入熱熱
影響部3に発生した高入熱熱影響部亀裂8の周辺を、1
50A−10V−20cm/分−450J/mmのノン
フィラー低入熱TIG溶融を1パス以上施工することに
よりノンフィラー低入熱TIG溶融部4を形成させた。
【0061】本発明の第5実施例を、図6を用いて説明
する。図6は高入熱熱影響部の外周を低入熱溶融処理し
たときの略解図である。
【0062】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂を、高入熱溶融処
理により溶融処理をする場合、発生が見込まれる高入熱
熱影響部亀裂の進展を防止するために、予め低入熱溶融
処理により、高入熱熱影響部の外周を延性の優れた組織
に改質した後で、亀裂を高入熱溶融処理により溶融処理
した場合である。この場合、低入熱溶融処理は、高入熱
熱影響部を囲うように実施した。低入熱溶融部は延性の
回復した組織に改質され、耐食性も同時に改善された。
【0063】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
に対して150A−10V−20cm/分−450J/
mmのノンフィラー低入熱TIG溶融により高入熱熱影
響部3の外周を1パス以上施工して、ノンフィラー低入
熱TIG溶融部4を、亀裂から約13mm離れた位置に
形成させた。その後、亀裂2に沿って高入熱溶融を25
0A−10V−10cm/分−1500J/mmで施工
し、高入熱TIG溶融部9を形成させた。
【0064】本発明の第6実施例を、図7を用いて説明
する。図7は亀裂の周辺に低入熱非溶融処理を施したと
きの略解図である。
【0065】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の構造物に発生した亀裂の周辺に低入熱非溶融処理
を実施し、その後に亀裂に沿って亀裂を高入熱点溶融に
より溶かし込んだ場合である。
【0066】低入熱非溶融処理により、亀裂高入熱溶融
時に高入熱熱影響部亀裂が発生するのを防止しながら、
亀裂の高入熱点溶融処理を、構造物に変形をほとんど生
じさせることなく施行することができた。また、冷却速
度が大きいため、鋭敏化範囲を縮小させることができ
た。
【0067】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
の周辺を500℃以上にノンフィラー低入熱TIG溶接
の熱源による非溶融(以下、ノンフィラー低入熱TIG
非溶融と略称)により加熱して、ノンフィラー低入熱T
IG非溶融部10を形成させ、高入熱熱影響部の発生が
見込まれる部分を延性に富む組織に改質させた。また、
低入熱TIG非溶融部10は、急熱急冷により生成され
るため、固溶化処理によって耐食性の優れた組織とな
り、耐応力腐食割れ性も向上した。
【0068】低入熱ノンフィラーTIG非溶融のビード
シーケンスは、高入熱融熱影響部3を覆うように、亀裂
溶融処理ビード最内端部5から見込まれる亀裂溶融処理
ビード最外端部6まで、亀裂からおよそ8〜13mm離
れた位置を、トーチを一回に0.5〜1mmのピッチで
ずらすような構成にした。
【0069】低入熱ノンフィラーTIG非溶融を行った
後は、亀裂2に沿って高入熱TIG点溶融より亀裂を溶
かし込み、高入熱TIG点溶融部7を形成させた。な
お、高入熱TIG点溶融の条件は、250A−10V−
5秒−2mmピッチと設定した。
【0070】本発明の第7実施例を、図8を用いて説明
する。図8は亀裂の周辺に低入熱非溶融処理を施したと
きの略解図である。
【0071】本実施例は、上述の第6実施例とほとんど
同じであり、異なる点は、亀裂を、第6実施例では高入
熱TIG点溶融しているのに対し、本実施例では高入熱
TIG溶融していることである。すなわち、亀裂2に沿
って高入熱溶融を250A−10V−10cm/分−1
500J/mmで施工し、高入熱TIG溶融部9を形成
させた。なお、本実施例では、第6実施例とほぼ同様の
効果が得られた。
【0072】本発明の第8実施例を、図9を用いて説明
する。図9は低入熱非溶融処理を用いたときの略解図で
ある。
【0073】本実施例では、オーステナイト系ステンレ
ス鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂を高入熱溶融に
より亀裂を溶かし込み、高入熱溶融処理によって発生し
た高入熱熱影響部亀裂の周辺を低入熱非溶融処理により
500℃以上に加熱し、高入熱熱影響部亀裂の進展を防
止した場合である。低入熱TIG非溶融処理は、高入熱
熱影響部の周辺で行い、高入熱熱影響部を囲うようにし
て実施した。低入熱TIG非溶融部は、延性の回復した
組織に改質され、また耐食性も同時に改善された。
【0074】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
を、まず250A−10V−10cm/分−1500J
/mmの高入熱TIG溶融により亀裂2を溶かし込み、
高入熱TIG溶融部9を形成させ、その後に高入熱熱影
響部3に発生した高入熱熱影響部亀裂8の周辺を、ノン
フィラー低入熱TIG非溶融を1パス以上施工すること
により、ノンフィラー低入熱TIG非溶融部10が形成
されて改質され、亀裂の進展が防止された。
【0075】本発明の第9実施例を、図10を用いて説
明する。図10は低入熱非溶融処理を高入熱熱影響部の
外側を囲うように実施したときの略解図である。
【0076】本実施例は、オーステナイト系ステンレス
鋼製の硬化した構造物に発生した亀裂の周辺を低入熱非
溶融処理により加熱し、その後の高入熱溶融処理時に発
生する高入熱熱影響部亀裂の進展を防止するため、高入
熱熱影響部の外周を延性の優れた組織に改質し、その
後、高入熱TIG溶融により亀裂を溶かし込んだ場合で
ある。この場合、低入熱TIG非溶融処理は、高入熱熱
影響部の外側を囲うように実施した。低入熱TIG非溶
融部は、延性の回復した組織に改質され、耐食性も改善
された。
【0077】本実施例では、構造物1に発生した亀裂2
に対して低入熱TIG非溶融処理により、発生が見込ま
れる高入熱熱影響部3の外周を500℃以上に加熱し、
低入熱TIG非溶融処理部10を形成させた。低入熱T
IG非溶融処理のパス数は1パス以上であり、その位置
は、亀裂から約13mm離れた位置になる。その後、亀
裂2に沿って高入熱TIG溶融処理を250A−10V
−10cm/分−1500J/mmで施工し、高入熱T
IG溶融部9を形成させた。これにより、高入熱熱影響
部亀裂8の進展を防止することができた。
【0078】また、上述のいずれの実施例も、オーステ
ナイト系ステンレス鋼製の硬化した構造物に発生した亀
裂を検討の対象にしているが、焼き入れ性のないNi基
合金製の構造物に発生した亀裂ついても、同様の施工を
行うことができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、構造物、特にオーステ
ナイト系ステンレス鋼製又はNi基合金製の硬化した構
造物に発生した亀裂を溶融補修する場合、予め亀裂周辺
について延性回復処理を施すことにより、熱影響部亀裂
の発生及び進展を防止しながら、亀裂の溶融補修を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の略解図である。
【図2】本発明の第1実施例との比較実施例の略解図で
ある。
【図3】本発明の第2実施例の略解図である。
【図4】本発明の第3実施例の略解図である。
【図5】本発明の第4実施例の略解図である。
【図6】本発明の第5実施例の略解図である。
【図7】本発明の第6実施例の略解図である。
【図8】本発明の第7実施例の略解図である。
【図9】本発明の第8実施例の略解図である。
【図10】本発明の第9実施例の略解図である。
【符号の説明】
1…構造物、2…亀裂、3…高入熱熱影響部、4…ノン
フィラー低入熱TIG溶融部、5…亀裂溶融処理ビード
最内端部、6…亀裂溶融処理ビード最外端部、7…高入
熱TIG点溶融部、8…高入熱熱影響部亀裂、9…高入
熱TIG溶融部、10…ノンフィラー低入熱TIG非溶
融部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 俊美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 平7−116886(JP,A) 特開 昭53−102217(JP,A) 特開 平6−335792(JP,A) 特開 平6−88120(JP,A) 特開 昭63−177972(JP,A) 特開 昭59−163094(JP,A) 特開 昭59−107068(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 31/00 B23K 9/04 B23K 9/23

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に発生した亀裂を溶融処理する亀
    裂の溶接補修方法において、前記亀裂の溶融処理の際に
    発生が見込まれる熱影響部に予め延性回復処理を行った
    後、前記亀裂の溶融処理を実施することを特徴とする亀
    裂の溶融補修方法。
  2. 【請求項2】 腐食性流体が接触する構造物に発生した
    亀裂を溶融処理する亀裂の溶融補修方法において、予め
    前記亀裂の周辺に入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの範囲
    に制御する低入熱溶融処理又は低入熱非溶融処理を施す
    ことにより、前記亀裂を前記低入熱処理の入熱量より高
    高入熱溶融処理の際に発生が見込まれる高入熱熱影響
    部を延性に優れた組織に改質した後、前記亀裂に沿って
    前記低入熱処理の入熱量より高い前記高入熱溶融処理を
    施すことにより前記亀裂を溶融すること、又は前記亀裂
    の表面層を溶融して前記亀裂を前記構造物の内部に封じ
    込め前記亀裂を前記腐食性流体から隔離することを特徴
    とする亀裂の溶融補修方法。
  3. 【請求項3】 腐食性流体が接触する構造物に発生した
    亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、前記
    亀裂に沿って入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの範囲より
    高く制御する高入熱溶融処理を施すことにより前記亀裂
    を溶融した後、又は前記亀裂の表面層を溶融して前記亀
    裂を前記構造物の内部に封じ込め前記亀裂を前記腐食性
    流体から隔離した後、入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの
    範囲に制御する低入熱溶融処理により、前記高入熱溶融
    処理の際に生じた高入熱熱影響部に発生した高入熱熱影
    響部亀裂を溶融すること、又は前記高入熱熱影響部亀裂
    の表面層を溶融して前記高入熱熱影響部亀裂を前記構造
    物の内部に封じ込め前記高入熱熱影響部亀裂を前記腐食
    性流体から隔離することを特徴とする亀裂の溶融補修方
    法。
  4. 【請求項4】 腐食性流体が接触する構造物に発生した
    亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、前記
    亀裂に沿って入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの範囲より
    高く制御する高入熱溶融処理を施すことにより前記亀裂
    を完全に溶融した後、又は前記亀裂の表面層を溶融して
    前記亀裂を前記構造物の内部に封じ込め前記亀裂を前記
    腐食性流体から隔離した後、入熱量を10 1 〜10 3 J/
    mmの 範囲に制御する低入熱溶融処理により、前記高入
    熱溶融処理の際に生じた高入熱熱影響部に発生した高入
    熱熱影響部亀裂を溶融すること、又は前記高入熱熱影響
    部亀裂の表面層を溶融して前記高入熱熱影響部亀裂を前
    記構造物の内部に封じ込め前記高入熱熱影響部亀裂を前
    記腐食性流体から隔離することを行うとともに、前記高
    入熱熱影響部を延性に優れた組織に改質することを特徴
    とする亀裂の溶融補修方法。
  5. 【請求項5】 腐食性流体が接触する構造物に発生した
    亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、前記
    亀裂に沿って入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの範囲より
    高く制御する高入熱溶融処理を施すことにより前記亀裂
    を溶融した後、又は前記亀裂の表面層を溶融して前記亀
    裂を前記構造物の内部に封じ込め前記亀裂を前記腐食性
    流体から隔離した後、前記高入熱溶融処理の際に生じた
    高入熱熱影響部の周辺を入熱量を10 1 〜10 3 J/mm
    の範囲に制御する低入熱溶融処理により溶融することを
    特徴とする亀裂の溶融補修方法。
  6. 【請求項6】 腐食性流体が接触する構造物に発生した
    亀裂を溶融処理する亀裂の溶接補修方法において、入熱
    量を10 1 〜10 3 J/mmの範囲に制御する低入熱溶融
    処理により前記亀裂の入熱量を10 1 〜10 3 J/mmの
    範囲より高く制御する高入熱溶融処理の際に発生が見込
    まれる高入熱熱影響部の外周を溶融した後、前記亀裂に
    沿って前記高入熱溶融処理を施すことにより前記亀裂を
    溶融すること、又は前記亀裂の表面層を溶融して前記亀
    裂を前記構造物の内部に封じ込め前記腐食性流体から隔
    離することを特徴とする亀裂の溶融補修方法。
  7. 【請求項7】 前記構造物が、オーステナイト系ステン
    レス鋼製又はNi基合金製の硬化した構造物である請求
    項1〜6のいずれかに記載の亀裂の溶融補修方法。
  8. 【請求項8】 前記溶融処理が、溶接材料を使用し、又
    は前記溶接材料を使用せずに、TIG溶接、プラズマ溶
    接、電子ビーム溶接及びレーザ溶接を施しつつ、その際
    に発生する熱を熱源として用い、連続溶融により、又は
    点溶融を連ねることにより行われる請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の亀裂の溶融補修方法。
  9. 【請求項9】 前記低入熱溶融処理が、溶接材料を使用
    し、又は前記溶接材料を使用せずに、TIG溶接、プラ
    ズマ溶接、電子ビーム溶接及びレーザ溶接を施しつつ、
    その際に発生する熱を熱源として用い、入熱量を101
    〜10 3 J/mmに制御して、連続溶融により、又は点
    溶融を連ねることにより行われる請求項2〜7のいずれ
    かに記載の亀裂の溶融補修方法。
  10. 【請求項10】 前記低入熱非溶融処理が、溶接材料を
    使用し、又は前記溶接材料を使用せずに、TIG溶接、
    プラズマ溶接、電子ビーム溶接及びレーザ溶接を施しつ
    つ、その際に発生する熱を熱源として用い、前記構造物
    の延性を回復させる温度に加熱制御して、連続非溶融に
    より、又は点非溶融を連ねることにより行われる請求項
    2又は7記載の亀裂の溶融補修方法。
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