JPH0542365A - 炭素鋼材等における肉盛り溶接法 - Google Patents
炭素鋼材等における肉盛り溶接法Info
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- JPH0542365A JPH0542365A JP2491891A JP2491891A JPH0542365A JP H0542365 A JPH0542365 A JP H0542365A JP 2491891 A JP2491891 A JP 2491891A JP 2491891 A JP2491891 A JP 2491891A JP H0542365 A JPH0542365 A JP H0542365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭素鋼材等における肉盛り溶接法に係り、溶
接熱によって母材組織の熱影響部中に生じる硬化部を、
肉盛り溶接作業の進行とともにむらなく軟化状態に導く
ものである。 【構成】 溶接金属層を重畳した状態の肉盛り層を形成
する場合に、被肉盛り部の縁部にあっては、ダミー鋼材
の縁部に跨がらせて溶接ビードを形成することにより、
被肉盛り部の縁部における熱伝導を、母材とダミー鋼材
との両方に均一に伝達するようにして、被肉盛り部に形
成される熱影響部の範囲の大きさを揃え、品質むらの少
ない高品質の肉盛り層を形成する。
接熱によって母材組織の熱影響部中に生じる硬化部を、
肉盛り溶接作業の進行とともにむらなく軟化状態に導く
ものである。 【構成】 溶接金属層を重畳した状態の肉盛り層を形成
する場合に、被肉盛り部の縁部にあっては、ダミー鋼材
の縁部に跨がらせて溶接ビードを形成することにより、
被肉盛り部の縁部における熱伝導を、母材とダミー鋼材
との両方に均一に伝達するようにして、被肉盛り部に形
成される熱影響部の範囲の大きさを揃え、品質むらの少
ない高品質の肉盛り層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素鋼材等における肉
盛り溶接法に係り、特に、テンパービード法を応用して
欠陥部の発生を防止するものである。
盛り溶接法に係り、特に、テンパービード法を応用して
欠陥部の発生を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電関連プラント、各種
エネルギ関連プラント、化学プラント、火力発電プラン
ト等には、各種構成材料として、炭素鋼及び低合金鋼等
が多用されている。これらの構造物において、腐食によ
る肉厚の減少等の現象が発生した場合や、腐食対策を必
要とする場合には、構造物を構成している炭素鋼等の母
材の表面に、肉盛り溶接を施して補強したり耐食性を向
上させたりする等の対策が実施される。
エネルギ関連プラント、化学プラント、火力発電プラン
ト等には、各種構成材料として、炭素鋼及び低合金鋼等
が多用されている。これらの構造物において、腐食によ
る肉厚の減少等の現象が発生した場合や、腐食対策を必
要とする場合には、構造物を構成している炭素鋼等の母
材の表面に、肉盛り溶接を施して補強したり耐食性を向
上させたりする等の対策が実施される。
【0003】図3は、配管のノズルの先端に肉盛り溶接
を施した例を示しており、母材1の被肉盛り部1aに耐
食性を付与するために肉盛り層2を形成した場合、肉盛
り層2の下の母材組織中に溶接ビードの熱に基づく熱影
響部Yが発生し、該熱影響部Yの一部に図4に示すよう
に当初の金属組織よりも硬度の高くなった硬化部Zが形
成されて、金属組織の靭性の低下を招くとともに、該硬
化部Zが水素割れ、応力腐食割れの要因の一つとなるこ
とが考えられる。
を施した例を示しており、母材1の被肉盛り部1aに耐
食性を付与するために肉盛り層2を形成した場合、肉盛
り層2の下の母材組織中に溶接ビードの熱に基づく熱影
響部Yが発生し、該熱影響部Yの一部に図4に示すよう
に当初の金属組織よりも硬度の高くなった硬化部Zが形
成されて、金属組織の靭性の低下を招くとともに、該硬
化部Zが水素割れ、応力腐食割れの要因の一つとなるこ
とが考えられる。
【0004】特に、焼入れ性の良好な低合金鋼(例えば
ASTM A533Gr.B,A508CL3)等で
は、前述の硬化部Zの発生が多くなるため、溶接作業の
終了後に応力除去焼鈍処理を付加するようにしている。
ASTM A533Gr.B,A508CL3)等で
は、前述の硬化部Zの発生が多くなるため、溶接作業の
終了後に応力除去焼鈍処理を付加するようにしている。
【0005】また、応力除去焼鈍処理の適用が困難であ
る場合には、テンパービード法を適用することが有効で
あると考えられている。
る場合には、テンパービード法を適用することが有効で
あると考えられている。
【0006】該テンパービード法は、図4に示すよう
に、母材1の被肉盛り部1aの上に溶接金属層2a・2
bを複数層重畳させた状態の肉盛り層2を形成すること
によって組織の改善を行なうものである。
に、母材1の被肉盛り部1aの上に溶接金属層2a・2
bを複数層重畳させた状態の肉盛り層2を形成すること
によって組織の改善を行なうものである。
【0007】この場合にあって、溶接金属層2aを1層
のみ形成した場合には、被肉盛り部1aの直下の熱影響
部Yに硬化部Zが残されるので、後から形成される溶接
金属層2bの熱による熱影響部Yを硬化部Zに及ぼし、
再度加熱によって硬化部Zの軟化処理を行なうようにし
たものである。
のみ形成した場合には、被肉盛り部1aの直下の熱影響
部Yに硬化部Zが残されるので、後から形成される溶接
金属層2bの熱による熱影響部Yを硬化部Zに及ぼし、
再度加熱によって硬化部Zの軟化処理を行なうようにし
たものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるテンパ
ービード法を適用した場合には、図3に示すように、母
材1の被肉盛り部1aに縁部1b・1cが存在すること
に基づく不具合が生じる。図5に示す縁部1bの箇所で
説明すると、溶接ビードをおいたときに、上方が空気層
であるために、熱の流れが実線の矢印で示すように下半
分のみとなり、対して、平面部では上方及び下方とも熱
が伝導することに基づいて、図3で示すように、溶接ビ
ードの溶け込み量及び熱影響部Yが縁部1b・1cの近
傍で大きくなる現象が発生する。
ービード法を適用した場合には、図3に示すように、母
材1の被肉盛り部1aに縁部1b・1cが存在すること
に基づく不具合が生じる。図5に示す縁部1bの箇所で
説明すると、溶接ビードをおいたときに、上方が空気層
であるために、熱の流れが実線の矢印で示すように下半
分のみとなり、対して、平面部では上方及び下方とも熱
が伝導することに基づいて、図3で示すように、溶接ビ
ードの溶け込み量及び熱影響部Yが縁部1b・1cの近
傍で大きくなる現象が発生する。
【0009】したがって、テンパービード法を適用した
場合であっても、母材1の縁部1b・1cの近傍では、
硬化部Zの軟化効果が不確実なものとなると考えられ
る。
場合であっても、母材1の縁部1b・1cの近傍では、
硬化部Zの軟化効果が不確実なものとなると考えられ
る。
【0010】本発明は上記事情に鑑みて提案されたもの
で、応力除去焼鈍ができないような部品等に肉盛り溶接
を施した場合に、溶接工程の実施と同時に熱影響部の硬
化部を確実に軟化処理して、肉盛り溶接部近傍からの欠
陥発生を防止すること等を目的とするものである。
で、応力除去焼鈍ができないような部品等に肉盛り溶接
を施した場合に、溶接工程の実施と同時に熱影響部の硬
化部を確実に軟化処理して、肉盛り溶接部近傍からの欠
陥発生を防止すること等を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、母材表面の縁部の近接位置にダミー鋼材
を抱き合せる工程と、母材表面の縁部とダミー鋼材の縁
部とに跨がらせた状態の溶接ビードを形成した後にその
隣りの位置の溶接ビードを形成する工程と、溶接金属層
を複数重畳させた状態の肉盛り層を形成して後から形成
される溶接金属層の熱によって前の溶接金属層による母
材組織中の硬化部の軟化を行なう工程と、肉盛り層の形
成終了後にダミー鋼材を撤去する工程とを有する炭素鋼
材等における肉盛り溶接法を採用している。
め、本発明は、母材表面の縁部の近接位置にダミー鋼材
を抱き合せる工程と、母材表面の縁部とダミー鋼材の縁
部とに跨がらせた状態の溶接ビードを形成した後にその
隣りの位置の溶接ビードを形成する工程と、溶接金属層
を複数重畳させた状態の肉盛り層を形成して後から形成
される溶接金属層の熱によって前の溶接金属層による母
材組織中の硬化部の軟化を行なう工程と、肉盛り層の形
成終了後にダミー鋼材を撤去する工程とを有する炭素鋼
材等における肉盛り溶接法を採用している。
【0012】
【作用】母材表面の縁部とその近傍位置に抱き合せたダ
ミー鋼材とに跨がらせて、溶接ビードを形成すると、こ
の溶接ビードの熱は、母材とダミー鋼材とに分れて伝達
されるため、平面部分への溶接ビードの形成時との熱伝
導差がなくなり、形成される熱影響部の大きさが一様に
なる。その後、溶接金属層を重畳させた肉盛り層を完成
させることによって、最初の溶接金属層形成時に生じた
硬化部を軟化するものである。
ミー鋼材とに跨がらせて、溶接ビードを形成すると、こ
の溶接ビードの熱は、母材とダミー鋼材とに分れて伝達
されるため、平面部分への溶接ビードの形成時との熱伝
導差がなくなり、形成される熱影響部の大きさが一様に
なる。その後、溶接金属層を重畳させた肉盛り層を完成
させることによって、最初の溶接金属層形成時に生じた
硬化部を軟化するものである。
【0013】
【実施例】本発明に係る炭素鋼材等における肉盛り溶接
法の一実施例について、図1及び図3を参照しながら工
程順に説明する。
法の一実施例について、図1及び図3を参照しながら工
程順に説明する。
【0014】[処理対象物]該一実施例では、処理対象
物とする母材1が炭素鋼からなるノズル、肉盛り溶接を
施す被肉盛り部1aがノズルの溶接開先としている。
物とする母材1が炭素鋼からなるノズル、肉盛り溶接を
施す被肉盛り部1aがノズルの溶接開先としている。
【0015】[ダミー鋼材の設定]母材(以下、ノズル
という)1と同一材料または近似する熱伝導性を有する
材料によって、被肉盛り部(以下、溶接開先という)1
aの形状に倣って内側縁部1cと外側縁部1bとの内外
径に対応する二つのリング状のダミー鋼材(以下、余長
リングという)3A・3Bを作製し、溶接開先1aの内
外の縁部1b・1cに対して近接した状態に配する。
という)1と同一材料または近似する熱伝導性を有する
材料によって、被肉盛り部(以下、溶接開先という)1
aの形状に倣って内側縁部1cと外側縁部1bとの内外
径に対応する二つのリング状のダミー鋼材(以下、余長
リングという)3A・3Bを作製し、溶接開先1aの内
外の縁部1b・1cに対して近接した状態に配する。
【0016】[余長リングの予熱]余長リング3A・3
Bの取り付けに際して、外側の余長リング3Aは、例え
ば300℃程度に予熱した後に取り付け、また、内側の
余長リング3Bは予熱しないまま、ノズル1と余長リン
グ3Aとともに300℃程度に加熱して組み合わせる等
によって、ノズル1と両余長リング3A・3Bとの間の
間隙Gを可能な範囲で小さくするように配慮する。な
お、余長リング3A・3Bのノズル1への取り付けは、
ボルトの併用等によって行なわれる。
Bの取り付けに際して、外側の余長リング3Aは、例え
ば300℃程度に予熱した後に取り付け、また、内側の
余長リング3Bは予熱しないまま、ノズル1と余長リン
グ3Aとともに300℃程度に加熱して組み合わせる等
によって、ノズル1と両余長リング3A・3Bとの間の
間隙Gを可能な範囲で小さくするように配慮する。な
お、余長リング3A・3Bのノズル1への取り付けは、
ボルトの併用等によって行なわれる。
【0017】[溶接開先等の予熱]余長リング3A・3
Bの取り付け後の冷却等を勘案して、肉盛り溶接が施さ
れる範囲について、全体を例えば200℃程度の温度と
する予熱を行なう。
Bの取り付け後の冷却等を勘案して、肉盛り溶接が施さ
れる範囲について、全体を例えば200℃程度の温度と
する予熱を行なう。
【0018】[最初の溶接金属層の形成]溶接開先1a
の表面について、その縁部1b・1cと余長リング3A
・3Bの縁部とに跨がらせた状態の最初の溶接ビードa
・cを形成する。この最初の溶接ビードa・cの形成に
基づく溶接ビードa・cの収縮にによって、ノズル1と
余長リング3A・3Bとの間隙Gが小さくなる。次い
で、最初の溶接ビードの隣りに、順次溶接ビードをおく
ことにより最初の肉盛り層2を形成する。この場合にあ
って、溶接ビードの形成順序を図1において、abの順
及びcd順に設定し、次いで、その間をefghijk
というように埋める。なお、二つの縁部1b・1cに跨
がる溶接ビードa・cについては、その形成後に隣りの
溶接ビードがおかれるように設定し、1層目の溶接金属
層2aを形成する。
の表面について、その縁部1b・1cと余長リング3A
・3Bの縁部とに跨がらせた状態の最初の溶接ビードa
・cを形成する。この最初の溶接ビードa・cの形成に
基づく溶接ビードa・cの収縮にによって、ノズル1と
余長リング3A・3Bとの間隙Gが小さくなる。次い
で、最初の溶接ビードの隣りに、順次溶接ビードをおく
ことにより最初の肉盛り層2を形成する。この場合にあ
って、溶接ビードの形成順序を図1において、abの順
及びcd順に設定し、次いで、その間をefghijk
というように埋める。なお、二つの縁部1b・1cに跨
がる溶接ビードa・cについては、その形成後に隣りの
溶接ビードがおかれるように設定し、1層目の溶接金属
層2aを形成する。
【0019】[最初の溶接ビード形成時の熱伝導]この
場合にあって、1層目の溶接金属層2aの形成時に最初
の溶接ビードaをおくと、その熱の流れが図2に実線の
矢印で示すように、両縁部からノズル1と余長リング3
Aとにほぼ等量伝導するものとなり、したがって、図1
に示すように、各溶接ビードによる熱影響部Yの大きさ
が、1層目の溶接金属層2aの下部において全面でほぼ
均等になる。
場合にあって、1層目の溶接金属層2aの形成時に最初
の溶接ビードaをおくと、その熱の流れが図2に実線の
矢印で示すように、両縁部からノズル1と余長リング3
Aとにほぼ等量伝導するものとなり、したがって、図1
に示すように、各溶接ビードによる熱影響部Yの大きさ
が、1層目の溶接金属層2aの下部において全面でほぼ
均等になる。
【0020】[溶接金属層の重畳]次に、図1の破線で
示すように、2層目の溶接ビード2bを1層目の溶接金
属層2aの上に乗せた状態に順次形成し、必要に応じて
3層目以降も形成する。
示すように、2層目の溶接ビード2bを1層目の溶接金
属層2aの上に乗せた状態に順次形成し、必要に応じて
3層目以降も形成する。
【0021】[硬化部の軟化]このように、溶接金属層
2a・2bを順次複数重畳させることによって、肉盛り
層2を形成すると、これらの溶接金属層2a・2bの形
成時の熱が、厚さ方向と面方向とに伝導し、1層目の溶
接金属層2aのビードa・cの箇所においても、これら
を短絡する方向の熱の伝導が行なわれるので、全体の熱
伝導の均一化が図られるものとなる。これら2層目以降
の溶接金属層の溶接熱による熱影響部Yを、1層目に生
じた硬化部Zまで及ぼすことによって、テンパービード
法に準じて、前の溶接金属層2aによる母材1の金属組
織中の硬化部Zの軟化を行なうことができる。
2a・2bを順次複数重畳させることによって、肉盛り
層2を形成すると、これらの溶接金属層2a・2bの形
成時の熱が、厚さ方向と面方向とに伝導し、1層目の溶
接金属層2aのビードa・cの箇所においても、これら
を短絡する方向の熱の伝導が行なわれるので、全体の熱
伝導の均一化が図られるものとなる。これら2層目以降
の溶接金属層の溶接熱による熱影響部Yを、1層目に生
じた硬化部Zまで及ぼすことによって、テンパービード
法に準じて、前の溶接金属層2aによる母材1の金属組
織中の硬化部Zの軟化を行なうことができる。
【0022】[余長リング3A・3B(ダミー鋼材)の
撤去]肉盛り層2の形成終了後に、余長リング3A・3
Bについて、間隙Gの部分から切断して前述したボルト
等を外し、ノズル1から撤去し、溶接開先1aを開放す
る。
撤去]肉盛り層2の形成終了後に、余長リング3A・3
Bについて、間隙Gの部分から切断して前述したボルト
等を外し、ノズル1から撤去し、溶接開先1aを開放す
る。
【0023】<他の実施態様>本発明にあっては、次の
技術を包含するものである。 (1)処理対象物とする母材がノズル以外の配管部品、
平板等であり、端面及び平面等であること。 (2)肉盛り溶接金属を任意とすること。
技術を包含するものである。 (1)処理対象物とする母材がノズル以外の配管部品、
平板等であり、端面及び平面等であること。 (2)肉盛り溶接金属を任意とすること。
【0024】
【発明の効果】本発明に係る炭素鋼材等における肉盛り
溶接法によれば、被肉盛り部の上に溶接金属層を重畳し
た状態の肉盛り層を形成することによって、母材組織中
に生じた硬化部を軟化するとともに、被肉盛り部の縁部
にあっては、ダミー鋼材の縁部に跨がらせて溶接ビード
を形成するものとしているから、溶接工程の進行ととも
に母材組織中の硬化部を確実に軟化処理することができ
るとともに、被肉盛り部の縁部における熱伝導が、母材
とダミー鋼材との両方に均一に伝達されて、被肉盛り部
に形成される熱影響部の範囲が各所において同一大きさ
となり、品質むらの少ない高品質の肉盛り層を形成する
ことができる等の効果を奏する。
溶接法によれば、被肉盛り部の上に溶接金属層を重畳し
た状態の肉盛り層を形成することによって、母材組織中
に生じた硬化部を軟化するとともに、被肉盛り部の縁部
にあっては、ダミー鋼材の縁部に跨がらせて溶接ビード
を形成するものとしているから、溶接工程の進行ととも
に母材組織中の硬化部を確実に軟化処理することができ
るとともに、被肉盛り部の縁部における熱伝導が、母材
とダミー鋼材との両方に均一に伝達されて、被肉盛り部
に形成される熱影響部の範囲が各所において同一大きさ
となり、品質むらの少ない高品質の肉盛り層を形成する
ことができる等の効果を奏する。
【図1】本発明に係る炭素鋼材等における肉盛り溶接法
をノズル部に適用した実施例を示す正断面図である。
をノズル部に適用した実施例を示す正断面図である。
【図2】図1の母材とダミー鋼材とに跨がる溶接ビード
の熱伝導の説明図である。
の熱伝導の説明図である。
【図3】従来方法の一つであるテンパービード法をノズ
ル部に適用した例を示す正断面図である。
ル部に適用した例を示す正断面図である。
【図4】図3における溶接熱の影響の説明図である。
【図5】図3における平面部と縁部との溶接熱伝導の説
明図である。
明図である。
1 母材1(ノズル) 1a 被肉盛り部(溶接開先) 1b・1c 縁部 2 肉盛り層 2a・2b溶接金属層 3A・3B ダミー鋼材(余長リング) Y 熱影響部 Z 硬化部
Claims (1)
- 【請求項1】 母材表面の縁部の近接位置にダミー鋼材
を抱き合せる工程と、母材表面の縁部とダミー鋼材の縁
部とに跨がらせた状態の溶接ビードを形成した後にその
隣りの位置の溶接ビードを形成する工程と、溶接金属層
を複数重畳させた状態の肉盛り層を形成して後から形成
される溶接金属層の熱によって前の溶接金属層による母
材組織中の硬化部の軟化を行なう工程と、肉盛り層の形
成終了後にダミー鋼材を撤去する工程とを有することを
特徴とする炭素鋼材等における肉盛り溶接法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2491891A JPH0542365A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 炭素鋼材等における肉盛り溶接法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2491891A JPH0542365A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 炭素鋼材等における肉盛り溶接法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0542365A true JPH0542365A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=12151535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2491891A Withdrawn JPH0542365A (ja) | 1991-02-19 | 1991-02-19 | 炭素鋼材等における肉盛り溶接法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0542365A (ja) |
-
1991
- 1991-02-19 JP JP2491891A patent/JPH0542365A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980514 |