JP2002361469A - 溶接方法 - Google Patents

溶接方法

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JP2002361469A
JP2002361469A JP2001177553A JP2001177553A JP2002361469A JP 2002361469 A JP2002361469 A JP 2002361469A JP 2001177553 A JP2001177553 A JP 2001177553A JP 2001177553 A JP2001177553 A JP 2001177553A JP 2002361469 A JP2002361469 A JP 2002361469A
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heat treatment
heat
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JP2001177553A
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Yasuyuki Fujitani
泰之 藤谷
Kazuo Asada
和雄 浅田
Hisahiro Matsuoka
寿浩 松岡
Shigeru Matsumoto
繁 松元
Yukio Doge
幸雄 道下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接直後に溶接部の硬度を低下させて低温割
れを抑制できる溶接方法を提供すること。 【解決手段】 溶接手段であるMIG溶接トーチ100
と溶接熱影響部を加熱する手段であるTIGトーチ11
0は一定の間隔xで配置されており、両者は溶接速度v
で移動する。まず、溶加材200に銅を使用し、溶接手
段であるMIG溶接トーチ100によって銅製の伝熱フ
ィン20と低合金鋼製の本体胴30とを溶接する。MI
G溶接トーチ100による溶接が終了してから時間x/
vが経過すると、TIGトーチ110によって溶接ビー
ド50上が再加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶接方法に関
し、さらに詳しくは、溶接後熱処理を不要とし、溶接後
における溶接部の硬度を低下させ、低温割れを抑制でき
る溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低合金鋼や炭素鋼等の溶接後熱処理が必
要な母材を溶接すると、溶接部に溶接熱影響部が生じて
低温割れの原因となるため、溶接後熱処理を施して溶接
熱影響部の硬度を低下させ、組織を改質する必要があ
る。しかし、溶接後熱処理を施す対象物の寸法が大きい
場合には、溶接後熱処理に多大な熱エネルギーを要す
る。また溶接後熱処理のために長い加熱時間を要するの
みならず、対象物を冷却する際にも多くの時間が必要に
なる。このため寸法の大きい溶接対象、例えば、使用済
み核燃料収納容器であるキャスクに使用される容器のよ
うな厚肉の大型容器に溶接をした場合には、溶接後熱処
理に多大な手間を要していた。
【0003】また、銅等のように、熱処理を施すことに
より軟化して、構造部材としての強度が低下する母材も
ある。このような母材と低合金鋼や炭素鋼等のように溶
接後熱処理が必要な母材とを溶接した場合には、溶接後
熱処理を施すことによって、銅等の母材は軟化によって
所定の強度を維持できなくなるという問題もあった。
【0004】この問題を解決するために、これまでは、
溶接後熱処理を必要とする母材の溶接部に純鉄等を肉盛
して、この肉盛部をサーマルバッファ層として、溶接対
象であるもう一方の母材を溶接する方法が使用されてい
た。図8は、この溶接方法を示す説明図である。まず、
溶接後熱処理を必要とする低合金鋼等の母材39に純鉄
を肉盛して肉盛部80を形成する。そして、溶接後熱処
理によって軟化する銅等の母材25を、MIG溶接トー
チ105によって前記肉盛部80に溶接する。
【0005】この溶接方法によれば、溶接後熱処理によ
って軟化する銅等の母材25を溶接する際に加えられる
熱の大部分は、この純鉄の肉盛部80によって吸収され
るため、当該母材25を溶接する際には、溶接後熱処理
を必要とする母材39に溶接熱影響部は生じない。その
結果、溶接後熱処理によって軟化する母材25を溶接し
た後の溶接後熱処理は不要になるので、溶接後熱処理に
よって母材25が軟化して、その強度が低下することも
なくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶接後
熱処理を必要とする母材は、肉盛を施すことによって肉
盛部分の下部に溶接熱影響部が生ずるため、肉盛が終了
した後には溶接後熱処理を施して、この溶接熱影響部を
改質する必要がある。すなわち、上記方法によっても、
溶接後熱処理を必要とする母材には溶接後熱処理を施す
必要がある。このため、寸法の大きい溶接対象にこの方
法を適用した場合には、溶接後熱処理に手間と熱エネル
ギーとを要するという問題は依然として残されていた。
【0007】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、溶接直後に溶接部の硬度を低下させて
低温割れを抑制し、溶接後熱処理工程を省略できる溶接
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る溶接方法は、溶接対象の母材のう
ち少なくとも一方が溶接後熱処理を必要とする母材を溶
接するにあたって、前記溶接後熱処理を必要とする母材
ともう一方の母材とを溶接手段によって溶接する工程
と、当該溶接手段と所定の距離をもって配置されたガス
シールドアーク溶接トーチ、高周波コイル、レーザー等
の溶接熱影響部を加熱する手段によって、前記溶接工程
により生じた溶接ビード上を加熱し、前記溶接後熱処理
を必要とする母材の溶接熱影響部までを熱処理する工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0009】この溶接方法は、溶接対象である母材同士
を溶接した後、溶接ビード上を加熱するものである。溶
接後熱処理を必要とする母材は、溶接によって溶接部の
温度がA3点を超えた後冷却するが、溶接部の温度がA3
点を下回った後に加熱手段によってビード上を再加熱す
ることで、溶接熱影響部の温度を再びA3点以上に上昇
させる熱処理を施す。この熱処理によって、溶接熱影響
部の硬度は低下して組織が改質されるので、低温割れを
防止できる。また、この溶接方法では、溶接手段と加熱
手段とを一定の距離をもって配置して、両者を同時に移
動させながら溶接と熱処理とを施すので、溶接と同時に
熱処理が終了する。このため、溶接後熱処理が不要にな
り、構造物の製造に手間を要さない。
【0010】また、請求項2に係る溶接方法は、上記溶
接方法において、さらに、前記母材同士を溶接する工程
の前に、TIG、YAG、高周波コイル等の母材を加熱
する手段によって、熱伝導率の高い方の母材を予熱する
ことを特徴とする。
【0011】例えば銅のように、熱伝導率の高い母材を
溶接するときには、熱伝導率が高いので溶接に必要な熱
が放散してしまい溶接部の温度が十分に上昇しない結
果、溶接不良を招く場合がある。この溶接方法は、上記
溶接方法において、溶接前に熱伝導率の高い母材を加熱
するので、溶接部における温度勾配を小さくすることが
できる。したがって、溶接熱の放散を抑制して、溶接時
には当該母材の溶接部における温度を十分に高くするこ
とができる。その結果、溶接金属がぬれやすくなるの
で、溶接不良を抑制し健全な溶接部を得ることができ
る。
【0012】また、請求項3に係る溶接方法は、溶接対
象の母材のうち少なくとも一方が溶接後熱処理を必要と
する母材を溶接するにあたって、第一の溶加材を用いる
第一の溶接手段によって、溶接後熱処理を必要とする第
一の母材ともう一方の母材とを溶接する工程と、第二の
溶加材を用いる第二の溶接手段によって、前記工程によ
って形成された溶接ビードと前記もう一方の母材とを溶
接する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】この溶接方法は、第一の溶加材を用いる第
一の溶接手段によって溶接対象である母材同士を溶接し
た後、第二の溶加材を用いる第二の溶接手段によって、
この溶接工程によって形成された溶接ビードともう一方
の母材とを溶接する。第二の溶加材は、第一の溶接手段
によって形成された溶接ビード上に肉盛されるので、こ
のときの溶接熱によって溶接後熱処理を必要とする母材
の溶接熱影響部を焼準する。したがって、溶接後熱処理
を施さなくとも溶接熱影響部の硬度を低下させ組織を改
質して低温割れを防止できる。
【0014】また、請求項4に係る溶接方法は、上記溶
接方法において、さらに、前記溶加材をNiとし、前記
第二の溶加材をCuとしたことを特徴とする。銅と低合
金鋼や炭素鋼等とを溶接した場合には、銅が低合金鋼等
の結晶粒界に侵入して、低合金鋼等の性質を劣化させて
しまう。この溶接方法では、Niが銅と低合金鋼等との
間に存在するため、低合金鋼等の結晶粒界に銅が侵入す
ることを防止できる。また、第一の溶加材であるNiの
水素固容量が大きいため、第二の溶加材であるCuから
低合金鋼側へ移動する水素量を低減できる。このため、
溶接後熱処理を必要とする母材の低温割れをさらに抑制
でき、安定した品質の製品を提供できる。
【0015】また、請求項5に係る溶接方法は、上記溶
接方法において、さらに、前記第一の溶加材をFeと
し、前記第二の溶加材をCuとしたことを特徴とする。
この溶接方法では、上記溶接方法で使用する第一の溶加
材であるNiの代わりにFeを使用する。FeはNiと
比べて安価であるので、溶接後熱処理を必要とする母材
の溶接熱影響部における組織を改質しつつ製造コストを
下げることができる。また、銅が低合金鋼等の結晶粒界
に侵入することも防止できる。
【0016】また、請求項6に係る溶接方法は、上記溶
接方法において、さらに、前記第一の溶加材をCuと
し、前記第二の溶加材をCuとしたことを特徴とする。
この方法では、第一の溶接手段によって形成された溶接
ビード上に第二の溶加材であるCuを肉盛して母材と溶
接ビードとを溶接するので、その溶接熱によって溶接後
熱処理が必要な材料の溶接熱影響部を焼準できる。この
ため、溶接直後に溶接熱影響部の硬度を低下させ、組織
を改質するので溶接後熱処理が不要になり、構造物の製
造に手間を要さない。また、溶接対象である母材の一方
が銅または銅合金である場合には、当該母材とのぬれ性
が向上するので、溶接不良を抑制できる。
【0017】また、請求項7に係る溶接方法は、さら
に、上記溶接方法において、前記第一の溶加材を用いる
第一の溶接手段によって、溶接後熱処理を必要とする第
一の母材ともう一方の母材とを溶接する工程の前に、T
IG、YAG、高周波等の母材を加熱する手段によって
熱伝導率の高い方の母材を予熱することを特徴とする。
【0018】この溶接方法では、溶接工程の前に、TI
Gトーチ等の母材を加熱する手段によって、熱伝導率の
高い方の母材を予熱するため、溶接時においては当該母
材の温度を高く維持できるので、溶加材と母材とのぬれ
性が向上する。その結果、上記溶接方法で得られる効果
の外に、溶接不良を抑制して溶接部における欠陥の発生
を抑制する効果も得られる。また、溶接直後に溶接熱影
響部を再加熱して溶接後熱処理を要する母材の溶接熱影
響部を焼準するので、別工程で溶接後熱処理を施さなく
とも当該溶接熱影響部の硬度を低下させ組織を改質して
低温割れを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態の構成要素には、当業者が容易に想定できるものが含
まれるものとする。
【0020】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る溶接方法を示す説明図である。この溶接方
法は、溶接対象である母材のうち少なくとも一方が炭素
鋼、低合金鋼等の溶接後熱処理を必要とする母材である
場合に、ガスシールドアーク溶接やレーザー等の溶接手
段によって溶接した後、溶接ビード上をTIG(Tungst
en Inert Gas)トーチ、高周波コイル、レーザー等の溶
接熱影響部を加熱する手段によって母材の溶接熱影響部
を再加熱する点に特徴がある。
【0021】実施の形態1においては、溶接手段として
MIG(Metal Inert Gas)溶接を使用し、母材を加熱
する手段としてはTIGトーチを使用する。また、ここ
では、使用済み核燃料収納容器であるキャスクに使用す
る本体胴に、使用済み核燃料から放出される崩壊熱を外
部に伝導するための伝熱フィンを溶接する場合を例にと
って説明する。
【0022】この実施の形態においては、キャスク用の
本体胴30は低合金鋼(例えばSA350)で製造され
ており、また、伝熱フィン20は銅で製造されている。
ここで、低合金鋼は溶接後熱処理を必要とする母材であ
り、銅は溶接後熱処理が不要である。また、伝熱フィン
20に使用する銅は、溶接後熱処理を施すと軟化によっ
て構造用材料として使用できなくなる母材である。
【0023】まず、溶加材である銅の溶接ワイヤ200
として使用して、溶接手段であるMIG溶接トーチ10
0によって銅製の伝熱フィン20と低合金鋼製の本体胴
30とを溶接する。このときのMIG溶接電流は200
〜300A、溶接速度vは150〜300mm/min
が適当である。MIG溶接トーチ100によって溶接が
終了した後、溶接熱影響部を加熱する手段であるTIG
トーチ110によって溶接ビード50上を再加熱して、
当該溶接熱影響部33を熱処理する。
【0024】ここで、溶接熱影響部を加熱する手段であ
るTIGトーチ110による再加熱のタイミングについ
て説明する。図2は、溶接および再加熱における本体胴
30の溶接熱影響部33(図1(b)参照)における温
度サイクルを示した説明図である。同図の縦軸は、本体
胴30の溶接熱影響部33(図1(b)参照)のある部
分における温度を表し、横軸は溶接開始時点からの経過
時間を表す。なお、溶接開始時は、t1=0である。
【0025】MIG溶接トーチ100によって溶接が開
始されると、溶接熱影響部33の温度は上昇してA3
を超える。そしてMIG溶接トーチ100による溶接熱
影響部33におけるある部分の溶接が終了してからやや
遅れて、その部分の温度がθ 1に到達する。その後、溶
接熱影響部33の温度θは時間の経過と共に低下する。
溶接熱影響部33の温度が一旦A3点よりも低くなった
後、加熱手段であるTIGトーチ110が溶接熱影響部
33上に移動してきて、溶接ビード50上が再加熱され
る。すると、溶接熱影響部33の温度θは再加熱開始時
間t2からやや遅れて上昇を開始し、当該部分の温度が
3点を超えてθ2に到達すると、溶接熱影響部33の温
度θは下降する。そして、溶接熱影響部33の温度が室
温まで冷却して、再加熱工程が終了する。
【0026】ここで、再加熱によって熱処理を必要とす
る母材のA3点以上の温度に溶接熱影響部33の温度を
上昇させる必要がある。これは、TIGトーチ110に
よる再加熱によって溶接熱影響部を焼準する必要がある
ためである。このときに、再加熱が開始されるまでに溶
接熱影響部33の温度が下がりすぎると、再加熱しても
溶接熱影響部33の温度がA3点を超えない場合もあ
る。また、溶接熱影響部33の温度が下がりすぎると、
その状態からA3点を超えるためにより大きな熱エネル
ギーが必要となり、熱エネルギーに無駄が生ずる。した
がって、溶接熱影響部33の温度が下がりすぎないうち
に再加熱を開始できるようにする必要がある。
【0027】ここで、溶接熱影響部33における上記熱
サイクルは、溶接によって与えられる熱量、母材の熱伝
導率や寸法および比熱等から計算できるので、その熱サ
イクルからΔt=t2−t1を求めることができる。そし
て、溶接速度vとΔtとの積である所定の間隔xだけ離
して、MIG溶接トーチ100とTIGトーチ110と
を配置する。所定の間隔xおよびΔtは母材の物性や板
厚等によって決定することができ、概ね1≦Δt<10
秒、30≦x<200mmが好ましいが、この範囲に限
定されるものではない。
【0028】溶接後に再加熱する範囲の最大値は本体胴
30の溶接熱影響部33までであり、一般には溶接ビー
ド50から2〜3mmの範囲である。また、再加熱にお
いては、本体胴30の溶接熱影響部33における温度が
3点を超える温度まで加熱する必要があるが、この温
度が高すぎると結晶粒が粗大化して室温における組織が
粗くなるので、この加熱温度はA3点以上A3点+50℃
以下の温度範囲が適当である。また、凝固の際に結晶粒
が粗大化するので、本体胴30の溶接熱影響部33を再
溶融させてはいけない。ただし、本体胴30の溶接熱影
響部33における温度が上記温度範囲内であれば、溶接
ビード50は溶解してもよい。
【0029】この加熱手段であるTIGトーチ110に
よる再加熱・冷却工程によって、低合金鋼で製造された
本体胴30の溶接熱影響部33が焼準されるので、溶接
によって粗大化した溶接熱影響部33の組織が細かくな
ると同時に硬度も低下する。したがって、本発明による
溶接方法によれば、溶接と同時に溶接熱影響部の組織を
改質し、硬度を低下させることができるので、溶接後熱
処理が不要になる。
【0030】特に、キャスクの本体胴のように長さが数
メートル、内径が2.0〜2.5メートル、肉厚が数十
センチメートルにも及ぶ厚肉の大型容器を熱処理するに
は、多大な時間と熱エネルギーとを要する。しかし、こ
の溶接方法によれば、溶接後熱処理工程が不要になるの
で、キャスクの製造時間が大幅に短縮でき、製造に手間
を要さない。また、銅製の伝熱フィンと低合金鋼製の本
体胴とを溶接して、低合金鋼に対して溶接後熱処理を施
すと、銅が軟化して所定の強度を保つことができない。
しかし、この溶接方法によれば、溶接後熱処理工程が不
要になるので、溶接後熱処理が必要な低合金鋼の溶接部
における硬度を低くして組織を改質しつつ、銅製の伝熱
フィンを所定の強度に維持できる。
【0031】上記説明においては溶接手段としてMIG
溶接を使用したが、溶接手段はこれに限られず、TIG
溶接、あるいはYAGレーザー等を使用したレーザー溶
接も使用できる。特にレーザー溶接の場合には、短時間
に高エネルギーを溶接対象物の微小な部分に投入できる
ので、溶接部のひずみが少なくなり高速で溶接できる。
また、この溶接方法は溶接手段と再加熱手段とが一定の
距離を保って移動するので、再加熱時においては短時間
で溶接熱影響部の温度をA3点以上に加熱しなければな
らない。したがって、再加熱に使用する溶接熱影響部を
加熱する手段は、加熱対象である溶接後熱処理を要する
母材の溶接熱影響部における温度を急激に上昇させる特
性が必要である。かかる観点から、再加熱手段としては
上述したTIGトーチの外に、高周波コイル、レーザー
等のような、短時間のうちに母材に高エネルギーを加え
ることのできる加熱手段が望ましい。
【0032】また、サブマージアーク溶接において、実
施の形態1に係る溶接方法を適用してもよい。図3は、
実施の形態1に係る溶接方法をサブマージアーク溶接に
適用した例を示す説明図である。ホッパ500から供給
されたフラックス300は、フラックス供給チューブ5
01を通って、溶接対象である母材35の開先上に供給
される。次に、フラックス供給チューブ501の後方に
配置されている溶接ワイヤ201によって母材同士を溶
接した後、再加熱用のTIGトーチ110によって溶接
ビード51上を再加熱する。このように、サブマージア
ーク溶接に実施の形態1に係る溶接方法を適用した場合
には、フラックス300内で一連の溶接・再加熱工程が
完了する。
【0033】サブマージアーク溶接においては、フラッ
クス300によって溶接部を外気から完全に遮断して、
溶けたフラックス300によって強力な精錬作用を行わ
せる。そして、できたスラグで溶接部分の表面を被覆す
るので、溶接部の機械的性質が良好になる。また、TI
Gトーチ110によって母材35の溶接熱影響部を再加
熱するので、当該溶接熱影響部の硬度が低下し、組織が
改質する。このため、溶接部の機械的性質はさらに良好
になる。
【0034】次に、本発明の溶接方法を適用できる材料
について説明する。この溶接方法は、溶接後熱処理を要
する低合金鋼や炭素鋼等の母材と銅のような溶接後熱処
理を要しない母材とを溶接する場合に適用できる。溶接
後熱処理を要する他の母材としては、炭素鋼、焼入れ焼
戻し高張力鋼、C−0.3Mo鋼、C−0.5Mo鋼、
0.5Cr−0.5Mo鋼、1Cr−0.5Mo鋼、
1.25Cr−0.5Mo鋼、2.25Cr−1Mo
鋼、5Cr−0.5Mo鋼、7Cr−0.5Mo鋼、9
Cr−1Mo鋼、2−2.4Ni鋼、3.5Ni鋼、お
よび9Ni鋼等がある。また、溶接後熱処理を要しない
他の母材としては、銅合金、Ni、Ni合金、およびオ
ーステナイト系のステンレス鋼がある。
【0035】また、溶接後熱処理を要する低合金鋼のよ
うな母材と銅のような溶接後熱処理を要しない母材とを
溶接する場合の外、溶接後熱処理を必要とする母材同士
を溶接する場合にも、実施の形態1に係る溶接方法を適
用できる。この場合、MIG溶接等の先行溶接手段によ
って母材同士を溶接し、TIG溶接トーチ等の加熱手段
によって溶接ビード上を再加熱する点は上記説明と同様
であるが、再加熱に必要なエネルギーは溶接後熱処理を
必要とする母材が二つになった分だけ大きくする必要が
ある。実施の形態1に係る溶接方法を、溶接後熱処理を
必要とする母材同士の溶接に適用すると、再加熱によっ
て母材の溶接熱影響部が改質されて硬度が低下するので
溶接後熱処理が不要となる。特に溶接対象の寸法が大き
い場合には、溶接後熱処理を省略できることによって、
製造の工数を大幅に削減できる。
【0036】(実施の形態2)図4は、実施の形態2に
係る溶接方法を示す説明図である。この変形例に係る溶
接方法は、溶接工程の前に、母材を加熱する手段によっ
て熱伝導率が高い方の母材を予熱する点に特徴がある。
この母材を加熱する手段としては、短時間のうちに母材
に高エネルギーを加えることのできるものが望ましい。
このような観点から、この実施の形態においては、当該
加熱する手段としてTIGトーチ111を使用している
が、当該加熱手段はこれに限られるものではなく、高周
波加熱手段やレーザー加熱手段を使用してもよい。
【0037】伝熱フィン20の材料は銅であるので、本
体胴30の材料である低合金鋼よりも熱伝導率は高い。
このため、まず、母材を加熱する手段であるTIGトー
チ111で熱伝導率の高い方の母材である銅製の伝熱フ
ィン20を予熱する。次に、伝熱フィン20の温度が下
がらないうちにMIG溶接トーチ100で伝熱フィン2
0と本体胴30とを溶接する。最後に、TIGトーチ1
10によって溶接ビード50上を再加熱して、一連の溶
接工程が終了する。
【0038】本実施の形態で示した銅製の伝熱フィン2
0のように熱伝導率の高い母材を溶接する場合には、溶
接部における熱の放散が大きく溶接部の温度が下がりや
すいので、溶接部のぬれ性が悪くなる。このため、MI
G溶接トーチ100のみで溶接した場合には、溶接中に
溶接部の温度が十分に上昇せず、溶接不良を招きやすく
なる。この溶接方法では、MIG溶接トーチ100によ
る溶接工程の前に、TIGトーチ111によって熱伝導
率の高い母材である銅製の伝熱フィン20を予熱して、
予め母材の溶接部における温度を高くする。これによっ
て溶接部における温度勾配を小さくすることができるの
で、溶接熱の放散を抑制して、伝熱フィン20の温度を
高く維持できる。その結果、溶加材と母材とのぬれ性が
向上するので溶接不良を抑制でき、また、溶接部の機械
的性質も良好なものとなる。
【0039】(実施の形態3)図5は、本発明の実施の
形態3に係る溶接方法を示す説明図である。この溶接方
法は、第一の溶加材を使用する第一の溶接手段によって
低合金鋼や炭素鋼等の溶接後熱処理が必要な母材ともう
一方の母材とを溶接する。そして、第二の溶加材を使用
する第二の溶接手段によって、当該もう一方の母材と前
記溶接によって形成された溶接ビードとを溶接する点に
特徴がある。次の説明では、第一および第二の溶接手段
にMIG溶接トーチを使用し、第一の溶加材にはNi
を、第二の溶加材にはCuを使用した例について説明す
る。また、溶接後熱処理が必要な母材である低合金鋼製
の本体胴30に、銅製の伝熱フィン20を溶接する場合
を例にとって説明する。
【0040】まず、第一の溶接手段であるMIG溶接ト
ーチ101によって、第一の溶加材であるNiの溶接ワ
イヤ202を使用して伝熱フィン20と本体胴30とを
溶接する。次に、第二の溶接手段であるMIG溶接トー
チ102によって、第二の溶加材であるCuの溶接ワイ
ヤ203を使用して、伝熱フィン20と溶接ビード52
とを溶接することで、本体胴30の溶接熱影響部33に
熱処理を施す。
【0041】この溶接方法においては、第二の溶接手段
によって伝熱フィン20と溶接ビード52とを溶接する
過程における溶接熱によって、溶接後熱処理が必要な母
材である低合金鋼で製造された本体銅30の溶接熱影響
部33が焼準されるので、溶接後熱処理を施さなくとも
溶接熱影響部33の硬度を低下させ、組織を改質でき
る。また、Niが銅製の伝熱フィン20と低合金鋼製の
本体胴30との間に存在するため、低合金鋼の結晶粒界
に第二の溶加材や溶融金属中のCuが侵入することを防
止できる。さらに、第一の溶加材であるNiの水素固容
量が大きいため、第二の溶加材であるCuから低合金鋼
製の本体胴30側へ移動する水素量を低減できる。この
ため、溶接後熱処理を必要とする母材の低温割れをさら
に抑制でき、安定した品質の製品を提供できる。
【0042】ここで、上記第一の溶加材をFeとし、第
二の溶加材をCuとしてもよい。上記例において第一の
溶加材として使用するNiは高価であるため、Niの代
わりに安価なFeを用いると、溶接後熱処理を必要とす
る母材の溶接熱影響部における硬度を低下させ、組織を
改質しつつ製造コストを下げることができる。
【0043】また、上記第一の溶加材をCuとし、第二
の溶加材をCuとしてもよい。この場合には、溶接後熱
処理を必要とする母材の粒界にCuが侵入することは防
止できないが、溶接後熱処理を必要とする材料の溶接熱
影響部は改質できるので、溶接後熱処理は不要になる。
また、溶接対象である母材の一方が銅または銅合金であ
る場合には、当該母材とのぬれ性が向上するので、溶接
不良を抑制できる。
【0044】なお、他の溶接手段としては、MIG溶接
の他にTIG溶接やレーザー溶接を使用してもよい。レ
ーザー溶接を使用した場合には、短時間に高エネルギー
を溶接対象物の微小な部分に投入できるので、溶接部の
ひずみが少なくなり高速で溶接できる。なお、レーザー
溶接にはYAGレーザーを使用することが望ましい。こ
の理由は次のとおりである。
【0045】すなわち、YAGレーザー光は波長が1.
064μmの赤外レーザー光であるため、光ファイバに
よって伝送できる。この結果、YAGレーザー発振器を
用いた溶接装置では、レーザー光を光ファイバによって
伝送できるので、設計および機器を配置する自由度が高
くなるからである。なお、YAGレーザーとは固体レー
ザー発振器の一種であり、レーザー単結晶としてNdを
ドープしたYAG(イットリウム、アルミニウム、ガー
ネット)結晶を使用するものである。
【0046】また、図6に示すようなガスシールドアー
ク溶接の一種であるMIG溶接トーチにレーザー溶接装
置を組み込んだ溶接ヘッドを溶接手段として使用しても
よい。この溶接ヘッドは、MIG溶接トーチの外側にレ
ーザー溶接装置の光学系が備えられており、レーザー光
410は集光レンズ400で集光したレーザー光410
を母材38に対して斜めに照射する。そして、溶接ワイ
ヤ205から発生するアークによる溶接ポイントとレー
ザー光410による照射ポイントとが一致するように構
成されている。また、溶接ワイヤ205の周りからアル
ゴンやヘリウム等の不活性ガス450を吹出して溶接部
を空気から遮断する。
【0047】レーザー光はエネルギー密度が極めて高い
強力な集中熱源であるので、レーザー溶接は、狭い溶接
範囲に対して溶け込み深さの大きい溶接を行うことがで
きる。一方、ガスシールドアーク溶接はアークが広範囲
に広がるため、溶け込み深さは浅いが広い範囲を溶接す
ることができる。したがって、ガスシールドアーク溶接
とレーザー溶接とを組み合わせると、広い溶接範囲に対
して大きな溶け込み深さで溶接ができるので有利であ
る。
【0048】なお、再加熱に使用する加熱手段には、溶
接ワイヤ205をタングステン電極に置き換えたTIG
トーチとレーザー溶接トーチとを組み合わせた溶接トー
チを使用してもよい。この溶接トーチを使用すると、レ
ーザーによってアークが安定するので、安定して再加熱
できる。
【0049】(実施の形態4)図7は、実施の形態4に
係る溶接方法を示す説明図である。この溶接方法は、溶
接工程の前に、母材を加熱する手段によって熱伝導率の
高い方の母材を予熱する点に特徴がある。まず、母材を
加熱する手段であるTIGトーチ112で銅製の伝熱フ
ィン20を予熱する。次に、伝熱フィン20の温度が下
がりすぎないうちに第一の溶接手段であるMIG溶接ト
ーチ101で銅製の伝熱フィン20と低合金鋼製の本体
胴30とを溶接する。最後に、第二の溶接手段であるM
IG溶接トーチ102によって、溶接ビード52と伝熱
フィン20とを溶接する。そして、最後の溶接時におけ
る溶接熱によって本体胴30の溶接熱影響部を焼準し、
当該溶接熱影響部の硬度を低下させ、組織を改質する。
なお、予熱対象である銅で製造された伝熱フィン20の
熱サイクルを求めることで、母材を加熱する手段と第一
の溶接手段とを配置する間隔を調整することができる。
【0050】実施の形態4に係る溶接方法では、第一の
溶接手段であるMIG溶接トーチ101による溶接工程
の前に、母材を加熱する手段であるTIGトーチ112
によって熱伝導率の高い母材である銅を予熱するため、
溶加材と母材とのぬれ性が向上する。その結果、溶接不
良を抑制できるので、溶接部における欠陥の発生を抑制
できる。また、溶接直後に第二の溶接手段で溶接するの
で、この溶接熱によって溶接熱影響部が焼準されて、溶
接後熱処理が不要となる。
【0051】上記説明においては、母材を加熱する手段
としてTIGトーチ112を使用したが、実施の形態4
に適用できる母材を加熱する手段はこれに限られず、高
周波加熱手段やレーザー加熱手段を使用してもよい。特
にレーザーによって予熱すると、ガスシールドアーク溶
接におけるアークの安定性が高くなるので、安定したガ
スシールドアーク溶接ができるので、溶接不良をより低
減できる。なお、この母材を加熱する手段は熱伝導率の
高い母材を予熱するので、加熱対象の温度を急激に上昇
させることのできる特性が必要である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の溶接方
法(請求項1)では、溶接対象である母材同士を溶接し
た後、TIGトーチ等の溶接熱影響部を加熱する手段に
よって溶接ビード上を加熱するようにした。このため、
この加熱によって溶接熱影響部を焼準し、当該溶接熱影
響部の硬度を低下させ組織を改質できるので、溶接後熱
処理を必要とする母材の低温割れを防止できる。また、
溶接工程の直後にTIGトーチ等で溶接熱影響部を再加
熱するので、溶接と同時に熱処理が完了する。このた
め、別工程として溶接後熱処理を施す必要がなくなり、
構造物の製造に手間を要さない。
【0053】また、この発明の溶接方法(請求項2)で
は、上記溶接方法において、溶接前に熱伝導率の高い母
材を加熱するようにしたので、溶接時に当該母材の溶接
部における温度を十分に高くすることができる。その結
果、この母材と溶接金属とがぬれやすくなって溶接不良
はほとんど発生しなくなるので、健全な溶接部を得るこ
とができる。
【0054】また、この発明の溶接方法(請求項3)で
は、第一の溶加材を用いる第一の溶接手段によって溶接
対象である母材同士を溶接した後、第二の溶加材を用い
る第二の溶接手段によって、この溶接工程によって形成
された溶接ビードともう一方の母材とを溶接するように
した。第一の溶接手段によって形成された溶接ビード上
に、この第二の溶加材が肉盛されるので、このときの溶
接熱によって溶接後熱処理を必要とする母材の溶接熱影
響部は硬度が低下し、組織が改質される。したがって、
別工程として溶接後熱処理を施さなくとも、当該溶接熱
影響部の硬度を低下させ組織を改質して低温割れを防止
できる。また、第一および第二の溶加材を適宜選択する
ことで、溶接金属が結晶粒界へ侵入することの防止等と
いった、他の特性を持たせることもできる。
【0055】また、この発明の溶接方法(請求項4)で
は、上記溶接方法において、Niを銅と低合金鋼等との
間に存在させるようにしたので、低合金鋼等の結晶粒界
に銅が侵入することを防止できる。また、第一の溶加材
であるNiの水素固容量が大きいので、第二の溶加材で
あるCuから低合金鋼側へ移動する水素量を低減でき
る。その結果、溶接後熱処理を必要とする母材の低温割
れをさらに抑制して、健全な品質の製品を提供できる。
【0056】また、この発明の溶接方法(請求項5)で
は、上記溶接方法で使用する第一の溶加材であるNiの
代わりに安価なFeを使用するようにしたので、溶接後
熱処理を必要とする母材の溶接熱影響部の硬度を低下さ
せ、組織を改質しつつ製造コストを下げることができ
る。
【0057】また、この発明の溶接方法(請求項6)で
は、第一の溶接手段によって形成された溶接ビード上に
第二の溶加材であるCuを肉盛して母材と溶接ビードと
を溶接するようにしたので、その溶接熱によって溶接後
熱処理が必要な材料の溶接熱影響部を焼準できる。この
ため、溶接直後に溶接熱影響部の硬度を低下させ、組織
を改質するので溶接後熱処理が不要になり、構造物の製
造に手間を要さない。
【0058】また、この発明の溶接方法(請求項7)で
は、上記溶接方法において、溶接工程の前に、TIGト
ーチ等の母材を加熱する手段によって熱伝導率の高い方
の母材を予熱するようにした。このため、溶接時におい
ても当該母材の温度を高く維持できるので、溶加材と母
材とのぬれ性が向上する。その結果、上記溶接方法で得
られる効果の外に、溶接不良を抑制して溶接部における
欠陥を抑制する効果も得られる。また、溶接直後に溶接
熱影響部を再加熱して溶接後熱処理を要する母材の溶接
熱影響部における硬度を低下させ、組織を改質するの
で、別工程で溶接後熱処理を施さなくとも低温割れを防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る溶接方法を示す説
明図である。
【図2】溶接および再加熱における本体胴の溶接熱影響
部における温度サイクルを示した説明図である。
【図3】実施の形態1に係る溶接方法をサブマージアー
ク溶接に適用した例を示す説明図である。
【図4】実施の形態2に係る溶接方法を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態3に係る溶接方法を示す説
明図である。
【図6】MIG溶接トーチにレーザー溶接装置を組み込
んだ溶接ヘッドを示す説明図である。
【図7】実施の形態4に係る溶接方法を示す説明図であ
る。
【図8】従来の溶接方法を示す説明図である。
【符号の説明】
20 伝熱フィン 25、35、38、39 母材 30 本体胴 33 溶接熱影響部 50、51、52、53 溶接ビード 80 肉盛部 100、101、102、105 MIG溶接トーチ 110、111、112 TIGトーチ 200、201、202、203、205 溶接ワイヤ 300 フラックス 400 集光レンズ 410 レーザー光 450 不活性ガス 500 ホッパ 501 フラックス供給チューブ t1 溶接開始時 t2 再加熱開始時 v 溶接速度 x 間隔 x/v 時間 θ 温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 寿浩 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 松元 繁 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 道下 幸雄 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB06 DG04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接対象の母材のうち少なくとも一方が
    溶接後熱処理を必要とする母材を溶接するにあたって、 前記溶接後熱処理を必要とする母材ともう一方の母材と
    を溶接手段によって溶接する工程と、 当該溶接手段と所定の距離をもって配置されたガスシー
    ルドアーク溶接トーチ、高周波コイル、レーザー等の溶
    接熱影響部を加熱する手段によって、前記溶接工程によ
    り生じた溶接ビード上を加熱し、前記溶接後熱処理を必
    要とする母材の溶接熱影響部までを熱処理する工程と、 を備えたことを特徴とする溶接方法。
  2. 【請求項2】 さらに、前記母材同士を溶接する工程の
    前に、TIG、YAG、高周波コイル等の母材を加熱す
    る手段によって、熱伝導率の高い方の母材を予熱するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 【請求項3】 溶接対象の母材のうち少なくとも一方が
    溶接後熱処理を必要とする母材を溶接するにあたって、 第一の溶加材を用いる第一の溶接手段によって、溶接後
    熱処理を必要とする第一の母材ともう一方の母材とを溶
    接する工程と、 第二の溶加材を用いる第二の溶接手段によって、前記工
    程によって形成された溶接ビードと前記もう一方の母材
    とを溶接する工程と、 を備えたことを特徴とする溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記第一の溶加材をNiとし、前記第二
    の溶加材をCuとしたことを特徴とする請求項3に記載
    の溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記第一の溶加材をFeとし、前記第二
    の溶加材をCuとしたことを特徴とする請求項3に記載
    の溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記第一の溶加材をCuとし、前記第二
    の溶加材をCuとしたことを特徴とする請求項3に記載
    の溶接方法。
  7. 【請求項7】 さらに、前記第一の溶加材を用いる第一
    の溶接手段によって、溶接後熱処理を必要とする第一の
    母材ともう一方の母材とを溶接する工程の前に、TI
    G、YAG、高周波等の母材を加熱する手段によって熱
    伝導率の高い方の母材を予熱することを特徴とする請求
    項3〜6のいずれか一つに記載の溶接方法。
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