JP4330384B2 - 電子部品の取付構造及び回転式電子部品 - Google Patents

電子部品の取付構造及び回転式電子部品 Download PDF

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JP4330384B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の取付構造及び回転式電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば回転式電子部品は、回転側の部材を回動することでその電気的出力を変化するように構成されている。図6はこの種従来の回転式電子部品(揺動式電子部品)180を示す図である。同図(a)に示すように回転式電子部品180は、金属板製の基台190上にフレキシブル回路基板200を載せ、その上に中立点復帰用バネ230を取り付けたモールド樹脂製の回転体210を回動自在に取り付けて構成されている。ここで基台190の両側辺の下部の対向する位置には紙面手前側に折り曲げられて突出する係止片191,193が設けられ、また基台190のほぼ中央には紙面手前側に突出する円筒状の軸部195が設けられている。フレキシブル回路基板200はその表面の回転体210によって隠れている部分に、円弧状のスイッチパターン(又は抵抗体パターン)を印刷し、その下端部に金属端子板製の端子211を突出するように取りつけて構成されている。
【0003】
回転体210はモールド樹脂製であり、略円板状の基部212の外周側面からレバー213を突出し、また基部212の中央を前記軸部195によって回動自在に軸支し、その周囲に突出部223を設け、さらにその周囲にリング状に凹むバネ収納部217を設け、バネ収納部217の下部には切り欠き218を設けてその両側を当接部219,221として構成されている。なお基部212のフレキシブル回路基板200側の面には図示しない摺動子が取り付けられており、フレキシブル回路基板200のスイッチパターン(又は抵抗体パターン)に当接している。
【0004】
中立点復帰用バネ230はねじりコイルバネであり、リング状に巻いたコイル部231をバネ収納部217内に収納し、両端の引出部233,235をそれぞれ回転体210の当接部219,221と、基台190の係止片191,193の両者に係止することで回転体210を中立点に位置している。
【0005】
そしてこの回転式電子部品180は各金属板製の端子211の先端を、図示しない硬質の回路基板上に形成した端子パターンの部分に設けた穴に挿入し、半田付けによってこの端子パターンと端子211とを接続することで、回転式電子部品180を回路基板に電気的・機械的に固定する。
【0006】
そして例えば図6(b)に示すようにレバー213を矢印a方向に押圧すると回転体210は時計回りに揺動し、図示しない摺動子がスイッチパターン(又は抵抗体パターン)上を摺動することで各端子211間の電気的出力が変化する。このとき中立点復帰用バネ230の左側の引出部233は係止片191に係止されたままであるが、右側の引出部235は当接部221に押圧されて引出部233側に移動し、このときコイル部231は絞られて強い弾発復帰力を生じ、従ってレバー213への押圧を解除すると回転体210は元の中立点位置に自動復帰する。
【0007】
しかしながら上記従来の回転式電子部品180には以下のような問題点があった。
▲1▼この回転式電子部品180は、その下端から金属板製の端子211を突出しているので、この回転式電子部品180を図示しない回路基板上に取り付けた際の回転式電子部品180の回路基板からの高さが高くなり、この回転式電子部品180を搭載する電子機器の小型化が阻害されてしまう。
【0008】
▲2▼端子211の図示しない回路基板への固定に半田を用いているので、半田に鉛が含まれている場合、環境上問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−198209号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、高さの小型化が図れるとともに、半田を用いないでも回路基板に容易に接続することができる、構造の簡単な電子部品の取付構造及び回転式電子部品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明にかかる電子部品の取付構造は、取付台上に回路基板とこの回路基板に電気的に接続する電子部品とを設置してなる電子部品の取付構造において、屈曲させることで形成される二つの面をそれぞれ電子部品取付部及び圧接接続部とする取付具を具備し、前記取付具の電子部品取付部に電子部品を取り付けるとともに、前記取付具の圧接接続部と前記取付台との間に前記回路基板と前記電子部品から引き出したフレキシブル回路基板とを挟持することで前記回路基板に設けた端子パターンとフレキシブル回路基板に設けた端子パターン間を圧接接続することを特徴とする。
【0013】
また本発明は、表面に機能パターン部と端子パターン部とを設けたフレキシブル回路基板と、前記フレキシブル回路基板の機能パターン部を設けた部分を取り付ける基台と、前記フレキシブル回路基板の機能パターン部を設けた部分に対向する位置に回動自在に取り付けられて機能パターン部の出力を変化する回転体とを具備する回転式電子部品において、屈曲させることで形成される二つの面をそれぞれ電子部品取付部及び圧接接続部とする取付具の前記電子部品取付部に前記回転式電子部品の基台を取り付けるとともに、前記基台の下部に基板折曲辺を設けて前記フレキシブル回路基板をこの基板折曲辺の部分で折り曲げて前記取付具の圧接接続部の下面側に配置し、折り曲げた部分にある端子パターン部に金属端子を取り付けるか、又は他の回路基板を接続することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記端子パターン部の他の回路基板との接続は、圧接接続であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記基台の基板折曲辺の両端に、前記回転体を中立位置に自動復帰させるコイルばねの両側の引出部をそれぞれ当接する係止部を設けたことを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記回転式電子部品を取付台上に設置し、且つ前記基板折曲辺と取付台との間に、基板折曲辺で折り曲げたフレキシブル回路基板の折り曲げ部分をたわめた状態で収納する隙間部を設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明を適用してなる回転式電子部品(以下この実施の形態では「揺動式電子部品」という)1の取付構造の側断面図である。同図に示すようにこの揺動式電子部品1の取付構造は、金属板を略L字状に屈曲することで、電子部品取付部81と圧接接続部85とを有する取付具80を具備し、前記取付具80の電子部品取付部81に揺動式電子部品1を取り付けると共に、前記取付具80の圧接接続部85と取付台120との間に回路基板140と前記揺動式電子部品1から引き出したフレキシブル回路基板11とを挟持することで前記回路基板140に設けた下記する端子パターン141とフレキシブル回路基板11に設けた下記する端子パターン19間を圧接接続した状態でこれら各部材を取付台120に固定して構成されている。以下各構成部品について説明する。
【0018】
図2は前記揺動式電子部品1の取付構造の分解斜視図である。同図において揺動式電子部品1は、可撓性の合成樹脂フイルムの表面に機能パターン部13と端子パターン部15とを設けたフレキシブル回路基板11と、前記フレキシブル回路基板11の機能パターン部13を設けた部分を取り付ける基台25と、前記フレキシブル回路基板11の機能パターン部13を設けた部分の上に回動自在に取り付けられて機能パターン部13の出力を変化する回転体50とを具備し、前記基台25の下部に基板折曲辺22を設けて前記フレキシブル回路基板11をこの基板折曲辺22の部分で後方に折り曲げ、折り曲げた部分にある端子パターン部15に他の回路基板140を圧接接続によって接続して構成されている。フレキシブル回路基板11と基台25を合わせて固定側部材10を構成している。
【0019】
ここで固定側部材10は図1,図2及び図3に示すように、フレキシブル回路基板11の周囲と背面とにモールド樹脂製の基台25をインサート成形によって取り付けて構成されている。フレキシブル回路基板11は基台25に保持される機能パターン部13と、基台25の下部から突出する端子パターン部15とを具備しており、機能パターン部13の表面には円弧状の摺接パターン17が設けられ、端子パターン部15には端子パターン19が設けられ、摺接パターン17と端子パターン19間は接続パターン21によって接続されている。なお摺接パターン17はスイッチパターンであっても良いし、抵抗体パターンであっても良く、さらにそれら以外の機能を有するパターンであっても良い。また端子パターン部15の両側面には下記する係止片87を係合する凹状の係合部23,23が設けられている。
【0020】
一方基台25は成形樹脂を略半円板状に成形して構成され、その下部に前記円板を直線状にカットするように設けた基板折曲辺22を設けている。つまり基台25は、フレキシブル回路基板11の機能パターン部13の周囲と背面とを囲むように成形されている。また基部25の上面中央にはストッパー用の係止部27が設けられ、また基板折曲辺22の両側には前方に向かって突出する取付部29,29が設けられている。取付部29の上面は外方向に向かって下がるように傾斜する面状の係止部31,31となっている。そしてフレキシブル回路基板11の機能パターン部13の略中央とこれに対向する基台25の背面には、両者を貫通する軸貫通穴33が設けられている。基台25の背面の軸貫通穴33の上部には図1に示すように位置決め突起35が突設されている。
【0021】
図4は回転体50の分解斜視図である。同図に示すように回転体50は回転部材51と摺動子67と弾発手段(以下この実施の形態では「ねじりコイルバネ」という)73と押え部材79とを具備して構成されている。回転部材51は略円板状のモールド樹脂成形品であり、一方の面を摺動子取付面53とし、他方の面を弾発手段収納部55としている。弾発手段収納部55はその外周から円形の側壁57を突出することで構成され、その両側に切り欠き状の引出部突出部59,59を設け、またその上下部分に固定部61,61を突出し、またその中央に軸貫通孔63を設けている。また回転部材51の上面からはつまみ取付部65を突出している。引出部突出部59,59の下側の面は当接部60,60となっている。弾発手段収納部55の内径は、下記するねじりコイルバネ73のコイル部75の外径よりも少し大きい寸法に形成され、これによって弾発手段収納部55の内周面部分でコイル部75の外周を支持するように構成されている。
【0022】
摺動子67は弾性金属板を略リング状に形成し、その上下部分二ヶ所に穴からなる取付部69,69を設け、また左右両側部分二ヶ所に摺接部71,71を設けて構成されている。
【0023】
ねじりコイルバネ73は線材をコイル状に巻き回したコイル部75の両端から引出部77,77を引き出して構成されている。このねじりコイルバネ73は両引出部77,77を上方向に移動することでコイル部75の内径が小さくなって絞られる方向になるように巻き回されている。
【0024】
押え部材79はリング状の金属板であって前記回転部材51の弾発手段収納部55を塞ぐ外径形状に形成され、その上下には前記回転部材51の固定部61,61を挿入する溝状の固定部係止部791,791を設けている。
【0025】
そしてこの回転体50を組み立てるには、まず回転部材51の摺動子取付面53に摺動子67を載置して摺動子取付面53に設けた図示しない小突起を摺動子67の取付部69,69に挿入してその先端を熱カシメすることで固定する。次に回転部材51の弾発手段収納部55内にねじりコイルバネ73のコイル部75を収納して両端の引出部77,77をそれぞれ回転部材51の引出部突出部59,59から突出させて当接部60,60に弾接させ、その上から押え部材79を被せて固定部係止部791,791に固定部61,61を挿入してその先端を熱カシメして固定すれば、図2に示す回転体50が完成する。
【0026】
軸150は図2に示すように、略円柱状であってその中間にその外径を大きく張り出してなるつば部151を設け、その一方の側(固定側部材10側)を軸支部153、他方の側を軸固定部155としている。
【0027】
次に取付具80は金属板を略L字状に屈曲させることで略直角をなして形成される二つの面をそれぞれ電子部品取付部81及び圧接接続部85としており、上下方向に平面を有する電子部品取付部81の略中央下部には円形の貫通孔からなる軸取付部83を設け、その上部には貫通孔からなる位置決め部84を設け、一方前後方向に平面を有する圧接接続部85の両側辺からは下方向に折り曲げられる二本ずつの係止片87が突設されている。
【0028】
回路基板140は、可撓性を有する合成樹脂フイルム上に3つの端子パターン141を設け、各端子パターン141から引き出した引出パターン143をこの回路基板140の引出部145に導出している。なお回路基板140の引出部145の図示しない更に先の部分には図示しない他の各種回路が形成され、各種電子部品が搭載されている。また回路基板140の先端側の一辺には二つの凹状の係合部147が設けられ、また各端子パターン141を形成した部分よりも引出部145側の部分にも二つの貫通孔からなる係合部147が設けられている。
【0029】
取付台120はモールド樹脂成形品を略矩形状に成形して構成されており、その前方側は電子部品設置部121、後方側は基板圧接部123となっている。基板圧接部123の略中央には矩形状で凹状の弾発手段収納部125が設けられ、また基板圧接部123の両側辺にはそれぞれ2つずつの凹状の係合部127が設けられている。またこの弾発手段収納部125内に収納される弾発手段130は弾性金属板製であり、略矩形状の基部131の長手方向の一側辺から三本の弾発片133を突出して上方向に折り曲げ、それぞれの先端に上方向に突出する弾発部135を形成して構成されている。電子部品設置部121の上面は、基板圧接部123の上面よりも寸法tだけ低く形成されている。
【0030】
次にこの揺動式電子部品1の取付構造の組み立て方法を説明する。まず揺動式電子部品1を組み立てるには、図2において、軸150の軸固定部155を取付具80の軸取付部83に挿入してその先端をカシメることで両者を一体に固定する。次に取付具80の電子部品取付部81の面に固定側部材10の基台25の背面を当接し、このとき固定側部材10の軸貫通穴33に軸150の軸支部153を挿入し、同時に取付具80の位置決め部84に固定側部材10の位置決め突起35(図1参照)を挿入して位置決めする。そして固定側部材10の軸貫通穴33から突出した軸支部153を回転体50の軸貫通孔63に挿入し、さらに軸貫通孔63から突出した軸支部153にリング状の金具24を挿入してその先端をカシメれば、揺動式電子部品1の組み立てと同時に、取付具80の電子部品取付部81への揺動式電子部品1の取り付けが完了する。
【0031】
次に取付台120の弾発手段収納部125内に弾発手段収納部125の開口面より下記する弾発部135が所定寸法外側に突出している形状の弾発手段130を収納した上で、その上に端子パターン141を上向きとした回路基板140を載置する。次に取付具80に取り付けた固定側部材10のフレキシブル回路基板11の端子パターン部15を取付具80の圧接接続部85の下面側に折り曲げたものを、前記回路基板140上に載置する。このとき取付具80の各係止片87をフレキシブル回路基板11の各係合部23と、回路基板140の各係合部147と、取付台120の各係合部127に係合し、各係止片87の先端を取付台120の裏面に折り曲げ、これによって揺動式電子部品1を固定した取付具80を取付台120に固定すると同時に、取付台120上に載置した回路基板140の三つの端子パターン141とフレキシブル回路基板11の三つの端子パターン19とを圧接接続部85の下面と弾発手段130の三つの弾発部135とによってそれぞれ圧接接続する。つまり取付具80の圧接接続部85と取付台120との間に回路基板140と揺動式電子部品1から引き出したフレキシブル回路基板11とを挟持することで弾発手段130の三つの弾発部135が弾発手段収納部125の開口部から突出する前記所定寸法が押し下げられることにより、その弾発力により回路基板140に設けた端子パターン141とフレキシブル回路基板11に設けた端子パターン19間を圧接接続する。即ち電子部品取付部81に取り付けた揺動式電子部品1から引き出したフレキシブル回路基板11と回路基板140との挟持を、揺動式電子部品1の後方の位置にある圧接接続部85で行っている。
【0032】
ところで図1に示すように、揺動式電子部品1を取付台120上に設置し、前記端子パターン部15の回路基板140との接続を取付台120上で行い、且つ図2に示すように取付台120の電子部品設置部121の上面を基板圧接部123の上面よりも寸法tだけ低く形成することで、基板折曲辺22と取付台120との間に、基板折曲辺22で折り曲げたフレキシブル回路基板11の折り曲げ部分をたわめた状態で収納する隙間部Aを形成している。つまり隙間部Aによって基板折曲辺22で折り曲げたフレキシブル回路基板11の折り曲げ部分を直角に折り曲げないでそれ以下のゆるい角度でたわめた状態に湾曲させて後方に引き出すことができ、従ってフレキシブル回路基板11上の回路パターン(接続パターン21)を傷めることがない。
【0033】
図5は以上のようにして組み立てられた揺動式電子部品1の動作説明図(但し、押え部材79の記載は省略)である。なおこの揺動式電子部品1のつまみ取付部65にはつまみ160を取り付けている。そして回転体50が中立位置にあるときは、ねじりコイルバネ73の両引出部77,77は回転体50の当接部60,60と固定側部材10の係止部31,31に弾接している。なおねじりコイルバネ73のコイル部75の外周は弾発手段収納部55の内周部分で支持されている。
【0034】
そして例えばつまみ160を矢印A方向に揺動すれば、回転体50全体が矢印A方向に揺動し、摺動子67の摺接部71がフレキシブル回路基板11の摺接パターン17上を摺動してその出力を変化する。その際ねじりコイルバネ73の左側の引出部77は元の位置に保持されたまま右側の引出部77が当接部60によって押し上げられて図5(b)の状態となる。このときねじりコイルバネ73のコイル部75はそのターン数を増やす方向にねじられるためその外径は小さくなり、従ってコイル部75の外周が弾発手段収納部55の内周面に強く当接することはなく、そのねじれがスムーズ且つ確実に行える。そしてつまみ160の揺動を解除すれば、ねじりコイルバネ73の弾発復帰力によって回転体50は元の図5(a)の状態に自動復帰する。
【0035】
そして上記揺動式電子部品1の取付構造によれば、図1に示すように、一枚の取付具80に、揺動式電子部品1の取付台120への取り付け機能と、揺動式電子部品1と回路基板140間の電気的接続機能とを併せ持たせたので、これら両機能を少ない部品で容易且つ確実に達成できる。
【0036】
更には基台25の下部に基板折曲辺22を設けて前記フレキシブル回路基板11をこの基板折曲辺22の部分で後方に折り曲げ、折り曲げた部分にある端子パターン部15に他の回路基板140を接続したので、揺動式電子部品1と回路基板140との電気的接続が揺動式電子部品1の後方で行え、これによって揺動式電子部品1の高さを低くすることができ、この揺動式電子部品1を搭載した機器の小型化、特に高さの小型化が図れる。
【0037】
また上記揺動式電子部品1の取付構造によれば、取付具80の電子部品取付部81への揺動式電子部品1の取り付けを、揺動式電子部品1の回転体50を軸支する軸150の一端を電子部品取付部81に固定することで行っている。つまり軸150に回転体50を回動自在に軸支する機能と、この揺動式電子部品1を取付具80に固定する機能とを兼用させることで、部品点数の削減と構造の簡素化とを図っている。
【0038】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば回路基板140の端子パターン141とフレキシブル回路基板11の端子パターン19間の圧接接続は、弾発手段130を用いて行う代わりに、取付具80の圧接接続部85自体に弾発部を設けてフレキシブル回路基板11の上側からこれを弾発するように構成しても良いし、取付台120自体に弾発部を設けて回路基板140をその下側から弾発するように構成しても良い。また上記実施の形態では回路基板140はフレキシブル回路基板だが、硬質回路基板でもよい。
【0039】
また上記実施の形態では取付具80に取り付ける電子部品として揺動式電子部品(回転式電子部品)1を用いたが、取付具に取り付けることができる電子部品であれば、他の構造の回転式電子部品等、他の各種電子部品であっても良い。
【0040】
また請求項3の第2発明に関する上記実施の形態では、基台25の下部に基板折曲辺22を設けてフレキシブル回路基板11をこの基板折曲辺22の部分で後方に折り曲げ、折り曲げた部分にある端子パターン部15に他の回路基板140を圧接接続したが、導電接着剤等による接続であっても良い。更には端子パターン部15に他の回路基板140を接続する代りに、端子パターン部15の各端子パターン19に直接金属端子を取り付けてそれを接続手段としてもかまわない。
【0041】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
▲1▼一つの取付具に、電子部品の取付台への取り付け機能と、電子部品と回路基板間の電気的接続機能とを併せ持たせたので、電子部品の取付台への取り付けと、電子部品と回路基板との電気的接続とを、少ない部品で容易且つ確実に行うことができる。
【0042】
▲2▼取付具の圧接接続部と取付台との間に回路基板と電子部品から引き出したフレキシブル回路基板とを挟持することで回路基板に設けた端子パターンとフレキシブル回路基板に設けた端子パターン間を圧接接続するように構成したので、両者の接続に半田は不要となり、環境上良好になる。
【0043】
▲3▼取付具の電子部品取付部に取り付けた電子部品から引き出したフレキシブル回路基板と回路基板との挟持を、電子部品の後方の位置にある圧接接続部で行ったので、電子部品と回路基板との電気的接続が電子部品の後方で行え、これによって電子部品の高さを低くすることができ、この電子部品を搭載した機器の小型化、特に高さの小型化が図れる。
【0044】
▲4▼基台の下部に基板折曲辺を設けてフレキシブル回路基板をこの基板折曲辺の部分で後方に折り曲げ、折り曲げた部分にある端子パターン部に金属端子を取り付けるか、又は他の回路基板を接続することで回転式電子部品を構成したので、電子部品の高さを低くすることができ、この電子部品を搭載した機器の小型化、特に高さの小型化が図れる。
【0045】
▲5▼基台の基板折曲辺の両端に、前記回転体を中立位置に自動復帰させるコイルばねの両側の引出部をそれぞれ当接する係止部を設けたので、基台にコイルばねの両側の引出部をそれぞれ当接する機能を併せ持たせることができる。
【0046】
▲6▼回転式電子部品を取付台上に設置し、且つ基板折曲辺と取付台との間に、基板折曲辺で折り曲げたフレキシブル回路基板の折り曲げ部分をたわめた状態で収納する隙間部を設けたので、隙間部によって基板折曲辺で折り曲げたフレキシブル回路基板の折り曲げ部分を直角に折り曲げないでたわめた状態に湾曲させて折り曲げて後方に引き出すことができ、従ってフレキシブル回路基板上の回路パターンを傷めることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる回転式電子部品(揺動式電子部品)1の取付構造の側断面図である。
【図2】揺動式電子部品1の取付構造の分解斜視図である。
【図3】固定側部材10の斜視図である。
【図4】回転体50の分解斜視図である。
【図5】揺動式電子部品1の動作説明図(但し、押え部材79の記載は省略している)である。
【図6】従来の回転式電子部品(揺動式電子部品)180を示す図である。
【符号の説明】
1 揺動式電子部品(回転式電子部品、電子部品)
10 固定側部材
11 フレキシブル回路基板
13 機能パターン部
15 端子パターン部
17 摺接パターン
19 端子パターン
25 基台
29 取付部
31 係止部
33 軸貫通穴
50 回転体
51 回転部材
53 摺動子取付面
55 弾発手段収納部
59 引出部突出部
60 当接部
63 軸貫通孔
67 摺動子
71 摺接部
73 ねじりコイルバネ(弾発手段)
75 コイル部
77 引出部
79 押え部材
80 取付具
81 電子部品取付部
83 軸取付部
84 位置決め部
85 圧接接続部
87 係止片
120 取付台
121 電子部品設置部
123 基板圧接部
125 弾発手段収納部
130 弾発手段
133 弾発片
135 弾発部
140 回路基板
141 端子パターン
143 引出パターン
145 引出部
150 軸
151 つば部
153 軸支部
155 軸固定部

Claims (5)

  1. 取付台上に回路基板とこの回路基板に電気的に接続する電子部品とを設置してなる電子部品の取付構造において、
    屈曲させることで形成される二つの面をそれぞれ電子部品取付部及び圧接接続部とする取付具を具備し、
    前記取付具の電子部品取付部に電子部品を取り付けるとともに、
    前記取付具の圧接接続部と前記取付台との間に前記回路基板と前記電子部品から引き出したフレキシブル回路基板とを挟持することで前記回路基板に設けた端子パターンとフレキシブル回路基板に設けた端子パターン間を圧接接続することを特徴とする電子部品の取付構造。
  2. 表面に機能パターン部と端子パターン部とを設けたフレキシブル回路基板と、前記フレキシブル回路基板の機能パターン部を設けた部分を取り付ける基台と、前記フレキシブル回路基板の機能パターン部を設けた部分に対向する位置に回動自在に取り付けられて機能パターン部の出力を変化する回転体と、を具備する回転式電子部品において、
    屈曲させることで形成される二つの面をそれぞれ電子部品取付部及び圧接接続部とする取付具の前記電子部品取付部に前記回転式電子部品の基台を取り付けるとともに、
    前記基台の下部に基板折曲辺を設けて前記フレキシブル回路基板をこの基板折曲辺の部分で折り曲げて前記取付具の圧接接続部の下面側に配置し、折り曲げた部分にある端子パターン部に金属端子を取り付けるか、又は他の回路基板を接続することを特徴とする回転式電子部品。
  3. 前記端子パターン部の他の回路基板との接続は、圧接接続であることを特徴とする請求項2に記載の回転式電子部品。
  4. 前記基台の基板折曲辺の両端に、前記回転体を中立位置に自動復帰させるコイルばねの両側の引出部をそれぞれ当接する係止部を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の回転式電子品。
  5. 前記回転式電子部品を取付台上に設置し、且つ前記基板折曲辺と取付台との間に、基板折曲辺で折り曲げたフレキシブル回路基板の折り曲げ部分をたわめた状態で収納する隙間部を設けたことを特徴とする請求項2又は3又は4に記載の回転式電子部品。
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