JP4330101B2 - フロート装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マリーナ等における桟橋、海水浴場における浮揚ステージその他の水上フロート施設に使用して好適なフロート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のフロート装置として、FRP製の中空フロート上に甲板を固定した構造、或いは発泡スチロール等の発泡体フロート上に甲板を固定した構造等が知られている。後者の構造は、例えば特開平4−185804号公報、実開昭61−188469号公報、実願平3−109994号等公報に開示されている。これらの公報に開示の構造はいずれも、金属製フレームの下方に適当な間隔を隔ててフレームが固定されるものであり、所定水域に恒久的に設置、すなわち一旦組み立てられるとそのまま長期間使用継続される構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
通常海水浴場等において使用される浮遊ステージは、夏期のみ水面に浮揚されることが多く、前掲公報に開示の構造のフロートのように組立、分割が容易でない構造はかかる用途に不向きである。すなわち組み立てたフロートをそのまま陸上に引き揚げ、保管する場合、浜辺に野ざらしになることが多く、傷みやすいという問題がある。又倉庫内に保管する場合、その移動にはクレーンを必要とするなど、簡単な操作でこれを行うことはできない。
【0004】
本発明は、上述ような事情に鑑みてなされたものであり、組立、分解が簡単であり、分解した状態では人力での運搬が可能なフロート装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)にかかるフロート装置は、扁平矩形体形状のフロートと、該フロートの側面全周に該フロートの上面に露出することなく形成された凹溝と、取り外し可能な固定手段を用いて該凹溝に配されたフレームとを備え、該フレームにて閉路が構成され該フレームの閉路にて上記フロートが固定されてなり、かつ、上記フレームは田の字形に構成され、各閉路にフロートが固定されて1ユニットのフロートが構成されるとともに、上記田の字形のフレームは、その中心に配されたセンタージョイントと、該センタージョイントから4方向へ延びる第1フレームと、上記1ユニットのフロートの外周側面の凹溝に配された第2フレームとからなるものである。かかる構造において、フロートにはその側面の全周に凹溝を形成し、この凹溝にフレームを嵌合して取り付けるようにし、これによりフロートがフレームに組み付けられて固定される。具体的には、センタージョイントを中心にして、四方に延びるよう配した第1フレームと、これを取り囲む4辺の第2フレームとで形成された田の字形フレームの各閉路に、フロートの側周の凹溝を嵌合させて、4つの結合したフロートからなる1ユニットのフロートが形成される。
【0007】
請求項2にかかるフロート装置では、上記第1フレームは中空体形状を成して、上記センタージョイントと上記第2フレームとの間で連結ボルトで連結され、上記第2フレームは、角部を構成するカギ型のコーナーフレームと、該コーナーフレーム間のストレートフレームとからなるものである。
【0008】
かかる構成では、センタージョイントを中心にして、四方に延びるよう配した第1フレームと、これを取り囲む4辺のストレートフレーム並びに4つのコーナーフレームとで形成された田の字形フレームの各閉路に、フロートの側周の凹溝を嵌合させて、4つの結合したフロートからなる1ユニットのフロートが形成される。このように、フロートの外周に嵌め込んだフレームは、その次に結合されるフロートの連結部材となり、よって次々に複数のフロートをフレームにより連結させて正方形状、或いは任意の形状に連結したフロート装置を組み立てることができる。
【0009】
請求項3にかかるフロート装置は、上記フロート上に甲板が配置され、該甲板は、上記フレームに固定されてなるものである。かかる構成において、複数のフロートをフレームにて連結し、所要の大きさとしたフロートの上面に、甲板など、別体の上面構造物を設置固定することで、解体も可能な浮き桟橋などを構築することができる。
【0010】
請求項4にかかるフロート装置は、上記甲板の下部に設けられた上記フロートのフレームに取付固定するための取付部と、該取付部と内側から相対するように上記フレームの上方に形成された取付片と、上記取付部の上記取付片と対向する側の側面下部に膨出形成した突部と、該突部上方で隙間を存して相対する上記取付部と取付片とを取付部の外側から締着固定する締着手段とを備え、上記締着手段による締着により、上記突部を支点として取付片下部にかかる内側方向の押圧力により、フレームがフロートの凹溝に締め付け固定されるものである。
【0011】
この構成において、甲板をフロートの上面に載せ、甲板下部に備わる取付部と、フロートのフレーム上部に突出する取付片とを、ボルトなどの締着手段で取付部外側から取付片に締め付けると、取付部下部には突部があるため、この突部を支点として取付片下部にかかるフロートに押し当たるような力により、フレームはフロートの凹部に嵌合する。こうして、甲板とフロートの固定と同時に、フレームとフロートの固定が行われて、浮き桟橋が簡単に組み立てられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の複数のフロートをジョイントして形成したフロート装置の組立図、図2および図3はフロート装置の中心部および周辺部でのジョイント構造図、図4はフロート装置のコーナー部の詳細構造図で、このフロート装置1は、扁平矩形体形状をしたフロート2と、このフロート2を4個使用し、これら4個のフロート2を互いにジョイントさせ支持するための田の字形に構成されたフレーム3と、フレーム3を田の字形に形成するためのボルト、ナット等の連結固定部材とから成る。
【0014】
上記フロート2は、例えば、縦、横一辺の寸法が1.5m、厚みが30cmの寸法とする正方形状の構造物で、その構成材として、発泡スチロール、発泡ウレタン、発泡ポリエチレン等の発泡体を採用することができる。そして全体として、田の字形に組んだフレーム3によって形成される4つの閉路5に、上記4個のフロート2が1つずつ組み込まれ固定されて1ユニットのフロート2Aが構成される。
【0015】
この場合、フロート全体が一種類の発泡材で一様に形成されるのではなく、フロート上面は低発泡倍率の発泡材にて形成して、それより下位部分を高発泡倍率の発泡材で形成する構造とする。例えば、図5に示すように、フロート2Aの表面より一定深さの部位までは、発泡倍率20倍の発泡スチロールで形成した例えば厚さ30mmの表面層6aとなし、それより下位部分は、発泡倍率50倍の発泡スチロールで形成した本体層6bとするが如きである。また表面層6aの表面には、さらに補強のためにウレタン又はFRPをコーティングすることができる。
【0016】
このような構造のフロートとすることで、人が乗ったり重量のある施設部材が設置されたりしてデッキ面として使用されるフロート上面はその剛性を高め、一方それより下部は高発泡倍率部材の使用により高浮力を得て、所要の浮力作用を確保し、かつ軽量化を図るようにしたフロートが得られる。
【0017】
さて各フロート2の側面全周には、凹溝7が形成されており、この凹溝7に上記フレーム3が配設される構造となっている。
【0018】
ここで、田の字形に形成される上記フレーム3は、図1に示すように、その中心に配されるセンタージョイント8と、該センタージョイント8から4方向へ延びる中空体形状の第1フレーム9と、フロート2の外周側面に配設される第2フレーム10とからなる。上記第2フレーム10は、さらにフレーム3の4つの角部を形成するカギ型のコーナーフレーム12と、このコーナーフレーム12間に連結されるストレートフレーム11とからなっている。
【0019】
なお、センタージョイント8は、SUS304のステンレス材で形成することができる。第1フレーム9とストレートフレーム11およびコーナーフレーム12は、アルミ材で形成することができる。
【0020】
センタージョイント8は、図2に示すように角筒型をし、その4側面の中央部にはそれぞれ雌ねじ孔13が形成されている。上記第1フレーム9は断面ロ字型をなし両端面が閉じた構造のフレームで、その閉じた両端面9bには連結ボルト4の挿通孔14が形成されている。上記第2フレーム10のうちのストレートフレーム11は、断面コの字型をなし両端面が閉じた構造のフレームで、そのフレーム長さの2等分した位置である中央部には、上記挿通孔14と合致するボルト通し孔15が設けられている。またその閉じた両端面11bには、図3に示すように上下に2つの雌ねじ孔16が形成されている。コーナーフレーム12も断面コの字型をなしその両端面は閉じた構造のフレームで、両端面12bには上記ストレートフレーム端面の雌ねじ孔16と合致する雌ねじ孔17が形成されている。
【0021】
従って、図1に示すように、センタージョイント8を中心として、4つの第1フレーム9を4方向に延びるように配設し、そしてその各第1フレーム9が4つのフロート2の互いに合体する面側の凹溝7間に跨るように嵌合する。一方、4つのストレートフレーム11は各フロート2の外周に配設し、その互いに隣接する2個のフロート2同士に渡ってその外周面の凹溝7に嵌合する。このあと、それぞれがT字型に組み合うストレートフレーム11と第1フレーム9とを、フロート2の1辺の長さに相当するほどの長さを持つ連結ボルト4を、ストレートフレーム11のボルト通し孔15から第1フレーム9の内部中心に通し、先端の雄ねじ部21をセンタージョイント8の雌ねじ孔13に螺合し、ナット30をセンタージョイント8の内側で螺着する。これにより、センタージョイント8と第1フレーム9とストレートフレーム11とが一体に連結される。21、22は、連結ボルト4のボルト頭部とストレートフレーム11間に介挿されるバネ座金とワッシャーである。
【0022】
一方、コーナフレーム12とストレートフレーム11との連結は、図3に示すように、そのフレーム同士が当接する端面12b、11b同士をボルト23,ナット24で連結固定するものである。すなわち、コーナフレーム12とストレートフレーム11の端面が当接して合致する上下2つの雌ねじ孔17,16に、2個のボルト23がそれぞれ挿通され、それぞれにナット24が螺着されて結合される構造の連結部25となっている。26,27は、バネ座金とワッシャである。
【0023】
こうして、4つの正方形のフロート2は、4つの閉路5が形成された田の字型のフレーム3によって連結固定され、1辺が3mの正方形に形成された1ユニットのフロート2Aが構成される。1ユニットのフロートの構成単位である各フロート2は、1辺が1.5mと比較的寸法も小さくかつ軽量(約30kg)なので、これらをフレーム3に結合して連結する作業もさほどの労力無くして組立られる。また、不使用となって分解するときも、ネジ廻しなど簡単な道具で簡単に分解でき、分解したあとの各部材の運搬も容易であり、また保管スペースも多く要さないようになり、経済的に保管できるようになる。
【0024】
ところで、図4に示すように、フロート2Aの外周部は、そこに装着されるフレーム3よりも、所定の寸法分Dだけ、例えば20mm程度、外側に突出するような構造にする。すなわち、凹溝7の深さを、フレーム(ストレートフレーム11およびコーナーフレーム12)の奥行き幅(凹溝7との嵌合代)より深くするように寸法設定する。この結果、フレーム3より外側に突出したフロート部分2Gによって、防舷効果を果たし、フロート2が船舶等との接触で受ける衝撃を緩和し、フロート装置1の損傷が防止される。
【0025】
また、同図に示すように、フロート2のコーナ部の1つを、斜め32に切除して、フロート装置係留用の係留金具31を取り付けるためのスペース部32Sを設ける。すなわち、例えばU字形の係留金具31をその上端両部を、フレーム3のコーナ部分にボルト34により固定して、上記スペース部32Sに係留金具31を垂設させる。こうしてフロート装置1の1コーナー部に係留金具31を装備することができるので、この係留金具31にロープを結び、海中に立設した係留杭等に連結すれば、フロート装置1を係留できる。この場合、係留金具31はSUS304等のステンレス製とする。
【0026】
なお、上記スペース部32Sは、例えば図6に示すように、フロートのコーナーより各々一定寸法(例えば10cm)の幅で切除することにより設けられる。また、フロート2Aの上面の周囲と下面の周囲は、斜めにカットされたテーパ面Rに形成されている。
【0027】
図7は、上記構造のフロート装置を使用して、上面に甲板を設けて浮き桟橋とした応用例を示す他の実施例である。
【0028】
すなわち、浮き桟橋40の浮力部であるフロート2Aは、上述のように田の字形に組まれたフレームにより固定されている。
【0029】
ただし、この場合、田の字形フレームの構成材である、センタージョイント8、第1フレーム9、外周のストレートフレーム11およびコーナーフレーム12等は、連結ボルト4、ナット30や、連結部25のボルト23、ナット24等は完全に締め付けられるのではなく、少し緩めた状態で連結しておく。これは後述するように、本実施例の特徴である、甲板側に設けた枠部を両側からフロート部に締め付けることにより、緩んでいたフレームが内側に締まって、フレーム材同士の連結が完全となり、田の字形フレームが完成するという構成の前提となるからである。
【0030】
また、フロート2は、連結ボルト4などを完全に締め付けて完成したフレームの閉路5にガタツキ無く固定させるために、フレーム完成時に定める規定寸法の閉路5より若干大き目の寸法とする。
【0031】
ところで、図8では、田の字形のフレームの4辺を形成するストレートフレーム11のうち、左側面部に配置されたストレートフレーム11しか図示していないが、残りの3辺、すなわちフロート2Aの右側面部、前面部、後面部にもストレートフレーム11は配置されている。
【0032】
そして、これら4辺のストレートフレーム11の上部には、上端部分にボルト固定孔を有した板状の取付片43が上方に向かって立設されている。取付片43は少なくとも一対設け、ストレートフレーム11の両端箇所近くに設けるようにする。もちろん、両端の2箇所だけでなく中間位置にも存在させるなどその数、位置は適宜に設定可能である。
【0033】
一方、木製の甲板44の方には、断面ロ字形をした枠部45が甲板44の下部にボルト46により取付け固定されている。枠部45は、上記ストレートフレーム11の取付片43と対応する位置に設けられており、フロート2Aに対する取付部となる。47は、甲板44に設けた枠固定用のボルト(図示せず)の取付孔である。
【0034】
ここで、枠部(取付部)45がストレートフレーム11側の取付片43と当接固定される内側の取付面45bの下端部には、弧状に少し外側へ突出する突部48が膨出形成されている。また、枠部45の上記取付面45bには、上記取付片43側のボルト固定孔(図示せず)と合致するボルト固定孔(図示せず)が、上記突部48の上方位置に形成されている。また、枠部45の外側面45aには、ボルト46を外部から枠部45内に通させるための切欠孔50が形成されている。
【0035】
以上の構成であり、フロート2Aの周囲には、ストレートフレーム11およびコーナーフレームが仮止め状態で装着されている。このフロート2Aの上面に甲板44を載せ、ストレートフレーム11の取付片43に、枠部45を外側から当てる。そして、ボルト46、ナット51にて外側からねじ込むと、ボルト46のねじ込みにより、取付片43は突部48によって枠部45とは間に隙間があるので、取付部43が矢印bに示すように外側に引き付けられる。その結果、取付片43には突部48を支点としてその下方部に、矢印a方向の力がかかり、フレーム11はフロート2Aに押しつけられて、その凹部7により強く嵌まるようになる。
【0036】
こうして、同じ手法で、甲板44下部の左右、前後にあるボルト46を締め付ければ、ゆるめに連結していた全てのフレーム部材がより圧縮される形になり、この後、圧縮分だけ緩んだ連結ボルト4、ナット30、また連結部25のボルト23、ナット24を更に締め付けることにより、田の字形フレーム3は強固に連結固定される。これによりそのフレーム3の閉路5に納まる各フロートも強固に固定される。こうして、フロート2Aの上に、甲板44を組み付けた浮き桟橋40が構成される。
【0037】
図9は、フロート2を9個と増設して、より広面積のステージ台などとして使用できるようにした本発明の他の実施例にかかるフロート装置1Bである。
【0038】
この実施例では、9個のフロート2bを結合するフレーム3Bは、4個のセンタージョイント8bを使用し、各センタージョイント8bより4方向に延びるように配置した12個の第1フレーム9bと、2個ずつ連結されてフレーム2bの各1辺を形成する合計8個の外周に配置されたストレートフレーム11bと、コーナー部に配置され隣接するストレートフレーム同士を連結する4個のコーナーフレーム12bとから構成されている。
【0039】
これらの各フレームは、フロートの側面全周に形成した凹溝に嵌合するとともに、先の実施例と同様に、複数本の連結ボルトとナットおよび連結部により、第1フレーム9b、センタージョイント8b、ストレートフレーム11b、コーナーフレーム12b等が相互に連結されて、9個のフロート2bが組み込み設置される閉路が構成される。また、このフロート装置1Bにも、図7、図8に示した方法で甲板を取り付けて、浮き桟橋に構成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明(請求項1)によれば、扁平矩形体形状をしたフロートはその側面全周に上面に露出することなく形成した凹溝に、取り外し可能な固定手段を用いてフレームが配されて、このフレームにより形成された閉路にてフロートがはまって固定される。具体的には、センタージョイントを中心にして、四方に延びるよう配した第1フレームと、これを取り囲む4辺の第2フレームとで形成された田の字形フレームの各閉路に、フロートの側周の凹溝を嵌合させて、4つの結合したフロートからなる1ユニットのフロートが形成される。このようにセンタージョイントを中心にして田の字形に構成されたフレームによって、4個のフロートを互いにジョイントさせて支持することができると共に、それぞれのフロートの側面全周をフレームによって固定することができる。
【0041】
また、フレームを閉路構造に固定しているボルト、ナットなどの固定手段をゆるめて外せば、フレームとフロートはバラバラに分解され、フロート装置の解体も容易に行えるとともに、分解により軽量、小さくなった構成単位のフロート、フレームは人手による運搬も可能となり、かつ保管の際も保管スペースを広く要さないようになり、経済的に保管できるようになる。
【0043】
本発明(請求項2)によれば、田の字形に構成されるフレームは、その中心のセンタージョイント、これから4方に延びる第1フレーム、これらの回りを囲繞する第2フレームとなるストレートフレームとコーナーフレームとが、連結ボルトで連結されてなるものであるから、手順を踏み、要所、要所を締め付けるだけの簡単な作業で田の字形のフレームに組み立てられる。そしてその組み立てと併行して、フレームの各閉路にフロートの凹溝を組み付けてゆくという作業で、完成させることができ、人手も労力も、作業時間も多大に要しないで、フロート装置を効率的に形成できる。
【0044】
本発明(請求項3)によれば、浮き桟橋なども、上記手順で組み立てたフロート装置に、甲板を上面部に固定することで、簡単に構築することができる。従って、甲板とそれの浮遊体であるフロート部とは別体物なので、これら両者を設置海上などに運搬し、現場で格別な困難性も無く組み立てられるというメリットがある。
【0045】
本発明(請求項4)によれば、甲板とフロートとが甲板下部の取付部と、これの内側で相対するフロート側の上方に延びる取付片とをボルト、ナット等で締め付けることにより固定されるとき、この締着部下方の上記取付部の外面に設けた突部の存在により、取付片下部のフレームをフロートの凹溝に押し込むような力を生じさせることができる。これによって、甲板のフロートへの組み付けと同時に、フレームのフロートの凹溝への嵌合も確実に行なわれ、フロートはフレームにガタツキなく固定できるようになり、組立性が向上し、また取付け部品等も削減されて、浮き桟橋を容易に構築することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態にかかるフロート装置の一部内部構造をも示した斜視図である。
【図2】田の字形フレームを構成する第1フレーム及び第2フレームとセンタージョイントとの連結部における構造部品分解斜視図である。
【図3】田の字形フレームを構成する第2フレームとコーナーフレームとの連結部における構造部品分解斜視図である。
【図4】係留用金具が取付られるフロートのコーナー部分斜視図である。
【図5】フロートの上層部を発泡倍率の小さい部材で構成し下方部より強度性を高めた構造を示したフロート装置の正面図である。
【図6】上記フロート装置の底面図である。
【図7】フロート装置に甲板を取り付けた浮き桟橋の応用例を示す斜視図である。
【図8】上記浮き桟橋のフロート装置と甲板との固定部分の構造斜視図である。
【図9】フロートを増設結合し、より広大な面積とした場合の他の実施例にかかるフロー装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,1B フロート装置
2 フロート
3 フレーム
4 連結ボルト
5 閉路
6a 表面層
6b 本体層
7 凹溝
8 センタージョイント
9 第1フレーム
10 第2フレーム
11 ストレートフレーム
12 コーナーフレーム
43 取付片
44 甲板
46 取付部
48 突部
46、51 ボルト、ナット
Claims (4)
- 扁平矩形体形状のフロートと、該フロートの側面全周に該フロートの上面に露出することなく形成された凹溝と、取り外し可能な固定手段を用いて該凹溝に配されたフレームとを備え、該フレームにて閉路が構成され該フレームの閉路にて上記フロートが固定されてなり、かつ、
上記フレームは田の字形に構成され、各閉路にフロートが固定されて1ユニットのフロートが構成されるとともに、上記田の字形のフレームは、その中心に配されたセンタージョイントと、該センタージョイントから4方向へ延びる第1フレームと、上記1ユニットのフロートの外周側面の凹溝に配された第2フレームとからなるフロート装置。 - 上記第1フレームは中空体形状を成して、上記センタージョイントと上記第2フレームとの間で連結ボルトで連結され、上記第2フレームは、角部を構成するカギ型のコーナーフレームと、該コーナーフレーム間のストレートフレームとからなる請求項1に記載のフロート装置。
- 上記フロート上に甲板が配置され、該甲板は、上記フレームに固定されてなる請求項1又は2に記載のフロート装置。
- 上記甲板の下部に設けられた上記フロートのフレームに取付固定するための取付部と、該取付部と内側から相対するように上記フレームの上方に形成された取付片と、上記取付部の上記取付片と対向する側の側面下部に膨出形成した突部と、該突部上方で隙間を存して相対する上記取付部と取付片とを取付部の外側から締着固定する締着手段とを備え、上記締着手段による締着により、上記突部を支点として取付片下部にかかる内側方向の押圧力により、フレームがフロートの凹溝に締め付け固定されることを特徴とする請求項3に記載のフロート装置。
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