JP4329384B2 - 植木鉢吊下げ具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植木鉢吊下げ具に関し、更に詳しくは例えば浴室等においてサッシの上枠を利用して植木鉢を吊下げることができるよう形成した植木鉢吊下げ具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、植木鉢の吊下げ具としては、例えば上部を鈎形に形成し、下部に鉢載せ板と鉢の固定具を取り付けてなるものや(例えば特許文献1参照)、或いは線材で上部フック体と、下部フック体とを形成し、上部フック体の下部と下部フック体の上部とを回動自在に連結し、フック体の向きを自由に可変できるよう形成しているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8ー112176号公報
【特許文献2】
特許第3097996号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで例えば出窓付き浴室の場合は、出窓に面するカウンターに観葉植物等の植木鉢を置き、植物を利用して入浴環境が、安らぎや癒しのあるものになるよう工夫することが多い。ただこの場合は、植木鉢越しに、引き戸等の開閉操作を行なう必要がある。従って従来、カウンターに植木鉢を載置すると、植木鉢が窓の開け閉めの支障になる、という問題があった。
而して例えば出窓用のサッシは、出窓部分の天井部と、この天井部より室内側の浴室天井部との間に、出窓用サッシの上枠が配置され、この種の上枠には窓側に起立片が形成されていることが多い。
そこで従来、この種の上枠の起立片を利用して手軽に、しかも植木鉢を安定した状態で吊下げできる吊下げ具の出現が望まれていた。
【0005】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の技術的課題は、サッシの上枠を利用して植木鉢を安定した状態で、又ドライバー等の工具を使用することなく着脱も容易な状態で、植木鉢を手軽に吊下げできるよう形成した植木鉢吊下げ具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
【0007】
即ち本発明は、図1等に示されるように、垂直片部1の上端が内側に鈎形に屈曲されてサッシの上枠2の起立片2aに引っ掛けるためのフック部1aに形成され、垂直片部1の下端に、上記のフック部1aの側に返されると共に上端部5aがサッシの上枠2の下面2b又はこの下面2bに連なる室内側の天井面に当接する突っ支い部5が接続され、上記の垂直片部1と突っ支い部5との接続部8に、植木鉢4を懸吊するためのフック6の引っ掛け部7が形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0008】
この場合本発明品は、簡単に製造できることから、垂直片部1や突っ支い部5を、金属板を折り曲げることで形作るのが好ましいが、これに限定されるものではない。即ち本発明品は、例えば垂直片部1や突っ支い部5を別個に形成し、これらを溶接等の手段で接続して形成するのでも良い。又この場合、垂直片部1や突っ支い部5は、一枚の板状である場合には限られず、例えば金属の棒材や金属の細板を連結することで形成するのでも良い。
【0009】
而して本発明の場合、上記の突っ支い部5は、図示されるように、垂直片部1の内側に返されて垂直片部1と鋭角をなす傾斜片部51と、この傾斜片部51の上部に垂直片部1と平行状に接続されている立上げ片部52とで形成されているのが良い(請求項2)。
【0010】
この場合は、上枠2との一体感が高まり、又植木鉢4の荷重をスムーズに無駄なく上枠2の下面2b等に伝達できるからである。
【0011】
又この本発明の場合、突っ支い部5の上端部5aである立上げ片部52の上端部が、立上げ片部52の立上げ方向と直交する方向に屈曲されて板片状に形成されているのでも良い(請求項3)。
【0012】
なぜならこれによると、サッシの上枠2の下面2b等に、立上げ片部52の上端部を面接触させることができ、より安定した姿勢で、且つ上枠2の下面2b等に傷を付けることなく本発明品を取り付けることができるからである。
【0013】
又本発明は、図1、図2等に示されるように、引っ掛け部7が開口状に形成されているのが好ましい(請求項4)。
【0014】
なぜならこれによると、引っ掛け部7を鉤形等に形成するのに比べ、簡単、容易に、且つ低コストで引っ掛け部7を形成できるからである。
【0015】
更に本発明は、引っ掛け部7が、垂直片部1と突っ支い部5との接続部8に形成されているのに代え、図7、図8に示されるように、垂直片部1の下部に開口状に形成されているのでも良い(請求項5)。
【0016】
この場合は、引っ掛け部7の開口にフック6を引っ掛けたとき、植木鉢4の荷重が垂直片部1の外側(窓側)になり易いから、突っ支い部5の上端部5aを上枠2の下面2b等に押し当て易く、又本発明品を下方から見たとき、引っ掛け部7の開口が目に付きにくくなるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0018】
図1等において、1は、垂直片部である。この垂直片部1は、その上端が内側に鈎形に屈曲されてサッシの上枠2の起立片2aに引っ掛けるためのフック部1aに形成されている。サッシは、図4に示されるように、出窓サッシである。この実施形態は、浴室3の出窓サッシの上枠2に本発明品を取り付け、植木鉢4を懸吊している例である。
【0019】
又上記の垂直片部1は、その下端に、上記のフック部1aの側に返されると共に上端部5aがサッシの上枠2の下面2bに当接する突っ支い部5が接続されている。この突っ支い部5は、この実施形態では垂直片部1の内側に返されて垂直片部1と鋭角をなす傾斜片部51と、この傾斜片部51の上部に垂直片部1と平行状に接続されている立上げ片部52とで形成されている。
【0020】
又突っ支い部5の上端部5aとしての立上げ片部52の上端部は、この実施形態では立上げ片部52の立上げ方向と直交する方向である内方に屈曲状に形成され、サッシの上枠2の下面2bと面接触するよう、板片状に形成されている。なおこの実施形態の本発明品は、サッシの上枠2との一体感を得られるよう、サッシと同一の、例えばアルミ合金の一枚の金属板が折り曲げられ、両側面が開放状に形成されている。
【0021】
6は植木鉢4を懸吊するためのフックであり、7はこのフック6の引っ掛け部である。この引っ掛け部7は、上記の垂直片部1と、突っ支い部5を形成する傾斜片部51との接続部8に、開口状に形成されている。なお9は、出窓の上面を形成する天井パネルであり、10はサッシの上枠2を天井パネル9に固定するためのネジである。
【0022】
次に本発明品の使用例を説明する。
【0023】
本発明品は、サッシの上枠2の起立片2aに垂直片部1のフック部1aを引っ掛け、図3、図4等に示されるように、例えば側方の開口面から引っ掛け部7にフック6を引っ掛け、このフック6に植木鉢4を吊るして使用する。引っ掛け部7にフック6が引っ掛けられると、植木鉢4の荷重が、起立片2aの位置より外寄りにかかる。従ってこの植木鉢4の荷重が、フック部1aの引っ掛かり箇所を中心に、図1において、突っ支い部5の上端部5aを反時計方向に回動させるよう作用する。これにより本発明品は、突っ支い部5の上端部5aが上枠2の下面2bに押し当てられ、上枠2の下面2bに安定した状態で取り付けられるものである。
【0024】
以上の処において、本発明の場合、突っ支い部5は例えば湾曲状等に形成されているのでも良い。又突っ支い部5の上端部5aである立上げ片部52の上端部は、図5、図6に示されるように、室内側に屈曲されるのでも良く、要は立上げ片部52の立上げ方向と直交する方向であれば良い。又本発明は、突っ支い部5の上端部5aが、図7に示されるように、屈曲されることなく、上枠2の下面2bに当接するよう形成されるのでも良い。
【0025】
又上例では、突っ支い部5の上端部5aが上枠2の下面2bに当接しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示されるように、上枠2の下面2bに連なる室内側の天井パネル9等の天井面に当接するよう形成されるのでも良い。又この場合は、突っ支い部5の上端部5aと天井パネル9の天井面との間にスペーサ11が配置されるのでも良い。
【0026】
又本発明の場合、上記の引っ掛け部7は、図7、図8に示されるように、垂直片部1の下部に開口状に形成されているのでも良い。この場合はフック6を介して植木鉢4の荷重が、起立片2aの位置より、一層外寄りにかかるため、突っ支い部5の上端部5aを上枠2の下面2bに押し当てる力が強まり、本発明品をより堅固に上枠2の下面2b等に取り付けることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、垂直片部の上端を内側に鈎形に屈曲してサッシの上枠の起立片に引っ掛けるためのフック部に形成し、垂直片部の下端に、上記のフック部の側に返すと共に上端部がサッシの上枠の下面又はこの下面に連なる室内側の天井面に当接する突っ支い部を形成し、上記の垂直片部と突っ支い部との接続部に、植木鉢を懸吊するためのフックの引っ掛け部を形成しているものである。
【0028】
従って本発明品の場合は、植木鉢の荷重を利用して突っ支い部を上枠の下面等に押し当て安定した状態で吊下げできる。又本発明品によると、ドライバー等の工具を使用することなく、好みの位置に簡単、迅速に取り付けでき、位置変更も簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吊下げ具の好適な一実施形態を示す使用状態時の要部縦断面図である。
【図2】同上吊下げ具の斜視図である。
【図3】同上吊下げ具の使用状態時の要部斜視図である。
【図4】同上吊下げ具の使用状態時の要部斜視図である。
【図5】同上吊下げ具の他の実施形態を示す使用状態時の要部縦断面図である。
【図6】同上吊下げ具の他の実施形態を示す使用状態時の要部縦断面図である。
【図7】同上吊下げ具の更に他の実施形態を示す使用状態時の要部縦断面図である。
【図8】図7に示す本発明品の斜視図である。
【符号の説明】
1 垂直片部
1a フック部
2 上枠
2a 起立片
2b 下面
4 植木鉢
5 突っ支い部
5a 上端部
6 フック
7 引っ掛け部
8 接続部

Claims (5)

  1. 垂直片部の上端が内側に鈎形に屈曲されてサッシの上枠の起立片に引っ掛けるためのフック部に形成され、垂直片部の下端に、上記のフック部の側に返されると共に上端部がサッシの上枠の下面又はこの下面に連なる室内側の天井面に当接する突っ支い部が接続され、上記の垂直片部と突っ支い部との接続部に、植木鉢を懸吊するためのフックの引っ掛け部が形成されていることを特徴とする植木鉢吊下げ具。
  2. 請求項1記載の植木鉢吊下げ具であって、突っ支い部が、垂直片部の内側に返されて垂直片部と鋭角をなす傾斜片部と、この傾斜片部の上部に垂直片部と平行状に接続されている立上げ片部とで形成されていることを特徴とする植木鉢吊下げ具。
  3. 請求項2記載の植木鉢吊下げ具であって、立上げ片部の上端部が、立上げ片部の立上げ方向と直交する方向に屈曲されて板片状に形成されていることを特徴とする植木鉢吊下げ具。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の植木鉢吊下げ具であって、引っ掛け部が開口状に形成されていることを特徴とする植木鉢吊下げ具。
  5. 請求項1乃至3の何れかに記載の植木鉢吊下げ具であって、引っ掛け部が、垂直片部と突っ支い部との接続部に形成されているのに代え、垂直片部の下部に開口状に形成されていることを特徴とする植木鉢吊下げ具。
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