JP4329152B2 - 部品認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品等の画像を種々の角度から同時に取り込み、認識処理する部品認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の微小化と、電子部品装着装置の高速化に伴い、吸着ノズルで部品(ワーク)を吸着保持した状態での迅速な形状等の認識処理を行うことが望まれている。
【0003】
従来、特開平4−365178号公報においては、ワークの材質、色彩等による画像の誤認識を防止する観点から、赤色の光と青色の光とを照射できる発光体を用い、ワークの材質、色彩等による反射率の差が鮮明になるよう発光体から出射する光の波長(赤色もしくは青色)を選択して画像認識を行う技術が開示されている。
【0004】
また、特開平9−152314号公報では、対象物の平面視形状を認識するにあたり、対象物の上部に互いに発光波長の異なる2以上の斜照明光源を配置し、各光源の発光波長に感度を持つ2以上の撮像手段で取り込んだ各々の影領域を抽出して、その論理和をとり、影領域に囲まれる部分の形状を抽出することで対象物の平面視形状を認識する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記いずれの従来技術においても、ワークの一方向の形状しか認識できないことから、複数方向の認識を行う場合にはワークもしくは撮像手段の位置を切り替える必要があり、迅速な形状等の認識処理を行うのは非常に困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するために成された部品認識装置である。すなわち、本発明の部品認識装置は、第1の波長の光を出射する第1光源と、第1の波長とは異なる第2の波長の光を出射する第2光源と、第1の波長と同じ波長の光を出射する第3光源と、吸着ノズルで吸着保持される部品の吸着面を上面、吸着面と反対側の面を下面とし、第1光源から出射した光の部品の下面での反射光または第3光源から出射した光の部品の下面での投影光を取り込む第1撮像装置と、第2光源から出射した光の部品の側面での投影光を取り込む第2撮像装置と、第1光源および第2光源から光が出射され、第1撮像装置および第2撮像装置で画像を取得した際、第1撮像装置で得た画像から部品の下面にある電極の検査を行うとともに、第2撮像装置で得た画像から部品の厚さおよび吸着ノズルでの吸着状態を検査し、第3光源および第2光源から光が出射され、第1撮像装置および第2撮像装置で画像を取得した際、第1撮像装置で得た画像から部品の平面形状の検査を行うとともに、第2撮像装置で得た画像から部品の厚さおよび前記吸着ノズルでの吸着状態を検査する画像処理装置とを備えているものである。
【0007】
このような本発明では、認識対象となる部品に対して各々異なる位置に配置された複数の光源から各々異なる波長の光が照射され、これらの光の反射光もしくは投影光を複数の撮像手段で各々同時に取り込んでいる。つまり、複数の撮像手段の各々では、認識対象となる部品の互いに異なる位置の反射画像もしくは投影画像を各々同時に取り込むことができ、部品の多角的な認識を一括して行うことができるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の部品認識装置における実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本実施形態の部品認識装置を説明する外観図である。すなわち、本実施形態の部品認識装置1は、認識対象となる部品Wに対して各々異なる位置から各々異なる波長の光を照射する第1光源11および第2光源12と、第1光源11から部品Wに照射された光の反射光を取り込む第1撮像手段21と、第2光源12から部品Wに照射された光の投影光を取り込む第2撮像手段22とを備えている。
【0009】
また、部品認識装置1は、部品Wを吸着保持する吸着ノズルN、第1光源11から出射された光を部品Wの方向へ反射する第1ミラーM1、第2光源12から出射された光を第2撮像装置22の方向へ反射する第2ミラーM2も備えている。
【0010】
このうち、第1光源11、第2光源12、第1撮像装置21、第2撮像装置22、第1ミラーM1、第2ミラーM2は各々筐体10(図中太破線参照)に固定され、ユニットとして構成されている。なお、第1光源11、第2光源12、第1撮像装置21、第2撮像装置22、第1ミラーM1、第2ミラーM2は、筐体10に対して位置や角度を調整可能に取り付けられており、光路調整、画像取り込み位置調整を行うことができるようになっている。
【0011】
第1光源11はLED等の複数の発光体から構成され、第2光源12とは異なる波長(例えば、青色)の光を出射する。一方、第2光源12はLED等の複数の発光体から構成され、第1光源11と異なる波長(例えば、赤色)の光の出射する。
【0012】
また、第1撮像装置21は、第1光源11から部品Wに照射された光の反射光(拡散光)を取り込むため、内部に撮像素子であるCCD21aを備えている。一方、第2撮像装置22は、第2光源12から部品Wに照射された光の投影光を取り込むため、内部に撮像素子であるCCD22aを備えている。
【0013】
第1撮像装置21と第2撮像装置22とは、各々対応する光源から部品Wに対して出射された光の反射光および投影光を同時に取り込み、部品Wの各々異なる位置の画像を同時に認識する。
【0014】
すなわち、第1撮像装置21と第2撮像装置22とは、各々異なる波長の光を取り込むことから、同時に画像の取り込みを行っても他方の画像に影響されることはない。
【0015】
図2は、波長に対する取り込み画像の感度を説明する図である。この図で、画像取り込みAは図1に示す第1撮像装置21での取り込み感度、画像取り込みBは図1に示す第2撮像装置22での取り込み感度を示している。なお、第1撮像装置21および第2撮像装置22では、各々取り込む画像の波長以外の波長から成る画像取り込みをしないよう光学フィルタが装着されており、不要な波長の画像部分をカットできるようになっている。これにより、対応する波長の画像のみを確実に取り込むことができるようになる。
【0016】
次に、本実施形態の部品認識装置を用いた画像取り込み手順を説明する。先ず、図1に示す吸着ノズルNで認識対象となる部品Wを吸着保持し、所定位置に配置する。
【0017】
次いで、第1光源11および第2光源12から各々異なる波長の光を同時に出射する。第1光源11から出射された例えば青色の光は、部品Wを直接照らすとともに第1ミラーM1で反射して部品Wの下面(吸着ノズルNの吸着面と反対側の面)を照らすことになる。そして、この光は部品Wの下面で反射(拡散)して、第1ミラーM1を介して第1撮像装置21の方向へ進んでいく。
【0018】
一方、第2光源12から出射された例えば赤色の光は、直接部品Wの側面を照らすことになる。そして、この光によって生じる部品Wの投影光が第2ミラーM2で反射して第2撮像装置22の方向へ進んでいく。
【0019】
次に、第1撮像装置21および第2撮像装置22は、各々に進んできた部品Wからの光を同時に取り込む。すなわち、第1撮像装置21は、第1ミラーM1で反射した部品Wの下面の反射光を取り込み、第2撮像装置22は、第2ミラーM2で反射した部品Wの側面の投影光を取り込む。この取り込みにあたり、先に説明した光学フィルタの作用で、第1撮像装置21には第2光源12から出射される波長の光はカットされ、第2撮像装置22には第1光源11から出射される波長の光はカットされ、各々対応する波長の光のみを確実に取り込むことができるようになる。
【0020】
そして、第1撮像装置21で取り込んだ部品Wの下面からの反射光および第2撮像装置22で取り込んだ部品Wの側面の投影光を図示しない画像処理装置で処理し、部品Wの異なる位置の画像を生成する。これにより、部品Wの下面の反射画像と側面の投影画像とを同時に得ることが可能となる。この部品Wの下面の反射画像により部品Wの下面側にある例えばバンプ電極等の検査を行うことができ、部品Wの側面の投影画像により部品Wの厚さや吸着ノズルNでの吸着状態等の検査を行うことができるようになる。
【0021】
次に、本実施形態の部品認識装置1を用いた他の画像取り込みについて説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の部品認識装置1は、第1光源11および第2光源12の他に、第3光源13を備えている。この第3光源13は、部品Wの斜め下方に放射状に配置された複数の発光体13a〜13fによって構成され、先に説明した第1光源11と同じ波長の光(第2光源12とは異なる波長の光)を出射できるようになっている。
【0023】
また、吸着ノズルNには第3光源13の各発光体13a〜13fから出射された光を部品Wの方向へ反射するための第3ミラーM3が取り付けられている。この第3光源13を用いることで、部品Wの下面の投影像を第1撮像装置21で得ることができるようになる。
【0024】
すなわち、部品Wの下面の投影像を取り込むには、第1光源11の代わりに第3光源13から光を出射する。また、部品Wの側面の投影像を同時に取り込む場合には第2光源12からも光を出射する。なお、第2光源12から出射された光の経路は先と同じであるため、説明は省略する。
【0025】
第3光源13から出射された光は、第3ミラーM3で反射して部品Wの上側を照らすことになる。そして、この光によって生じる部品Wの投影光が第1ミラーM1で反射して第1撮像装置21の方向へ進んでいく。この投影光を第1撮像装置21で取り込み、図示しない画像処理装置で処理することで、部品Wの下面の投影画像を得ることができるようになる。この部品Wの下面の投影画像によって、部品Wの平面形状(サイズ等)の検査を行うことができる。
【0026】
また、第3光源13から光を出射して部品Wの下面の投影画像を得るとともに、第2光源12から光を出射して部品Wの側面の投影画像を画像処理装置で得ることにより、部品Wの下面および側面の投影画像を同時に得て検査を行うことが可能となる。
【0027】
なお、上記説明した実施形態では、2つの光源から各々異なる2つの波長の光を出射し、各々2つの撮像装置で取り込む例を示したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の光源から各々異なる波長の光を出射し、3つ以上の撮像装置で各々取り込むようにしてもよい。これにより、部品Wの多角的な画像を同時に取り込み、形状等の複数項目の検査を一括して行うことが可能となる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の部品認識装置によれば次のような効果がある。すなわち、認識対象となる部品の異なる位置からの画像を同時に取り込むことができ、複数項目の部品検査を一括して行うことができるようになる。これにより、部品認識、検査の高速化を図ることが可能となる。また、複数の画像を取り込む撮像手段を一つの筐体に取り付けることで、複数の画像取り込みをできる装置の小型化を図ることができ、検査装置の小型軽量化およびコストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の部品認識装置を説明する外観図である。
【図2】波長に対する取り込み画像の感度を説明する図である。
【符号の説明】
1…部品認識装置、11…第1光源、12…第2光源、13…第3光源、21…第1撮像装置、21a…CCD、22…第2撮像装置、22a…CCD、M1…第1ミラー、M2…第2ミラー、M3…第3ミラー、N…吸着ノズル、W…部品

Claims (2)

  1. 第1の波長の光を出射する第1光源と、
    前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を出射する第2光源と、
    前記第1の波長と同じ波長の光を出射する第3光源と、
    吸着ノズルで吸着保持される部品の吸着面を上面、前記吸着面と反対側の面を下面とし、前記第1光源から出射した光の前記部品の下面での反射光または前記第3光源から出射した光の前記部品の下面での投影光を取り込む第1撮像装置と、
    前記第2光源から出射した光の前記部品の側面での投影光を取り込む第2撮像装置と、
    前記第1光源および前記第2光源から光が出射され、前記第1撮像装置および前記第2撮像装置で画像を取得した際、前記第1撮像装置で得た画像から前記部品の下面にある電極の検査を行うとともに、前記第2撮像装置で得た画像から前記部品の厚さおよび前記吸着ノズルでの吸着状態を検査し、前記第3光源および前記第2光源から光が出射され、前記第1撮像装置および前記第2撮像装置で画像を取得した際、前記第1撮像装置で得た画像から前記部品の平面形状の検査を行うとともに、前記第2撮像装置で得た画像から前記部品の厚さおよび前記吸着ノズルでの吸着状態を検査する画像処理装置と
    を有する部品認識装置。
  2. 前記第1撮像装置および前記第2撮像装置は、各々不要な波長の光の取り込みを防止する光学フィルタを備えている
    請求項記載の部品認識装置。
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