JP4329017B2 - カバリング弾性糸 - Google Patents
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Description
ポリウレタン弾性繊維は、その表面に凹部および/または凸部を有し、凹部および/または凸部が、ポリウレタンの乾式紡糸時に、ポリウレタンを溶媒で溶解した溶液に、膨潤性を有する有機微粒子、あるいはポリウレタン溶液に使用する溶媒で分散した前記の有機微粒子、を混合して膨潤させた有機微粒子を含む紡糸液を用いて、口金から吐出した後、熱風乾燥することによって形成されてなり、
下記の評価方法で測定される、捲き取り速度10m/minにおける弾性繊維同士の摩擦が、3.5g以上20g以下であることを特徴とするカバリング弾性糸。
(弾性繊維同士の摩擦の評価方法)
弾性糸を20℃65%RHの環境にある測定室にて12時間シーズニングする。編成張力測定機(杉原計器株式会社製)を用い、弾性糸を図6のように通し、捲き取りローラーに捲きつける。弾性糸を捲き取りローラーに捲きつけ、捲き取りローラーを10m/minの速度で回転させる。T1を2.0gに合わせて、T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f1)を読み取る。続けてフリーローラー2、3をそれぞれ水平方向に360°回転し、弾性糸同士が接触するようにする。捲き取りローラーを、10m/minの速度で回転させる。T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f2)を読み取り、下記式から弾性糸/弾性糸の摩擦を算出する。
摩擦(弾性糸/弾性糸)=f2−f1
2.凹部および/または凸部は繊維長手方向に連続したものではないことを特徴とする上記1に記載のカバリング弾性糸。
3.繊維表面上の凸部の最大高さが1μm以上10μm以下であることを特徴とする上記1または2に記載のカバリング弾性糸。
4.ポリウレタン溶液の溶媒がジメチルアセトアミドであり、有機微粒子がジメチルアセトアミドに不溶で、かつジメチルアセトアミドに対して10〜200%の膨潤性を有することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のカバリング弾性糸。
5.有機微粒子が親水性基を有するアクリレート系架橋体であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載のカバリング弾性糸。
6.親水性基を有するアクリレート系架橋体が、アクリロニトリルを50重量%以上含むアクリロニトリル系重合体にヒドラジン、ジビニルベンゼン又はトリアリルイソシアヌレート処理により架橋構造を導入し、残存しているニトリル基を加水分解により塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有するアクリレート系架橋体であることを特徴とする上記5に記載のカバリング弾性糸。
(A)凸部の高さ
走査型電子顕微鏡を用いて、繊維の側面を1000〜2000倍に撮影し、繊維軸方向における約100μm間の基底部を結んだ線と凸部の頂点との距離をメジャーで測定し、写真倍率で除して求める。
試料(弾性糸 )約5グラムを正確にはかりとり、200mlの共栓付三角フラスコに入れる。100mlの石油エーテルを加え、室温で10分間はげしく攪拌しながら浸漬させる。試料を取り出し、再び同温度、同容の新しい石油エーテルを用いて同じ操作を繰り返した後、風乾し、105±2℃の乾燥機中に1時間放置し乾燥する。
油剤付着量(%)=(1−W’/W)×100
ここにW :試料採取時の重さ(グラム)、W’:処理後の試料の乾燥重量(グラム)
弾性糸/ナイロン糸の摩擦:弾性糸、ナイロン糸(東洋紡ナイロン50T12F−693)を20℃65%RHの環境にある測定室にて12時間シーズニングする。測定機器として図5に示す編成張力測定機(杉原計器株式会社製MODEL KS−2)を用い、弾性糸を図5のようにセットし捲き取りローラーに捲きつける。ナイロン糸を弾性糸に対してフリーローラー2−3間で4回捲き付け、一端を固定し、一端に荷重30gを掛ける。捲き取りローラーを、100m/minの速度で回転させる。弾性糸の摩擦体入口の張力(T1)を、テンションメーターで測定し、T1が2.0gとなるよう、コンペンセーターで調整する。弾性糸の摩擦体出口の張力(T2)をロードセル(ORIENTEC Japan製)にて2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値、変動幅(最大値−最小値)を読み取る。
弾性糸を20℃65%RHの環境にある測定室にて12時間シーズニングする。測定機器として図6に示す編成張力測定機(杉原計器株式会社製)を用い、弾性糸を図6のように通し、捲き取りローラーに捲きつける。捲き取りローラーを、10m/minの速度で回転させる。弾性糸/ナイロン糸摩擦測定と同様に、T1を2.0gに合わせて、T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f1)を読み取る。続けてフリーローラー2、3をそれぞれ水平方向に360°回転し、弾性糸同士が接触するようにする。捲き取りローラーを、10m/minの速度で回転させる。T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f2)を読み取り、下記式から弾性糸/弾性糸摩擦を算出する。
弾性糸/弾性糸摩擦=f2−f1
走査型電子顕微鏡を用いて、繊維の断面を1000〜2000倍に撮影し、得られた断面写真に対して、繊維一本の断面における外接円の半径を内接円の半径で除した値を異形度とする。
105℃に設定した乾燥器中に24時間入れて絶乾した試料約1gを10mlスクリュー管に入れ、垂直に保持し、試料上面をなるべく平らにして、目盛りからその時の体積V1(ml)を読み取る。スクリュー管に吸水後も試料上面より水面が高くなる量の純水を入れ、6時間垂直に放置後、試料上面の体積V2(ml)を目盛りから読み取る。微粒子の膨潤度は下記式によって求める。
膨潤度(%)= {(V2−V1)/V1}×100
試料約2gを洗浄し絶乾したシャーレに採取し、部分的に小さな穴をあけたアルミホイルをかぶせ、微粒子が飛び散らないように留意して、20℃×65%RHに設定した恒温恒湿器中に24時間入れた後のシャーレの重量W4を測定する。その後105℃に設定した乾燥機の中に24時間入れた後のシャーレの重量W5(g)を測定する。20℃×65%RHにおける微粒子の水分率は下記式により求める。
水分率(%)={(W4−W5)/W5}×100
光散乱光度計(大塚電子社製ELS−800型式)を用いて、光度計の添付仕様書に従って微粒子の平均粒径を求めた。
20℃の環境下において、有機溶媒としてジメチルアセトアミド100ccの中に有機微粒子5gを投入し、24時間放置する。その後有機微粒子を濾紙で濾過し、濾紙ごと重量J1を測定する。そしてあらかじめ測定していたジメチルアセトアミドで十分濡らした濾紙の重量J2から、下記式に基づいて算出する。
膨潤度(%)=(J1−J2−5)/5×100
20℃の環境下において、有機溶媒としてジメチルアセトアミド1リットルの中に
有機物1gを投入し、デシケーターで1時間攪拌する。その後有機物を濾紙で濾過し、
その後20℃65%RHの室内において24時間放置し溶媒を除去する。
有機物が載った濾紙の重量を測定し、当初測定しておいた濾紙のみの重量を引き有機物の重量(x)を算出する。
下記式に基づき、有機物の溶解度が10%以下のものを不溶であるとする。
溶解度(%)=(1−x)×100
弾性繊維5gを石油エーテル100mlで洗浄した後、絶乾状態での重量W1(g)を測定する。20℃×65%RHの雰囲気下で24時間放置した後の重量W2(g)を測定し下記式(1)によって、20℃×65%RHにおける吸湿率を求める。
20℃×65%RH、吸湿率(%)={(W2−W1)/W1}×100
・・・・・・・・・・・・・(1)
更に、20℃×95%RHの雰囲気下で24時間放置した後の重量W3(g)を測定し、下記式(2)によって、20℃×95%RHにおける吸湿率を求める。
20℃×95%RH、吸湿率(%)={(W3−W1)/W1}×100
・・・・・・・・・・・・・(2)
特開平06−280125の[0021]〜[0023]に記載されている方法に準拠して測定した。
主に弾性繊維に関しての実施例を記す。
分子量1800のポリオキシテトラメチレングリコール200部とメチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)45部を80℃で3時間反応させ、両末端イソシアネート基の中間重合体を得た。中間重合体を40℃まで冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド375部を加え10℃まで冷却した。エチレンジアミン4.0部、ジエチルアミン0.4部をN,N−ジメチルアセトアミド147.6部に溶解したジエチルアミン溶液を用意し、高速攪拌されている中間重合体溶液へジエチルアミン溶液を一気に添加し、溶液濃度32.2重量%、粘度2500ポイズ(30℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。
上記のカバリング糸とウーリーナイロン(17デシテックス3フィラメント)を交互に4口パンティストッキング編み機(口径4インチ、編み針本数400本)に供給し編立、プリセット、裁断、縫製、染色加工、ファイナルセットの一連の後加工を行いパンティストッキングを得た。表面感の均一性が非常に優れたものであった。
得られたパンティーストッキングの表面粗さは4.7ミクロンで、ドライ感のあるものであった。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、19名が外観品位に優れるとし、また、18名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
有機微粒子の含有量を5%にした以外は実施例1に従い、弾性糸を作成した。得られたポリウレタン弾性繊維の断面は繭型で、異形度は2.1であり、高さ2.9μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は5.3%、20℃×95%RHにおける吸湿率は9.7%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は4.1gであり、その変動幅は0.8gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は4.8gであった。
ポリウレタン弾性糸33デシテックスの糸とナイロン6の56デシテックス−12フィラメントを組合せてカールマイヤー社製トリコット編機(HKS2/180インチ幅・28ゲージ)を使用してハーフ組織ツーウエイトリコットの生地を編成した。この生地を 当業者の知る、通常の染色仕上加工を行ない 経密度100コース/インチ、緯密度58ウェール/インチの表面感の均一性が非常に優れた生地を得た。該生地を身生地に使用してショーツを作製した。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、17名が外観品位に優れるとし、また、14名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
アクリロニトリル、アクリル酸メチル、p−スチレンスルホン酸ソーダ及び水からなる原料微粒子水分散体をヒドラジン架橋し、NaOHにて加水分解処理した、平均粒径0.5μm(光散乱光度計で測定)、ジメチルアセトアミドに対する膨潤度および溶解度がそれぞれ10%と1%であり、水分膨潤度21%、20℃×65%RHにおける水分率が11%の高吸放湿性有機微粒子(ナトリウム塩型カルボキシル基量は2.4mmol/gであった)を調整作成したものを使用した以外は実施例1に従って弾性繊維を作成した。
得られたポリウレタン弾性繊維の断面は繭型で、異形度は2.1であり、高さ1.2μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は4.4%、20℃×95%RHにおける吸湿率は7.9%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は6.5gであり、その変動幅は1.3gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は3.8gであった。
さらに実施例1に従ってパンティストッキングを作成した。得られたパンティストッキングの表面粗さは3.1ミクロンで、ドライ感のあるものであった。
20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、15名が外観品位に優れるとし、また、14名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
紡糸原液を孔径0.4mmの口金から吐出し、230℃の加熱空気を流した紡糸筒内押し出し、紡糸速度を200m/minとした以外は実施例1に従い弾性繊維を作成した。得られたポリウレタン弾性繊維の断面は丸形であり、高さ3.5μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は5.8%、20℃×95%RHにおける吸湿率は12.3%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は4.3gであり、その変動幅は0.9gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は5.1gであった。
さらにこの弾性繊維とナイロンフィラメント(44デシテックス20フィラメント)とを用い丸編地を製造した。表側糸としてナイロンフィラメントを配し弾性糸条を裏側糸となるように配して、28G*38インチφのシングルニット丸編機にて天竺プレーテイング編成を行った。その際の編成性はスムーズで糸切れ等もなかった。得られた生機を公知の方法で精錬、漂白、リラックス、染色、ソーピング、脱水、ファイナルセット(160℃*40秒)工程を通し仕上げ生地を得た。得られた生地の表面粗さは3.7ミクロンで、ドライ感のあるものであった。この生地をランニングシャツとし、20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、16名が外観品位に優れるとし、また、18名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
235℃の加熱空気を流した紡糸筒内押し出し、紡糸速度を300m/minとした以外は実施例1に従い弾性繊維を作成した。得られたポリウレタン弾性繊維の断面は繭型で、異形度は1.5であり、高さ3.3μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は6.1%、20℃×95%RHにおける吸湿率は13.2%であった。
弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は3.4gであり、その変動幅は0.7gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は4.9gであった。
弾性糸を芯糸とし、11デシテックス,5フィラメントのナイロンフィラメントを被覆用糸として、上記芯糸に該被覆用糸をS撚(若しくはZ撚)に一重に被覆し、S撚シングル・カバリング糸(若しくはZ撚シングル・カバリング糸)を得た。このカバリング加工の条件としては、芯糸を総ドラフト3.3倍に伸長し、被覆用糸のカバリング撚数を1500T/mとして行った。次に、このシングル・カバリング糸のみでパンティストッキング編み機(口径4インチ、編み針本数400本)にS撚とZ撚を交互に供給し編立、プリセット、裁断、縫製、染色加工、ファイナルセットの一連の後加工を行いパンティストッキングを得た。得られたパンティストッキングの表面粗さは3.5ミクロンで、ドライ感のあるものであった。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、18名が外観品位に優れるとし、また、18名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
有機微粒子の含有量を2%にし、油剤付着量を10%にした以外は実施例2に従い、弾性糸を作成した。得られたポリウレタン弾性繊維の断面は繭型で、異形度は2.1であり、高さ1.2μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は2.0%、20℃×95%RHにおける吸湿率は3.3%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は7.2gであり、その変動幅は1.8gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は3.5gであった。さらに参考例1と同様にハーフ組織ツーウエイトリコットの生地を編成した。編成時に筬にオイルスカムが付着し、断糸が発生したが表面感の均一性がやや優れた生地を得た。該生地を身生地に使用してショーツを作製した。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、10名が外観品位に優れるとし、また、9名がさらさら感に優れるとの回答があった。
44dtex、2フィラメントのポリウレタン弾性繊維を得た以外は参考例2に従って弾性繊維を得た。得られたポリウレタン弾性繊維の断面は丸形であり、高さ2.2μmの凸部を有していた。20℃×65%RHにおける吸湿率は5.4%、20℃×95%RHにおける吸湿率は11.5%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は3.3gであり、その変動幅は1.1gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は3.8gであった。さらに参考例1に従いハーフ組織ツーウエイトリコットの生地を編成した。この生地を 当業者の知る、通常の染色仕上加工を行ない 経密度94コース/インチ、緯密度55ウェール/インチの表面感の均一性が非常に優れた生地を得た。該生地を身生地に使用してショーツを作製した。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、16名が外観品位に優れるとし、また、13名がさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
通常のナイロン6をエクストルーダーで溶融する際に実施例1の有機微粒子をパウダーを添加し15%練り込みのマスターバッチレジンを作成した。そのポリマーを公知のの溶融紡糸法で33デシテックス17フィラメントを作成した。ノズル背圧上昇が顕著で断糸も多発し、得られた繊維も表面には凸部及び凹部を有していなかった。20℃×65%RHにおける吸湿率は5.8%、20℃×95%RHにおける吸湿率は9.1%であった。
有機微粒子を添加せず、油剤付着量を12%にしたこと以外は参考例2に従った。得られたポリウレタン弾性繊維は丸形であり、凸部及び凹部を有していなかった。20℃×65%RHにおける吸湿率は0.5%、20℃×95%RHにおける吸湿率は0.8%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は4.5gであり、その変動幅は2.2gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は2.9gであった。パンティストッキングは部分的に編段の発生が少しある外観の劣ったものであった。また編成時に編み針にオイルスカムが多量に付着し、断糸が発生した。
得られたパンティストッキングの表面粗さは3.8ミクロンで、ドライ感に劣ったものであった。
20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、7名が外観品位に優れるとし、また1名のさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
平均粒径が1.0〜3.5ミクロンであるシリカ微粒子を8%配合した以外は参考例2に従った。得られたポリウレタン弾性繊維は丸形であり、凸部及び凹部を有していなかった。20℃×65%RHにおける吸湿率は0.7%、20℃×95%RHにおける吸湿率は1.2%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は12.3gであり、その変動幅は3.6gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は3.3gであった。パンティストッキングは部分的に編段の発生が少しある外観の劣ったものであった。得られたパンティストッキングの表面粗さは2.6ミクロンで、ドライ感に劣ったものであった。 20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、8名が外観品位に優れるとし、また2名のさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
有機微粒子の替わりに分子量6500のポリエチレングリコールを混合した以外は実施例1に従った。得られたポリウレタン弾性繊維は異形度が2.2の繭型断面であり、凸部及び凹部を有していなかった。20℃×65%RHにおける吸湿率は2.1%、20℃×95%RHにおける吸湿率は12.4%であった。弾性繊維の摩擦特性はナイロン繊維との摩擦は15.2gであり、その変動幅は2.3gであった。またウレタン繊維同士の摩擦は3.4gであった。パンティストッキングは部分的に編段の発生が少しある外観の劣ったものであった。得られたパンティーストッキングの表面粗さは1.6ミクロンで、ドライ感に劣ったものであった。20名の着用テストを夏季に実施した。その結果、被験者20名のうち、3名が外観品位に優れるとし、また1名のさらさら感に優れ快適であるとの回答があった。
有機微粒子を45%にした以外は実施例1に従って弾性繊維を作成しようと試みたが、断糸が多発し紡糸できなかった。
2:フリーローラー
3:フリーローラー
4:フリーローラー
5:フリーローラー
11:弾性糸
12:コンペンセーター
13:荷重30g
14:ナイロン繊維
15:ロードセル
16:巻取ローラー
17:編み針
Claims (6)
- ポリウレタン弾性繊維を芯糸に、かつ少なくとも1種以上の非弾性繊維を鞘糸に用いたカバリング弾性糸であって、
ポリウレタン弾性繊維は、その表面に凹部および/または凸部を有し、凹部および/または凸部が、ポリウレタンの乾式紡糸時に、ポリウレタンを溶媒で溶解した溶液に、膨潤性を有する有機微粒子、あるいはポリウレタン溶液に使用する溶媒で分散した前記の有機微粒子、を混合して膨潤させた有機微粒子を含む紡糸液を用いて、口金から吐出した後、熱風乾燥することによって形成されてなり、
下記の評価方法で測定される、捲き取り速度10m/minにおける弾性繊維同士の摩擦が、3.5g以上20g以下であることを特徴とするカバリング弾性糸。
(弾性繊維同士の摩擦の評価方法)
弾性糸を20℃65%RHの環境にある測定室にて12時間シーズニングする。編成張力測定機(杉原計器株式会社製)を用い、弾性糸を図6のように通し、捲き取りローラーに捲きつける。弾性糸を捲き取りローラーに捲きつけ、捲き取りローラーを10m/minの速度で回転させる。T1を2.0gに合わせて、T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f1)を読み取る。続けてフリーローラー2、3をそれぞれ水平方向に360°回転し、弾性糸同士が接触するようにする。捲き取りローラーを、10m/minの速度で回転させる。T2を2分間測定し、レコーダーに記録したチャートから、平均値(f2)を読み取り、下記式から弾性糸/弾性糸の摩擦を算出する。
摩擦(弾性糸/弾性糸)=f2−f1 - 凹部および/または凸部は繊維長手方向に連続したものではないことを特徴とする請求項1に記載のカバリング弾性糸。
- 繊維表面上の凸部の最大高さが1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のカバリング弾性糸。
- ポリウレタン溶液の溶媒がジメチルアセトアミドであり、有機微粒子がジメチルアセトアミドに不溶で、かつジメチルアセトアミドに対して10〜200%の膨潤性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカバリング弾性糸。
- 有機微粒子が親水性基を有するアクリレート系架橋体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカバリング弾性糸。
- 親水性基を有するアクリレート系架橋体が、アクリロニトリルを50重量%以上含むアクリロニトリル系重合体にヒドラジン、ジビニルベンゼン又はトリアリルイソシアヌレート処理により架橋構造を導入し、残存しているニトリル基を加水分解により塩型カルボキシル基に化学変換せしめたものであって、塩型カルボキシル基を1.0mmol/g以上有するアクリレート系架橋体であることを特徴とする請求項5に記載のカバリング弾性糸。
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