JP4328407B2 - 画像表示装置及び画像表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示装置及画像表示方法に関し、特に条件に応じて画像の大きさを変化させながら表示する画像表示装置及び画像表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル画像を処理する装置が様々な形態で利用されてきた。パーソナルコンピュータ、ワークステーションでの処理、MPEG1、DVD等のディジタル動画再生などがあげられる。
【0003】
また、ディジタルスチルカメラ、ディジタルビデオカメラなども一般的に取り扱われるようになり、ディジタル画像を簡単に作成することができるようになった。今まで、光学式カメラでフィルムに撮影された写真をアルバムに整理するといった作業が、ディジタル化されたデータでは、ハードディスク等のストレージデバイスに大量に保存することで実現されている。この場合、データを検索する、分類するといった作業がデータ処理だけで可能になり、作業効率が著しく向上している。
【0004】
画像データの保存に関する、コスト、場所の観点からもディジタル化された画像データの利用価値が高まっており、これらを作業者が簡単に整理、検索、分類可能なツールの開発が盛んである。
【0005】
特願平8−245098号には、コンピュータのファイル管理システムやデータベースシステム等を複数のデータを関連付けられた日時で管理し、これを表示する情報処理装置が開示されている。また、同出願では、日時に関連した画像、例えば、生年月日に関連づけられた、人事管理データの検索において、生年月日順に並べられた顔写真を表示する方法が開示されている。この際、生年月日順に等間隔で並べるのではなく、生年月日の時間差が認識できるような表示方法を行っている。
【0006】
図12は、ディスプレイの奥行き方向(紙面に垂直な方向)に時間軸を仮定し、遠近法を利用した時間軸表現の例を示している。
【0007】
図12で、101は表示ウインドウであり、表示ウインドウ101には103,104を始めとした、画像データを表す四角のデータアイコンが表示されている。102,105はその画像データが関連づけられている日時に対応するリンクである。これらのリングは、小径なほど、すなわち画面の中心にあるほど、日単位で過去または未来を意味し、小径のリングには小さいデータアイコンが、画面周辺のリング(大径のリング)上の画像データほど、画像データは大きく表示される。このような表示により、周辺が手前でまん中が遠いという奥行きを表現している。また、現在注目している日付に対応するリング(105とする)は他のリングに比べて太く表示され、表示ウインドウ101の左上にはリング105が意味する日付が表示される(図12では1996/7/1)。
【0008】
なお、各リングが対応する日数は1日でも、2日間でも1週間でもよい。また、1つのリングに対応するデータアイコンが多く存在する場合は、リングが対応する日数を変更して、リング上のデータアイコンの数を所定数内に収める。
【0009】
上記表示形態において、利用者が奥の画像データをより大きく表示させたい場合は、ズームイン操作を行う。これによりデータアイコン及びデータアイコンが対応するリングは、より大きく表示される。例えば図12においてズームイン操作を行った場合には、各データアイコン及び対応するリングが徐々に大きく表示され、もっとも外側のリング102及び対応するデータアイコン103はズーム動作の継続により、表示ウインドウ101はみ出して消え、一方画面中心からは新たなリング及び対応するデータアイコンが表示される。
【0010】
逆に画面からはみ出してしまったデータアイコンを表示させたい場合にはズームアウト操作を行う。ズームアウト操作のときは、表示されているリングとデータアイコンは小さく、かつ画面の中心に集まり、画面の外側から、過去または未来のデータアイコンとリングが現れるとともに、表示が所定の大きさを下回るとそのリング及び対応するデータアイコンは表示されなくなる。
【0011】
このような表示を行う画像データベースにおいて、利用者がある画像を検索する場合、表示ウインドウ101の左上に表示される日付をたよりにしたり、データアイコンの画像をたよりにして、ズームイン、ズームアウトの操作をする。利用者が所望の画像を見つけた場合、そのデータアイコンをダブルクリックすることで、オリジナルのデータファイル、大きな画像がオープンされる。以上のように、日時というものを、手前と奥行き方向におき、これを連続的にズームイン、ズームアウトさせることで、データを拡大、縮小表示させて、時間的な感覚を付加することができる。
【0012】
図13は、あるリングとそのリング上に属する1つのデータアイコンに着目してズームイン、ズームアウト操作による表示の変化を説明する図である。ここでは、奥にあるほど(表示が小さいほど)過去の日時で、手前にくるほど(表示が大きいほど)時間が進むように表示しているとする。140a〜140dは表示ウインドウである。142aから142dはある日時を示すリング、141a〜141dはそのリング上のデータアイコン(サムネイル画像)を示す。図13に示すように、ズームイン操作(過去にさかのぼり、画像データを連続して見ていく)の場合は、最初は141a,142aに示すように画面中央に小さく現れ、ズームイン操作を続けていくことによって141b,142b、そして141c,142c、そして141d,142dと大きく表示されていく。141dは、データアイコンが大きく表示され一部分のみの表示となっている。その後、この画像データは画面から消えることになる。ズームアウトの時は、これとは逆方向の表示になる。
【0013】
このように、データアイコンを時系列でまとめ、大きさに相対的な時間差を反映させて表示させ、ズームイン、ズームアウト操作で連続的に表示を変化させることによって、利用者の記憶感覚に近い画像データ表現を実現でき、また、時間軸からのデータのまとまりの傾向等を直感的に捉えることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した表示方法を実現するためには、まず、データアイコンであるサムネイル画像を準備して、この画像の表示位置、大きさを変化させて表示する。
【0015】
また、ズームイン、ズームアウトの操作時には、これらの画像を人間の目には動いて見えるように、すばやく更新する必要がある。例えば1秒間に30こまの画像を表示できるように更新する必要がある。
【0016】
このため、従来は単純な画素間引き、画素水増しの方法によって表示画像の大きさを変えるリサイズ処理を行い、サムネイル画像の描画を行っていた。
【0017】
例えば、80*60ピクセル画像の表示のサイズを例えば72*54ピクセルにするためには、横方向80ピクセルデータのうち10ピクセルのうち1個を間引くことで実現する。横方向のピクセルに1から80までの番号を振った場合、1から9、11から19、21から29、31から39、41から49、51から59、61から69、71から79、これらのデータをVRAMに描画する。縦方向60ピクセルを54ピクセルにするのも同様である。
【0018】
また、表示のサイズを大きくする、例えば88*66ピクセルにするためには、横方向80ピクセルデータのうち10ピクセルのうち1個を水増しすることで実現する。横方向のピクセルに1から80までの番号を振った場合、1から10、10を再度描画、11から20、20を再度描画、21から30、30を再度描画、31から40、40を再度描画、…71から80、80を再度描画というようにVRAMに描画する。縦方向60ピクセルを66ピクセルにするのも同様である。このようにして、サイズの異なる表示画像データを作成して、奥行き方向を時間軸にみたてた、上述したような配置になるべくVRAMに描画する。
【0019】
このようなリサイズ処理を各データアイコンに対して行い、1フレーム分を1/30秒以内に置き換えて、これをディスプレイに表示する。ズームイン操作の場合、72*54ピクセルの表示を行った次のフレームでは、80*60ピクセルのサムネイル画像そのものをVRAMに描画する。
【0020】
このようにして、奥行きを時間軸とみなし、遠近法により奥行きを持たせ、かつ、ズームイン、ズームアウトの際には、滑らかに時間軸にそって、近づいたり、遠ざかったりしたように表示させることが可能になる。
【0021】
しかしながら、従来の方法では表示するサムネイル画像を単純に間引いたり、水増ししているだけなので、画像のひずみ等が目立ち、画質的にかなり低いものになっていた。
【0022】
また、画像に表示サイズに見合ったフィルタをかけ、サンプリングしなおす、誤差拡散法等を用いてリサイズ処理を行うと画質的には良好だが、リサイズ処理に時間がかかる。そのため、上述表示方法のように、30フレーム/秒ですべての画像のリサイズを行うためには、高価な専用ハードウエア等が必要になる。
【0023】
したがって、本発明の目的は、画像の表示位置及び/又は表示サイズを変化させながら表示する画像表示装置において、高価な専用ハードウェア等を用いることなく、解像度が向上した画像を高速に表示することのできる画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、数の画像をその表示位置と対応する表示サイズ表示する画像表示装置であって、複数の画像の移動速度を指定する指定手段と、指定された移動速度で、複数の画像の表示位置を移動させる移動手段と、複数の画像の元画像データを、移動手段による移動先の表示位置と対応する表示サイズにリサイズするリサイズ手段とを備え、リサイズ手段は、移動速度が所定速度以下であるときは、移動速度が所定速度より大きいときよりも、処理にかかる時間が長いリサイズ方法を用いてリサイズを行うことを特徴とする画像表示装置に存する。
【0027】
また、本発明の別の要旨は、複数の画像を、その表示位置と対応する表示サイズで表示装置に表示する画像表示方法であって、複数の画像の移動速度の指定を受け付ける指定ステップと、受け付けた移動速度で、複数の画像の表示位置を移動させる移動ステップと、複数の画像の元画像データを、移動ステップによる移動先の表示位置と対応する表示サイズにリサイズするリサイズステップとを備え、リサイズステップでは、移動速度が所定速度以下であるときは、移動速度が所定速度より大きいときよりも、処理にかかる時間が長いリサイズ方法を用いてリサイズを行うことを特徴とする画像表示方法に存する。
【0030】
また、本発明の別の要旨は、コンピュータを本発明の画像表示装置の各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に存する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
(ハードウェア構成)
図1は本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の構成を示すブロック図である。1は装置全体のシーケンス、データ制御を司るCPUで、図示せぬプログラムメモリ上のプログラムを実行する。プログラムメモリはCPUに内蔵される場合、バス9に接続された外付けROMの場合、DRAM2の場合等があり、DRAM2の場合はHDD、CD−ROM等の外部記憶装置4に記憶されたプログラムをDRAM2上にロードして実行する。
【0032】
2はCPUの主記憶、その他のデータメモリであるところのDRAMであり、バス9の転送速度を向上させるために、同期式のシンクロナスDRAM等を用いてもよい。
【0033】
3はCPU1からの指令をうけ、バス9を用いて、各ブロック間のデータのやり取りを高速に行うDMAコントローラ、4は画像データベースのデータが保存される外部記憶装置で、データの記憶再生が可能な外部記憶装置であれば、CD−R(RW)、DVD−RAM、HDD、光磁気ディスク、メモリカード等のもので代替可能である。
【0034】
5は画像データの圧縮及び伸張を行う圧縮伸張処理部である。データの圧縮伸張方式としては、JPEG等任意の方式を用いることができる。6は画像データの表示の大きさ、すなわち画素数を変えるリサイズ処理部で、画像データの拡大、縮小を行うことが可能である。
【0035】
7は画像データを表示部8に表示できるように、ビデオ信号に変換するビデオエンコーダである。
8はビデオエンコーダ7の出力であるところのビデオ信号を映像として表示する表示部であり、CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイパネルなど任意の表示素子を用いることができる。
【0036】
9はデータバスで、各ブロック間を接続する。バス9に接続された各ブロック間のデータ授受はバス9を介して行われる。
10はリモコンで、ユーザがこれを操作し、CPU1に指令を与える。
【0037】
(表示動作)
次に、本実施形態における表示動作について説明する。
図12において、103,104のデータアイコン、すなわち、サムネイル画像が表示ウィンドウ101に20画像表示されている状態を考える。例えば、リング105等のリングが5つあり、これら1つのリングに4つのサムネイル画像が表示された状態である。この状態を図2に示す。
【0038】
ユーザーによるリモコン10の操作により、表示部8の表示ウィンドウ101に垂直に仮想された時間軸方向に沿って20枚のサムネイルが移動した場合を説明する。また、外部記憶装置4には約10000枚程の画像データが保存されており、これらのサムネイル画像データも同様に約10000枚保存されている。これらのサムネイル画像データは画像サイズが80*60ピクセルで、24ビットカラーのデータがJPEG方式で圧縮データとして保存されているものとする。この時、伸張時のデータ容量が14.4KB、JPEGで約1/10に圧縮されるとすると、圧縮されたサムネイル画像のデータ容量は1.44KBとなる。
【0039】
図3はサムネイル画像のデータサイズを模式的に表す図である。1.44KBのサムネイルJPG圧縮データ21はJPEG解凍(伸張)することで14.4KBの解凍データ22となり、リサイズ処理部6でリサイズされ表示サイズの異なった大きさの表示データ23(データサイズ1〜50KB)となる。
【0040】
次に、図8を用いて、初期表示動作について説明する。CPU1は外部記憶装置4からサムネイル圧縮データを読み込み、DRAM2に書き込む(ステップS171)。この際、外部記憶装置4から一度に読み込まれるサムネイル圧縮データの量(サムネイル枚数)は転送効率がよい量を自由に設定可能で、例えば1枚分ずつ、あるいは10枚分ずつのサムネイル圧縮データを外部記憶装置4から読み込む。
【0041】
その後、ただちに圧縮伸張処理部5にサムネイル圧縮データを転送してJPEG伸張処理を行い、結果を解凍データとしてDRAM2上に展開する(ステップS172)。伸張処理された元のサムネイル圧縮データは不要になるので、消去、あるいは別のデータで上書きされる。
【0042】
表示ウィンドウに表示されているサムネイル画像が1001番目から1020番目までとすると、ステップS171において981番目から1040番目までのサムネイルデータをDRAM2上に展開しておく。10000枚ものデータを解凍されたデータとして持つことはDRAM容量の観点から非効率となる。なぜなら、10000枚の解凍データ容量は144MBにもなるからである。
【0043】
つまり表示ウィンドウ上に1001番目から1020番目までのサムネイル画像を表示する際に、DRAM2上には981番目から1040番目までのJPEG圧縮されたサムネイル画像を外部記憶装置4から読み込み、まず1001番目から1020番目をJPEG解凍してDRAM2に展開してから、残りのサムネイル画像の伸張処理を行う。計60枚でDRAM2の使用量は約864KBとなる。
【0044】
表示ウィンドウに表示している1001番目から1020番目までのサムネイル画像は、1001番目から順番にDMAC3によりDRAM2からリサイズ処理部6へ転送され、表示サイズを変更されてDRAM2上にある表示ウィンドウ表示用のメモリ領域に配置される。
【0045】
DRAM2上の表示ウィンドウ表示用メモリ領域は例えば640*480ピクセルのRGB各8ビット、計24ビットのデータで構成されている。
DRAM2上の表示ウィンドウ表示用メモリ領域のデータはDMAC3によりビデオエンコーダー7へ転送され、ビデオエンコーダー7ではRGB各8ビットのデータをビデオ出力用に輝度色差信号に変換、ビデオ信号を生成して、表示部8へビデオ信号を出力する。
【0046】
DRAM2上に配置された981番目から1040番目までのサムネイル圧縮データのうち、1001番目の解凍されたサムネイルデータがDMAC3によりリサイズ処理部6に転送される。
リサイズ処理部6ではCPU1の司令に基づき、表示サイズの変更を行う。例えば、16*12ピクセルのサイズに変更される。
【0047】
リサイズされたデータはDMAC3によりDRAM2上の表示ウィンドウ表示用メモリ領域に配置される。このときCPU1の司令に基づいて表示場所に応じた領域に配置される。図2において中心に固まった4つの一番小さなサムネイル画像の一つがこの1001番目のサムネイル画像に相当するものとする。
【0048】
次に、1001番目の画像と同様に、1002番目の解凍されたサムネイル画像がリサイズ処理部に転送され、16*12ピクセルにリサイズされたデータはDRAM2の表示ウィンドウ表示用領域に配置される。1002番目のサムネイル画像も中心に近いところに表示されている。
1001番目から1004番目までのサムネイル画像は中心の最も小さなサムネイル画像として、DRAM2上の表示ウィンドウ表示用メモリ領域に配置される。
【0049】
次に、1004番目までと同様に、1005番目の解凍されたサムネイル画像がDMAC3によりDRAM2からリサイズ処理部6に転送される。このとき1005番目のサムネイル画像は48*36ピクセルにリサイズされるものとする。この司令はCPU1が行っている。リサイズされたデータはDRAM2の表示ウィンドウ表示用領域に配置される。1005番目のサムネイル画像は内側から2つ目のリング、例えば図2の106のサムネイル画像として配置される。
同様に1006番目から1008番目までのサムネイル画像は1枚ずつリサイズされ内側から2つ目のリングに配置される。
【0050】
さらに内側から3番目のリングに1009番目から1012番目のサムネイル画像、4番目のリングに1013から1018番目のサムネイル画像、一番外側にリングに1017番目から1020番目のサムネイル画像が配置される。
同様に、内側から3番目のリングに配置される画像は80*60ピクセル、4番目のリングに配置される画像は112*84ピクセル、一番外側のリングに配置される画像は144*96ピクセルのサイズであるとする。
【0051】
これらDRAM2の表示ウィンドウ表示用領域に配置されたサムネイル画像データはビデオエンコーダーによりビデオ信号として表示ウィンドウに出力され、図2のように表示される。
以上のサムネイル圧縮画像20枚のリサイズ、表示ウィンドウ表示用領域への配置は表示ウィンドウの1フレーム表示時間以下、例えば10msで行われる。
【0052】
(ズーム操作)
ここで、ユーザーのリモコン操作により、過去から現在へ表示を動かす指示があたえられたとする。
図2に示す画面表示では、表示ウィンドウの外周に近い大きな画像が新しく、中心に近い小さな画像が古い画像である。表示を過去から現在へズーム、すなわちズームアウトするには、サムネイル画像を時間軸上の週去、すなわち奥に移動したように表示させることになるので、次の表示ウィンドウフレームに表示されるデータは先の表示ウィンドウ表示用メモリ領域に配置したサムネイル画像に比して、表示サイズが若干小さく、表示位置が少し中央よりになつたものである。
【0053】
この表示フレームでも、先のフレームと同様に、20枚のサムネイル画像を表示ウィンドウ表示用メモリ領域に配置する。
まず、先のフレームで描画されている1001番目のサムネイル画像を消去する。例えば背景が黒であった場合、その領域を黒データで埋める。
【0054】
次に先のフレームと同様に、1001番目の解凍されたサムネイルデータがDMAC3によりリサイズ処理部6に転送される。
リサイズ処理部6ではCPU1の司令に基づき、表示サイズの変更を行う。先のフレーム(16*12ピクセル)と異なり、今度は14*11ピクセルのサイズに変更される。
【0055】
リサイズされたデータはDMAC3によりDRAM2上の表示ウィンドウ表示用メモリ領域に配置される。このときCPU1の司令に基づいて表示場所に応じた領域に配置される。具外的には先のフレームでの表示位置より若干中心よりに配置されることになる。
さらに1001番目のサムネイル画像と同じ時間に対応する1002番目から1004番目までのサムネイル画像についても同様に14*11ピクセルに縮小、先のフレームより少し中心よりといったように配置される。
【0056】
同様に1005番目から1008番目の画像も先のフレーム(48*36ピクセル)時より小さ目の38*29ピクセルのサイズで、やはり前回のフレームより若干中心よりに配置される。
1009番目から1020番目のサムネイル画像も同様に、先のフレームより小さ目、中心よりに配置される。
この操作を繰り返し、表示ウィンドウフレームごとに、20個の解凍されたサムネイルデータをリサイズし、表示ウィンドウ表示用メモリ領域の描画されるべき位置へ配置する。
【0057】
ズームアウト指示が継続し、上述の表示動作を繰り返した結果、1001番目から1004番目のサムネイル画像が小さくなり、所定の範囲を下回ったら、これら1001番目から1004番目のサムネイル圧縮画像を表示対象から外し、その代わりに、新たなリング及びそのリングの日付に対応したサムネイル画像(1021番目から1024番目とする)を表示ウィンドウの最外周に表示する。この時にはまだサムネイル画像全体は表示されず、表示ウィンドウの枠からはみ出た部分は表示されない。
【0058】
以降、前述の1001〜1020番目のサムネイル画像について行ったのと同様の処理を1005〜1024番目のサムネイル画像に対して行う。このときも、表示ウィンドウのフレームごとに、1005番目から1024番目までの解凍されたサムネイルデータをDRAM2からリサイズ処理部6に送り、リサイズ処理部6でリサイズ、DRAM2の表示ウィンドウ表示用領域に配置する。
【0059】
このようにして、過去から現在まで時間軸を奥行きにした表現で、並んだサムネイル画像を表示ウィンドウに表示し、ユーザーの走査に応じて、ユーザーがあたかも時間軸を移動していくような表示方法が可能になる。
【0060】
ユーザーのリモコン操作により、表示サムネイルが過去の方に遡るズームインが指示された場合は、ズームアウト時とは逆に、表示サイズが前のフレームより大きくなり、表示位置が若干外周側になる。
このようにして、時間軸上、過去方向へ移動するサムネイル表示が可能になる。
【0061】
(リサイズ処理)
次に、サムネイル画像のリサイズ方法について説明する。
本実施形態においては、リサイズ処理部6が2つのリサイズ方法を実施可能に形成されている。すなわち、一つは画質優先リサイズ、もう一つはスピード優先リサイズである。
【0062】
まず、画質優先リサイズ処理を説明する。
画質優先リサイズでは、縮小時、表示サイズにみあったフィルタをかけ、表示サイズにリサンプリングする。また、拡大時は、補間しながらリサンプリングする。
例えば、元画像80*60ピクセルの表示サイズを画質優先リサイズ処理によって64,48ピクセルにする場合を説明する。
【0063】
図4に、元画像の横80,縦60ピクセルからなる横長のサムネイル画像の模式図を示す。四角の枠の一つが1ピクセルを表している。横方向をx、縦方向をyとする。実際にはxのピクセル数は80あるが、図では説明のために最初の5ピクセルまでを示す。同様にy方向も60ピクセルあるが、最初の4ピクセルまでを示す。
【0064】
以下の説明において、各ピクセル(位置又はその値)は(y,x)としてyおよびxに番号を入れて表現する。例えば左上のピクセル(又はその値)は(1,1)その右のピクセル(又はその値)は(1,2)である。
【0065】
図5は画質優先リサイズ処理において画像データに施すフィルタの係数と位置を示している。図において中心の係数は4、上下左右隣の係数が1、ななめの係数が0.5である。この係数は合計すると10になっているので、実際の演算の際には、フィルタを施す画素を中心画素として、これらの係数を掛けて合計した値を10で割った値をフィルタ結果として用いる。
【0066】
例えば、フィルタリングされたピクセル(2,2)f(以下、(y,x)fで(y,x)のフィルタリング後のピクセル(又はその値)を表現する。)は
(2,2)f=((1,1)*0.5+(1,2)+(1,3)*0.5+(2,1)+
(2,2)*4+(2,3)+(3,1)*0.5+(3,2)+(3,3))/10
として得ることができる。
【0067】
同様にすべてのピクセルに対してフィルタ操作を行う。端のピクセルでは演算データがないので、一番端のデータを延長させて用いる。つまり、ピクセル(1,2)のフィルタリング計算は
(1,2)f=((1,1)*0.5+(1,1)+(1,2)*0.5+(2,1)+
(2,1)*4+(2,2)+(3,1)*0.5+(3,1)+(3,2))/10
となる。
このようなフィルタリング処理により、80*60ピクセルの元画像よりも空間周波数特性の落ちた画像を生成する。
【0068】
次に、リサンプル処理によるリサイズ処理を説明する。図4に示した80*60ピクセルのサムネイル画像から64*48ピクセル画像を生成する場合を図6をも用いて説明する。
【0069】
まず、x方向にリサンプリングを行う。図6は横軸x方向のピクセル番号、縦軸がそのピクセルの数値である。yが1である一番上の一列をリサンプルする様子を説明する。
xリサンプル後のピクセルを(y,x)xと表現すると、
(1,1)x=(1,1)f
(1,2)x=(1,2)*(48/64)+(1,3)*(16/64)
(1,3)x=(1,3)*(32/64)+(1,4)*(32/64)
(1,4)x=(1,4)*(16/64)+(1,5)*(32/64)
となる。
図6に示すようにxの数値を1次補間したものをx’の軸のサンプル点においてサンプルする。このようにして、80ピクセルを64ピクセルにリサンプリングする。このとき(y,x)x画素は64*60ピクセルである。
【0070】
つぎにy方向もx方向と同様にリサンプルする。
yリサンプル後のピクセルを(y,x)yと表現する。
(1,1)y=(1,1)x
(2,1)y=(2,1)x*(38/48)+(3,1)x*(12/48)
(3,1)y=(3,1)x*(24/48)+(4,1)x*(24/48)
(4,1)y=(4,1)x*(12/48)+(5,1)x*(36/48)
このようにして、80*60ピクセルのサムネイル画像を64*48ピクセルに縮小する。
【0071】
40*30ピクセル以下の小さい画像に縮小するときは、上記方法を直接用いてもよいが、参照されない画素がでてきて、ノイズが発生する。これを防ぐためには、何回かに分けて上記方法を実施する。たとえば、80*60ピクセルを56*42ピクセル画像に上記の方法で変換して、その後40*30ピクセルに再び上記方法を用いて縮小する。
【0072】
次に、サムネイル画像の拡大について説明する。リサンプル処理により80*60ピクセル画像を96*72ピクセルの画像に拡大する方法を説明する。
まず、x方向にリサンプリングを行う。図7は横軸x方向のピクセル番号、縦軸がそのピクセルの数値である。yが1である一番上の一列をサンプルする様子を説明する。
【0073】
xリサンプル後のピクセルを(y,x)xと表現する。
(1,1)x=(1,1)f
(1,2)x=(1,1)*(16/96)+(1,2)*(80/96)
(1,3)x=(1,2)*(32/96)+(1,3)*(64/96)
(1,4)x=(1,3)*(48/96)+(1,4)*(48/96)
(1,5)x=(1,4)*(64/96)+(1,5)*(32/96)
(1,6)x=(1,5)*(80/96)+(1,6)*(16/96)
図7に示すようにxの数値を1次補間したものをx’軸のサンプル点においてサンプルする。
このようにして、80ピクセルを96ピクセルにリサンプリングする。このとき(y,x)xは96*60ピクセルである。
【0074】
つぎにy方向もx方向と同様にリサンプルする。
yリサンプル後のピクセルを(y,x)yと表現する。
(1,1)y=(1,1)f
(2,1)y=(1,1)*(12/72)+(2,1)*(60/72)
(3,1)y=(2,1)*(24/72)+(3,1)*(48/72)
(4,1)y=(3,1)*(36/72)+(4,1)*(36/72)
(5,1)y=(4,1)*(48/72)+(5,1)*(24/72)
(6,1)y=(5,1)*(60/72)+(6,1)*(12/72)
このようにして、80*60ピクセルのサムネイル画像を96*72ピクセルに拡大する。
【0075】
以上説明したように、フィルタリング、補間操作による縮小、拡大処理により、画質的に劣化の少ない縮小、拡大処理が可能である。ただし、処理手順が複雑なため、リサイズに要する時間が長い。この方によるリサイズ処理を画質優先リサイズと呼ぶ。
【0076】
一方、スピード優先リサイズ処理は単純な画素間引き、画素水増しの方法で、サムネイル画像の描画を行う。例えば、80*60ピクセル画像の表示のサイズを例えば72*54ピクセルにするためには、横方向80ピクセルデータのうち10ピクセルのうち1個を間引くことで実現する。横方向のピクセルに1から80までの番号を振った場合、1から9、11から19、21から29、31から39、41から49、51から59、61から69、71から79これらのデータをVRAMに描画する。縦方向60ピクセルを54ピクセルにするのも同様である。
【0077】
また、表示のサイズを大きくする、例えば88*66ピクセルにするためには、横方向80ピクセルデータのうち10ピクセルのうち1個を水増しすることで実現する。横方向のピクセルに1から80までの番号を振った場合、1から10、10を再度描画、11から20、20を再度描画、21から30、30を再度描画、31から40、40を再度描画、…、71から80、80を再度描画、というようにVRAMに描画する。縦方向60ピクセルを66ピクセルにするのも同様である。
【0078】
以上説明したように、単純な間引き、水増しによる縮小、拡大処理により、処理量の少ない、すなわち高速な縮小、拡大処理が可能である。反面、画像が歪んだり、斜めの直線に段差がでたり、画質的には先の画質優先リサイズより劣る。この方法によるリサイズ処理をスピード優先リサイズと呼ぶ。
【0079】
(リサイズ処理の選択)
ユーザーが、リモコン操作により、サムネイル画像の過去方向に検索(ズームイン)しようとする場合、ディスプレイに表示されるサムネイルは中心から外側に向かって移動し、かつ徐々に大きくなる。
【0080】
リモコンには速度コントロールレバーがついており、このレバーの位置により検索方向、検索速度が決定される。つまり、レバーの位置に応じて、ディスプレイに表示されるサムネイルの移動速度、大きさの変化速度が変わる。速度コントロールレバーの速度調整段階は、高速、低速の2段階でもよいし、最低と最高速の間を所定段階に区切っても、連続的に変化するように構成してもよい。
【0081】
例えば、速度コントロールレバーが高速と低速の2段階の位置を有し、速度コントロールレバーが低速の場合、ディスプレイに表示されるサムネイル画像は中心からゆっくり外周側に移動する。また、徐々にサムネイル画像の表示サイズが大きくなる。
本実施形態においては、低速に移動する場合は、上述した画質優先リサイズを行う。例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、拡大し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒以上に相当する速度以下の場合に画質優先リサイズ処理によりリサイズを行う。
【0082】
逆にサムネイル画像の移動、拡大が早い場合、例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、拡大し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒未満に相当する速度以上の場合にスピード優先リサイズ処理によりリサイズを行う。
また、同様にユーザーが、リモコン操作により、サムネイル画像を未来方向に検索(ズームアウト)しようとする場合、ディスプレイに表示されるサムネイルは外側から中心に向かって移動し、かつ徐々に小さくなる。
【0083】
この場合も例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、縮小し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒以上に相当する速度以下の場合に画質優先リサイズ処理によりリサイズを行う。
また、サムネイル画像の移動、縮小が早い場合、例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、縮小し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒未満に相当する速度以上の場合にスピード優先リサイズ処理によりリサイズを行う。
【0084】
以上の選択処理を図9を用いて説明する。例えばリモコン10からの速度指示値をCPU1が判別すると、CPU1は表示するサムネイル画像を決定し、各サムネイル画像に対する表示サイズ及び表示位置の決定を行う(ステップS141)。
次に、速度指示値が所定のスピード以上であるか否かを判断し(ステップS142)、所定のスピード以上であればスピード優先リサイズ処理を行う(ステップS143)。一方、所定のスピード未満であれば画質優先リサイズ処理を行う(ステップS144)。リサイズ処理が終了したら、各サムネイル画像を所定の位置に対応するDRAM2の領域に描画(転送)する(ステップS145)。次フレーム以降についても同様にステップS141〜S145の処理を繰り返し行う。
【0085】
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態においては、リモコン10により指示された速度指示値に応じて2つのリサイズ方法を切り替えたが、本実施形態においては表示サイズによって切り替えることを特徴とする。
すなわち、ユーザーが、リモコン操作により、サムネイル画像の過去方向に検索(ズームイン)しようとする場合、ディスプレイに表示されるサムネイルは中心から外周側に向かって移動し、かつ徐々に大きくなる。
【0086】
つまり、中心近くのサムネイル画像は小さく、ディスプレイの周辺部に表示されているサムネイル画像は大きい。
このディスプレイの周辺部に表示されているサムネイル画像表示に、上述した画質優先リサイズ処理を行う。
【0087】
例えば、サムネイルサイズが96*72ピクセル以上の場合は先の実施形態で説明した画質優先リサイズ処理を行い、それ以下の場合はスピード優先リサイズ処理をする。
そうすることで、すべてのサムネイル画像に対し画質優先リサイズ処理を行った場合に比べて、リサイズに必要な処理量が減り、高価で複雑な高速なリサイズ処理を行う手段を持つ必要がない。例えばCPU1のソフトウエア処理によるリサイズが可能になる。
【0088】
小さい表示サイズのときに単純な間引きによる縮小を行うことで、元のサムネイル画像データの全画素をアクセスする必要がなくなり、図1におけるバス9の使用率を減らすことができ、外部記憶装置44からのデータ転送、圧縮伸張処理部5のJPEG解凍等の処理でのバス9の使用率を上げることができる。つまり、単位時間に検索できるサムネイル画像を増やすことができる。
また、画像品位の目立つ大きなサムネイル画像では高品位なリサイズを行うので、高画質な画像表示装置となる。
【0089】
図10は、本実施形態によるリサイズ処理切り替え処理を説明するフローチャートである。リモコン10からの速度指示値をCPU1が判別すると、CPU1は表示するサムネイル画像を決定し、各サムネイル画像に対する表示サイズ及び表示位置の決定を行う(ステップS151)。
【0090】
次に、表示対象となっているサムネイルの1つについて、表示サイズが所定サイズ(96*72ピクセルとする)を超えるか否かを判断し(ステップS152)、所定のサイズを超えない場合はスピード優先リサイズ処理を行う(ステップS154)。一方、所定のサイズを超える場合は画質優先リサイズ処理を行う(ステップS153)。リサイズ処理が終了したら、サムネイル画像を所定の位置に対応するDRAM2の領域に描画(転送)する(ステップS155)。そして表示対象となっているサムネイルすべてについてDRAMへの描画が終了したかを判別し(ステップS156)、未描画の表示対象サムネイルがある場合にはステップS152へ戻り、すべての表示対象サムネイルの描画処理が終了したらフレーム表示処理を終了する。次フレーム以降についても同様にステップS151〜S156の処理を繰り返し行う。
【0091】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は移動速度に応じて表示サイズの変化量を調整するとともに、前回表示時とのサイズ差に応じてリサイズ処理を省略することを特徴とする。
【0092】
ユーザーが、リモコン操作により、サムネイル画像の過去方向に検索(ズームイン)しようとする場合、ディスプレイに表示されるサムネイルは中心から外側に向かって移動し、かつ徐々に大きくなる。
【0093】
リモコンには速度コントロールレバーがついており、このレバーの位置により検索方向、検索速度が決定される。つまり、レバーの位置に応じて、ディスプレイに表示されるサムネイルの移動速度、大きさの変化速度が変わる。速度コントロールレバーの速度調整段階は、高速、低速の2段階でもよいし、最低即と最高速の間を所定段階に区切っても、連続的に変化するように構成してもよい。
【0094】
例えば、速度コントロールレバーが高速と低速の2段階の位置を有し、速度コントロールレバーが低速の場合、ディスプレイに表示されるサムネイル画像は中心からゆっくり外周側に移動する。また、徐々にサムネイル画像の表示サイズが大きくなる。
【0095】
本実施形態においては、低速に移動する場合は、表示するサイズの種類を多くする。例えば、元サムネイル画像サイズの10%から5%刻みで200%まで、10%,15%,…、195%,200%といった大きさ画像を表示する。
例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、拡大し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒以上に壮とする速度以下の場合には、表示サイズを細かい刻みサイズで変更する。
【0096】
逆にサムネイル画像の移動、拡大が早い場合、例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、拡大し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒未満に相当する速度以上の場合には、サムネイルの表示サイズの種類を少なくする。例えば、元サムネイル画像サイズの10%から20%刻みで200%まで、10%,30%,…,170%,190%といった大きさ画像を表示する。
このとき、サムネイル画像の表示位置は元来の表示法則に則り、変化させる。つまり、前のフレームで表示したあるサムネイルの画像は次のフレームでは大きさが変わらず、表示位置だけを移す場合がでてくる。そうすることで、人間の目にはリサイズ処理を省略していることがわかりにくくなる。
【0097】
このとき、画像の大きさを変化させる必要がないので、リサイズ処理は行わず、表示用メモリの該当サムネイルデータの位置を次のフレームでの表示位置に移動するだけで済む。すなわち、前回表示した際のサイズを記憶し、今回表示するサイズと変化がなければリサイズ処理を行わない。その結果、高速で移動しているときのリサイズ処理の負荷が減る。
また、同様にユーザーが、リモコン操作により、サムネイル画像を未来方向に検索(ズームアウト)しようとする場合、ディスプレイに表示されるサムネイルは外側から中心に向かって移動し、かつ徐々に小さくなる。
【0098】
この場合も例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、縮小し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒以上に相当する速度以下の場合に細かい刻みサイズで表示する。
また、サムネイル画像の移動、縮小が速い場合、例えば、あるサムネイル画像がディスプレイに表示されてから移動、縮小し、ディスプレイに表示されなくなる時間が3秒未満に相当する速度以上の場合には、あらい刻みサイズのサムネイル画像を表示する。
【0099】
以上の選択処理を図11を用いて説明する。例えばリモコン10からの速度指示値をCPU1が判別すると、CPU1は表示するサムネイル画像を決定し、各サムネイル画像に対する表示サイズ及び表示位置の決定を行う(ステップS161)。
【0100】
次に、速度指示値が所定のスピード以上であるか否かを判断し(ステップS162)、所定のスピード以上であれば表示サイズの変更を20%刻みに設定する(ステップS163)。一方、所定のスピード未満であれば表示サイズの変更を5%刻みに設定する(ステップS164)。そして、前フレームで表示したサイズと表示サイズが変化したか否かを判別する(ステップS165)。前回のサイズと同一であれば、リサイズ処理を行わず、前回表示したのと同じサムネイル画像を表示位置のみを変化させてDRAM2に描画する(ステップS167)。一方、前回と表示サイズが変化した場合には、リサイズ処理、DRAM2への描画処理を行う(ステップS166)。この際、前述の画質優先リサイズ処理とスピード優先リサイズ処理のいずれを選択してもよい。どちらかに固定して用いてもよいし、前述の第1の実施形態における移動速度による選択や第2の実施形態による表示サイズによる選択によっていずれかの方法を動的に選択するようにしてもよい。
【0101】
描画処理が終了したら、表示対象となっているサムネイルすべてについてDRAMへの描画が終了したかを判別し(ステップS168)、未描画の表示対象サムネイルがある場合にはステップS162へ戻り、すべての表示対象サムネイルの描画処理が終了したらフレーム表示処理を終了する。次フレーム以降についても同様にステップS161〜S168の処理を繰り返し行う。
【0102】
【他の実施形態】
なお、上述の実施形態においては画像圧縮型式としてJPEG型式を用いた場合を説明したが、本発明においてはその他のいかなる画像圧縮型式を用いてもよい。その場合は、画像圧縮伸張部5が対応する圧縮伸張処理を行うように構成される。
【0103】
また、リモコン10は直接本発明の表示装置に接続される型式でも、無線によるコマンド送信を行う型式でもよい。その場合には、表示装置に無線通信用のインタフェースを設ければよい。
【0104】
また、上述の実施形態においては横長のサムネイル画像についてのみ説明したが、縦長のサムネイル画像が存在してもよいことは言うまでもない。この場合、大きさの判別については縦横のピクセル数の両方を所定のピクセル数と比較して判断するように構成すればよい。
【0105】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェイス機器,リーダ,プリンタ,ディスプレイなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、表示機能を有する装置,複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0106】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,外部記憶装置4OM,外部記憶装置4,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、サムネイル表示サイズ、移動速度に応じて、リサイズ方式を変えることにより以下の効果がある。
【0112】
まず、リサイズに必要な処理量を減らすことが可能なので、安価なリサイズ処理ブロックを用いることができる。また、リサイズ処理をCPUによるソフトウエア処理で実施することが可能となる。
【0113】
そして、リサイズの必要なバス占有率を下げることができ、その他の処理を高速にすることができる。つまり、外部記憶装置4等の外部記憶装置からのデータ読み出しを高速に行うことが可能になり、また、JPEG解凍処理量を増やすことができ、単位時間当りに検索(表示)できるサムネイル画像を増やすことが可能になる。
【0114】
第1の実施形態のように、サムネイル画像の拡大・縮小処理を行うに際して、高速移動時には意味のない高品位なリサイズではなく処理量の少ないリサイズを行い、低速時には高品位なリサイズを行うことで、高価な複雑な高速リサイズ処理を行う手段を持つ必要がない。
【0115】
例えば、CPUにこれらリサイズ処理を行わせる場合、低速時には単位時間に検索するサムネイル数が減少するので、これら画像データを外部記憶装置4から読み出す総データ量が減少し、また、JPEG解凍する量も減る。そのためCPUの負荷が減り、複雑ではあるが高品位なリサイズを処理することができる。
【0116】
逆に、高速時にはリサイズ処理が著しく減少するので、多くの画像データを外部記憶装置から読み出すことができ、多くの画像データに対するJPEG伸張処理が可能となる。
【0117】
また、第2の実施形態のように、サムネイル画像の表示サイズに応じて、リサイズ方法を変えることにより、すべてのサムネイル画像に対し画質優先リサイズ処理を行った場合に比べて、リサイズに必要な処理量が減り、高価で複雑な高速なリサイズ処理を行う手段を持つ必要がない。例えばCPUのソフトウエア処理によるリサイズが可能となる。
【0118】
小さい表示サイズのときに単純な間引きによる縮小を行うことで、元のサムネイル画像データの全画素をアクセスする必要がなくなり、バス9の使用率を減らすことができ、外部記憶装置4からのデータ転送、圧縮伸張処理部5のJPEG解凍等の処理でのバス9の使用率を上げることができる。つまり、単位時間に検索できるサムネイル画像を増やすことができる。
また、画像品位の目立つ大きなサムネイル画像では高品位なリサイズを行うので、高画質な画像表示装置となる。
【0119】
また、第3の実施形態のように、ディスプレイに表示されているサムネイル画像の移動、拡大・縮小速度に応じて、表示するサムネイル画像サイズの刻み幅を変えることで以下の効果がある。
【0120】
移動速度が速く、単位時間に表示するサムネイル画像枚数が多い場合でも、リサイズ処理の負荷が少ないので、より多くのサムネイル画像を表示することが可能。そのため、移動、つまり検索の速度を向上することができる。
【0121】
また、人間のめは画像が速く動いているときに比べてゆっくり動いているときの方が画像をしっかりと認識できる。本実施形態では、移動速度が低い場合には細かい刻みでサイズ変更しているので、見た目に滑らかな画像表示が可能である。つまり、人間の目に付く低速移動時には滑らかなサイズ変更、移動で表示する。高速移動時には表示サイズ変更を粗くしても人間の目にはわかりづらい。
【0122】
このように、サムネイル画像の拡大・縮小処理を行うに際して、高速移動時にはリサイズ処理を減らし、低速時には適正なリサイズ処理を行うことで、高価で複雑な高速なリサイズ処理を行う手段を持つ必要がない。
【0123】
例えば、CPUにこれらリサイズ処理を行わせる場合、低速時には単位時間に検索するサムネイル数が減少するので、これら画像データを外部記憶装置4等外部記憶装置から読み出す総量が減少、また、JPEG解凍する量も減る。そのため、CPUの負荷が減り、複雑ではあるが高品位なリサイズを処理することができる。
【0124】
逆に、高速時にはリサイズ処理が著しく減少するので、多くの画像データを外部記憶装置から読み出すことができ、多くの画像データに対してJPEG伸張処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像表示装置の主要ブロック図である。
【図2】本発明の画像表示装置における画面表示例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるデータ量変化を示す図である。
【図4】サムネイル画像の画素並びを示す図である。
【図5】画質優先リサイズ処理におけるフィルタ係数例を示す図である。
【図6】サブサンプリング動作を説明する図である。
【図7】サブサンプリング動作を説明する図である。
【図8】初期表示動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態におけるリサイズ処理選択動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるリサイズ処理選択動作を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるリサイズ処理選択動作を説明するフローチャートである。
【図12】従来の画像表示装置の画面表示方法を説明する図である。
【図13】図12に示す画像表示方法におけるズーム動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 CPU
2 DRAM
3 DMAコントローラ
4 外部記憶装置4
5 画像圧縮伸張処理部
6 リサイズ処理部
7 ビデオエンコーダ
8 表示部
10 リモコンユニット

Claims (5)

  1. 数の画像をその表示位置と対応する表示サイズ表示する画像表示装置であって、
    前記複数の画像の移動速度を指定する指定手段と、
    前記指定された移動速度で、前記複数の画像の表示位置を移動させる移動手段と、
    前記複数の画像の元画像データを、前記移動手段による移動先の表示位置と対応する表示サイズにリサイズするリサイズ手段とを備え、
    前記リサイズ手段は、前記移動速度が所定速度以下であるときは、前記移動速度が前記所定速度より大きいときよりも、処理にかかる時間が長いリサイズ方法を用いて前記リサイズを行うことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記リサイズ手段が、前記移動速度が前記所定速度以下であるときに用いるリサイズ方法は、前記元画像データの補間処理およびリサンプリング処理を含むことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 複数の画像を、その表示位置と対応する表示サイズで表示装置に表示する画像表示方法であって、
    前記複数の画像の移動速度の指定を受け付ける指定ステップと、
    前記受け付けた移動速度で、前記複数の画像の表示位置を移動させる移動ステップと、
    前記複数の画像の元画像データを、前記移動ステップによる移動先の表示位置と対応する表示サイズにリサイズするリサイズステップとを備え、
    前記リサイズステップでは、前記移動速度が所定速度以下であるときは、前記移動速度が前記所定速度より大きいときよりも、処理にかかる時間が長いリサイズ方法を用いて前記リサイズを行うことを特徴とする画像表示方法。
  4. 前記リサイズステップにおいて、前記移動速度が前記所定速度以下であるときに用いるリサイズ方法は、前記元画像データの補間処理およびリサンプリング処理を含むことを特徴とする請求項3記載の画像表示方法。
  5. コンピュータを、請求項1又は請求項2記載の画像処理装置の各手段として動作させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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