JP4328140B2 - 自動車用空気分配デバイス - Google Patents

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  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Duct Arrangements (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気流入用の吸気ダクトと、空気流出用の複数の吹き出しダクトと、吸気ダクトから様々な吹き出しダクトに入る空気の流れを分配するために設計された手段とを持ったボディを備えたタイプの、自動車用空気分配デバイスに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するための手段】
本発明の目的は、簡単且つ軽量な構造であり、全体として小さな寸法であるが、効率的で信頼性の高い動作を特徴としている上述したタイプのデバイスを提供することである。
【0003】
上記目的を達成するために、第一の観点によれば、本発明の主題は、自動車用空気分配デバイスであって、空気流入用の吸気ダクトと、空気流出用の3つの吹き出しダクトと、前記吸気ダクトから来る空気の流れを摂動させる手段を備えたボディを含んでなり、前記手段は、第一、第二、又は第三の吹き出しダクトへ選択的に空気の流れを、コアンダ効果によって偏在させる3つの異なった動作位置を有する。
【0004】
コアンダ効果は知られており、暫くの間研究された。この現象の結果、ダクトの吹き出し口からの異なった距離でセットされた2つの側壁を有する拡大チャンバに分配するダクトから来る流れは、吹き出し口に対してより近い壁に従う傾向がある。
【0005】
本発明の好ましい実施形態において、吸気ダクトは、第一チャンバに分配する口を有している。第一チャンバは、前述の口に対して真正面の第一側壁と、第一壁に対向し且つ口から遠く離れた第二側壁と、を有している。前記第一吹き出しダクトは、第一チャンバの前記第一側壁の延長上にセットされた側壁を有する。前記摂動手段は、第一の動作位置を有する。前記手段が動作していないので、吸気ダクトから来る空気の流れが、コアンダ効果により、第一チャンバの前述の第一壁、およびその延長上にセットされた第一吹き出しダクトの側壁に従い、その結果、流れは前記第一吹き出しダクトの中へ送られる。
【0006】
前と同じように、前述の好ましい実施形態の場合には、摂動手段は第二の動作位置を有している。第二の動作位置では、前記第一壁から空気の流れを引き離して、コアンダ効果によって前述の第二吹き出しダクトに偏在しやすくなるように、摂動手段は第一チャンバの前記第一側壁上に突起を形成する。第二吹き出しダクトは、第一チャンバの前記第二壁の延長上に実質的にセットされた壁を有している。
【0007】
前と同じように、前述の好ましい実施形態の場合には、前述の第一チャンバは、第二チャンバの中に開いている第二の口によって第一吹き出しダクトと連通している。第二チャンバは、第一吹き出しダクトの前述の側壁と第一チャンバの第一側壁とをつなぐ壁と、前記第二の口から離れてセットされた第二側壁とを有している。第二チャンバは、第三の動作位置を有する前記摂動手段を、第三吹き出しダクトの側壁の中に延長する。第三の動作位置では、前記側壁から空気の流れを引き離して、第二チャンバの第二壁に向けてその結果前記第三吹き出しダクトに偏在しやすくなるために、摂動手段は前記第二チャンバの前記第一側壁上に突起を形成する。
【0008】
前と同じように、前述の好ましい実施形態の場合には、前述の摂動手段は、好ましくは、揺動部材を含む。揺動部材は、デバイスのボディ上で振れるように、取り付けられており、前記第一チャンバの第一壁の、および前記第二チャンバの第一壁の、それぞれのスリットから突出するように設計された対向端部分を有する。
【0009】
本発明の他の観点によれば、前述の吸気ダクトは、コンベヤからの空気の流れを受け入れる。1つ以上の加熱エレメントがコンベヤの中に配置される。前記特徴は、分配デバイスがちょうど2つの吹き出しダクトであり、偏在手段が考えられている場合を参照して、本発明によって保護される。偏在手段は摂動を作り出すための手段または空気の通過用のダクトの幾何形状の変更のために設計された手段であってもよい。後者の手段は、コアンダ効果によって空気の流れを偏在させるために設計されている。
【0010】
本発明の他の観点によれば、2つ以上の吹き出しダクトを備えた分配デバイスを考えることは可能である。前記ダッシュボード上に設けられた空気吹き出し口に向けて空気を分配するために、分配デバイスは、1つ以上の動作位置を有するとともに自動車ダッシュボードに組み入れられた、空気の流れを摂動させるための手段を用いる。
【0011】
本発明のさらに特徴および利点は、単に非限定的な例として提供されている添付図面を参照して、以下の説明から明確になるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜3を参照すると、参照符号1は、全体として、ボディ2を含む自動車空気調和組立品を示す。ボディ2内には、空気が流れるための吸気ダクト3が形成されている。ダクト3は、口3Aによって拡大チャンバ4に分配する。チャンバ4は、口3Aの真正面に位置する第一壁4Aと、第一壁4Aに対向する第二壁4Bとを有している。第二壁4Bは口3Aから遠く離れて位置している。チャンバ4は、第二の口4Cによって第二チャンバ5に分配する。
【0013】
デバイスは、第一吹き出しダクト6、第二吹き出しダクト7および第三吹き出しダクト8を備える。チャンバ5は、口4Aの真正面に位置する第一壁5Aと、口4Bから遠く離れて位置する第二側壁5Bとを有している。さらに図面から分かるように、第一吹き出しダクト6は、側壁6Aを有している。側壁6Aは、第二チャンバ5の側壁5Aの延長上、および第一チャンバ4の側壁4Aの延長上にセットされている。後者すなわち第一チャンバ4の側壁4Aは、吸気ダクト3の側壁に対応する側壁の延長上にセットされている。図1〜3から分かるように、前記壁は湾曲したパターンに従って、一方の壁が他方の壁の延長上にあるようにセットされている。
【0014】
デバイスは、揺り軸部材9から成る、流れを摂動させるための要素を備えている。揺り軸部材9は、デバイスのボディ2上の軸10を中心にして振れるように取り付けられている。揺り軸部材9は、チャンバ4の第一側壁4A及びチャンバ5の第一側壁5Aで作られたそれぞれのスリットから突出するように設計された端部分10A,10B(図2および3を参照すること)を有している。それについての理由は、以下のことから明確になるであろう。
【0015】
摂動部材9は、3つの異なった動作位置を取るように設計されている。3つの動作位置は、第一吹き出しダクト6(図1)に、あるいは第二吹き出しダクト7(図2)に、あるいは第三吹き出しダクト8(図3)に、吸気ダクト3から来る流れを偏在させるためのものであり、図1,2および3にそれぞれ図示される。
【0016】
図1は、中間位置に相当する第一の動作状態にある摂動部材9を図示する。第一の動作状態において、摂動部材9の2つの端部分10A,10Bのいずれもが、それぞれの壁から突出していない。前記状態において、流れは、壁4A,壁5Aおよび壁6Aによって形成された湾曲した壁に従い続ける傾向がある。チャンバ4に分配する流れが、吹き出し口3Aに近い側壁に従い続ける傾向がある限りでは、このことがコアンダ効果によって起こる。また、流れが第二チャンバ5に口4Aを通じて分配するときに、同じことが起こる。
【0017】
上記状態及び図1に図示した状態から開始するとき、摂動部材9は、図2および3に図示された2つの端位置の一方又は他方に振るために作られる。図2に図示された位置の場合には、端部分10Aはチャンバ4の第一側壁4Aから突出する。その結果、コアンダ効果によって、空気の流れを壁4Aから引き離して、第二吹き出しダクト7の方に空気の流れを必然に引き込ませて、壁4Bに隣接しているチャンバ4の一部に負圧11の領域を必然的に生成する。
【0018】
図3は、反対の状況を図示する。図3において、端部分10Bが壁5Aから突出している。その結果、空気の流れを前記壁から引き離して、吹き出しダクト8の方に必然的に引き込ませて、壁5Bに隣接しているチャンバ5の一部に負圧12の領域を必然に生成する。
【0019】
図面に示された特徴によれば、コンベヤ13は、デバイスのボディ2の中で一周する。コンベヤ13は、空調システムの一部を形成する蒸発器15だけでなく、空気の流れを加熱するための加熱エレメント14も含んでいる。
【0020】
コアンダ効果による偏在手段および加熱エレメントの両方を組込む空調組立品の準備は、上記3つの吹き出しダクト、及び対応する摂動揺り軸部材の準備と無関係に、本発明の主題を形成する。
【0021】
図4および5は、複数の吹き出しダクト20を有する空調組立品の実施形態の具体例を図示する。吹き出しダクト20は共通の吸気ダクト21から2つずつ分岐する。吸気ダクト21はコンベヤ22によって空気を受け入れる。ファン組立品23がコンベヤ22に関係している。蒸発器24および複数の個別加熱要素25がコンベヤ22に挿入される。その各々が、各吸気ダクト21を制御する。図2は、4つの吸気ダクト21のちょうど2つを図示している。各吸気ダクト21に対して、それに関係した2つの吹き出しダクトに空気を分配することは、チャンバ28の1つの側にある窓27を開閉するように設計されたローラー形の開閉要素から成る流体デバイス26によって制御される。チャンバ28に吸気ダクト21を分配し、チャンバ28から2つの吹き出しダクト20を分岐する。開閉要素26が窓27を閉じた状態にするものであるとき、吸気ダクトから来る流れは、吸気ダクト21の口に接近しているチャンバ28の側壁に従い続ける傾向がある。窓27が開いているときに、ダクト21の吹き出し口に近い側壁は、対向壁になる。その結果、流れは第二吹き出しダクトに偏在する。上に記載された種類のローラー形の流体要素が、現在の出願中の国際特許出願の中に既に図示されていることは、注目されるべきである。それは本願を出願するときにはまだ秘密であった。図4は、モータ組立品30を図示する。モータ組立品30は、例えば前述の国際特許出願に示したタイプの機構によって、2つのローラー形の開閉要素26の角度の位置を制御する。それは、本発明の主題を形成しない。
【0022】
最後に、図6および7は、本発明の第三実施形態を図示する。第三実施形態は、この場合、自動車のダッシュボード上に整列配置された吹き出し口に空気を分配するために適用される。前記図では、参照符号40は、自動車ダッシュボードを示し、横断面図で図示されて、自動車の長さ方向に平行な鉛直面である。空気が流れるための吸気ダクト41がダッシュボードのボディの内部に設けられている。吸気ダクト41は口42によってチャンバ43に分配する。自動車の風防45の真下には、チャンバ43からダッシュボード40の上面に分配する第一吹き出しダクト44と、運転者に面するダッシュボードの正面壁上にセットされた空気混和口47に空気の流れを導く第二吹き出しダクト46とが分岐している。
【0023】
吸気ダクト41に分配するチャンバ43は、口42に隣接している側壁48と、それに対向する側壁49とを有している。側壁49は、代わりに、口41から遠く離れている。湾曲可能なフィン48Aが壁48に組み入れられている。フィン48Aは、図6に図示された、チャンバ43の内部に突出していない非動作状態と、図6で破線で図示された、前記チャンバの中に突出した動作状態との間に位置することができる。第一の状態で、ダクト41から来る流れは、それに接近した壁48に従い続ける傾向がある。その結果、その流れはダクト46に偏在する。代わりに、フィン48Aが破線で図示された動作状態にあるときに、それは、流れを壁48から引き離して、対向壁の方に、および吹き出しダクト44の内部に必然的に引き込ませる。2つの動作位置の間でのフィン48Aの位置は、いずれかの方法で、例えばカム手段(不図示)で、得られる。
【0024】
図7は、フィン48Aの配置が異なっていることを除けば、図6と実質的に似ている。フィン48Aは、この場合、吸気ダクト41に面するアンカー固定領域を有している。前記配置で、類似的に調整することを考えることが可能である。つまり、空気の全ての流れがダクト46に入る第一の極端な状態と、空気の全ての流れがダクト44に入る第二の極端な状態との間で、2つのダクトに分配された空気の量を連続的に調節する可能性がある。この形状では、実際に、ジェットは、コアンダ効果によって壁48に付着し続ける傾向がある。
【0025】
もちろん、本発明の原理を失うことなく、構造の詳細および実施形態は、単なる具体例として本願明細書に記載され且つ図示されたことを参照して、本発明の範囲から逸脱することなく、広く変形させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なった動作状態での、本発明に係るデバイスを組込んでいる自動車空気調和アセンブリーの横断面図を示している。
【図2】 異なった動作状態での、本発明に係るデバイスを組込んでいる自動車空気調和アセンブリーの横断面図を示している。
【図3】 異なった動作状態での、本発明に係るデバイスを組込んでいる自動車空気調和アセンブリーの横断面図を示している。
【図4】 自動車空気調和アセンブリーに組み込まれた本発明に係るデバイスの第二実施形態の斜視図である。
【図5】 自動車空気調和アセンブリーに組み込まれた本発明に係るデバイスの第二実施形態の横断面図である。
【図6】 自動車ダッシュボードに組み込まれた本発明に係るデバイスの他の実施形態を示している。
【図7】 自動車ダッシュボードに組み込まれた本発明に係るデバイスの他の実施形態を示している。
【符号の説明】
1 自動車空気調和組立品
2 ボディ
3 吸気ダクト
4 チャンバ
4A 第一側壁
5 チャンバ
5A 第一側壁
6 第一吹き出しダクト
7 第二吹き出しダクト
8 第三吹き出しダクト
9 摂動部材
10A,10B 端部分
11 負圧
13 コンベヤ
14 加熱エレメント
15 蒸発器
20 吹き出しダクト
21 吸気ダクト
26 流体デバイス
27 窓
28 チャンバ
30 モータ組立品
40 ダッシュボード
41 吸気ダクト
43 チャンバ
47 空気混和口
48A フィン

Claims (1)

  1. 空気が流れるための吸気ダクト(3)と、空気を流出させるための3つの吹き出しダクト(6,7,8)と、前記吸気ダクト(3)から来る空気の流れを摂動させる摂動手段(9)とを備えるボディを含み、
    摂動手段(9)は、3つの異なった動作位置を有し、コアンダ効果によって、選択的に、第一吹き出しダクト(6)、第二吹き出しダクト(7)、又は第三吹き出しダクト(8)に空気の流れを偏在させ、
    前記吸気ダクト(3)が第一チャンバ(4)に分配する口(3A)を有し、前記第一チャンバ(4)が、前記口(3A)の真正面にある第一側壁(4A)と、第一側壁(4A)に対向し且つ口(3A)から遠く離れて位置する第二側壁(4B)と、を有し、
    前記第一吹き出しダクト(6)は、前記第一チャンバ(4)の第一側壁(4A)の延長上にセットされた側壁(6A)を有し、
    前記摂動手段(9)は、摂動手段(9)が非動作状態となる第一の動作位置を有し、その結果、吸気ダクト(3)から来る空気の流れは、コアンダ効果により、第一チャンバ(4)の第一側壁(4A)と、その延長上にセットされた第一吹き出しダクト(6)の側壁(6A)とに従い、その結果、空気の流れが第一吹き出しダクト(6)に送られ、
    前記摂動手段(9)は、第二の動作位置を有しており、第二の動作位置では、空気の流れを第一側壁(4A)から引き離して、コアンダ効果によって、第二吹き出しダクト(7)に偏在しやすくなるように、前記摂動手段(9)は、第一チャンバ(4)の第一側壁(4A)の上に突起を形成し、
    前記第二吹き出しダクト(7)は、第一チャンバ(4)の第二側壁(4B)の延長上に実質的にセットされた壁を有し、
    前記第一チャンバ(4)は、第二チャンバ(5)の中に開いた第二の口(4C)によって第一吹き出しダクト(6)と連通し、
    前記第二チャンバ(5)は、第一吹き出しダクト(6)の側壁(6A)と第一チャンバ(4)の第一側壁(4A)とをつなぐ第一側壁(5A)と、第三吹き出しダクト(8)の側壁の中に延長されて第二の口(4C)から離れてセットされた第二側壁(5B)と、を有しており、前記摂動手段(9)は第三の動作位置を有し、空気の流れを第一側壁(5A)から引き離して、第二チャンバ(5)の第二側壁(5B)の方に偏在しやすくして、その結果、第三吹き出しダクト(8)に偏在させるために、第三の動作位置において、前記摂動手段(9)は第二チャンバ(5)の第一側壁(5A)の上に突起を形成し、
    前記摂動手段は、揺動部材(9)を含み、揺動部材(9)がデバイスのボディ上で振れるように取り付けられており、前記第一チャンバ(4)の第一壁(4A)、および前記第二チャンバ(5)の第一壁(5A)のそれぞれのスリットから突出するように構成された対向する端部分(10A,10B)を有することを特徴とする、自動車用空気分配デバイス。
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