JP4326780B2 - クリップ取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリップ取付構造に関する。詳細には、クリップの一対の取付基部が、筒体(例えば、筆記具のキャップまたは軸筒)の外周面の略半周を包囲するタイプのクリップ取付構造に関する。尚、本発明で、「前」とは、筒体の頂部側(クリップ取付基部側)を指し、「後」とは、その反対側を指す。
【0002】
【従来の技術】
従来、特許文献1には、「軸筒後方における180°対称の位置に長手方向の透孔を一対穿設し、クリップの後方に軸筒の外側面とほぼ同形状の内側面を有する脚部を一体的に設け、該脚部の両側端に前記透孔より僅かに薄い肉厚で同透孔の長さより僅かに小寸法の舌片をそれぞれ一体的に折曲して設け、前記脚部を軸筒にあてがい押圧することにより、前記舌片を透孔に係合せしめてなるクリップ取り付け装置。」が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
実開平6−5990号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のクリップ取付構造は、クリップの取付強度が不十分であり、比較的厚みのある被挟持物をクリップに挿入した際、クリップ本体が持ち上げられると、クリップの脚部(本願の取付基部)が径方向外方に開き、透孔(本願の係合孔)から舌片(本願の取付片部)が外れてしまうおそれがある。
【0005】
また、前記従来のクリップ取付構造は、クリップを軸筒(本願の筒体)に取り付ける際、前記脚部のクリップの舌片が軸筒外面に当たり、軸筒外面を傷つけるおそれがある。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、比較的厚みを有する被挟持物を挿入した際に、クリップが筒体から外れたり取付基部がガタつくことを防止でき、さらには、クリップ取付時に筒体の外面を傷つけるおそれがないクリップ取付構造を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔1〕本発明は、クリップ1の一対の取付基部12の端部に、径方向内方に突出する一対の取付片部13を連設し、筒体2の側壁に、軸方向に延びる一対の係合孔22を設け、前記係合孔22に前記取付片部13を係合させたクリップ取付構造であって、前記係合孔22が、前記筒体2の側壁を径方向に貫通し且つ前記筒体2の前端より前方に開口し、前記係合孔22に前記取付片部13を前記筒体2の前端から挿入し、前記筒体2の内面に軸方向に延びるリブ23を設け、前記リブ23の両側面に軸方向に延びる係合溝23aを設け、前記クリップ1の一対の取付片部13の端部に、筒体2内面に沿った湾曲形状を有する一対の湾曲片部14を連設し、前記一対の湾曲片部14の内側縁部を前記リブ23の係合溝23aに係合させ、前記筒体2の頂部に頭冠3を取り付け、前記頭冠3の外面が、前記湾曲片部14の内面を径方向外方に支持してなること(請求項1)を要件とする。
【0008】
前記請求項1の「筒体2の内面に軸方向に延びるリブ23を設け、前記リブ23の両側面に軸方向に延びる係合溝23aを設け、前記クリップ1の一対の取付片部13の端部に、筒体2内面に沿った湾曲形状を有する一対の湾曲片部14を連設し、前記一対の湾曲片部14の内側縁部を前記リブ23の係合溝23aに係合させたこと」により、比較的厚肉の被挟持物の挿入によりクリップ1が持ち上げられた際、一対の取付基部12が径方向外方へ拡開変形することが抑えられ、取付片部13が係合孔22から外れるおそれがなく、安定したクリップ取付構造が得られる。
【0009】
さらに、「前記係合孔22が、前記筒体2の側壁を径方向に貫通し且つ前記筒体2の前端より前方に開口し、前記係合孔22に前記取付片部13を前記筒体2の前端から挿入すること」により、クリップ1を筒体2に取り付ける際、取付片部13及び湾曲片部14が筒体2の外面に接触することがなく、筒体2の外面を傷つけるおそれがない。
【0010】
記筒体2の頂部に頭冠3を取り付け、前記頭冠3の外面が、前記湾曲片部14の内面を径方向外方に支持してなることにより、クリップ1の湾曲片部14のガタつきが抑えられ、より一層、クリップ1が筒体2に強固に固定される。
【0011】
〕前記請求項1のクリップ取付構造において、前記一対の湾曲片部14の後端に、後方に突出する一対の突出片部14aを設け、前記筒体2の内面に一対の規制壁部24を突設し、前記規制壁部24と前記突出片部14aの外側縁部とを圧接させ、前記湾曲片部14の拡開変形を抑止してなること(請求項)が好ましい。それにより、さらに、クリップ1の湾曲片部14のガタつきが抑えられ、より一層、クリップ1と筒体2との強固な固定が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0013】
図1〜図7に本発明の一実施例を示す。本実施例のクリップ取付構造は、クリップ1と、筒体2と、頭冠3とからなる。
【0014】
・クリップ
前記クリップ1は、金属板からなり、クリップ本体1、取付基部12、取付片部13、湾曲片部14、及び玉部15が折曲により一体に連設されてなる。前記クリップ本体の前端には、一対の取付基部12が連設される。そして、前記取付基部12の各々の端部には、径方向内方に突出する一対の取付片部13が形成される。さらに、前記取付片部13の各々端部には、軸方向に延びる一対の湾曲片部14がクリップ本体11側に連設される。前記一対の湾曲片部14は、筒体2の内面に沿った湾曲形状を有する。また、前記各々の湾曲片部14の内側縁部(即ち湾曲片部14の対面側の側縁部)には、のこ歯状の凹凸部14bが形成される。さらに、前記湾曲片部14の後端部には、軸方向後方に突出する突出片部14aが設けられる。尚、前記取付基部12、取付片部13、及び湾曲片部14は、それぞれ、少なくとも1対、設ければよい。
【0015】
・筒体
前記筒体2は、筆記具のキャップであり、合成樹脂の射出成形により得られる。前記筒体2の前端部には、小径部21が設けられている。前記筒体2の前端部の側壁には、軸方向に延びる一対の係合孔22が、筒体2の中心に対する対称位置(具体的には180度の対称位置)に形成される。前記係合孔22は、軸方向前方に開口し且つ径方向に貫通される。前記係合孔22にクリップ1の取付片部13が筒体2前端より挿入される。そして、クリップ1の一対の取付基部12により、前記筒体2の外周面の略半周が包囲される。尚、前記筒体2は、キャップの他、筆記具の軸筒であってもよい。
【0016】
筒体2の前端部の内面(具体的には、筒体2の前端部のクリップ本体11側内面)には、軸方向に延びるリブ23が一体に突設される。前記リブ23は横断面T字状を有し、両側面に軸方向に延びる係合溝23aが形成される。前記リブ23の係合溝23aに、クリップ1の湾曲片部14の周方向の内側縁部が係合する。さらに、湾曲片部14の内側縁部に設けた凹凸部14bが、リブ23に食いつき係合され、クリップ1の軸方向の脱落が防止される。
【0017】
前記リブ23の後端部の周方向両側に僅かに間隔を置いた位置には、軸方向に延びる板状リブよりなる一対の規制壁部24が形成される。前記規制壁部24は、前記クリップ1の一対の湾曲片部14の突出片部14aの外側縁部と周方向に圧接し、湾曲片部14の拡開変形を抑止する。本実施例では、図4に示すように、前記一対の突出片部14aは、リブ23と規制壁部24との間に圧入され、それにより、より一層、強固な固定が可能となる。また、本実施例では、前記規制壁部24は、キャップ内に配置されるペン先シール部材4を保持するための放射状リブ25と一体に連設され、それにより、金型による成形を容易にする。
【0018】
・頭冠
前記頭冠3は、合成樹脂の射出成形により得られ、筒体2の頂部に固着される。前記頭冠3は、有底筒状の外筒部31と、該外筒部31内の頂壁34から後方に突設される一対の半筒状の脚片32とからなる。尚、前記脚片32は、少なくとも1対、設ければよい。
【0019】
前記外筒部31は、筒体2の前端部(即ち小径部21)の外面に被着される。前記脚片32は、クリップ1の湾曲片部14が挿入された筒体2の小径部21内に、前記リブ23をまたいで圧入される。前記一対の脚片32の外周面は、クリップ1の湾曲片部14の内面と径方向に圧接する。
【0020】
また、前記頭冠3の外筒部31には、軸方向後方に開口し且つ径方向に貫通する一対の長孔33が設けられる。前記長孔33は、頭冠3を筒体2に取り付けた際、筒体2の係合孔22と一致する位置に設けられ、前記長孔33にクリップ1の取付片部13が挿入される。
【0021】
【発明の効果】
請求項1により、比較的厚みを有する被挟持物を挿入した際にクリップが筒体から外れるおそれがなく、しかも、クリップ取付時に筒体の外面が傷つけられるおそれがない。
【0022】
請求項により、クリップの湾曲片部のガタつきが抑えられ、より一層、クリップが筒体に強固に固定される。
【0023】
請求項により、さらに、クリップの湾曲片部のガタつきが抑えられ、より一層、クリップと筒体との強固な固定が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す外観図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2のB−B線拡大断面図である。
【図5】(a)が図2のクリップの湾曲片部を示す要部外観図であり、(b)が図2の筒体内面のリブ及び規制壁部を示す要部縦断面図である。
【図6】図2のクリップの取付基部側を示す要部縦断面図である。
【図7】図6のクリップの取付基部側を前方から見た図である。
【符号の説明】
1 クリップ
11 クリップ本体
12 取付基部
13 取付片部
14 湾曲片部
14a 突出片部
14b 凹凸部
15 玉部
2 筒体
21 小径部
22 係合孔
23 リブ
23a 係合溝
24 規制壁部
25 放射状リブ
3 頭冠
31 外筒部
32 脚片
33 長孔
34 頂壁
4 ペン先シール部材

Claims (2)

  1. クリップの一対の取付基部の端部に、径方向内方に突出する一対の取付片部を連設し、筒体の側壁に、軸方向に延びる一対の係合孔を設け、前記係合孔に前記取付片部を係合させたクリップ取付構造であって、
    前記係合孔が、前記筒体の側壁を径方向に貫通し且つ前記筒体の前端より前方に開口し、前記係合孔に前記取付片部を前記筒体の前端から挿入し、前記筒体の内面に軸方向に延びるリブを設け、前記リブの両側面に軸方向に延びる係合溝を設け、前記クリップの一対の取付片部の端部に、筒体内面に沿った湾曲形状を有する一対の湾曲片部を連設し、前記一対の湾曲片部の内側縁部を前記リブの係合溝に係合させ、前記筒体の頂部に頭冠を取り付け、前記頭冠の外面が、前記湾曲片部の内面を径方向外方に支持してなることを特徴とするクリップ取付構造。
  2. 前記一対の湾曲片部の後端に、後方に突出する一対の突出片部を設け、前記筒体の内面に一対の規制壁部を突設し、前記規制壁部と前記突出片部の外側縁部とを圧接させ、前記湾曲片部の拡開変形を抑止してなる請求項1記載のクリップ取付構造。
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