JP4325960B2 - 架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物 - Google Patents

架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨材やコンクリート、金属、プラスチック等の各種基材との密着性に優れ、かつ靭性、耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性、速硬化性、作業時の取り扱い性が良好な架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各分野における接着剤用の樹脂としてはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アクリルシラップなどが用いられている。
【0003】
例えば、エポキシ樹脂は優れた耐薬品性と強度物性から、土木建築分野での接着剤として、床面と積層体の接着性を向上させるためのプライマーや、コンクリートのひび割れ補修材などとして広く用いられている。しかしながら、エポキシ樹脂の硬化反応は逐次重合であるため速度が非常に遅く、最終物性に到達するまでに常温で数日かかることがある。実際の問題としては冬場の低温条件では施工ができなかったり、水分の影響によって硬化性が影響されるため、工期が長くなってコスト高になることや、硬化不良によるクレームが発生することがある。
【0004】
また電子顕微鏡用試料を包埋し、試料をしっかり固定するための接着用樹脂としても使用されているが、硬化速度が遅いために作業効率が悪く、また樹脂中にハロゲン成分が含まれているためにハロゲンを検知するための分析には適していない。
【0005】
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂もプライマー、橋脚等のひび割れ補修材、覆鋼板表面にスリップ防止用骨材を保持させるための接着剤やコンクリートに杭を打ち込む際のアンカー接着剤として用いられている。これらの樹脂の場合、ラジカル重合によって硬化が進行するため最終到達物性に到るまでの速度は速いが、耐候性や耐アルカリ性が十分ではなく、耐久性に問題がある。
【0006】
アクリルシラップは(メタ)アクリレートの重合速度がスチレンよりも速いために、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂よりもさらに速硬化かつ低温硬化が達成される。また、ポリマーの構造の特徴として、耐候性が良好であり、かつ耐薬品性にも優れているが、得られる硬化物が架橋されていないため耐溶剤性、耐熱性や耐磨耗性に劣る。一方、架橋構造を持たせるために多官能重合性単量体を添加することも可能であるが、この方法では硬化物に堅脆い性質が出て靭性が低下する。コンクリートに接するような用途で、寒暖の差の大きい場所ではコンクリートの伸縮によるクラックなどが発生しないように、伸縮に追従できる靭性が必要であり、それを達成できる架橋していないアクリルシラップでは十分な耐溶剤性、耐熱性や耐磨耗性が得られない。橋脚等のひび割れ補修材、覆工板表面に骨材等を保持させるための接着剤としても同様の靭性や耐候性や、基材との密着性が必要である。
【0007】
耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性などを保持し、かつ高靭性を達成できる分子構造として側鎖に重合性二重結合を有するアクリル系重合体が考えられている。特開昭63−37112号公報にはそのような重合体が記載されているが、十分なカルボキシル基が含有されていないため、接着剤として必要な接着性が得られない。また、特開平8−217819号公報、特開平9−302010号公報、特開平10−139512号公報には、成形材料として、上記の側鎖に重合性二重結合を有するアクリル系重合体の技術が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は骨材やコンクリート、金属、プラスチック等の各種基材との密着性に優れ、かつ靭性、耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性、速硬化性、作業時の取り扱い性が良好な架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討の結果、本発明を完成させるに至った。
【0010】
請求項1記載の発明の架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物は、上記の課題を解決するために、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含み、(A)と(B)の少なくとも一方に、(A)と(B)の混合物1gに対してカルボキシル基を1×10-4モル〜30×10-4モル含有することを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明の架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の構成に加えて、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の二重結合1つ当たりの分子量が500〜20,000であることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明の架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物は、上記の課題を解決するために、請求項1または2記載の構成に加えて、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含む架橋性(メタ)アクリルシラップを構成する成分の50重量%以上が沸点140℃以上の成分であることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、骨材やコンクリート、金属、プラスチック等の各種基材との密着性に優れ、かつ靭性、耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性、速硬化性、作業時の取り扱い性が良好な架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物を提供することができる。
【0014】
以下に本発明の詳細を説明する。
【0015】
本発明において用いられる架橋性(メタ)アクリルシラップは、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含む混合物を意味する。
【0016】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の有する二重結合の量は、重合性二重結合の当量として、即ち重合性二重結合1つあたりの分子量で表現することができる。この重合性二重結合当量は、500〜20,000の範囲内であることが好ましく、3,000〜15,000の範囲内であることがより好ましく、4,000〜10,000の範囲内であることが最も好ましい。なお、上記の重合性二重結合当量は、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量/該重合体1分子に含まれる重合性二重結合の数により求められる。重合性二重結合当量が500未満であると、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を含む(メタ)アクリルシラップを硬化させて得られる硬化物にクラックが発生する場合があり、一方、重合性二重結合当量が20,000を超えると、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を含む(メタ)アクリルシラップを硬化させて得られる硬化物の耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性等の性能が低下する場合がある。
【0017】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)中に含まれるカルボキシル基の濃度は特に規定されるものではないが、(A)成分1g中に0.01×10-4モル〜60×10-4モルであることが好ましい。(A)中のカルボキシル基濃度が(A)成分1g中に60×10-4モルより大きくなると、樹脂の粘度が高くなって作業性が低下する。好ましくは、重合体1g中に0.01×10-4〜60×10-4モルである。
【0018】
さらに好ましくは、重合体1g中に1×10-4〜20×10-4モルであり、もっとも好ましくは、重合体1g中に3×10-4〜10×10-4モルである。その理由は以下である。カルボキシル基の濃度が高くなると、重合体(A)中の酸価が高くなり重合体(A)の粘度が高くなり、該重合体を含有する(メタ)アクリルシラップの粘度が高くなる場合がある。また、同様に、カルボキシル基濃度が低すぎると、酸価が低くなりすぎ、該重合体を含有する(メタ)アクリルシラップに揺変性が付与できない。また、カルボキシル基濃度が高くなると、重合体自身の耐水性も低くなり、該重合体を含有する(メタ)アクリルシラップの耐水性も低くなる方向である。本発明の接着剤組成物の所望の物性あるいは、その硬化後の塗膜や接着剤層の物性、またそれらのバランスを考慮し、重合体(A)中のカルボキシル基濃度を設定することができる。
【0019】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算での重量平均分子量が3,000〜1,000,000の範囲内が好ましく、5,000〜100,000の範囲内がより好ましく、10,000〜60,000の範囲内であることが最も好ましい。重量平均分子量が3,000未満であると、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を含む(メタ)アクリルシラップを硬化させた硬化物の性能が低下し、一方、重量平均分子量が1,000,000を超えると、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を含む(メタ)アクリルシラップの粘度が高くなり、硬化剤の混合や塗工等の作業性に支障をきたす場合がある。
【0020】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法としては、特に限定しないが、例えば(メタ)アクリル系重合体の合成時に官能基を有する不飽和単量体を共重合させることにより分子中に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体をまず合成し、続いてその官能基と反応性を有する別の官能基を有する重合性単量体を反応させることにより重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を得ることができる。
【0021】
反応性を有する2つの官能基の組み合わせの例としては、カルボキシル基とグリシジル基、カルボキシル基とヒドロキシル基、カルボキシル基とアミノ基、カルボキシル基とオキサゾリン基、カルボキシル基とアジリジン基、ヒドロキシル基と酸無水物、ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらの官能基の組み合わせのどちらの官能基を有する重合性単量体を(メタ)アクリル系単量体およびそれ以外の重合性単量体と共重合させるかは特に限定されない。ただし、(メタ)アクリル系重合体中に重合性二重結合とカルボキシル基の両方を含有させる場合には、カルボキシル基と重合性二重結合を導入するための官能基の反応性が高いと共重合中に重合体間の架橋結合が形成され、ゲル化する恐れがある。従って、そのような場合はカルボシキル基と反応性の低い官能基を持った重合性単量体を(メタ)アクリル系単量体、(メタ)アクリル系単量体以外の重合性単量体およびカルボキシル基含有の重合性単量体と共重合させた後、導入された官能基と反応性の高い官能基を有する重合性単量体と反応させて(メタ)アクリル系重合体中にカルボキシル基と重合性二重結合の両方を導入する方法が好ましい。さらに、反応の簡便性、利便性からは、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体の一部のカルボキシル基のみにグリシジル基を含む重合性単量体を反応させる方法が好ましい。
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の製造に用いられる単量体としては、従来公知の(メタ)アクリル系単量体が使用可能である。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレート、i―ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルコールのオリゴエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アリルアルコールのポリプロピレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の塩基性(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、 N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;エチルー2−シアノー3,5−ジフェニルアクリレート等の紫外線吸収性基を有する(メタ)アクリレート類、その他(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクロレイン等が使用できる。
【0022】
これらの(メタ)アクリル系単量体の使用量は重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する成分の50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることが更に好ましく、80重量%以上であることが最も好ましい。
【0023】
上記(メタ)アクリル系単量体以外に、それらと共重合可能な不飽和単量体も使用可能である。具体的には例えば、スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル等のアリル化合物; N−フェニルマレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド等のN−置換マレイミド類等を用いることができる。
【0024】
これらの(メタ)アクリル系単量体以外のそれらと共重合可能な不飽和単量体の使用量は、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する成分の50重量%未満であることが好ましく、30重量%未満であることが更に好ましく、20重量%未満であることが最も好ましい。
【0025】
前記した(メタ)アクリル系単量体と、必要により用いるそれ以外の不飽和単量体からなる重合性単量体成分を重合させることで、分子中に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体を合成することができる。
【0026】
上記重合性単量体成分を重合させる際には、重合開始剤を使用することが望ましい。上記の重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシオクトエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物; 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2-フェニルアゾ -2,4-ジメチル -4-メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。重合性単量体成分に対する重合開始剤の添加量等は、特に限定されるものではない。
【0027】
上記重合性単量体成分を重合させる際には、重合体の平均分子量等を調節するために、連鎖移動剤を添加するのがより望ましい。上記連鎖移動剤としては、重合性単量体成分の重合反応を極めて容易に制御できることから、チオール化合物が特に好適に用いられるが、特に限定されるものではなく、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素等を用いることもできる。上記チオール化合物としては、具体的には、例えば、t-ブチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグリコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス-(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス-(チオグリコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオン酸オクチル、1,4-ブタンジオールジ(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス-(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス-(β−チオプロピオネート)等のβ−メルカプトプロピオン酸アルキルエステル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら連鎖移動剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0028】
連鎖移動剤の使用量は、該連鎖移動剤の種類や(メタ)アクリル酸エステル等との組み合わせ等に応じて選択すればよく、特に限定されるものではないが、重合性単量体成分に対して 0.1重量%〜15重量%の範囲内が好適である。
【0029】
重合性単量体成分の重合方法については、特に限定されるものではないが、重合性単量体成分の重合を途中で停止させる方法、即ち、部分重合が好ましい。これにより官能基を有する(メタ)アクリル系重合体と未反応の重合性単量体成分との混合物が得られ、一段階で、分子中に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体と重合性単量体を含有する、本発明の(メタ)アクリルシラップを得ることができる。
また、重合性単量体成分の重合を途中で停止させる時期であるが、例えば上記製法の途中で、重合体と単量体の混合物であるアクリルシラップをサンプリングし、その固形分を測定することで所望の程度の部分重合したシラップを得ることができる。その固形分の範囲は特に限定しないが、例えばその好ましい固形分の範囲は、10〜90%である。より好ましくは20〜80%、さらに好ましくは30〜70%である。アクリルシラップの固形分が10%以下であると、接着剤用組成物の硬化時の塗膜や接着剤層の収縮率が大きくなるために、塗膜や接着剤層の残留歪みが大きく、硬化時にクラック等が発生したり、基材との密着性が低下することがある。また、90%以上だとアクリルシラップの粘度が大きくなり接着剤組成物とした時の塗工性等の作業性が低下する。この様な理由で上記固形分の範囲がより好ましい。
【0030】
また、重合性単量体成分の重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の重合方法が挙げられるが、塊状重合が特に好ましい。懸濁重合を採用する場合には、ポリビニルアルコール等の分散安定剤を用いて、水等の分散媒中に懸濁させればよい。上記の重合を行う際の反応温度や反応時間等の反応条件は、特に限定されるものではなく、例えば、公知の反応条件を採用することができる。尚、上記の重合は、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0031】
上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、一分子中に、重合可能な二重結合と、カルボキシル基とを含有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;これら不飽和ジカルボン酸のモノエステル;酸無水物のモノエステル等の長鎖カルボキシル基含有単量体等が挙げられる。
【0032】
上記の不飽和ジカルボン酸のモノエステルとしてはマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等が挙げられる。上記の酸無水物のモノエステルとしては、コハク酸モノエステル、フタル酸モノエステル、ヘキサフタル酸モノエステル等が挙げられる。これらカルボキシル基含有単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0033】
尚、上記の長鎖カルボキシル基含有単量体は、ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルのヒドロキシル基を、酸無水物でエステル化することによって得られる。上記酸無水物としては、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。上記のヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートへのε−カプロラクトン開環付加物または2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートへのγ−ブチロラクトンの開環付加物等を用いることができる。
【0034】
上記酸無水物と反応性を有する官能基を有する重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのε―カプロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのγ―ブチロラクトン開環付加物等のヒドロキシル基含有重合性単量体;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート等のアジリジン基含有単量体等が挙げられる。また上記酸無水物としては無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
【0035】
分子中に官能基を有する(メタ)アクリル系重合体と、その重合体中の官能基と反応性を有する別の官能基を有する重合性単量体を反応させて、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)を製造するにあたり、これらの官能基の組み合わせとして、カルボキシル基とグリシジル基を用いる方法においては、反応を迅速に進行させるためにエステル化触媒を用いることができる。上記触媒としてはトリエチルアミンなどアミン類、テトラエチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩類、トリフニルホスフィンなどのリン化合物など一般的によく用いられるものでよい。また、上記エステル化触媒は、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有する金属化合物(以下、単に金属化合物と記す)および/または4級ホスホニウム塩であることが好ましい。
上記金属化合物および/または4級ホスホニウム塩は、触媒活性が高く、主にカルボキシル基含有(メタ)アクリルシラップが有するカルボキシル基と不飽和エポキシ化合物との反応を促進することができ、また、得られる架橋性(メタ)アクリルシラップを着色させることがないので好ましい。より好ましくは、得られる架橋性(メタ)アクリルシラップのハーゼンが0〜200の範囲が好ましい。より好ましくは0〜150の範囲である。さらに好ましくは0〜100の範囲である。最も好ましくは0〜50の範囲である。また、上記金属化合物および/または4級ホスホニウム塩を用いることにより、エステル化触媒による得られる架橋性(メタ)アクリルシラップの貯蔵安定性の低下を防止することができるので好ましい。
【0036】
上記金属化合物としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有する無機金属化合物、オキソ酸金属塩、ポリオキソ酸金属塩、有機金属化合物、有機酸金属塩、金属錯塩等を用いることができる。
【0037】
上記無機金属化合物としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属の金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、金属ヨウ化物等の金属ハロゲン化物;金属酸化物、金属硫化物等の金属カルコゲン化物;金属窒化物;金属リン化物;金属砒化物;金属炭化物;金属ケイ化物;金属ホウ化物;金属シアン化物;金属水酸化物;金属塩化酸化物等を用いることができる。上記無機金属化合物としては、具体的には、塩化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫化スズ等が挙げられる。
【0038】
上記オキソ酸金属塩としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属の硫酸金属塩、硝酸金属塩、リン酸金属塩、ホスフィン酸金属塩、ホスホン酸金属塩、メタリン酸金属塩、ホウ酸金属塩、塩素酸金属塩、臭素酸金属塩、ヨウ素酸金属塩、ケイ酸金属塩等を用いることができる。上記オキソ酸金属塩としては、具体的には、硫酸スズ、リン酸亜鉛、硝酸ジルコニウム等が挙げられる。尚、オキソ酸金属塩には、リン酸水素亜鉛のような水素塩も含まれるものとする。
【0039】
上記ポリオキソ酸金属塩としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属のポリリン酸金属塩、ポリホウ酸金属塩、ポリニオブ酸金属塩、ポリタンタル酸金属塩、ポリモリブデン酸金属塩、ポリバナジン酸金属塩、ポリタングステン酸金属塩等を用いることができる。上記ポリオキソ酸金属塩としては、具体的には、ポリリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0040】
上記有機金属化合物としては、一般式(1)
M−(R)n …(1)
(上記式中、Mは、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、Rは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ等の有機基であり、nは1〜6の整数である。)で表される有機金属化合物を用いることができる。上記有機金属化合物としては、具体的には、ジエチル亜鉛、テトラエトキシジルコニウム等が挙げられる。
【0041】
上記有機酸金属塩としては、金属石鹸を用いることができる。上記金属石鹸としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属の脂肪酸金属塩(ラウリル酸金属塩、ミリスチン酸金属塩、パルミチン酸金属塩、ステアリン酸金属塩、オレイン酸金属塩等)、ナフテン酸金属塩、オクチル酸金属塩、スルホン酸金属塩、硫酸エステル金属塩、リン酸エステル金属塩等を用いることができる。上記金属石鹸としては、具体的には、オクチル酸亜鉛、ステアリンスズ等が挙げられる。
【0042】
上記有機酸金属塩は、金属石鹸以外であってもよい。金属石鹸以外の有機酸金属塩としては、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属の酢酸金属塩、安息香酸金属塩、サリチル酸金属塩、シュウ酸金属塩、酒石酸金属塩、乳酸金属塩、クエン酸金属塩等を用いることができる。金属石鹸以外の有機酸金属塩としては、具体的には、酢酸亜鉛、サリチル酸スズ等が挙げられる。
【0043】
上記金属錯塩としては、一般式(2)
M−(L)n …(2)
(上記式中、Mは、Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、Lは、アセチルアセトン等の配位子、nは1〜6の整数である。)で表される金属錯塩を用いることができる。上記有機金属化合物としては、具体的には、アセチルアセトン亜鉛等が挙げられる。
【0044】
上記4級ホスホニウム塩としてはテトラフェニルホスニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられるが、特にテトラフェニルホスホニウム塩が好ましい。
【0045】
上記エステル化触媒の使用量は、その種類やカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体との組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体 100重量部に対して、0.005重量部〜5重量部の範囲内が好ましく、 0.05重量部〜3重量部の範囲内がより好ましい。また、これらエステル化触媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0046】
上記エステル化反応を行う際には、重合禁止剤を共存させてもよい。上記重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、 tert-ブチルハイドロキノン等を用いることができる。上記エステル化反応を行う際には、溶媒を用いることができる。上記溶媒としては、水および/または有機溶媒を用いることができる。
【0047】
上記エステル化反応においてカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体、不飽和エポキシ化合物、および金属化合物を混合する順序や方法は、特に限定されるものではなく、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体と不飽和エポキシ化合物との反応時に金属化合物が存在していればよい。
【0048】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の製造方法としては上記のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体の一部のカルボキシル基のみにグリシジル基を含む重合性単量体を反応させる方法以外に、例えば、(メタ)アクリル系単量体、カルボキシル基を有する単量体、ヒドロキシル基を有する単量体を共重合させた後、有機錫化合物などのウレタン化触媒を用いてイソシアネート基を有する重合性単量体を重合体中のヒドロキシル基に反応させる方法、(メタ)アクリル系単量体、ヒドロキシル基を有する単量体を共重合させた後、不飽和酸無水物を重合体中のヒドロキシル基に反応させる方法等があるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
以上の方法により、エステル結合を介して重合性二重結合が導入された(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含み、さらに上記のエステル化触媒、(好ましくは Zn、SnおよびZrからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含有する金属化合物および/または4級ホスホニウム塩)を含む反応混合物が得られる。即ち、本発明の架橋性(メタ)アクリルシラップを含有する接着剤用組成物が得られる。
【0050】
重合性単量体(B)としては、先記の重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の原料として使用できる重合性単量体、すなわち(メタ)アクリル系単量体;スチレン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;アリル化合物; N−置換マレイミド類を適宜用いることができる。また、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート;不飽和ジカルボン酸およびそれらの酸の無水物;不飽和カルボン酸エステル類などのカルボキシル基を有する重合性単量体を含んでいてもよい。更に、硬化物の耐熱性・耐薬品性等の性能向上のため、多官能の重合性単量体を使用しても良い。多官能の重合性単量体の種類は特に限定されないが、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングエリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;エポキシ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の化合物が挙げられる。以上の重合性単量体は、それぞれ単独で、または2種類以上を併用して使用してもよい。
【0051】
これらの(メタ)アクリル系単量体およびそれ以外の重合性単量体は1種類のみを混合してもよく、また2種類以上を適宜組み合わせて混合してもよい。(メタ)アクリル系単量体に(メタ)アクリル系単量体以外の重合性単量体を混合する場合における両者の混合割合、すなわち上記単量体成分における(メタ)アクリル系単量体以外の不飽和単量体の含有率は(メタ)アクリル系単量体以外の不飽和単量体の種類や(メタ)アクリル系単量体との組み合わせにもよるが50重量%以下が好ましい。
【0052】
重合性単量体(B)が有するカルボキシル基の量は特に規定されるものではないが、(B)成分1g中に0.01×10-4モル〜100×10-4モルであることが好ましい。(B)成分中のカルボキシル基の量が(B)成分1g中に100×10-4モルより大きくなると、得られる架橋性(メタ)アクリルシラップの取扱い安全性が低下する。
【0053】
特に接着剤組成物の低臭気性を求められる用途または作業時の架橋性(メタ)アクリルシラップの皮張りを嫌う用途においては、例えば前記のアルコキシオリゴエチレン(またはプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等の、常圧(760mmHg)における沸点が140℃以上の、いわゆる高沸点重合性単量体を重合性単量体(B)として含有していることが好ましい。さらに好ましくは沸点が150℃以上の高沸点重合性単量体を、最も好ましくは沸点が180℃以上の高沸点重合性単量体を重合性単量体(B)として含有していることが好ましい。
【0054】
以上のような(A)成分と(B)成分を含む架橋性(メタ)アクリルシラップにおける高沸点成分、すなわち重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)中の高沸点成分の合計量は架橋性(メタ)アクリルシラップ全体の50%以上であることが好ましい。さらに好ましくは60%以上であり、最も好ましくは70%以上である。高沸点成分が50%以下である場合には架橋性(メタ)アクリルシラップを大気にさらすことによって皮張りしやすくなる。
【0055】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)との混合物が架橋性(メタ)アクリルシラップとなるが、このアクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)との混合割合は、良好な作業粘度と硬化塗膜の物性バランスの観点から(A):(B)=90/10〜10/90が好ましく、(A):(B)=70/30〜30/70がより好ましい。(A)の混合割合が90%を超えると、接着剤組成物の粘度が上昇し、硬化剤の混合や塗工等の作業性が低下する。また、(A)の混合割合が10%未満の場合は、硬化物が熱可塑性の傾向を示し、耐熱性や耐薬品性能が低下する場合がある。上記配合割合にて得られた架橋性(メタ)アクリルシラップは、通常は室温付近にて0.1〜100ポイズの粘度を有しており、用途に応じて重合性二重結合を分子内に複数個有するアクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)の配合割合を任意に変えることにより、所望の粘度に調製することが可能である。
【0056】
重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含む架橋性(メタ)アクリルシラップに含まれるカルボキシル基の量の上限は、(A)と(B)の混合物1gに対して30×10-4モル以下であることが好ましく、20×10-4モル以下であることが更に好ましく、15×10-4モル以下であることが最も好ましい。また、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含む架橋性(メタ)アクリルシラップに含まれるカルボキシル基の量の下限は、(A)と(B)の混合物1gに対して1×10-4モル以上であることが好ましく、2×10-4モル以上であることが更に好ましく、5×10-4モル以上であることが最も好ましい。上記カルボキシル基の量が(A)と(B)の混合物1gに対して1×10-4モル以下であると基材との密着性が十分でなく、また30×10-4モル以上であると硬化物の耐水性が低下しやすい傾向にある。
【0057】
また、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)中に含まれるカルボキシル基の量は特に規定されるものではなく、(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)の少なくとも一方に、(A)と(B)の混合物1gに対してカルボキシル基を1×10-4モル〜30×10-4モル含んでいればよい。必ずしも(A)と(B)の両方にカルボキシル基が含まれなくても性能上問題がないのは、本発明の架橋性(メタ)アクリルシラップ中の重合体が重合性二重結合を含有するため、重合体(A)の主成分と重合性単量体(B)の主成分が異なっていても最終硬化物が相分離を起こさないことに起因する。また、(A)と(B)に含まれるカルボキシル基の量の割合は特に限定されるものではない。ただし、カルボキシル基が重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)や重合性単量体(B)のどちらか一方に局在化すると架橋性(メタ)アクリルシラップの粘度が高くなり作業性が低下する場合がある。
【0058】
だから、本発明においては、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)中に含まれるカルボキシル基の量(モル/1gの(A))と重合性単量体(B)中に含まれるカルボキシル基の量(モル/1gの(B))の比が100〜0.001であることが好ましく、10〜0.1であることが更に好ましく、5〜0.2であることが最も好ましい。
【0059】
さらに、本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、硬化触媒、紫外線吸収剤、各種熱重合抑制剤、レベリング剤、増粘剤、減粘剤、チキソトロピー付与剤、艶消し剤、着色顔料、希釈剤、充填材、強化材、熱可塑性樹脂等を含んでいてもよい。また、他の重合性樹脂、例えばアクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂を含んでいても良い。
【0060】
上記の硬化触媒としては、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシオクトエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物; 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2-フェニルアゾ -2,4-ジメチル -4-メトキシバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら硬化触媒は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。単量体成分に対する硬化触媒の添加量等は、特に限定されるものではない。
【0061】
また、紫外線吸収剤としては、市販の物を添加することが可能である。例えば、ベンゾトリアゾール類、ベンゾエート類、シアノアクリレート類、ベンゾフェノン類、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル類;TINUVIN 770,123,144,622(以上、Ciba Geigy社製品名)、SANOL LS−770,765,292,2626(以上、三共(株)製品名)、アデカスタブ LA−52,57,62(以上、旭電化(株)製品名)等のヒンダードアミン類が使用可能である。
【0062】
このようにして得られた本発明の接着剤用組成物は、木材、紙、パーティクルボード、金属、プラスチック、ガラス、コンクリート、アスファルト、セラミック等各種基材用接着剤に利用することができ、具体的には床面と積層体の接着性を向上させるためのプライマー、コンクリートのひび割れ部分に浸透させて、その進行を抑制するための補修材、例えば橋脚等のひび割れ補修材、または覆鋼板表面にスリップ防止用骨材を保持させるための接着剤、コンクリートに杭を打ち込む際のアンカー材や電子顕微鏡用試料を包埋し、試料をしっかり固定するための接着剤などに使用することができる。
【0063】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「重量部」を意味する。
【0064】
(合成例1)架橋性メタアクリルシラップ(1)の合成
温度計、冷却管、ガス導入管、および攪拌機を備えた反応器に、メタアクリル酸メチル93部、メタアクリル酸7部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。
【0065】
次いでグリシジルメタアクリレート5.8部、トリエチルアミン0.1部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で5時間反応して固形分濃度が51%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる固形分のポリスチレン換算の重量平均分子量が17,000、粘度が40ポイズ、ハーゼン色数が100の架橋性メタアクリルシラップを合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ中に含まれる重合体成分と単量体成分を再沈によって分離し、各々の成分の酸価を測定して各成分中のカルボキシル基濃度を計算したところ、重合体成分中には3.9×10-4モル/重合体1gのカルボキシル基が、単量体成分中には3.9×10-4モル/単量体1gのカルボキシル基が含まれていた。また、重合体に含まれる重合性二重結合1つ当たりの分子量を計算したところ2,300であった。得られた架橋性メタアクリルシラップを(1)とし、以上の結果をまとめて表1に示す。
【0066】
(合成例2)架橋性メタアクリルシラップ(2)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル94.1部、メタアクリル酸グリシジル5.9部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタクリル酸3.5部、トリエチルアミン0.1部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で5時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(2)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(2)の特性を表1にまとめて示す。
【0067】
(合成例3)架橋性メタアクリルシラップ(3)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル82部、メタアクリル酸18部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタクリル酸グリシジル2.8部、トリエチルアミン0.1部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で5時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(3)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(3)の特性を表1にまとめて示す。
【0068】
(合成例4)架橋性メタアクリルシラップ(4)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル93部、メタアクリル酸7部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン1.5部とを添加して3時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタアクリル酸グリシジル5.8部、トリエチルアミン0.1部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で5時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(4)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(4)の特性を表1にまとめて示す。
【0069】
(合成例5)架橋性メタアクリルシラップ(5)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル93部、メタアクリル酸7部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタアクリル酸グリシジル5.8部、オクチル酸亜鉛0.04部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で5時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(5)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(5)の特性を表1にまとめて示す。
【0070】
(合成例6)架橋性メタアクリルシラップ(6)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル93部、メタアクリル酸7部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタアクリル酸グリシジル5.8部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド0.04部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で4時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(6)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(6)の特性を表1にまとめて示す。
【0071】
(合成例7)架橋性メタアクリルシラップ(7)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル94.1部、メタアクリル酸グリシジル5.9部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。次いでメタアクリル酸1.7部、トリエチルアミン0.1部を内容物に添加した後100℃に昇温し、空気雰囲気下で6時間反応して架橋性メタアクリルシラップ(7)を合成した。得られた架橋性メタアクリルシラップ(7)の特性を表1にまとめて示す。
【0072】
(合成例8)非架橋性メタアクリルシラップ(8)の合成
合成例1と同様の反応器に、メタアクリル酸メチル93部、メタアクリル酸7部とを仕込み、反応器内を窒素ガスで置換した。次に上記の混合物を攪拌しながら80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル1部と、n−ドデシルメルカプタン4部とを添加して4時間共重合反応を行った後、系内に空気を吹き込むと同時にハイドロキノン0.01部を添加して重合を停止した。
【0073】
これを非架橋性メタアクリルシラップ(8)とした。得られた非架橋性メタアクリルシラップ(8)の特性を表1にまとめて示す。
【0074】
(実施例1〜10)
上記合成例1〜6によって得られたメタアクリルシラップ(1)〜(6)に、表2に示す割合(但し、表中の数字は重量部である)で各成分を混合した接着剤用組成物を調製し、接着剤用組成物100重量部に対してジメチルアニリン0.5重量部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂(株)製ナイパーBO)2重量部を添加して硬化させた。常温で8時間放置後の各接着剤用組成物の各種基材との密着性、圧縮強度、耐熱性、耐溶剤性試験の結果を表2示す。また、硬化剤を添加しない各接着剤組成物の皮張り性についても試験を行い、結果を表2に示した。なお、以下の実施例における接着剤用組成物の各種特性の測定方法については以下の通りである。
【0075】
[各種基材との密着性]
コンクリートとの密着性:コンクリート板の上に一辺40mmの囲いを作り、その中に接着剤用組成物30gを流し込む。その上から一辺が40mmのコンクリート製のブロックを乗せて、常温で8時間かけて硬化させた後、コンクリート板を立てて一辺が40mmのコンクリート製のブロックにゆっくりと荷重をかける。10kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ◎、5kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ○、5kgで外れたら×として評価を行った。
【0076】
金属との密着性:鉄板の上に一辺40mmの囲いを作り、その中に接着剤用組成物30gを流し込む。その上から一辺が40mmの鉄製のブロックを乗せて、常温で8時間かけて硬化させた後、鉄板を立てて一辺が40mmの鉄製のブロックにゆっくりと荷重をかける。10kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ◎、5kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ○、5kgで外れたら×として評価を行った。
【0077】
[圧縮強度]
JIS7208に準ずる方法で、直径18mm、高さ45mmの円柱状の試験片で圧縮強度試験を行った。
【0078】
[耐熱性]
コンクリート板の上に一辺40mmの囲いを作り、その中に接着剤用組成物30gを流し込む。その上から一辺が40mmのコンクリート製のブロックを乗せて、常温で8時間かけて硬化させた後、100℃の雰囲気下で3時間試験片を保持する。次にコンクリート板を立てて一辺が40mmのコンクリート製のブロックにゆっくりと荷重をかけ、10kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ◎、5kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ○、5kgで外れたら×として評価を行った。
【0079】
[耐溶剤性]
コンクリート板の上に一辺40mmの囲いを作り、その中に接着剤用組成物30gを流し込む。その上から一辺が40mmのコンクリート製のブロックを乗せて、常温で8時間かけて硬化させた後、試験片をアセトン中に12時間浸漬させる。次にコンクリート板を立てて一辺が40mmのコンクリート製のブロックにゆっくりと荷重をかけ、10kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ◎、5kg以上の荷重をかけてもブロックが外れなければ○、5kgで外れたら×として評価を行った。
【0080】
[皮張り性]
促進剤および硬化剤の入っていない接着剤用組成物20gを約25cm2の面積に広げ、常温で無風状態で放置する。放置後10分以内に皮張りが見られたら△、30分以内に皮張りが見られたら○、30分以上皮張りしなければ◎として評価した。
【0081】
(比較例1〜4)
上記合成例7〜8によって得られたメタアクリルシラップ(7)〜(8)に、表3に示す割合(但し、表中の数字は重量部である)で各成分を混合した接着剤用組成物を調製し、接着剤用組成物100重量部に対してジメチルアニリン0.5重量部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂(株)製ナイパーBO)2重量部を添加して硬化させた。常温で8時間放置後の各接着剤用組成物の各種基材との密着性、圧縮強度、耐熱性、耐溶剤性試験の結果を表3示す。また、硬化剤を添加しない各接着剤用組成物の皮張り性についても試験を行い、結果を表3に示した。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、骨材やコンクリート、金属等の母材との密着性に優れ、かつ靭性、耐熱性、耐溶剤性、耐磨耗性、速硬化性や作業時の取り扱い性が良好な(メタ)アクリル系接着剤組成物に関するものである。床面と積層体の接着性を向上させるためのプライマー、コンクリートのひび割れ部分に浸透させてその進行を抑制するための補修材、例えば、橋脚等のひび割れ補修材、覆鋼板表面にスリップ防止用骨材を保持させるための接着剤、コンクリートに杭を打ち込む際のアンカー材、電子顕微鏡用試料を包埋し、試料をしっかり固定するための接着剤などに使用できる。
【0083】
【表1】
Figure 0004325960
【0084】
【表2】
Figure 0004325960
【0085】
【表3】
Figure 0004325960

Claims (5)

  1. 重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)と重合性単量体(B)を含み、(A)と(B)の少なくとも一方に、(A)と(B)の混合物1gに対してカルボキシル基を1×10-4モル〜30×10-4モル含有し、さらに、エステル化触媒としての4級ホスホニウム塩を含有し、ハーゼンが0〜50である架橋性(メタ)アクリルシラップを含む接着剤用組成物。
  2. 上記、重合性二重結合を分子内に複数個有する(メタ)アクリル系重合体(A)の二重結合1つ当たりの分子量が500〜20,000である請求項1に記載接着剤用組成物。
  3. 上記、架橋性(メタ)アクリルシラップを構成する成分の50重量%以上が沸点140℃以上である請求項1または請求項2に記載の接着剤用組成物。
  4. 上記(メタ)アクリル系重合体(A)は、4級ホスホニウム塩をエステル化触媒として、分子中にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系重合体と、グリシジル基を有する重合性単量体とを反応させて得られたものであるか、または、分子中にグリシジル基を有する(メタ)アクリル系重合体と、カルボキシル基を有する重合性単量体とを反応させて得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤用組成物を硬化させたことを特徴とする硬化物。
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