JP2004067969A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Kazuhiko Iwasaki
岩▲崎▼ 和彦
Toshiichi Aoki
青木 敏一
▲高▼須 幹夫
Mikio Takasu
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Abstract

【課題】クラックの開閉に対する耐久性、追従性に優れた硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)20〜80質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、ガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)10〜50質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、0℃にて液状である重合体(C)10〜50質量部、および、ワックス(D)0.1〜5質量部[成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準とする]を含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業性、硬化性に優れたラジカル重合性を有する硬化性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、目地材、防水材、シーリング材、道路舗装材および補修材、コンクリート床版防水材、クラック注入材、接着剤等として有用な硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物や構造物のコンクリートには、各種の樹脂系被覆材が使用されている。この樹脂系被覆材のうち、例えば、エポキシ樹脂は優れた耐薬品性や強度を有している。また、ウレタン樹脂は弾力性や柔軟性に優れている。しかし、これらは樹脂硬化時の環境によって硬化が充分には進行せず、硬化不良となることがある。また、不飽和ポリエステル樹脂は耐酸性に優れるが、柔軟性や耐候性等の点で劣る。
【0003】
特公平1−36508号公報では、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとそれに可溶なアクリル系重合体、可塑剤などから成る床および壁面コーティング材が開示されている。このような材料は、低温硬化性、短時間硬化性、耐候性に優れている。しかしながら、このような材料は、下地にクラックが生じた場合、ある程度は追従するものの、クラックの開閉といった動的な動きにストレス無く追従することはできない。また、特開平8−301953公報や特開平8−311805公報には、特定のオリゴマー成分を配合して成る樹脂材料が開示されている。これらは、JIS A6021やJIS K6251記載の引張試験であれば非常に強伸度のバランスのとれた値を示すが、この試験結果は、必ずしもクラックの開閉による下地追従性に対応するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ラジカル重合性を有し、短時間硬化や低温硬化といった優れた作業性を保持したまま、クラックの開閉に対する耐久性、追従性に優れた硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)20〜80質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、ガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)10〜50質量部、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、0℃にて液状である重合体(C)10〜50質量部、および、ワックス(D)0.1〜5質量部[成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準とする]を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0006】
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は、メタクリル酸とアクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートとアクリレートの総称である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の単官能単量体類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートや、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、さらには、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能単量体;などが挙げられる。これらは、一種を単独で、あるいは二種以上を併用して用いることができる。
【0008】
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共に、それ以外の単量体、例えばスチレンやα−メチルスチレン等を併用することも可能である。
【0009】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準として、20〜80質量部である。この含有量が20質量部以上であれば、良好な作業性を達成できる。また、80質量部以下であれば、硬化性や塗膜特性の付与が良好となる。この含有量の下限に関しては30質量部以上がより好ましく、また上限に関しては60質量部以下がより好ましい。
【0010】
本発明において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、かつガラス転移温度が0℃以上のものである。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の単量体を重合して得られるポリアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0011】
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)と共に、それ以外の重合体、例えばポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のビニル芳香族炭化水素を単量体成分として得たビニル共重合体などを併用することも可能である。
【0012】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)のガラス転移温度は、0℃以上であるが、さらに20℃〜105℃のものが好ましい。
【0013】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)の重量平均分子量は、充分な硬化性や硬化物の物性を得る点から、2000以上が好ましい。また、良好な作業性を得る点から、200000以下が好ましい。さらに、重量平均分子量の下限に関しては5000以上が特に好ましく、上限に関しては100000以下が特に好ましい。この重量平均分子量は、重合体のテトラヒドロフラン溶液(0.4質量%)を調製し、TOSO社製カラム(GE4000HXLおよびG2000HXL)が装着されたTOSO社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置に、この溶液100μlを注入し、流量1ml/分、溶離液テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の条件下でGPC法により測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
【0014】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)は、樹脂硬化物の強度特性を発現するだけでなく、樹脂溶液の見かけの硬化を早める効果、樹脂溶液の硬化時の収縮を抑制低減化する効果、および、樹脂液粘度を調整する効果を得るために添加される。
【0015】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準として、10〜50質量部である。この含有量が10質量部以上であれば、硬化性や塗膜物性が良好なものとなる。また、50質量部以下であれば良好な作業性が得られる。この含有量の上限に関しては、30質量部以下がより好ましい。
【0016】
本発明において、重合体(C)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、かつ0℃にて液状である。重合体(C)の具体例としては、2−エチルヘキシルアクリレートやn−ブチルアクリレートを主成分としたガラス転移温度0℃未満の共重合体、アジピン酸系ポリエステル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン等が挙げられる。これらは、高分子量可塑剤と称されることもある。また、これら重合体は、硬化物に柔軟性を付与するために添加される。重合体(C)としては、特に、アジピン酸系ポリエステルが好ましい。
【0017】
アジピン酸系ポリエステルの市販品としては、例えば、アデカサイザーP−300(旭電化工業(株)製、分子量約3000、凝固点−15℃)、アデカサイザーP−200(旭電化工業(株)製、分子量約2000、凝固点−20℃)、ダイヤサイザーD−622((株)ジェイ・プラス製、分子量約1600)、ダイヤサイザーD−645((株)ジェイ・プラス製、分子量約2200)等が挙げられる(以上全て商品名)。
【0018】
液状ポリブタジエンの市販品としては、例えば、B−2000(日本曹達(株)製、分子量約2000)、POLY−bd R−45HT(出光石油化学(株)製、分子量約2500)、BI−2000(日本曹達(株)製、水添液状ポリブタジエン、分子量約2000)等が挙げられる(以上全て商品名)。
【0019】
重合体(C)の平均分子量は、非移行性、硬化性の点から、1000以上が好ましい。また、作業性および成分(A)(B)との相溶性の点から、10000以下が好ましい。
【0020】
重合体(C)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準として、10〜50質量部である。この含有量が10質量部以上であれば、得られる硬化塗膜に柔軟性を付与できる。また、50質量部以下であれば良好な作業性が得られる。この含有量の下限に関しては15質量部以上がより好ましく、上限に関しては40質量部以下がより好ましい。
【0021】
本発明において、ワックス(D)の具体例としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等、従来より知られる各種のワックスが挙げられる。ワックスの融点は40〜100℃が好ましい。また、二種以上の融点の異なるワックスを併用することも好ましい。市販品としては、例えば、パラフィンワックス150(日本精鑞(株)製、融点66℃)、パラフィンワックス130(日本精鑞(株)製、融点55℃)、パラフィンワックス115(日本精鑞(株)製、融点47℃)、Hi−Mic−2065(日本精鑞(株)製、融点75℃)等が挙げられる(以上全て商品名)。
【0022】
ワックス(D)の添加量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0.1〜5質量部である。この添加量が0.1質量部以上であれば、表面硬化性向上に効果がある。また、5質量部以下であれば、樹脂組成物の相溶性も問題ない。この含有量の下限については0.3質量部以上が好ましく、上限については3質量部以下が好ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、上述した成分(A)〜(D)を主成分として含有して成るものであるが、要求性能等の必要に応じて、さらに可塑剤(E)を添加できる。この可塑剤(E)としては、従来より知られる各種のものを使用できる。具体例としては、ジ−2−エチルへキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペートやジイソデシルアジペート等のアジピン酸エステル類;などの二塩基酸エステル類が挙げられる。また、トリメリット酸の高級アルコールエステル、フォスフェート系可塑剤なども挙げられる。可塑剤(E)の分子量は、1000以下であることが好ましい。
【0024】
可塑剤(E)の添加量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0〜20質量部が好ましい。この添加量が20質量部以下であれば、柔軟性、硬化性を両立できる。
【0025】
本発明の樹脂組成物を硬化させる際には、硬化剤や硬化促進剤を添加することにより、作業性と硬化性を両立しつつ目的に合致した硬化物を得ることができる。硬化剤としては、例えば、従来より知られる各種のラジカル重合開始剤、重合開始促進剤を使用できる。硬化剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ビス(4−t−ブチルしクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。硬化促進剤の具体例としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等の芳香族第3級アミン類;ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル等の金属石鹸類;などが挙げられる。これら硬化剤および硬化促進剤は、一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
【0026】
硬化剤の添加量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して、硬化性の点から0.1質量部以上が好ましい。また、作業性の点から15質量部以下が好ましい。硬化剤の添加量の下限については0.5質量部以上がより好ましく、上限については10質量%以下がより好ましい。硬化促進剤の添加量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して、促進効果の点から0.1質量部以上が好ましく、また、作業性の点から10質量部以下が好ましい。硬化促進剤の添加量の下限については0.3質量%以上がより好ましく、上限については5質量部以下がより好ましい。硬化剤と硬化促進剤を添加することによって、通常は速やかに重合反応が開始され、樹脂組成物の硬化が進行する。ここで、可使時間が10〜60分程度となるように、硬化剤と硬化促進剤の添加量を適宜決定することが好ましい。
【0027】
本発明の樹脂組成物には、使用用途に応じて、さらにシランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤は、通常、無機物への接着性向上に効果がある。したがって、本発明の樹脂組成物を、例えば、コンクリートやアスファルト下地へのプライマーとして使用する場合は、接着性向上の目的でシランカップリング剤を使用することは有効である。シランカップリング剤としては、従来より知られる各種のものを使用できる。具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。特に、樹脂組成物の硬化性の点から、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシランが好ましい。
【0028】
本発明の樹脂組成物には、塗膜の耐候性を更に改良する目的で、紫外線吸収剤を添加できる。紫外線吸収剤の添加量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0.01〜5質量%が好ましい。また、塗膜の外観を整える目的で、各種の消泡剤およびレベリング剤を添加できる。また、貯蔵安定性を向上させる目的で、ヒドロキノン類等の重合抑制剤を添加できる。
【0029】
本発明の樹脂組成物には、無機系充填材および/または骨材を配合することができる。無機系充填材の具体例としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク等が挙げられる。これらの粒子径、形状、粒度分布などは特に制限されないが、平均粒径1μ以上で、吸油量が25ccアマニ油/100g以下であることが好ましい。骨材の具体例としては、硅砂、石英砂、着色した磁器、陶器素地を焼成硬化して粉砕したもの、ガラスビーズ、山砂、川砂等の細骨材が挙げられる。これらの種類や添加量は、塗工作業性、上塗り材との接着性を考慮して、適宜決定すればよい。
【0030】
本発明の樹脂組成物の塗工に際し、揺変性を付与するために、充填剤として、アスベスト、セピオライト、アエロジル等のシリカ粉末を添加することもできる。その他、充填剤として、着色顔料や染料を添加することもできる。着色顔料や染料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、クロムバーミリオン、ベンガラ、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。
【0031】
無機系充填材および/または骨材の全配合量は、その種類や粒径、要求性能等にもより異なるが、樹脂液100質量部あたり1000質量部以下となるよう配合することが好ましい。樹脂溶液に対する無機充填材や骨材の含有割合を高くしていくと必然的に粘性が高くなり、流動性が低下し、塗工作業性を損なうこととなる。そのため、適切な配合割合は作業性および要求性能を損なわない範囲で決定されることが必要である。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。なお、例中に「%」「部」とあるのは、特にことわりのない限り質量基準である。
【0033】
<実施例1>
撹拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えた容器に、メチルメタクリレート(以後MMAと略す)28部、2−エチルヘキシルアクリレート(以後2−EHAと略す)20部、アジピン酸系ポリエステル(商品名アデカサイザーP−300、旭電化工業(株)製、分子量約3000)30部、アクリルポリマー(MMA/n−ブチルメタクリレート(以後n−BMAと略す)=40/60、M.W.=約20000)22部、パラフィンワックス1.0部、N,N−ジメチル−p−トルイジン(以後DMPTと略す)1.0部、2,6−tert−p−クレゾール(以後BHTと略す)0.002部を仕込み、60℃で3時間加温して樹脂組成物1を得た。
【0034】
<実施例2>
前記と同様の容器に、MMA26部、2−EHA18.5部、アジピン酸系ポリエステル(商品名アデカサイザーP−300、旭電化工業(株)製、分子量約3000)30部、ジイソデシルフタレート5部、アクリルポリマー(MMA/n−BMA=40/60、M.W.=約60000)20.5部、パラフィンワックス1.0部、DMPT1.0部を仕込み、60℃で3時間加温して樹脂組成物2を得た。
【0035】
<比較例1>
前記と同様の容器に、MMA37部、2−EHA20部、エチレングリコールジメタクリレート2部、ジオクチルフタレート19部、アクリルポリマー(MMA/n−BMA=60/40、M.W.=70000)22部、パラフィンワックス1.0部、DMPT0.8部、重合禁止剤(BHT)0.003部を仕込み、60℃で3時間加温して樹脂組成物3を得た。
【0036】
<比較例2>
前記と同様の容器に、平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール3000部、MMA750部、ジメチルアミノエチルメタクリレート19.7部、BHT3.94部を仕込み、攪拌しながら65℃まで加熱した。この温度を維持した状態で、トリレンジイソシアネート696.0部を1.5時間かけて滴下し、次いで、MMA174.0部を加え、65℃にて更に2時間反応を進行させた。この後、2−ヒドロキシエチルアクリレート241.5部を1時間かけて滴下しつつ、90℃まで昇温し、MMA60.4部を加え、90℃を保持したまま反応を進行させた。イソシアネート基の反応率が98%以上となった時点で反応を終了し、冷却した。これに、MMA5604.9部、2−EHA1858.2部、アクリルポリマー(MMA/n−BMA=60/40、M.W.=約20000)695.4部、パラフィンワックス131.0部、DMPT104.8部を加え、ウレタンアクリル系オリゴマー含有量約30%の樹脂組成物4を得た。
【0037】
<樹脂組成物1〜4の塗膜評価>
[引張強度・引張伸度]
実施例および比較例で得た樹脂組成物1〜4を用いて、JIS K6251に準拠して、ダンベル形状1号の試験片を作製した。これら試験片について、20℃および−10℃雰囲気下、引張速度20mm/minにて、引張強度および引張伸度を測定した。結果を表1に示す。なお表中、測定値に「以上」が付されているものは、引張試験実施機械の性能上最大伸度320%でも破断しなかったものであり、引張強度の測定値は伸度320%時の強度を示している。
【0038】
【表1】
Figure 2004067969
【0039】
[樹脂組成物1〜4の低温可撓性]
実施例および比較例で得た樹脂組成物1〜4の低温可撓性を評価する為に、次のような折り曲げ試験を行った。まず、厚さ0.5mmの鋼板に樹脂組成物を0.5mm厚で塗工・硬化し、その後−10℃雰囲気下で4時間養生した。次いで、この鋼板を、同温度に養生しておいた直径10mmの鉄棒上で180度、3秒にて折り曲げ、鋼板表面の塗膜の状況を調べた。さらにこの操作を、同種の試験片5個に対して実施し、塗膜が折損していないものの個数を記録した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 2004067969
【0041】
[樹脂組成物1〜4の硬化性・付着性]
JIS規格コンクリート舗道板上に、メタクリル樹脂系プライマー(三菱レイヨン(株)製 アクリシラップDR−80)を塗布した。また、樹脂組成物1〜4の100部に対して、硬化剤である過酸化ベンゾイル50%顆粒品2部を20℃雰囲気下において添加した。そして、20℃雰囲気下、この硬化剤添加後の樹脂組成物1〜4を、上記プライマーを塗布したコンクリート舗道板上に塗膜厚1mmにて塗工し、防水層を形成した。
【0042】
この防水層に対して、硬化剤を添加してから60分後、指触にて防水層の乾燥状態を確認し、以下の基準に従い硬化性を評価した。
「○」:良好に硬化し、指触乾燥も良好。
「△」:硬化はしているが、表面にややタック有り。
「×」:部分的に未硬化またはタック有り。
【0043】
さらに、防水層を形成してから1日間養生した。その後、日本塗り床工業会の付着強さ試験に準じ、建研式接着強度試験器を使用して、20℃雰囲気下で下地への付着強度を測定した。
【0044】
これら評価試験の結果と20℃での粘度(B型粘度計)を表3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 2004067969
【0046】
[防水性]
JIS規格コンクリート板上に、メタクリル樹脂系プライマー(アクリシラップDR−80)を塗布した。また、樹脂組成物1〜4の100部に対して、硬化剤である過酸化ベンゾイル50%顆粒品2部を20℃雰囲気下において添加した。そして、20℃雰囲気下、この硬化剤添加後の樹脂組成物1〜4を、上記プライマーを塗布したコンクリート板上に塗膜厚1.2mmで塗工し、防水層を形成した。
【0047】
この防水層を硬化した後、防水性試験機[日本道路公団 試験研究所技術資料第124号 材料施工資料(第4号)に準拠]を設置し、注入口より水をいれ、目盛を読んだ(0分時)。次いで、コンプレッサーにて0.1N/mmの圧をかけ、3分後と33分後における目盛を読み、3分後と33分後の間の30分間の減水量を測定した。結果を表4に示す。なお、防水性の「○」「×」の基準は、「○」=減水量0.5ml以下、「×」=減水量0.5mlより多いとした。
【0048】
【表4】
Figure 2004067969
【0049】
[ひび割れ開閉試験]
20℃雰囲気下において、JIS A5304のコンクリート平板に、メタクリル樹脂系プライマー(アクリシラップDR−80)を塗布し、硬化させて、プライマー層を形成した。
【0050】
次いで、樹脂組成物1〜4の100部に対して、硬化剤である過酸化ベンゾイル50%顆粒品2部を20℃雰囲気下において添加した。そして、20℃雰囲気下、この硬化剤添加後の樹脂組成物1〜4を、上記プライマー層を形成したコンクリート平板上に塗膜厚1mmにて塗工し、常温で硬化させることにより防水層を形成し、30cm×30cmの防水構造体の試験体を得た。
【0051】
下地コンクリートのひび割れの開閉により防水層が受ける影響を確認する目的で、ひび割れ開閉試験を実施した。ここで、ひび割れ開閉試験機としては、ひび割れ開閉を繰り返し行うことが可能で、繰り返し回数が把握でき、ひび割れ開閉幅を0.3±0.05mmの精度で制御できる試験機を使用した。
【0052】
まず、前述のようにして作製した30cm×30cmの試験体の中央部を切断し、30cm×15cmの試験体を2個作製した。次に、ひび割れを誘発させる為に、コンクリート平板の下面の中央部分(幅30cmの中央)に5cmの切り込みを入れ、その試験体を曲げてひび割れを発生させた。この試験体を、ひび割れ開閉試験機に固定し、初期ひび割れ幅0.25mm、ひび割れ振幅0.3mm、振幅回数2回/sにて、ひび割れ開閉試験を実施した。試験時間は、1時間(振幅回数7200回)、2時間(振幅回数14400回)、3時間(振幅回数21600回)、12時間(振幅回数86400回)とした。
【0053】
この試験における結果は、以下の基準で評価した。結果を表5に示す。
「○」:防水層に異常無し。
「×」:防水層が破断した。
「−」:防水層の破断後、試験を中止したので未実施。
【0054】
【表5】
Figure 2004067969
【0055】
さらに、樹脂組成物2を防水層とし、その上に、タックコート層として粒状アスファルトを0.6kg/m散布し、その上から舗装層として加熱アスファルト混合物(密粒度アスコン)を40mm打設した。作業性も良好であり、舗装用途、特に床版防水用途に使用できることを確認した。
【0056】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、ラジカル重合性を有し、短時間硬化や低温硬化といった優れた作業性を保持したまま、クラックの開閉に対する耐久性、追従性に優れた硬化性樹脂組成物を提供できる。
【0057】
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、コンクリートの構造物や建築物の被覆等に使用した場合、作業性、硬化性、下地への追従性に優れ、さらにコンクリート下地にクラックが発生し動的に開閉した場合でも、耐久性に優れている。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)20〜80質量部、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、ガラス転移温度が0℃以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体(B)10〜50質量部、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(A)に溶解または膨潤可能で、0℃にて液状である重合体(C)10〜50質量部、および、
    ワックス(D)0.1〜5質量部
    [成分(A)〜(C)の合計100質量部を基準とする]
    を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. さらに可塑剤(E)を、20質量部以下含有する請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 重合体(C)が、アジピン酸系ポリエステルである請求項1または2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 防水材として使用することを特徴とする請求項1〜3記載の防水用硬化性樹脂組成物。
  5. 床版防水材として使用することを特徴とする請求項1〜3記載の床版防水用硬化性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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