JP4324904B2 - 円板体選別装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、硬貨、代用硬貨(トークン)、あるいは遊戯用メダル等の円板体の真偽を判別し、それを選別する円板体選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動販売機、スロットマシーン等の遊戯用機械内には、円板体投入口から投入された円板体(硬貨、あるいは遊戯用メダル等)の真偽を判別し、真円板体と見做された円板体を収容するとともに、偽円板体と見做された円板体を返却するようにした円板体選別装置が配設されている。
【0003】
図9は従来の円板体選別装置1を示す要部概念正面図で、特に円板体投入口2の付近を示したものである。
【0004】
この円板体選別装置1は、円板体投入口2内に投入された円板体を下方に案内する第1の円板体案内通路3と、この第1の円板体案内通路3の下流端に連通し、投入された円板体を図面右斜め方向へ案内する一本の傾斜転送レール4からなる第2の円板体案内通路5とから構成されている。なお、図9で符号13は円板体の真偽、あるいは通過する円板体の数を計測する円板体検出手段である。
【0005】
なお、この第1及び第2の円板体案内通路3、5は図9のAA断面図で示す図10のように、メインプレート6とこのメインプレート6の表面を開閉するゲートプレート7とにより構成されている。
【0006】
一方、第1の円板体案内通路3には、図10に示すように、投入された円板体の板厚を規制することにより、当該円板体の真偽を判別する円板体の板厚規制手段8が配設されている。
【0007】
この従来の板厚規制手段8は、メインプレート6に配設されたシックネススクリユー9により構成され、このシックネススクリユー9はメインプレート6の表面から第1の円板体案内通路3内へ向け突設され、これによりゲートプレート7の背面とシックネススクリユー9先端との間の隙間で第1の円板体案内通路3内を落下する円板体の板厚を規制している。なお、このシックネススクリユー9先端と対向するゲートプレート7の背面との間の隙間は真円板体の板厚とほぼ同じか若干広い距離に設定されている。
【0008】
このような板厚規制手段8によると、図11で示すように、投入された円板体10の板厚が真円板体の板厚と同一が、それよりも薄い場合は板厚規制手段8を通過して、その下流の第2の円板体案内通路5に案内されることとなる。
【0009】
一方、図12で示すように、投入された円板体11の板厚が真円板体の板厚よりも厚い場合は、板厚規制手段8のシックネススクリュー9先端に当接する。
【0010】
これにより板厚が真円板体よりも厚い円板体11はシックネススクリュー9先端とゲートプレート7の背面との間に停止し、これにより規定以上の板厚を有する円板体11の投入が規制される。
【0011】
このように、シックネススクリュー9先端とゲートプレート7の背面との間に停止した規定厚以上の円板体11は、メインプレート6に対しゲートプレート7を矢印Bのように開放すると、矢印Cで示すように下方に落下し、排除されて返却される。
【0012】
なお、図9、図10で、符号15は第2の円板体案内通路5に形成され、円板体をその外径の差異により選別する周知の円板体外径選別手段で、この円板体外径選別手段15は図10で示すように、ゲートプレート7に形成された切り欠7aと、傾斜面7bとにより構成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の円板体選別装置1によると、図12で示すように、投入された円板体11の板厚が真円板体の板厚よりも厚い場合は、板厚規制手段8のシックネススクリュー9先端に当接し、これによりシックネススクリュー9先端とゲートプレート7の背面との間に停止し、その後、ゲートプレート7を拡開することにより排除されるが、この円板体11が勢い良く円板体投入口2内に投入され、その際、当該円板体11がゲートプレート7と激しく衝突して、当該ゲートプレート7が振動し、これによりシックネススクリュー9先端とゲートプレート7の背面との間が僅かに拡開するとシックネススクリュー9先端により停止されるべき板厚の大きい円板体11がシックネススクリュー9先端とゲートプレート7の背面との間の隙間を通り抜け、図13で示すように一本の傾斜転送レール4上に移動し、第2の円板体案内通路5を転送して真円板体として取り扱われてしまう虞があった。
【0014】
この発明は、上述した事情に鑑み、円板体投入口に真円板体よりも板厚の厚い円板体が勢い良く投入された場合でも、その板厚の厚い円板体をより一層確実に規制できるようにした円板体選別装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、この発明では、円板体投入口から投入された円板体を斜め傾斜した方向へ転送する円板体案内通路と、該円板体案内通路に配設され、投入された円板体と当接して、該円板体の振動を制振し、投入された円板体の板厚を規制する円板体板厚規制手段を有し、該円板体板厚規制手段は、軸を中心に回動自在に支承されたレバーと、該レバーの下端に前記円板体案内通路の傾斜転送レールと平行となるように支承され前記円板体案内通路を通過する前記円板体の一側面を常時押圧する傾斜ガイドと、前記レバーを前記軸を中心に常時前記円板体の一側面を押圧する方向へ付勢する付勢手段と、前記傾斜ガイドの先端に支承された板厚規制部と前記円板体案内通路側壁との隙間を調節可能に規制するストッパー手段とからなることを特徴とする円板体選別装置を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる円板体選別装置の一実施例を詳述する。
【0017】
図1はこの発明に係わる円板体選別装置20の要部概念正面図で、図9乃至図13と同一部分を同一符号で示す。
【0018】
この円板体選別装置20も従来と同様に、円板体投入口2内に投入された円板体を下方に案内する第1の円板体案内通路3と、この第1の円板体案内通路3の下流端に連通し、投入された円板体を図面右斜め方向へ案内する一本の傾斜転送レール4からなる第2の円板体案内通路5とを有している。
【0019】
一方、この円板体選別装置20では、投入された円板体の板厚を規制することにより、当該円板体の真偽を判別する円板体の板厚規制手段30が従来の如く、第1の円板体案内通路3ではなく投入された円板体を図面右斜め方向へ案内する一本の傾斜転送レール4からなる第2の円板体案内通路5に配設されている。
【0020】
この円板体の板厚規制手段30は第2の円板体案内通路5の上流側に配設され、かつ投入された円板体と当接し、当接する円板体の板厚に応じて姿勢を変化させ、投入された円板体の板厚を規制するもので、その構造は、図1のDD断面図で示す、図2で示すように、メインプレート6の背面に軸31を中心に回動自在に支承されたレバー32と、このレバー32の下端に支承された傾斜ガイド33と、前記レバー32を前記軸31を中心に真に常時反時計方向へ付勢する圧縮バネ34と、前記傾斜ガイド33の一定回転角度以上の回転を規制するストッパー手段35とから構成されている。
【0021】
なお、上述した傾斜ガイド33は、図2及び図1のEE断面で示す図3のように、第2の円板体案内通路5の一方の側壁を構成するメインプレート6の表面に形成された孔6aから出没自在であり、図2、図3に示す初期位置では、前記圧縮バネ34の付勢力によりゲートプレート7の傾斜面7bに当接して、その動きが停止し、規制されている。
【0022】
なお、この傾斜ガイド33の出没規制はメインプレート6側で規制するようにしても良い。
【0023】
上述した板厚規制手段30のうち、傾斜ガイド33は、図3で示すように、先端が第2の円板体案内通路5の下流へ向けて漸次ゲートプレート7側へ傾斜したガイド部33aと、このガイド部33aの先端に支承された略円錐台形状の板厚規制部33bとから構成されている。なお、この板厚規制部33aは金属製である。
【0024】
また、図3で示すように、この板厚規制部33bと対向する位置に前記ストッパー手段35が配設され、このストッパー手段35は、図2で示すように、メインプレート6の背面に支承された雌ネジ部35aに螺合したシックネススクリュー9により構成されている。
【0025】
次に、上述した円板体選別装置20の作用を説明し、併せて構成をより詳細に説明する。
【0026】
図4に示すように、選別対象となる規定の径よりも大きい円板体40が、円板体投入口2内に勢い良く投入されると、その円板体40は第1の円板体通路3を通過して、第2の円板体通路5を構成する傾斜転送レール4に衝突し、その後、進行方向を傾斜した第2の円板体通路5側へ向ける。
【0027】
その際、図4のFF断面で示す図5のように、勢い良く投入され、それにより暴れる円板体40の一側面は徐々に圧接する傾斜ガイド部33aの付勢力、即ち圧縮バネ34(図2)により付勢され、かつ揺動自在に支承された板厚規制手段30の傾斜ガイド部33aの付勢力により、徐々にゲートプレート7側に押し付けられてその暴れ、即ち振動が吸収され、制振される。
【0028】
その後、この投入円板体40の板厚が、規定の板厚よりも薄い場合は、図6で示すように、板厚規制手段30の傾斜ガイド部33a及び板厚規制部33bを通過し第2の円板体通路5の下流へスムーズに案内される。
【0029】
そして、その下流に配設された前記検出手段13(図1)により、投入円板体40の真偽、あるいはその通過枚数が計測される。
【0030】
一方、図7で示すように、規定の径よりも大きくしかも規定の板厚よりも厚い、円板体50が勢い良く円板体投入口2内に投入された場合でも、その円板体50の暴れは、当該円板体50の側面に徐々に圧接する傾斜ガイド部33aの付勢力により、徐々にゲートプレート7側に押し付けられてその暴れが吸収される。
【0031】
このように、暴れが吸収された規定の板厚よりも厚い円板体50が図8で示すように、第2の円板体通路5の下流へ案内され、傾斜ガイド33の板厚規制部33bに当接すると、当該板厚規制部33bは前記ストッパー手段35のシックネススクリュー9と当接し、それにより当該板厚規制部33bとゲートプレート7の表面との間の隙間が規制され、規定の板厚よりも厚い円板体50の進行を確実に停止させる。
【0032】
なお、シックネススクリュー9と当接した板厚規制部33bとプレート7の表面との間の隙は、規定の円板体の厚さと同じか若干大きく形成されていることは言うまでもない。
【0033】
従って、上述した板厚規制手段30によると、勢い良く投入され、かつ暴れる円板体も、そのエネルギーが上述した板厚規制手段30により吸収されるので、当該円板体の暴れによりストッパー手段35のシックネススクリュー9と板厚規制部33bとの間が拡開することはなく、このため、規制すべき対象の円板体が円板体案内通路の下流へ案内されることを可及的に防止することが出来る。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の円板体選別装置では、円板体投入口から投入された円板体を斜め傾斜した方向へ転送する円板体案内通路に、投入された円板体と当接し、かつ当接する円板体の板厚に応じて姿勢を変化させ、投入された円板体の板厚を規制する円板体板厚規制手段を配設するようにしたため、勢い良く投入され、かつ暴れる円板体のエネルギーが、その姿勢を変化させる円板体板厚規制手段により吸収され、このため勢い良く投入された円板体の暴れにより規制すべき対象の円板体が円板体案内通路の下流へ案内される円板体の板厚規制ミスを可及的に防止し、安定した円板体選別精度を維持する円板体選別装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係る円板体選別装置の要部概念正面図。
【図2】図2は図1のDD断面図。
【図3】図3は図1のEE断面図。
【図4】図4はこの発明に係る円板体選別装置の作用を示す要部概念正面図。
【図5】図5は図4のFF断面図。
【図6】図6はこの発明に係る円板体選別装置の作用を示す図4のFF断面図。
【図7】図7はこの発明に係る円板体選別装置の作用を示す図4のFF断面図。
【図8】図8はこの発明に係る円板体選別装置の作用を示す図4のFF断面図。
【図9】図9は従来の円板体選別装置の要部概念正面図。
【図10】図10図9のAA断面図。
【図11】図11は従来の円板体選別装置の作用を示す要部概念正面図。
【図12】図12は従来の円板体選別装置の作用を示す図9のAA概念断面図。
【図13】図13は従来の円板体選別装置の作用を示す図9のAA概念断面図。
【符号の説明】
2…円板体投入口
5…円板体案内通路
20…円板体選別装置
30…円板体板厚規制手段
31…軸
32…レバー
33…傾斜ガイド
33a…ガイド部
33b…板厚規制部
34…付勢手段
35…ストッパー手段
40,50…円板体
Claims (5)
- 円板体投入口から投入された円板体を斜め傾斜した方向へ転送する円板体案内通路と、
該円板体案内通路に配設され、投入された円板体と当接して、該円板体の振動を制振し、投入された円板体の板厚を規制する円板体板厚規制手段を有し、
該円板体板厚規制手段は、軸を中心に回動自在に支承されたレバーと、該レバーの下端に前記円板体案内通路の傾斜転送レールと平行となるように支承され前記円板体案内通路を通過する前記円板体の一側面を常時押圧する傾斜ガイドと、前記レバーを前記軸を中心に常時前記円板体の一側面を押圧する方向へ付勢する付勢手段と、前記傾斜ガイドの先端に支承された板厚規制部と前記円板体案内通路側壁との隙間を調節可能に規制するストッパー手段とからなることを特徴とする円板体選別装置。 - 前記円板体板厚規制手段は、前記円板体案内通路の上流に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の円板体選別装置。
- 前記円板体は、硬貨、遊戯用メダル、トークン等であることを特徴とする請求項1に記載の円板体選別装置。
- 前記板厚規制部は円錐台形状で、金属製であることを特徴とする請求項1に記載の円板体選別装置。
- 前記付勢手段は圧縮バネであることを特徴とする請求項1に記載の円板体選別装置。
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