JP4324297B2 - 筒内噴射エンジンの制御装置 - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室内に直接噴射された燃料により燃焼を行う筒内噴射エンジンの制御装置に係り、特に、成層燃焼と均一混合燃焼との間における燃焼形態の切り換え制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃費の向上を図るために、インジェクタを燃焼室に設け、燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射エンジンが提案されている。一般に、筒内噴射エンジン(直噴エンジンともいう)では、エンジンの運転状態に応じて、燃費を重視した成層燃焼または出力を重視した均一混合燃焼のいずれかの燃焼形態が選択的に実行される。周知のとおり、成層燃焼における空燃比と均一混合燃焼における空燃比とは大きく相違している。そのため、一方の燃焼形態から他方の燃焼形態へ切り換える際に空燃比の変動に伴いトルクショックが発生し、筒内噴射エンジンのドライバビリティの悪化を招くといった問題がある。
【0003】
このようなトルクショックを低減するために、例えば特開平9−151771号公報には、直噴エンジンにおける燃焼形態の切り換えに際して、中間的な燃焼制御を過渡的に行う技術が開示されている。この中間的制御では、成層燃焼の場合と同様に圧縮行程で燃料噴射を行い、空燃比A/Fが、成層燃焼の空燃比(A/F=30〜40)よりも濃く、均質燃焼(均一混合燃焼)の空燃比(A/F=12〜22)よりも薄い値(A/F=22〜30)になるように設定する。そして、均質燃焼と中間的制御との間では、排気ガス中のHC濃度の増大を抑制するために燃料噴射量をステップ的に変化させている。また、成層燃焼と中間的制御との間では、トルク変動を滑らかにするために燃料噴射量を徐々に変化させている。
【0004】
しかしながら、この公報には、中間的制御における各気筒の切り換え順序や切り換え間隔については、まったく言及されていない。そのため、例えば、各気筒の燃焼形態の切り換えを点火順序と同様の順序で行った場合、気筒毎に生じるトルク変動(中間的制御を行ったとしてもある程度は発生する)が短い間(1サイクル)に集中する。その結果、ドライバーが体感し得る程のトルクショックが生じる可能性がある。
【0005】
一方、特開平10−184430号公報には、リーン空燃比での運転とリッチ空燃比での運転とを選択的に実行するリーンバーンエンジンにおいて、リッチスパイク実行時に生じるトルクショックを抑制する技術が開示されている。このリッチスパイクとは、リーン運転時に発生したNOxを三元触媒中に吸蔵し、所定の蓄積量に達したときに、リーン運転からリッチ運転に一時的に移行することをいう。リーン運転とリッチ運転との間の移行制御時において、気筒毎の運転状態の切り換えは、エンジン2回転(1サイクル)以上の切り換え間隔で順次実行される。これにより、気筒間の切り換え間隔を長くした分だけ各気筒で生じるトルク変動が分散され、トルクショックを効果的に低減することができる。
【0006】
しかしながら、この公報に開示された技術は、インジェクタがインテークマニホールド内に設けられたMPI(Multi-point Injection)方式に関するものであり、筒内噴射エンジンに関するものではない。換言すれば、この公報に開示された技術は、均一混合燃焼という一つの燃焼形態においてリーン運転とリッチ運転とを切り換えるものであり、成層燃焼と均一混合燃焼といった異なる燃焼形態の切り換えに関するものではない。周知のように、成層燃焼は、燃焼室内に混合気の濃い部分(点火プラグ近傍)と薄い部分とを作り、着火しやすい濃い部分に点火して全体に燃焼を広げる燃焼方式である。このような層状混合気は、燃焼室内に設けられたインジェクタで燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射エンジンでは形成可能であるが、燃焼室外に設けられたインジェクタによってそのような成層状態を形成することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
筒内噴射エンジンのドライバビリティの向上を図るためには、異なる燃焼形態への移行時に生じるトルクショックを一層高いレベルで抑制する必要がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、異なる燃焼形態の切り換えを行う際におけるトルクショックの発生を効果的に低減することができる筒内噴射エンジンの制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを有し、運転状態に応じて成層燃焼または均一混合燃焼を選択的に行う筒内噴射エンジンの制御装置において、成層燃焼と均一混合燃焼との間で燃焼形態を移行させるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって燃焼形態を移行させると判定された場合、燃焼形態を気筒毎に順次切り換える移行制御を行う制御手段とを有する。この制御手段は、移行制御時において、1サイクルよりも長い期間をかけて、すべての気筒の燃焼形態の切り換えを行う。また、制御手段は、一気筒の燃焼形態を切り換える場合、均一混合燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリーン側に設定された第1のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、成層燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリッチ側に設定された第2のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、かつ、第1のしきい値と第2のしきい値との間では、空燃比をステップ的に変化させる制御を行う。
【0010】
また、第2の発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを有し、運転状態に応じて成層燃焼または均一混合燃焼を選択的に行う筒内噴射エンジンの制御装置において、成層燃焼と均一混合燃焼との間で燃焼形態を移行させるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって燃焼形態を移行させると判定された場合、燃焼形態を気筒毎に順次切り換える移行制御を行う制御手段とを有する。この制御手段は、移行制御時において、気筒間の点火間隔よりも長い切り換え間隔で、各気筒の燃焼形態の切り換えを行う。また、制御手段は、一気筒の燃焼形態を切り換える場合、均一混合燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリーン側に設定された第1のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、成層燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリッチ側に設定された第2のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、かつ、第1のしきい値と第2のしきい値との間では、空燃比をステップ的に変化させる制御を行う。
【0011】
ここで、第2の発明において、気筒によって切り換え間隔を相違させてもよい。四気筒の筒内噴射エンジンの場合、切り換え間隔を1/4サイクルよりも長い間隔、例えば、5/4サイクルまたは3/4サイクルに設定することが望ましい。
【0013】
さらに、上記の構成において、エンジン回転数またはアクセル開度の少なくとも一方に基づいて、運転領域の変化速度を検出する検出手段を設けてもよい。制御手段は、検出手段により検出された運転領域の変化速度が判定しきい値以下である場合に、移行制御を実行する。
【0014】
さらに、上記の構成に、インジェクタの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段を追加してもよい。この場合、燃料噴射制御手段は、成層燃焼時においては、圧縮行程で燃料噴射を開始するとともに点火直前に燃料噴射を終了する。そして、均一混合燃焼時においては、成層燃焼よりも早い行程で燃料噴射を開始する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、一例である四気筒の水平対向筒内噴射エンジンの全体構成図である。この筒内噴射エンジン1の気筒#1〜#4のうち、気筒#1,#3は左バンクに配置され、気筒#2,#4は右バンクに配置されている。このエンジン1の各吸気ポートには吸気バルブ2が設けられているとともに、これらの吸気ポートはインテークマニホールド3に連通している。一方、エンジン1の各排気ポートには排気バルブ4が設けられているとともに、これらの排気ポートはエギゾーストマニホールド5に連通している。また、シリンダヘッドにおいて各気筒#1〜#4の燃焼室の中央には、混合気を着火する点火プラグ6が設けられている。そして、各燃焼室における吸気バルブ2の近傍には、燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射するインジェクタ7が設けられている。筒内噴射エンジン1は、燃焼特性上の要求から燃料噴霧を微細化する必要があるため、インジェクタ7には高圧化された燃料が供給される。
【0016】
吸気通路に設けられたエアクリーナ8は、インテークマニホールド3に連通したエアチャンバ9に接続されている。エアクリーナ8とエアチャンバ9との間には、吸入空気量を調整する電動スロットルバルブ10が介装されている。このスロットルバルブ10は、電動モータ11によって動作し、アクセルペダル18と機械的にリンクした構造とはなっていない。スロットルバルブ10の開度(スロットル開度)は、マイクロコンピュータを中心として構成される制御装置12(以下、「ECU」という)からの出力信号によって設定される。
【0017】
一方、エギゾーストマニホールド5は、排気通路を介して三元触媒コンバータ13と連通しているとともに、その下流にはNOx吸蔵触媒コンバータ14が設けられている。そして、これらの触媒コンバータ13,14を介して浄化された排気ガスがマフラー15を経て排出される。
【0018】
また、エギゾーストマニホールド5とエアチャンバ9との間には、排気還流通路16が設けられている。この排気還流通路16には、吸気通路へ還流させる排気量を調整する排気再循環バルブ17(以下、「EGRバルブ」という)が介装されている。EGRバルブ17は、内蔵されたステッパーモータによって駆動し、ECU12からの出力信号によってその開度が設定される。EGRバルブ17の開度(EGR開度)を調整することで、燃焼に寄与しない不活性ガスを吸気通路内を流れる吸気中に適切に混入する。それにより、燃焼温度を低下させ、排気ガス中に含まれるNOxの排出量を減少させることができる。
【0019】
ECU12は、ROMに格納された制御プログラムに従って燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、スロットル開度およびEGR開度等に関する演算を行う。そして、算出された制御量に対応する制御信号を各種アクチュエータに対して出力する。ECU12には、運転状態を検出するために、センサ20〜24を含む各種センサからのセンサ信号が入力されている。吸入空気量センサ20は、エアクリーナ8の直下流に設けられており、吸入空気量Qを検出するホットワイヤ式またはホットフィルム式のセンサである。スロットル開度センサ21は、スロットル開度θtを検出するセンサである。アクセル開度センサ22は、ポテンショメータ等で構成されており、ドライバの要求負荷を表すアクセルペダル18の踏み込み量(アクセル開度θa)を検出するセンサである。エンジン回転数センサ23は、エンジン回転数Neを検出するセンサであり、エンジン1のクランクシャフトと一体的に回転するクランクロータの外周近傍に配置されたクランク角センサを用いることができる。空燃比センサ24は、三元触媒コンバータ13の直上流に設けられており、排気通路を流れる排気ガスから排気空燃比A/F(排気当量比Φexと等価)を検出するためのセンサである。空燃比センサ24としては、例えばリニアO2センサを用いることができる。
【0020】
インジェクタ7による燃料噴射量は、基本的には、運転状態に応じた目標空燃比に相当する燃焼が行われるような値に設定される(空燃比制御)。この目標空燃比は、燃焼形態に応じた値に設定され、例えば、通常の成層燃焼では30から40までの範囲内、通常の均一混合燃焼では12から18までの範囲内において適切に設定される。しかしながら、外乱的な要因が加わると、排気空燃比A/F(実空燃比)は目標空燃比と一致しない。そこで、空燃比センサ24により検出される排気空燃比A/F(実空燃比)に基づいた空燃比フィードバック制御が行われる。具体的には、空燃比センサ24であるリニアO2センサの出力電圧Vから排気空燃比A/Fを検出する。センサの出力電圧Vと排気空燃比とは一対一の関係にあるから、両者の関係をまとめたテーブルを実験またはシミュレーション等を通じて作成し、このテーブルをECU12中のROMに格納しておく。そして、テーブルを参照して特定された排気空燃比と目標空燃比との偏差が小さくなるようなフィードバック補正を燃料噴射量に対して行う。これにより、排気空燃比を目標空燃比に収束させることができ、空燃比の制御精度を向上させることができる。
【0021】
なお、後述する空燃比制御では、制御変数として、空燃比の代わりに当量比を用いている。ここで、当量比は空気過剰率λの逆数であり、理論空燃比(例えば14.5)/実空燃比として表される。当量比が定まれば空燃比も一義的に特定されるため、空燃比の制御変数として空燃比または当量比のどちらを用いてもよい。上述した目標空燃比に相当する目標当量比は、ドライバーの要求負荷(例えばアクセル開度θa)、エンジン回転数Ne等から特定された運転状態に基づき、テーブル参照等の手法を用いて特定される。なお、均一混合燃焼と成層燃焼とでは空燃比が大きく異なるため、当量比も燃焼形態によって大きく相違する。そのため、本形態においては、目標当量比を算出するためのテーブルが均一混合燃焼用と成層燃焼用に別個に用意されている。
【0022】
図2は、燃焼形態の移行判定ルーチンを示したフローチャートである。ECU12は、この判定ルーチンを所定の実行サイクル(例えば10ms)で繰り返し実行し、燃焼形態の移行判定を行う。そして、判定結果である移行実施フラグPFMの内容に応じて、燃焼形態の移行制御が別のルーチンによって実行される。まず、ステップ1において、ECU12は、エンジン回転数センサ23によって特定されたエンジン回転数Neと、アクセル開度センサ22によって特定されたアクセル開度θa(ドライバーの要求負荷に相当)とを読み込む。
【0023】
続くステップ2において、図10に示した燃焼形態判定マップを参照して、エンジンの運転状態に応じた目標燃焼形態(成層燃焼または均一混合燃焼)が選択される。同図のマップからわかるように、目標燃焼形態は、低負荷低回転領域においては成層燃焼が設定され、それ以外の領域では均一混合燃焼が設定される。ここで、成層燃焼は、圧縮行程においてインジェクタ7による燃料噴射を開始するとともに点火直前に終了し、燃料噴霧の後端部を点火プラグ6で着火して混合気を燃焼させる燃焼方式である。成層燃焼は、燃料周辺の空気しか利用せず、充填空気量に対して極めて少ない燃料量で安定した燃焼を得ることができるため、エンジン低負荷低回転運転時に適している。一方、均一混合燃焼は、成層燃焼よりも早い行程(例えば排気行程終期または吸気行程)に燃料を噴射し、気筒内に噴射燃料が十分に拡散し、噴射燃料と空気とが均一に混合した後に着火する燃焼方式である。均一混合燃焼は、空気利用率が高くエンジンの出力向上を図ることができるため、高負荷高回転運転時に適している。
【0024】
そして、ステップ3において、移行実施フラグPFMが「1」であるか否かが判定される。移行実施フラグPFMは、初期的には「0」に設定されており、「1」は燃焼形態の移行制御中であることを意味する。ステップ3において否定判定された場合(PFM=「0」)、ステップ4に進み、現在行われている燃焼形態がステップ2において決定された目標燃焼形態と一致しているか否かが判断される。このステップ4で肯定判定された場合は、移行実施フラグPFM(=「0」)を変更することなくリターンへ進み、今回の実行サイクルにおける本ルーチンの実行を終了する。現在行われている燃焼形態が目標燃焼形態と一致している間、ステップ1からステップ4までの一連の手順が繰り返されるため、移行実施フラグPFMは「0」のままである。したがって、その期間においては、通常の燃焼制御が継続される。
【0025】
その後、運転状態が変化して、現在の燃焼形態がステップ2において決定された目標燃焼形態と相違した場合、ステップ4の判定結果が肯定から否定に変わるため、移行実施フラグPFMは「1」にセットされる(ステップ5)。これにより、通常の燃焼制御が一時的に中断され、燃焼形態を移行するための移行制御が指示される。移行制御の詳細については後述する。
【0026】
ステップ5において移行実施フラグPFMが「1」にセットされた場合、それ以降の実行サイクルでは、ステップ3の判定結果が否定から肯定に変わるため、ステップ3からステップ6へ進む。このステップ6は移行制御の終了判定に関するものであり、基準当量比Φが移行後の燃焼形態における目標当量比Φaftrに到達したか否かが判断される。この移行後の目標当量比Φaftrは、移行後の燃焼形態が成層燃焼である場合、例えば0.36〜0.48(空燃比換算で30〜40)において適切に設定される。また、移行後の燃焼形態が均一混合燃焼である場合、この目標当量比Φaftrは、例えば0.81〜1.21(空燃比換算で12〜18)において適切に設定される。
【0027】
また、基準当量比Φは、図3に示した基準当量比算出ルーチンに従って算出される。詳細については後述するが、この算出ルーチンが繰り返されることで、移行制御中においては、基準当量比Φが経時的に変化(均一混合→成層では減少、成層→均一混合では増加)していく。基準当量比Φが移行後の目標当量比Φaftrに到達(移行制御の終了を意味する)するまでの間、ステップ6の判定結果は否定であるから、移行実施フラグPFMが「1」に維持され、移行制御が継続される。そして、基準当量比Φが移行後の目標当量比Φaftrに到達すると、ステップ6の判定結果が否定から肯定に変わるため、移行実施フラグPFMは「0」にリセットされる(ステップ7)。これにより、移行制御が終了して通常制御へと復帰する。
【0028】
移行実施フラグPFMが「1」にセットされることで(ステップ5)、現在の燃焼形態から目標燃焼形態への移行制御が開始される。この移行制御では、当量比(最終当量比Φfinal)が、燃焼形態の切り換え実行可能な範囲(例えば空燃比換算で18〜27)にあることを前提として、各気筒における燃焼形態の切り換えが順次実行される。燃焼形態の切り換え条件として基準当量比Φの範囲を設けた理由は、燃焼形態の切り換えによる空燃比の急激な変化をなるべく抑えて、トルクショックを軽減するためである。
【0029】
図7は、エンジン1の各気筒#1〜#4に関する燃焼形態の切り換え順序を示した説明図である。4つの気筒#1〜#4の点火順序は予め設定されており、クランクシャフトの回転に伴い、気筒#1→気筒#3→気筒#2→気筒#4の順に点火すなわち燃焼が行われる。また、同図に示した○印は移行前の燃焼形態を示し、×印は移行後の燃焼形態(目標燃焼形態)を示す。各気筒の切り換えは、まず最初のサイクル(4サイクルエンジンにおいて1サイクルはエンジン2回転)における気筒#1の燃焼時に、気筒#1の燃焼形態が目標燃焼形態へ切り換えられる。気筒#1の燃焼形態が切り換わるタイミングをt#1とする。つぎに、2番目のサイクルにおける気筒#3の燃焼時に気筒#3の燃焼形態が、そして、3番目のサイクルにおける気筒#2の燃焼時に気筒#2の燃焼形態がそれぞれ切り換えられる。各気筒#3,#2の燃焼形態が切り換わるタイミングをそれぞれt#3,t#2とする。最後に、4番目のサイクルにおける気筒#4の燃焼時に気筒#4の燃焼形態が切り換えられ(その切り換えタイミングt#4)、全気筒#1〜#4に関する燃焼形態の切り換えが完了する。そして、上述したように、基準当量比Φが移行後の目標当量比Φaftrに到達した時点で、移行実施フラグPFMが「0」にリセットされ、移行制御が終了する(図2のステップ6,7)。
【0030】
図7に示した切り換え順序において、各気筒#1〜#4に関する燃焼形態の切り換え間隔はすべて5/4サイクルとなる。このように、切り換え間隔を気筒の点火間隔(1/4サイクル)よりも長く設定することにより、ドライバーが体感し得るトルクショックの発生を効果的に低減することができる。この点を図6に示した燃焼形態の切り換え順序と対比して説明する。図6に示した切り換え順序において、各気筒#1〜#4の燃焼形態は、点火順序と同様の順序(間隔も同様)で切り換えられる。したがって、切り換え間隔は1/4サイクルとなり、全気筒#1〜#4の燃焼形態の切り換えは1サイクルの間で完了する。各気筒で発生するトルク変動自体は、後述する移行制御によってある程度低減することが可能である。しかしながら、図6に示した切り換え順序では、全気筒#1〜#4のトルク変動が1サイクルという短期間に集中するため、ドライバーが体感し得るトルクショックが生じやすい。これに対して、図7に示した切り換え順序では、点火間隔(1/4サイクル)よりも長い切り換え間隔(5/4サイクル)で、各気筒#1〜#4の燃焼形態を順次切り換えている。そして、気筒#1で最初に切り換えを行ってから気筒#4で最後の切り換えが完了するまでに要する期間は、15/4サイクルとなる。したがって、切り換え間隔を広げた分だけ、換言すれば、全気筒#1〜#4を切り換えるのに要する期間が長くなった分だけ、各気筒#1〜#4のトルク変動が分散される。その結果、図6に示した切り換え順序よりも、図7に示した順序の方が、トルクショックを効果的に低減することができる。
【0031】
つぎに、燃焼形態の具体的な移行制御について説明する。図3は基準当量比Φの算出ルーチンを示したフローチャートである。この算出ルーチンは、ECU12によって所定の実行サイクル(例えば10ms)で繰り返し実行される。基準当量比Φは、燃料噴射パルス幅Tiの制御変数である最終当量比Φfinalを算出するために用いられる。したがって、最終当量比Φfinalから算出された燃料噴射パルス幅Ti(インジェクタ7の燃料噴射量に相当)は、基本的には基準当量比Φに応じて変化する(ただし例外あり)。また、基準当量比Φは、図2の判定ルーチンにおいて移行終了判定を行う際にも用いられる(ステップ6)。
【0032】
まず、ステップ11において、移行制御フラグPFMが「1」であるか否かが判断される。移行制御フラグPFMの内容は、図2に示した判定ルーチンにより設定される。ステップ11において否定判定された場合、すなわち、通常制御期間においては、移行前の目標当量比Φbfrが基準当量比Φとして設定される(ステップ12)。一方、ステップ11において肯定判定された場合、すなわち、移行実施フラグPFMが「1」の場合は、ステップ13に進み、どちらの燃焼形態への移行であるかが判断される(均一混合燃焼→成層燃焼または成層燃焼→均一混合燃焼)。均一混合燃焼から成層燃焼へ移行する場合は、ステップ13において肯定判定され、基準当量比Φの減算処理が行われる(ステップ14)。すなわち、現在の基準当量比Φから所定の制御定数αを減算した値が新たな基準当量比Φとしてセットされる。一方、成層燃焼から均一混合燃焼への移行する場合は、ステップ13において否定判定され、基準当量比Φの加算処理が行われる(ステップ15)。すなわち、現在の基準当量比Φに所定の制御定数βを加算した値が新たな基準当量比Φとしてセットされる。そして、移行判定ルーチンにより移行実施フラグPFMが再び「0」にリセットされると(移行制御の終了)、ステップ11の判定結果が肯定から否定に変わるため、基準当量比Φは、移行後の目標当量比Φaftrにセットされる(ステップ12)。
【0033】
以上の説明からわかるように、図3に示した算出ルーチンが繰り返されることによって、均一混合燃焼から成層燃焼への移行時において、基準当量比Φは均一混合燃焼の目標当量比Φbfrから徐々に減少していく(空燃比は大きくなっていく)。また、成層燃焼から均一混合燃焼への移行時において、基準当量比Φは成層燃焼の目標当量比Φbfrから徐々に増加していく(空燃比は小さくなっていく)。
【0034】
図4は、燃料噴射パルス幅Tiの算出ルーチンを示したフローチャートである。この算出ルーチンは、ECU12によって所定の実行サイクル(例えば10ms)で繰り返し実行される。なお、この算出ルーチンは、各気筒#1〜#4で別個に実行される点に留意されたい。その結果、気筒毎に最終当量比Φfinal(#1)〜Φfinal(#4)が算出され、燃料噴射パルス幅Tiも気筒毎に算出される。
【0035】
まず、ステップ21において、移行実施フラグPFMが「1」であるか否かが算出される。通常制御時においてはステップ21での否定判定からステップ22に進み、基準当量比Φが最終当量比Φfinalとしてセットされる。基準当量比Φは、図3に示した算出ルーチンに基づいて算出される。
【0036】
一方、ステップ21において肯定判定され場合は、ステップ23に進み、切り換えの実行対象となっている気筒#1〜#4(対象気筒)に関する現在の燃焼形態が判断される。燃焼形態の切り換えは、上述したように、気筒#1(タイミングt#1)→気筒#3(タイミングt#3)→気筒#2(タイミングt#2)→気筒#4(タイミングt#4)の順序で実行され、各気筒の切り換え間隔は5/4サイクルである。したがって、気筒#1の切り換えタイミングt#1から気筒#4の切り換えタイミングt#4までの期間の一部(t#1〜t#4)では、燃焼形態が気筒#1〜#4によって相違している点に留意されたい。
【0037】
ステップ23において否定判定された場合、すなわち、対象気筒で均一混合燃焼が行われている場合は、ステップ25に進み、基準当量比Φが第1のしきい値Φlim1よりも大きいか否かが判断される。この第1のしきい値Φlim1は、均一混合燃焼を行い得る空燃比の上限値(均一リーン限界空燃比)に基づいて適切に設定された値である。例えば、均一リーン限界空燃比を20とした場合、この空燃比相当の当量比は約0.73(均一リーン限界当量比)となる。つまり、0.73より小さい当量比では、混合気が希薄すぎて適切な均一混合燃焼を行うことができない。そこで、均一リーン限界当量比に所定のマージンMRGを加算した値を第1のしきい値Φlim1として設定する。そして、システム制御上、この第1のしきい値Φlim1よりも小さい当量比では均一混合燃焼を実行不可なものとして取り扱う。
【0038】
ステップ25において肯定判定された場合、すなわち、基準当量比Φが第1のしきい値Φlim1よりも大きい場合は、ステップ27に進み、最終当量比Φfinalに基準当量比Φの値がセットされる。すなわち、基準当量比Φが均一混合燃焼を実行可能な範囲にある場合、燃料噴射パルス幅Tiの制御変数である最終当量比Φfinalとして、基準当量比Φの値がそのまま用いられる。一方、基準当量比Φが第1のしきい値Φlim1以下である場合は、ステップ25からステップ28に進み、最終当量比Φfinalに第1のしきい値Φlim1の値がセットされる。すなわち、基準当量比Φが均一混合燃焼を実行できない程小さい場合、最終当量比Φfinalは、その燃焼形態を維持しうるリーン側の限界値である第1のしきい値Φlim1にホールドされる。
【0039】
また、ステップ23において肯定判定された場合、すなわち、対象気筒で成層燃焼が行われている場合は、ステップ24に進み、基準当量比Φが第2のしきい値Φlim2よりも小さいか否かが判断される。この第2のしきい値Φlim2は、成層燃焼を行い得る空燃比の下限値(成層リッチ限界空燃比)に基づいて適切に設定された値である。例えば、成層リッチ限界空燃比を25とした場合、この空燃比相当の当量比は0.58(成層リッチ限界当量比)となる。つまり、0.58より大きい当量比では、空燃比が小さすぎて適切な成層燃焼を行うことができない。そこで、成層リッチ限界当量比から所定のマージンMRGを減算した値を第2のしきい値Φlim2として設定する。そして、システム制御上、この第2のしきい値Φlim2よりも大きい当量比では成層燃焼を実行不可なものとして取り扱う。
【0040】
なお、第1のしきい値Φlim1と第2のしきい値Φlim2は、トルク変動の抑制と燃焼の安定性との双方を考慮した上で設定される。後述するように、燃焼形態が切り換わると、最終当量比Φfinalは、第1のしきい値Φlim1と第2のしきい値Φlim2との間でステップ的に切り換わるため、その間で空燃比は急激に変化する。したがって、空燃比変化に伴うトルク変動の抑制に主眼を置くならば、2つのしきい値の変化量|Φlim1−Φlim2|を極力小さく、すなわちマージンMRGを極力小さくことが好ましい。しかしながら、マージンMRGをあまり小さくしすぎると、燃焼制御の精度との関係で、各燃焼形態での実空燃比が成層リッチ/均一リーン限界空燃比を割り込んでしまう可能性がある。そこで、これらのしきい値Φlim1,Φlim2は、燃焼の安定性とトルク変動の抑制の双方を適切に満足するような値に設定するべきである。
【0041】
ステップ24において肯定判定された場合、すなわち、基準当量比Φが第2のしきい値Φlim2よりも小さい場合は、最終当量比Φfinalに基準当量比Φの値がセットされる(ステップ27)。すなわち、基準当量比Φが成層燃焼を実行可能な範囲にある場合は、燃料噴射パルス幅Tiの制御変数である最終当量比Φfinalとして、基準当量比Φの値がそのまま用いられる。一方、基準当量比Φが第2のしきい値Φlim2以上である場合は、最終当量比Φfinalに第2のしきい値Φlim2の値がセットされる(ステップ26)。すなわち、基準当量比Φが成層燃焼を実行できない程大きい場合、最終当量比Φfinalは、その燃焼形態を維持しうるリッチ側の限界値である第2のしきい値Φlim2にホールドされる。
【0042】
ステップ22,26,27,28において最終当量比Φfinalが算出されると、続くステップ29において、基本燃料噴射パルス幅Tpが算出される。基本燃料噴射パルス幅Tpは、エンジン回転数センサ23および吸入空気量センサ20からそれぞれ特定されたエンジン回転数Neと吸入空気量Qとに基づき、下式に従って算出される。なお、同数式において、Kはインジェクタ特性補正係数である(気筒#1〜#4毎に個別に設定)。
【数1】
Tp=K×Q/Ne
【0043】
そして、上述のステップにおいて算出された最終当量比Φfinal、ステップ29において算出された基本燃料噴射パルス幅Tp等に基づき、下式より燃料噴射パルス幅Tiが算出される(ステップ30)。
【数2】
Ti=Tp×Φfinal×LAMBDA+Ts
【0044】
ここで、LAMBDAは空燃比フィードバック補正係数であり、この補正係数を適切に設定することによって、空燃比センサ24から算出された排気当量比Φex(実当量比)が目標当量比Φbfrに収束するように制御される。また、Tsはバッテリー電圧によって定まる無効噴射パルス幅である。
【0045】
そして、ステップ30において算出された燃料噴射パルス幅Tiが対象気筒のインジェクタ7に対して出力される(ステップ31)。それに応じて、インジェクタ7から、燃料噴射パルス幅Ti相当の燃料量が筒内に直接噴射される。以上のような燃料噴射制御を行うことにより、移行制御時も含めて排気当量比Φex(排気空燃比A/F)が目標当量比(目標空燃比)と一致するような制御が行われる。
【0046】
つぎに、均一混合燃焼から成層燃焼へ移行するケースを例に、具体的な移行制御について説明する。図5は、この移行制御におけるタイミングチャートである。タイミングt0で、図2に示した移行判定ルーチンにより移行実施フラグPFMが「1」に切り換わり、移行制御が開始される。スロットル開度θtは、現在のスロットル開度θbfrから成層燃焼の目標スロットル開度θaftr(θbfr<θaftr)へ向けて変化するため、これと一次遅れの関係で吸入空気量Qも増大していく。また、タイミングt0から移行制御の終了時であるタイミングt1までの間は、図3に示した基準当量比算出ルーチンに従い基準当量比Φは徐々に減少していく(ステップ11,13,14)。そして、基準当量比Φが第1のしきい値Φlim1に到達するまでは、全気筒#1〜#4の最終当量比Φfinal(#1)〜Φfinal(#4)も同様に減少し、それに応じた燃料が各気筒のインジェクタ7から噴射される(ステップ21,23,25,27,29〜31)。吸入空気量Qの増大に伴い、上記の数式1に示した基本燃料噴射パルス幅Tpは増大していくが、最終当量比Φfinalは逆に減少していく。そのため、数式2に示した燃料噴射パルス幅Tpはほぼ一定(またはやや増加する傾向)となる。したがって、実空燃比は成層燃焼の空燃比へ向けて緩やかに増加していく。
【0047】
タイミングt#1は、燃焼形態の切り換えを実行可能な状態(空燃比が18〜27)における、最初の切り換え対象気筒#1の点火タイミングである。このタイミングt#1で、気筒#1の燃焼形態が成層燃焼へと切り換わり、その最終当量比Φfinal(#1)は、基準当量比Φ(Φ>Φlim1ならばΦlim1)から第2のしきい値Φlim2へステップ的に変化する。なぜなら、切り換えタイミングt#1で、ステップ23の判定結果が否定から肯定に変わることで、最終当量比Φfinal(#1)の算出手順がステップ27(または28)からステップ26へと変わるからである。そして、それ以降、気筒#1の最終当量比Φfinal(#1)は、基準当量比Φが第2のしきい値Φlim2に到達するまで(タイミングt2)、第2のしきい値Φlim2にホールドされる(ステップ26)。一方、気筒#1以外の気筒#2〜#4については、タイミングt#1後も均一混合燃焼が継続される。したがって、基準当量比Φが第1のしきい値Φlim1に到達後は、気筒#2〜#4の最終当量比Φfinal(#2)〜Φfinal(#4)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされる(ステップ28)。
【0048】
タイミングt#1後のタイミングt#3は、2番目の切り換え対象気筒#3の点火タイミングである。タイミングt#3までは、気筒#3の最終当量比Φfinal(#3)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされている(ステップ28)。そして、このタイミングt#3で、気筒#3の燃焼形態が成層燃焼へと切り換わり、その最終当量比Φfinal(#3)は、ステップ28でセットされていた第1のしきい値Φlim1からステップ26でセットされる第2のしきい値Φlim2へとステップ的に変化する。そして、それ以降、気筒#3の最終当量比Φfinal(#3)は、タイミングt2まで第2のしきい値Φlim2にホールドされる(ステップ26)。一方、気筒#2,#4については、タイミングt#3後も均一混合燃焼が継続される。したがって、気筒#2,#4の最終当量比Φfinal(#2),Φfinal(#4)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされる(ステップ28)。
【0049】
3番目の対象気筒である気筒#2の点火タイミングt#2までは、気筒#2の最終当量比Φfinal(#2)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされている(ステップ28)。そして、このタイミングt#2で、気筒#2の燃焼形態が成層燃焼へと切り換わり、その最終当量比Φfinal(#2)は、第1のしきい値Φlim1から第2のしきい値Φlim2へとステップ的に変化する。そして、気筒#1,#3の場合と同様に、気筒#2の最終当量比Φfinal(#2)は第2のしきい値Φlim2にホールドされる(ステップ26)。一方、気筒#4については、タイミングt#2後も均一混合燃焼が継続される。したがって、気筒#4の最終当量比Φfinal(#4)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされる(ステップ28)。
【0050】
最後の対象気筒である気筒#4の点火タイミングt#4までは、気筒#4の最終当量比Φfinal(#4)は、第1のしきい値Φlim1にホールドされている(ステップ28)。このタイミングt#4において、気筒#4の最終当量比Φfinal(#4)は、第2のしきい値Φlim2へとステップ的に変化し、第2のしきい値Φlim2にホールドされる(ステップ26)。これにより全気筒#1〜#4の燃焼形態の切り換えが完了する。
【0051】
そして、タイミングt2において基準当量比Φが第2のしきい値Φlim2に到達すると、ステップ24の判定結果が否定から肯定へと変化する。これにより、各気筒の最終当量比Φfinal(#1)〜Φfinal(#4)の算出手順は、ステップ26からステップ27へと変わる。タイミングt2以降、最終当量比Φfinal(#1)〜Φfinal(#4)は基準当量比Φとともに減少していく。そして、基準当量比Φが移行後の目標当量比Φaftrに到達した時点(タイミングt1)で、移行実施フラグPFMが「0」にリセットされ、移行制御が終了する。
【0052】
このように、本実施例では、燃焼形態の移行制御時において、1サイクルよりも長い期間をかけて、4つの気筒#1〜#4の燃焼形態の切り換えを順次行っている。すなわち、点火順序における隣接気筒間の点火間隔(1/4サイクル)よりも長い切り換え間隔(5/4サイクル)で、各気筒の燃焼形態の切り換えを行っている。したがって、切り換え間隔を広げた分だけ、換言すれば、全気筒の切り換えに要する期間が長くなった分だけ、各気筒のトルク変動が分散されるため、トルクショックを低減することが可能となる。また、移行制御時において、各気筒の燃料噴射量を制御することにより、個々の気筒で生じるトルク変動を極力抑制している。すなわち、燃焼形態の切り換えの前後で最終当量比Φfinalのステップ的な変化がなるべく小さくなるように第1,第2のしきい値Φlim1,Φlim2を設定している。これにより、トルクショックを一層効果的に低減することができ、筒内噴射エンジンのドライバビリティの一層の向上を図ることができる。
【0053】
なお、上記の実施例では、トルクショックを抑制できる反面、移行制御期間は長くなる。その結果、運転状態によっては加速ラグがドライバーに体感される可能性があり、ドライバビリティの低下を招くおそれがある。そこで、以下のような手法により、アクセル開度θa等に基づいて特定された運転領域の変化速度の大小に応じて、移行制御の手法を選択的に実行することが好ましい。
【0054】
図11は、燃焼形態移行モード判定ルーチンを示したフローチャートである。まず、ステップ41において、アクセル開度センサ22から検出されたアクセル開度θaが読み込まれる。つぎに、ステップ42において、運転領域の変化速度の大小を判断するために、アクセル開度変化速度Δθa/Δtが算出される。これは所定時間当たりのアクセル開度θaの変化量として算出することができる。
【0055】
そして、ステップ43において、アクセル開度変化速度Δθa/Δtが所定の判定しきい値THよりも大きいか否かが判断される。このステップ43において肯定判定された場合(Δθa/Δt>TH)、すなわち、運転領域の変化速度が大きい場合は、ステップ44に進み、通常移行制御が指示される。この場合、図6に示した切り換え順序によって移行制御が行われる。上述したように、この切り換え順序では、各気筒#1〜#4のトルク変動が1サイクルという短期間に集中するため、ドライバーが体感し得るトルクショックが生じるやすい。しかしながら、このような運転状態では、迅速に燃焼形態を移行させる必要があり、また、ドライバーの要求トルクの変動自体も大きい(ドライバー自身もある程度のトルクショックを予想している)。したがって、燃焼形態の移行に伴うトルクショックの問題をあまり考慮する必要はない。
【0056】
一方、ステップ43において否定判定された場合(Δθa/Δt≦TH)、すなわち、運転領域の変化速度が小さい場合は、ステップ45に進み、トルクショック緩和移行制御が指示される。この場合、図7に示した切り換え順序によって移行制御が行われる。上述したように、この切り換え順序では、各気筒#1〜#4のトルク変動が数サイクルに渡って分散されるので、トルクショックを低減することができる。したがって、一定車速で走行中の場合等、ドライバーがトルクショックを敏感に感じやすい運転状態においては、トルクショック緩和移行制御を行うことが好ましい。
【0057】
なお、運転状態の変化速度は、アクセル開度θaの代わりにエンジン回転数Ne(或いは、両センサ出力θa,Neを併用してもよい)を用いて特定することも可能である。この場合、エンジン回転数Neが所定のしきい値よりも大きい場合は、運転領域の変化速度が大きいと判断し、しきい値以下の場合は、その変化速度が小さいと判断する。
【0058】
また、各気筒#1〜#4の燃焼形態の切り換え順序は、上記実施例で述べた手法に限定されるものではない。本発明は、以下の変形例も含めた様々な手法に広く適用することが可能である。
【0059】
図8は、燃焼形態の切り換え順序の変形例を示した説明図である。まず最初のサイクルにおける気筒#1の燃焼時に、気筒#1の燃焼形態が目標燃焼形態へ切り換えられる。また、これと同じサイクルにおける気筒#4の燃焼時に、気筒#4の燃焼形態が切り換えられる。燃焼形態の切り換え順で隣接した気筒#1,#4間の切り換え間隔は3/4サイクルとなる。そして、それに続く2番目のサイクルにおける気筒#2の燃焼時に気筒#2の燃焼形態が切り換えられる(隣接気筒#4,#2間の間隔も3/4サイクル)。最後に、3番目のサイクルにおける気筒#3の燃焼時に気筒#3の燃焼形態が切り換えられ(隣接気筒#2,#3間の間隔も3/4サイクル)、全気筒#1〜#4に関する燃焼形態の切り換えが完了する。
【0060】
上述した例では、気筒#1→気筒#4→気筒#2→気筒#3の順序で燃焼形態の切り換えを行っており、隣接気筒間の切り換え間隔は、図7に示した順序における切り換え間隔(5/4サイクル)よりも短い3/4サイクルとなる。したがって、全気筒#1〜#4の切り換えに要する期間を、図7のケースよりも短縮することができる。
【0061】
図9は、燃焼形態の切り換え順序の他の変形例を示した説明図である。まず最初のサイクルにおける気筒#1の燃焼時に、気筒#1の燃焼形態が目標燃焼形態へ切り換えられる。また、これと同じサイクルにおける気筒#2の燃焼時に、気筒#2の燃焼形態が切り換えられる。隣接気筒#1,#2間の切り換え間隔は1/2サイクルである。そして、それに続く2番目のサイクルにおける気筒#3の燃焼時に気筒#3の燃焼形態が切り換えられる(隣接気筒#2,#3間の切り換え間隔は3/4サイクル)。最後に、2番目のサイクルにおける気筒#4の燃焼時に気筒#4の燃焼形態が切り換えられ(隣接気筒#3,#4間の間隔は1/2サイクル)、全気筒#1〜#4に関する燃焼形態の切り換えが完了する。
【0062】
上述した例では、気筒#1→気筒#2→気筒#3→気筒#4の順序で燃焼形態の切り換えを行っている。また、隣接気筒間の切り換え間隔を気筒によって変えている(1/2サイクルまたは3/4サイクル)。このように気筒毎に切り換え間隔を変えることで、燃焼形態の移行制御に要する期間を、図8のケースよりもさらに短縮することができる。
【0063】
なお、以上の説明は四気筒エンジンに関するものであるが、それ以上の気筒を有する筒内噴射エンジン(六気筒エンジンや八気筒エンジン等)についても適用することができるのは当然である。例えば、六気筒エンジンに適用する場合、気筒間の点火間隔は1/6サイクルになるので、各気筒の切り換え間隔を、1/6サイクルよりも長く設定すればよい(例えば7/6サイクル間隔)。
【0064】
【発明の効果】
このように本発明によれば、成層燃焼と均一混合燃焼との間で燃焼形態を移行させる場合において、切り換え順序で隣接した気筒間の切り換え間隔を、気筒間の点火間隔よりも長く設定している。したがって、各気筒で生じるトルク変動が分散されるため、ドライバーが体感し得るトルクショックを効果的に抑制することができる。その結果、筒内噴射エンジンのドライバビリティの一層の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒内噴射エンジンの全体構成図
【図2】燃焼形態の移行判定ルーチンを示したフローチャート
【図3】基準当量比の算出ルーチンを示したフローチャート
【図4】燃料噴射パルス幅の算出ルーチンを示したフローチャート
【図5】均一混合燃焼から成層燃焼へ移行するケースにおけるタイミングチャート
【図6】通常移行制御における燃焼形態の切り換え順序を示した説明図
【図7】トルクショック緩和移行制御における燃焼形態の切り換え順序を示した説明図
【図8】燃焼形態の切り換え順序の変形例を示した説明図
【図9】燃焼形態の切り換え順序の他の変形例を示した説明図
【図10】燃焼形態判定マップを示した図
【図11】燃焼形態移行モード判定ルーチンを示したフローチャート
【符号の説明】
1 筒内噴射エンジン、 2 吸気バルブ、
3 インテークマニホールド、 4 排気バルブ、
5 エギゾーストマニホールド、 6 点火プラグ、
7 インジェクタ、 8 エアクリーナ、
9 エアチャンバ、 10 電動スロットルバルブ、
11 電動モータ、 12 制御装置(ECU)、
13 三元触媒コンバータ、 14 NOx吸蔵触媒コンバータ、
15 マフラー、 16 排気還流通路、
17 排気再循環(EGR)バルブ、18 アクセルペダル、
20 吸入空気量センサ、 21 スロットル開度センサ、
22 アクセル開度センサ、 23 エンジン回転数センサ、
24 空燃比センサ

Claims (7)

  1. 燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを有し、運転状態に応じて成層燃焼または均一混合燃焼を選択的に行う筒内噴射エンジンの制御装置において、
    成層燃焼と均一混合燃焼との間で燃焼形態を移行させるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって燃焼形態を移行させると判定された場合、燃焼形態を気筒毎に順次切り換える移行制御を行う制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記移行制御時において、1サイクルよりも長い期間をかけて、すべての気筒の燃焼形態の切り換えを行い、
    前記制御手段は、一気筒の燃焼形態を切り換える場合、均一混合燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリーン側に設定された第1のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、成層燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリッチ側に設定された第2のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、かつ、前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間では、空燃比をステップ的に変化させる制御を行うことを特徴とする筒内噴射エンジンの制御装置。
  2. 燃焼室内に燃料を直接噴射するインジェクタを有し、運転状態に応じて成層燃焼または均一混合燃焼を選択的に行う筒内噴射エンジンの制御装置において、
    成層燃焼と均一混合燃焼との間で燃焼形態を移行させるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって燃焼形態を移行させると判定された場合、燃焼形態を気筒毎に順次切り換える移行制御を行う制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記移行制御時において、気筒間の点火間隔よりも長い切り換え間隔で、各気筒の燃焼形態の切り換えを行い、
    前記制御手段は、一気筒の燃焼形態を切り換える場合、均一混合燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリーン側に設定された第1のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、成層燃焼における空燃比と当該空燃比よりもリッチ側に設定された第2のしきい値との間では空燃比を徐々に変化させ、かつ、前記第1のしきい値と前記第2のしきい値との間では、空燃比をステップ的に変化させる制御を行うことを特徴とする筒内噴射エンジンの制御装置。
  3. 前記切り換え間隔は、気筒によって相違していることを特徴とする請求項2に記載された筒内噴射エンジンの制御装置。
  4. 前記筒内噴射エンジンは四気筒エンジンであり、
    前記切り換え間隔は、1/4サイクルよりも長いことを特徴とする請求項2に記載された筒内噴射エンジンの制御装置。
  5. 前記切り換え間隔は、5/4サイクルまたは3/4サイクルであることを特徴とする請求項4に記載された筒内噴射エンジンの制御装置。
  6. エンジン回転数またはアクセル開度の少なくとも一方に基づいて、運転領域の変化速度を検出する検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記検出手段により検出された運転領域の変化速度が判定しきい値以下である場合に、前記移行制御を実行することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載された筒内噴射エンジンの制御装置。
  7. インジェクタの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御手段をさらに有し、
    前記燃料噴射制御手段は、成層燃焼時においては、圧縮行程で燃料噴射を開始するとともに点火直前に燃料噴射を終了し、均一混合燃焼時においては、成層燃焼よりも早い行程で燃料噴射を開始することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載された筒内噴射エンジンの制御装置。
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