JP3885302B2 - 筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置、特に排気通路にリーンNOx触媒を設けているものに関する。
【0002】
【従来の技術】
均質燃焼域において20〜25といったリーンな空燃比で運転を行うとともに、そのリーン運転域で発生するNOxを、排気通路に設けたリーンNOx触媒によりHCを用いて浄化するようにしたリーンバーンシステムにおいて、リーンNOx触媒は、排気中のHCが不足すると、NOxの還元効率が低下するので、リーンNOx触媒に流入するHC量が必要HC量に対して不足しているときは排気中のHCが増加するように燃料噴射時期を変更するようにしたものがある(特開平3−217640号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インジェクタを燃焼室内に臨んで設けるとともに、燃焼室、吸気ポートの形状やピストン頂面の形状などを工夫して、エンジン低負荷時に点火プラグ付近にだけ混合気を偏在させて燃焼(成層燃焼)を行わせることにより、燃焼室内平均の空燃比が上記のリーンな空燃比よりもさらに大きい、たとえば30〜40といった空燃比を実現するようにした、いわゆる筒内直接噴射式火花点火エンジンがあり、このエンジンとリーンNOx触媒を組み合わせる場合にも、排気中のHCの不足でNOxの還元効率が低下するため、燃料噴射時期を変えることによってHCを増やすことが考えられる。
【0004】
しかしながら、筒内直接噴射式火花点火エンジンでは、燃料噴射時期を変えると、燃焼が悪化してエンジンの安定性が悪くなるので、燃料噴射時期をむやみに変えることはできない。
【0005】
そこで本発明は、圧縮行程での通常の噴射はそのままとし、これとは別に膨張行程や排気行程で2回目の噴射を行うことにより、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいても、エンジンの安定性を悪化させることなく、HCをリーンNOx触媒に供給してリーンNOx触媒でのNOxの還元率を高めることを目的とする。
【0006】
なお、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいて、圧縮行程での噴射に加えて、触媒の暖機のため膨張行程や排気行程で追加の噴射を行うとともに、追加燃料の混入した排気を点火プラグやグロープラグにより再点火するようにしたものがある(特開平4−183922号)。しかしながら、このものでは、追加の噴射燃料に再点火して燃やし、燃焼による排気熱で触媒を加熱する構成であるため、未燃のHCが触媒に到達することはない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図24に示すように、排気通路にリーンNOx触媒を配置した直噴噴射式火花点火エンジンにおいて、成層燃焼を行わせる条件かどうかを判定する手段31と、この判定結果より成層燃焼条件で圧縮行程での噴射に加えて、ピークガス温度に基づいて設定した、HCが酸化しないシリンダ内ガス温度となるタイミングで、膨張行程または排気行程での2回目の少量噴射を開始する手段32とを設けた。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において成層燃焼条件でのHCとNOxの各濃度を推定し、NOx濃度に対して過不足のない理想バランスとなるHC濃度が得られる前記2回目噴射の噴射量を演算する。
【0009】
第3の発明では、第2の発明において前記HCとNOxの各濃度を、エンジン回転数、エンジン負荷、EGR率のすくなくとも一つから推定する。
【0010】
第4の発明では、第3の発明において成層燃焼条件でかつエンジン暖機前に燃料増量(たとえば水温増量補正)を行うときは、その燃料増量により定まる空燃比に応じても、前記HCとNOxの各濃度を推定する。
【0011】
第5の発明では、第1から第4までのいずれか一つの発明において前記ピークガス温度が高いほど2回目噴射の開始時期を遅らせる。
【0013】
第6の発明では、第1から第5までのいずれか一つの発明において前記ピークガス温度を、エンジンの回転数、負荷、EGR率、点火時期の少なくとも一つから予測する。
【0014】
第7の発明では、第1から第6までのいずれか一つの発明において前記HCが酸化しない筒内ガス温度となるタイミングを、成層燃焼条件での最大のピークガス温度にもとづき一律に設定する。
【0015】
第8の発明では、第1から第7までのいずれか一つの発明においてNOxを吸着するとともにこの吸着したNOxをHCの存在下で脱離する性質を有する手段を排気通路に配置するとともに、このNOx吸着手段でのNOx吸着量を予測し、この予測したNOx吸着量が飽和状態に達したタイミングで前記2回目噴射を行い、この2回目噴射に伴うHCの供給によりNOx吸着手段よりNOxが脱離し終わったと思われるタイミングで前記2回目噴射を終了する。
【0016】
第9の発明では、第1から第8までのいずれか一つの発明において前記2回目噴射量が規定値以下のとき全気筒分の2回目噴射を一部の気筒だけで行う。
【0017】
【発明の効果】
第1の発明では圧縮行程での噴射を行ったあとに、少量の2回目噴射が膨張行程または排気行程で行われる。シリンダ内で燃焼するガスの温度は圧縮上死点直後にピークを迎え、その後は低下していくので、このガス温度のピークの後でありかつあるていどガス温度が低下したタイミングで2回目噴射を行うことで、2回目噴射の燃料が酸化されることなく(つまりHCを保存したまま)リーンNOx触媒へと供給されるわけである。
【0018】
このように第1の発明では、圧縮行程噴射はそのままにして、2回目噴射によりHCを供給しているので、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいても、エンジンの安定性を悪化させることなく、リーンNOx触媒でのNOxの還元率を高めることができる。
また、HCが酸化しないガス温度となるタイミングで2回目噴射を行うので、2回目噴射燃料のすべてをHCのままで供給することが可能となる。
【0019】
第2の発明では、リーンNOx触媒へのHCの供給を過不足なく行うことができる。
【0020】
第3の発明では、成層燃焼条件においてエンジン回転数、エンジン負荷、EGR率が相違しても、HCとNOxの各濃度を精度よく推定することができる。
【0021】
HC濃度やNOx濃度は空燃比によっても変化するので、HCとNOxの各濃度を推定する際に、エンジン回転数とエンジン負荷から求めていれば、空燃比は織り込まれている。空燃比は回転数と負荷を指定すれば空燃比が定まるので、回転数と負荷をパラメータとすることは、これらに加えて空燃比もパラメータとしていることになるからである。したがって、エンジンの暖機後は問題ないのであるが、エンジンの暖機前に行われる燃料増量により空燃比がリッチ化される点については考慮されていないので、エンジンの暖機前に成層燃焼条件が成立してHCとNOxの各濃度を推定するときは、この燃料増量による空燃比のリッチ化の分だけの誤差が生じてしまう。これに対して第4の発明では、エンジン暖機前には、この暖機前のの空燃比をも考慮してHCとNOxの各濃度を推定するので、エンジンの暖機前に燃料増量が行われるときにも、HCとNOxの各濃度の推定値に誤差が生じることがない。
【0022】
第5の発明では、ピークガス温度が高いほど2回目噴射の開始時期を遅らせるので、2回目噴射燃料のすべてをHCのままで供給することが可能となる。
【0023】
第6の発明では、成層燃焼条件においてエンジン回転数、エンジン負荷、EGR率、点火時期が相違しても、ピークガス温度を精度よく推定することができる。
【0024】
成層燃焼条件においてピークガス温度が最大となる場合が2回目噴射の噴射開始タイミングが最も遅れる場合である。したがって、この場合の噴射開始タイミングで一律に2回目噴射を行ってもHCが酸化することはない。つまり、第7の発明により、成層燃焼条件においてピークガス温度が最大となる場合にHCが酸化しないガス温度となるタイミングで一律に2回目の噴射を行わせることで、マッチングの工数を減らすことができる。
【0025】
20〜25といったリーンな空燃比とそれよりも濃い空燃比(理論空燃比や出力空燃比)とを運転条件により切換えるようにした、いわゆるリーンバーンシステムを採用するエンジンにおいて、排気の空燃比が理論空燃比よりリーン側にあるときにはNOxを吸着し、排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側になると、吸着したNOxを脱離させる手段をリーンNOx触媒上流の排気通路に配置し、リーン空燃比での運転時に発生するNOxをこのNOx吸着手段により吸着させ、NOx吸着手段へのNOx吸着量が飽和状態に達する前に排気の空燃比を一時的に理論空燃比よりリッチ側にしてHCを供給し、このHCでNOx吸着手段からNOxを脱離させるとともに、下流のリーンNOx触媒でこの脱離させたNOxをHCを用いて還元するようにしたものが公知である(特開平6−66185号参照)。
【0026】
これに対して第8の発明は、NOx吸着手段を排気通路に配置したものを前提とし、NOx吸着手段でのNOx吸着量を予測し、この予測したNOx吸着量が飽和状態に達したタイミングで2回目の噴射を行い、この2回目噴射に伴うHCの供給によりNOx吸着手段よりNOxが脱離し終わったと思われるタイミングで2回目噴射を終了するようにしたものである。ここで、HCを供給するための2回目噴射は成層燃焼条件で行うのであるから、上記公知例のように、NOx吸着手段よりNOxを脱離させるため空燃比を一時的に理論空燃比よりもリッチ側に切換えることは必要でなく、したがって上記公知例よりも燃費が向上する。
【0027】
第9の発明では、2回目噴射の噴射量が小さすぎて気筒別に2回目噴射を行ったのでは、2回目噴射量がインジェクタの誤差の範囲内に入ってしまい、十分な精度が確保できない場合に、全気筒分の2回目噴射を一部の気筒だけで行わせるので、この場合(2回目噴射量が小さすぎてすべての気筒で2回目噴射を行ったのでは、2回目噴射量がインジェクタの誤差の範囲内に入ってしまう場合)でも、要求されるHC量を精度よくリーンNOx触媒へと供給できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は筒内直接噴射式火花点火エンジンの制御システムである。
【0029】
図において、1はエンジン本体、2は燃焼室、3はピストン、4は点火プラグ、5はインジェクタ、6は吸気弁、7は排気弁、8はスワールコントロールバルブ、9はDCモータ等からなるスロットルアクチュエータにより駆動されるスロットル弁である。なお、筒内直接噴射式火花点火エンジンは、インジェクタを燃焼室内に臨んで設けるとともに、燃焼室、吸気ポートの形状やピストン頂面の形状を工夫したものであるが、こうした構成そのものに本発明は関係しないので、図1には簡単に示している。
【0030】
ECU(エレクトロニックコントロールユニット)11には、スロットル弁9上流の空気流量を検出するエアフローセンサ12、クランク角センサ13、エンジンの冷却水温を検出するセンサ14からの信号が、O2センサ15などからの信号とともに入力され、これらの信号に基づいて、エンジン低負荷時に点火プラグ4付近にだけ混合気を偏在させて燃焼(成層燃焼)を行わせることにより、燃焼室内平均の空燃比がたとえば30〜40といった空燃比での運転を行わせ、エンジン低負荷時を外れると、燃焼室内に均質な混合気を形成させるとともに燃焼室内平均の空燃比を、低負荷時よりもリッチな空燃比(理論空燃比や出力空燃比)に制御する。
【0031】
排気通路21の途中には上流側と下流側に触媒コンバータ22、23を備える。このうち上流側の触媒コンバータ22には三元触媒だけが、また下流側の触媒コンバータ23には三元触媒とリーンNOx触媒が上流側よりこの順に配置されており、理論空燃比域では、三元触媒により排気中のHC、COの酸化とNOxの還元とが同時に行われる。また、成層燃焼域で発生するNOxがリーンNOx触媒により浄化される。
【0032】
さて、リーンNOx触媒は、排気中のHCが不足すると、NOxの還元効率が低下するので、リーンNOx触媒に流入するHC量が必要HC量に対して不足しているときは排気中のHCが増加するように、吸気ポートに設けたインジェクタの燃料噴射時期を変更するようにしたものが公知であるので、これを筒内直接噴射式火花点火エンジンに適用すると、噴射時期の変更に伴う燃焼の悪化でエンジンの安定性が悪くなるので、圧縮行程での噴射時期をむやみに変えることはできない。
【0033】
これに対処するため本発明の第1実施形態では、圧縮行程での噴射はそのままとし、これとは別にシリンダ内でHCが酸化しないタイミング(たとえば圧縮行程や排気行程)で2回目の噴射を行う。以下、簡単に前者を圧縮行程噴射、後者を2回目噴射という。
【0034】
ECU11で実行されるこの制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説明する。
【0035】
図2は、圧縮行程噴射の燃料噴射パルス幅TI1と噴射開始クランク角TIST1に加えて、2回目噴射の燃料噴射パルス幅TI2を算出するためのもので、一定時間毎(たとえば10ms毎)に実行する。なお、噴射はシーケンシャルに行うので、特定の気筒(たとえば1番気筒)について説明する。
【0036】
ステップ1では
TP1=Tp×TFBYA×(α+αm−1)×2 …(1)
の式により圧縮行程噴射の有効パルス幅TP1を計算したあと、ステップ2において
TI1=TP1+Ts …(2)
の式により圧縮行程噴射の燃料噴射パルス幅TI1[ms]を計算する。
【0037】
ここで、(1)式のTpは吸入空気量Qaとエンジン回転数NからTp=K×Qa/N(ただし、Kは定数)の式により計算される値で、このTpによりほぼ理論空燃比の混合気が得られる。
【0038】
(1)式のTFBYA[無名数]は目標燃空比相当量で、
TFBYA=Mdml+KTW …(3)
の式により計算している。このうちMdmlはマップ値である。たとえば、成層燃焼条件でないときは、理論空燃比あるいはそれよりも濃い空燃比のマップ値(マップ燃空比)を、図4に示す特性のマップを回転数Nと負荷Tpとで検索することにより求め、これに対して、成層燃焼条件のときは、理論空燃比よりも所定の範囲だけ薄い値のマップ燃空比を、図3に示す特性のマップにしたがって同じように検索する。なお、これらのマップに記した数値は、理論空燃比の時を1.0とする相対値であるため、これよりも数値が大きければリッチ、小さければリーンを示す。(3)式のKTWは水温増量補正係数である。
【0039】
また、(1)式のαは空燃比フィードバック補正係数、αmは空燃比学習補正係数、Tsはインジェクタ5が噴射信号を受けてから実際に開弁するまでの作動遅れを補償するための無効パルス幅である。ただし、成層燃焼条件ではαは1.0に固定される。
【0040】
ステップ3では時間単位のTI1をそのときのエンジン回転数Nを用いてクランク角単位の噴射期間MTIA1[deg]に変換し、ステップ4において
TIST1=TITM1−MTIA1 …(4)
の式により圧縮行程噴射の噴射開始クランク角TIST1[deg]を計算する。
【0041】
ここで、(4)式のTITM1は、圧縮行程においてこのタイミングまでに噴き終わらなければならないクランク角(固定値)である。
【0042】
ステップ5では2回目噴射の有効パルス幅TP2を算出し、このTP2にステップ6において無効パルス幅Tsを加算することにより、2回目噴射の燃料噴射パルス幅TI2[ms]を計算する。このTP2の算出については、図5のフローチャートにより説明する。
【0043】
図5において、ステップ11では成層燃焼条件かどうかみて、成層燃焼条件でないときは、ステップ11よりステップ17に進み、TP2に0を入れる。このときは、2回目噴射は行われない。
【0044】
成層燃焼条件のときは、ステップ12以降に進む。まず、ステップ12では回転数N、負荷Tp、EGR率を読み込み、これらの値からステップ13、14において関数により、あるいはマップ検索と直線補間計算との組み合わせなどの良く知られた方法を用いてHC濃度であるHC1 [ppm] 、NOx濃度であるNOx1 [ppm] を求める。HC、NOxの各濃度を回転数N、負荷Tp、EGR率をパラメータとして求めるのは、図6、図7、図8に示したように、HC、NOxの各濃度が回転数N、負荷Tp、EGR率に応じて変化するからである。
【0045】
ステップ15では、このようにして求めたHC1とNOx1を用いて
HC2=NOx1×(a−HC1/NOx1) …(5)
の式により、不足しているHC濃度であるHC2 [ppm] を計算する。ただし、(5)式のaはHC濃度とNOx濃度の理想バランスである。
【0046】
ここで、NOxをHCの存在のもとで理想的に還元するには、
【0047】
【数1】
【0048】
の式が成立するように係数f、g、h、i、jを定めればよい。つまり、HCは当量比(濃度比で置き換えることができる)でNOxがgあるときfあればよい。したがって、HC濃度とNOx濃度の理想バランスはf/gであり、この比をaとおいたものである。
【0049】
上記の(5)式は、次のようにして得たものである。HC1では不足するHC濃度をHC2とすれば、これらの合計がHC濃度となり、これとNOx濃度の比がaに等しくなればよい。つまり、
(HC1+HC2)/NOx1=a
が成立する。この式をHC2について解けば(5)式が得られる。
【0050】
ステップ16では
TP2=HC2×(Qa/N)×b …(6)
ただし、b:定数
の式によりTP2[ms]を計算する。
【0051】
ここで、(6)式は次のようにして得たものである。濃度であるHC2にガスボリュームであるQaをかけたものがHC量となり、これを1燃焼サイクル(4気筒ではクランク角で720deg、エンジン2回転分)当たりの値とするには、回転数Nの2倍で割ればよい。つまり、1燃焼サイクル当たりに供給すべきHC量は、HC2×Qa/(2N)である。HC量は燃料噴射量(つまり有効パルス幅)にほぼ比例するので、HC2×Qa/(2N)に燃料噴射量への換算係数b ′ (定数)をかけてやれば、1サイクル当たりに供給すべき燃料噴射量が求まる。これを整理すると、HC2×(Qa/N)×(b ′ /2)となる。ここでb ′ /2の全体も定数なので、全体を改めて1つの定数bで与えてやれば、(6)式が得られた。
【0052】
成層燃焼条件では、このようにして得た圧縮行程噴射の燃料噴射パルス幅TI1と燃料噴射開始クランク角TIST1に加えて、2回目噴射の燃料噴射パルス幅TI2と、予め設定されている2回目噴射の燃料噴射開始クランク角TIST2を用いて、図示しない噴射実行のフローにより2回目噴射を実行する。つまり、図9に示したように、1番気筒用REF信号の立ち上がりよりPOS信号(クランク角の1deg毎に立ち上がる)をカウントして、これがTIST1と一致したタイミングよりTI1のあいだインジェクタ5を開弁することによって圧縮行程噴射を終了した後に、1番気筒用REF信号の立ち上がりよりカウントするPOS信号の数がTIST2と一致したタイミングよりTI2のあいだインジェクタを開弁することによって2回目噴射を行うのである。
【0053】
ここで、第1実施形態の作用効果を説明する。
【0054】
この実施形態では、従来と同じに圧縮行程噴射を行ったあとに、少量の2回目噴射が排気行程(あるいは膨張行程)で行われる。シリンダ内で燃焼するガスの温度は圧縮上死点直後にピークを迎え、その後は低下していくので、このガス温度のピークの後でかつあるていどガス温度が低下したところに2回目噴射の噴射開始クランク角TIST2を設定しておくことで、2回目噴射の燃料が酸化されることなく(つまりHCを保存したまま)リーンNOx触媒へと供給されるわけである。
【0055】
このように第1実施形態では、圧縮行程噴射はそのままにして、2回目噴射によりHCを供給することにしたので、筒内直接噴射式火花点火エンジンにおいても、エンジンの安定性を悪化させることなく、リーンNOx触媒でのNOxの還元率を高めることができる。
【0056】
また、回転数、負荷、EGR率から排気中のHC、NOxの各濃度を推定し、HC濃度とNOx濃度の理想バランスに対して不足するHC濃度を求め、この不足HC濃度と吸入空気量から2回目噴射量を求めているので、リーンNOx触媒で不足するHC供給量を過不足なく与えることができる。
【0057】
図10のフローチャートは第2実施形態で、第1実施形態の図5に対応する。図5と同一部分には同一のステップ番号を付けている。
【0058】
図5と相違する部分は、ステップ21、22、23であり、回転数Nと負荷Tpから所定のマップを検索して2回目噴射の基本有効パルス幅TP20を求めるとともに、EGR率から図11を内容とするテーブルを検索して補正係数を求め、これをTP20に乗算した値を2回目噴射の有効パルス幅TP2としている。この実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0059】
図12のフローチャートは第3実施形態で、図5に対応する。図5と同一部分には同一のステップ番号をつけている。
【0060】
HC濃度やNOx濃度は空燃比によっても変化するので(図13参照)、第1実施形態では、図5のステップ13、14においてHCとNOxの各濃度を求める際に、空燃比を織り込んでいる。空燃比は回転数と負荷を指定すれば空燃比が定まるので(図3参照)、回転数と負荷をパラメータとすることは、これらに加えて空燃比もパラメータとしていることになるからである。したがって、エンジンの暖機後は問題ないのであるが、エンジンの暖機前に行われる水温増量補正により空燃比がリッチ化される点については、第1実施形態では考慮していないので、エンジンの暖機前に成層燃焼条件が成立してHCとNOxの各濃度を求めるとき、この水温増量補正による空燃比のリッチ化の分だけの誤差が生じてしまう。
【0061】
そこで第3実施形態では、エンジン暖機前の空燃比をも考慮して、HCとNOxの各濃度を求めるようにしたものである。詳細には、ステップ31、32で冷却水温Twを読み込み、この冷却水温Twから所定のテーブルを検索して水温増量補正係数KTWを求め、このKTWを用いステップ33において
A/F=14.7×(100+KTW)/100 …(7)
の式により空燃比A/Fを計算する。なお、14.7は理論空燃比の値である。ステップ34、35では、こうして求めた空燃比をもパラメータとして関数により、あるいはマップ検索と直線補間計算との組み合わせなどの良く知られた方法を用いてHC1、NOx1を求める。
【0062】
ここで、(7)式のKTWは上記(3)式と相違してパーセントの単位で考えている。KTWは周知のように冷却水温Twが低くなるほど大きくなる値であり、エンジンの暖機前には、(7)式よりA/Fが理論空燃比(このとき14.7)より大きくなる(リーン側の値になる)わけである。一方、エンジンの暖機後になると、KTW=0よりA/F=14.7となり、このときのHC濃度とNOx濃度の演算結果は、第1実施形態と同じになる。
【0063】
このようにして第3実施形態では、エンジンの暖機前には暖機前の空燃比をも考慮して、HCとNOxの各濃度を求めるようにしたので、エンジンの暖機前で水温増量補正が行われるときにも、HCとNOxの各濃度の演算値に誤差が生じることがない。
【0064】
図14のフローチャートは第3実施形態である。
【0065】
シリンダ内ガス温度は、図15に示したように圧縮上死点直後にピークを迎え、その後はなだらかに低下して、HCが酸化しないガス温度(ほぼ600 ℃ 以下)にまで低下する。したがって図15の場合であれば、Aのタイミング以降で2回目噴射を行うことで、2回目噴射量のすべてをリーンNOx触媒へと供給できることになる。
【0066】
この場合に、シリンダ内ガス温度の変化は一定でなく、回転数N、負荷Tp、EGR率および点火時期に依存して変化する。たとえば、ピークガス温度を、回転数N、負荷Tp、EGR率、点火時期に対してプロットすると、図16、図17、図18、図19のように回転数Nや負荷Tpが増加するにつれて高くなり、またEGR率や点火時期進角量が増加するにつれて逆に低くなっている。ここで、ピークガス温度が高くなれば、図15においてガス温度の全体の波形が図で上方に持ち上がる傾向を持つので、それだけ2回目噴射の噴射開始クランク角を遅らせなければならない。したがって、2回目噴射の噴射開始クランク角であるTIST2が一定値であったのでは、せっかく2回目噴射を行っても、噴射燃料全体や噴射燃料の一部が酸化してしまい、要求HC量をリーンNOx触媒に到達させることができないことがあり得る。
【0067】
そこで第3実施形態では、回転数N、負荷Tp、EGR率および点火時期からピークガス温度を予測し、この予測値に応じて2回目噴射の噴射開始クランク角を設定するようにしたものである。具体的には、図14において、成層燃焼条件のときステップ42で回転数N、負荷Tp、EGR率、点火時期を読み込み、これらからステップ43において関数を用いることなどによってピークガス温度を求める。このピークガス温度からステップ44において、図20を内容とするテーブルを検索することで、2回目噴射の噴射開始クランク角TIST2を求める。図20のように、ピークガス温度が高くなるほど、TIST2を遅らせるのである。
【0068】
なお、空燃比の設定について、成層燃焼条件の成立時と非成立時とで別々のマップを持っていたように(図3、図4参照)、点火時期についても成層燃焼条件の成立時と非成立時とで別々のマップを持っており、ステップ42で読み込む点火時期は、成層燃焼条件の成立時に選択されるマップを用いて求めたものである。
【0069】
このようにして第4実施形態では、HCが酸化しないガス温度となるタイミングで2回目噴射を行うようにしたので、2回目噴射燃料のすべてをHCのままで供給することが可能となる。
【0070】
ところで、成層燃焼条件においてピークガス温度が最大となる場合が2回目の噴射開始クランク角が最も遅れる場合である。したがって、この場合の噴射開始クランク角で一律に2回目噴射を行ってもHCが酸化することはない。つまり、成層燃焼条件においてピークガス温度が最大となる場合にHCが酸化しないガス温度に対応するクランク角で一律に2回目の噴射開始を行わせるようにすれば、マッチングの工数を減らすことができる。
【0071】
図21、図22のフローチャートは第5実施形態である。
【0072】
20〜25といったリーンな空燃比とそれよりも濃い空燃比(理論空燃比や出力空燃比)とを運転条件により切換えるようにした、いわゆるリーンバーンシステムを採用するエンジンにおいて、排気の空燃比が理論空燃比よりリーン側にあるときにはNOxを吸着し、排気の空燃比が理論空燃比よりもリッチ側になると、吸着したNOxを脱離させるNOx吸着剤をリーンNOx触媒上流の排気通路に配置し、リーン空燃比での運転時に発生するNOxをこのNOx吸着剤により吸着させ、NOx吸着剤へのNOx吸着量が飽和状態に達する前に排気の空燃比を一時的に理論空燃比よりもリッチ側にしてHCを供給し、このHCでNOx吸着剤からNOxを脱離させるとともに、下流のリーンNOx触媒でこの脱離させたNOxをHCを用いて還元するようにしたものが公知である(特開平6−66185号参照)。
【0073】
第5実施形態は、上記のNOx吸着剤をリーンNOx触媒の上流に配置したものを前提とし、成層燃焼条件において、NOx吸着剤でのNOx吸着量を予測し、この予測したNOx吸着量が飽和状態に達したタイミングで2回目噴射を開始し、この2回目噴射によるHCの供給によりNOx吸着剤からNOxが脱離し終わったと思われるタイミングで2回目噴射を終了するようにしたものである。
【0074】
ここで、HCを供給するための2回目噴射は成層燃焼条件で行うのであるから、上記公知例のように、NOx吸着剤よりNOxを脱離させるため空燃比を一時的に理論空燃比よりもリッチ側に切換えることは必要でなく、したがって上記公知例よりも燃費が向上するのである。
【0075】
具体的に図21の説明に入ると、同図のフローは一定時間毎に実行する。
【0076】
成層燃焼条件のときステップ51よりステップ52に進んで2回目噴射許可フラグF1をみる。このフラグは、F1=1のとき2回目噴射を許可するもので、始動時には“0”に初期設定されている。したがって、始動後初めてステップ52に進んできたときはF1=0であるのでステップ53に進み、積算NOx吸着量(始動時に0に初期設定)と規定値を比較する。始動当初は積算NOx吸着量<規定値であることよりステップ54、55に進み、
NOx吸着量=NOx1×(Qa/N)×c …(8)
の式により1演算周期当たりのNOx吸着量を計算し、このNOx吸着量を前回の積算NOx吸着量である積算NOx吸着量(old)に加算することによって積算NOx吸着量を更新する。なお、積算NOx吸着量も始動時に0に初期設定されている。
【0077】
ここで、(8)式は、上記(6)式と類似の式である。つまり、(8)式においてNOx1×Qa/(2N)がNOx吸着剤を流れるNOx量で、このうち所定割合2cの分だけがNOx吸着剤に吸着するわけである。また、ステップ53での規定値はNOx吸着剤の容量と性能から定めることができる。
【0078】
成層燃焼条件においてステップ54、55を繰り返すことによりやがて積算NOx吸着量≧規定値となるので、このタイミング(つまりNOx吸着量が飽和状態に達したタイミング)からステップ53よりステップ56、57に進み、2回目噴射許可フラグF1に“1”をセットし、カウント値を所定値にセットする。
【0079】
ここで、セットされるカウント値は、2回目噴射を許可する期間を与えるものである。
【0080】
ステップ58ではカウント値と0を比較する。カウント値を設定した当初はカウント値>0であるので、そのまま今回の処理を終了する。
【0081】
ステップ56でのフラグF1の“1”へのセットにより次回にはステップ51、52よりステップ59に進んでカウント値をデクリメントし、デクリメント後のカウント値が0でなけばこの回の処理を終了する。カウント値が0となるまでステップ59の操作を繰り返し、やがてカウント値が0になれば、このタイミング(つまり2回目噴射によるHCの供給によりNOx吸着剤からのNOxの脱離が終了したタイミング)でステップ60、61に進み、フラグF1に“0”を、積算NOx吸着量に0を入れて今回の処理を終了する。
【0082】
なお、F1=1の状態でも、成層燃焼条件でなくなったときは、ステップ51よりステップ62に進んで、F1を“0”に戻す。
【0083】
次に、図22は2回目噴射の有効パルス幅TP2を算出するためのもので、第1実施形態の図5に対応する。図5と同一部分には同一のステップ番号を付けている。図5と相違するのは、ステップ61だけであり、第5実施形態では、成層燃焼条件の成立時のうちF1=1のときだけステップ12以降でTP2を算出する。つまり、NOx吸着剤のNOx吸着量が飽和状態となってからNOx吸着剤からのNOxの脱離が終了するまでの期間でだけ2回目噴射が行われる。
【0084】
図23のフローチャートは第6実施形態で、第1実施形態の図5に対応する。図5と同一の部分には同一のステップ番号をつけている。
【0085】
2回目噴射の有効パルス幅TP2が小さすぎると、2回目噴射を行っても、2回目噴射量がインジェクタの誤差の範囲内に入ってしまい、十分な精度が確保できない。そこで、この第6実施形態では、TP2が小さすぎるときに全気筒分の2回目噴射を一部気筒だけで行わせるようにしたものである。
【0086】
ここでは、たとえば4気筒分の2回目噴射を半分の気筒(点火順序を♯1−♯3−♯4−♯2としたとき1番気筒と4番気筒)で行わせる場合で具体的に説明すると、TP2を計算した後、このTP2と規定値(精度が補償される最低の値)をステップ71において比較し、TP2 < 規定値のときステップ72、73に進んで、フラグF2(始動時に“0”に初期設定)に“1”を入れるとともに、TP2を2倍した値を改めてTP2に入れる。
【0087】
ここで、フラグF2は、F2=1のとき4気筒分の2回目噴射を半分の気筒だけで行わせることを許可するためのものである。したがって、図示しない噴射実行のフローにおいて、1番気筒と4番気筒の噴射だけが許可され(3番気筒と2番気筒は噴射が禁止される)、この場合に、1番と4番の各気筒では2気筒分の2回目噴射量がまとめて噴射されるわけである。なお、4気筒において、噴射を許可する半分の気筒は、1、4番気筒に限られるわけでなく、3、2番気筒、1、3番気筒、4、2番気筒でもかまわない。また、6気筒エンジンにおいて全気筒分の2回目噴射を1つの気筒(たとえば1番気筒)だけでまとめて行うには、1番気筒の2回目噴射のタイミングでTP2(図22ステップ16のTP2)を6倍にしたものを噴射させればよい。
【0088】
このように第6実施形態では、2回目噴射の有効パルス幅TP2が小さすぎてすべての気筒で2回目噴射を行ったのでは、2回目噴射量がインジェクタの誤差の範囲内に入ってしまい、十分な精度が確保できない場合に、全気筒分の2回目噴射を一部気筒だけで行わせるようにしたので、この場合(2回目噴射の有効パルス幅TP2が小さすぎてすべての気筒で2回目噴射を行ったのでは、2回目噴射量がインジェクタの誤差の範囲内に入ってしまう場合)でも、要求されるHC量を精度よくリーンNOx触媒へと供給できる。
【0089】
実施形態では、三元触媒の下流にリーンNOx触媒を配置したもので説明したが、リーンNOx触媒を三元触媒の上流に設けていてもかまわない。
【0090】
第5実施形態では、リーンNOx触媒の上流にNOx吸着剤を配置したもので説明したが、これにかぎられない。たとえば、リーンNOx触媒にNOx吸着機能をもたせて一体としたものや、リーンNOx触媒の下流にNOx吸着触媒を配置したものに対しても第5実施形態を適用することができる。
【0091】
実施形態では、成層燃焼条件の成立時と非成立時とで空燃比を大きく切換える場合で説明したが、これに限られるものではない。たとえば、成層燃焼条件の非成立時(つまり均質燃焼条件の成立時)の運転域をさらに理論空燃比を中心とする運転域と、20〜25といったリーンな空燃比で運転する領域とに分割したものにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】TI1、TIST1、TI2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図3】成層燃焼条件の成立時に選択される空燃比マップの特性図である。
【図4】成層燃焼条件の非成立時に選択される空燃比マップの特性図である。
【図5】2回目噴射の有効パルス幅TP2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図6】回転数に対するHCとNOxの各濃度の特性図である。
【図7】負荷に対するHCとNOxの各濃度の特性図である。
【図8】EGR率に対するHCとNOxの各濃度の特性図である。
【図9】圧縮行程噴射と2回目噴射の各噴射タイミングを説明するための波形図である。
【図10】第2実施形態の2回目噴射の有効パルス幅TP2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図11】第2実施形態の補正係数の特性図である。
【図12】第3実施形態の2回目噴射の有効パルス幅TP2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図13】空燃比A/Fに対するHCとNOxの各濃度の特性図である。
【図14】第4実施形態の2回目噴射の噴射開始クランク角TITST2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図15】第4実施形態のシリンダ内ガス温度の変化波形図である。
【図16】第4実施形態の回転数に対するピークガス温度の特性図である。
【図17】第4実施形態の負荷に対するピークガス温度の特性図である。
【図18】第4実施形態のEGR率に対するピークガス温度の特性図である。
【図19】第4実施形態の点火時期に対するピークガス温度の特性図である。
【図20】第4実施形態のピークガス温度に対するTITS2の特性図である。
【図21】第5実施形態のフラグF1の設定を説明するためのフローチャートである。
【図22】第5実施形態の2回目噴射の有効パルス幅TP2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図23】第6実施形態の2回目噴射の有効パルス幅TP2の算出を説明するためのフローチャートである。
【図24】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
5 インジェクタ
9 スロットル弁
23 リーンNOx触媒が入っている触媒コンバータ
Claims (9)
- 排気通路にリーンNOx触媒を配置した直噴噴射式火花点火エンジンにおいて、
成層燃焼を行わせる条件かどうかを判定する手段と、
この判定結果より成層燃焼条件で圧縮行程での噴射に加えて、ピークガス温度に基づいて設定した、HCが酸化しないシリンダ内ガス温度となるタイミングで、膨張行程または排気行程での2回目の少量噴射を開始する手段と
を設けたことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 成層燃焼条件でのHCとNOxの各濃度を推定し、NOx濃度に対して過不足のない理想バランスとなるHC濃度が得られる前記2回目噴射の噴射量を演算する
ことを特徴とする請求項1に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 前記HCとNOxの各濃度を、エンジン回転数、エンジン負荷、EGR率のすくなくとも一つから推定する
ことを特徴とする請求項2に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 成層燃焼条件でかつエンジン暖機前に燃料増量を行うときは、その燃料増量により定まる空燃比に応じても、前記HCとNOxの各濃度を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 前記ピークガス温度が高いほど2回目噴射の開始時期を遅らせる
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 前記ピークガス温度を、エンジンの回転数、負荷、EGR率、点火時期の少なくとも一つから予測する
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 前記HCが酸化しない筒内ガス温度となるタイミングを、成層燃焼条件での最大のピークガス温度に基づき一律に設定する
ことを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - NOxを吸着するとともにこの吸着したNOxをHCの存在下で脱離する性質を有する手段を排気通路に配置するとともに、
このNOx吸着手段でのNOx吸着量を予測し、この予測したNOx吸着量が飽和状態に達したタイミングで前記2回目噴射を行い、
この2回目噴射に伴うHCの供給によりNOx吸着手段よりNOxが脱離し終わったと思われるタイミングで前記2回目噴射を終了する
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。 - 前記2回目噴射量が規定値以下のとき全気筒分の2回目噴射を一部の気筒だけで行う
ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の筒内直接噴射式火花点火エンジンの排気浄化装置。
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