JP4323052B2 - 排煙機構を備えたレーザー加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排煙機構を備えたレーザー加工装置および方法に関し、特に連続用紙に対してミシン目を形成するときに発生する煙の排出処理機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンピュータの出力帳票として、いわゆる連続用紙が使用されている。連続用紙は一方向に沿って長く延びた用紙であり、その長手方向すなわち連続方向に沿って両側に一対の縦ミシン目が形成されている。また、その長手方向と直交する方向すなわち幅方向に沿って横ミシン目が多数形成されている。
【0003】
連続用紙にミシン目を形成する方法として、適当な搬送手段の作用によって移動する連続用紙上に、パルス発振されたレーザービームを、集光レンズを介して照射する方法が知られている。この場合、レーザービームの照射により、連続用紙のカット部分から煙が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、レーザービームを連続用紙に照射して加工する場合、レーザービームの照射により連続用紙の加工部分から煙が発生する。発生した煙が集光レンズと連続用紙との間の光路中に滞留すると、この光路に沿って連続用紙に照射されるレーザービームが煙によって遮られ、良好なレーザー加工を行うことができないという不都合があった。
【0005】
また、レーザービームの照射により連続用紙の加工部分から発生した煙が集光レンズと連続用紙との間の光路中に滞留すると、その煙が集光レンズの表面に作用する。その結果、集光レンズの表面が損なわれ、良好なレーザー加工を行うことができないという不都合があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、加工部分から発生する煙によってレーザービームが実質的に遮られることなく、且つこの煙の作用によって集光レンズの表面が実質的に損なわれることなく、良好なレーザー加工を行うことのできる、レーザー加工装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明では、所定方向に沿って連続的に移動するシートにレーザービームを照射して加工するレーザー加工装置において、
レーザービームを供給するためのレーザー光源と、
前記レーザー光源から出力されたレーザービームを前記シート上へ導くための導光部と、
レーザービームの照射により前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための吸引排出手段とを備え、
前記吸引排出手段は、前記シートに対して前記導光部と同じ側に配置されて前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための第1吸引排出部を有し、
前記第1吸引排出部は、前記シートの加工部分に向かって開口した吸引口を有する吸引排出ダクトと、該吸引排出ダクトに内設されたパイプと、該パイプに一端が接続され且つ他端が吸込み手段に接続された配管とを備え、
前記パイプには、前記配管から離れるにつれてサイズが大きくなるような開口部が間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とするレーザー加工装置を提供する。
【0008】
本発明の好ましい態様によれば、前記複数の開口部は、前記パイプの長手方向に沿って一辺を有する矩形状の外形形状を有し且つ前記パイプの長手方向に沿って形成され、前記矩形状の開口部の前記長手方向に沿った寸法が前記配管から離れるにつれて大きくなるように構成されている。また、前記シートの加工部分から発生する煙を前記第1吸引排出部に向けるための空気を吹き出す空気吹出し手段をさらに備えていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記吸引排出手段は、前記シートに対して前記導光部と反対側に配置されて前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための第2吸引排出部を有する。この場合、前記第1吸引排出部および前記第2吸引排出部は、前記シートの加工部分から発生する煙に含まれる微粒子を捕捉するためのフィルターを備えていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の好ましい態様によれば、前記シートに対して前記所定方向に沿ったミシン目を形成するために、前記レーザー光源はレーザービームをパルス発振する。あるいは、前記シートに対して前記所定方向と直交する方向に沿ったミシン目を形成するために、前記レーザー光源はレーザービームをパルス発振し、前記レーザー光源から出力されたレーザービームを所定の走査面に沿ってシート上において走査するための走査手段をさらに備えていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、たとえば連続用紙のようなシートに縦ミシン目を形成するレーザー加工装置において、レーザービームの照射により連続用紙の加工部分から発生する煙を吸引排出するための吸引排出手段を備えている。換言すると、連続的に移動する連続用紙のようなシートに所要のテンションを作用させながら、レーザービームの照射によりシートの加工部分から発生する煙を吸引排出する。
【0013】
具体的な態様によれば、吸引排出手段は、たとえば連続用紙の表面側に配置されて加工部分から発生する煙を吸引排出するための第1吸引排出部と、連続用紙の裏面側に配置されて加工部分から発生する煙を吸引排出するための第2吸引排出部とを備えている。また、加工部分から発生する煙を第1吸引排出部に向けるための空気を吹き出す空気吹出し手段が設けられている。
【0014】
したがって、本発明では、レーザービームの照射により連続用紙の加工部分から煙が発生しても、連続用紙の表面側では、発生した煙が空気吹出し手段により第1吸引排出部に向かって吹き飛ばされた後に第1吸引排出部を介して吸引排出される。一方、連続用紙の裏面側では、発生した煙が第2吸引排出部を介して吸引排出される。
【0015】
その結果、本発明では、加工部分から発生する煙が集光レンズと連続用紙との間の光路中にほとんど滞留しないので、この煙によってレーザービームが実質的に遮られることなく、且つこの煙の作用によって集光レンズの表面が実質的に損なわれることなく、良好なレーザー加工を行うことができる。
【0016】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるレーザー加工装置の構成を概略的に示す斜視図である。また、図2は、図1のレーザー加工装置に組み込まれた排煙処理機構の構成を概略的に示す図である。なお、図1では、図面の明瞭化のために、排煙処理機構の各構成要素の図示を省略している。本実施形態では、連続用紙に対して縦ミシン目を形成するレーザー加工装置に本発明を適用している。
【0017】
図1に示す装置は、パルス発振型のレーザー光源として、たとえば炭酸ガスレーザー光源1を備えている。レーザー光源1から射出されたレーザービーム2は、コリメータレンズ3を介して平行ビームとなり、光路折り曲げ用のミラー4に入射する。ミラー4で反射されたレーザービーム2は、集光レンズ5を介して集光された後、処理すべき連続用紙6上に結像スポットを形成する。
【0018】
一方、連続用紙6は、その長手方向(図中矢印F1で示す)に沿って連続的に搬送される。こうして、連続的に移動する連続用紙6上にレーザービーム2を照射することにより、連続用紙6の長手方向に沿った縦ミシン目7が形成される。このとき、レーザービーム2の照射により、縦ミシン目7のカット部分から煙が発生する。すなわち、連続用紙6の加工部分の紙自体およびその表面に塗布されていた接着剤などが燃焼により昇華して発煙する。
【0019】
図2を参照すると、連続用紙6は、その長手方向に沿って所要のテンションが加えられた状態で、4つのガイドローラー11a〜11dの周面に当接しながら図中左側から右側へ搬送される。そして、レーザー光源1(図2では不図示)から供給されたレーザービーム2が、コリメータレンズ3(図2では不図示)を介して、ミラー4と集光レンズ5とから構成された導光ユニット12に入射する。導光ユニット12に入射したレーザービーム2は、集光レンズ5を介して集光され、連続用紙6の表面(一対のガイドローラー11bと11cとの間において上側の面)に結像スポットを形成する。
【0020】
本実施形態では、連続用紙6の加工部分から発生する煙を吸引排出するための第1吸引排出ダクト13が設けられている。第1吸引排出ダクト13は、連続用紙6の表面側において導光ユニット12の図中左側に隣接するように位置決めされ、その吸引口は連続用紙6上の加工部分に向かって開口している。また、第1吸引排出ダクト13の内部には、連続用紙6の加工部分から発生する煙に含まれる有害な微粒子などを捕捉するためのフィルター14が設けられている。さらに、第1吸引排出ダクト13にはたとえば可撓性の配管15の一端が接続され、この配管15の他端は図示を省略したリングブロアーなどの吸込み手段に接続されている。
【0021】
一方、連続用紙6の裏面側(一対のガイドローラー11bと11cとの間において下側)には、連続用紙6の加工部分から発生する煙を吸引排出するための第2吸引排出ダクト16が設けられている。第2吸引排出ダクト16の吸引口は、連続用紙6の加工部分に向かって大きく開口している。また、第2吸引排出ダクト16の内部には上述のフィルター14と同様の機能を有するフィルター17が設けられている。
【0022】
さらに、第2吸引排出ダクト16には、たとえば可撓性の配管18の一端が接続され、この配管18の他端は、図示を省略したリングブロアーなどの吸込み手段に接続されている。なお、配管15の他端が接続されるリングブロアーと配管18の他端が接続されるリングブロアーとは、同一のものであってもよいし、互いに異なる別々のものであってもよい。
【0023】
さらに、連続用紙6の表面側には、加工部分から発生する煙を第1吸引排出ダクト13の吸引口に向けるための空気を吹き出す吹出しノズル19が設けられている。吹出しノズル19は、導光ユニット12の図中右側に配置され、その吹出し口を集光レンズ5と連続用紙6との間の光路に向かって、特に連続用紙6の加工部分に向かって開口している。また、吹出しノズル19には、たとえば可撓性の配管20の一端が接続されている。そして、配管20の他端は、たとえば当該施設内に配設されている圧縮空気の送給用配管(不図示)に接続されている。
【0024】
以上のように、本実施形態では、レーザービーム2の照射により連続用紙6の加工部分から煙が発生しても、連続用紙6の表面側では、発生した煙が吹出しノズル19により第1吸引排出ダクト13の吸引口に向かって吹き飛ばされた後に、第1吸引排出ダクト13および配管15を介して吸引排出される。一方、連続用紙6の裏面側では、発生した煙が、第2吸引排出ダクト16を介して吸引排出される。
【0025】
このように、本実施形態では、加工部分から発生する煙が、集光レンズ5と連続用紙6との間の光路中にほとんど滞留しない。その結果、この煙によってレーザービーム2が実質的に遮られることなく、且つこの煙の作用によって集光レンズ5の表面が実質的に損なわれることなく、良好な縦ミシン目の形成を行うことができる。
【0026】
なお、上述の実施形態では、連続用紙の長手方向に沿って1本の縦ミシン目を形成する例を示しているが、上述の構成を有する装置を並列的に設置することにより、たとえば一対の縦ミシン目を形成することもできる。あるいは、1つのレーザー光源からのビームを2つのビームに分割し、各ビームを上述の構成に準じて連続用紙6上へ導くことにより、一対の縦ミシン目を形成することもできる。以下、連続用紙に一対の縦ミシン目を形成するレーザー加工装置に好適な排煙処理機構の構成例を概略的に説明する。
【0027】
図3は、図2に対応する図であって、連続用紙に一対の縦ミシン目を形成するレーザー加工装置に組み込まれた排煙処理機構の構成を概略的に示す図である。図3において、(a)は連続用紙6のレーザー加工面を上から見た平面図であり、(b)は図2に対応する側面図である。図3では、図2に示す構成要素と同様の機能を有する要素に同じ参照符号(あるいは同じ参照符号+「’」)を付している。
【0028】
図3では、連続用紙6の移動方向(長手方向)に沿って間隔を隔てた一対の導光ユニット12および12’が、連続用紙6の幅方向に沿って往復移動可能に構成されている。そして、連続用紙6の表面側において、一対の導光ユニット12と12’との間には、連続用紙6の幅方向に沿ってそのほぼ全体に亘って延びる第1吸引排出ダクト13が設けられている。また、連続用紙6の裏面側には、一対の導光ユニット12および12’に対応する一対の加工部分を包括するように、連続用紙6の幅方向に沿ってそのほぼ全体に亘って延びる第2吸引排出ダクト16が設けられている。
【0029】
さらに、第1導光ユニット12に隣接して第1吹出しノズル19が設けられ、第2導光ユニット12’に隣接して第2吹出しノズル19’が設けられている。ここで、第1吹出しノズル19および第2吹出しノズル19’は、第1導光ユニット12および第2導光ユニット12’とそれぞれ一体的に、連続用紙6の幅方向に沿って往復移動するように構成されている。なお、第1吹出しノズル19および第2吹出しノズル19’が連続用紙6の幅方向に沿ってそのほぼ全体に亘って延びるように構成することもできる。この場合、第1吹出しノズル19および第2吹出しノズル19’ は、第1導光ユニット12および第2導光ユニット12’とそれぞれ一体的に移動することなく、固定的に設置されることはいうまでもない。
【0030】
なお、図3の実施形態では、連続用紙6の移動方向に沿って間隔を隔てた一対の導光ユニット12および12’が連続用紙6の幅方向に沿って往復移動可能に構成されている。しかしながら、これに限定されることなく、一対の導光ユニット12および12’を連続用紙6の幅方向の1つの直線に沿って往復移動させたり、一対の導光ユニット12および12’を連続用紙6の幅方向の1つの直線に沿って固定的に設置することもできる。
【0031】
図4は、図3の実施形態に対応する図であって、装置の要部構成をさらに具体的に説明する図である。
図4に示す具体的な構成例では、吹出しノズル19(19’)から連続用紙6の加工部分に向かって圧縮空気が吹き出される。この圧縮空気の作用により、加工部分から発生する煙は、吸引排出ダクト13の吸引口に向かって吹き飛ばされる。こうして、吸引排出ダクト13の吸引口を介してその内部へ吸引された煙は、吸引排出ダクト13に内設されたパイプ13aを介して、図示を省略した配管15へ導かれる(図6(c)を参照)。このパイプ13aは必須の構成要素ではないが、図6に示すように、吸引排出ダクト13の吸引力を均一にする作用を有する。すなわち、図6(a)に示すように、パイプ13aに同じサイズ(パイプの長手方向に沿った長さ)の開口部60を一定のピッチで形成する場合、配管15に近い開口部ほど吸引力が大きくなり、ひいては吸引排出ダクト13の吸引力が連続用紙の幅方向に沿って不均一になってしまう。しかしながら、図6(b)に示すように、配管15から離れるにつれてサイズが大きくなるような開口部61をパイプ13aに形成することにより、吸引排出ダクト13の吸引力を連続用紙の幅方向に沿って均一にすることができる。
【0032】
一方、集光レンズ5(5’)を保持するレンズホルダー21(21’)には、集光レンズ5(5’)の下側面とほぼ同じ高さ位置に開口部22(22’)が形成されている。そして、この開口部22(22’)を介して、レンズホルダー21(21’)の内部へ圧縮空気が供給されるように構成されている。すなわち、開口部22(22’)には、吹出しノズル19(19’)と同様の機能を有するノズルが接続され、このノズルに配管20と同様の機能を有する配管が接続されている。その結果、レンズホルダー21(21’)の内部において下側へ向かう圧縮空気の流れが形成されるので、加工部分から発生する煙が集光レンズ5(5’)の下側面(表面)に達することなく、したがって煙により集光レンズ5(5’)の表面が実質的に損なわれることがない。
【0033】
なお、図1〜図4に示す実施形態では、連続用紙に縦ミシン目を形成するレーザー加工装置に対して本発明を適用しているが、連続用紙に横ミシン目を順次形成するレーザー加工装置に対しても本発明を適用することができる。以下、連続用紙に横ミシン目を順次形成するレーザー加工装置の構成を概略的に説明する。図5は、本発明を適用可能なレーザー加工装置の一例として、横ミシン目形成装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【0034】
図5に示す装置は、パルス発振型のレーザー光源として、たとえば炭酸ガスレーザー光源31を備えている。レーザー光源31から射出されたレーザービーム32は、コリメータレンズ33を介して平行ビームとなり、第1ミラー34に入射する。第1ミラー34で反射されたレーザービーム32は、第2のミラー35で再び偏向された後、ガルバノメータースキャナー36の反射鏡36aに入射する。
【0035】
ガルバノメータースキャナー36は、1枚の反射鏡36aを所望のタイミングにしたがって所定の軸線廻りに往復回動させる。ガルバノメータースキャナー36の走査タイミング、すなわち反射鏡36aの往復回動の動作タイミングは、制御部37によって制御される。ガルバノメータースキャナー36の反射鏡36aによって反射されたレーザービーム32は、集光レンズ38を介して集光された後、処理すべき連続用紙39上に結像スポットを形成する。
【0036】
上述したように、反射鏡36aは、所望の可変タイミングにしたがって往復回動する。したがって、図中時計廻りに回転する反射鏡36aの作用により、レーザービーム32は参照符号32aで示す位置から参照符号32bで示す位置へ所定の走査面に沿って走査され、その結果、連続用紙39上においても図中破線で示す直線軌道40に沿って結像スポットが走査されることになる。すなわち、ガルバノメータースキャナー36および集光レンズ38は、結像スポットが連続用紙39上において直線軌道40に沿って等速度で移動するように構成されている。
【0037】
一方、連続用紙39は、その長手方向(図中矢印F2で示す)に沿って連続的に且つ等速度で搬送される。図示を省略したが、連続用紙39の搬送手段として、無端ベルトコンベアなどを利用した周知の搬送ユニットを用いることができる。なお、ガルバノメータースキャナー36の走査面と連続用紙39の表面との交差線すなわち直線軌道40が連続用紙39の幅方向に対して斜めに設定され、その角度θが後述するように連続用紙39の移動速度に応じて調整される。
【0038】
この目的のため、第2ミラー35、ガルバノメータースキャナー36および集光レンズ38は、ステージ41上に固定的に支持されている。なお、ステージ41には、ガルバノメータースキャナー36の反射鏡36aで反射されて集光レンズ38へ向かうレーザービーム32を通過させるための切り欠き部41aが形成されている。また、第2ミラー35へ入射するレーザービーム32の中心軸線を中心としてステージ41を回転駆動するための駆動手段として、たとえばサーボモータ42が設けられている。
【0039】
こうして、サーボモータ42によりステージ41を回転駆動すると、ガルバノメータースキャナー36および集光レンズ38が一体的に回転駆動され、ひいてはガルバノメータースキャナー36の走査面が変化する。その結果、直線軌道40と連続用紙39の幅方向とがなす走査角度θが変化する。制御部37は、連続用紙39の搬送手段から供給される移動速度情報に基づいて、サーボモータ42によりステージ41を回転駆動し、ひいてはガルバノメータースキャナー36による走査角度θを制御する。こうして、連続用紙39の移動速度に応じて走査角度θを適宜調整することにより、連続用紙39の長手方向と正確に直交する方向に沿って横ミシン目が形成される。
【0040】
以上のように、図5に示す実施形態では、連続用紙39が移動する方向と交差する方向にレーザービームが走査されるが、この実施形態に対しても図2に示す方式と類似の方式にしたがって排煙処理機構を設けることができる。すなわち、簡素な構成例として、第1吸引排出ダクト、第2吸引排出ダクトおよび吹出しノズルを、走査軌道に対して平行に且つ固定的に設けることができる。また、排煙処理機構の具体的な構成については、これに限定されることなく、様々な変形例が可能である。
【0041】
なお、上述の各実施形態では、連続用紙にレーザー加工を施しているが、これに限定されることなく、他の適当なシートに対して本発明を適用することもできる。
また、上述の各実施形態では、連続用紙にミシン目を形成しているが、これに限定されることなく、たとえば切断などの他のレーザー加工に対して本発明を適用することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、レーザービームの照射により連続用紙のようなシートの加工部分から煙が発生しても、その煙が集光レンズと連続用紙との間の光路中にほとんど滞留しない。その結果、加工部分から発生する煙によってレーザービームが実質的に遮られることなく、且つこの煙の作用によって集光レンズの表面が実質的に損なわれることなく、良好なレーザー加工を行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるレーザー加工装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のレーザー加工装置に組み込まれた排煙処理機構の構成を概略的に示す図である。
【図3】図2に対応する図であって、連続用紙に一対の縦ミシン目を形成するレーザー加工装置に組み込まれた排煙処理機構の構成を概略的に示す図である。
【図4】図3の実施形態に対応する図であって、装置の要部構成をさらに具体的に説明する図である。
【図5】本発明を適用可能なレーザー加工装置の一例として、横ミシン目形成装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】図4の吸引排出ダクトの内部に設けられたパイプの吸引力の均一化作用を説明する図である。
【符号の説明】
1,31 レーザー光源
2,32 レーザービーム
3,33 コリメータレンズ
4,34,35 ミラー
5,38 集光レンズ
6,39 連続用紙
7 縦ミシン目
11 ガイドローラー
12 導光ユニット
13 第1吸引排出ダクト
14,17 フィルター
15,18,20 配管
16 第2吸引排出ダクト
19 吹出しノズル
21 レンズホルダー
22 開口部
36 ガルバノメータースキャナー
37 制御部
39a 横ミシン目
40 結像スポットの直線軌道
41 ステージ
42 サーボモータ
Claims (7)
- 所定方向に沿って連続的に移動するシートにレーザービームを照射して加工するレーザー加工装置において、
レーザービームを供給するためのレーザー光源と、
前記レーザー光源から出力されたレーザービームを前記シート上へ導くための導光部と、
レーザービームの照射により前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための吸引排出手段とを備え、
前記吸引排出手段は、前記シートに対して前記導光部と同じ側に配置されて前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための第1吸引排出部を有し、
前記第1吸引排出部は、前記シートの加工部分に向かって開口した吸引口を有する吸引排出ダクトと、該吸引排出ダクトに内設されたパイプと、該パイプに一端が接続され且つ他端が吸込み手段に接続された配管とを備え、
前記パイプには、前記配管から離れるにつれてサイズが大きくなるような開口部が間隔を隔てて複数形成されていることを特徴とするレーザー加工装置。 - 前記複数の開口部は、前記パイプの長手方向に沿って一辺を有する矩形状の外形形状を有し且つ前記パイプの長手方向に沿って形成され、
前記矩形状の開口部の前記長手方向に沿った寸法が前記配管から離れるにつれて大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。 - 前記シートの加工部分から発生する煙を前記第1吸引排出部に向けるための空気を吹き出す空気吹出し手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー加工装置。
- 前記吸引排出手段は、前記シートに対して前記導光部と反対側に配置されて前記シートの加工部分から発生する煙を吸引排出するための第2吸引排出部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザー加工装置。
- 前記第1吸引排出部および前記第2吸引排出部は、前記シートから発生する煙に含まれる微粒子を捕捉するためのフィルターを備えていることを特徴とする請求項4に記載のレーザー加工装置。
- 前記シートに対して前記所定方向に沿ったミシン目を形成するために、前記レーザー光源はレーザービームをパルス発振することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーザー加工装置。
- 前記シートに対して前記所定方向と直交する方向に沿ったミシン目を形成するために、前記レーザー光源はレーザービームをパルス発振し、
前記レーザー光源から出力されたレーザービームを所定の走査面に沿ってシート上において走査するための走査手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーザー加工装置。
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