JP4322798B2 - プリンタ装置 - Google Patents
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Description
印字ヘッドを装着したメインキャリアと用紙押さえ部材を揺動可能に装着したサブキャリアとをメインキャリアがサービスステーション寄りに位置するようにしてキャリアガイドに移動可能に取り付け、前記メインキャリアをキャリアガイドに沿って移動させるキャリア駆動手段を設けると共に、
前記キャリアガイドにおける印字対応領域とサービスステーション対応領域との間に、前記印字対応領域から前記サービスステーション対応領域に向けて移動するメインキャリアからサブキャリアを分離する一方、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向けて移動するメインキャリアにサブキャリアを接合する接合分離操作手段を配備し、
前記サブキャリアには、該サブキャリアが前記印字対応領域から前記接合分離操作手段に接近したことを検知して用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる一方、該サブキャリアが前記接合分離操作手段から前記印字対応領域へ離間したことを検知して用紙押さえ部材を印字ヘッド先端に揺動復帰させる用紙押さえ部材揺動手段を設けたことを特徴とする構成を有する。
ここで、印字ヘッドのメンテナンスを行うためにキャリア駆動手段を作動させ、メインキャリアとサブキャリアをキャリアガイドの印字対応領域からサービスステーション対応領域に向けて一体的に移動させると、まず、サブキャリアの用紙押さえ部材揺動手段が、印字対応領域とサービスステーション対応領域との間に配備された接合分離操作手段への接近を検知して、用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる。
そして、一体的に移動するメインキャリアとサブキャリアが接合分離操作手段を通過する時点で、接合分離操作手段が、印字対応領域からサービスステーション対応領域に向けて移動するメインキャリアからサブキャリアを分離させる。
キャリア駆動手段はメインキャリアのみを駆動してキャリアガイドに沿って移動させる構成であるから、メインキャリアから分離されたサブキャリアは駆動力を失い、キャリアガイドにおける印字対応領域とサービスステーション対応領域との間で停止し、サブキャリアに比べてサービスステーション寄りに位置するメインキャリアのみが、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残して、そのままキャリアガイドの端部のサービスステーション対応領域にまで移動する。
メインキャリアに装着された印字ヘッドのメンテナンス作業、例えば、クリーニングやキャッピング等の作業は、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を分離されてキャリアガイドの端部に移動した印字ヘッドの先端に対して行われるので、印字ヘッドのメンテナンス作業時における用紙押さえ部材の干渉が確実に防止される。
また、用紙への印字を行うためにキャリア駆動手段を作動させ、サブキャリアと分離しているメインキャリアをキャリアガイドのサービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動させると、まず、メインキャリアが接合分離操作手段を通過する時点で、接合分離操作手段が、サービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動するメインキャリアにサブキャリアを接合し、再び両者が一体となって移動するようにする。
そして、一体的に移動するメインキャリアとサブキャリアが接合分離操作手段を通過すると、サブキャリアの用紙押さえ部材揺動手段が接合分離操作手段からの離間を検知し、用紙押さえ部材を再び印字ヘッド先端に揺動復帰させて印字ヘッドの用紙対向面に位置させ、印字ヘッド先端と用紙との接触で生じる印字ヘッドの撥水膜のキズ付きや用紙の汚れを防止する。
接合により一体化されたメインキャリアとサブキャリアは、印字対応領域でキャリアガイドに沿って往復移動する。キャリア駆動手段から駆動力を与えられるのはメインキャリアのみであるが、この時点では既にメインキャリアとサブキャリアが接合されて一体化しているので、サブキャリアは用紙押さえ部材を印字ヘッドの用紙対向面に位置させたままメインキャリアと共に移動することができる。
このように、用紙押さえ部材を揺動させて印字ヘッド先端から取り除く用紙押さえ部材揺動手段は、接合分離操作手段に対する接近や離間を検知して用紙押さえ部材を揺動させる構成であるため、キャリアガイドに対してメインキャリアやサブキャリアを大きく移動させなくても印字ヘッド先端から用紙押さえ部材を確実に取り除くことができ、更には、改めて印字ヘッド先端に用紙押さえ部材を位置させることができるので、キャリアガイドの全長を伸ばしてメインキャリアやサブキャリアの移動ストロークを冗長する必要はなく、プリンタ装置の大型化の問題が改善される。
より厳密に言えば、印字ヘッドに対するメンテナンス作業を行うためにはメインキャリアをキャリアガイドの端部にまで移動させてサービスステーション対応領域に位置決めすることが必須の要件であり、実際問題としては、印字ヘッド先端から用紙押さえ部材を揺動させて取り除くために接合分離操作手段の位置でサブキャリアを僅かにサービスステーション対応領域の側に向けて移動させる必要が生じるが、この際のサブキャリアの移動量は、メインキャリアをサービスステーション対応領域に位置決めする際に必要とされるメインキャリアの移動量に比べて遥かに少ないので、用紙押さえ部材を揺動させて印字ヘッド先端から取り除くことを目的としてキャリアガイドの全長を冗長させるといった必要性は全くない。
また、用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から取り除く操作は、印字対応領域とサービスステーション対応領域との間で実質的に停止したサブキャリア上で作動する用紙押さえ部材揺動手段を利用した用紙押さえ部材の揺動動作と、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残してキャリアガイド端部のサービスステーション対応領域に移動するメインキャリアの直線移動動作とを複合して行われるかたちとなり、この際、用紙押さえ部材の揺動動作によってキャリアガイドの方向性を基準とした用紙押さえ部材の見かけ上の長さも僅かではあるが短縮されるため、メインキャリアの直線移動動作のみに頼って用紙押さえ部材から印字ヘッドを離脱させる場合と比べ、用紙押さえ部材から印字ヘッドを離脱させるために必要とされるメインキャリアの移動量自体を短縮することができ、キャリアガイドの全長の短縮、更には、プリンタ装置の小型化が実現される。
この接合分離操作手段に、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向かう方向に移動するサブキャリアの移動を設定限度の力で拘束する第一のロック手段を設けると共に、
前記メインキャリアとサブキャリアとの間には、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向けて移動するメインキャリアと第一のロック手段により接合分離操作手段に拘束されたサブキャリアとの当接を前記設定限度の力の範囲内の反力で検知してメインキャリアとサブキャリアを接合し、この接合を設定限度の力で維持する第二のロック手段が設けられていることが望ましい。
この時点ではメインキャリアとサブキャリアが第二のロック手段によって設定限度の力で接合状態を維持されているが、接合分離操作手段によってサブキャリアの移動が完全に禁止され、同時に、メインキャリアがキャリア駆動手段で駆動され続ける結果、メインキャリアをサブキャリアから離間させようとする力が働き、この力が設定限度の力を超えた時点で第二のロック手段が解除されてメインキャリアがサブキャリアから分離し、メインキャリアのみが、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残して、そのままキャリアガイドの端部のサービスステーション対応領域にまで移動する。
一方、サブキャリアと分離されたメインキャリアをサービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動させた場合には、まず、メインキャリアが接合分離操作手段を通過する時点で、接合分離操作手段によって保持されているサブキャリアにメインキャリアが当接し、第二のロック手段が、メインキャリアとサブキャリアとの当接を設定限度の力の範囲内の反力で検知して作動状態となり、サービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動するメインキャリアにサブキャリアを接合し、この接合状態を設定限度の力で維持する。
この時点ではサブキャリアが第一のロック手段により設定限度の力で接合分離操作手段の配設位置に保持されているが、このサブキャリアが、移動するメインキャリアによって押される結果、サブキャリアを接合分離操作手段から離間させようとする力が働き、この力が前述した設定限度の力を超えた時点で第一のロック手段が解除され、メインキャリアとサブキャリアが一体化した状態で印字対応領域に移動する。
そして、一体化されたメインキャリアとサブキャリアは、印字対応領域でキャリアガイドに沿って往復移動する。キャリア駆動手段から駆動力を与えられるのはメインキャリアのみであるが、この時点では、既に、メインキャリアとサブキャリアが第二のロック手段によって一体化されているので、サブキャリアはメインキャリアと共に移動することができる。
前述した通り、本発明においては、キャリアガイドにおける印字対応領域とサービスステーション対応領域との間で実質的に停止したサブキャリア上で作動する用紙押さえ部材揺動手段を利用した用紙押さえ部材の揺動動作と、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残してキャリアガイド端部のサービスステーション対応領域に移動するメインキャリアの直線移動動作とを複合したかたちで印字ヘッド先端に対する用紙押さえ部材の退避動作および再配置動作が行われるようになっており、この段落で説明しているのは、メインキャリアおよびサブキャリアの直線移動動作に関わる構成である。
一方、ペリカンフック先端のシアとロック用スタッドとの係合が解除された状態でペリカンフック先端のシアとロック用スタッドとを接近させる方向の力をキャリアガイド方向に沿って作用させると、まず、シアとロック用スタッドとが接近してシアのテーパ面にロック用スタッドが摺接し、ロック用スタッドがバネの付勢力に抗してペリカンフックを前記回転付勢の方向と逆方向に揺動させながらテーパ面上を移動し、最終的に、ロック用スタッドがテーパ面を乗り越えた段階で、ペリカンフックがバネの付勢力で前記回転付勢の方向に揺動してペリカンフック先端のシアとロック用スタッドとが係合し、接合分離操作手段とサブキャリアとの接合状態(第一のロック手段)、あるいは、メインキャリアとサブキャリアとの接合状態(第二のロック手段)を設定限度の力で維持する。
このような構成を有するロック手段を前記第一,第二のロック手段として利用した場合には、サブキャリアと分離されたメインキャリアをサービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動させる際に、第一のロック手段を介して接合分離操作手段に保持されたサブキャリアにメインキャリアを押し付けて第二のロック手段を作動させることになるが、ペリカンフックとロック用スタッドからなるロック手段の構成においては、シアのテーパ面とロック用スタッドとの摺接でペリカンフックを回転付勢の方向と逆方向に揺動させる際に必要とされる力、つまり、接合の操作に必要とされる力に比べ、バネを弾性変形させて長穴に対してペリカンフックを位置変化させる際に必要とされる力、つまり、接合を解除する操作に必要とされる力の方が大きいので、第一のロック手段を利用して接合分離操作手段にサブキャリアを保持したままの状態で第二のロック手段を作動させてサブキャリアとメインキャリアとを一体化することができる。
この場合、第二のロック手段の一部を構成するペリカンフック先端のシアのテーパ面がメインキャリアとサブキャリアとの当接を設定限度の力の範囲内の反力、つまり、第一のロック手段を解除するために必要とされる力よりも小さな力の反力で検知して第二のロック手段を作動させたことになる。
そして、メインキャリアとサブキャリアを印字対応領域からサービスステーション対応領域に向けて一体的に移動させると、まず、サブキャリアの用紙押さえ部材揺動手段の一部を構成する操作桿の接近検知部が、接合分離操作手段に設けられたテーパ面と摺接することによって、サブキャリアが接合分離操作手段に接近したことを検知する。
この状態から更にサブキャリアが移動すると、操作桿の接近検知部が接合分離操作手段のテーパ面に摺接した状態で押圧され、この接近検知部と連絡した操作桿がリンク機構を作動させて、用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる。前述した通り、この後、メインキャリアからサブキャリアが分離し、メインキャリアのみが、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残してキャリアガイドの端部のサービスステーション対応領域にまで移動することになる。
一方、サブキャリアから分離されたメインキャリアをサービスステーション対応領域から印字対応領域に向けて移動させると、まず、メインキャリアが接合分離操作手段を通過する時点でメインキャリアとサブキャリアが前述したようにして接合され、サブキャリアとメインキャリアとが一体化される。
そして、メインキャリアと一体化したサブキャリアが移動して接合分離操作手段から離間すると、操作桿の接近検知部が接合分離操作手段のテーパ面に沿って前述の押圧方向と逆向きに移動することで接合分離操作手段からの離間を検知し、接近検知部に連絡した操作桿およびリンク機構が自動復帰バネの付勢力によって初期位置に復帰することで、用紙押さえ部材が印字ヘッド先端の用紙対向面に再配置される。
前述した通り、本発明においては、キャリアガイドにおける印字対応領域とサービスステーション対応領域との間で実質的に停止したサブキャリア上で作動する用紙押さえ部材揺動手段を利用した用紙押さえ部材の揺動動作と、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を前述の停止位置に残してキャリアガイド端部のサービスステーション対応領域に移動するメインキャリアの直線移動動作とを複合したかたちで印字ヘッド先端に対する用紙押さえ部材の退避動作および再配置動作が行われるようになっており、この段落で説明しているのは、用紙押さえ部材の揺動動作に関わる構成である。
実際には、接合分離操作手段のテーパ面で操作桿の接近検知部を操作して用紙押さえ部材を揺動させる関係上、接合分離操作手段の位置でサブキャリアを僅かにサービスステーション対応領域の側に向けて移動させる必要があるが、この際のサブキャリアの移動量は、メインキャリアをサービスステーション対応領域に位置決めする際に必要とされるメインキャリアの移動量に比べて遥かに少ないので、用紙押さえ部材を揺動させて印字ヘッド先端から取り除くことを目的としてキャリアガイドの全長を冗長させるといった必要は全くない。
用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる操作は、第二のロック手段によってサブキャリアとメインキャリアとを一体化した状態を維持したまま、メインキャリアでサブキャリアを引くようにしてサブキャリアの接近検知部を接合分離操作手段のテーパ面に摺接させて接近検知部を作動させることにより達成されるが、用紙押さえ部材を揺動させるために必要とされる力は僅かなものであるから、接近検知部とテーパ面の摺接で生じる抵抗がサブキャリアの移動を阻害して第二のロック手段が不用意に解除されるといった心配はない。
用紙押さえ部材が印字ヘッドの用紙対向面に位置した状態、つまり、メインキャリアとサブキャリアが一体となって印字対応領域を移動する状況下では、突片と係合部との係合によってキャリアガイド方向におけるサブキャリアとメインキャリアとの相対移動が完全に禁止されて両者が一体となり、また、用紙押さえ部材が印字ヘッドの用紙対向面から取り除かれた状況下では、突片と係合部との係合が完全に解除されるので、サブキャリアを停止位置に残したままメインキャリアをサービスステーション対応領域に移動させる動作が容易に許容される。
しかも、用紙押さえ部材を揺動させて印字ヘッド先端から取り除く用紙押さえ部材揺動手段は、接合分離操作手段に対する接近や離間を検知して用紙押さえ部材を揺動させる構成であって、キャリアガイドに対してメインキャリアやサブキャリアを大きく移動させなくても印字ヘッド先端から用紙押さえ部材を確実に取り除くことができるので、印字ヘッド先端から用紙押さえ部材を取り除くためにキャリアガイドの全長を伸ばしてメインキャリアやサブキャリアをオーバートラベルさせる必要はなく、プリンタ装置の大型化の問題が改善される。
更に、用紙押さえ部材を印字ヘッド先端から取り除く操作は、印字対応領域とサービスステーション対応領域との間で実質的に停止したサブキャリア上で作動する用紙押さえ部材揺動手段を利用した用紙押さえ部材の揺動動作と、サブキャリアおよび用紙押さえ部材を印字対応領域とサービスステーション対応領域との間に残してキャリアガイド端部のサービスステーション対応領域に移動するメインキャリアの直線移動動作とを複合して行われるかたちとなっており、この際、用紙押さえ部材の揺動動作によりキャリアガイドの方向性を基準とした用紙押さえ部材の見かけ上の長さも僅かではあるが短縮されるので、メインキャリアの直線移動動作のみに頼って用紙押さえ部材から印字ヘッドを離脱させる場合と比べ、用紙押さえ部材から印字ヘッドを離脱させるために必要とされるメインキャリアの移動量自体を短縮することができ、キャリアガイドの全長の短縮、更には、プリンタ装置の小型化が実現され得る。
メインキャリア11とサブキャリア12は、図2に示すようにして分離することも、また、図3に示すようにして一体的に接合することも可能である。
つまり、図示しないスステッピングモータ等の作動により、メインキャリア11に対してキャリアガイド方向の送りが掛けられる構造である。
具体的には、例えば、キャリアガイド3,4と接合分離操作手段16のプレート部分16aとの間にメインキャリア11の通過を許容するに足る間隙が図3中の紙面垂直方向に形成されてメインキャリア11の通過を許容する一方、図3中でサブキャリア12に固設されて紙面垂直方向手前側に突出するロック用スタッド18等が接合分離操作手段16のプレート部分16aと干渉することで、サブキャリア12が接合分離操作手段16の配設位置を越えてサービスステーション対応領域Yの側に進入することを禁止している。
ペリカンフック24は長穴19から一方にオフセットしてプレート部分16a上に配備されたバネ21により図2中でクロックワイズ方向に回転付勢され、更に、長穴19から他方にオフセットしてプレート部分16a上に設けられたリリース用スタッド22に当接してペリカンフック24を図2中でカウンタークロックワイズ方向に揺動させるスタッド当接レバー23を備える。
ペリカンフック32は長穴27から一方にオフセットしてステー12a上に配備されたバネ29により図4中でカウンタークロックワイズ方向に回転付勢され、更に、長穴27から他方にオフセットしてステー12a上に設けられたリリース用スタッド30に当接してペリカンフック32を図4中でクロックワイズ方向に揺動させるスタッド当接レバー31を備える。
従って、図2に示されるようにして接近検知部であるローラ41を下方に押圧すれば、リンク機構38が作動して操作桿37の下端部が用紙押さえ部材10を押し下げ、用紙押さえ部材10が印字ヘッド6の先端から離間して図2中に示した揺動位置に開放される。
また、この状態でローラ41に対する押圧力を解除すれば、リンク片42の軸43に環装するかたちで取り付けられ、一端をサブキャリア12上に、また、その他端をリンク片42に固定された自動復帰バネ39の弾性復帰力によってリンク片42が図2中のカウンタークロックワイズ方向に揺動し、操作桿37が図2中で上方に引き上げられて、用紙押さえ部材10が、図3に示されるようにして印字ヘッド6の用紙対向面に再配置されることになる。
係合部47は印字ヘッド6の下端部に形成されたスリットもしくはダボ状の突起で形成することが可能である。係合部47をスリットもしくはダボ状の突起の何れによって形成した場合であっても、係合部47に対する突片46の突入と離脱は用紙押さえ部材10の揺動動作のみで達成することができ、また、係合部47に突片46が突入して両者が係合した状態では、図3に示されるように、キャリアガイド3,4の方向に沿った用紙押さえ部材10と印字ヘッド6との間の相対移動、つまり、サブキャリア12がメインキャリア11から離脱する方向の動作が完全に防止される。
この場合、サブキャリア12は軸36,用紙押さえ部材10,突片46,係合部47および印字ヘッド6を介してメインキャリア11に固定されていることになる。
この場合、サブキャリア12は軸36,用紙押さえ部材10,突片46およびメインキャリア11に設けられた図示しない係合部を介してメインキャリア11に固定されることになる。
また、図3に示される用紙押さえ部材揺動手段35の接近検知部であるローラ41からは押圧力が取り除かれ、自動復帰バネ39の付勢力によりリンク片42が図3中のカウンタークロックワイズ方向の原位置に復帰して操作桿37を上昇させ、操作桿37が用紙押さえ部材10の揺動中心である軸36よりも先端寄りの位置で軸44を介して用紙押さえ部材10を引き上げることで、印字ヘッド6の用紙対向面に用紙押さえ部材10を保持している。
この結果、図2に示される第三のロック手段45も、用紙押さえ部材10の揺動位置に従って作動状態となり、用紙押さえ部材10側の突片46と印字ヘッド6側に設けられた係合部47が係合することで、サブキャリア12をメインキャリア11に固定している。
つまり、操作桿37の下端部が用紙押さえ部材10の揺動中心である軸36の位置よりも用紙押さえ部材10の先端側に位置する軸44を介して用紙押さえ部材10を押し下げることで、用紙押さえ部材10が印字ヘッド6の先端から離間した位置、つまり、図2中で示すように約15°程下方に傾斜した揺動位置に開放されることになる。
そして、この揺動動作により、用紙押さえ部材10の突片46と印字ヘッド6の係合部47との係合が解かれ、第三のロック手段45も解除された状態となる。
つまり、印字ヘッド6に対するメンテナンス作業を行うためにはメインキャリア11をキャリアガイド3,4の端部にまで移動させてサービスステーション8に位置決めすることが必ず必要であり、印字ヘッド6の先端から用紙押さえ部材10を揺動させて取り除くために必要とされるサブキャリア12の移動量は、これを上回るものではない。
そして、最終的に、ロック用スタッド18がシア25のテーパ面を乗り越えた段階で、ペリカンフック24がバネ21の付勢力で図3中のクロックワイズ方向に揺動してペリカンフック24の先端のシア25とロック用スタッド18とを係合させることで第一のロック手段17が作動し、接合分離操作手段16とサブキャリア12との接合状態が設定限度の力で維持されることになる。
第一のロック手段17の締結動作と用紙押さえ部材10の揺動動作は実質的に同時に行われる。
この結果、バネ29が弾性変形して伸び、キャリアガイド方向に沿って穿設された長穴27の長さによって許容される範囲でペリカンフック32と一体の軸28の移動、つまり、姿勢変化を伴わずにペリカンフック32がサブキャリア12上でメインキャリア11側に移動する位置変化が許容される。
そして、この位置変化によってペリカンフック32のスタッド当接レバー31がサブキャリア12上のリリース用スタッド30に当接すると、スタッド当接レバー31とリリース用スタッド30との当接でペリカンフック32の位置変化が禁止され、同時に、軸28を揺動中心としてスタッド当接レバー31がリリース用スタッド30によって操作されるかたちでペリカンフック32の姿勢変化(揺動)が始まり、この姿勢変化によりペリカンフック32の先端のシア33がロック用スタッド34から外れて、第二のロック手段26によるメインキャリア11とサブキャリア12との接合が解除される。
また、接合分離操作手段16でサブキャリア12の移動を禁止した状態でメインキャリア11に送りを掛けることで両者を分離する構成であるから、広い意味で、接合分離操作手段16には、印字対応領域Xからサービスステーション対応領域Yに向けて移動するメインキャリア11からサブキャリア12を分離する機能があるといって差し支えない。
具体的には、例えば、軸28からペリカンフック32の先端までのモーメントまたはスタッド当接レバー31のモーメントあるいはバネ29の弾性係数等を適切に選択することで、この要件は満たされる。
前述した通り、用紙押さえ部材10は印字ヘッド6の先端を囲む矩形状の枠体によって形成されているが、この段階では既に用紙押さえ部材10が印字ヘッド6の先端から離間する方向に揺動されており、また、突片46等からなる第三のロック手段45も既に解除されているので、メインキャリア11は引っ掛かりを生じることなく容易にサブキャリア12から分離して移動することができる。
そして、最終的に、ロック用スタッド34がシア33のテーパ面を乗り越えた段階で、ペリカンフック32がバネ29の付勢力で図4中のカウンタークロックワイズ方向に揺動してペリカンフック32の先端のシア33とロック用スタッド34とを係合させることで第二のロック手段26が作動し、メインキャリア11とサブキャリア12との接合状態が設定限度の力で維持される。
また、接合分離操作手段16が第一のロック手段17を介してサブキャリア12を保持することで、サービスステーション対応領域Yから印字対応領域Xに向けて移動するメインキャリア11が自動的にサブキャリア12に接合される構成であるから、広い意味で、接合分離操作手段16には、サービスステーション対応領域Yから印字対応領域Xに向けて移動するメインキャリア11にサブキャリア12を接合する機能があるといって差し支えない。
この結果、バネ21が弾性変形して伸び、キャリアガイド方向に沿って穿設された長穴19の長さによって許容される範囲でペリカンフック24と一体の軸20の移動、つまり、姿勢変化を伴わずにペリカンフック24が接合分離操作手段16のプレート部分16a上でサブキャリア12側に移動する位置変化が許容される。
そして、この位置変化によってペリカンフック24のスタッド当接レバー23がプレート部分16a上のリリース用スタッド22に当接すると、スタッド当接レバー23とリリース用スタッド22との当接でペリカンフック24の位置変化が禁止され、同時に、軸20を揺動中心としてスタッド当接レバー23がリリース用スタッド22によって操作されるかたちでペリカンフック24の姿勢変化(揺動)が始まり、この姿勢変化によりペリカンフック24の先端のシア25がロック用スタッド18から外れて、第一のロック手段17による接合分離操作手段16とサブキャリア12との接合が解除される。
前記と同様、軸20からペリカンフック24の先端までのモーメントまたはスタッド当接レバー23のモーメントあるいはバネ21の弾性係数等を適切に選択することで、この要件は満たされる。
仮に、そのような場合であっても、用紙押さえ部材10の揺動が開始される時点では既に第二のロック手段26によってサブキャリア12がメインキャリア11に固定されてサブキャリア12とメインキャリア11との相対位置関係が補償されており、また、この段階では、サブキャリア12はメインキャリア11によって単純に一方向に押されるだけであって、第二のロック手段26を介してサブキャリア12がメインキャリア11に引かれるような動きは全く生じないので、サブキャリア12とメインキャリア11との間に間隙が生じる等の問題はなく、従って、用紙押さえ部材10の原位置復帰のための揺動動作に際して用紙押さえ部材10が印字ヘッド6に引っ掛かったり、用紙押さえ部材10の突片46が印字ヘッド6側の係合部47と適切に嵌合しなくなる等の不都合が発生する心配は全くない。
2 フレーム
3,4 キャリアガイド
5 キャリア
6 印字ヘッド
7 キャリア駆動手段
8 サービスステーション
9 用紙
10 用紙押さえ部材
11 メインキャリア(キャリアの一部)
12 サブキャリア(キャリアの一部)
12a ステー
13 プライマリープーリ(キャリア駆動手段の一部)
14 ドリブンプーリ(キャリア駆動手段の一部)
15 タイミングベルト(キャリア駆動手段の一部)
16 接合分離操作手段
16a プレート部分
17 第一のロック手段
18 ロック用スタッド
19 長穴
20 軸
21 バネ
22 リリース用スタッド
23 スタッド当接レバー
24 ペリカンフック
25 シア
26 第二のロック手段
27 長穴
28 軸
29 バネ
30 リリース用スタッド
31 スタッド当接レバー
32 ペリカンフック
33 シア
34 ロック用スタッド
35 用紙押さえ部材揺動手段
36 軸
37 操作桿
38 リンク機構
39 自動復帰バネ
40 テーパ面
41 ローラ(接近検知部)
42 リンク片
43 軸
44 軸
45 第三のロック手段
46 突片
47 係合部
X 印字対応領域
Y サービスステーション対応領域
Claims (10)
- 印字ヘッド先端と用紙との接触を防止するための用紙押さえ部材を印字ヘッドの用紙対向面に有し、キャリアガイドの端部に移動した印字ヘッドの先端と対向する位置に、前記印字ヘッドをメンテナンスするためのサービスステーションを備えたプリンタ装置であって、
前記印字ヘッドを装着したメインキャリアと前記用紙押さえ部材を揺動可能に装着したサブキャリアとを前記メインキャリアが前記サービスステーション寄りに位置するようにして前記キャリアガイドに移動可能に取り付け、前記メインキャリアを前記キャリアガイドに沿って移動させるキャリア駆動手段を設けると共に、
前記キャリアガイドにおける印字対応領域とサービスステーション対応領域との間に、前記印字対応領域から前記サービスステーション対応領域に向けて移動する前記メインキャリアから前記サブキャリアを分離する一方、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向けて移動する前記メインキャリアに前記サブキャリアを接合する接合分離操作手段を配備し、
前記サブキャリアには、該サブキャリアが前記印字対応領域から前記接合分離操作手段に接近したことを検知して前記用紙押さえ部材を前記印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる一方、該サブキャリアが前記接合分離操作手段から前記印字対応領域へ離間したことを検知して前記用紙押さえ部材を前記印字ヘッド先端に揺動復帰させる用紙押さえ部材揺動手段を設けたことを特徴とするプリンタ装置。 - 前記接合分離操作手段は、前記キャリアガイドに沿って移動する前記メインキャリアの通過を許容する一方、前記印字対応領域から前記サービスステーション対応領域への前記サブキャリアの進入を禁止するように構成され、
この接合分離操作手段に、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向かう方向に移動する前記サブキャリアの移動を設定限度の力で拘束する第一のロック手段を設けると共に、
前記メインキャリアと前記サブキャリアとの間には、前記サービスステーション対応領域から前記印字対応領域に向けて移動する前記メインキャリアと前記第一のロック手段により前記接合分離操作手段に拘束された前記サブキャリアとの当接を前記設定限度の力の範囲内の反力で検知して前記メインキャリアと前記サブキャリアを接合し、この接合を設定限度の力で維持する第二のロック手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。 - 前記第一,第二のロック手段が、前記キャリアガイドの方向に沿った長穴によって揺動自在に軸支され、前記長穴から一方にオフセットして配備されたバネにより回転付勢されると共に、前記長穴から他方にオフセットして設けられたリリース用スタッドに当接して前記回転付勢の方向と逆方向に揺動されるスタッド当接レバーを備えたペリカンフックと、このペリカンフック先端のシアに係合するロック用スタッドとによって構成されていることを特徴とする請求項2記載のプリンタ装置。
- 前記設定限度の力は、前記メインキャリアを前記キャリアガイドに沿って移動させるキャリア駆動手段の出力に比べて小さく設定されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のプリンタ装置。
- 前記用紙押さえ部材揺動手段は、前記用紙押さえ部材を前記印字ヘッド先端から離間させる方向に揺動させる操作桿を含むリンク機構と、前記用紙押さえ部材を前記印字ヘッド先端に揺動復帰させる自動復帰バネとを備え、前記操作桿には、前記接合分離操作手段に設けられたテーパ面に摺接して該操作桿を作動させる接近検知部が設けられていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載のプリンタ装置。
- 前記接近検知部が、前記操作桿の端部に回転自在に軸支されたローラによって構成されていることを特徴とする請求項5記載のプリンタ装置。
- 前記用紙押さえ部材と前記メインキャリアとの間に、前記用紙押さえ部材の揺動を許容すると共に前記キャリアガイドの方向に沿った前記用紙押さえ部材と前記メインキャリアとの間の相対移動を禁止する第三のロック手段が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6記載のプリンタ装置。
- 前記第三のロック手段が、前記用紙押さえ部材から揺動方向に突出した突片と、この突片に係合する前記メインキャリア側の係合部とによって構成されていることを特徴とする請求項7記載のプリンタ装置。
- 前記用紙押さえ部材と前記印字ヘッドとの間に、前記用紙押さえ部材の揺動を許容すると共に前記キャリアガイドの方向に沿った前記用紙押さえ部材と前記印字ヘッドとの間の相対移動を禁止する第三のロック手段が設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6記載のプリンタ装置。
- 前記第三のロック手段が、前記用紙押さえ部材から揺動方向に突出した突片と、この突片に係合する前記印字ヘッド側の係合部とによって構成されていることを特徴とする請求項9記載のプリンタ装置。
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