JP4321560B2 - 信号制御システム、信号制御装置、及び、交通信号制御機 - Google Patents

信号制御システム、信号制御装置、及び、交通信号制御機 Download PDF

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Description

本発明は、1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯タイミングを決定する、信号制御システム、信号制御装置、及び交通信号制御機に関する。
信号灯器の各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定するアルゴリズムとして、ある時刻が来ると制御を切り替える定時制御アルゴリズムや、信号の上流に設置された幾つかの車両感知器からの感知器情報等(車両の有無、交通量、占有時間、渋滞長等)に基づいて制御するアルゴリズム等が開示されている(非特許文献1)。
また、前記制御方法に関して、クリアランス時間の定義と算出方法が開示されている(非特許文献1)。
クリアランス時間は、各信号灯色の点灯及び消灯タイミングの決定に用いられる。
クリアランス時間とは、通行権を与えた交通の流れを安全かつ円滑に停止させるために必要な時間のことであり、通常、黄時間長(以下、Yという。)と全赤時間長(以下、ARという。)によって構成される。
そして、黄信号及び全赤信号の設定秒数の算出方法、及びこれらの秒数が停止線への車両の接近速度に依存すること、が知られている(非特許文献1参照)。
これまで、安全性を確保しうるようなクリアランス時間を確保するために、上記接近速度を予め時間帯毎あるいは日種毎のパタンとして設定し、当該条件に合致する接近速度に基づいて、クリアランス時間を算出する方法等が行われてきた。
また、信号灯器の制御方法に関して、交通感応制御として、右折感応制御が開示されている(非特許文献1)。
右折感応制御とは、右折専用現示(青矢印)を有する場合において、右折専用車線に車両感知器を設けて右折車両のギャップ(車間時間)を計測し、ギャップの有無に応じて右折専用現示の時間を決定する方法である。
右折感応制御においては、通常、一旦全ての信号灯色の灯色切替タイミングを決定した後、右折専用現示(青矢印)の消灯タイミングについては、前記ギャップの有無に応じて変更し、当該タイミングの変更に応じて、他の信号灯色の灯色切替タイミングを変更するといった方法が用いられる。
右折感応制御においては、最小青時間と単位延長青時間を設定する必要があり、さらに、系統制御を考慮して最大延長限度を設定する。
最小青時間、単位延長青時間、及び最大延長限度は、右折感応制御を行う交差点における、各信号灯色の点灯及び消灯タイミングの決定に用いられる。
最小青時間とは、右折専用現示(青矢印)を表示する時間の最小値のことであり、最大延長限度は、その最大値のことである。
また、単位延長青時間とは、車両感知器が車両の通過を検知した場合に、表示中の右折専用現示(青矢印)表示を延長する単位時間のことである。前記延長する単位時間内に車両の通過を検知しない場合、原則として、右折専用現示(青矢印)を消灯する(打ち切る)。
このうち、前記単位延長青時間は、予め時間帯毎あるいは日種毎のパタンとして設定し、当該条件に合致する値を採用する方法等が行われてきた。
また、信号灯器の制御方法に関して、歩行者用灯器(歩行者に対する通行権の有無を表示する信号灯器)における歩行者青信号(以下、PGという。)と歩行者青点滅時間(以下、PWという。)が開示されている(非特許文献2)。
歩行者青信号及び歩行者青点滅時間は、各信号灯色の灯色切替タイミングの決定に用いられる。
PGは、横断する道路の幅員Lを横断歩行者の歩行速度VP1で除算して算出される値以上として設定される。ここで、PGに与える最小保証値(=L/VP1)を歩行者青下限時間(以下、PLという。)と呼ぶ。
横断歩行者の歩行速度は1m/sを目安としており、例えば10mの幅員の道路におけるPLは10秒といった方法で算出していた(非特許文献2)。
PWは、横断する道路の幅員Lを青点滅時の横断歩行者の歩行速度VP2で除算して算出される値に所定の係数kを掛けた値(=k・L/VP2)として設定していた(非特許文献2)。
また、都市の街路網では、信号交差点の間隔が短いため、これらの信号機群を互いに関連付けて制御する系統制御が行われている。
オフセットとは、前記系統制御において、各信号機のサイクル開始時間に持たせる差のことであり、幹線道路において車群が円滑に通過できるようにすることを目的としている。
オフセットは、各信号灯色の灯色切替タイミングの決定に用いられ、通常、基準となる時刻と前記基準時刻に対するサイクル開始時間の差によって表現される。
オフセットは、TRANSYT(商品名)等のシミュレーションツールを用いた演算によって決定できる。
その際、各リンクのオフセットは、リンク長、系統速度、及びサイクル長から求められることが知られている(非特許文献1)。
ここで系統速度とは、オフセット算出対象となっている信号機群を通過する車群の走行速度のことである。
従来まで、オフセットを決定するための系統速度は、日種や時間帯毎のパタンとして設定し、当該条件に合致する値を採用する方法等が行われてきた。
また、交差点の各流入路に対してどのような時間比率で交通権を与えるかは、通常、交差点への流入交通量に応じて決定される。ここで、前記交通権のことを現示、前記時間比率のことをスプリットといい、スプリットは、信号灯器の表示サイクル1回分の時間における各現示の青時間の比率に相当する。
スプリットは、各信号灯色の灯色切替タイミングの決定に用いられる。
通常、スプリットは、予め設定された日種や時間帯毎のパタンを採用するアルゴリズムや、負荷率比配分方式等のアルゴリズムによって決定される。
ここで、負荷率比配分方式とは、流入台数、待ち行列長、及び飽和交通流率から得られる負荷率を現示毎に求めて、負荷率の比に応じてスプリットを配分するアルゴリズムのことである(非特許文献1)。
なお、ここにいう信号灯器とは、例えば、交差点において、流入路毎に設置される信号灯の群のように、通常1台の交通信号制御機が制御する信号灯の集合体を指す。
なお、信号灯色の点灯のタイミングとは、当該信号灯色が点灯する時点を指し、消灯のタイミングとは当該信号灯色が消灯する時点を指す。
歩行者用灯器の青点滅信号については、点滅の開始時点を点灯タイミング、点滅の終了時点を消灯タイミングとする。同様に、車両用灯器の黄信号及び赤信号を点滅表示する場合にも、点滅の開始時点を点灯タイミング、点滅の終了時点を消灯タイミングとする。
また、信号制御システムを構築する方式は以下の4つに大別できる。
1つ目の方式は、歩進制御方式と呼ばれるものであり、原則として、交通管制センターに設置した信号制御装置が信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミングを決定して、道路上に設置した交通信号制御機に灯色切替タイミング信号(以下、歩進信号)を送出し、当該信号に応じて交通信号制御機が各信号灯色を点灯及び消灯する。
2つ目の方式は、テーブル制御方式と呼ばれるものであり、交通管制センターに設置した信号制御装置が、信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミング信号を直接送信するのではなく、例えばサイクル毎や所定の周期毎に、1または複数の信号灯色の灯色切替タイミングを決定しうるデータ(以下、信号制御指令情報)を交通信号制御機に対して送信し、当該交通信号制御機が当該信号制御指令情報を用いて当該サイクルにおける各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する。
通常、テーブル制御方式における信号制御指令情報は、サイクル長、スプリット、オフセットといった信号制御用パラメータで構成され、1または複数の信号灯色の灯色切替タイミングを決定するために必要となるデータが含まれている。交通信号制御機は、当該データに基づいて、実際に前記信号灯色を点灯及び消灯するタイミングを決定する。
3つ目の方式は、分散制御方式と呼ばれるものであり、道路上に設置された交通信号制御機が、他の1または複数の交通信号制御機の信号灯器における各信号灯色の灯色切替タイミングを決定しうるデータ(以下、分散制御方式用情報)を当該他の交通信号制御機に対して送信し、当該他の交通信号制御機が当該分散制御方式用情報や当該他の交通信号制御機が独自に有する定数等を用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する。
通常、分散制御方式における当該分散制御方式用情報は、交通信号制御機に直接接続された車両感知器において計測される交通量やその予測値、交通信号制御機において決定された信号灯色の継続秒数もしくは信号灯色群(例えば、交差点のある方路に進行する車両に対する車両用灯器の青信号と黄信号を1つの群とする等)の継続秒数等で構成され、各信号灯色の灯色切替タイミングを決定するために必要となるデータが含まれている。各交通信号制御機は、当該データやその他交通信号制御機が独自に有する定数等に基づいて、実際に各信号灯色を点灯及び消灯するタイミングを決定する。
4つ目の方式は、単独制御方式と呼ばれるものであり、道路上に設置された交通信号制御機が自身の有する時間帯毎のテーブル等に応じて信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方式である。
信号制御装置と通信で接続されていない交通信号制御機や、信号制御装置から、単独制御方式で動作するように指示された交通信号制御機において用いられる方式である。
片倉 正彦ら、「交通信号の手引き」、社団法人交通工学研究会、平成6年7月、p.4−60 「交通信号運用レベルの向上に関する研究報告書」、社団法人日本自動車工業会交通対策委員会、昭和59年3月、p.27−31
例えば、定時制御アルゴリズムの場合、信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミングを時間帯に応じて切り替えて決定するが、同一の時間帯であっても、天候によって交通状況が異なる地点においては、流入交通流に適した青時間を割り当てられずに、流入交通流がないにも関わらず無駄な青を表示し続けることや、捌け残り車両が存在するにも関わらず青表示を打ち切るようなことが想定される。
具体的には、例えば、赤信号で交差点内に取り残された車両が、既に交差点外に出た状態であるにもかかわらず、赤信号を長い時間表示し続けることが想定される。
また、例えば、右折車両専用車線に後続車両が存在するにも関わらず、青矢印表示を打ち切ることや、逆に、後続車両が存在しないにも関わらず無駄な青矢印を表示し続けることが想定される。
また、例えば、全ての横断歩行者が横断歩道を横断し終えているにも関わらず、歩行者青信号や歩行者青点滅信号を表示し続けることが想定される。
また、例えば、系統制御が行われているエリアにおいて、車群が信号機群を通過し終える前に赤信号で停止させられることや、逆に、車群が既に通過し終えたにもかかわらず青が表示され続けることが想定される。
また、例えば、主道路と従道路に対して与える青信号の時間配分が適切でないために、渋滞が発生することが想定される。
そこで、天候を加味して、各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定することが可能な信号制御システム、信号制御装置、及び交通信号制御機を提供することを目的とする。
第一の発明にかかる信号制御システムは、1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、天候種別を取得する天候種別取得手段と、天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、前記灯色切替タイミング決定手段は、前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有するものであり、前記移動体速度テーブルには、移動体である車両が右折専用車線の手前に設けられた停止線に接近する接近速度が設定されており、さらに、右折専用車線における車間距離が設定された車間距離テーブルを備え、前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記接近速度と前記車間距離とを補正するものであり、前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された接近速度及び車間距離を用いて右折感応制御用単位延長青時間を算出するものであり、前記切替決定手段は、前記算出された右折感応制御用単位延長青時間に基づいて前記灯色切替タイミングを決定することを特徴とする(請求項1)。
この発明によれば、天候に応じた車両接近速度や車間距離を基に右折感応制御用単位延長青時間を決定することで、例えば、右折専用車線に車両が存在するにも関わらず青矢印表示を打ち切ることを防止することや、右折専用車線に車両が存在しない場合に早期に青矢印表示を打ち切ること等ができる。
また、第二の発明にかかる信号制御システムは、1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、天候種別を取得する天候種別取得手段と、天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、前記灯色切替タイミング決定手段は、前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有するものであり、前記移動体速度テーブルには、移動体である歩行者が横断歩道を移動する速度である歩行速度が設定されており、当該歩行速度には、青信号時に歩行する速度である歩行者青信号歩行速度と、歩行者が横断歩道を青点滅信号時に歩行する速度である歩行者青点滅歩行速度とのうちの少なくとも一方が含まれ、前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記歩行速度を補正するものであり、前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された歩行速度を用いて、歩行者青下限時間及び歩行者青点滅時間のうち少なくとも一方を算出するものであり、前記切替決定手段は、前記算出された歩行者青下限時間及び歩行者青点滅時間のうち少なくとも一方に基づいて前記灯色切替タイミングを決定することを特徴とする(請求項2)。
この発明によれば、天候に応じた歩行速度を基に歩行者青下限時間を決定することで、歩行者の安全を確保しつつ、横断歩道を横断する歩行者に対して割り当てる歩行者青時間が、必要以上に長くなることを防止すること等ができる。
また、天候に応じた歩行速度を基に歩行者青点滅時間を決定することで、歩行者の安全を確保しつつ、横断歩道を横断する歩行者に対して割り当てる歩行者青点滅時間が必要以上に長くなることを防止すること等ができる。
また、第三の発明にかかる信号制御システムは、1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、天候種別を取得する天候種別取得手段と、天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、前記灯色切替タイミング決定手段は、前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有するものであり、前記移動体速度テーブルには、移動体である車両が交差点の手前に設けられた停止線に接近する停止線接近速度が設定されており、前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記停止線接近速度を補正するものであり、前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された停止線接近速度を用いてクリアランス時間を算出するものであり、前記切替決定手段は、前記算出されたクリアランス時間に基づいて前記灯色切替タイミングを決定することを特徴とする(請求項3)。
この発明によれば、天候に応じた車両接近速度を基にクリアランス時間を決定することで、交通権が他の流入路に移動する際の安全性を確保しつつ、赤信号を表示している流入路から流入した全ての車両が、既に交差点を通過し終えているにも関わらず、赤信号が継続して表示されることを防止すること等ができる。
この場合、前記第一乃至第三の信号制御システムを、前記灯色切替タイミング決定手段を有し、当該灯色切替タイミング決定手段によって決定される灯色切替タイミングを通知する歩進信号を送信する信号制御装置と、前記歩進信号を受信し、前記歩進信号に応じて前記信号灯器に各信号灯色の点灯及び消灯を行わせる交通信号制御機とによって実現することができる(請求項4)。
また、前記第一乃至第三の信号制御システムを、灯色切替タイミングの決定に用いる信号制御指令情報を作成する信号制御指令作成手段と、作成された信号制御指令情報を交通信号制御機宛に送信する中央装置通信手段とを有する信号制御装置と、当該信号制御指令情報に基づいて前記信号灯器の点灯及び消灯を行う交通信号制御機とによって構成し、前記信号制御装置に前記タイミング決定用パラメータ算出手段を備えさせ、前記タイミング決定用パラメータ算出手段によって決定されるタイミング決定用パラメータを用いて前記信号制御指令情報を作成させるようにすると共に、前記交通信号制御機には、前記信号制御指令情報に基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段を備えさせることによって実現するようにしても良い(請求項5)。
また、前記第一乃至第三の信号制御システムを、分散制御方式で動作する複数の交通信号制御機を備える構成とし、前記複数の交通信号制御機間で分散制御に用いる分散制御方式用情報を送受信するようにしておき、前記複数の交通信号制御機のうちの一の交通信号制御機には、前記天候種別取得手段と前記タイミング決定用パラメータ算出手段とを備えさせて、当該タイミング決定用パラメータ算出手段によって決定されるタイミング決定用パラメータを用いて前記分散制御方式用情報を作成して他の交通信号制御機に対して送信させるようにすると共に、前記他の交通信号制御機には、前記一の交通信号制御機から受信した分散制御方式用情報に基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段を備えさせることによって実現するようにしても良い(請求項6)。
なお、この場合には、信号制御装置を構成要件にさらに含ませた上で、その信号制御装置に、天候種別を取得する天候種別取得手段と、前記取得した天候種別を作成根拠の1つとして用いて灯色切替タイミングの決定に用いる信号制御指令情報を作成する信号制御指令作成手段と、前記作成した信号制御指令情報を交通信号制御機に対して送信する中央装置通信手段とを備えさせ、前記灯色切替タイミング決定手段が前記分散制御方式用情報と前記信号制御指令情報の双方に基づいて前記タイミングを決定する、という構成にすることもできる(請求項7)。
また、本発明の交通信号制御機は、前記いずれかに記載の信号制御システムに用いられることを特徴とする(請求項8)
また、本発明の信号制御装置は、前記いずれかに記載の信号制御システムに用いられることを特徴とする(請求項9)
これらの発明によれば、交通信号制御機もしくは信号制御装置が、天候種別を加味して信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する信号制御システムに用いられることで、流入交通流に適した青時間を割り当てて無駄な青信号を表示し続けることを防止することや、車両の捌け残りが発生しないように、前記交通信号制御機が適切な青信号表示を継続すること等ができる。
以上のように本発明によれば、信号灯器の各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する際に、天候種別を決定要素の1つとして用いることで、各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを、より適切なものとすることができる。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態では、信号制御システムの構築方法として歩進制御方式を採用した場合の例を示す。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る信号制御システムの概略を示す図である。
図1において、1は交通管制センターに設置される信号制御装置であり、通信回線を介して、道路上に設置された交通信号制御機2A及び2Bを制御する機能を有する。
また、信号制御装置1は、車両感知器3A及び3Bからの感知器情報を、交通信号制御機2Aもしくは2B経由で通信回線を介して受信する機能を有する。さらに、天候センサー4A及び4Bからの天候情報を、交通信号制御機2Aもしくは2B経由で通信回線を介して受信する機能を有する。さらに、天候情報サーバ5からの天候情報を受信する機能を有する。
交通信号制御機2Aは道路上に設置され、信号制御装置1から通信回線を介して送信される歩進信号を受信し、前記歩進信号に基づいて信号灯器6Aを制御する機能を有する。また、車両感知器3Aから感知器情報を受信する機能を有する。また、天候センサー4Aから天候情報を受信する機能を有する。
交通信号制御機2Bについても同様である。
車両感知器3Aは道路上に設置され、感知対象の車線を通過する車両の有無等の感知器情報を検知し、交通信号制御機2Aに対して当該感知器情報を送信する機能を有する。
車両感知器3Bについても同様である。
天候センサー4Aは道路上に設置され、当該設置地点における天候情報を検知し、交通信号制御機2Aに送信する機能を有する。
天候センサー4Bについても同様である。
天候情報サーバ5は、ある特定の地点もしくは複数の地点における天候情報を信号制御装置1に送信する機能を有する。
なお、天候センサー4Aまたは4Bと天候情報サーバ5は、一方のみが存在しても良いし、双方とも存在していても良い。
また、これらとは異なる装置等が天候情報を送信しても良く、信号制御装置1が天候種別を決定するための情報を手に入れられれば良い。
信号灯器6Aは交通信号制御機2Aに接続され、交通信号制御機2Aによって各信号灯色が点灯及び消灯される。
信号灯器6Bについても同様である。
図1において、信号制御装置1に通信回線を介して接続される交通信号制御機は2台の場合を例示して説明するが、1台でも3台以上であっても良い。
以下、交通信号制御機2Aに接続される信号灯器6Aの灯色切替タイミング決定方法について説明する。
図1において、信号制御装置1は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信される天候情報を受信する。ここで、天候情報は、例えば、気温、湿度、降水量、日照時間、風速、積雪等のように、天候種別を決定するために必要な情報をいう。
天候情報は、現在もしくは過去の天候情報であっても良いし、予測した未来の天候情報であっても良い。また、天候情報は、特定の地点の情報であっても良いし、複数の地点やエリアの情報であっても良い。
信号制御装置1は、受信した天候情報から、交通信号制御機2Aの設置された地点における天候種別を取得する。
天候種別は、例えば、晴れ、曇り、降雨、小雨、大雨、降雪、小雪、大雪、濃霧等である。
なお、前記天候情報が天候種別そのものを含んでいても良い。
信号制御装置1は、取得した天候種別を用いて、信号灯器6Aの各信号灯色の灯色切替タイミングを決定し、当該タイミングを通知する歩進信号を交通信号制御機2Aに送信する。
前記歩進信号を受信した交通信号制御機2Aは、当該歩進信号に従って信号灯器6Aの各信号灯色の点灯及び消灯を行う。
天候センサー4Aとしては、例えば、降雨センサーや降雪センサー等が挙げられ、天候に関する情報を検知できるものであれば良い。また、これらのセンサーを組み合わせて用いても良い。
天候情報サーバ5としては、例えば、気象庁の地域気象観測システム等の有する天候に関する情報を、インターネット等を通じて配信するサーバ等が挙げられ、天候に関する情報を配信するサーバであれば良い。
図2は、信号制御装置1及び交通信号制御機2Aの全部または一部を構成する機能を示す機能ブロック図である。
図2に従って、信号制御装置1と交通信号制御機2Aに関する動作を説明する。
図2において、信号制御装置1は、天候種別取得手段101、灯色切替タイミング決定手段102、中央装置通信手段103、及び天候情報サーバ通信手段104から構成される。
天候情報サーバ通信手段104は、天候情報サーバ5から天候情報を受信する機能を有する。
なお、天候情報サーバ通信手段104と天候情報サーバ5はあっても良いし、無くても良い。また、天候情報サーバ5から送信される天候情報は、天候種別であっても良い。
天候種別取得手段101は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信された天候情報に基づいて、交通信号制御機2Aの設置地点における天候種別を取得する機能を有する。
なお、天候種別取得手段101は、信号制御装置1に接続された全ての交通信号制御機2A及び2Bの設置地点における天候種別を取得するが、例えば、その一部が天候種別取得不能となる場合もしくは時間帯があっても良い。
灯色切替タイミング決定手段102は、交通信号制御機2Aの信号灯器6Aにおける各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する機能を有し、前記取得した天候種別を前記タイミングの決定要素の1つとする。
中央装置通信手段103は、交通信号制御機2Aと各種データを送受信する機能を有する。ここにいう各種データとは、灯色切替タイミング決定手段102が決定したタイミングに応じて信号制御装置1が通信回線に送信する歩進信号、車両感知器3Aから発信され交通信号制御機2A経由で通信回線を介して送られる感知器情報、天候センサー4Aから発信され交通信号制御機2A経由で通信回線を介して送られる天候情報等を指す。
図2において、交通信号制御機2Aは、感知器通信手段203Aと天候センサー通信手段204Aと端末装置通信手段205Aと信号灯色切替手段206Aから構成される。
感知器通信手段203Aは、車両感知器3Aから感知する対象地点における交通量等の感知器情報を受信する機能を有する。なお、車両感知器3Aと感知器通信手段203Aはあっても良いし、無くても良い。
天候センサー通信手段204Aは、天候センサー4Aから天候情報を受信する機能を有する。
なお、天候センサー通信手段204Aと天候センサー4はあっても良いし、無くても良い。また、天候センサー4Aから送信される天候情報は、天候種別であっても良い。
端末装置通信手段203Aは、信号制御装置1と各種データを送受信する機能を有する。ここにいう各種データとは、信号制御装置1が通信回線に送信する歩進信号、車両感知器3Aから受信した感知器情報、天候センサー4Aから受信した天候情報等を指す。
なお、前記両感知器情報は、車両感知器3Aから受信した感知する対象地点における車両の存在有無に関する情報そのものであっても良いし、前記車両の存在有無から算出した交通量等であっても良い。
信号灯色切替手段206Aは、信号制御装置1から受信した歩進信号に応じて、信号灯器6Aにおける信号灯色を切り替える機能を有する。
次に、図2における天候種別取得手段101と灯色切替タイミング決定手段102が図1における交通信号制御機2Aの信号灯器における各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法を説明する。
図2における天候種別取得手段101は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信された天候情報を受信し、当該天候情報に基づいて交通信号制御機2Aの設置された地点における天候種別を判断し、取得する。
天候センサー4Aと天候情報サーバ5の双方から同じ地点の天候情報を受信した場合には、例えば、情報発信元に優先順位を設定しておき、優先順位の高い情報発信元の天候情報を採用して天候種別を取得する方法や、双方からの天候情報を基に天候種別をそれぞれ決定し、双方の天候種別が一致した場合にのみ当該天候種別を取得し、不一致の場合には天候が不明であると判断させる方法等が考えられる。
なお、天候センサー4Aや天候情報サーバ5が天候情報に基づいて天候種別を求め、当該天候種別を信号制御装置1に対して発信しても良いし、天候センサー4Aや天候情報サーバ5から天候情報を受信した他の装置(図示せず)が、当該天候情報から取得した天候種別を信号制御装置1に対して発信しても良い。
その場合、天候種別取得手段101は、天候センサー4A等から受信した天候種別をそのまま採用して取得しても良い。
天候種別取得手段101が取得した天候種別は、メモリ等の記憶部に記録し、必要に応じて記憶部から取り出す。
灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を決定要素の1つとして用いて、信号灯器6Aの各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する。
そして、中央装置通信手段103が当該決定されたタイミングを通知する歩進信号を、通信回線を介して交通信号制御機2Aに送信する。
灯色切替タイミング決定手段102が決定した各信号灯色の灯色切替タイミングは、メモリ等の記憶部に記録し、必要に応じて記憶部から取り出す。
この場合、中央装置通信手段106は、前記記憶部に記録された各信号灯色の灯色切替タイミングを取り出して用いても良いし、灯色切替タイミング決定手段102から前記タイミングを直接通知されても良い。
前記信号灯器6Aにおける各信号灯色の灯色切替タイミングの決定においては、クリアランス時間、右折感応制御用単位延長青時間、歩行者青下限時間、歩行者青点滅時間、オフセット、及びスプリットのうち少なくとも1つを、前記取得した天候種別を用いて決定した上で、前記決定したクリアランス時間、右折感応制御用単位延長青時間、歩行者青下限時間、歩行者青点滅時間、オフセット、及びスプリットのうち少なくとも1つを用いて灯色切替タイミングを決定することが望ましい。
例えば、灯色切替タイミング決定手段102が、天候種別を用いて前記クリアランス時間を決定する際の前記クリアランス時間の算出方法を図3のフローチャートに従って説明する。また、当該クリアランス時間を用いて前記灯色切替タイミングを決定する手順を図4のフローチャートに従って説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS11)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に発信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS12)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、停止線接近速度テーブル(図5)から該当する接近速度V11を取得する(ステップS13)。
この場合、停止線接近速度テーブル(図5)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図5に示す停止線接近速度テーブルは、季節、日種、及び時間帯の各項目に対応する接近速度を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として接近速度を取得する。
なお、停止線接近速度テーブルの項目として、例示した全ての項目を使用する必要はなく、例えば、季節と日種と時間帯のうちから選択した1つもしくは2つのみを項目として停止線接近速度テーブルを構成しても良い。その場合は、停止線接近速度テーブルの項目として選択した項目のみを条件として接近速度を取得する。
さらに、天候種別取得手段101が、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信された天候情報を受信し、当該天候情報を基に天候種別を取得する(ステップS14)。そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を基に、天候係数テーブル(図6)から該当する天候係数α1を取得する(ステップS15)。
この場合、天候係数テーブル(図6)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、天候係数α1は、天候種別に応じて決定される、接近速度に対する重み付け係数である。図6に示す天候係数テーブルは、天候種別に対応する天候係数α1を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、天候種別を入力条件として天候係数α1を取得する。
灯色切替タイミング決定手段102は、ステップS13で取得した接近速度V11と、ステップS15で取得した天候係数α1を乗算することで、補正した接近速度V12を取得する(ステップS16)。
そして、以下の式11及び式12によって、クリアランス時間を構成する黄時間長Yと全赤時間長ARを算出する(ステップ17)。
ここで、τは運転者の反応時間(黄信号開始時からブレーキが効き始めるまでの時間)を表し、dはブレーキが効き始めてから停止するまでの平均減速度を表す。τとdは、通常地点毎に規定値として与えられるが、天候種別に応じて変更して使用しても良い。
また、Wは交差点の大きさを表す。Wも規定値として与えられる。
Figure 0004321560
以上、ステップS11からステップS17までの手順によって、クリアランス時間を構成するYとARを算出することができる。
次に、前記算出されたクリアランス時間を用いて、全ての信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法を図4のフローチャートに従って説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS101)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に発信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS102)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、信号灯色表示時間テーブル(図7)から該当する各信号灯色(1PG等)の表示時間を取得する(ステップS103)。
この場合、信号灯色表示時間テーブル(図7)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図7に示す信号灯色表示時間テーブルは、季節、日種、及び時間帯の各項目に対応する各信号灯色の表示時間を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として前記各信号灯色の表示時間を取得する。
そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記S11からS17の手順に従ってクリアランス時間YとARを算出し(ステップS104)、ステップS103で取得した前記各信号灯色の表示時間のうちYとARを、S104で算出した時間に置き換える(ステップS105)。
最後に、各信号灯色の表示時間から各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する(ステップS106)。
この場合において、例えば、YとARの時間が当初ステップS103で決定されていた時間よりも短縮もしくは延長された場合には、当該短縮もしくは延長された時間を、他の信号灯色の時間に対して加算もしくは減算することで、信号の1表示サイクルの長さ(サイクル長)を一定に保つ、といった決定方法も考えられる。
本発明によれば、例えば、春の平日の12時における接近速度V11(=40)は、天候が「晴れ」であれば、天候係数α1(=1.0)によってV12=40と補正でき、一方、天候が「濃霧」であれば、天候係数α1(=0.4)によってV12=12と補正できる。その結果、当該補正後の接近速度V12を用いて、天候に応じた適切なクリアランス時間を算出することができる。
従来であれば、例えば春の平日の12時における接近速度V11として与えた設定値を、天候に関係なく採用していたため、例えば、接近速度V11=12と設定した場合には、天候が「濃霧」であれば適切であるが、天候が「晴れ」であれば、実際の接近速度よりも小さくなる。その結果、当該接近速度を用いて算出されるクリアランス時間は、天候が「晴れ」の場合には大きくなってしまい、黄信号や赤信号が必要以上に長く表示される。そのため、交差側の信号待ち時間が長くなり、渋滞を引き起こす場合があった。
ただし、本発明によれば、天候種別に応じて接近速度を補正できるため、当該補正した接近速度に基づいて適切なクリアランス時間を算出できる。その結果、交差側の信号待ち時間を必要限度とし、渋滞の発生確率を低減することができる。
なお、クリアランス時間の算出方法については本実施例に限らず、例えば、停止線接近速度テーブルの項目に天候種別を追加して、ステップS16で算出される補正された接近速度V12を停止線接近速度テーブルに予め記述しておき、季節や天候種別等の項目を条件として、当該テーブルから接近速度V12を取得する方法でも良いし、ステップS17で算出されるYとARを天候種別等の項目毎に予め設定したクリアランス時間テーブル(図示せず)を用意しておき、天候種別等の項目を条件として、前記テーブルからYとARを取得する方法でも良い。
また、クリアランス時間を用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法についても、本実施例に限らず、従来まで交通管制システムにおいて用いられる負荷率比配分方式等に基づいて決定する方法等を用いることができる。
また、例えば、灯色切替タイミング決定手段102が、天候種別を用いて前記右折感応制御用単位延長青時間を決定する際の前記右折感応制御用単位延長青時間の算出方法を図8のフローチャートに従って説明する。また、当該右折感応制御用単位延長青時間を用いて前記灯色切替タイミングを決定する手順を説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS21)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に送信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS22)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、右折感応定数テーブル(図9)から該当する接近速度V21と車間距離D21を取得する(ステップS23)。
この場合、右折感応定数テーブル(図9)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図9に示す右折感応定数テーブルは、季節、日種、及び現在時刻の各項目に対応する接近速度と車間距離を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として接近速度と車間距離を取得する。
なお、右折感応定数テーブルの項目として、例示した全ての項目を使用する必要はなく、例えば、季節と日種と現在時刻のうちから選択した1つもしくは2つのみを項目として右折感応定数テーブルを構成しても良い。その場合は、選択した項目のみを条件として接近速度と車間距離を取得する。
さらに、天候種別取得手段101は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信された天候情報を受信し、当該天候情報を基に天候種別を取得する(ステップS24)。そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を基に、天候係数テーブル(図6)から該当する天候係数α2とβ2を取得する(ステップS25)。
この場合、天候係数テーブル(図6)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、天候係数α2は天候種別に応じて決定される、接近速度に対する重み付け係数であり、天候係数β2は天候種別に応じて決定される、車間距離に対する重み付け係数である。図6に示す天候係数テーブルは、天候種別に対応する天候係数α2とβ2を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、天候種別を入力条件として天候係数α2とβ2を取得する。
灯色切替タイミング決定手段102は、ステップS23で取得した接近速度V21と、ステップS25で取得した天候係数α2を乗算することで、補正した接近速度V22を取得すると共に、ステップS23で取得した車間距離D21とステップS25で取得したβ2を乗算することで、車間距離D22を取得する(ステップS26)。
そして、以下の式21によって、右折感応制御用単位延長青時間を算出する(ステップ27)。
ここで、Cは単位延長青時間の調整値であり、通常地点毎に規定値として与えられるが、天候種別に応じて変更して使用しても良い。
Figure 0004321560
以上、ステップS21からステップS27までの手順によって、右折感応制御用単位延長青時間を算出することができる。
次に、前記右折感応制御用単位延長青時間を用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法を説明する。
例えば、ステップS101からステップS103に示した方法等によって一旦全ての信号灯色の灯色切替タイミングを決定した後、右折専用現示(青矢印)の時間については、前記右折感応制御用単位延長青時間を用いて変更して決定する方法等が考えられる。
その際、右折専用車線に設置した車両感知器3Aからの感知器情報に基づいて、車両感知器3Aで最後に車両の通過を感知してから、前記右折感応制御用単位延長青時間以内に後続車両の通過を感知したと判断できる場合には、当該後続車両の通過を感知してから前記右折感応制御用単位延長青時間の間、右折専用現示(青矢印)を表示し、一方、車両感知器3Aで最後に車両の通過を感知してから、前記右折感応制御用単位延長青時間以内に後続車両の通過を感知しなかった場合には、前記右折感応制御用単位延長青時間の経過と同時に、右折専用現示(青矢印)を消灯する方法が考えられる。
また、上記動作をする場合において、右折専用現示(青矢印)の表示時間が、予め設定された最小青時間以上、最大延長限度以下となるようにする方法であっても良い。
また、前記最小青時間及び最大延長限度については、別途信号制御装置1から通知しても良い。
その際、右折専用現示(青矢印)の表示時間が、当初定時制御アルゴリズムによって決定されていた時間よりも短縮もしくは延長された場合には、当該短縮もしくは延長された時間を、他の信号灯色の時間に対して加算もしくは減算することで、信号の1表示サイクルの長さ(サイクル長)を一定に保つ、といった決定方法も考えられる。
本発明によれば、例えば、春の平日の12時における接近速度V21(=40)と車間距離D21(=20)は、天候が「晴れ」であれば、天候係数α2(=1.0)とβ2(=1.0)によって、V22=40とD22=20と補正でき、一方、天候が「濃霧」であれば、天候係数α2(=0.4)とβ2(=1.2)によって、V22=16とD22=24と補正できる。その結果、当該補正後の接近速度V22と車間距離D22を用いて、天候に応じた適切な右折感応制御用単位延長青時間を算出することができる。
従来であれば、例えば春の平日の12時における接近速度V21と車間距離D21として与えた設定値を、天候に関係なく採用していたため、例えば、接近速度V21=40と車間距離D21=20と設定した場合には、天候が「晴れ」であれば適切であるが、天候が「濃霧」であれば、接近速度は実際よりも大きく、車間距離は実際よりも小さくなる。その結果、当該接近速度と車間距離を用いて算出される右折感応制御用単位延長青時間は、天候が「濃霧」の場合には小さくなってしまい、その結果、後続車両が存在するにも関わらず青矢印表示を打ち切ってしまう場合があった。
ただし、本発明によれば、天候種別に応じて接近速度と車間距離を補正できるため、当該補正した接近速度と車間距離に基づいて適切な右折感応制御用単位延長青時間を算出できる。その結果、後続車両が存在する場合には、青矢印表示を適切に延長することができる。
また逆に、本発明によれば、接近速度が大きくて車間距離が小さい場合には、右折感応制御用単位延長青時間を短くできるため、右折専用車線の車両が全て通過し終えてから、青矢印表示を消灯するまでの時間を短縮することができる。
なお、右折感応制御用単位延長青時間の算出方法については本実施例に限らず、例えば、右折感応定数テーブルの項目に天候種別を追加して、ステップS26で算出される補正された接近速度V22と車間距離D22を右折感応定数テーブルに記述する方法でも良いし、ステップS27で算出される単位延長青時間を季節、天候種別等の項目毎に予め設定したテーブル(図示せず)を用意しておき、季節、天候種別等の条件を基に、前記テーブルから単位延長青時間を取得する方法でも良い。
また、右折感応制御用単位延長青時間を用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法についても、本実施例に限らず、従来まで交通管制システムにおいて用いられる負荷率比配分方式等に基づいて決定する方法等を用いることができる。
また、例えば、灯色切替タイミング決定手段102が、天候種別を用いて前記歩行者青下限時間PL及び前記歩行者青点滅時間PWを算出する方法を図10及び図11のフローチャートに従って説明する。また、当該歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを用いて前記灯色切替タイミングを決定する方法を説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS31)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に送信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS32)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、歩行速度テーブル(図12)から該当する歩行者青信号歩行速度VP11と歩行者青点滅歩行速度VP21を取得する(ステップS33)。
この場合、歩行速度テーブル(図12)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図12に示す歩行速度テーブルは、季節、日種、及び現在時刻の各項目に対応する歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度を取得する。
なお、歩行速度テーブルの項目として、例示した全ての項目を使用する必要はなく、例えば、季節と日種と現在時刻のうちから選択した1つもしくは2つのみを項目として歩行速度テーブルを構成しても良い。その場合は、選択した項目のみを条件として歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度を取得する。
さらに、天候種別取得手段101は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つ以上から受信した天候情報を基に天候種別を取得する(ステップS34)。そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を基に、天候係数テーブル(図6)から該当する天候係数α3とβ3を取得する(ステップS35)。
この場合、天候係数テーブル(図6)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、天候係数α3は天候種別に応じて決定される、歩行者青信号歩行速度に対する重み付け係数であり、天候係数β3は天候種別に応じて決定される、歩行者青点滅歩行速度に対する重み付け係数である。図6に示す天候係数テーブルは、天候種別に対応する天候係数α3とβ3を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、天候種別を入力条件として天候係数α3とβ3を取得する。
灯色切替タイミング決定手段102は、ステップS33で取得した歩行者青信号歩行速度VP11と、ステップS35で取得した天候係数α3を乗算することで、歩行者青信号歩行速度VP12を取得すると共に、ステップS33で取得した歩行者青点滅歩行速度VP21とステップS35で取得したβ3を乗算することで、歩行者青点滅歩行速度VP22を取得する(ステップS36)。
そして、以下の式31によって歩行者青下限時間PLを、式32によって歩行者青点滅時間PWを算出する(ステップ37)。
ここで、Lは横断歩道の長さであり、通常地点毎に規定値として与えられる。また、kは歩行者青点滅状態で横断途中の歩行者のうち、いずれの位置まで既に横断している歩行者の横断完了を保証するかを意味する係数であり、通常、1や1/2などの規定値として与えられるが、この係数についても、天候種別に応じて変更して使用しても良い。
Figure 0004321560
以上、ステップS31からステップS37までの手順によって、歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを算出することができる。
また、本歩行者青時間PGや本歩行者青点滅時間PWを用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法としては、例えばステップS101からステップS103に示した方法等によって一旦全ての信号灯色の灯色切替タイミングを決定した後、歩行者青時間PGや歩行者青点滅時間PWについては前記方法によって算出された時間に置き換えて決定する方法等が考えられる。
その際、歩行者青時間PGや歩行者青点滅時間PWが、当初ステップS101からステップS103の手順で決定されていた時間よりも短縮もしくは延長された場合には、当該短縮もしくは延長された時間を、他の信号灯色の時間に対して加算もしくは減算することで、信号の1表示サイクルの長さ(サイクル長)を一定に保つ、といった決定方法も考えられる。
本発明によれば、例えば、春の平日の12時における歩行者青信号歩行速度VP11(=0.8)と歩行者青点滅歩行速度VP21(=1.0)は、天候が「晴れ」であれば、天候係数α3(=1.0)とβ3(=1.0)によって、VP12=0.8とVP22=1.0と補正でき、一方、天候が「濃霧」であれば、天候係数α3(=0.5)とβ3(=0.5)によって、VP12=0.4とVP22=0.5と補正できる。その結果、当該補正後の歩行者青信号歩行速度VP12と歩行者青点滅歩行速度VP22を用いて、天候に応じた適切な歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを算出することができる。
従来であれば、例えば春の平日の12時における歩行者青信号歩行速度VP11と歩行者青点滅歩行速度VP21として与えた設定値を、天候に関係なく採用していたため、例えば、歩行者青信号歩行速度VP11=0.4と歩行者青点滅歩行速度VP21=0.5と設定した場合には、天候が「濃霧」であれば適切であるが、天候が「晴れ」であれば、実際の歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度よりも小さくなる。その結果、当該歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度を用いて算出される歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWは、天候が「晴れ」の場合には大きくなり、歩行者青信号と歩行者青点滅信号が必要以上に長く表示される。そのため、交差側の信号待ち時間が長くなり、渋滞を引き起こす場合があった。
ただし、本発明によれば、天候種別に応じて歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度を補正できるため、当該補正した歩行者青信号歩行速度と歩行者青点滅歩行速度に基づいて適切な歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを算出できる。その結果、交差する側の信号待ち時間を必要限度とし、渋滞の発生確率を低減することができる。
なお、歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWの算出方法については本実施例に限らず、例えば、歩行速度テーブルの項目に天候種別を追加して、ステップS36で算出される補正された歩行者青信号歩行速度VP12と歩行者青点滅歩行速度VP22を歩行速度テーブルに記述する方法でも良いし、ステップS37で算出される歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを季節、天候種別等の項目毎に予め設定したテーブル(図示せず)を用意しておき、季節、天候種別等の条件を基に、前記テーブルから歩行者青下限時間PL及び歩行者青点滅時間PWを取得する方法でも良い。
また、歩行者青下限時間PLや歩行者青点滅時間PWを用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法についても、本実施例に限らず、従来まで交通管制システムにおいて用いられる負荷率比配分方式等に基づいて決定する方法等を用いることができる。
また、本実施例では、歩行者青下限時間PLと歩行者青点滅時間PWの双方を算出しているが、一方のみを算出しても良い。
また、例えば、灯色切替タイミング決定手段102が、天候種別を用いて前記オフセットを決定し、当該オフセットを用いて前記灯色切替タイミングを決定する場合、信号制御装置1における当該オフセットの算出方法を図13のフローチャートに従って説明する。また、当該オフセットを用いて前記灯色切替タイミングを決定する方法を説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS41)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に送信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS42)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、系統速度テーブル(図14)から該当する系統速度V41を取得する(ステップS43)。
この場合、系統速度テーブル(図14)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図14に示す系統速度テーブルは、季節、日種、及び時間帯の各項目に対応する系統速度を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として系統速度を取得する。
なお、系統速度テーブルの項目として、例示した全ての項目を使用する必要はなく、例えば、季節と日種と時間帯のうちから選択した1つもしくは2つのみを項目として系統速度テーブルを構成しても良い。その場合は、系統速度テーブルの項目として選択した項目のみを条件として系統速度を取得する。
さらに、天候種別取得手段101が、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つ以上から受信した天候情報を基に天候種別を取得する(ステップS44)。そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を基に、天候係数テーブル(図6)から該当する天候係数α4を取得する(ステップS45)。
この場合、天候係数テーブル(図6)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、天候係数α4は、天候種別に応じて決定される、系統速度に対する重み付け係数である。図6に示す天候係数テーブルは、天候種別に対応する天候係数α4を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、天候種別を入力条件として天候係数α4を取得する。
灯色切替タイミング決定手段102は、ステップS43で取得した系統速度V41と、ステップS45で取得した天候係数α4を乗算することで、補正した系統速度V42を取得する(ステップS46)。
そして、補正した系統速度V42を用いてTRANSYT(商品名)によるシミュレーション演算を行ってオフセットを算出する(ステップS47)。
以上、ステップS41からステップS47までの手順によって、オフセットを算出することができる。
また、前記オフセットを用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法としては、例えば、ステップS101からステップS103に示す方法で、交通信号制御機2Aの各信号灯器6Aにおける各信号灯色の表示時間を決定した後、同様の方法を用いて交通信号制御機2Bの各信号灯器6Bにおける各信号灯色の表示時間を決定し、各信号灯器6Aと6Bのサイクルの先頭に当たる信号灯色の灯色切替タイミング(例えば、一本の道路上に信号灯器6Aと6Bが設置された場合に、当該道路における直進車両に対する車両用灯器の青信号の点灯タイミング)を、前記オフセットに従って決定する方法等が考えられる。
本発明によれば、例えば、春の平日の12時における系統速度V41(=40)は、天候が「晴れ」であれば、天候係数α4(=1.0)によって、V42=40と補正でき、一方、天候が「濃霧」であれば、天候係数α4(=0.4)によって、V42=16と補正できる。その結果、当該補正後の系統速度V42を用いたシミュレーションによって、天候に応じたオフセットを算出することができる。
従来であれば、例えば春の平日の12時における接近速度V41として与えた設定値を、天候に関係なく採用していたため、例えば、接近速度V41=40と設定した場合には、天候が「晴れ」であれば適切であるが、天候が「濃霧」であれば、実際の系統速度よりも大きくなる。その結果、当該系統速度を用いたシミュレーションで算出されるオフセットは、天候が「濃霧」の場合には適切ではなく、その結果、系統制御の対象となる信号機群を通過できない場合がある。
ただし、本発明によれば、天候種別に応じて系統速度を補正し、当該補正した系統速度を用いたシミュレーションに基づいて適切なオフセットを算出できるため、系統制御の対象となる信号機群を円滑に通過することができる。
なお、前記オフセットの算出方法については本実施例に限らず、例えば、系統速度テーブルの項目に天候種別を追加して、ステップS46で算出される補正された接近速度V42を系統速度テーブルに予め記述しておき、季節や天候種別等の項目を条件として、当該テーブルから系統速度V42を取得する方法でも良い。
また、オフセットを用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法についても、本実施例に限らず、従来まで交通管制システムにおいて用いられる負荷率比配分方式等に基づいて決定する方法等を用いることができる。
また、例えば、灯色切替タイミング決定手段102が、天候種別を用いて前記スプリットを決定し、当該スプリットを用いて前記灯色切替タイミングを決定する場合、信号制御装置1における当該スプリットの算出方法を図15及び図16のフローチャートに従って説明する。また、当該スプリットを用いて前記灯色切替タイミングを決定する方法について説明する。
まず、灯色切替タイミング決定手段102は、車両感知器から送信される感知器情報から取得される交通量と占有率の比に実効車長(感知領域+平均車長)を掛けて車両感知器3の待ち行列波及度を取得する(ステップS50A)。
そして、予め設定した閾値と前記待ち行列波及度を比較し(ステップS50B)、待ち行列波及度が閾値を超えている場合には飽和状態と判定して、従来通り、前記車両感知器3の感知器情報から得られる飽和交通流率を基に負荷率を算出し、当該負荷率を基に負荷率比配分方式によってスプリットを算出する(フローチャートでは図示せず)。
ここで、負荷率を算出する際に用いる飽和交通流率は、交通流が飽和状態となったときに交差点上流側の車両感知器で計測される流出交通量を青時間で割ることによって算出される。
そのため、負荷率は、交通流が飽和状態となった場合には車両感知器によって計測した飽和交通流率を用いて算出しうるが、非飽和状態の場合には飽和交通流率を計測できないため、予め定められた設定値を用いる。車両感知器が設置されていない地点においても同様である。
なお、従来までは、非飽和状態時の負荷率は日種や時間帯毎のパタンとして設定し、当該条件に合致する値を採用する方法等が行われてきた。
前記待ち行列波及度が閾値以下であれば、非飽和状態と判定し、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載するカレンダから季節と日種を取得する(ステップS51)。季節は、例えば、日付と季節を一意に対応付けた季節対応テーブル(図示せず)を記憶部に記録しておき、前記季節対応テーブル(図示せず)を参照して取得する方法等が考えられる。また、日種とは、例えば、平日、土曜日、日曜日、祝日、五十日等である。
なお、カレンダを他の装置(図示せず)から受信した上で、当該受信したカレンダから季節と日種を取得しても良いし、他の装置(図示せず)がカレンダに基づいて取得した季節と日種を信号制御装置1に送信し、当該季節と日種を受信して取得しても良い。
次に、灯色切替タイミング決定手段102は、自己の搭載する時計から現在の時刻情報を取得する(ステップS52)。そして、季節、日種、及び現在時刻を基に、飽和交通流率テーブル(図17)から該当する飽和交通流率S1を取得する(ステップS53)。
この場合、飽和交通流率テーブル(図17)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、図17に示す飽和交通流率テーブルは、季節、日種、及び現在時刻の各項目に対応する飽和交通流率を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、季節、日種、及び現在時刻を入力条件として飽和交通流率を取得する。
なお、飽和交通流率テーブルの項目として、例示した全ての項目を使用する必要はなく、例えば、季節と日種と現在時刻のうちから選択した1つもしくは2つのみを項目として飽和交通流率テーブルを構成しても良い。その場合は、選択した項目のみを条件として飽和交通流率を取得する。
さらに、天候種別取得手段101は、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つ以上から受信した天候情報を基に天候種別を取得する(ステップS54)。そして、灯色切替タイミング決定手段102は、前記取得した天候種別を基に、天候係数テーブル(図6)から該当する天候係数α5を取得する(ステップS55)。
この場合、天候係数テーブル(図6)は、メモリ等の記憶部に記録しておき、必要に応じて記憶部を参照して使用すれば良い。
ここで、天候係数α5は天候種別に応じて決定される、飽和交通流率に対する重み付け係数である。図6に示す天候係数テーブルは、天候種別に対応する天候係数α5を格納したものであり、灯色切替タイミング決定手段102は、天候種別を入力条件として天候係数α5を取得する。
灯色切替タイミング決定手段102は、ステップS53で取得した飽和交通流率S1と、ステップS55で取得した天候係数α5を乗算することで、補正した飽和交通流率S2を取得する(ステップS56)。
そして、ステップS56で取得した各現示i毎の飽和交通流率S2から、以下の式51によって、現示i毎の負荷率ρを算出する(ステップ57)。
ここで、Qは現示iに対応する流入路の流入台数であり、前記車両感知器3からの感知器情報より取得できる。また、Eは現示iに対応する流入路の待ち行列台数であり、ステップS50Aで算出された待ち行列波及度より算出される。
Figure 0004321560
最後に、灯色切替タイミング決定手段102は、以下の式52によって現示i毎にスプリットgを算出する(ステップS58)。
ここで、ρは現示iの負荷率であり、Σρは交差点の負荷率である。
Figure 0004321560
以上、ステップS51からステップS58までの手順によって、スプリットを算出することができる。
前記スプリットを用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法としては、従来通りに、例えば負荷率比配分方式を用いて全ての信号灯色の灯色切替タイミングを決定する際に、従来まで負荷率比配分方式に用いていたスプリットを本スプリットに変更して、各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する方法等が考えられる。
本発明によれば、例えば、春の平日の12時における飽和交通流率S1(=2000)は、天候が「晴れ」であれば、天候係数α5(=1.0)によって、S2=2000と補正でき、一方、天候が「濃霧」であれば、天候係数α5(=1.2)によって、S2=2400と補正できる。その結果、当該補正後の飽和交通流率S2を用いて、天候に応じた適切な負荷率を算出でき、さらに当該負荷率を用いて適切なスプリットを算出することができる。
従来であれば、例えば春の平日の12時における飽和交通流率S1として与えた設定値を、天候に関係なく採用していたため、例えば、飽和交通流率S1=2000と設定した場合には、天候が「晴れ」であれば適切であるが、天候が「濃霧」であれば、飽和交通流率は実際よりも小さくなる。そのため、当該飽和交通流率を用いて算出される負荷率及びスプリットは、天候が「濃霧」の場合には小さくなってしまう。その結果、交差点の各現示に与えるスプリットに過不足が生じて、渋滞を引き起こす場合があった。
ただし、本発明によれば、天候種別に応じて飽和交通流率を補正し、当該飽和交通流率から負荷率を算出し、当該算出した負荷率に基づいて適切なスプリットを算出できる。その結果、交差点の各現示に適切なスプリットを与えることができ、渋滞の発生確率を低減することができる。
なお、前記スプリットの算出方法については本実施例に限らず、例えば、飽和交通流率テーブルの項目に天候種別を追加して、ステップS56で算出される補正された飽和交通流率S2を飽和交通流率テーブルに記述する方法でも良いし、ステップS57で算出される負荷率を季節、天候種別等の項目毎に予め設定したテーブル(図示せず)を用意しておき、季節、天候種別等の条件を基に、前記テーブルから負荷率を取得する方法でも良い。
なお、図1における車両感知器3A及び3Bは、交通信号制御機2Aもしくは2Bを経由せずに、それぞれ通信回線を介して信号制御装置1に直接接続される構成でも良い。このような構成の場合、信号制御装置1における中央装置通信手段103は、通信回線を介して、車両感知器3A及び3Bから感知器情報を受信しても良い。
図1における天候センサー4A及び4Bは、交通信号制御機2Aもしくは2Bを経由せずに、それぞれ通信回線を介して信号制御装置1に直接接続される構成でも良い。このような構成の場合、信号制御装置1における中央装置通信手段103は、通信回線を介して、天候センサー4A及び4Bから天候情報を受信しても良い。
なお、歩進制御方式においては、例えば、右折感応制御によって決定する青矢印表示の長さ等については、交通信号制御機が決定する場合があっても良い。
すなわち、灯色切替タイミング決定手段が、交通信号制御機側にあっても良いし、信号制御装置と交通信号制御機の双方にあっても良い。
例えば、信号制御装置が青矢印表示の打ち切りを容認する時間帯において感応許可信号を送信し、当該感応許可信号を受信した交通信号制御機が、青矢印表示の打ち切りタイミングを決定しても良い。
前記感応許可信号を送出する時間帯については、信号制御装置が前記取得した天候種別を用いて決定しても良い。
また、交通信号制御機が前記タイミングを決定する場合、交通信号制御機が天候種別取得手段を有し、当該天候種別取得手段によって取得した天候種別を用いても良い。
具体的には、例えば、交通信号制御機が天候種別を用いて右折感応制御用単位延長青時間を決定しても良い。
また、前記決定においては、交通信号制御機が自身に接続された天候センサー等の天候情報を基に天候種別を取得しても良いし、信号制御装置から天候種別を取得しても良い。また、交通信号制御機が独自に有する定数や、交通信号制御機が取得した車両感知器の情報等を用いても良い。
また、信号制御装置は1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
同様に、交通信号制御機についても、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
以上のように、第1の実施形態に示した発明によれば、取得した天候種別を加味して信号灯器の各信号灯色の点灯及び消灯タイミングを決定するため、天候によって交通状況が異なる地点においては、例えば、流入交通流に適した青時間を割り当てて無駄な青信号を表示し続けることを防止できる。
また、例えば、車両の捌け残りが発生しないように、適切な青信号表示を継続することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態では、信号制御システムの構築方法としてテーブル制御方式を採用した場合の例を示す。
本発明に係る信号制御システムの概略は、第1の実施形態において説明した図1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
なお、テーブル制御方式においては、信号制御装置1と交通信号制御機2A及び2Bの間の通信経路が確保される限りにおいて、通信回線をいくつ経由しても良いし、通信経路上に1または複数のルータ(図示せず)を設置しても良い。
図18は、第2の実施形態における、信号制御装置1及び交通信号制御機2Aの全部または一部を構成する機能を示す機能ブロック図である。
図18に従って、テーブル制御方式を採用した場合の、信号制御装置1と交通信号制御機2Aに関する動作を説明する。
図18において、信号制御装置1は、天候種別取得手段101、信号制御指令作成手段112、中央装置通信手段113、及び天候情報サーバ通信手段104から構成される。
天候種別取得手段101と天候情報サーバ通信手段104は、第1の実施形態と同様の機能を有するため、ここでは説明を省略する。
信号制御指令作成手段112は、例えばサイクル毎や所定の周期毎に、交通信号制御機2Aの信号灯器6Aにおける各信号灯色の灯色切替タイミングを決定するための信号制御指令情報を作成する。
前記信号制御指令情報の作成においては、天候種別取得手段101によって取得された天候種別を前記信号制御指令情報の作成根拠の1つとする。
中央装置通信手段103は、交通信号制御機2Aと各種データを送受信する機能を有する。ここにいう各種データとは、前記信号制御指令情報、車両感知器3Aから発信され交通信号制御機2A経由で通信回線を介して送られる感知器情報、天候センサー4Aから発信され交通信号制御機2A経由で通信回線を介して送られる天候情報等を指す。
前記信号制御指令情報は、中央装置通信手段103によって、通信回線を介して、交通信号制御機2Aに送信される。
なお、前記信号制御指令情報は、1つの固まりとして送信されても良いし、複数の固まりに分割して送信されてもよい。また、前記複数の固まりが送信される時間はそれぞれ異なっていても良い。
また、例えば、前記信号制御指令情報によってあるパラメータの値を指定する場合に、前記信号制御指令情報は当該パラメータの値そのものを含む情報としても良いし、予め決められた複数のパタンのうち、特定のパタンを指定する情報でも良い。また、許容する値の範囲を指定する情報でも良い。
図18において、交通信号制御機2Aは、感知器通信手段203Aと天候センサー通信手段204Aと端末装置通信手段215Aと灯色切替タイミング決定手段212Aと信号灯色切替手段216Aから構成される。
感知器通信手段203Aと天候センサー通信手段204Aは、第1の実施形態と同様の機能を有するため、ここでは説明を省略する。
端末装置通信手段215Aは、信号制御装置1と各種データを送受信する機能を有する。ここにいう各種データとは、信号制御装置1が通信回線に送信する前記信号制御指令情報、車両感知器3Aから受信した感知器情報、天候センサー4Aから受信した天候情報等を指す。
灯色切替タイミング決定手段212Aは、前記受信した信号制御指令情報を用いて、信号灯器6Aにおける各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する機能を有する。
信号灯色切替手段206Aは、灯色切替タイミング決定手段212Aの決定した前記灯色切替タイミングに応じて、信号灯器6Aにおける信号灯色を切り替える機能を有する。
第2の実施形態においては、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたクリアランス時間算出方法と同様にクリアランス時間を決定し、当該クリアランス時間を前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた右折感応制御用単位延長青時間算出方法と同様に右折感応制御用単位延長青時間を決定し、当該右折感応制御用単位延長青時間を前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青下限時間算出方法と同様に歩行者青下限時間を決定し、当該歩行者青下限時間を前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青点滅時間算出方法と同様に歩行者青点滅時間を決定し、当該歩行者青点滅時間を前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたオフセット算出方法と同様にオフセットを決定し、当該オフセットを前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたスプリット算出方法と同様にスプリットを決定し、当該スプリットを前記信号制御指令情報の構成要素の1つとすることができる。
なお、交通信号制御機が灯色切替タイミングを決定する場合、信号制御装置から受信した信号制御指令情報のデータ内容以外に、交通信号制御機が独自に有する定数や、交通信号制御機が取得した車両感知器の情報等を用いても良い。
例えば、主道路側の車両の信号灯色を青とする時間のみが信号制御指令情報によって与えられた場合、当該青時間が歩行者用灯器の青時間、青点滅時間、及び赤表示時間によって構成されるとすると、当該青時間内における前記3つの時間の割り当てについては、交通信号制御機が独自に有する定数等を用いて決定しても良い。
また、信号制御装置は1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
同様に、交通信号制御機についても、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
また、信号制御装置が交通信号制御機に対して天候種別を送信し、交通信号制御機が前記天候種別を用いて、信号灯色の切替タイミングを決定しても良い。
また、交通信号制御機が天候センサー等から受信した天候情報を基に天候種別を取得し、前記天候種別を用いて、信号灯色の切替タイミングを決定しても良い。
また、交通信号制御機が、例えば無線などの通信手段を別途有し、当該通信手段を通じて天候情報を受信しても良い。
以上のように、第2の実施形態に示した発明によれば、取得した天候種別を加味して信号灯器の各信号灯色の点灯及び消灯タイミングを決定するため、天候によって交通状況が異なる地点においては、例えば、流入交通流に適した青時間を割り当てて無駄な青信号を表示し続けることを防止できる。
また、例えば、車両の捌け残りが発生しないように、適切な青信号表示を継続することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態では、信号制御システムの構築方法として分散制御方式を採用した場合の例を示す。
図19は、第3の実施形態に示す発明に係る信号制御システムの概略を示す図である。
図19において、1は交通管制センターに設置される信号制御装置であり、通信回線を介して、道路上に設置された1または複数の交通信号制御機2A及び2Bと情報交換等をする機能を有する。
信号制御装置1は、交通信号制御機2A及び2Bに対して、第2の実施形態において説明した信号制御指令情報を送信する機能を有していても良い。
また、信号制御装置1は、車両感知器3A及び3Bからの感知器情報を、交通信号制御機2Aもしくは2B経由で通信回線を介して受信する機能を有する。さらに、天候センサー4A及び4Bからの天候情報を、交通信号制御機2Aもしくは2B経由で通信回線を介して受信する機能を有する。さらに、天候情報サーバ5からの天候情報を受信する機能を有する。
なお、分散制御方式においては、信号制御装置1はあっても良いし無くても良い。
交通信号制御機2Aは道路上に設置され、他の交通信号制御機2Bからルータ7を介して分散制御方式用情報を受信し、前記分散制御方式用情報に基づいて信号灯器6Aを制御する機能を有する。また、車両感知器3Aから感知器情報を受信する機能を有する。また、天候センサー4Aから天候情報を受信する機能を有する。
また、信号制御装置1が存在する場合には、通信回線を介して、ルータ7経由で前記信号制御指令情報を受信しても良い。そして、前記信号制御指令情報と前記分散制御方式用情報のうち少なくとも1つに基づいて信号灯器6Aを制御しても良い。
交通信号制御機2Bについても同様である。
車両感知器3Aは道路上に設置され、感知対象の車線を通過する車両の有無等の感知器情報を検知し、交通信号制御機2Aに対して当該感知器情報を送信する機能を有する。
車両感知器3Bについても同様である。
天候センサー4Aは道路上に設置され、当該設置地点における天候情報を検知し、交通信号制御機2Aに送信する機能を有する。
天候センサー4Bについても同様である。
天候情報サーバ5は、ある特定の地点もしくは複数の地点における天候情報を信号制御装置1に送信する機能を有する。
なお、天候情報サーバ5は、信号制御装置1が存在しない場合には、他の装置(図示せず)に天候情報を送信しても良い。この場合、当該他の装置(図示せず)は、交通信号制御機2A及び2Bに対して天候情報サーバ5から受信した天候情報を発信しても良い。
なお、天候センサー4Aまたは4Bと天候情報サーバ5は、一方のみが存在しても良いし、双方とも存在していても良い。
信号灯器6Aは交通信号制御機2Aに接続され、交通信号制御機2Aによって各信号灯色が点灯及び消灯される。
信号灯器6Bについても同様である。
ルータ7は、道路上に設置された交通信号制御機2Aと交通信号制御機2Bの間において送受信される情報を中継する機能を有する。
なお、信号制御装置1が存在する場合には、信号制御装置1と交通信号制御機2Aとの間、もしくは信号制御装置1と交通信号制御機2Bとの間における情報の送受信において、当該送受信情報を中継しても良い。
なお、ルータ7は道路上に設置されていても良いし、交通管制センターに設置されていても良い。交通管制センターに設置されている場合には、ルータ7と交通信号制御機2Aの間、及びルータ7と交通信号制御機2Bの間は、双方とも通信回線を介して接続される。
また、道路上のルータ7に加えて、交通管制センターに他のルータ8(図示せず)を設置しても良い。その場合は、ルータ7とルータ8(図示せず)の間が通信回線で接続される。
また、ルータ7に加えて、道路上にルータ7B(図示せず)を設置しても良い。この場合、ルータ7に交通信号制御機2Aを接続し、ルータ7B(図示せず)に交通信号制御機2Bを接続し、ルータ7とルータ7B(図示せず)を接続することで、交通信号制御機2Aと2Bは、ルータ7及び7B(図示せず)を介して情報の送受信を行っても良い。
また、ルータ7を交通信号制御機2Aもしくは2Bに内蔵しても良い。
信号制御システムにおいては、交通信号制御機2Aと2Bの通信経路が確保される限りにおいて、ルータ7以外にいくつのルータを設置しても良い。
図20は、第3の実施形態における、交通信号制御機2A及び2Bの全部または一部を構成する機能を示す機能ブロック図である。
図20に従って、分散制御方式を採用した場合の、交通信号制御機2Aに関する動作を説明する。
図20において、交通信号制御機2Aは、天候種別取得手段221A、灯色切替タイミング決定手段222A、感知器通信手段203A、天候センサー通信手段204A、交通信号制御機間通信手段225A、及び信号灯色切替手段226Aとから構成される
感知器通信手段203Aは、第1の実施形態と同様の機能を有するため、ここでは説明を省略する。
交通信号制御機間通信手段225Aは、交通信号制御機2Bと各種データを送受信する機能を有する。ここにいう各種データとは、交通信号制御機2A及び2B間で送受信される分散制御方式用情報、車両感知器3Aから受信した感知器情報、天候センサー4Aから受信した天候情報、後述する灯色切替タイミング決定手段222Aが決定した少なくとも1つの信号灯色もしくは信号灯色群の継続秒数等を指す。
なお、本分散制御方式において、信号制御装置1が存在する場合には、信号制御装置1から、信号制御装置1が作成し通信回線に送信した信号制御指令情報を受信しても良い。また、信号制御装置1が天候情報サーバ5から受信した天候情報を受信しても良い。また、天候情報サーバ5からの天候情報に基づいて決定された天候種別を受信しても良い。
天候情報サーバ通信手段204Aは、天候センサー4から天候情報を受信する機能を有する。なお、天候情報サーバ通信手段204Aと天候センサー4はあっても良いし、無くても良い。
また、天候センサー4から送信される天候情報は、天候種別であっても良い。
天候種別取得手段221Aは、天候センサー4Aと天候情報サーバ5のうち少なくとも1つから発信された天候情報に基づいて、交通信号制御機2Aの設置地点における天候種別を取得する機能を有する。
なお、天候種別取得手段221Aは、交通信号制御機2Aの設置地点における天候種別を取得するが、例えば、天候種別取得不能となる場合もしくは時間帯があっても良い。
灯色切替タイミング決定手段222Aは、前記取得した天候種別、前記受信した分散制御方式用情報、前記受信した信号制御指令情報、前記受信した感知器情報、及び前記受信した信号灯色もしくは信号灯色群の継続秒数のうち少なくとも1つを用いて、信号灯器6Aにおける各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する機能を有する。
信号灯色切替手段226Aは、灯色切替タイミング決定手段222Aの決定した前記灯色切替タイミングに応じて、信号灯器6Aにおける信号灯色を切り替える機能を有する。
第3の実施形態においては、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたクリアランス時間算出方法と同様にクリアランス時間を決定し、当該クリアランス時間を前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた右折感応制御用単位延長青時間算出方法と同様に右折感応制御用単位延長青時間を決定し、当該右折感応制御用単位延長青時間を前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青下限時間算出方法と同様に歩行者青下限時間を決定し、当該歩行者青下限時間を前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青点滅時間算出方法と同様に歩行者青点滅時間を決定し、当該歩行者青点滅時間を前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたオフセット算出方法と同様にオフセットを決定し、当該オフセットを前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたスプリット算出方法と同様にスプリットを決定し、当該スプリットを前記分散制御方式用情報の構成要素の1つとすることができる。
なお、分散制御方式においては、天候種別を用いて分散制御方式用情報を作成する交通信号制御機は1つであっても良いし、複数であっても良い。また、分散制御方式用情報を用いずに、信号制御指令情報や交通信号制御機が独自に有する定数等を用いて灯色切替タイミングを決定する場合があっても良い。
また、交通信号制御機は、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
同様に、信号制御装置についても、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
また、交通信号制御機が、例えば無線などの通信手段を別途有し、当該通信手段を通じて天候情報を受信しても良い。
以上のように、第3の実施形態に示した発明によれば、取得した天候種別を加味して信号灯器の各信号灯色の点灯及び消灯タイミングを決定するため、天候によって交通状況が異なる地点においては、例えば、流入交通流に適した青時間を割り当てて無駄な青信号を表示し続けることを防止できる。
また、例えば、車両の捌け残りが発生しないように、適切な青信号表示を継続することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態では、信号制御システムの構築方法として単独制御方式を採用した場合の例を示す。
図21は、第4の実施形態に示す発明に係る信号制御システムの概略を示す図である。
図21において、2は道路上に設置される交通信号制御機であり、信号灯器6の各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定し、当該決定したタイミングに応じて信号灯器6を制御する機能を有する。また、車両感知器3から感知器情報を受信する機能を有する。また、天候センサー4から天候情報を受信する機能を有する。
なお、第4の実施形態においても、信号制御装置(図示せず)が存在しても良く、前記信号制御装置(図示せず)が存在する場合には、通信回線を介して、前記信号制御装置(図示せず)が通信回線に送信する各種データを受信しても良い。
ここにいう各種データとは、交通信号制御機2に対して、単独制御方式で動作するように指示する指示情報等を指す。
車両感知器3は道路上に設置され、感知対象の車線を通過する車両の有無等の感知器情報を検知し、交通信号制御機2に対して当該感知器情報を送信する機能を有する。
天候センサー4は道路上に設置され、当該設置地点における天候情報を検知し、交通信号制御機2に送信する機能を有する。
信号灯器6は交通信号制御機2に接続され、交通信号制御機2によって各信号灯色が点灯及び消灯される。
図22は、第4の実施形態における、交通信号制御機2の全部または一部を構成する機能を示す機能ブロック図である。
図22に従って、単独制御方式を採用した場合の、交通信号制御機2に関する動作を説明する。
図22において、交通信号制御機2は、天候種別取得手段201、灯色切替タイミング決定手段202、感知器通信手段203、天候センサー通信手段204、及び信号灯色切替手段206とから構成される
天候種別取得手段201、感知器通信手段203、及び天候センサー通信手段204は、第3の実施形態と同様の機能を有するため、ここでは説明を省略する。
なお、天候センサー4から送信される天候情報は、天候種別であっても良い。
灯色切替タイミング決定手段202は、前記取得した天候種別を各信号灯色の灯色切替タイミングの決定要素の1つとして用いて、信号灯器6における前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する機能を有する。
信号灯色切替手段206は、灯色切替タイミング決定手段202の決定した前記灯色切替タイミングに応じて、信号灯器6における信号灯色を切り替える機能を有する。
なお、本単独制御方式において、前記信号制御装置(図示せず)が存在する場合には、前記信号制御装置(図示せず)が作成し通信回線に送信した信号制御指令情報等を受信しても良い。この場合、交通信号制御機は、前記信号制御指令情報を受信するために、端末装置通信手段(図示せず)を有していても良い。また、信号制御装置(図示せず)から天候種別を受信しても良い。
第4の実施形態においては、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたクリアランス時間算出方法と同様にクリアランス時間を決定し、当該クリアランス時間を用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた右折感応制御用単位延長青時間算出方法と同様に右折感応制御用単位延長青時間を決定し、当該右折感応制御用単位延長青時間を用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青下限時間算出方法と同様に歩行者青下限時間を決定し、当該歩行者青下限時間を用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いた歩行者青点滅時間算出方法と同様に歩行者青点滅時間を決定し、当該歩行者青点滅時間を用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたオフセット算出方法と同様にオフセットを決定し、当該オフセットを用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、第1の実施形態において示した天候種別を用いたスプリット算出方法と同様にスプリットを決定し、当該スプリットを用いて前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、例えば、以上のようにして決定されるクリアランス時間、右折感応制御用単位延長青時間、歩行者青下限時間、歩行者青点滅時間、オフセット、及びスプリットのうち少なくとも1つを用いて、例えば前記ステップS101乃至ステップ106に示す方法等によって、前記各信号灯色の灯色切替タイミングを決定することができる。
また、交通信号制御機は、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
同様に、信号制御装置についても、1つのコンピュータによって実現されても良いし、複数のコンピュータによって実現されても良い。
また、交通信号制御機が、例えば無線などの通信手段を別途有し、当該通信手段を通じて天候情報を受信しても良い。
以上のように、第4の実施形態に示した発明によれば、取得した天候種別を加味して信号灯器の各信号灯色の点灯及び消灯タイミングを決定するため、天候によって交通状況が異なる地点においては、例えば、流入交通流に適した青時間を割り当てて無駄な青信号を表示し続けることを防止できる。
また、例えば、車両の捌け残りが発生しないように、適切な青信号表示を継続することができる。
また、単独制御方式では、第4の実施形態で示すように、天候種別を取得する天候種別取得手段と灯色切替タイミング決定手段を1つの筐体に収納することができる。この場合、1つの交通信号制御機のみによって本発明にかかる信号制御システムを構築できるため、有用である。
以上のように、信号制御システムにおいては、信号制御装置が全ての信号灯器における各信号灯色の灯色切替タイミングを決定しても良いし、信号制御装置と交通信号制御機の双方が協調して前記灯色切替タイミングを決定しても良いし、交通信号制御機と他の交通信号制御機の双方が協調して前記灯色切替タイミングを決定しても良いし、交通信号制御機が単独で前記灯色切替タイミングを決定しても良い。
また、信号制御システムにおいては、歩進制御方式、テーブル制御方式、分散制御方式、及び単独制御方式のうち少なくとも2つが混在していても良い。
例えば、ある交通信号制御機では歩進制御方式を採用し、その他の交通信号制御機ではテーブル制御方式を採用していても良い。この場合、信号制御装置は、各交通信号制御機の方式に応じて、歩進信号や信号制御指令情報を送信しても良い。
本発明に係る第1の実施形態における信号制御システムの概略の一例を示す図である。 第1の実施形態における信号制御装置1及び交通信号制御機2Aの全部または一部を構成する機能の一例を示す機能ブロック図である。 クリアランス時間の算出手順の一例を示すフローチャートである。 クリアランス時間を用いて各信号灯色の灯色切替タイミングを決定する手順の一例を示すフローチャートである。 停止線接近速度テーブルの一例を示す図である。 天候係数テーブルの一例を示す図である。 信号灯色表示時間テーブルの一例を示す図である。 右折感応定数制御用単位延長青時間の算出手順の一例を示すフローチャートである。 右折感応定数テーブルの一例を示す図である。 歩行者青下限時間と歩行者青点滅時間の算出手順の一例を示すフローチャートである。 歩行者青下限時間と歩行者青点滅時間の算出手順の一例を示すフローチャートである。 歩行速度テーブルの一例を示す図である。 オフセットの算出手順の一例を示すフローチャートである。 系統速度テーブルの一例を示す図である。 スプリットの算出手順の一例を示すフローチャートである。 スプリットの算出手順の一例を示すフローチャートである。 飽和交通流率テーブルの一例を示す図である。 第2の実施形態における信号制御装置1及び交通信号制御機2Aの全部または一部を構成する機能の一例を示す機能ブロック図である。 第3の実施形態における信号制御システムの概略の一例を示す図である。 第3の実施形態における交通信号制御機2A及び交通信号制御機2Bの全部または一部を構成する機能の一例を示す機能ブロック図である。 第4の実施形態における信号制御システムの概略の一例を示す図である。 第3の実施形態における交通信号制御機2の全部または一部を構成する機能の一例を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 信号制御装置
2、2A、2B 交通信号制御機
3、3A、3B 車両感知器
4、4A、4B 天候センサー
5 天候情報サーバ
6、6A、6B 信号灯器
7 ルータ
101、201、201A、221A,221B 天候種別取得手段
102、202、202A、212A、222A、222B 灯色切替タイミング決定手段
103、113 中央装置通信手段
104 天候情報サーバ通信手段
203、203A,203B 感知器通信手段
204,204A,204B 天候センサー通信手段
205A、215A 端末装置通信手段
206、206A、216A、226A,226B 信号灯色切替手段
112 信号制御指令作成手段
225A、225B 交通信号制御期間通信手段

Claims (9)

  1. 1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、
    天候種別を取得する天候種別取得手段と、
    天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、
    道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、
    前記灯色切替タイミング決定手段は、
    前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、
    当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、
    前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有する信号制御システムであって、
    前記移動体速度テーブルには、移動体である車両が右折専用車線の手前に設けられた停止線に接近する接近速度が設定されており、
    さらに、右折専用車線における車間距離が設定された車間距離テーブルを備え、
    前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記接近速度と前記車間距離とを補正するものであり、
    前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された接近速度及び車間距離を用いて右折感応制御用単位延長青時間を算出するものであり、
    前記切替決定手段は、前記算出された右折感応制御用単位延長青時間に基づいて前記灯色切替タイミングを決定すること
    を特徴とする信号制御システム。
  2. 1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、
    天候種別を取得する天候種別取得手段と、
    天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、
    道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、
    前記灯色切替タイミング決定手段は、
    前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、
    当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、
    前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有する信号制御システムであって、
    前記移動体速度テーブルには、移動体である歩行者が横断歩道を移動する速度である歩行速度が設定されており、
    当該歩行速度には、青信号時に歩行する速度である歩行者青信号歩行速度と、歩行者が横断歩道を青点滅信号時に歩行する速度である歩行者青点滅歩行速度とのうちの少なくとも一方が含まれ、
    前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記歩行速度を補正するものであり、
    前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された歩行速度を用いて、歩行者青下限時間及び歩行者青点滅時間のうち少なくとも一方を算出するものであり、
    前記切替決定手段は、前記算出された歩行者青下限時間及び歩行者青点滅時間のうち少なくとも一方に基づいて前記灯色切替タイミングを決定すること
    を特徴とする信号制御システム。
  3. 1または複数の信号灯器における各信号灯色の点灯及び消灯のタイミングを決定する灯色切替タイミング決定手段と、
    天候種別を取得する天候種別取得手段と、
    天候種別毎の天候係数が規定された天候係数テーブルと、
    道路上を移動する移動体の移動速度が設定された移動体速度テーブルとを有し、
    前記灯色切替タイミング決定手段は、
    前記取得した天候種別に応じて前記天候係数テーブルから天候係数を取得し、取得した天候係数を用いて前記移動体速度テーブルに格納された移動速度を補正する補正手段と、
    当該補正された移動速度を用いてタイミング決定用パラメータを算出するタイミング決定用パラメータ算出手段と、
    前記算出されたタイミング決定用パラメータに基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段と、を有する信号制御システムであって、
    前記移動体速度テーブルには、移動体である車両が交差点の手前に設けられた停止線に接近する停止線接近速度が設定されており、
    前記補正手段は、取得した天候係数を用いて前記停止線接近速度を補正するものであり、
    前記タイミング決定用パラメータ算出手段は、前記補正された停止線接近速度を用いてクリアランス時間を算出するものであり、
    前記切替決定手段は、前記算出されたクリアランス時間に基づいて前記灯色切替タイミングを決定すること
    を特徴とする信号制御システム。
  4. 前記信号制御システムは、
    前記灯色切替タイミング決定手段を有し、当該灯色切替タイミング決定手段によって決定される灯色切替タイミングを通知する歩進信号を送信する信号制御装置と、
    前記歩進信号を受信し、前記歩進信号に応じて前記信号灯器に各信号灯色の点灯及び消灯を行わせる交通信号制御機とを有する
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の信号制御システム。
  5. 前記信号制御システムは、
    灯色切替タイミングの決定に用いる信号制御指令情報を作成する信号制御指令作成手段と、作成された信号制御指令情報を交通信号制御機宛に送信する中央装置通信手段とを有する信号制御装置と、当該信号制御指令情報に基づいて前記信号灯器の点灯及び消灯を行う交通信号制御機とを有しており、
    前記信号制御装置は、前記タイミング決定用パラメータ算出手段を備え、前記タイミング決定用パラメータ算出手段によって決定されるタイミング決定用パラメータを用いて前記信号制御指令情報を作成するものであり、
    前記交通信号制御機は、前記信号制御指令情報に基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段を備える
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の信号制御システム。
  6. 分散制御方式で動作する複数の交通信号制御機を備え、前記複数の交通信号制御機間で分散制御に用いる分散制御方式用情報を送受信する信号制御システムであって、
    前記複数の交通信号制御機のうちの一の交通信号制御機は、
    前記天候種別取得手段と前記タイミング決定用パラメータ算出手段とを備えており、当該タイミング決定用パラメータ算出手段によって決定されるタイミング決定用パラメータを用いて前記分散制御方式用情報を作成して、他の交通信号制御機に対して送信するものであり、
    前記他の交通信号制御機は、前記一の交通信号制御機から受信した分散制御方式用情報に基づいて前記灯色切替タイミングを決定する切替決定手段を備える
    請求項1乃至3のいずれか1つに記載の信号制御システム。
  7. 前記信号制御システムは信号制御装置を構成要件にさらに含み、
    前記信号制御装置は、天候種別を取得する天候種別取得手段と、
    前記取得した天候種別を作成根拠の1つとして用いて灯色切替タイミングの決定に用いる信号制御指令情報を作成する信号制御指令作成手段と、
    前記作成した信号制御指令情報を、交通信号制御機に対して送信する中央装置通信手段を有し、
    前記灯色切替タイミング決定手段は、前記分散制御方式用情報と前記信号制御指令情報の双方に基づいて前記タイミングを決定すること、
    を特徴とする請求項に記載の信号制御システム。
  8. 請求項乃至のいずれか1つに記載の信号制御システムに用いられることを特徴とする交通信号制御機。
  9. 請求項またはに記載の信号制御システムに用いられることを特徴とする信号制御装置。
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