JP4321366B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

本発明は、食器などに洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機に関するものである。
従来、一般的な食器洗い機は、図4に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。図4に示すように、食器洗い機本体1は、内部に洗浄槽2を設けており、この洗浄槽2内へ給水弁3により水または湯を供給するようにしている。洗浄槽2の底部には排水孔4を設け、この排水孔4に連通し、モータによって駆動される洗浄ポンプ5を取り付け、この洗浄ポンプ5により洗浄水を洗浄ノズル6から噴射させ洗浄槽2の内部に循環するよう構成している。また、排水孔4には残さいを捕集する残さいフィルタ7を具備している。洗浄槽2の底部にはサーミスタで構成される温度検知手段8を設けている。
すなわち、洗浄槽2内に供給された洗浄水は、残さいフィルタ7を通過して洗浄ポンプ5に吸い込まれ、洗浄ポンプ5より洗浄槽2の内底部に設けた洗浄ノズル6に供給される。洗浄ノズル6から噴射された洗浄水は、食器など9を洗浄した後、再び排水孔4に戻るという経路で循環する。この際、食器など9から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ7に流入し、この残さいフィルタ7を通過できない大きさの残さいは残さいフィルタ7に捕集される。
また、洗浄ノズル6と洗浄槽2の底部との間には、洗浄水加熱用のヒータ10を装備し、洗浄ノズル6の上方には、食器など9を整然と配置でき、洗浄水を効果的に食器など9に噴射するように構成した食器かご11を設置して効率的に洗浄を行っている。また、排水ポンプ12は、排水ホース13を通して洗浄水を機外に排出するものである。乾燥用送風装置14を備え、乾燥工程時にヒータ10と乾燥用送風装置14を駆動することにより、洗浄槽2内へ温風を送風し食器9の乾燥を行う。
また、洗浄性能向上のために水粒子発生機構を有し、酵素を含ませ、汚染物の膨潤や酵素の作用により洗浄性能を向上する食器洗い機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−189375号公報
しかしながら、これら従来の構成では、食器洗い機で洗浄するすべての汚れに対して洗浄ができるというわけではなかった。特に、直接加熱し焦げ付きのある調理を行う料理に対しては、苦手である。例えば、グラタン、茶碗蒸し等のようなものである。また、水粒子発生機構を有するものにおいても、特定の汚染に対してのみ有効であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、洗浄性能を大幅に向上し、従来では洗浄しきれなかった料理の汚れに対して洗浄できるようにするとともに、食器洗い機を使用する室温や水温などの環境にかかわらず安定して高い洗浄能力を発揮することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、食器などを収容する洗浄槽と、洗浄行程で使用する洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、洗浄ポンプより圧送された洗浄水を食器などに噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を加熱する加熱手段と、洗浄液の温度を検知する温度検知手段と、送風装置と、微粒子の洗剤液を食器などに付着させるミスト発生手段とを備え、前記ミスト発生手段により微粒子の洗剤ミストを飛散させる前処理行程と前処理工程後に洗浄ポンプを駆動し洗浄水を食器などに噴射する本洗浄工程を有し、前記前処理行程でミスト発生手段と加熱手段を駆動し、運転開始時の前記温度検知手段の検知温度T0、および/または、運転開始から所定時間経過後の前記温度検知手段の検知温度T1により、前記前処理工程での前記送風装置を制御するものである。
これにより、微粒子の洗剤ミストを食器などに付着した汚染物に付着させる前処理行程を有することにより、微粒子の洗剤ミスト持つ表面活性の力で洗浄性能を大幅に向上することができる。また、微粒子の洗剤ミストは空気より重いため洗浄槽下部に滞留するが、温度検知手段の出力により送風装置を制御することによって、洗浄槽内で上方への流れを発生させ洗剤ミストを効率的に洗浄槽内へ充満させ一層の洗浄性能向上が図れる。これらにより、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
本発明の食器洗い機は、微粒子の洗剤ミストを食器などに付着した汚染物に付着させる前処理行程を有することにより洗浄性能を大幅に向上することができ、温度検知手段の検知温度により送風装置の駆動を制御することによって、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき、安定した洗浄性能を得ることができる。
第1の発明は、食器などを収容する洗浄槽と、洗浄行程で使用する洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、洗浄ポンプより圧送された洗浄水を食器などに噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を加熱する加熱手段と、洗浄液の温度を検知する温度検知手段と、送風装置と、微粒子の洗剤液を食器などに付着させるミスト発生手段とを備え、前記ミスト発生手段により微粒子の洗剤ミストを飛散させる前処理行程と前処理工程後に洗浄ポンプを駆動し洗浄水を食器などに噴射する本洗浄工程を有し、前記前処理行程でミスト発生手段と加熱手段を駆動し、運転開始時の前記温度検知手段の検知温度T0、および/または、運転開始から所定時間経過後の前記温度検知手段の検知温度T1により、前記前処理工程での前記送風装置を制御するもので、これにより、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、送風装置は運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より低い時に駆動するもので、室温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、送風装置は運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1が所定温度より低い時に駆動するもので、供給される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、運転開始時の温度検知手
段の検知温度T0が所定温度より低い時は前処理行程での送風装置による送風量を大きくしたもので、室温が低い時にミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
の発明は、上記第1〜のいずれか1つの発明において、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より高い時、前処理行程において所定時間送風装置を駆動した後に、ミスト発生手段を駆動するもので、洗浄槽内の温度が高い場合に洗浄槽を冷却するため、洗浄槽内で上方への流れが促進されミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
の発明は、上記第1〜のいずれか1つの発明において、運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1が所定温度より低い時は前処理行程での送風装置による送風量を大きくしたもので、給水される水温が低い時にミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
の発明は、上記第1〜のいずれか1つの発明において、送風装置は、食器を乾燥させる乾燥工程時に送風する乾燥送風装置で構成することで、専用の送風装置を必要とせず安価で小型の食器洗い機を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における食器洗い機の縦断面図、図2は同食器洗い機の正面図、図3は同食器洗い機のミスト発生手段の拡大断面図である。ミスト発生手段15は、洗剤を少ない量の水で溶かした高濃度な洗剤液を洗浄槽2内に飛散させ、飛散した微粒子の洗剤ミストを食器など9に付着させるものである。
具体的にはミスト発生手段15は図3に示すように、超音波発振装置16と、超音波発振装置16を汚れなどから保護するケース17と、ケース17内に封入した伝達流体18と、ケース17を覆うカバー19などで構成されている。カバー19には発生したミストが通過する孔20を設けている。また、カバー19は洗剤入れを兼ねており、ケース17に直接洗剤21が触れないように洗剤投入部22を有している。温度検知手段23は洗浄槽2の下面に設けたサーミスタであり、洗浄水の温度や機体の温度を検知するものである。
ミスト発生手段15の近傍に送風口24を有する送風装置25を設け、ミスト発生手段15から発生する洗剤ミストを効果的に洗浄槽2内へ拡散できるようにしている。本実施の形態では、この送風装置25は、乾燥工程時に乾燥空気を送風する乾燥送風装置と兼ねた構成としている。
本実施の形態における食器洗い機は、ミスト発生手段15により洗剤液を食器など9に飛散して放置する前処理行程を有し、この前処理行程では所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位以下給水した後、ミスト発生手段15を駆動し微粒子の洗剤ミストを飛散させる。この給水した洗浄水をヒータ(加熱手段)10により加熱し、洗浄槽2内に対流を発生させ効果的に洗剤ミストを洗浄槽2内へ充満させている。
また、前処理行程では送風装置25を駆動し、ミスト発生装置15近傍に設けた送風口24から送風することにより、洗剤ミスト洗浄槽2内への拡散を促進している。
上記構成において、その動作、作用を説明する。まず、ミスト発生手段15の洗剤投入部22に標準量の洗剤21を入れ運転を開始する。給水弁(給水手段)3から所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位26以下まで水を給水する。この場合、所定量の給水量は水量を検知する水量検知手段(図示せず)により設定される。ただし、一定の流量の給水弁3での所定の時間だけの給水によってもかまわない。ミスト発生量は水位に反比例するため、所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位26に対し、それ以下の水位とすることでミスト発生量を増大させ一層の効果が期待できる。
次に前処理行程として、ミスト発生手段15の超音波発振装置16を駆動すると、伝達流体18とケース17を介して超音波が伝わり水面より洗剤成分を含んだミストが発生する。ミスト発生手段15のカバー19に設けた洗剤投入部22に洗剤を入れているため、カバー19内の洗浄水は非常に洗剤濃度が高くなっている。このため、洗剤濃度の高いミストが発生し、洗浄槽2内に微粒子で高濃度の洗剤ミストは飛散する。この微粒子で高濃度の洗剤ミストは、食器など9に付着し、微粒子の洗剤ミストが食器など9に付着している汚れを微粒子で高濃度の洗剤ミストが持つ表面活性力により化学的に分解する。このため、食器に付着した汚れ特に口紅や茶渋などの汚れを食器表面から浮き上がらせることが可能となる。
また、前処理行程で送風装置25を駆動し、ミスト発生装置15近傍に設けた送風口24から送風することにより、洗剤ミスト洗浄槽2内への拡散を促進している。さらには、運転開始時の検知温度T0すなわち室温が低い時は前処理行程での送風装置25の送風量を大きくし(例として送風装置25の回転数を高くするもしくは駆動時間を長くするなど)、運転開始後所定時間経過後の温度検知手段23の検知温度T1すなわち給水水温が低い時は送風装置25の送風量を大きくしている(一例として送風装置25の駆動時間を(表1)に示す)。
Figure 0004321366
これにより、ヒータ10の加熱による洗浄槽2内の対流効果が発生するまで、効果的に洗剤ミスト洗浄槽2内へ充満され、室温や給水される水温にかかわらず洗浄槽内への充満が短時間に確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
さらには、運転開始時の温度検知手段23の検知温度T0が所定温度より高い時(例えば、1回目の運転後直ぐに2回目の運転を行う場合など洗浄槽2の温度が高い場合)、前処理行程において所定時間送風装置25を駆動した後に、ミスト発生手段15を駆動すれば、ミスト発生手段15の駆動前に洗浄槽2を冷却することが可能となり、このような場合でも、ミスト発生手段15駆動時には洗浄槽2内で上方への流れが促進されミストの洗
浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
次に、前処理行程でミスト発生手段15から微粒子の高濃度の洗剤ミストを飛散した後の本洗浄工程では、給水弁3よりさらに所定時間給水を行い、洗浄ポンプ5がエアガミなどの発生しないミスト発生所定水位26以上の水位27としている。本実施の形態では所定時間給水しているが、所定量の給水量は水量を検知する水量検知手段(図示せず)により設定しても良い。これにより、洗浄ポンプ5の能力が安定して発揮でき、常に安定した洗浄性能を得ることができる。給水が終了すると、ヒータ10に通電し洗浄水を加熱する。ここで、洗浄ポンプ5により洗浄ノズル6からの洗浄水の噴射を行い洗浄を行う。このとき、微粒子で高濃度の洗剤ミストの作用により浮き上がった食器など9の汚れに対し、効果的に洗浄を行う。
なお、送風装置25を、食器を乾燥させる乾燥工程時に送風する乾燥送風装置と兼ねることにより、専用の送風装置を必要とせず安価で小型の食器洗い機を実現できる。
以上のように、本実施の形態においては、ミスト発生手段15により微粒子の洗剤ミストを食器など9に飛散する前処理行程を有し、温度検知手段23の出力により送風装置25を制御したもので、これにより、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
また、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0と、運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1との両方あるいはいずれか一方により、前処理行程での送風装置駆動能力を制御することにより、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
また、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より高い時、前処理行程において所定時間送風装置を駆動した後に、ミスト発生手段を駆動することにより、洗浄槽内の温度が高い場合に洗浄槽を冷却するため、洗浄槽内で上方への流れが促進されミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定して従来にない高い洗浄性能を得ることができる。
また、送風装置は、食器を乾燥させる乾燥工程時に送風する乾燥送風装置で構成することで、専用の送風装置を必要とせず安価で小型の食器洗い機を実現できる。
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、微粒子の洗剤ミストを被洗浄物に付着させて放置する前処理行程を有することにより、洗浄力を大幅に向上することができ、またこの前処理行程にて送風装置を制御することによって、一層の洗浄性能向上が図れるので、食器などに洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機等として有用である。
本発明の実施の形態1の食器洗い機の縦断面図 同食器洗い機の正面図 同食器洗い機のミスト発生手段の拡大断面図 従来の食器洗い機の縦断面図
2 洗浄槽
3 給水弁(給水手段)
5 洗浄ポンプ
6 洗浄ノズル
9 食器など
10 ヒータ(加熱手段)
15 ミスト発生手段
23 温度検知手段
25 送風装置

Claims (7)

  1. 食器などを収容する洗浄槽と、洗浄行程で使用する洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、洗浄ポンプより圧送された洗浄水を食器などに噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を加熱する加熱手段と、洗浄液の温度を検知する温度検知手段と、送風装置と、微粒子の洗剤液を食器などに付着させるミスト発生手段とを備え、
    前記ミスト発生手段により微粒子の洗剤ミストを飛散させる前処理行程と前処理工程後に洗浄ポンプを駆動し洗浄水を食器などに噴射する本洗浄工程を有し、前記前処理行程でミスト発生手段と加熱手段を駆動し、運転開始時の前記温度検知手段の検知温度T0、および/または、運転開始から所定時間経過後の前記温度検知手段の検知温度T1により、前記前処理工程での前記送風装置を制御する食器洗い機。
  2. 送風装置は、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より低い時に駆動する請求項1記載の食器洗い機。
  3. 送風装置は、運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1が所定温度より低い時に駆動する請求項1記載の食器洗い機。
  4. 運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より低い時は、前処理行程での送風装置による送風量を大きくする請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗い機。
  5. 運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より高い時、前処理行程において所定時間送風装置を駆動した後に、ミスト発生手段を駆動する請求項1〜のいずれか1項に記載の食器洗い機。
  6. 運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1が所定温度より低い時は、前処理行程での送風装置による送風量を大きくする請求項1〜のいずれか1項に記載の食器洗い機。
  7. 送風装置は、食器を乾燥させる乾燥工程時に送風する乾燥送風装置よりなる請求項1〜のいずれか1項に記載の食器洗い機。
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