JP2005342384A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、食器などに洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機に関するものである。
従来、一般的な食器洗い機は、図4に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。図4に示すように、食器洗い機本体1は、内部に洗浄槽2を設けており、この洗浄槽2内へ給水弁3により水または湯を供給するようにしている。洗浄槽2の底部には排水孔4を設け、この排水孔4に連通し、モータによって駆動される洗浄ポンプ5を取り付け、この洗浄ポンプ5により洗浄水を洗浄ノズル6から噴射させ洗浄槽2の内部に循環するよう構成している。また、排水孔4には残さいを捕集する残さいフィルタ7を具備している。洗浄槽2の底部にはサーミスタで構成される温度検知手段8を設けている。
すなわち、洗浄槽2内に供給された洗浄水は、残さいフィルタ7を通過して洗浄ポンプ5に吸い込まれ、洗浄ポンプ5より洗浄槽2の内底部に設けた洗浄ノズル6に供給される。洗浄ノズル6から噴射された洗浄水は、食器など9を洗浄した後、再び排水孔4に戻るという経路で循環する。この際、食器など9から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ7に流入し、この残さいフィルタ7を通過できない大きさの残さいは残さいフィルタ7に捕集される。
また、洗浄ノズル6と洗浄槽2の底部との間には、洗浄水加熱用のヒータ10を装備し、洗浄ノズル6の上方には、食器など9を整然と配置でき、洗浄水を効果的に食器など9に噴射するように構成した食器かご11を設置して効率的に洗浄を行っている。また、排水ポンプ12は、排水ホース13を通して洗浄水を機外に排出するものである。
また、洗浄性能向上のために水粒子発生機構を有し、酵素を含ませ、汚染物の膨潤や酵素の作用により洗浄性能を向上する食器洗い機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−189375号公報
しかしながら、これら従来の構成では、食器洗い機で洗浄するすべての汚れに対して洗浄ができるというわけではなかった。特に、直接加熱し焦げ付きのある調理を行う料理に対しては、苦手である。例えば、グラタン、茶碗蒸し等のようなものである。また、水粒子発生機構を有するものにおいても、特定の汚染に対してのみ有効であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、洗浄性能を大幅に向上し、従来では洗浄しきれなかった料理の汚れに対して洗浄できるようにするとともに、口紅などの付着汚れに対しても飛躍的な洗浄能力を発揮することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、食器などを収容する洗浄槽と、洗浄行程で使用する洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、洗浄ポンプより圧送された洗浄水を食器などに噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を加熱する加熱手段と、洗浄液の温度を検知する温度検知手段と、微粒子の洗剤液を食器などに付着させるミスト発生手段とを備え、前記ミスト発生手段により微粒子の洗剤ミストを飛散させる前処理行程と前処理工程後に洗浄ポンプを駆動し洗浄水を食器などに噴射する本洗浄工程を有し、前記前処理行程でミスト発生手段と加熱手段を駆動し、前記温度検知手段の出力によりミスト発生手段と加熱手段の少なくとも一方の駆動を制御したものである。
これにより、微粒子の洗剤ミストを食器などに付着した汚染物に付着させる前処理行程を有することにより、微粒子の洗剤ミストが持つ表面活性の力で洗浄性能を大幅に向上することができる。微粒子の洗剤ミストの持つ表面活性力は温度に比例するため、温度検知手段の検知温度によりミスト発生手段の駆動を制御することによって、一層の洗浄性能向上が図れる。また、微粒子の洗剤ミストは空気より重いため洗浄槽下部に滞留するが、温度検知手段の検知温度により加熱手段の駆動を制御することによって、洗浄槽内で上方への対流を発生させ洗剤ミストを効率的に洗浄槽内へ充満させ一層の洗浄性能向上が図れる。
また、洗浄槽下部に設けたミスト発生手段として超音波発振装置とした場合、ミスト発生量は水位に反比例するため、所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位に対し、前処理工程で給水する洗浄水の水位をミスト発生所定水位以下とすることで、ミスト発生量を増大させ一層の洗浄性能向上が図れる。
本発明の食器洗い機は、微粒子の洗剤ミストを食器などに付着した汚染物に付着させる前処理行程を有することにより洗浄性能を大幅に向上することができ、温度検知手段の検知温度によりミスト発生手段の駆動を制御することによって、一層の洗浄性能向上が図れる。さらに、前処理工程で給水する洗浄水の水位をミスト発生所定水位以下とすることで、ミスト発生量を増大させ一層の洗浄性能向上が図れる。
第1の発明は、食器などを収容する洗浄槽と、洗浄行程で使用する洗浄水を供給する給水手段と、洗浄水を圧送する洗浄ポンプと、洗浄ポンプより圧送された洗浄水を食器などに噴射する洗浄ノズルと、洗浄水を加熱する加熱手段と、洗浄液の温度を検知する温度検知手段と、微粒子の洗剤液を食器などに付着させるミスト発生手段とを備え、前記ミスト発生手段により微粒子の洗剤ミストを飛散させる前処理行程と前処理工程後に洗浄ポンプを駆動し洗浄水を食器などに噴射する本洗浄工程を有し、前記前処理行程でミスト発生手段と加熱手段を駆動し、前記温度検知手段の出力によりミスト発生手段と加熱手段の少なくとも一方の駆動を制御することにより、微粒子の洗剤ミストの持つ表面活性力を最大に制御可能となり洗浄性能を大幅に向上することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、ミスト発生手段は洗浄槽下部に設けた超音波発振装置で構成され、所定量のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位に対し、前処理工程で給水する洗浄水の水位はミスト発生所定水位以下とすることで、ミスト発生量を増大させ一層の洗浄性能向上が図れる。
第3の発明は、上記第2の発明において、前処理工程で給水する洗浄水の水位はミスト発生所定水位以下とし、本洗浄工程では給水手段を駆動し、水位を前記ミスト発生所定水位以上とすることで、ミスト発生量を増大させ最適な前処理工程とすることができるとともに、本工程ではさらに給水を行うことによりポンプのエアガミなどを防ぐことができ、安定した洗浄性能を得ることができる。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0により、前処理行程でのミスト発生手段駆動時間と加熱手段の駆動時間の少なくとも一方を制御したもので、室温の高低にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
第5の発明は、上記第1〜3の発明において、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より低い時は、前処理行程でのミスト発生手段駆動時間と加熱手段の駆動時間の少なくとも一方の時間を長くしたものであり、室温が低い場合でもミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか1つの発明において、運転開始から所定時間経過後の温度検知手段の検知温度T1により、前処理行程でのミスト発生手段駆動時間と加熱手段の駆動時間の少なくとも一方を制御したもので、給水される水温の高低にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
第7の発明は、上記第1〜5の発明において、運転開始時の温度検知手段の検知温度T0が所定温度より低い時は、前処理行程でのミスト発生手段駆動時間と加熱手段の駆動時間の少なくとも一方の時間を長くしたものであり、給水される水温が低い場合でもミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における食器洗い機の縦断面図、図2は同食器洗い機の正面図、図3は同食器洗い機のミスト発生手段の拡大断面図である。ミスト発生手段14は、洗剤を少ない量の水で溶かした高濃度な洗剤液を洗浄槽2内に飛散させ、飛散した微粒子の洗剤ミストを食器など9に付着させるものである。
図1は本発明の実施の形態1における食器洗い機の縦断面図、図2は同食器洗い機の正面図、図3は同食器洗い機のミスト発生手段の拡大断面図である。ミスト発生手段14は、洗剤を少ない量の水で溶かした高濃度な洗剤液を洗浄槽2内に飛散させ、飛散した微粒子の洗剤ミストを食器など9に付着させるものである。
具体的にはミスト発生手段14は図3に示すように、超音波発振装置15と、超音波発振装置15を汚れなどから保護するケース16と、ケース16内に封入した伝達流体17と、ケース16を覆うカバー18などで構成されている。カバー18には発生したミストが通過する孔19を設けている。また、カバー18は洗剤入れを兼ねており、ケース16に直接洗剤20が触れないように洗剤投入部21を有している。温度検知手段8は洗浄槽2の下面に設けたサーミスタであり、洗浄水の温度や機体の温度を検知するものである。
本実施の形態における食器洗い機は、ミスト発生手段14により洗剤液を食器など9に飛散して放置する前処理行程を有し、この前処理行程では所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位以下に給水した後、ミスト発生手段14を駆動し微粒子の洗剤ミストを飛散させる。この給水した洗浄水をヒータ(加熱手段)10により加熱し、洗浄槽2内に対流を発生させ効果的に洗剤ミストを洗浄槽2内へ充満させている。
また、前処理行程でヒータ10により洗浄水を加熱するとき、運転開始時の温度検知手段8の検知温度T0と、運転開始後所定時間後の温度検知手段8の検知温度T1とにより、前処理行程でのミスト発生手段14の駆動時間とヒータ10の駆動時間を制御している。
上記構成において、その動作、作用を説明する。まず、ミスト発生手段14の洗剤投入部21に標準量の洗剤20を入れ運転を開始する。給水弁(給水手段)3から所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位22以下まで水を給水する。この場合、所定量の給水量は水量を検知する水量検知手段(図示せず)により設定される。ただし、一定の流量の給水弁3での所定の時間だけの給水によってもかまわない。ミスト発生量は水位に反比例するため、所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位22に対し、それ以下の水位とすることでミスト発生量を増大させ一層の効果が期待できる。
次に前処理行程として、ミスト発生手段14の超音波発振装置15を駆動すると、伝達液17とケース16を介して超音波が伝わり水面より洗剤成分を含んだミストが発生する。ミスト発生手段14のカバー18に洗剤を入れているため、カバー18内の洗浄水は非常に洗剤濃度が高くなっている。このため、洗剤濃度の高いミストが発生し、洗浄槽2内に微粒子で高濃度の洗剤ミストは飛散する。この微粒子で高濃度の洗剤ミストは、食器など9に付着し、微粒子の洗剤ミストが食器など9に付着している汚れを微粒子で高濃度の洗剤ミストが持つ表面活性力により化学的に分解する。このため、食器に付着した汚れ特に口紅や茶渋などの汚れを食器表面から浮き上がらせることが可能となる。
前処理行程で、運転開始時の検知温度T0すなわち室温が低い時は前処理行程でのミスト発生手段14の駆動時間とヒータ10の駆動時間を長くし、運転開始後所定時間経過後の温度検知手段8の検知温度T1すなわち給水水温が低い時は前処理行程でのミスト発生手段14の駆動時間とヒータ10の駆動時間を長くしている。詳細には、(表1)に示すように制御している。
微粒子の洗剤ミストの持つ表面活性力は温度に比例するため温度検知手段の検知温度により検知温度T0すなわち室温が低い時および検知温度T1すなわち水温が低い時には、ミスト発生手段の駆動時間を長くすることによって、一層の洗浄性能向上が図れる。また、微粒子の洗剤ミストは空気より重いため洗浄槽下部に滞留するが、検知温度T0すなわち室温が低い時および検知温度T1すなわち水温が低い時には、ヒータの駆動時間を長くすることによって、洗浄槽内で上方への対流を発生させ洗剤ミストを効率的に洗浄槽内へ充満させ一層の洗浄性能向上が図れる。これらにより、室温や給水される水温にかかわらずミスト発生量とミストの洗浄槽内への充満を確実にでき安定した洗浄性能を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、前処理行程でのミスト発生手段14の駆動時間とヒータ10の駆動時間を共に長くして、最大の洗浄性能向上を図っているが、いずれか一方の時間のみ長くした場合でも、同様の洗浄性能向上効果が得られる。
また、この前処理行程でミスト発生手段14から微粒子の高濃度の洗剤ミストを飛散した後の本洗浄工程では、給水弁3よりさらに所定時間給水を行い、洗浄ポンプ5がエアガミなどの発生しないミスト発生所定水位22以上としている。本実施の形態では所定時間給水しているが、所定量の給水量は水量を検知する水量検知手段(図示せず)により設定しても良い。これにより、洗浄ポンプ5の能力が安定して発揮でき、常に安定した洗浄性能を得ることができる。給水が終了すると、ヒータ10に通電し洗浄水を加熱する。ここで、洗浄ポンプ5により洗浄ノズル6からの洗浄水の噴射を行い洗浄を行う。このとき、微粒子で高濃度の洗剤ミストの作用により浮き上がった食器など9の汚れに対し、効果的に洗浄を行う。
以上のように、本実施の形態においては、ミスト発生手段14により微粒子の洗剤ミストを食器など9に飛散する前処理行程を有し、温度検知手段8の出力によりミスト発生手段14とヒータ10の少なくとも一方の駆動を制御することにより、微粒子の洗剤ミストの持つ表面活性力を最大に制御可能となり洗浄性能を大幅に向上することができる。
また、所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位22に対し、前処理工程で給水する洗浄水の水位はミスト発生所定水位22以下としている。ミスト発生量は水位に反比例するため、所定のミスト発生量を得るためのミスト発生所定水位22に対し、前処理工程で給水する洗浄水の水位はミスト発生所定水位22以下とすることで、ミスト発生量を増大させ一層の洗浄性能向上が図れる。
また、本洗浄工程では、前処理工程の水位に対し所定量多い水位23まで給水したので、ポンプのエアガミなどを防ぐことができ安定した洗浄水の吐出能力が得られ、洗浄水は微粒子の洗剤ミストが付着し浮き上がった食器など9の汚れに対し、効果的に洗浄を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、微粒子の洗剤ミストを被洗浄物に付着させて放置する前処理行程を有することにより、洗浄力を大幅に向上することができ、またこの前処理行程にて温度検知手段の検知温度によりミスト発生手段の駆動を制御することによって、一層の洗浄性能向上が図れる。さらに、前処理工程で給水する洗浄水はミスト発生所定水位以下とすることで、ミスト発生量を増大させ一層の洗浄性能向上が図れるので、食器などに洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機等として有用である。
2 洗浄槽
3 給水弁(給水手段)
5 洗浄ポンプ
6 洗浄ノズル
9 食器など
8 温度検知手段
10 ヒータ(加熱手段)
14 ミスト発生手段
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