JP4320949B2 - 信号入射角推定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーナー等において、所定の方向から到来する狭帯域の音響信号を3つの音響センサを用いて受信し、その各受信信号間の位相差から、信号源(目標)の方位を求める信号入射角推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3つの音響センサを使用した信号入射角推定装置としては「特公平1−38270号公報」に開示されるものがあるが、3つの音響センサが同一直線上になければならないという前提条件がある。
【0003】
以下にこの従来の信号入射角推定装置について説明する。
図2は、従来の3つの音響センサによる信号入射角推定装置の一構成例を示す機能ブロック図であり、第4図は3つの音響センサの説明図である。
第2図の入力端子14−1は第4図の第1の音響センサH1、第2図の入力端子14−2は第4図の第2の音響センサH2、第2図の入力端子14−3は第4図の第3の音響センサH3からの入力端子で、各入力端子は前記音響センサで受信した音響信号をディジタル信号として入力する。
【0004】
そして、音響センサH1からH3は第4図に示すように同一直線上に配置されており、音響センサH1と音響センサH2の間隔はd12で、音響センサH1と音響センサH3の間隔はd13である。
この間隔d12,d13は d12≦λ/2,d13>λ/2の関係を満足するように決められ、λは信号の波長で、λ=c/f(cは音速)で与えられる。
この周波数fは、間隔d12,d13を固定するために通常入射角を推定しようとする信号の予想される最高周波数をとる。言い換えると信号の予想される最高周波数によって間隔d12,d13が決められる。
15−1,15−2は位相差推定器、16−1,16−2,20,22は乗算器、17−1,17−2,21はレジスタ、18は加算器、19は整数化器、23は加算器、24は角度換算器、25は出力端子である。
【0005】
まず、はじめに3つの音響センサの受信信号の位相差から信号の入射方位を算出する信号入射角推定装置の原理について説明する。
第4図において、音響センサH1からH3に周波数f0の平面波が入射する場合、前記第1の音響センサH1で受信した信号と前記第2の音響センサH2で受信した信号の時間差τ12は次の式(1)で、前記第1の音響センサH1と前記第3の音響センサH3の時間差τ13は次の式(2)であらわすことができる。
【0006】
【数1】
Figure 0004320949
【数2】
Figure 0004320949
従って、時間差τ12またはd13を求めれば式(1)または式(2)より、信号の入射方位θを算出することができるが、この方式ではアレイ間隔を長くとることで方位誤差が小さくできる理由から式(2)が使用される。
式(2)の時間差d13は、音響センサH1と音響センサH3の間隔d13が信号波長の1/2以上であるため、この2つの音響センサの受信信号の位相差の推定値であるφ13から直接求めることは出来ない。
【0007】
しかし、前記位相差推定値φ13から求めた時間遅延換算値μと信号周期T0(T0=1/f0)とを用いて次の式(3)で表すことができる。
【数3】
Figure 0004320949
ここで、nは周期回転数で整数値をとる。式(3)の周期回転数nが求まれば、式(2)と式(3)より信号入射方位θを求めることができる。周期回転数nは次の様な関係から求めることができる。
【0008】
まず、時間差τ13は図2から明らかな様に式(1)および式(2)におけるcosθが等しいことを利用して、位相差推定値φ12(但し|φ12|≦π)により次の式(4)で表せる。
すなわち、式(1)および式(2)のcosθを等しいとおいて、時間差τ13について解く。
【数4】
Figure 0004320949
該式(4)を前記式(3)に代入し、nについて解いて整理すると、周期回転数nは次の式(5)で表せる。
【0009】
【数5】
Figure 0004320949
観測する位相差φ12およびφ13には誤差がふくまれるので、式(5)のnの値は整数にはならない。
よって、nを整数化した値を用いて式(3)により時間差τ13を算出し、式(2)に代入し、θについて解くことにより信号の入射方位θを算出することができる。
【0010】
次に動作を説明する。
前記位相差推定器15−1では、前記第1の入力端子14−1からの出力信号と前記第2の入力端子14−2からの出力信号の位相差推定値φ12(但し|φ12|≦π)を求め、乗算器16−1に出力する。
前記位相差推定器15−2でも同様に、前記第1の入力端子14−1からの出力信号と前記第3の入力端子14−3からの出力信号の位相差推定値φ13(但し|φ13|≦π)を求め、乗算器16−2に出力する。
前記乗算器16−1は、前記位相差推定値φ12と、前記レジスタ17−1からの定数の出力値d13/(d12・2π)とを乗算して式(5)の第1項目の値φ12・{d13/(d12・2π)}を算出し、加算器18へ出力する。
【0011】
同様に前記乗算器16−2は、前記位相差推定値φ13と、前記レジスタ17−2からの定数の出力値{1/2π}とを乗算して式(5)の第2項目の値{φ13/2π}を算出し、加算器18および乗算器20へ出力する。
加算器18は乗算器16−1の出力に、乗算器16−2の出力の符号をマイナス化した値を加算することにより、式(5)のnの値の計算を行い、その結果を整数化器19へ出力する。
【0012】
整数化器19は加算器からのnの値に対し、小数点以下を四捨五入する等の整数化を実施し、その結果を乗算器22に出力する。
一方、前記乗算器20は乗算器16−2からの出力値{φ13/2π}と、前記レジスタ21からの出力である信号周期T0とを乗算して式(3)で与えられる前記時間遅延換算値μとして加算器23へ出力する。
ここで、信号周期T0は予め到来する音波の周波数がわかっている場合はその逆数値(T0=1/f0)を事前に前記レジスタ21に設定しおき、解っていない場合は周波数分析等の手法で到来する音波の周波数推定を行い、その結果の逆数値を逐次前記レジスタ21に設定する。
【0013】
乗算器22は整数化器19の出力であるnの値と前記レジスタ21からの出力である信号周期T0とを乗算して式(3)の時間差τ13の計算式の第1行目の第2項目の値の計算を行い、その結果を加算器23に出力する。
加算器23は乗算器7からの前記時間遅延換算値μと乗算器22からの出力を加算することにより式(3)の時間差τ13の計算を行い、その結果を角度換算器24に出力する。
【0014】
角度換算器24は加算器23からの時間差τ13を用いて式(2)をθについて解いた次の式(6)を用いて信号の入射方位θを算出し、その結果を出力端子25に出力する。
【数6】
Figure 0004320949
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構成の装置を実際の場面で応用する場合、以下のような問題点が発生する。
前記構成の装置の前提条件として図4に示したように3つの音響センサは同一直線上に配列しなければならない。
ところが、例えばこの装置を艦船等の船体側面に配置しようとしても、船体が曲線を描いている場合、音響センサを直線的に配置することは困難である。
このことは、実際の配置に大きな制約を与えてしまう問題となる。
【0016】
もし、この配置条件を無視して図3の様に3つの音響センサを同一直線上でないような位置に配置し、前記原理を用いて同一直線上にあるとみなして計算したとすると、到来する信号の方位及び周波数によっては前記周期回転数nの推定を誤ることとなり、そこから求まる入射角(到来方位)は、大きな誤差を持つという問題が発生するので前記構成装置の発明意義を失うことになる。
【0017】
また、図3の様に音響センサの配置条件を含めて、前記装置の計算原理を利用して結果を算出すると、以下に示すようなものとなり、前記構成の装置の演算に比べると、大変複雑で処理量がはるかに大きく高速性を重視するシステムには不向きであるという問題が発生する。
【0018】
図3は、音響センサH1と音響センサH3を直線で結んだ基線に対して音響センサH2が角度αの位置にあり、3つの音響センサが同一直線上にない場合の図である。
この時、式(1)をθについて解いた式は前記角度αの条件を含めて表すと次の式(7)の様に変形できる。
【0019】
【数7】
Figure 0004320949
式(2)のθは音響センサH1への平面波の入射方位で、この式(7)から求められたθと同一になることから、このθを代入すると次の式(8)で表すことができる。
【0020】
【数8】
Figure 0004320949
前記構成の装置での計算と同様に、このτ13 を前記式(3)に代入し、nについて解いて整理すると、次の(式)9を得る。
【0021】
【数9】
Figure 0004320949
この式(9)と前記構成の装置での計算式である式(5)を比べると明らかなように、式(9)は大変複雑で処理量がかなり増加することがわかる。このことは、前記角度αの条件を含めて前記装置の計算原理をそのまま利用して計算しても処理量の増加が著しく、特に高速性を重視するシステムへの応用は大変困難で、実現性への大きな問題となることを示している。
【0022】
本発明は、前記構成の装置の3つの音響センサが同一直線上にない場合に、従来方法では処理量を増大させずに、到来する信号の方位及び周波数によっては前記周期回転数nの推定を誤ることから発生する入射角推定誤差を除去出来ない点について解決した信号入射角推定方法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成させるために、所定の方向から到来する狭帯域の音響信号を非直線状に配列された3つの音響センサを用いて受信し、受信する音波の最高周波数の1/2波長以下の間隔で配置された配置間隔の短い第1と第2の音響センサで受信した受信信号の第1の位相差と、受信する音波の最高周波数の1/2波長より長い間隔で配置された配置間隔の長い第1と第3の音響センサで受信した受信信号の第2の位相差とから前記第1と第3の音響センサ間の到来時間差のうち前記音響信号の周期の回転数に相当する部分を求め、前記第2の位相差と該周期の回転数とから該到来時間差を求めることにより前記狭帯域の音響信号の到来方位を推定する信号入射角推定方法において、
(a)前記音響信号の周波数範囲および想定到来範囲内において、前記3つの音響センサが同一直線上にあるものとして前記第1の位相差と第2の位相差から求めた該周期の第1の回転数と、前記3つの音響センサが非直線である場合の前記第1の位相差と第2の位相差から求めた該周期の第2の回転数との差が最小および最大となる第1の回転数を求め、
(b)前記音響信号の周波数範囲および想定到来範囲内において、第1の音響センサと第2の音響センサの検出時間差の、前記センサが同一直線上に存在する場合と同一直線上に存在しない場合との時間差に対応する周期回転数の差の、最大値および最小値の平均で求められる補正値を計算し、
(c)前記3つの音響センサで受信した信号に対して、前記第1の位相差と第2の位相差から、前記3つの音響センサが同一直線上にあるものとして算出した第1の回転数に該補正値を加算して、第2の回転数を求めた後、整数化処理により前記音響信号の周期の回転数を求めるようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の実施例を説明するための3つの音響センサが同一直線上にないときの音響センサの説明図で、図1は、本発明である同一直線上にない3つの音響センサによる信号入射角推定方法を装置化したときの実施例である。
【0025】
図3の第1の音響センサH1と第3の音響センサH3を結ぶ直線を基線と呼び、第2の音響センサH2は、この基線から角度αだけ離れた位置に存在し、この音響センサH1,H2,H3は、それぞれの受信した音響信号をディジタル信号として図1の入力端子1−1,1−2,1−3にそれぞれ出力する。音響センサH1と音響センサH2の間隔はd21で、音響センサH1と音響センサH3の間隔はd13である。
【0026】
この間隔d12,d13
12≦λ/2,d13>λ/2
の関係と到来する信号の予想される最高周波数を満足するように決められ、この点は、前記した従来の装置と同一である。
図1の2−1,2−2は位相差推定器、3−1,3−2,8,10は乗算器、4−1,4−2,5,9はレジスタ、6,11は加算器、7は整数化器、12は角度換算器、13は出力端子である。
【0027】
(動作)の説明
まず、はじめに同一直線上にない3つの音響センサの受信信号の位相差から狭帯域の音響信号の到来方位を算出する信号入射角推定方法の原理について説明する。
この原理の概要は、本来ならば前記周期回転数nの計算は角度αを考慮して計算すべきところを、音響センサH1,H2,H3が同一直線上にあると仮定して従来の信号入射角推定装置の周期回転数nを求める方法に以下に述べるような原理に基づいて角度αによって生じる時間差の差を補正する方法を追加したものである。
図5は3つの音響センサが同一直線上にあると仮定したときの時間差の差を説明する図である。図5のH1,H2,H3は本来の音響センサの位置を示しており、第2の音響センサH2は基線から角度αだけ離れ、それらの音響センサの間隔はそれぞれd12,d13である。音響センサH2’は実際には存在せず、本原理の説明のために設けたもので第2の音響センサH2’が、第1の音響センサH1と第3の音響センサH3を結ぶ直線上(基線上)に音響センサH1から間隔d12だけ離れた位置に存在すると仮定したものである。前記第1の音響センサH1で受信した信号と前記第2の音響センサH2で受信した信号の時間差τ12と、前記第1の音響センサH1で受信した信号と前記仮定した音響センサH2’で受信した信号の時間差τ12’には、この図から明らかなようにΔτだけ時間差の差を生じる。このことは、3つの音響センサが同一直線上にあるとして音響センサH1と音響センサH2の時間差を求めると時間差の差Δτを生じることを意味し、さらに、この時間差の差Δτにより周期回転数の真値からΔnの差を生じさせる。
【0028】
この周期回転数の差Δnは、一般に周波数や到来方位が変化したときに真値の前後に対称的に変化せずバイアスを持って分布する。このため周期回転数nはこのバイアス分により整数化器での処理で、1回転多く或は1回転少なく算出され、入射角推定の誤差となる。
【0029】
従来の信号入射角推定装置の周期回転数nを求める方法では、前記式(5)を用いた結果に対して整数化を行っている。そこで、このときに前記時間差の差Δτによって生じる周期回転数の差Δnが該整数化によって確実に除去できるような補正値を求め、前記式(5)に該補正値を加算して前記バイアス分を除去したのち整数化するが本発明の信号入射角推定方法である。
第1の音響センサH1と第2の音響センサH2から算出される位相差推定値φ12を、第1の音響センサH1と同一直線上にあると仮定した第2の音響センサH2’の位相差と仮定し、この位相差と、第1の音響センサH1と第3の音響センサH3から算出される位相差とを用いて求めた周期回転数を第1の回転数n1とする。また、第1の音響センサH1と同一直線上にない実際の第2の音響センサH2から算出される位相差と、第1の音響センサH1と第3の音響センサH3から算出される位相差とをもとに求めた周期回転数の理論値(真値)を第2の回転数n2とする。さらに、周期回転数の差Δnは該第2の回転数n2から該第1の回転数n1を引いたものである。
【0030】
そこで、これらのことから前記時間差の差Δτに対する周期回転数の差Δnを求めるために、まず前記第1の回転数n1と前記時間差τ12’との関係式を求める。この式は前記式(4)の第1行目の式を前記式(3)に代入して周期回転数nについて解き、式中のn,τ12をそれぞれn1,τ12’に置き換えると次の式(10)で表せる。
【0031】
【数10】
Figure 0004320949
同様に理論値である前記第2の回転数n2と前記時間差τ12との関係式を求めると次の式(11)で表せる。
【0032】
【数11】
Figure 0004320949
周期回転数の差Δnは、(式)10から式(11)を引くことで求まり、前記時間差τ12’と前記時間差τ12の差は前記時間差の差Δτであることから、前記時間差の差Δτに対する周期回転数の差Δnの関係式は次の式(12)で表せる。
【0033】
【数12】
Figure 0004320949
また、前記時間差の差Δτは図5より明らかなように次の式(13)でも表せる。
【数13】
Figure 0004320949
この式(13)を前記式(12)に代入すると次の式(14)で表せる。
【数14】
Figure 0004320949
ここで、f0は各音響センサに入射する狭帯域の平面波の周波数(f0=1/T0)で、あらかじめその周波数範囲はその装置によって決められる。θは求めるべき入射方位であるが、その入射可能な方位の範囲は装置の音響センサの配置等の条件により限定されることが多い。もし、この方位が限定されなければ該θの値は0〜360度の全周となる。
【0034】
そこで、この式(13)に実際に使用する装置の運用条件を考慮したf0,c,θ,αの各値をパラメータとして計算を行い、このパラメータの範囲内における周期回転数の差Δnの最大値をΔnmx、最小値をΔnmnとし、それぞれの値を含む前記第1の回転数を、それぞ最大の回転数n1mx、最小の回転数n1mnとする。前記第2の回転数n2は理論値なので整数値となることから、前記第1の最大の回転数n1mx及び最小の回転数n1mnが整数化処理により、理論値である第2の回転数n2(整数値)になるような補正値Ofsを求めるものとする。それぞれの関係を表すと、
【0035】
第2の回転数n2に整数化される許容範囲の上限値
≧最大の回転数n1mx+補正値Ofs
≧最小の回転数n1mn+補正値Ofs
≧第2の回転数n2に整数化される許容範囲の下限値
のようになる。
【0036】
この補正値Ofsの求め方の1例を以下に示す。
前記周期回転数の差の最大値Δnmxと最小値Δnmnから補正値Ofsは次の式(15)で表すものとする。
【0037】
【数15】
Figure 0004320949
前記第1の回転数n1に該補正値Ofsを加算して求まる整数化する前の周期回転数n’は、3つの音響センサが同一直線上にあると仮定していることから前記式(5)に該補正値Ofsを加算することで求められ次の式(16)で表せる。
【0038】
【数16】
Figure 0004320949
前記式(16)で求められるn’を整数化することで、理論値である第2の回転数n2になることから最終的に前記時間差の差Δτを削除できる。
また、前記補正値Ofsはあらかじめ前記原理に基づいて計算機等により計算しておくものである。
【0039】
次に図1により前記補正値Ofsを使用した動作を説明する。
前記位相差推定器2−1では、前記第1の入力端子1−1からの出力信号と前記第2の入力端子1−2からの出力信号の位相差推定値φ12(但し|φ12|≦π)を求め、乗算器3−1に出力する。前記位相差推定器2−2でも同様に、前記第1の入力端子1−1からの出力信号と前記第3の入力端子1−3からの出力信号の位相差推定値φ13(但し|φ13|≦π)を求め、乗算器3−2に出力する。
前記乗算器3−1は、前記位相差推定値φ12と、前記レジスタ4−1からの定数の出力値d13/(d12・2π)とを乗算して式(16)の第1項目の値φ12・{d13/(d12・2π)}を算出し、加算器6へ出力する。同様に前記乗算器3−2は、前記位相差推定値φ13と、前記レジスタ4−2からの定数の出力値{1/2π}とを乗算して式(16)の第2項目の値{φ13/2π}を算出し、加算器6および乗算器8へ出力する。
【0040】
加算器6は乗算器3−1の出力に、乗算器3−2の出力の符号をマイナス化した値と、前記レジスタ5からの定数の出力値である前記原理により予め計算機等で計算された補正値Ofsを加算することにより、式(16)のn’の値の計算を行い、その結果を整数化器7へ出力する。
整数化器7は加算器からのn’の値に対し、小数点以下を四捨五入する等の整数化を実施し、その結果を乗算器10に出力する。
【0041】
一方、前記乗算器8は乗算器3−2からの出力値{φ13/2π}と、前記レジスタ9からの出力である信号周期T0とを乗算して式(3)のnをn’に置き換えた式で与えられる前記時間遅延換算値μとして加算器11へ出力する。ここで、信号周期T0は予め到来する音波の周波数がわかっている場合はその逆数値(T0=1/f0)を事前に前記レジスタ9に設定しおき、解っていない場合は周波数分析等の手法で到来する音波の周波数推定を行い、その結果の逆数値を逐次前記レジスタ9に設定する。
【0042】
乗算器10は整数化器7の出力であるn’の値と前記レジスタ9からの出力である信号周期T0とを乗算して式(3)の時間差τ13の計算式の第1行目の第2項目のnをn’に置き換えた値の計算を行い、その結果を加算器11に出力する。
加算器11は乗算器8からの前記時間遅延換算値μと乗算器10からの出力を加算することにより式(3)のnをn’に置き換えて時間差τ13の計算を行い、その結果を角度換算器12に出力する。
【0043】
角度換算器12は加算器11からの時間差τ13を前記式(6)に用いて信号の入射方位θを算出し、その結果を出力端子13に出力する。
さらに、本発明は以下のような利用形態を有することができる。
(a)第1の実施例では、補正値Ofsは前記周期回転数の差の最大値Δnmxと前記周期回転数の差の最小値Δnmnから平均をとることで求めたが、この部分を前記第2の回転数n2に整数化される許容範囲内に、前記第1の最大の回転数n1mx及び最小の回転数n1mnが入るような補正値を求める方法であればどのような方法でもよい。
(b)第1の実施例での周期回転数を求めるときに使用する整数化器の処理方法は、四捨五入,切り上げ,切り捨て或はこれに準じる方法であればどのような方法でもよい。ただし、方法に応じて前記周期回転数の差Δnが除去されるように補正値は決定される。
(c)本発明を実現するにあたってのデータ形式及びその処理形式はアナログ形式であってもディジタル形式でもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上のように実施例によれば、以下の様な効果が期待できる。
第2の音響センサH2が基線から角度αだけ離れたような3つの音響センサが同一直線上にないときの周期回転数の計算において、周期回転数の真値との差をなくすには、本来、前記式(9)の様な原理を用いて計算装置を構築しなければいけない。これに対して本発明は、想定した周波数及び到来方位を変化させたときに周期回転数の真値との差は真値の前後に対称的に変化せずバイアスを持つ場合が多いことを利用して、最大の回転数n1mxと最小の回転数n1mnの差が1未満であるとき、これらの差を整数化されると切り捨てされる範囲内に入れることのできる適当な補正値を周期回転数の計算時に加えることで、周期回転数nの値を誤ることによって生ずる入射角推定誤差を除去できる。また、この補正値を周期回転数の計算時に加えることを、レジスタ5からの定数の出力値である補正値Ofsを用いるという簡単な方法で実現しているため、処理量は殆ど増加しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の信号入射角推定装置
【図2】従来の信号入射角推定装置
【図3】3個の音響センサが同一直線上にない場合の説明図
【図4】3個の音響センサが同一直線上にある場合の説明図
【図5】3個の音響センサが同一直線上にあると仮定したときの時間差の差
【符号の説明】
1−1,1−2,1−3 入力端子
2−1,2−2 位相差推定器
3−1,3−2 、8,10 乗算器
4−1,4−2、5、9 レジスタ
6、11 加算器
7 整数化器
12 角度換算器
13 出力端子
H1,H2,H3 音響センサ

Claims (1)

  1. 所定の方向から到来する狭帯域の音響信号を非直線状に配列された3つの音響センサを用いて受信し、受信する音波の最高周波数の1/2波長以下の間隔で配置された配置間隔の短い第1と第2の音響センサで受信した受信信号の第1の位相差と、受信する音波の最高周波数の1/2波長より長い間隔で配置された配置間隔の長い第1と第3の音響センサで受信した受信信号の第2の位相差とから前記第1と第3の音響センサ間の到来時間差のうち前記音響信号の周期の回転数に相当する部分を求め、前記第2の位相差と該周期の回転数とから該到来時間差を求めることにより前記狭帯域の音響信号の到来方位を推定する信号入射角推定方法において、
    (a)前記音響信号の周波数範囲および想定到来範囲内において、前記3つの音響センサが同一直線上にあるものとして前記第1の位相差と第2の位相差から求めた該周期の第1の回転数と、前記3つの音響センサが非直線である場合の前記第1の位相差と第2の位相差から求めた該周期の第2の回転数との差が最小および最大となる第1の回転数を求め、
    (b)前記音響信号の周波数範囲および想定到来範囲内において、第1の音響センサと第2の音響センサの検出時間差の、前記センサが同一直線上に存在する場合と同一直線上に存在しない場合との時間差に対応する周期回転数の差の、最大値および最小値の平均で求められる補正値を計算し、
    (c)前記3つの音響センサで受信した信号に対して、前記第1の位相差と第2の位相差から、前記3つの音響センサが同一直線上にあるものとして算出した第1の回転数に該補正値を加算して、第2の回転数を求めた後、整数化処理により前記音響信号の周期の回転数を求めることを特徴とする信号入射角推定方法。
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