JP2008151578A - 相対位置推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】初期位置の情報を用いずとも初期整数値バイアスを推定可能にする相対位置推定システムを得る。
【解決手段】構造物以外の互いに異なる既知位置に設けられた基準局、構造物の互いに異なる位置に設置された受信アンテナ、受信アンテナで受信した信号をA/D変換器のサンプリング周波数に対応した周波数帯に変換するダウンコンバータ、ダウンコンバータからの受信信号をA/D変換するA/D変換器、デジタル信号にFFT変換処理を施すFFT変換器、FFT変換器からの信号の位相を追尾し各基準局からの受信信号の位相を積算すると共にレファレンスアンテナとそれ以外の受信アンテナで受信した各基準局の受信信号の位相との差を計算する位相差検出手段、基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置及び基準局位置に基づきレファレンスアンテナと受信アンテナの相対ベクトルと整数値バイアスの差の初期値を算出する位置算出部を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、位置が既知の基準局からの電波を利用して、受信アンテナ間の相対位置を推定する相対位置推定システムに関するものである。
加震機上に載せられた構造物の応答や橋梁等の構造物の震動による変位や歪みを計測することは、耐震性向上又は疲労破壊防止等の研究に大変有用である。震動による変位や歪みを補正するためには、構造物全体に分布する複数の計測点の位置を精密に測定する必要がある。そこで、計測点に送信機を設置すると共に、前記構造体以外の既知位置に受信アンテナを設置し、受信アンテナで受信した送信機電波の位相差を基に送信機位置を推定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、位相差を用いて送信機位置を推定する方法では、送信機と受信アンテナとの間隔が波長を越えると、整数値バイアスを別途推定する必要がある。
特開2001−272448号公報
上述したような従来の方法では、初期整数値バイアスを初期位置などの情報を基に既知として処理している。そのため、従来の方法では、送信機と受信アンテナとの間の距離を波長オーダの精度で測定する必要があり、初期位置などの情報が得られない場合は、計測点の位置を測位することができなかった。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、初期位置の情報を用いずとも初期整数値バイアスを推定することを可能にする相対位置推定システムを得るものである。
この発明に係る相対位置推定システムは、構造物以外の互いに異なった既知の位置に設けられ互いに異なった周波数の電波を放射するN(N≧4、Nは整数)個の基準局と、構造物の互いに異なった位置に設置されたM個の受信アンテナと、M個の受信アンテナのうち1つを基準となるレファレンスアンテナとし、時刻t(1≦k≦K、K≧4、Kは整数)における前記レファレンスアンテナの位置を測位するレファレンスアンテナ測位部と、所定周波数のローカル信号を発信するローカル信号発信器と、受信アンテナ毎に設けられて、それぞれの受信アンテナで受信した信号を前記ローカル信号発振器からのローカル信号と乗じてA/D変換のためのサンプリング周波数に対応した周波数帯に変換するダウンコンバータと、前記ダウンコンバータを介したそれぞれの受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変換器でデジタル化された信号にFFT変換処理を施し、受信信号を各基準局が放射した信号毎に弁別してその位相を計算するFFT変換器と、前記FFT変換器から出力された信号の位相を追尾し、各基準局からの受信信号の位相を積算すると共に、レファレンスアンテナで受信した時刻t(1≦k≦K、K≧4)における各基準局の受信信号の位相と、レファレンスアンテナ以外の受信アンテナで受信した時刻tにおける各基準局の受信信号の位相との差を計算する位相差検出手段と、時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置及び基準局の位置に基づいてレファレンスアンテナと受信アンテナm(2≦m≦M)の相対ベクトルと整数値バイアスの差の初期値を算出する位置算出部とを備えたものである。
この発明によれば、初期位置の情報を用いずとも初期の整数値バイアスの差も受信アンテナ間の相対位置と共に推定することが可能になるため、初期位置の情報が得られないケースでも計測点間の相対位置を決定することが可能となり、初期位置の情報が不要になるという効果を奏する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る相対位置推定システムの構成を示すブロック図である。図1に示す実施の形態1に係る相対位置推定システムは、構造物以外の互いに異なった既知の位置q(三次元ベクトル、1≦n≦N、N≧4、n、Nは整数)に設けられ互いに異なった周波数の電波を放射するN個の基準局11〜と、構造物の互いに異なった位置に設置されたM個の受信アンテナ21〜と、M個の受信アンテナのうち1つを基準となるレファレンスアンテナとし、時刻t(1≦k≦K、K≧4、Kは整数)における前記レファレンスアンテナの位置p(t)(三次元ベクトル)を測位するレファレンスアンテナ測位部9と、それぞれ受信アンテナ毎に設けられて、それぞれの受信アンテナで受信した信号の周波数を後述のA/D変換器5〜5のサンプリング周波数に対応した周波数帯に変換するダウンコンバータ3〜3と、受信アンテナ21〜で受信した信号を、後述のA/D変換器5〜5のサンプリング周波数に対応した周波数帯に変換する周波数を有するローカル信号を発信するローカル信号発信器4と、それぞれの受信アンテナで受信したアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器5〜5とを備えている。
また、図1に示す実施の形態1に係る相対位置推定システムは、A/D変換器5〜5でデジタル化された信号にFFT(Fast Fourier Transformation)変換処理を施し、受信信号を各基準局が放射した信号毎に弁別してその位相を計算するFFT変換器6〜6と、FFT変換器から出力された信号の位相を追尾し、各基準局からの受信信号の位相を積算すると共に、レファレンスアンテナで受信した時刻t(1≦k≦K、K≧4)における各基準局の受信信号の位相と、レファレンスアンテナ以外の受信アンテナで受信した時刻tにおける各基準局の受信信号の位相との差を計算する位相差検出手段7〜7と、時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナ測位部9が出力したレファレンスアンテナの位置p(t)、基準局の位置qを基にレファレンスアンテナと受信アンテナm(2≦m≦M、但し、m=1レファレンスアンテナとする)の相対ベクトルであるd(t)(三次元ベクトル、1≦k≦K)と初期整数値バイアスの差ΔW(t)(1≦n≦N、W(t)は整数)を算出する位置算出部8とを備えている。
次に、この実施の形態1に係る相対位置推定システムの動作について図面を参照しながら説明する。本実施の形態1では、M個の受信アンテナのうち1つを基準とし、その基準のレファレンスアンテナと他の受信アンテナとの間の相対位置(相対ベクトル)を推定するものである。なお、以下では、基準となるレファレンスアンテナをM個の受信アンテナのうち、受信アンテナの番号が#1(m=1)の受信アンテナをレファレンスアンテナとして説明をする。そして、レファレンスアンテナを基準とした受信アンテナ#m(2≦m≦M)の観測時刻tにおける相対ベクトルをd(t)とし、以下の処理で次の式(1)で表す相対ベクトルd(t)を推定する。なお、[]は、行列もしくはベクトルの転置を表す。
(t)=[x(t) y(t) z(t)] (1)
まず、基準局はN(N≧4)個設置されるものとする。そして、それら基準局の位置は既知であるとし、基準局の番号が#n(n≦N)の基準局位置をq(=[X]、三次元ベクトル)とする。
今、基準局#1から周波数(f+f)の電波が、・・・、#nから周波数(f+f)の電波が、・・・、#Nから周波数(f+f)の電波が放射され、それを観測開始時刻tにおいてレファレンスアンテナと受信アンテナ#mで受信したとする。この場合、まず、レファレンスアンテナでは、ダウンコンバータ3において、ローカル信号発信器4が出力する周波数fのローカル信号と受信信号が乗じられて、それぞれf、f、・・・、fの周波数を有する信号に変換される。それら受信信号は、A/D変換器5でデジタル信号に変換される。その後、FFT変換器6によりFFT変換処理がなされ、受信信号から各基準局が放射した信号の位相が計算される。
同様に、受信アンテナ#m(2≦m≦M)でも、ダウンコンバータ3において、ローカル信号発信器4が出力する周波数fのローカル信号と受信信号が乗じられて、それぞれf、f、・・・、fの周波数を有する信号に変換される。それら受信信号は、A/D変換器5でデジタル信号に変換される。その後FFT変換器6によりデジタル信号にFFT変換処理がなされ、受信信号から、各基準局が放射した信号の位相が計算される。
式を用いて上記内容を説明する。今、基準局#nが放射した電波s(t)が次式であるとする。但しa(t)は、基準局#nが放射した電波の電力とする。
(t)=a(t)exp[j2π(f+f)t] (2)
これを観測時刻tにおいてレファレンスアンテナで受信した受信信号rn、1(t)と、受信アンテナ#mで受信した受信信号rn、m(t)は次式で与えられる。但しan、1(t)はレファレンスアンテナにおける受信信号の電力であり、an、m(t)は受信アンテナ#mにおける受信信号の電力である。
n、1(t)=an、1(t)exp[jφ’n、1(t)] (3)
n、m(t)=an、m(t)exp[jφ’n、m(t)] (4)
ここで、φ’n、1(t)は、レファレンスアンテナにおける受信信号の位相であり、φ’n、m(t)は受信アンテナ#mにおける受信信号の位相であり、次式のように表すことができる。
φ’n、1(t)=2π(f+f)t−2π・W’n、1(t
+2π/λ(||p(t)−q||) (5)
φ’n、m(t)=2π(f+f)t−2π・W’n、m(t
+2π/λ(||p(t)+d(t)−q||) (6)
但し、p(t)はレファレンスアンテナの位置で、||p(t)−q||は基準局#nからレファレンス素子までの距離、||p(t)+d(t)−q||は基準局#nから受信アンテナ#mまでの距離とする。また、λは周波数が(f+f)の電波(基準局#nが放射の電波)の波長、cは電波の速度(光速)を表す。さらに、W’n、1(t)、W’n、m(t)は下記条件を満たす整数で、以下、この整数を整数値バイアスと呼ぶ。そして、特に観測開始時刻tにおける整数値バイアスW’n、1(t)、W’n、m(t)を初期整数値バイアスと呼ぶ。
0≦2π(f+f)t−2π・W’n、1(t
+2π/λ(||p(t)−q||)<2π (7)
0≦2π(f+f)t−2π・W’n、m(t
+2π/λ(||p(t)+d(t)−q||)<2π(8)
A/D変換器5から出力される受信信号r’(レファレンスアンテナの受信信号)は、基準局#1〜Nが放射した電波が混在するため、次式のように周波数がf〜fの信号が混在した信号になる。ここで、iはサンプル番号、ΔtはA/D変換器のサンプリング間隔とする。
Figure 2008151578
また、同様に、A/D変換器5(2≦m≦M)から出力される受信信号r’(受信アンテナ#mの受信信号)も、基準局#1〜Nが放射した電波が混在するため、次式のようになる。
Figure 2008151578
なお、サンプル番号iと観測時刻tの関係は次式とする。但し、IFFTは、後述のFFT変換器6〜6におけるFFT変換の点数、Ceil(*)は*の要素を*よりも大きくて最も近い整数に丸める関数とする。
(Ceil(i/IFFT))・IFFT・Δt=t (11)
FFT変換器6では、上記レファレンスアンテナの受信信号r’((k−1)IFFT+1)〜r’(kIFFT)を用いてFFTを実施する。基準局#nが放射した信号は周波数がfに変換されているため、周波数ビンfが基準局#nの信号に対応する。そして、周波数ビンがfのFFT計算値から基準局#nが放射した信号の位相φ’n、1(t)を計算し出力する。
同様に、FFT変換器6でも、受信アンテナ#mの受信信号r’((k−1)IFFT+1)〜r’(kIFFT)を用いてFFTを実施し、基準局#nが放射した信号の位相φ’n、m(t)を計算し出力する。
位相差検出手段7〜7は、FFT変換器6〜6から出力された位相を追尾すると共に、レファレンスアンテナの位相と受信アンテナ#mの位相の差を計算し、その結果である位相差を位置算出手段8に出力する。まず、位相差検出手段7にはFFT変換器6〜6から出力された基準局#1が放射した信号の位相φ’1、1(t)〜φ’1、M(t)が、位相差検出手段7にはFFT変換器6〜6から出力された基準局#2が放射した信号の位相φ’2、1(t)〜φ’2、M(t)が、・・・、位相差検出手段7にはFFT変換器6〜6から出力された基準局#Nが放射した信号の位相φ’N、1(t)〜φ’N、M(t)が入力される。そして、位相差検出手段7では、FFT変換器6から出力されたレファレンスアンテナで受信した信号(基準局#nが放射)の位相φ’n、1(t)と、FFT変換器6(2≦m≦M)から出力された受信アンテナ#mで受信した信号(基準局#nが放射)の位相φ’n、m(t)を追尾して補正し、さらに、補正した位相の差を計算して位置算出部8に出力する。
ここで、位相差検出手段7の動作を、観測時刻がtの場合(観測開始時刻)と、t(k≧2)の場合に分けて説明する。まず、観測時刻がtの場合、位相差検出手段7では、FFT変換器6から出力されたレファレンスアンテナで受信した信号(基準局#nが放射)の位相φ’n、1(t)そのものを補正した位相値φn、1(t)とする。また、FFT変換器6(2≦m≦M)から出力された受信アンテナ#mで受信した信号(基準局#nが放射)の位相φ’n、m(t)そのものを補正した位相値φn、m(t)とする。最後に、補正した位相値の差Δφ(t)を計算し、位置算出部8に出力する。
Δφ(t)=φn、m(t)−φn、1(t) (12)
なお、式(5)、(6)を式(12)に代入すれば、位相値の差Δφ(t)は、次式のように表現できる。
Δφ(t)=2π/λ(||p(t)+d(t)−q||)
−2π/λ(||p(t)−q||)−2π・ΔW(t
(13)
ここで、ΔW(t)は、次式に示す初期整数値バイアスの差とする。
ΔW(t)=W’n、m(t)−W’n、1(t) (14)
次に、観測時刻がt(k≧2)の場合、位相差検出手段7では、まず、FFT変換器6〜6から出力された位相値φ’n、1(t)、φ’n、m(t)について追尾を行う。これは観測している情報が位相であるため、位相値が2πを超えるとFFT変換器6で観測される位相値は2πの整数倍が減算された値に、位相値が0未満になると2πの整数倍が加算された値になってしまうためである。そこで、観測開始時刻tから観測時刻tの間に、各位相φ’n、1(t)、φ’n、m(t)が2πを超えた回数と0未満になった回数を数え、それら回数の差(カウント値の差)を用いて観測した位相を補正する。
今、FFT変換器6から出力されたレファレンスアンテナで受信した信号の位相(基準局#nが放射)がφ’n、1(t)で、観測開始時刻tから観測時刻tまでの間のカウント値の差がVn、1(t)であるとすれば、補正した位相値φn、1(t)は次式のようになる。
φn、1(t)=φ’n、1(t)+2πVn、1(t) (15)
なお、カウント値の差Vn、1(t)と初期整数値バイアスW’n、1(t)、整数値バイアスW’n、1(t)の間には式(16)の関係があるので、補正した位相値φn、1(t)は、式(17)のように表現できる。
W’n,1(t)+Vn,1(t)=W’n,1(t) (16)
φn、1(t)=2π(f+f)t−2π・W’n、1(t
+2π/λ(||p(t)−q||) (17)
また、FFT変換器6から出力された受信アンテナ#mで受信した信号の位相(基準局#nが放射)がφ’n、m(t)で、観測開始時刻tから観測時刻tまでの間のカウント値の差がVn、m(t)であるとすれば、補正した位相値φn、m(t)は次式のようになる。
φn、m(t)=φ’n、m(t)+2πVn、m(t) (18)
なお、カウント値の差Vn、m(t)と初期整数値バイアスW’n、m(t)、整数値バイアスW’n、m(t)の間には式(19)の関係があるので、補正した位相値φn、m(t)は、式(20)のように表現できる。
W’n,m(t)+Vn,m(t)=W’n,m(t) (19)
φn、m(t)=2π(f+f)t−2π・W’n、m(t
+2π/λ(||p(t)+d(t)−q||)(20)
最後に、補正した位相値φn、1(t)、φn、m(t)を用いて、レファレンスアンテナで受信した位相φn、1(t)と、受信アンテナ#mで受信した位相φn、m(t)の差Δφ(t)を計算し出力する。
Δφ(t)=φn、m(t)−φn、1(t) (21)
なお、式(17)、(20)を式(21)に代入すれば、Δφ(t)は式(22)のように表現できる。
Δφ(t)=2π/λ(||p(t)+d(t)−q||)
−2π/λ(||p(t)−q||)−2π・ΔW(t) (22)
上記では、FFT変換器6から出力された位相値φ’n、m(t)そのものを追尾して補正するように説明したが、位相差Δφ(t)を追尾して補正するものでも良い。
レファレンスアンテナ測位部9では、観測時刻tにおけるレファレンスアンテナの位置を計測し、その値p(t)(=[x(t) y(t) z(t)])を位置算出部8に出力する。加震機上に載せられた構造物の応答を計測する場合などでは、加震機上にレファレンスアンテナを設置し、レファレンスアンテナの設置位置と加震機で設定した震動の動きそのものからp(t)を計算するものであっても良い。また、GPS(Grobal Positioning System)などを利用して、レファレンスアンテナ位置を測位するものであっても良い。
位置算出部8では、位相差検出手段7〜7から出力された位相差Δφ(t)と、レファレンスアンテナ測位部9から出力されたレファレンスアンテナ位置p(t)を基に、レファレンスアンテナと受信アンテナ#m間の相対ベクトルd(t)と、初期整数値バイアスの差を推定する。式(22)に示すように、「基準局#1から受信アンテナ#mまでの距離」と「基準局#1からレファレンスアンテナまでの距離」の差から初期整数値バイアスの差を減算した値は、2つのアンテナで受信した信号の位相差に波長をかけた値に等しくなることから、観測時刻tにおける位相差の値Δφ(t)を用いて次式の方程式が成り立つ。
Figure 2008151578
仮に基準局数Nを4(n=1、・・・、4)とすると、方程式は次式(24)〜(27)となる。
Figure 2008151578
式(24)〜(27)における未知数は、相対ベクトルに関するもの(x(t)、y(t)、z(t))が3で、初期整数値バイアスの差に関するもの(ΔW(t)、ΔW(t)、ΔW(t)、ΔW(t))が4である。このため、未知数の合計が7で方程式の数が4を上回り未知数を決定することができない。
そこで、観測時刻tにおける位相差Δφ(t)〜Δφ(t)を用いた方程式を考える。すると観測時刻tにける方程式は式(28)〜(31)となる。
Figure 2008151578
ここで、観測時刻tにおける位相差Δφ(t)〜Δφ(t)には、時刻tから位相値が2πを越えた回数がカウントされ補正されているため、式(28)〜(31)の右辺は、時刻tにおける初期整数値バイアスの差ΔW(t)〜ΔW(t)で表現できる。この結果、式(24)〜(31)において、相対ベクトルに関する未知数は3増えて6となるが、初期整数値バイアスの差に関する未知数は4のままで増えない。但し、この場合も未知数の数が10で方程式数の数8を超えるため、未知数を決定することができない。
さらに、観測時刻tにおける位相差Δφ(t)〜Δφ(t)、および観測時刻tにおける位相差Δφ(t)〜Δφ(t)を用いた方程式を考える。すると観測時刻tにける方程式は式(32)〜(35)、観測時刻tにおける方程式は式(36)〜(39)となる。
Figure 2008151578
式(24)〜(39)における未知数は、相対ベクトルに関するものが12、初期整数値バイアスの差に関するものが4となり、未知数の合計は16となる。一方、方程式数は16であることから、この場合、未知数の数と方程式数が等しくなり、未知数を決定することができる。
一般化して観測時刻の回数をK、基準局の数をNとすれば、方程式の数が未知数の数を上回り未知数と決定できる条件は式(40)となる。
NK≧3K+N (40)
但し、各観測時刻におけるレファレンスアンテナ位置pr(t)、・・・、pr(t)は、互いに異なるものになっているとする。なお、未知数の数と比較して方程式数が多い場合には、最小二乗解を求めるようにして未知数を決定する。
上記の様にすれば、受信アンテナ間の距離を予め測定し、その間の整数値バイアスの差の初期値を別途計算しなくても、初期整数値バイアスの差も受信アンテナ間の相対ベクトルと共に推定することが可能である。また上記では、時刻t〜tの連続した観測時刻における観測値を用いた方式について説明したが、位相を追尾しているので連続した観測値を用いる必要な無く、式(40)の条件を満たせば不連続な時刻での観測値を用いても推定することは可能である。
上記実施の形態は、加震機上にのせられた構造物の各計測点間の相対位置を測定する場合を例に説明したが、たとえば、車や航空機などを本来自分で移動できる構造物の各計測点間の相対位置を測定する場合などにも、上記と全く同様の原理により応用することができる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、基準局の位置を固定している。しかしながら、基準局の位置が移動しても、その位置が既知であれば、式(23)及び式(24)〜(39)の方程式における未知数は増加しない。そこで、基準局が基準局移動手段と基準局測位手段を有し、観測時刻tにおける基準局の位置q(t)を観測し、その結果を位置算出部8に伝達すれば、未知数は増加しないため、式(40)と同様の条件で未知数を決定することができる。
この実施の形態2の場合、構造物が殆んど移動しない場合など有効で、基準局が移動することで基準局と受信アンテナの相対位置が変化し、これにより、式(24)〜(39)の方程式が変わるため、初期整数値バイアスの差を決定することができる。一度整数値バイアスを決定してしまえば、位相差検出手段7において位相を追尾しているため、従来方式と同様にして受信アンテナ間の相対位置を決定することができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1では、位置算出部8において計算する際の方程式が、未知数の二乗や平方根を含むため演算量が多くなる。そこで、位置算出部8の代わりに、基準局と受信アンテナの間隔が十分離れているとして、近似により相対位置ベクトルを求める近時位置算出部8を備えるものであっても良い。
すなわち、位置算出部8の代わりに近似位置算出部を備え、近似位置算出部では、時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置、基準局の位置を基に、レファレンスアンテナと受信アンテナmの相対ベクトルを基準局方向へ射影した長さが電波伝搬距離差に等しいとする方程式を複数連立することで、レファレンスアンテナと受信アンテナmの相対ベクトルと初期整数値バイアスの差を推定する。
基準局#nと受信アンテナ#mが十分離れているとすると、受信アンテナで受信する基準局#nからの電波は平面波で近似することができる。その結果、「基準局#nとレファレンスアンテナの距離」と「基準局#nと受信アンテナ#mの距離」の差は、図2に示すように、推定する相対ベクトルd(t)を基準ベクトルの方向に射影した長さh(t)とみなすことができる。その結果、方程式は、次式のようになる。
Figure 2008151578
式(41)では、未知数の二乗や平方根の要素が無いため、従来方式よりも演算量が少なくすることが可能である。なお、本方式が成立する基準局数Nと観測回数Kの条件は、未知数の数と方程式の数の関係が実施の形態1と同様であるため、式(40)となる。
また、式(41)では、基準局が固定の場合であるが、当然ながら基準局が移動している場合でも、その位置が既知であれば、実施の形態2と同様に、未知数を推定することができる。
この発明の実施の形態1ないし3に係る相対位置推定システムの構成を示すブロック図である。 基準局と受信アンテナが十分離れている場合に、レファレンスアンテナと受信アンテナの相対ベクトルと整数値バイアスの差の初期値の推定を説明するための図である。
符号の説明
1〜 基準局、21〜 受信アンテナ、3〜3 ダウンコンバータ、4 ローカル信号発信器、5〜5 A/D変換器、6〜6 FFT変換器、7〜7 位相差検出手段、8 位置算出部、9 レファレンスアンテナ測位部。

Claims (3)

  1. 構造物以外の互いに異なった既知の位置に設けられ互いに異なった周波数の電波を放射するN(N≧4、Nは整数)個の基準局と、
    構造物の互いに異なった位置に設置されたM個の受信アンテナと、
    M個の受信アンテナのうち1つを基準となるレファレンスアンテナとし、時刻t(1≦k≦K、K≧4、Kは整数)における前記レファレンスアンテナの位置を測位するレファレンスアンテナ測位部と、
    所定周波数のローカル信号を発信するローカル信号発信器と、
    受信アンテナ毎に設けられて、それぞれの受信アンテナで受信した信号を前記ローカル信号発振器からのローカル信号と乗じてA/D変換のためのサンプリング周波数に対応した周波数帯に変換するダウンコンバータと、
    前記ダウンコンバータを介したそれぞれの受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器でデジタル化された信号にFFT変換処理を施し、受信信号を各基準局が放射した信号毎に弁別してその位相を計算するFFT変換器と、
    前記FFT変換器から出力された信号の位相を追尾し、各基準局からの受信信号の位相を積算すると共に、レファレンスアンテナで受信した時刻t(1≦k≦K、K≧4)における各基準局の受信信号の位相と、レファレンスアンテナ以外の受信アンテナで受信した時刻tにおける各基準局の受信信号の位相との差を計算する位相差検出手段と、
    時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置及び基準局の位置に基づいてレファレンスアンテナと受信アンテナm(2≦m≦M)の相対ベクトルと整数値バイアスの差の初期値を算出する位置算出部と
    を備えた相対位置推定システム。
  2. 請求項1に記載の相対位置推定システムにおいて、
    前記基準局は、基準局移動手段と基準局測位手段を有し、移動する基準局の各観測時刻における位置を測位した結果を前記位置算出部に伝達し、
    前記位置算出部は、時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置及び基準局の位置に基づいてレファレンスアンテナと受信アンテナmの相対ベクトルである整数値バイアスの差の初期値を算出する
    ことを特徴とする相対位置推定システム。
  3. 請求項1または2に記載の相対位置推定システムにおいて、
    位置算出部の代わりに近似位置算出部を備え、当該近似位置算出部は、時刻t(1≦k≦K)における基準局毎の位相差とレファレンスアンテナの位置及び基準局の位置に基づいてレファレンスアンテナと受信アンテナmの相対ベクトルを基準局方向へ射影した長さが電波伝搬距離差に等しいとみなすことで、レファレンスアンテナと受信アンテナmの相対ベクトルと整数値バイアスの差の初期値を推定する
    ことを特徴とする相対位置推定システム。
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