JP4319730B2 - 光回折素子シール - Google Patents
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Description
本発明は、被着体から剥がすと破壊してしまうため、再使用が不可能になる光回折素子シールに関する。本発明は、さらに好ましくは、被着体から剥離した後の被着体上に残留物が生じない光回折素子シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回折格子をパターン化したものやホログラム等の光回折素子は、立体的な画像を記録・複製でき、かつ視認できる手段として、古くから知られている。
とりわけ、近年、感光性樹脂を使用して光の干渉縞を記録し、大量に複製する手段が確立したことにより、用途が拡大している。
光回折素子の作製には、レーザー光や光学系を取り扱う技術が必要で、直ちに、複製や模倣を行なうことは難しいため、光回折素子を作製して商品等に貼り、その商品が真正なものであることを証明するような用途にも多用されている。
一例として、光回折素子に粘着加工を施した光回折素子シールをクレジットカード、ビデオソフト、または高級腕時計等やそれらのケースに貼り、貼られたものが真正品であることを保証することが行なわれている。
クレジットカードが偽造されれば、経済的な損失を招く恐れが大きく、ビデオソフトは著作権者に無断で複製されることがあり、また、高級腕時計にあっては外観を似せた粗悪品が出回ることがあるからである。
【0003】
不正な意図を持つ者の立場からすると、光回折素子シールを貼るだけで、真正なクレジットカード、ビデオソフト、または高級腕時計である旨の信用が生じるため、真正品に貼ってある光回折素子シールを剥がして、偽造した粗悪な商品や不正な複製品に貼り付けておき、販売店や購入者を欺くことが企てられる。
この場合、意図は不正であるにもかかわらず、光回折素子シール自体は本物であるため、光回折素子シールをチェックしただけでは、偽造であることが発覚しにくい問題がある。
【0004】
そこで、光回折素子シールを他に転用することを防止する必要が生じるので、光回折素子シールを剥がそうとすると、光回折素子シールの光回折素子が破壊されてしまうものが提案されている。
例えば、特開平8−328455号公報には、支持体11の下面に、ホログラムを有するホログラム形成層12、透過性薄膜層13、印刷層14、反射性薄膜層15、脆性剥離層16、粘着層17が順次積層され、このうち、印刷層14、および脆性剥離層16は部分的に設けられた構成からなる光回折素子脆性シールが記載されている。
このホログラム脆性シールは、被着体18に貼った後に剥がそうとすると、部分的に形成されている脆性剥離層16と、その上の反射性薄膜層15との間が剥離するから、脆性剥離層16のある部分では、反射性薄膜層15より上の部分が支持体11と共に除去され、脆性剥離層16のない部分では、各層が強固に接着しており、支持体11とホログラム形成層12との間の接着力が弱いため、支持体11のみ剥がれ、結果として、ホログラム形成層12は、被着体18上に残留する部分と除去される部分とに分離されるので、剥がした支持体11上のホログラムを再使用することができない。
【0005】
しかし、上記のホログラム脆性シールは、被着体18に貼った後、そのまま残しておき、剥がすことを防ぐためのものであるから、万一、不正な意図で剥がせば、ホログラムの一部が被着体上に残って、ホログラムシールが剥がされたことが明らかになる利点はあるものの、被着体を本来の目的で使用する時に、ホログラムシールを剥がしておく必要がある場合には、被着体上に残ったホログラムの一部を更に除去しなければならない不便さがある。
しかも、薄くて比較的皮膜の弱い各層が比較的強い粘着剤層で接着しているために、残ったホログラムの除去には手間がかかる。
また、このようなホログラム脆性シールに、予期しない大きな衝撃が加わった場合、接着力の弱い部分を内包しているために、基材が剥がれてしまう欠点があり、同じようなことは、曲面に貼った場合にも、接着力の弱い部分の存在によって起こり得る。
【0006】
つまり、もともとは、剥がしたホログラムシールが他の用途に転用できないことが狙いであったが、使用するまでの間だけ、あるいは購入者が手にするまでの間だけ、ホログラムシールを貼っておき、ホログラムシールを剥がしてから使用したり、ホログラムシールを剥がしてから購入者に手渡すような場合には、上記のような不正な剥離と他への転用を防止するためのホログラムシールは、不適当であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のような従来の光回折素子シールを改善し、使用する時に、光回折素子シールを剥がしておく必要があるような被着体に貼るのに適した、即ち、被着体から光回折素子シールを剥がすと、光回折素子シール自体は破壊されてしまうが、剥離した後の被着体表面には、痕跡の残らない光回折素子シールを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、支持体シートの上面には第1の粘着剤層(22)を介して保護シートが剥離可能に積層されており、前記支持体シートの下面には、光回折素子形成層、反射性薄膜層、ならびに被着体と貼付し再剥離性を有する第2の粘着剤層(17)、および前記第2の粘着剤層を被覆する剥離性シートが順次積層された光回折素子シールであって、前記第1の粘着剤層の凝集力は前記第2の粘着剤層の凝集力より小さく、かつ、前記支持体シートには、ストライプ状の切り込み、網目状の切り込み、十字の切り込み、十字から中央部分を除いた切り込み、1/4ずつ山形にした切り込み、ジグザグ線状に周縁部を切り込んだ切り込み、周囲に余白を残して一方向に1本ないしそれ以上の複数の線状の切り込み、縦横の線状の切り込み、のうち少なくともいずれかの切り込みパターンが形成されていることを特徴とする光回折素子シールに関するものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記支持体シート、前記光回折素子形成層、前記反射性薄膜層、および前記第2の粘着剤層(17)の少なくともいずれかの間に、着色絵柄層を有することを特徴とする請求項1記載の光回折素子シールに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図を引用しながら、本発明の光回折素子シールについて説明する。本発明の光回折素子シールは、図2に示すように、支持体シート11の下面に、光回折素子形成層12、反射性薄膜層15、第2の粘着剤層17、および剥離性シート19が順に積層された構造を有しているものである。本発明の光回折素子シールは、図3に示すように、上記の構造に加え、さらに、支持体シート11の上面に、第1の粘着層22を介して保護シート21が積層された構造を有している。
【0011】
図2、図3を引用して説明した上記のいずれのタイプの光回折素子シールにおいても、支持体シート11は、光回折素子形成層12および、その他の各下層を支持すると同時に、後に述べるように、光回折素子シール剥離時には、自身が破壊して光回折素子シールが破壊されるように切り込みパターン20を伴なっている。
支持体シート11は、これを破壊しやすいように、薄いものであることが好ましく、例えば、20〜40μm程度が適している。もっと薄い方が破壊の容易さからは好ましいが、過度に薄いと、取扱いにくい上に、静電気によりしわや重なり等が生じることが多く、被着体に貼る際のロスが多く生じる。
支持体シート11としては、伸縮が少なく、また、光回折素子の視認性の観点から、透明性が高いものが適しており、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムやポリカーボネート樹脂フィルム等が適している。
【0012】
支持体シート11の上側の表面には、図2、および図3中符号20で示す切り込みパターン20を形成しておくと、光回折素子シールを被着体18から剥がそうとすると、支持体シート11が切り込み20から破壊される。
切り込みパターン20は支持体シート11の厚みのすべてにわたって形成されていても、あるいは、その厚みの一部に形成されていてもよい。
また、切り込みパターン20は支持体シート11から形成したときに光回折素子形成層12に到達していて、光回折素子形成層12の厚みの一部または全部に切り込みが入っていてもよく、さらに、支持体シート11、および光回折素子形成層12のいずれをも貫通する切り込みが、さらに下層の反射性薄膜層15に到達して、その一部または全部に切り込みが入っていてもよく、第2の粘着剤層17に到達してもよい。
このように、切り込みの入っている部分の厚みが増すと破壊がより容易になる利点が生じる。
【0013】
切り込みパターン20の形成は、打ち抜き用の刃型を用いるか、回転する刃を用いる、あるいは、支持体シート11をロール上を走行させつつ静止した刃を用いる等により行なうとよく、このほか、型押しによっても行なえる。
切り込みパターン20のピッチは2mmから10mm程度、より好ましくは3mm〜7mm程度である。
2mm未満であると切り込みが目立ち過ぎ、10mmを超えると、ピッチが粗すぎて切り込み20からの破壊が確実でなくなる。
切り込みパターン20の具体的形状としては、ストライプ状、網目状の他、図4(a)〜(f)に示すようなものが好適である。図4(a)〜(f)の外形が光回折素子シールの外形であり、外形の中に切り込み20の線が描いてある。
図4(a)では十字、(b)では十字から中央部分を除いたもの、(c)ではほぼ1/4ずつ山形に切り込んだもの、(d)はジグザグ線状に周縁部を切り込んだものである。
なお、(e)のように、周囲に余白を残して一方向に1本ないしそれ以上の複数の線状に切り込みパターン20を形成してもよく、あるいは、縦横の線状に切り込みパターン20を形成しておくと、光回折素子シールの周囲はつながったまま剥がれる利点が生じる。
【0014】
光回折素子形成層12は、2または3次元画像を再生可能な表面凹凸パターン(光回折パターン)が形成されたものである。
この表面凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞の光の強度分布が凹凸模様で記録されたレリーフホログラムやレリーフ回折格子が記録可能であり、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージ光回折素子等のレーザ再生ホログラム、レインボーホログラム、イメージホログラム、ならびに、リップマンホログラムおよびリップマンホログラムを含む体積ホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックス光回折素子、ホログラフィックステレオグラムや、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子が挙げられ、その他、電子線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる光回折素子や回折格子をあげることもでき、これらが単一若しくは多重に記録されていてもよい。
【0015】
光回折パターンは光回折素子形成層の上下いずれの面に設けてもよいが、上の面にあると、取扱い時に汚染のために凹凸の干渉縞が埋まりやすく、これを避ける意味で、光回折素子の凹凸は通常、下面に設ける。
【0016】
光回折パターンを複製する際には、マスターそのものも使用できるが、摩耗や損傷の恐れがあるため、アナログレコード等におけるのと同様、マスターにメッキを行なって剥がす等の方法により、金属による複製を行ない、複製された金型を使用して大量複製を行なう。
【0017】
大量複製の方法は、金型を利用し、熱可塑性の合成樹脂を素材として使用し、プレスにより光回折素子を複製するか、又は、金型面に電離放射線硬化性樹脂などの液状樹脂を塗布し、紫外線や電子線を照射して硬化させる等により、光回折素子を一方の表面に有する光回折素子形成層12が得られる。
大量複製の際に、光回折素子形成層12の厚みを10Å〜10,000Å程度とすることにより、通常の接着剤によって貼った後、剥がそうとすると、光回折素子形成層12自体が機械的な強度、特に引っ張りに対する耐久力が弱いため、破壊しやすくなる。
【0018】
光回折素子形成層12はその下層として、反射性薄膜層15を伴うことにより、光回折素子が明瞭に視認できるようになる。
反射性薄膜層15は、金属光沢を有する金属元素の蒸着、スパッタリングにより得られる金属の薄膜であることが多いが、その他、メッキなどによっても形成できる。
また、反射性薄膜層15は、その光学的な屈折率が光回折素子形成層12のそれとは異なることにより、光回折素子を視認できるものとすることもできる。
【0019】
反射性薄膜層15を、金属の薄膜で構成する場合には、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、銀などが特に好ましく、光回折素子形成層12を対象とし、200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング等により設けるとよい。
【0020】
反射性薄膜層15として、光回折素子形成層12とは異なる屈折率を有するものを用いると、ほぼ無色透明な色相で、金属光沢が無いにもかかわらず、光回折素子が視認できるから、透明な光回折素子を作製することができ、従って、光回折素子シールを貼り付けた際に貼った対象を隠蔽しない特徴がある。
例えば、光回折素子形成層12よりも屈折率が大きく、可視光の領域で透明なものとして、Sb2S3、Fe2O3、PbO、ZnSe、CdS、Bi2O3、TiO2、PbCl2、Cr2O3、CeO2、Ta2O5、ZnS、ZnO、CdO、Nd2O3、Sb2O3、SiO、InO2、Y2O3、TiO、ThO2、Si2O3、PbF2、Cd2O3、MgO、Al2O3、LaF3、CeF2、NdF3、SiO2、SiO3等が挙げられる。
反射性薄膜層15としては、光回折素子形成層12よりも屈折率が小さく、透明なものも使用でき、LiF、MgF2、3NaF・AlF3、AlF3、NaF、GaF2等が挙げられる。
なお、この場合、「透明」とは、可視光が十分透過することを指し、有色で透明なものも無色で透明なものも、いずれも含む。光回折素子形成層12よりも屈折率が大きく、可視光の領域で透明なものも、屈折率が小さく、可視光の領域で透明なものも、いずれも、金属の薄膜と同様、光回折素子形成層12を対象とし、200オングストローム、あるいはそれ以上の厚みになるよう、蒸着、スパッタリング等により設けるとよい。
【0021】
第2の粘着剤層17を構成する粘着剤の材質は、光回折素子シールの用途、即ち、どのような被着体に貼り付けるかを考慮して決めるが、アクリル酸エステル系やゴム系のもののうち、接着力は高いが、再剥離性のあるものを使用することが好ましい。
例えば、ポリイソブチレンは低タック、低凝集力の粘着剤として好ましいが、あまり低タック、低凝集力であると、剥がす際に、支持体シート11が破壊しないため、架橋可能なブチルゴムと併用して、適度なタック、凝集力を持つよう設計して使用するとよい。
被着体18の素材は、紙、木質材料、プラスチック、および金属等の単独、又は複合物である。
【0022】
本発明の光回折素子シールは、支持体シート11に光回折素子形成用樹脂組成物を塗布して光回折素子形成用樹脂層を設け、光回折素子の表面凹凸形状をプレスにより転移させるか、または光回折素子露光を行なって、光回折素子を形成した光回折素子形成層12とし、その後、反射性薄膜層15を蒸着、スパッタリング等の手段によって積層する。
第2の粘着剤層17の積層は、剥離性シート19を準備して、その剥離性面に粘着剤を塗布したものを、支持体シート11上に光回折素子形成層12、および反射性薄膜層15が設けられたものの反射性薄膜層15側に、粘着剤層17側が接するようにして貼り合わせることにより作製される。支持体シート11の上面に、保護シート21と第1の粘着剤層22とをさらに積層する場合には、上記のどの工程で行なってもよく、あるいは、保護シート21を伴なわないまま、光回折素子シールを被着体18に積層し、その後、保護シート21を積層することも可能である。
また、切り込みパターン20を支持体シート11に形成する工程は、どの段階でもよいが、切り込みにより支持体に不連続な部分が生じ、平面性を損なう傾向があるので、支持体シート11上に、光回折素子形成層12、および反射性薄膜層15を形成した後に、切り込みパターン20の形成を行なうと、各工程に与える支持体シート11の切り込みによる凹凸の影響がなくてよい。
【0023】
保護シート21は、支持体シート11、ひいては、光回折素子シールを補強し、保護するものであると共に、光回折素子シールの剛性を増加させて、機械での取扱いを容易にするために積層される。光回折素子の視認性を損なわない程度の透明性を有する必要もあり、厚みとしては30μm以上の、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムやポリプロピレン樹脂フィルムが適している。第1の粘着剤層22は、保護シート21を支持体シート11上に積層するためのものであるが、そのタック、凝集力は第2の粘着剤層17のものよりも小さいことが好ましい。
【0024】
以上のような積層体からなる光回折素子シールは、図5、および図6に示すように、粘着剤層17を被覆する剥離性シート19を除去して、被着体18に貼り付ける。
このとき、光回折素子シール10の平面形状を、用途に合わせて円形、四角形、楕円形等の幾何学形や、適宜な形になるよう、予め打ち抜き等の方法により、作っておくとよい。
【0025】
被着体18としては、各種カード、定期券、金券・証券類、受験票、通帳等があり、単に貼る場合もあるが、それぞれの被着体上に形成されている顔写真、押印された副印鑑の印影等の上に貼ることもある。
被着体18としては、高級時計や宝飾品のような高額商品、偽造や不法なコピーの対象となりやすい商品、例えば、音楽用コンパクトディスク、CD−ROM、ビデオソフト、又はそのケース等がある。
あるいは、被着体は、精密機械そのもの(この場合光回折素子シールは封印の役目と真正品であることの証明の役割を果たし、不正な分解による粗悪品の流通を防止する。)や機密文書である場合もある。
被着体18は、素材的には、各種プラスチック、紙、ゴム、布、木、金属、セラミックス等であり、形状的には、極端な凹凸を有するものは取り扱えないが、シート状、平板状、2次曲面・3次曲面を持つものでも支障がない。
また、光回折素子シールを貼り付けるのに先立って、被着体18の表面を、必要に応じて、前処理するとよい。
前処理としては、表面を平滑化する処理や逆に粗面化する処理、表面に付着している防錆剤や離型剤を拭き取るような処理、コロナ処理などの酸化処理を行なうとよい。
【0026】
被着体18に貼られた本発明の光回折素子シールは、被着体18の使用を開始するときか、または販売者が商品である被着体18を購入者に手渡す際に、剥がす。
図7、および図8は、光回折素子シールを剥がす状態を示すもので、図7は、図2に示す光回折素子シールが貼ってある状態から剥がす様子を、また、図8は、図3に示す光回折素子シールを貼ってある状態から剥がす様子を示す。
図7に示すように、光回折素子シールを剥がそうとすると、支持体シート11に形成されている切り込みパターン20のある箇所がきっかけとなって、支持体シート11が破断する。
そしてこの破断に伴ない、光回折素子形成層12、反射性薄膜層15、および第2の粘着剤層17とが破断して、図7において、貼られていた光回折素子シールの左半分が除去され、右半分は残るが、再度同じように剥がすことにより除去される。
また、図8に示すように、保護シートを伴なう場合には、まず、保護シート21が第1の粘着剤層22と共に剥がれるが、それ以降は、図6を引用した上記の説明と同様になる。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、一旦貼られた光回折素子シールを剥離する際には、支持体シートの上面に保護シートが第1の粘着剤層(22)を介して積層されているため、まず、保護シートを前記第1の粘着剤層(22)と共に剥がれる。
その後、光回折素子シールの残りの部分をさらに剥がそうとすると、支持体シートに切り込みパターンを有しているので、切り込みパターンがきっかけとなって光回折素子シールが破壊され、他に転用することができないが、従来の光回折素子シールのように、剥がす際に、支持体シートと共に剥離するか、被着体に残るかを支持体シート上の各層の間の接着力を部分的に弱めたものではないので、破断して幾つかに分かれることはあっても、本質的には、第2の粘着剤層を含むすべての部分を支持体シートと共に剥がすことができる。
【0028】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、着色絵柄層が付加されたことにより外観がより複雑になり、不正な意図での複製もより困難となる効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のホログラムシールを貼った状態の断面図である。
【図2】 本発明の光回折素子シールの断面図である。
【図3】 別の光回折素子シールの断面図である。
【図4】 光回折素子シールの切り込み例を示す平面図である。
【図5】 光回折素子シールを適用した状態の断面図である。
【図6】 別の光回折素子シールを適用した状態の断面図である。
【図7】 光回折素子シールを剥がす状態を示す断面図である。
【図8】 別の光回折素子シールを剥がす状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11 支持体シート
12 光回折素子形成層
13 透過性薄膜層
14 印刷層
15 反射性薄膜層
16 脆性剥離層
17 第2の粘着剤層
22 第1の粘着剤層
18 被着体
19 剥離性シート
20 切り込みパターン
21 保護シート
Claims (2)
- 支持体シートの上面には第1の粘着剤層(22)を介して保護シートが剥離可能に積層されており、前記支持体シートの下面には、光回折素子形成層、反射性薄膜層、ならびに被着体と貼付し再剥離性を有する第2の粘着剤層(17)、および前記第2の粘着剤層を被覆する剥離性シートが順次積層された光回折素子シールであって、
前記第1の粘着剤層の凝集力は前記第2の粘着剤層の凝集力より小さく、
かつ、前記支持体シートには、ストライプ状の切り込み、網目状の切り込み、十字の切り込み、十字から中央部分を除いた切り込み、1/4ずつ山形にした切り込み、ジグザグ線状に周縁部を切り込んだ切り込み、周囲に余白を残して一方向に1本ないしそれ以上の複数の線状の切り込み、縦横の線状の切り込み、のうち少なくともいずれかの切り込みパターンが形成されていることを特徴とする光回折素子シール。 - 前記支持体シート、前記光回折素子形成層、前記反射性薄膜層、および前記第2の粘着剤層(17)の少なくともいずれかの間に、着色絵柄層を有することを特徴とする請求項1記載の光回折素子シール。
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