JP4318949B2 - 可変カムタイミング位相器および位相器の製作方法 - Google Patents

可変カムタイミング位相器および位相器の製作方法 Download PDF

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    • F01L2001/34423Details relating to the hydraulic feeding circuit
    • F01L2001/34426Oil control valves

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変バルブタイミングまたは可変カムシャフトタイミング(VCT: variable camshaft timing) の分野に関する。より詳細には、本発明は、液圧クッションを有するVCT機構に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
内燃機関の性能は、エンジンの種々のシリンダのインテークバルブを駆動するカムシャフトと、エグゾーストバルブを駆動するカムシャフトという2本のカムシャフトを使用することによって改良することが可能である。
【0003】
典型的には、このようなカムシャフトの一方は、第1のスプロケットおよびチェーン駆動装置を介してまたは第1のベルト駆動装置を介して、エンジンのクランクシャフトによって駆動され、他方のカムシャフトは、第2のスプロケットおよびチェーン駆動装置を介してまたは第2のベルト駆動装置を介して、前記一方のカムシャフトによって駆動される。あるいは、双方のカムシャフトが、単一のクランクシャフトにより駆動されるチェーン駆動装置またはベルト駆動装置によって運転される。
【0004】
2本のカムシャフトを備えたエンジンの性能は、一方のカムシャフト(通常はインテークバルブ駆動用のカムシャフト)の他方のカムシャフトおよびクランクシャフトに対する位置関係を変えることによって、エグゾーストバルブに対するインテークバルブの運転の点からまたはクランクシャフトの位置に対する各バルブの位置の点からエンジンタイミングを変更することにより、アイドル運転の質、燃費、低減排気ガスおよび上昇トルクの観点からさらに改良を加えることが可能である。
【0005】
引用することによってすべて本明細書の中に含まれる以下の米国特許により開示された情報を考慮することは、本発明の背景を探るのに有用である。
【0006】
米国特許第 5,002,023号は、本発明の分野におけるVCTシステムについて記述している。このシステムの液圧装置は、適切な作動流体要素を備えるとともに逆方向に作用する一対の液圧シリンダを有している。
【0007】
作動流体要素は、作動流体を一方のシリンダから他方のシリンダにまたはその逆方向に選択的に移送しており、これにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの周方向位置をアドバンスさせまたはリタードさせている。
【0008】
制御システムは、一方または他方のシリンダからの作動流体の排出がバルブ内のスプールを中央位置つまり零位置から一方向または他の方向に移動させることによって行われる制御バルブを使用している。
【0009】
スプールの移動は、スプールの一端に作用する制御液圧Pc の増加または減少に応じて、さらにスプリングの一端に作用する液圧と他端に作用する圧縮スプリングによる機械的な押付力との間の関係に応じて、生じる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第5,002,023号
【0011】
米国特許第 5,107,804号は、本発明の分野における他のタイプのVCTシステムについて記述しており、このシステムの液圧装置は、囲繞されたハウジング内にローブを備えたベーンを有している。このベーンは、上述の米国特許第 5,002,023号により開示された逆方向作用のシリンダに取って代わっている。
【0012】
ベーンは、ハウジング内でローブの一方の側から他方の側にまたはその逆方向に作動流体を移動させることによりハウジングに対してベーンを一方の側から他方の側に振動させる適切な作動流体要素を有しており、ベーンはハウジングに対して振動可能つまり周方向に移動可能に構成されている。
【0013】
このようなベーンの振動は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位置をアドバンスまたはリタードさせるのに効果的なものである。このVCTシステムの制御システムは、米国特許第 5,002,023号に開示されたものと同一であって、スプールバルブに作用する同種の力に反応する同一タイプのスプールバルブを使用している。
【0014】
【特許文献2】
米国特許第5,107,804号
【0015】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号はいずれも、スプールの一端に作用する液圧による力とスプールの他端に作用する機械的な力とを釣り合わせようとする試みによって発生する、上述したタイプのVCTシステムの問題に取り組んでいる。
【0016】
米国特許第 5,172,659号および米国特許第 5,184,578号の双方に開示された改良制御システムは、スプールの両端に作用する液圧による力を利用している。スプールの一端に作用する液圧による力は、最大液圧Ps でエンジンオイルギャラリから直接供給される作動流体に起因している。
【0017】
スプールの他端に作用する液圧による力は、減圧Pc 下でPWMソレノイドからの作動流体に反応して作用する液圧シリンダまたはその他の倍力装置に起因している。スプールの対向端の各々に作用する力が元々同じ作動流体に基づいた液圧であるため、作動流体の圧力または粘性の変化は自己否定的なものであって、スプールの中央位置または零位置には影響を与えない。
【0018】
【特許文献3】
米国特許第5,172,659号
【0019】
【特許文献4】
米国特許第5,184,578号
【0020】
米国特許第 5,289,805号は、改良されたVCT方法を提供している。この方法は、所定の設定値を追跡する挙動を生じさせる液圧PWMスプール位置制御および進んだ制御アルゴリズムを利用している。
【0021】
【特許文献5】
米国特許第5,289,805号
【0022】
米国特許第 5,361,735号においては、カムシャフトが、非振動の回転のために一端に固定されたベーンを有している。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動可能なタイミングベルト駆動のプーリを有している。
【0023】
ベーンは、プーリの対向凹部内にそれぞれ受け入れられた対向配置のローブを有している。カムシャフトは、通常の運転中に発生するトルクパルスに反応して変化する傾向がある。
【0024】
カムシャフトは、エンジン制御ユニットからの信号に反応して制御バルブのバルブ本体内でのスプールの位置を制御することによって、凹部からのエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスしまたはリタードするようになっている。スプールは、好ましくはステッピングモータ型の電気モータによって回転させられるロータリー・リニア運動移動手段によって一定の方向に付勢されている。
【0025】
【特許文献6】
米国特許第5,361,735号
【0026】
米国特許第 5,497,738号は、VCTシステムの実施態様で利用された最大液圧Ps においてエンジンオイルギャラリから直接供給された作動流体に起因してスプールの一端に作用する液圧による力を除去する制御システムについて開示している。
【0027】
ベントスプールの他端に作用する力は、好ましくは可変力ソレノイド型の電気機械的アクチュエータによるものであり、この力は、種々のエンジンパラメータを監視するエンジン制御ユニット(ECU)から出力された電気信号に反応してベントスプールに直接作用している。
【0028】
ECUは、カムシャフト位置およびクランクシャフト位置に対応するセンサ信号を受け取り、この位置情報を利用して相対位相角を計算する。好ましくは、位相角誤差を補償するクローズドループフィードバックシステムが採用されている。可変力ソレノイドの使用が、緩慢な動的応答性の問題を解決する。このような装置は、スプールバルブの機械的応答性と同程度に速くなるように設計でき、確かに従来の完全液圧差圧制御システムよりもかなり速くなっている。
【0029】
応答性が速くなることにより、増加したクローズドループゲインを使用することができ、これにより、構成要素の許容誤差および運転環境に対してシステムがそれほど敏感でないようにすることが可能である。
【0030】
【特許文献7】
米国特許第5,497,738号
【0031】
米国特許第 5,657,725号は、駆動のためにエンジンオイル圧を利用する制御システムを示している。このシステムは、ベーンが一端に固定されたカムシャフトを有しており、ベーンはカムシャフトとともに回転可能でカムシャフトに対して振動しないようになっている。カムシャフトはまた、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトとともに振動するハウジングを有している。
【0032】
ベーンは、ハウジングの対向凹部内に受け入れられた対向ローブを有している。ベーンおよびハウジングが相対的に振動でき、これにより、カムシャフトの位相がクランクシャフトの位相に対して変化するように、凹部はローブよりも周方向長さが長くなっている。カムシャフトは、通常の運転中に受けるエンジンオイル圧および(または)カムシャフトトルクパルスに反応して方向を変える。
【0033】
エンジン運転状態を示すエンジン制御ユニットからの信号に反応してスプールバルブ本体内のスプールの位置を制御することによって、カムシャフトは、凹部からリターンラインを通るエンジンオイルの流れを選択的に許容しまたは阻止することにより、アドバンスまたはリタードすることができる。
【0034】
スプールは、エンジン制御ユニットからの信号に反応してその対向端に作用する液圧による力を制御することによって、選択的に配置される。ベーンは、回転中にカムシャフトが受ける一方向の摩擦トルクに対して反作用の力を作用させるように、最も端の位置に付勢されている。
【0035】
【特許文献8】
米国特許第5,657,725号
【0036】
米国特許第 6,247,434号は、エンジンオイルによって駆動される多数位置可変カムシャフトタイミングシステムを示している。このシステム内には、カムシャフトに同期して回転するようにハブがカムシャフトに固定されている。また、ハウジングがハブを囲繞しており、ハウジングは、ハブおよびカムシャフトとともに回転可能であり、所定の回転角の範囲内でハブおよびカムシャフトに対して振動可能になっている。
【0037】
ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの外面と協働する。ドリブンベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの内面と協働する。ロック装置は、油圧に反応して、ハウジングおよびハブ間の相対運動を防止している。また制御装置が、ハブに対するハウジングの振動を制御している。
【0038】
【特許文献9】
米国特許第6,247,434号
【0039】
米国特許第 6,250,265号は、内燃機関のためのアクチュエータロック機構を備えた可変バルブタイミングシステムを示している。この可変バルブタイミングシステムは、ベーンが固定されたカムシャフトを有しており、ベーンは、カムシャフトとともに回転しかつカムシャフトに対して振動しないようになっている。ベーンは、周方向に延びかつ半径方向外方に延びる複数のローブを有している。
【0040】
ベーンは、各ローブに対応する複数の凹部を有する環状ハウジングによって囲繞されており、各ローブは、対応する各凹部に受け入れられている。ハウジングがカムシャフトおよびベーンとともに回転しているときにベーンおよびカムシャフトに対するハウジングの振動を許容するように、各凹部は、ローブの周方向長さよりも長い周方向長さを有している。
【0041】
ベーンおよびカムシャフトに対するハウジングの振動は、ローブの対向側の各凹部内の加圧エンジンオイルによって励起されている。好ましくは、凹部内の油圧は、運転中のカムシャフトの回転時に、カムシャフトのトルクパルスから一部引き出されている。環状ロックプレートは、カムシャフトおよび環状ハウジングと同芯に配置されている。
【0042】
また、環状ロックプレートは、ロックプレートが環状ハウジングと係合してベーンに対する周方向の動きを防止する第1の位置と、ベーンに対する環状ハウジングの周方向の動きを許容する第2の位置との間で、カムシャフトの長手方向の中心軸に沿って環状ハウジングに対して移動可能になっている。ロックプレートは、第1の位置に向かってスプリングにより付勢されるとともに、エンジンオイル圧により、第1の位置から離れて第2の位置に向かって押圧される。
【0043】
ロックプレートは、エンジンオイル圧がスプリングの付勢力に打ち勝つほど十分に高いときに、これは環状ハウジングおよびベーンの相対位置を変化させるように要求される唯一のときであるが、カムシャフトを挿通する流路によって第2の位置にさらされる。
【0044】
【特許文献10】
米国特許第6,250,265号
【0045】
米国特許第 6,263,846号は、ベーン型可変カムシャフトタイミングシステムのための制御バルブを示している。この制御バルブは、カムシャフトおよびこれに固定されてカムシャフトとともに回転するハブを有する内燃機関を含んでいる。また、ハウジングがハブを囲繞しており、ハウジングは、ハブおよびカムシャフトとともに回転可能であり、ハブおよびカムシャフトに対して振動可能になっている。
【0046】
ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向内方に配置されており、ハブとともに協働する。ドリブンベーンは、ハウジングと協働するようにハブ内において半径方向外方に配置されている。また、ドリブンベーンは、アドバンスチャンバおよびリタードチャンバを周方向に交互に限定するように、ドライブベーンと周方向に交互に配置されている。
【0047】
ハブに対するハウジングの振動を制御するための構成は、電子エンジン制御ユニットと、電子エンジン制御ユニットに反応してアドバンスチャンバに対するエンジンオイル圧を調整するアドバンス制御バルブとを有している。
【0048】
電子エンジン制御ユニットに反応するリタード制御バルブは、リタードチャンバに対してエンジンオイル圧を調整する。アドバンス通路は、アドバンス制御バルブおよびアドバンスチャンバ間でエンジンオイル圧を伝達する。リタード通路は、リタード制御バルブおよびリタードチャンバ間でエンジンオイル圧を伝達する。
【0049】
【特許文献11】
米国特許第6,263,846号
【0050】
米国特許第 6,311,655号は、ベーン取付けのロックピストン装置を有する多数位置可変カムタイミングシステムを示している。カムシャフトおよび可変カムシャフトタイミングシステムを有する内燃機関において、ロータはカムシャフトに固定されるとともに、カムシャフトに対して回転可能でかつ振動しないように構成されている。
【0051】
ハウジングは、ロータを囲繞するとともに、ロータおよびカムシャフトの双方に対して回転可能になっており、さらに、最リタード位置および最アドバンス位置間においてロータおよびカムシャフトの双方に対して振動可能になっている。
【0052】
ロック装置は、ロータまたはハウジングのいずれか一方の内部に設けられるとともに、最リタード位置、最アドバンス位置およびこれらの間の位置において、ロータまたはハウジングのいずれか他方に係脱可能に係合しており、ロータおよびハウジング間の相対運動を防止している。
【0053】
ロック装置は、ロータをハウジングに固定するために、キーとその逆側に設けられたセレーションとを備えたロックピストンを有している。制御装置は、ハウジングに対するロータの振動を制御する。
【0054】
【特許文献12】
米国特許第6,311,655号
【0055】
米国特許第 6,374,787号は、エンジンオイル圧によって駆動される多数位置可変カムシャフトタイミングシステムを示している。ハブがカムシャフトに同期して回転するようにカムシャフトに固定されている。ハウジングは、ハブを囲繞しており、ハブおよびカムシャフトとともに回転するとともに、所定の回転角の範囲内でハブおよびカムシャフトに対して振動するようになっている。
【0056】
ドライブベーンは、ハウジング内において半径方向に配置されており、ハブの外面と協働している。ドリブンベーンは、ハブ内において半径方向に配置されており、ハウジングの内面と協働している。油圧に反応するロック装置は、ハウジングおよびハブ間の相対運動を防止している。制御装置は、ハブに対するハウジングの振動を制御している。
【0057】
【特許文献13】
米国特許第6,374,787号
【0058】
可変カムシャフトタイミング機構がベーンまたはハウジングに取り付けられることが一般的になってきている。作動流体チャンバは、カムシャフトに取り付けられたロータの一つまたは複数のベーンを、カムスプロケットに取り付けられたハウジングのキャビティに押し込むことによって形成されている。ハウジング内のポケット部またはキャビティの周方向長さは、スプロケットまたはハウジングに対するカムシャフトの相対的位相距離を決定する。
【0059】
位相制御は、たとえばオイルのような作動流体を一方のチャンバから排出する一方、それと同時に他方のチャンバを満たすことによって、達成される。これにより、可変カムシャフトタイミング機構が位相位置のクランクシャフトに対してカムシャフトを移動させる。カムシャフトの位相変化の速度は、一つには、排出液圧チャンバからいかに速くオイルを排出できるかによって決定される。
【0060】
VCTのロータが、ハウジングのキャビティによって限定された移動ストロークの一端に到達すると、ロータはハウジングと衝突して、不快なノイズを発生させる。このように、位相器において、移動ストロークの端部におけるノイズを低減させるとともに、カムシャフトの位相位置において適切な位相変化の速度を維持する必要がある。
【0061】
このように本発明は、ロータ回転時にロータの移動ストローク端部において不快なノイズが発生するのを防止できる位相器を提供することを目的とする。
【0062】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る液圧クッション機構を有する可変カムタイミング位相器は、弧状の外側壁部、第1の側壁部および第2の側壁部によって限定された少なくとも一つのキャビティを有するハウジングと、ハウジングに対して移動自在に設けられたロータとを備えている。ロータは、ハブと、キャビティに対応して設けられ、ハブの基部からキャビティの外側壁部まで延びるとともに、キャビティを第1、第2のチャンバに区画する少なくとも一つのベーンと、第1のチャンバ内の第1のポートと流体連絡する第1の通路と、第2のチャンバ内の第2のポートと流体連絡する第2の通路と、ベーン)内にその一部が配置され、第1、第2のチャンバへの流体の流れを許容する隔間配置の導入路とを備えている。ベーンがキャビティ内を第1の側壁部または第2の側壁部に向かって回転するとき、ベーンが第1の側壁部または第2の側壁部と接触する前に、キャビティから第1のポートまたは第2のポートを通る流体の流れをハウジングが遮断することにより、第1の側壁部または第2の側壁部へのベーンの衝突が、ベーンおよび第1、第2の側壁部の流体によって緩和されるように、各ポートがベーンの基部から離れて配置されている。第1の通路および第2の通路は、流出流体の流れのためにのみ用いられている。
【0063】
請求項2の発明に係る液圧クッション機構を有する位相器の製作方法は、弧状の外側壁部、第1の側壁部および第2の側壁部によって限定された少なくとも一つのキャビティを有するハウジングを提供する工程と、ハウジングに対して移動自在に設けられたロータを提供する工程とを備えている。ロータは、ハブと、各キャビティに対応して配置され、ハブの基部からキャビティの外側壁部まで延びるとともに、キャビティを第1、第2のチャンバに区画する少なくとも一つのベーンと、第1のチャンバ内の第1のポートに流体連絡する第1の通路と、第2のチャンバ内の第2のポートに流体連絡する第2の通路と、ベーン内にその一部が配置され、第1、第2のチャンバへの流体の流れを許容する隔間配置の導入路とを備えている。第1、第2の通路は、流体を第1のチャンバから流出させる第1のポートと、流体を第2のチャンバから流出させる第2のポートとを有している。ベーンがキャビティ内を第1の側壁部または第2の側壁部に向かって回転するとき、ベーンが第1の側壁部または第2の側壁部と接触する前に、キャビティから第1のポートまたは第2のポートを通る流体の流れをハウジングが遮断することにより、第1の側壁部または第2の側壁部へのベーンの衝突が、ベーンおよび第1、第2の側壁部の流体によって緩和されるように、各ポートがベーンの基部から離れて配置されている。第1の通路および第2の通路は、流出流体の流れのためにのみ用いられている。
【0064】
〔発明の概要〕
本発明においては、ロータの移動ストロークの端部においてノイズを低減させるベーン型位相器が提供されている。
【0065】
ロータの移動ストロークの端部においてノイズを低減させるとともに、位相変化の適切な速度を維持するベーン型位相器が提供されている。
【0066】
通常は内部の流体が液圧チャンバから移動することを許容し、これにより、VCTシステムの駆動速度を制限しないようにすることにより、ロータの移動ストロークの端部においてノイズを低減させるベーン型位相器が提供されている。
【0067】
ロータの移動ストロークの端部においてノイズを低減させるとともに、導入流体およびその排出ポートが分離されているベーン型位相器が提供されている。
【0068】
液圧クッション機構を有する位相器が提供されている。位相器は、少なくとも一つのキャビティを有するハウジングと、ハウジングに対して移動するように配置されたロータとを備えている。ロータは、各キャビティに少なくとも一つのベーンを有している。
【0069】
各ベーンは、ロータの延長部であって、キャビティ内で振動(つまり周方向移動)するように配置されるとともに、キャビティを第1および第2のチャンバに分割している。またロータは、第1および第2のチャンバ間での流体連絡を容易にする少なくとも一つの流路を有している。
【0070】
流路は、第1のチャンバに対して流体を導入および導出を行うための第1のポートと、第2のチャンバに対して流体を導入および導出を行うための第2のポートとを有している。さらにロータは、第1の終端点および第2の終端点により限定された少なくとも一つの距離を有している。
【0071】
第1の終端点は、ロータのみならずベーンの直近近傍に配置されている。第2の終端点は、ロータに対してのみ直近近傍に配置されるとともに、第1のポートの直近近傍に配置されている。
【0072】
液圧クッション機構を有する位相器が提供されている。位相器は、少なくとも一つのキャビティを有するハウジングと、ハウジングに対して移動するように配置されたロータとを備えている。ロータは、各キャビティに少なくとも一つのベーンを有している。各ベーンは、ロータの延長部であって、キャビティ内で振動(つまり周方向移動)するように配置されるとともに、キャビティを第1および第2のチャンバに分割している。
【0073】
またロータは、第1および第2のチャンバ間での流体連絡を容易にする少なくとも一つの流路を有している。流路は、第1のチャンバからの流体の導出を行うための第1のポートと、第2のチャンバからの流体の導出を行うための第2のポートとを有している。さらにロータは、第1の終端点および第2の終端点により限定された少なくとも一つの距離を有している。
【0074】
第1の終端点は、ロータのみならずベーンの直近近傍に配置されている。第2の終端点は、ロータに対してのみ直近近傍に配置されるとともに、第1のポートの直近近傍に配置されている。第2の終端点は、第1のポートの直近近傍に配置されている。
【0075】
またロータは、第1のチャンバへの流体の流入を許容するように、その一部がベーン内部に配置されかつ隔てられた導入通路を有している。第2のチャンバは、導入通路から第1または第2のチャンバへの流体の流入を許容しており、これにより、少なくとも一つの流路が流出流体のためにのみ使用されている。
【0076】
液圧クッション機構を有する位相器を製作するための方法が提供されている。この方法は、少なくとも一つのキャビティを有するハウジングを提供する工程と、ハウジングに対して移動するように配置されたロータを提供する工程とを備えている。ロータは、各キャビティに少なくとも一つのベーンを有している。
【0077】
各ベーンは、ロータの延長部であって、キャビティ内で振動(つまり周方向移動)するように配置されるとともに、キャビティを第1および第2のチャンバに分割している。またロータは、第1および第2のチャンバ間での流体連絡を容易にする少なくとも一つの流路を有している。流路は、第1のチャンバからの流体の導出を行うための第1のポートと、第2のチャンバからの流体の導出を行うための第2のポートとを有している。
【0078】
さらにロータは、第1の終端点および第2の終端点により限定された少なくとも一つの距離を有している。第1の終端点は、ロータのみならずベーンの直近近傍に配置されている。第2の終端点は、ロータに対してのみ直近近傍に配置されるとともに、第1のポートの直近近傍に配置されている。第2の終端点は、第1のポートの直近近傍に配置されている。
【0079】
またロータは、第1のチャンバに通じるように、その一部がベーン内部に配置されかつ隔てられた導入通路を有している。第2のチャンバは、導入通路からの第1または第2のチャンバへの流体の流入を許容しており、これにより、少なくとも一つの流路が流出流体のためにのみ使用されている。
【0080】
本発明およびその目的をさらに理解するためには、図面、図面の簡単な説明、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明および特許請求の範囲に注意が向けられるべきである。
【0081】
【発明の実施の形態】
図1において、ベーン型VCT(variable camshaft timing) 位相器は、ハウジング1を有している。ハウジング1の外周は、タイミングチェーン9と噛み合ってタイミングチェーン9により駆動されるスプロケット歯8を有している。ハウジング1の内部には、流体チャンバ6,7を含むキャビティが限定されている。
【0082】
ハウジング1の内部に同芯に配置されかつハウジング1に対して回転自在になっているのは、チャンバ6,7間に配置されたベーン5を有するロータ2と、流路12,13を介してそれぞれチャンバ6,7に加圧流体を送出する中央の制御バルブ4である。バルブ4によって流路12に導入された加圧流体は、ハウジング1に対してベーン5を反時計回りに押して、チャンバ6から流出したオイルを流路13およびバルブ4に送る。
【0083】
本明細書中の記述が一般のベーン位相器に共通したものであり、図1に示されたベーン、チャンバ、流路およびバルブの特定の配置が本発明の教示の範囲内で変更され得るということが、当該分野の当業者には理解されるだろう。たとえば、ベーンの数および配置は変更可能である。位相器の中には、ただ一つのベーンしか有していないものもあれば、12個ものベーンを有しているものもある。
【0084】
またベーンは、ハウジング上に配置されて、チャンバ内においてロータ上で往復動するようにしてもよい。ハウジングは、チェーン、ベルトまたはギヤによって駆動され、ハウジングの外周には、図示されたようなスプロケット歯の他に、ベルトと係合する歯付プーリまたはギヤ歯を形成するようにしてもよい。
【0085】
図2には、本発明の位相器において、チャンバ6,7への流路12,13の詳細が示されている。同図(a)に示すように、ベーン5は、第1の側およびこれに対向する第2の側にそれぞれ第1の壁部15および第2の壁部14を有している。
【0086】
ベーン5が、チャンバ6,7を形成するキャビティ内で振動(つまり周方向移動)するとき、ベーン5の運動は、ハウジング1の物理的な制限部分によって停止させられる。すなわち、ベーン5の運動に対する物理的な制限部分は、流体チャンバ6内の第1のチャンバ壁部16とこれに対向する流体チャンバ7内の第2のチャンバ壁部18である。
【0087】
本願明細書の従来技術の項で説明したように、ベーン5がハウジング1と接触するとき、不快なノイズが発生する。すなわち、ベーン5の第2の壁部14が第2のチャンバ壁部18によって停止させられるとき、ノイズが発生し、同様に、ベーン5の第1の壁部15が第1のチャンバ壁部16によって停止させられるとき、ノイズが発生する。
【0088】
本発明は、ハウジング1のキャビティ内においてベーン5の衝突運動を遅らせる構造物を採用している。この構造物は、ベーン5の両側においてロータ2の流路12,13の各開口端との間に第1の距離20および第2の距離22を導入することを含んでいる。
【0089】
第1の距離20は、第1の終端点20aおよび第2の終端点20bという二つの終端点によって限定されている。同様に、第2の距離22は、第1の終端点22aおよび第2の終端点22bという二つの終端点によって限定されている。ベーン5がロータ2の延長部であることにより、第1の終端点20a,22aは、いずれもベーン5およびロータ2の内部に配置されているとみなすことができる。
【0090】
言い換えれば、第1の終端点20a,22aの付近または直近近傍の範囲内において、ベーン5上に限定された少なくとも一つの点と、ロータ2上に限定された少なくとも一つの点とが存在している。
【0091】
第2の終端点20b,22bは、ロータ2の側にのみ配置されており、ベーン5からは隔てられている。さらに、第2の終端点20b,22bは、ハウジング1のキャビティで流路12,13が終端となる位置において、流路12,13の各開口端または各ポートをそれぞれ終端としている。
【0092】
第1および第2の距離20,22の長さは、設計上の選択により適宜決定される。第1、第2の距離20,22の長さおよび形状は、互いに同一であってもまた異なっていてもよい。しかしながら、第1、第2の距離20,22は、ロータ2の一部としてハウジング1のキャビティ部分を通過して回転しなければならないという一つの制限事項を満足する必要がある。
【0093】
図2の例では、第1、第2の距離20,22は、ロータ2の外周の円弧または弦になっている。また、第2の終端点20bは、第1のチャンバ壁部16を通って回転する必要がある。
【0094】
図2(b)には、流体チャンバ6内の流体が排出される様子が示されている。矢印24は、ハウジング1に対するロータ2の回転方向を示している。チャンバ6内の流体は、通常はチャンバ6から排出されるが、通常の位相調整運転時には、同時にチャンバ7内に流入する。通常の位相運転中にロータ2がその移動ストロークの端部近傍に接近するまでは、VCTの駆動速度が邪魔されないように、流体が流れる。
【0095】
そして、ロータ2がその移動ストロークの端部近傍に接近したとき、第2の終端点20b近傍の排出ポートにおける流体26の流れは、ロータ2およびハウジング1間で限定される狭いクリアランスによって、制限される。
【0096】
これにより、ロータ2およびハウジング1間の相対移動つまり相対回転は、徐々に減速される。そして、ロータ2がついに停止端に到達し、このようにして、ロータ2がハウジング1に衝突する際の衝突エネルギが減少させられる。
【0097】
本発明が、カムトルク駆動(CTA: cam torque actuated)型または油圧駆動(OPA: oil pressure actuated)型の機構を含む任意のタイプのVCT機構への適用を意図しているということが注目されるべきである。
【0098】
通常の位相調整運転が、ハウジングのキャビティ内において通路が満たされているときのカムシャフトの位相変化速度として定義されるということがさらに注目されるべきである。
【0099】
図3には、本発明の他の実施態様が示されている。同図に示すように、互いに隔てられた一対の導入ライン28,30が設けられており、各導入ライン28,30は、互いに隔てられた排出ポートとしての流路12,13とチェックバルブ32とをそれぞれ有している。
【0100】
この構成から分かるように、当該VCTシステムの位相器は、チャンバ6,7および排出ポート12,13を満たすために供給される流量に制限がなく、これにより、ロータ2の速度がそのストローク端において規制されるようになっている。ハウジングのキャビティの物理的限界による機械的停止端にベーン5が接近するにつれて、速度ひいては衝突エネルギを抑制しつつ、あらゆる方向においてVCTの良好な応答性が得られることになる。
【0101】
上述したように、カムシャフトの位相変化の速度は、一つには、他方の対向チャンバからいかに速く流体が排出できるかによって決定される。これまでのVCTのロータは、ハウジングによって定まるロータストローク端(停止端)に到達すると、ハウジングに衝突して不快なノイズを発生させていた。
【0102】
これに対して、本発明では、通常は流体が液圧チャンバから排出するのを許容しており、このため、通常の位相調整時にはロータがそのストローク端に接近するまでVCTの駆動速度が制限されない。ロータ2がストローク端に接近すると、ハウジングのキャビティの各端に第1および第2の距離20,22を設けたことにより、排出ポートがロータ2およびハウジング1間の狭いクリアランスによって制限される。
【0103】
通常の流体の流れを容易にするために、排出チャンバを出て導入チャンバに向かう不十分な流体の流れにおいて顕在化する可能性がある欠点を導入ライン28,30が補う。この導入ライン28,30がなければ、ロータ2のストローク時間の終期までに流体が十分に排出されないだろう。
【0104】
本発明の場合には、他方の対向チャンバ内の流量が増加していることにより、ベーンは依然として移動中である。このような流量増加により、対向チャンバが位相器周囲の空気のような望ましくない要素を引き出すことができる。
【0105】
上述した構造物の改良点は、図2(b)に示すように、各液圧チャンバの導入流体および排出ポートを分離することであろう。ロータ2が一旦そのストローク端に到達すると、ロータ2は排出チャンバを出る流体を制限するのみならず、導入チャンバに入る流体をも制限し、これにより、逆方向へのVCT機構の駆動に遅延を生じさせることになるだろう。
【0106】
しかしながら、図3に示すように、導入ライン28,30にチェックバルブ32が設けられ、排出ポートが使用されるのであれば、VCTはロータのストローク端の近傍でロータの速度を制限していた排出ポートおよびチャンバを満たすのに制限なく流体を供給する。このことは、ロータが機械的停止端に接近する際にロータの速度および衝突エネルギを抑制しつつあらゆる位相方向においてVCTに良好な応答性を与えることになるだろう。
【0107】
たとえば、図3において、流体が流路13を通ってチャンバ6から排出されているとき、本発明の構造により、ベーン5のストローク端において、流体の流速が減少する。このとき、チャンバ7は、依然として、適切な速度の十分な流量で満たされる必要がある。
【0108】
もし流速が閾値よりも低ければ、周囲のエアがチャンバ7内に流入することを含む好ましくない影響が生じる。導入ライン30の採用は、十分な流速を導入してチャンバ7内に十分な流体の流れを確保することによって、上記好ましくない影響を含む問題を解決している。ベーンの逆側のストローク端においても同様のことが発生する。
【0109】
ここでは、位相器の一部のみが示されているということが注目されるべきである。位相器は、図2(a),(b)または図3に示したものと同様の一つ以上の構造物を有していてもよい。たとえば、位相器は、ロータ2、制御バルブ4またはスプロケット歯8と同様の構造を有していてもよい。
【0110】
図4は、本発明のVCTシステムの一部を示す概略図である。同図には、零位置が示されている。ソレノイド120は、スプールバルブ114と係合しており、スプールバルブ114の第1の端部29に右向きの第1の力を作用させている。
【0111】
この第1の力は、スプールバルブ114の第2の端部17にスプリング21により作用する左向きの力と釣り合っており、これにより、零位置が維持されている。スプールバルブ114は、流体の流れを阻止するための第1および第2のブロック部19,23を有している。
【0112】
位相器542は、ベーン558と、ベーン558によりアドバンスチャンバAおよびリタードチャンバRに区画されたハウジング57とを有している。ハウジング57およびベーン558は、図示しないクランクシャフトおよびカムシャフトにそれぞれ連結されている。アドバンスチャンバAおよびリタードチャンバR内の流量を調整することによって、ベーン558は位相器のハウジングに対して移動するように許容されている。
【0113】
ベーン558をリタード側に移動させるのが望ましい場合には、チャンバA内の流体が流路40から流路180を通って流出するように、ソレノイド120がスプールバルブ114を押圧してスプールバルブ114を元の零位置からさらに右方に移動させる。
【0114】
ブロック部19がさらに右方に移動することにより、チャンバAから流出した流体がさらに流れて外側排出口(図示せず)と流体連絡する。それと同時に、流体源からの流体は、流路51を通り、一方向バルブ150を介して流路70と一方向に流体連絡している。
【0115】
これにより、流路50を介してチャンバRに流体が供給される。この状態は、ブロック部23がさらに右方に移動することによって生じる。所望のベーン位置が得られれば、スプールバルブは、左方に移動して零位置に戻るように制御される。これにより、クランクシャフトおよびカムシャフトの新たな位相関係が維持される。
【0116】
図5には、本発明に適用可能なカムトルク駆動(CTA)型のVCTシステムが示されている。このCTA型VCTシステムは、ベーン942を移動させるのに、エンジンバルブを開閉する力によって生じるカムシャフトのトルク逆転現象を利用している。
【0117】
制御バルブは、アドバンスチャンバ92からリタードチャンバ93への流体の流れまたはその逆方向への流体の流れを許容しており、これにより、ベーン942を移動させまたは流体の流れを停止させて、ベーン942を所定位置にロックしている。このCTA位相器はまた、漏れによる損失を補填するためにオイル導入源913を有しているが、位相器を移動させるのにエンジンオイル圧を使用してはいない。
【0118】
このCTA型位相器システムの運転の詳細は以下のとおりである。
図5は、スプールバルブ140がアドバンス端98およびリタード端910の双方において流体の循環を停止していることにより、理想的には何ら流体の流れが生じていない零位置を示している。カム位相関係を変更するように要求されたとき、ベーン942は移動を開始する。
【0119】
スプールバルブ140と係合しているソレノイド920は、スプールバルブ140を零位置から離れる側に移動するように制御し、これにより、システムのオイル循環路内で流体を循環させる。システム内の流体の循環は、理想的には、オイル導入源913から流入する流体を用いることなく、局所的な流体のみを使用している。
【0120】
しかしながら、通常の運転中には、いくらか流体の漏れが生じるので、一方向バルブ914を介してオイル導入源913から流体を補充する必要がある。この場合、補充される流体はエンジンオイルであり、オイル導入源913は、オイルパンである。
【0121】
CTA型位相器システムの運転動作には、二つのシナリオがある。第1のシナリオは、アドバンス型シナリオであって、この場合には、アドバンスチャンバ92が零位置におけるよりも多くの流体で満たされる必要がある。言い換えれば、チャンバ92の大きさまたは容量が増加している。このアドバンス型シナリオは、以下のようにして達成される。
【0122】
スプールバルブ140の左端部919がアドバンス端98において依然として流体の流れを停止させるように、ソレノイド920がスプールバルブ140を押圧して右方に移動させる。このとき、スプールバルブ140の右端部917が右方に移動して、リタード端910を流路99と流体連絡させる。
【0123】
カムシャフトに発生する固有のトルク逆転現象のために、リタードチャンバ93から排出した流体は、一方向バルブ96および流路94を介して、そのままアドバンスチャンバ92に流入する。
【0124】
同様に、リタード型シナリオである第2のシナリオにおいては、リタードチャンバ93が零位置におけるよりも多くの流体で満たされる必要がある。言い換えれば、チャンバ93の大きさまたは容量が増加している。リタード型シナリオは、以下のようにして達成される。
【0125】
ソレノイド920は、弾性部材921がスプールバルブ140を左方に移動できるように、スプールバルブ140への押付力を減少させる。スプールバルブ140の右端部917は、リタード端910において、流体の流れを停止させる。
【0126】
このとき、スプールバルブ140の左端部919が左方に移動して、アドバンス端98を流路99と流体連絡させる。カムシャフトに発生する固有のトルク逆転現象のために、アドバンスチャンバ92から排出した流体は、一方向バルブ97および流路95を介して、そのままリタードチャンバ93に流入する。
【0127】
このCTAカム位相器においては、位相器内のチャンバ92,93間でオイルを再循環させる駆動力として、固有のカムトルクエネルギが用いられている。変化するカムトルクは、カムシャフトの回転時に、カムシャフトのカムが各バルブスプリングを交互に圧縮して開放することにより生じている。
【0128】
図4および図5が、本発明に適したVCTシステムの異なるタイプを示すために用いられているということが注目されるべきである。これらの図では、いくつかの構造は詳細には示されていない。詳細な構造については、図2および図3を参照にすべきである。
【0129】
以下の事項は、本発明に関連する用語および概念である。
上記流体が作動流体であるということが注目されるべきである。作動流体は、ベーン位相器内でベーンを移動させる流体のことである。典型的には、作動流体はエンジンオイルを含んでいるが、これとは別個の作動流体であってもよい。本発明のVCTシステムは、カムトルク駆動(CTA)VCTシステムである。
【0130】
VCTシステムは、ベーンを移動させるのにエンジンバルブを開閉させる力によって生じるカムシャフト内のトルク逆転現象を使用している。CTAシステム内の制御バルブは、アドバンスチャンバからリタードチャンバへの流体の流れを許容しており、これにより、ベーンの移動を許容しまたは流体の流れを停止させて、ベーンを所定位置にロックしている。
【0131】
CTA位相器はまた、漏れによる損失を補填するためにオイル導入口を有しているが、位相器を移動させるのにエンジンオイル圧を使用してはいない。ベーンは、チャンバ内に収容されるとともに、作動流体が作用する半径方向の部材である。ベーン位相器は、チャンバ内で移動するベーンによって駆動される位相器である。
【0132】
エンジンには、一つまたはそれ以上のカムシャフトがある。カムシャフトは、ベルト、チェーン、ギヤまたは他のカムシャフトにより駆動される。カムシャフト上には、バルブを押圧するローブが設けられている。
【0133】
多数本のカムシャフトを有するエンジンにおいては、大抵の場合、エグゾーストバルブ用に1本のシャフトが設けられ、インテークバルブ用に1本のシャフトが設けられている。V型エンジンは、通常、各バンクに1本ずつ2本のカムシャフトを有しているか、または各バンクにインテークバルブ用およびエグゾーストバルブ用の4本のカムシャフトを有している。
【0134】
チャンバは、ベーンが回転する空間領域として定義されている。チャンバは、クランクシャフトに対してバルブを速く開放させるアドバンスチャンバと、クランクシャフトに対してバルブを遅く開放させるリタードチャンバとに分割されている。チェックバルブは、ただ一つの方向のみの流体の流れを許容するバルブとして定義されている。
【0135】
クローズドループは、一つの特性を他の特性に反応させて変化させるとともに、その変化が正しくなされたかどうかチェックして、所望の結果が得られるように作用を調整する制御システムとして定義されている。たとえば、ECUからの命令に反応して位相器位置を変化させるバルブを移動させ、実際の位相器位置をチェックして、バルブを再度正規の位置に移動させる。
【0136】
制御バルブは、位相器への流体の流れを制御するバルブである。制御バルブは、油圧またはソレノイドによって駆動される。クランクシャフトは、ピストンからの動力により、トランスミッションおよびカムシャフトを駆動する。
【0137】
スプールバルブは、スプール型の制御バルブとして定義されている。典型的には、スプールは穴内に配置されて、一方の通路を他方の通路に連絡している。スプールは、大抵の場合、位相器のロータの中心軸に配置されている。
【0138】
差圧制御システム(DPCS: differential pressure control system)は、スプールの各端部への作動流体圧を利用して、スプールバルブを移動させるシステムである。スプールの一端は他端よりも大きくなっており、一端に作用する流体は通常は油圧制御のPWMバルブによって制御され、全供給圧はスプールの他端に供給されており、これにより、差圧が生じている。
【0139】
バルブ制御ユニット(VCU: valve control unit)は、VCTシステムを制御するための制御回路である。典型的には、VCUは、ECUからの命令に反応して作動する。
【0140】
ドリブンシャフトは、VCT内において動力を受ける任意のシャフトであり、大抵の場合、カムシャフトである。ドライブシャフトは、VCT内において動力を供給する任意のシャフトであり、大抵の場合はクランクシャフトであるが、一方のカムシャフトに対する他方の駆動カムシャフトの場合もある。
【0141】
ECUは、車載コンピュータであるエンジン制御ユニットである。エンジンオイルは、エンジンを潤滑するのに使用されるオイルであり、制御バルブを介して位相器を駆動するのに圧力を作用させている。
【0142】
ハウジングは、チャンバを備えた位相器の外側部分として定義されている。ハウジングの外側部分は、タイミングベルト用のプーリ、タイミングチェーン用のスプロケットまたはタイミングギヤ用のギヤである。作動流体は、ブレーキオイルやパワーステアリングオイルと同様に、液圧シリンダに使用される任意のオイルである。なお、作動流体は、必ずしもエンジンオイルと同じでなくてもよい。
【0143】
ロックピンは、位相器を所定位置にロックするように配置されている。ロックピンは、エンジン始動時や停止時のように、油圧が低すぎて位相器を保持できない場合に通常用いられる。
【0144】
OPA型のVCTシステムは、ベーンを移動させるのにエンジンオイル圧をベーンの一方の側または他方の側に作用させる一般的な位相器を使用している。
【0145】
オープンループは、作用を確認するフィードバックを行うことなく、一つの特性を他方の特性に反応して変化させる(たとえば、ECUからの命令信号に反応してバルブを移動させる)制御システム内で用いられている。
【0146】
位相は、カムシャフトおよびクランクシャフト間(または、位相器が他方のカムによって駆動される場合にはカムシャフト間)の相対的角度位置として定義されている。位相器は、カムに据え付けられる全体の部分として定義されている。
【0147】
位相器は、典型的には、ロータおよびハウジング、さらにはスプールバルブおよびチェックバルブから構成されている。ピストン位相器は、内燃機関のシリンダ内のピストンによって駆動される位相器である。ロータは、カムシャフトに装着された、位相器の内側部分である。
【0148】
PWMは、電圧または流体圧のオン・オフパルスのタイミングを変化させることによって、変化する力または圧力を提供している。ソレノイドは、機械的アームを移動させるのにコイル内を流れる電流を使用する電気式アクチュエータである。
【0149】
可変力ソレノイド(VFS: variable force solenoid)は、通常は供給電流のPWMによってその駆動力が変化し得るソレノイドである。VFSは、オン・オフソレノイドに対向している。
【0150】
スプロケットは、エンジンタイミングチェーンのようなチェーンとともに使用される部材である。タイミングとは、ピストンが或る限定位置(通常は上死点(TDC))に達する時間と他の事象が起こる時間との間の関係として定義される。
【0151】
たとえば、VCTまたはVVTシステムにおいては、タイミングは通常、バルブが開くまたは閉じるときに関係している。点火時刻は、点火プラグが点火するときに関係している。
【0152】
トーション・アシスト(TA)位相器またはトルク・アシスト位相器は、OPA位相器の変形例であって、オイル供給ラインにチェックバルブを付加しており(つまり、単一のチェックバルブの実施態様)、または各チャンバへの供給ラインにチェックバルブを付加している(つまり、二つのチェックバルブの実施態様)。
【0153】
チェックバルブは、トルク逆転による油圧パルスが油圧システム内に伝搬するのを阻止するとともに、ベーンがトルク逆転により後退するのを停止させる。TAシステムにおいては、前方へのトルク効果によるベーンの動きが許容されている。このため、トーション・アシストという表現が用いられている。ベーンの動きのグラフは、階段状である。
【0154】
VCTシステムは、位相器、制御バルブ、制御バルブアクチュエータおよび制御回路を有している。可変カムタイミング(VCT)は、エンジンのインテークバルブおよび(または)エグゾーストバルブを駆動する一つまたはそれ以上のカムシャフト間の角度関係(位相)を制御しまたは変化させるための方法であって物ではない。角度関係はまた、クランクシャフトがピストンに連結されているところのカムおよびクランクシャフト間の位相関係を含んでいる。
【0155】
可変バルブタイミング(VVT: variable valve timing)は、バルブタイミングを変化させる任意の方法である。VVTはVCTに関連している。VVTは、カムの形状を変えることによって、あるいは、カムに対するカムローブの関係、カムまたはバルブに対するバルブアクチュエータの関係を変えることによって、達成される。
【0156】
またVVTは、電気式または液圧式アクチュエータを使用してバルブを個々に制御することによって、達成される。言い換えれば、すべてのVCTはVVTであるが、VVTがすべてVCTであるというわけではない。
【0157】
本発明が関連する分野の当業者は、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【0158】
それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該技術分野の当業者にとって明らかであろう。
【0159】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る位相器によれば、ハウジング内の第1、第2のチャンバにそれぞれ流体連絡する各流路をロータからそれぞれ所定の距離隔てて配置することにより液圧クッション機構を構成するようにしたので、ロータ回転時にロータがハウジングに衝突することによる不快なノイズの発生を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベーン型のVCT位相器を示している。
【図2】本発明の一実施態様の特徴部分の一つを示しており、(a)はロータが静止している状態を,(b)はロータが回転して流体が流出している状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明の一実施態様の他の特徴部分を示している。
【図4】本発明に適切なVCTシステムを示している。
【図5】本発明に適用可能なカムトルク駆動(CTA)型のVCTシステムを示している。
【符号の説明】
1: ハウジング
2: ロータ
5: ベーン
6: 第1のチャンバ
7: 第2のチャンバ
12: 流路
13: 流路
20: 第1の距離
20a: 第1の終端点
22a: 第1の終端点
22: 第2の距離
20b: 第2の終端点
22b: 第2の終端点

Claims (2)

  1. 液圧クッション機構を有する可変カムタイミング位相器であって、
    a)弧状の外側壁部、第1の側壁部(16)および第2の側壁部(18)によって限定された少なくとも一つのキャビティを有するハウジング1と、
    b)ハウジング(1)に対して移動自在に設けられたロータ(2)とを備え、
    ロータ(2)が
    i)ハブと、
    ii)キャビティに対応して設けられ、ハブの基部からキャビティの外側壁部まで延びるとともに、キャビティを第1のチャンバ(6)および第2のチャンバ(7)に区画する少なくとも一つのベーン(5)と、
    iii)第1のチャンバ内の第1のポートと流体連絡する第1の通路と、第2のチャンバ内の第2のポートと流体連絡する第2の通路とを備え、
    ベーンがキャビティ内を第1の側壁部または第2の側壁部に向かって回転するとき、ベーンが第1の側壁部または第2の側壁部と接触する前に、キャビティから第1のポートまたは第2のポートを通る流体の流れをハウジングが遮断することにより、第1の側壁部または第2の側壁部へのベーンの衝突が、ベーンおよび第1、第2の側壁部の流体によって緩和されるように、各ポートがベーンの基部から離れて配置されており、
    iv)ベーン(5)内にその一部が配置され、第1、第2のチャンバ(6,7)への流体の流れを許容する隔間配置の導入路(28,30)を備え、これにより、第1の通路(13)および第2の通路(12)が流出流体の流れのためにのみ用いられている、
    ことを特徴とする可変カムタイミング位相器。
  2. 液圧クッション機構を有する位相器を製作する方法であって、
    a)弧状の外側壁部、第1の側壁部(16)および第2の側壁部(18)によって限定された少なくとも一つのキャビティを有するハウジング(1)を提供する工程と、
    b)ハウジング(1)に対して移動自在に設けられたロータ(2)を提供する工程とを備え、
    ロータ(2)が
    i)ハブと、
    ii)各キャビティに対応して配置され、ハブの基部からキャビティの外側壁部まで延びるとともに、キャビティを第1のチャンバ(6)および第2のチャンバ(7)に区画する少なくとも一つのベーン(5)と、
    iii)第1のチャンバ(6)内の第1のポートに流体連絡する第1の通路(13)と、第2のチャンバ(7)内の第2のポートに流体連絡する第2の通路(12)とを備え、
    第1、第2の通路(12,13)が、流体を第1のチャンバ(6)から流出させる第1のポートと、流体を第2のチャンバ(7)から流出させる第2のポートとを有しており、
    ベーンがキャビティ内を第1の側壁部または第2の側壁部に向かって回転するとき、ベーンが第1の側壁部または第2の側壁部と接触する前に、キャビティから第1のポートまたは第2のポートを通る流体の流れをハウジングが遮断することにより、第1の側壁部または第2の側壁部へのベーンの衝突が、ベーンおよび第1、第2の側壁部の流体によって緩和されるように、各ポートがベーンの基部から離れて配置されており、
    iv)ベーン(5)内にその一部が配置され、第1、第2のチャンバ(6,7)への流体の流れを許容する隔間配置の導入路(28,30)を備え、これにより、第1の通路(13)および第2の通路(12)が流出流体の流れのためにのみ用いられている、
    ことを特徴とする位相器の製作方法。
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