JP2019132200A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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雄介 久枝
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丈雄 朝日
一生 上田
Kazuo Ueda
一生 上田
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Abstract

【課題】内燃機関の回転数に基づき駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相を比較的大きい範囲で設定し得る弁開閉時期制御装置を構成する。【解決手段】カムシャフトの回転数に応じて遠心力の作用で変位するスプール41を有する制御バルブVを備えている。スプール41が遠心力の作用で進角制御領域W2にある際に遅角室Cbの流体を進角室Caに流す進角作動流路52aと、スプール41が遅角制御領域W3にある際に進角室Caの流体を遅角室Cbに流す遅角作動流路53aとを備えた。【選択図】図6

Description

本発明は、駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相が制御可能に構成された弁開閉時期制御装置に関する。
特許文献1には、エンジン(内燃機関)のカムシャフトの端部に対し、内燃機関の駆動力で回転する従動部材(駆動側回転体)と、カムシャフトと一体回転するガイド部材(従動側回転体)と、遠心ウェイトとで成る動弁装置(弁開閉時期制御装置)の技術が記載されている。
この特許文献1では、従動部材に対し所定姿勢の複数のガイド溝を形成し、ガイド部材に対し径方向に沿う姿勢の複数のガイド溝を形成し、これらの溝に遠心ウェイトとしてのボールを嵌め込んだ構成を有している。この構成から内燃機関の回転数が変化した場合には、遠心ウェイトの位置が溝に沿って径方向で変化し、この変化に対応してガイド部材と従動部材との相対回転位相を変位させてバルブタイミングの変更を実現している。
特開2016−17516号公報
特許文献1の技術では、内燃機関の回転数に対応して機械的な作動だけで駆動側回転体と従動側回転体のとの相対回転位相(バルブタイミング)を設定できるため、例えば、相対回転位相を作動油によって設定するものと比較すると、作動油を給排する制御バルブが不要となり、制御バルブを制御する制御装置や、相対回転位相を検知するセンサも不要となる。このように、特許文献1の技術は構成の簡素化を実現している。
しかしながら、この特許文献1の構成では作動油等の流体を必要としない反面、ボールで成る遠心ウェイトの変位に基づいて相対回転位相を機械的に変位させるため、相対回転位相の変位角を大きくできないものであった。
つまり、相対回転位相(バルブタイミング)の設定範囲は、ガイド部材(従動側回転体)と従動部材(駆動側回転体)との各々に形成される2種のガイド溝が作る角度と、径方向でのガイド溝の溝長で決まる。回転位相の変位を円滑に行わせる観点から考えると、2種のガイド溝が作る角度を大きくすることは困難である。また、回転位相の変位を円滑に行わせつつ相対回転位相の変位量を拡大する観点から考えると、装置全体の半径を拡大することになり、装置の大型化を招くことから実現が困難となる。
このような理由から、内燃機関の回転数に基づき駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相を、比較的大きい範囲で設定し得る弁開閉時期制御装置が求められる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の特徴構成は、内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、
前記駆動側回転体の回転軸芯と同軸芯に配置され弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体と、
前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に形成される進角室および遅角室と、
流体圧ポンプからの流体を、前記進角室および前記遅角室に供給する供給流路と、
前記カムシャフトの回転に伴う遠心力で径方向に変位することで複数の制御領域の何れかに設定される制御バルブとを備えると共に、
前記制御バルブが、遠心力の作用により進角制御領域と遅角制御領域とに移動自在なスプールを備え、前記スプールが前記進角制御領域にある際に前記遅角室の流体を前記進角室に流し、前記進角室の流体を前記遅角室に流さない進角作動流路と、前記スプールが前記遅角制御領域にある際に前記進角室の流体を前記遅角室に流し、前記遅角室の流体を前記進角室に流さない遅角作動流路とを備えている点にある。
この特徴構成によると、カムシャフトの回転に伴う遠心力の作用でスプールが進角制御領域に設定された場合には、進角作動流路が遅角室の流体を進角室に流し、この逆向きの流れを阻止する。このため、カム変動トルクが進角方向に作用する毎に遅角室の流体を進角室に流し、駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相を進角方向に変位させることが可能となる。また、スプールが遅角制御領域にある場合には、遅角作動流路により進角室の流体を遅角室に流し、この逆向きの流れを阻止する。このため、カム変動トルクが遅角方向に作用する毎に進角室の流体を遅角室に流し、相対回転位相を遅角方向に変位させることが可能となる。
この構成では、遠心力の作用に対応してスプールが複数の制御領域の何れかに設定され、設定された制御領域に対応して流体の流れが制御されるため、電磁バルブのように相対回転位相を任意に制御する制御バルブを必要とせず、相対回転位相を設定する制御装置や、相対回転位相を検知するセンサを必要としないものとなる。しかも、特許文献1の構成のように制御範囲が制限される不都合を招くことなく、流体圧を利用して相対回転位相を必要とする範囲で変位させることが可能になる。
従って、内燃機関の回転数に基づき駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相を、比較的大きい範囲で設定し得る弁開閉時期制御装置が構成された。
他の構成として、前記駆動側回転体および前記従動側回転体の一方に形成されたロック凹部に係合可能なロック部材を前記駆動側回転体および前記従動側回転体の他方に備えることにより前記駆動側回転体と前記従動側回転体との相対回転位相が所定の位相にある際に、前記ロック凹部に前記ロック部材が係合してロック状態となるロック機構と、
前記ロック凹部に対し前記流体圧ポンプからの流体を供給するロック解除流路とを備えると共に、
前記スプールが、遠心力の作用により前記進角制御領域および前記遅角制御領域と異なる領域であるロック移行領域に設定された際に、前記進角室と前記遅角室と前記ロック解除流路との流体を排出するドレン流路を備えても良い。
これによると、カムシャフトの回転に伴う遠心力の作用でスプールがロック移行領域に設定された場合には、進角室と遅角室とロック解除流路とからの流体をドレン流路に排出できる。この状態では、進角室と遅角室とに流体が供給されると同時に、この進角室と遅角室とから流体が排出されるため、進角室と遅角室とに流体を充填した状態で進角室と遅角室との圧力を大きく低下させることになり、例えば、カム変動トルクの作用により相対回転位相が容易に変動する。この変動により相対回転位相がロック位相に達した場合には、ロック凹部から流体が排出されているため、ロック凹部にロック部材を係合させロック機構をロック状態に移行できる。
他の構成として、前記スプールが、前記従動側回転体において径方向に沿って移動自在に備えられると共に、前記スプールを前記回転軸芯に近接させる方向に付勢する付勢部材を備えても良い。
これによると、カムシャフトの回転に伴う遠心力がスプールに作用した際には、この遠心力と付勢部材の付勢力とが均衡する位置にスプールを保持することが可能となる。これによりスプールを複数の制御領域に安定的に保持して流体の流れを制御できる。
他の構成として、前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に流体圧室が形成され、この流体圧室を前記進角室と前記遅角室とに区画するベーンが前記従動側回転体の外周において径方向に突出する形状で形成され、前記ベーンの内部に前記スプールを備えても良い。
これによると、従動側回転体において半径方向の外方に突出するベーンを利用してスプールを配置できるだけでなく、ベーンが進角室と遅角室との中間に配置されているため、従動側回転体に孔状に流路を形成することにより、進角作動流路と遅角作動流路とを容易に形成できる。
弁開閉時期制御装置の縦断面図である。 図1のII−II線断面図である。 最進角位相にある弁開閉時期制御装置の断面図である。 最遅角位相にある弁開閉時期制御装置の断面図である。 スプールがロック移行領域にある状態を示す油圧回路図である。 スプールが進角制御領域にある状態を示す油圧回路図である。 スプールが遅角制御領域にある状態を示す油圧回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1及び図2に示すように、駆動側回転体としての外部ロータ10が従動側回転体としての内部ロータ20を、回転軸芯Xを中心に相対回転自在に内包すると共に、外部ロータ10と内部ロータ20との相対回転位相(以下、相対回転位相と称する)を中間ロック位相Mに保持するロック機構Lを備え、流体としての作動油を制御する制御バルブVを内部ロータ20に備えて弁開閉時期制御装置Aが構成されている。
この弁開閉時期制御装置Aは、内部ロータ20がエンジンE(内燃機関の一例)の排気カムシャフト6と一体回転し、外部ロータ10がエンジンEのクランクシャフト1と同期回転する。これら外部ロータ10と内部ロータ20とは、回転軸芯Xを中心に設定範囲内での相対回転が許され、この相対回転により排気バルブ5の開閉時期(バルブタイミング)が設定される。
この弁開閉時期制御装置Aは、排気カムシャフト6の回転数(単位時間あたりの回転数:回転速度)に対応する遠心力の作用で制御バルブVのスプール41が変位し、この変位によって作動油の給排を制御することにより相対回転位相の制御と、ロック機構Lの制御とが行われる。また、この弁開閉時期制御装置AはエンジンEで駆動される油圧ポンプP(流体圧ポンプの一例)から作動油(流体の一例)が供給される。
図1に示すように、エンジンEは、乗用車等の車両に備えられるものであり、下部にクランクシャフト1を備え、上部にシリンダブロック2を備え、シリンダブロック2のシリンダボアにピストン3を収容し、このピストン3の作動力をコネクティングロッド4でクランクシャフト1に伝える4サイクル型に構成されている。
シリンダブロック2の上部には、吸気バルブ(図示せず)と排気バルブ5とを備え、吸気バルブを開閉作動させる吸気カムシャフト(図示せず)と、排気バルブ5を開閉作動させる排気カムシャフト6とを備えている。外部ロータ10のタイミングスプロケット13sと、クランクシャフト1の出力スプロケット1sとに亘ってタイミングチェーン8を巻回することで外部ロータ10がクランクシャフト1と同期回転する。また、内部ロータ20が連結ボルト24によって排気カムシャフト6に連結されることで内部ロータ20が排気カムシャフト6と一体的に回転する。
尚、タイミングチェーン8は、吸気カムシャフトの前端のスプロケットにも巻回する。この構成の弁開閉時期制御装置Aは、吸気バルブの開閉時期を制御するように吸気カムシャフトに備えて良く、吸気カムシャフトと排気カムシャフト6との双方に備えても良い。
〔弁開閉時期制御装置〕
図1、図2に示すように、外部ロータ10は、円筒状となるロータハウジング11と、エンジンEから離間する位置のフロントプレート12と、エンジンEに近接する位置のリヤプレート13とを備え、これらが複数の締結ボルト14で締結されている。リヤプレート13の外周にタイミングスプロケット13sが形成され、このタイミングスプロケット13sと、クランクシャフト1の出力スプロケット1sとに亘ってタイミングチェーン8が巻回されている。
ロータハウジング11の内周には、回転軸芯Xの方向(中心方向)に突出する複数(実施形態では3つ)の突出部11tが形成されている。この構成から、内部ロータ20の外周部と、ロータハウジング11の内周と、突出部11tとで取り囲まれる領域に複数(実施形態では3つ)の流体圧室Cが形成される。
内部ロータ20は、円柱状の内部ロータ本体21と、この内部ロータ本体21の外周から半径方向の外方に突出形成された複数(実施形態では3つ)のベーン22とを一体形成しており、各々のベーン22の突出端にシール23を備えている。この内部ロータ本体21は、回転軸芯Xと同軸芯に配置される連結ボルト24によって排気カムシャフト6に連結固定される。
内部ロータ20は、フロントプレート12とリヤプレート13とに挟まれる位置に配置されている。内部ロータ本体21の外周が、外部ロータ10の突出部11tの突出端に接触し、ベーン22のシール23がロータハウジング11の内周に接触するように各々の位置関係が設定されている。
図2〜図4に示すように、各々のベーン22が流体圧室Cを仕切ることにより、ベーン22を挟む位置に進角室Caと遅角室Cbとが形成される。弁開閉時期制御装置Aは、エンジンEの稼働時には駆動回転方向Sに回転する。また、外部ロータ10に対して内部ロータ20が駆動回転方向Sと同方向に変位する方向を進角方向Saと称し、この逆方向への変位を遅角方向Sbと称している。これにより、進角室Caに作動油が供給されることにより相対回転位相が進角方向Saに変位し、遅角室Cbに作動油が供給されることにより相対回転位相が遅角方向Sbに変位する。
〔弁開閉時期制御装置:ロック機構〕
図1〜図4に示すように、ロック機構Lは、内部ロータ本体21の外周に形成されたロック凹部26と、外部ロータ10の突出部11tにおいて半径方向に出退自在に支持されたプレート状のロック部材27と、このロック部材27をロック凹部26に向けて突出付勢するロックスプリング28とを備えている。
この弁開閉時期制御装置Aでは、相対回転位相の変位可能な範囲のうち進角方向Saの端部(変位限界)を最進角位相と称し、これとは逆に遅角方向Sbの端部(変位限界)を最遅角位相と称している。ロック機構Lは、相対回転位相を、最進角位相と最遅角位相との中間となる中間ロック位相Mに保持する。
尚、ロック機構Lは、外部ロータ10にロック凹部26を形成し、内部ロータ20にロック部材27を支持する構成であっても良く、ロック部材27が回転軸芯Xに沿う方向に変位する構成でも良い。この実施形態の弁開閉時期制御装置Aでは、2つのロック機構Lを備えているがロック機構Lは単一でも、3つ以上でも良い。
〔弁開閉時期制御装置:流路構成〕
図1〜図7に示すように、内部ロータ本体21には、進角室Caに連通する進角流路31(供給流路の一例)と、遅角室Cbに連通する遅角流路32(供給流路の一例)と、ロック凹部26に連通するロック解除流路33が形成されている。
エンジンEで駆動される油圧ポンプPから作動油を、連結ボルト24の外周の供給流路35に供給する供給系が形成されている。この供給流路35は、進角流路31と、遅角流路32と、ロック解除流路33とに連通する。尚、油圧ポンプPは、エンジンEのオイルパンに貯留される潤滑油を作動油として供給する。
図2、図5に示すように、スプール41がロック移行領域W1にある状態でベーン22を挟んで隣接する進角室Caと遅角室Cbとを、スプール41の外側連通部41aを介して連通させる第1連通路51aが内部ロータ20に形成されている。また、外側連通部41aにロック凹部26を連通させる第1排出流路51bが形成され、外側連通部41aを外部空間に連通させるドレン流路51dが内部ロータ20に形成されている。更に、ドレン流路51dに連通するドレン開口12dがフロントプレート12に形成されている(図1を参照)。
尚、第1排出流路51bの一端は、ロック凹部26に直接連通するものではなく、ロック解除流路33を介してロック凹部26に連通する。この第1排出流路51bの他端は、外側連通部41aに対して直接的に連通するものではなく、進角室Caを介して外側連通部41aに連通する。
図3、図6に示すように、スプール41が進角制御領域W2にある状態でベーン22を挟んで隣接する進角室Caと遅角室Cbとを、スプール41の内側連通部41bを介して結ぶ第2連通路52a(進角作動流路の一例)が内部ロータ20に形成され、この第2連通路52aには第2チェックバルブ52bを備えている。
第2チェックバルブ52bは、遅角室Cbから進角室Caへの作動油の流れを許すと共に、進角室Caから第2連通路52aへの作動油の逆流を阻止する。
図4、図7に示すように、スプール41が遅角制御領域W3にある状態でベーン22を挟んで隣接する進角室Caと遅角室Cbとを、スプール41の内側連通部41bを介して結ぶ第3連通路53a(遅角作動流路の一例)が内部ロータ20に形成され、この第3連通路53aには第3チェックバルブ53bを備えている。
第3チェックバルブ53bは、進角室Caから遅角室Cbへの作動油の流れを許すと共に、遅角室Cbから第3連通路53aへの作動油の逆流を阻止する。
尚、図2、図3に示すように第2チェックバルブ52bと、第3チェックバルブ53bとにボールを備えているが、これらのチェック弁を、例えば、流体圧により姿勢が変化するバネ板やダイヤフラム等を用いて構成しても良い。
〔制御バルブ〕
図1〜図4に示すように、制御バルブVは、各々のベーン22に対し内部ロータ20の径方向に沿う姿勢で形成されたスプール孔20aに収容したスプール41と、このスプール41を回転軸芯Xの方向に付勢するスプールスプリング42(付勢部材の一例)とを備えている。
スプール41は、スプール孔20aの内周面に密接するスプール本体部の外端に近い部位に小径となる外側連通部41aを形成し、内端に近い部位に内側連通部41bを形成している。
スプール41は、排気カムシャフト6の回転数が低設定値未満となる低回転域にある場合に図2、図5に示すロック移行領域W1に維持され、これより高速で中設定値未満となる中回転域にある場合に図3、図6に示す進角制御領域W2に維持され、これより高速の中設定値以上となる高回転域にある場合に図4、図7に示す遅角制御領域W3に維持される。
この制御バルブVでは、エンジンEが停止した状況においてもスプール41がロック移行領域W1に維持されるように、スプール41の内端部が連結ボルト24の外周の一部に当接する。
〔ロック移行領域〕
排気カムシャフト6の回転数が低回転域にあり、図2、図5に示すようにスプール41がロック移行領域W1にある場合には、油圧ポンプPからの作動油が進角流路31から進角室Caに供給され、かつ、遅角流路32から遅角室Cbに継続的に作動油が供給される。この状況において、進角室Caと遅角室Cbとからの作動油が第1連通路51aから外側連通部41aに流れ、更に、ドレン流路51dを介して外部に排出される。
これにより、進角室Caと遅角室Cbとに作動油が充填されるものの、進角室Caと遅角室Cbとから作動油が排出されるため、これらの圧力を大きく低下させ、第1連通路51aが進角室Caと遅角室Cbとの間での作動油の自由な移動を可能にする。
これと同様に、油圧ポンプPからの作動油がロック解除流路33からロック凹部26に供給される状況において、ロック解除流路33の作動油がドレン流路51dから進角室Caに流れるため、ロック凹部26の圧力も大きく低下する。
これにより、相対回転位相が中間ロック位相Mに達した場合には、ロック部材27がロックスプリング28の付勢力によりロック凹部26に係合できる。
尚、スプール41がロック移行領域W1にある状態で第1排出流路51bを外側連通部41aに対して直接的に連通させることが理想の油路構成であるが、スプール41がロック移行領域W1にある状態では、進角室Caと遅角室Cbとの圧力が大きく低下するため、図2に示す如く第1排出流路51bを進角室Caに連通させており、この油路構成でもロック凹部26の圧力を大きく低下させ、ロック機構Lのロック状態への移行を可能にしている。
進角室Caと遅角室Cbとの圧力が低下する状況では、カム変動トルクの作用によって相対回転位相が進角方向Saと遅角方向Sbとに交互に容易に変動する。そして、この変動により相対回転位相が中間ロック位相Mに達したタイミングでロック部材27がロックスプリング28の付勢力でロック凹部26に係合し、ロック状態に移行する。
このように排気カムシャフト6の回転数が低回転域にある場合には、ロック機構Lがロック状態に移行することで相対回転位相を中間ロック位相Mに拘束できる。
〔進角制御領域〕
排気カムシャフト6の回転数が中回転域にあり、図3、図6に示すように、スプール41が進角制御領域W2にある場合には、油圧ポンプPからの作動油が進角流路31から進角室Caに供給され、かつ、遅角流路32から遅角室Cbに継続的に作動油が供給される。この状況において、第2連通路52aが、遅角室Cbの作動油を進角室Caに流し、第2チェックバルブ52bが、この逆方向への流れを阻止する。
また、スプール41が進角制御領域W2にある場合には、ドレン流路51dが閉塞するため、ロック解除流路33からロック凹部26に作用する作動油圧が上昇し、ロックスプリング28の付勢力に抗してロック部材27がロック凹部26から離脱する。この結果、ロック機構Lのロック状態が解除される。
この構成では、カム変動トルクの作用により遅角室Cbの圧力が上昇したタイミングで遅角室Cbの作動油が第2連通路52aを介して進角室Caに流れ、進角室Caの圧力が上昇しても、第2チェックバルブ52bが、この逆方向(進角室Caから遅角室Cb)への流れを阻止し、結果として相対回転位相が最進角位相に達する。
このように排気カムシャフト6の回転数が中回転域にある場合には、相対回転位相を最進角位相に拘束できる。
〔遅角制御領域〕
排気カムシャフト6の回転数が高回転域にあり、図4、図7に示すように、スプール41が遅角制御領域W3にある場合には、油圧ポンプPからの作動油が進角流路31から進角室Caに供給され、かつ、遅角流路32から遅角室Cbに継続的に作動油が供給される。この状況において、第3連通路53aが進角室Caの作動油を遅角室Cbに流し、第3チェックバルブ53bが、この逆方向への流れを阻止する。
また、スプール41が遅角制御領域W3にある場合には、第1排出流路51bが閉塞するため、ロック解除流路33からロック凹部26に作用する作動油圧が上昇し、ロックスプリング28の付勢力に抗してロック部材27がロック凹部26から離脱する。この結果、ロック機構Lのロック状態が解除される。
この構成では、カム変動トルクの作用により進角室Caの圧力が上昇したタイミングで進角室Caの作動油が第3連通路53aを介して遅角室Cbに流れ、遅角室Cbの圧力が上昇しても、第3チェックバルブ53bが、この逆方向(遅角室Cbから進角室Ca)への流れを阻止し、結果として相対回転位相が最遅角位相に達する。
このように排気カムシャフト6の回転数が高回転域にある場合には、相対回転位相を最遅角位相に拘束できる。
〔実施形態の作用効果〕
このように、弁開閉時期制御装置Aでは、制御バルブVとして遠心力によって位置が決まるスプール41を備え、このスプール41で作動油の流れを制御するため、排気カムシャフト6の回転数に対応して作動油の油圧により比較的大きい範囲で相対回転位相を設定できる。これにより排気カムシャフト6の回転数に対応した適正なタイミングで排気バルブ5の開閉を行える。特に、この構成では、電磁バルブのように任意に制御できる制御バルブを必要とせず、相対回転位相を設定する制御装置や、相対回転位相を検知するセンサを必要としない。
また、この構成では、排気カムシャフト6の回転数が低回転域にある場合には中間ロック位相Mにおいてロック機構Lをロック状態に維持できるため、例えば、エンジンEを停止する際には、相対回転位相を中間ロック位相Mに移行した後にエンジンEを停止させることも可能となる。これにより、相対回転位相を中間ロック位相Mに保持した状態でエンジンEを始動できることになり、良好な始動性を実現する。
内部ロータ20に一体的に形成したベーン22に対し、径方向に沿ってスプール孔20aを形成し、これにスプール41を収容して制御バルブVを構成するため、ベーン22を有効に利用できる。また、ベーン22が進角室Caと遅角室Cbとの境界に配置されるものであるため、第1連通路51aと第2連通路52aと第3連通路53aとの形成に無理がなく、通路長を長くしないで済む。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)外部ロータ10の突出部11tに制御バルブVのスプール41とスプールスプリング42(付勢部材の一例)とを備えると共に、この突出部11tを挟む位置に配置される進角室Caと遅角室Cbとに亘って第2連通路52a(進角作動流路)と、第3連通路53a(遅角作動流路)を備える。
この構成であっても、排気カムシャフト6の回転数の変化に対応して遠心力でスプール41が変位し、作動油の流れを制御することにより相対回転位相を進角方向Saと遅角方向Sbとに変位させることが可能となる。更に、突出部11tに第1連通路51aと第1排出流路51bとを形成し、この第1排出流路51bをドレン流路51dに連通させる構成を備えることにより、中間ロック位相Mにおいてロック機構Lをロック状態に移行させることも可能となる。
(b)駆動側回転体としての外部ロータ10と、従動側回転体としての内部ロータ20との相対回転位相を最遅角位相の位置から中間位相の方向に変位させる付勢力を作用させるためのトーションスプリングを備える。このトーションスプリングが付勢力を作用させる領域は、最遅角位相から中間ロック位相Mの範囲に限るものではなく、最遅角位相から最進角位相に及ぶものであっても良い。
このようにトーションスプリングを備えることにより、カム変動トルクだけに頼ることなく相対回転位相の変位を行わせることが可能となる。
(c)ロック機構Lがロック状態に対する相対回転位相は、最進角位相と最遅角位相との中央に限るものではなく、中央から遅角側に変位した位相、あるいは、中央から進角側に変位した位相であっても良い。
(d)ロック機構Lを備えず、遠心力の作用により径方向に変位する制御バルブVにより相対回転位相が進角方向Saと遅角方向Sbとに変位するように弁開閉時期制御装置Aを構成する。このように構成することにより排気カムシャフト6の回転数に応じて最進角位相と最遅角位相とに切り換えるだけの作動を行える。
(e)実施形態でも説明したように弁開閉時期制御装置Aを吸気カムシャフトに備えることで吸気バルブの開閉時期を設定するように構成する。このような構成では、第2連通路52a(進角作動流路)と、第3連通路53a(遅角作動流路)との設定により、低回転域で最遅角位相となり、高回転域で最進角位相となるように制御形態を設定することも可能である。これにより、吸気カムシャフトの回転数に対応した適正なタイミングでの吸気を実現する。
本発明は、駆動側回転体と従動側回転体との相対回転位相が制御可能に構成された弁開閉時期制御装置に利用することができる。
1 クランクシャフト
6 排気カムシャフト
20 内部ロータ(従動側回転体)
22 ベーン
26 ロック凹部
27 ロック部材
30 外部ロータ(駆動側回転体)
31 進角流路(供給流路)
32 遅角流路(供給流路)
33 ロック解除流路
41 スプール
42 スプールスプリング(付勢部材)
51d ドレン流路
52a 第2連通路(進角作動流路)
53a 第3連通路(遅角作動流路)
C 流体圧室
Ca 進角室
Cb 遅角室
E エンジン(内燃機関)
L ロック機構
P 油圧ポンプ(流体圧ポンプ)
V 制御バルブ
X 回転軸芯
W1 進角制御領域
W2 遅角制御領域
W3 ロック移行領域

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、
    前記駆動側回転体の回転軸芯と同軸芯に配置され弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体と、
    前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に形成される進角室および遅角室と、
    流体圧ポンプからの流体を、前記進角室および前記遅角室に供給する供給流路と、
    前記カムシャフトの回転に伴う遠心力で径方向に変位することで複数の制御領域の何れかに設定される制御バルブとを備えると共に、
    前記制御バルブが、遠心力の作用により進角制御領域と遅角制御領域とに移動自在なスプールを備え、前記スプールが前記進角制御領域にある際に前記遅角室の流体を前記進角室に流し、前記進角室の流体を前記遅角室に流さない進角作動流路と、前記スプールが前記遅角制御領域にある際に前記進角室の流体を前記遅角室に流し、前記遅角室の流体を前記進角室に流さない遅角作動流路とを備えている弁開閉時期制御装置。
  2. 前記駆動側回転体および前記従動側回転体の一方に形成されたロック凹部に係合可能なロック部材を前記駆動側回転体および前記従動側回転体の他方に備えることにより前記駆動側回転体と前記従動側回転体との相対回転位相が所定の位相にある際に、前記ロック凹部に前記ロック部材が係合してロック状態となるロック機構と、
    前記ロック凹部に対し前記流体圧ポンプからの流体を供給するロック解除流路とを備えると共に、
    前記スプールが、遠心力の作用により前記進角制御領域および前記遅角制御領域と異なる領域であるロック移行領域に設定された際に、前記進角室と前記遅角室と前記ロック解除流路との流体を排出するドレン流路を備えている請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記スプールが、前記従動側回転体において径方向に沿って移動自在に備えられると共に、前記スプールを前記回転軸芯に近接させる方向に付勢する付勢部材を備えている請求項1又は2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に流体圧室が形成され、この流体圧室を前記進角室と前記遅角室とに区画するベーンが前記従動側回転体の外周において径方向に突出する形状で形成され、前記ベーンの内部に前記スプールを備えている請求項1〜3のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
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