JP4318824B2 - 締付バンド及びその締め付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、等速ジョイントのアウタカップに装着されるブーツ等を締め付けて固定することが可能な締付バンド及びその締め付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の駆動力伝達部では、一方の伝達軸と他方の伝達軸とを連結し回転力を各車軸へと伝達する等速ジョイントが用いられている。この等速ジョイントはアウタカップを有し、前記アウタカップには該アウタカップの孔部内に充填された潤滑油を封入するためにゴム製または樹脂製のブーツが装着されている。この場合、アウタカップに対してブーツを固定するためにブーツの外周面を緊締するブーツバンドが用いられる(例えば、実開平4−106508号公報参照)。
【0003】
この種のブーツバンドは、図10に示されるように、金属製の長尺な帯状片1を有し、前記帯状片1には、その一端部側に形成された係合孔2と、その他端部側に形成され前記係合孔2に係止される係止爪3と、前記係合孔2に近接する部位に形成された突起部4とが設けられている。
【0004】
この従来技術に係るブーツバンドの装着方法を概説すると、図示しないブーツの外周面に沿って円環状に仮止めされた状態において、図11に示されるように、治具5を用いて突起部4を加締めて略Ω形に塑性変形させることにより帯状片1が縮径する。この場合、前記突起部4の加締めは、帯状片1の一端部側に形成された係合孔2に係止爪3が挿入されるまで行う。この結果、係合孔2に係止爪3が係止され、緊締された帯状片1によってブーツの外周面が締め付けられて固定される。
【0005】
前記略Ω形に塑性変形された加締め部分は、ばね要素として機能するものであり、前記加締め部分の弾性力によって、例えば、熱膨張や寒冷縮みに起因して発生する図示しないアウタカップの直径の若干の変化を吸収することができる。
【0006】
なお、従来技術に係るブーツバンドでは、ブーツバンドの重なり部分のシール性を確保するために、帯状片6の重畳部分7を加圧してその間隙8をなくしている(図12および図13参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係るブーツバンドでは、該ブーツバンドを装着した後、略Ω形に形成された加締め部分が半径外方向に向かって突出した状態に維持されており、等速ジョイントに近接して配設された図示しない他の部材が突出した前記加締め部分に接触して干渉したり、あるいは前記加締め部分が障害物となるために前記ブーツバンドを使用することが困難な場合がある。
【0008】
また、従来技術に係るブーツバンドでは、巻回されたブーツバンドの重畳部分の間隙をなくすためにバンド先端部分を潰して平坦にするプレス作業が必要となり、製造コストが高騰するという不具合がある。
【0009】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、他の部材に干渉することがないようにバンドの外表面から半径外方向に向かって突出する度合を極力抑制するとともに、製造工程を簡略化して製造コストを低減することが可能な締付バンドを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、金属製の帯状片を円環状に丸めて使用し、その一部を重畳させて被締結物を緊締することによりシールあるいは固定するバンドにおいて、
金属製の帯状片からなるバンド本体と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った一端部側に形成された第1治具用突起部と、
前記第1治具用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として第1距離だけ離間する部位に設けられ、鈎状に屈曲して形成された仮止め用爪部と、
前記第1治具用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離より長い第2距離だけ離間する部位に形成された第1係合用突起部と、
前記第1係合用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離だけ離間する部位に形成された第2係合用突起部と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った他端部側に形成され、前記第2係合用突起部が係合する係合孔と、
前記係合孔から一端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離だけ離間する部位に形成され、軸線方向に沿って前記第2距離だけ延在する長孔と、
前記長孔の一端部に固設された第2治具用突起部と、
前記バンド本体の一端部と他端部との間に設けられ、所定の曲率半径からなる複数の曲面が波状に連続して形成された波形形成部と、
を備え、
前記仮止め用爪部は、二段階の仮止めとして前記長孔及び前記係合孔と係止可能であることを特徴とする。
【0011】
前記第1治具用突起部と第2治具用突起部とが当接した際、第1係合用突起部が長孔の端部に係止され、且つ第2係合用突起部が係合孔の端部に係止されるように、予めその寸法を設定することにより、締付バンドを被締結物に対して簡便に装着することができる。
【0012】
また、被締結物に対する締め付けが完了したとき、前記バンド本体の一端部が波形形成部を構成する一つの波形部分の凹部内に臨むように、予め、所定の寸法に設定することにより、バンド本体の重畳部分に対する加圧が不要となり、製造工程を簡略化することができる。
【0013】
本発明によれば、略Ω形に形成された加締め部分に代替してばね要素として機能する波形形成部を設けることにより、被締結物に装着された締付バンドの周方向への伸縮に対して追従可能に形成されている。従って、従来技術において用いられていた略Ω形の加締め部分を設けることがなく、バンド本体の外表面から半径外方向に向かって突出する度合を極力抑制することにより、締付バンドに近接して配設された他の部材等が接触して干渉することを防止することができる。また、本発明によれば、金属製の帯状片からなるバンド本体と、前記バンド本体の軸線方向に沿った一端部側に形成された第1治具用突起部と、前記第1治具用突起部から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に設けられ、鈎状に屈曲して形成された仮止め用爪部と、前記仮止め用爪部から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に形成された第1係合用突起部および第2係合用突起部と、前記バンド本体の軸線方向に沿った他端部側に形成され、前記第2係合用突起部が係合する係合孔と、前記係合孔に近接する部位に形成され、軸線方向に沿って所定長だけ延在する長孔と、前記長孔の一端部に固設された第2治具用突起部と、前記バンド本体の一端部と他端部との間に設けられ、所定の曲率半径からなる複数の曲面が波状に連続して形成された波形形成部と、を備えるバンドを用いて、前記バンドを円環状に丸めて、その一部を重畳させ、等速ジョイントのアウタカップに被せられるブーツを緊締することにより固定する前記第1治具用突起部が、前記長孔に係止されることにより仮止めされる第1仮止め工程と、前記第1仮止め状態の後、前記第1治具用突起部と前記第2治具用突起部とを相互に接近する方向に押圧し、前記仮止め用爪部が前記長孔に係止されることにより仮止めされる第2仮止め工程と、前記第2仮止め状態の後、前記第1治具用突起部と前記第2治具用突起部とを相互に接近する方向に押圧することで当接させることにより、前記第1係合用突起部が前記長孔に係止され、前記第2係合用突起部が前記係合孔に係止され、さらに、前記バンド本体の一端部が前記波形形成部を構成する一つの波形部分の凹部内に臨むことで、等速ジョイントのアウタカップに被せられるブーツを緊締する完了工程とを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る締付バンド及びその締め付け方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る締付バンドの斜視図、図2は、図1に示す締付バンドの側面図、図3は、前記締付バンドを直線状に伸ばした状態における一部省略平面図である。
【0016】
この締付バンド10は、略一定の幅を有し、長尺な金属製の帯状片に形成されたバンド本体12を有する。
【0017】
図3に示されるように、前記バンド本体の軸線方向に沿った一端部側には、上面側に向かって僅かに突出するように形成された第1治具用突起部14と、前記第1治具用突起部14から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に設けられ、鈎状に屈曲して形成された仮止め用爪部16と、前記仮止め用爪部16から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に設けられ、上面側に向かって僅かに突出するように形成された第1係合用突起部18および第2係合用突起部20とを有する。
【0018】
前記バンド本体12の軸線方向に沿った他端部側には、前記第1係合用突起部18が係合する断面略長方形状の貫通する係合孔22が形成され、前記係合孔22に近接する部位には、上面と裏面とを貫通し軸線方向に沿って所定長だけ延在する長孔24が形成され、前記長孔24の一端部には上面側に向かって僅かに突出する第2治具用突起部26が設けられている。
【0019】
また、前記第2治具用突起部26から一端部側に向かって所定間隔離間する部位には、所定の曲率半径Rからなる複数の曲面が波状に連続して形成された波形形成部28が設けられている。
【0020】
この波形形成部28は、半径方向に振幅しバンド本体12の軸線方向に沿って連続する波形状に形成されるとともに、各波形部分30a〜30eは伸縮方向への撓み変形が許容されるように設けられている。従って、前記波形形成部28は、そのばね力によってばね要素として機能するものであり、前記ばね力の作用下に、例えば、熱膨張や寒冷縮みに起因して発生する被締結物(図示せず)の直径の若干の変化を吸収することができる。
【0021】
なお、各波形部分30a〜30eの曲率半径Rを約2.0mm〜5.0mm、最適には曲率半径Rを約3.0mm〜4.0mmに設定すると、より好適にばね力を発揮させることができる。
【0022】
本発明の実施の形態に係る締付バンド10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0023】
先ず、作業者は、締付バンド10を手で把持し、係合孔22が形成されたバンド本体12の他端部が外周側となり、第1治具用突起部14が形成されたバンド本体12の一端部が内周側となるように環状に曲折させ、他端部側に形成された長孔24に対して一端部側に形成された第1治具用突起部14を挿入することにより、図4および図5に示されるような第1仮止め状態を形成する。
【0024】
この場合、締付バンド10は、第1治具用突起部14が係合孔22に近接する長孔24の端部に係止されることにより第1仮止め状態となる。
【0025】
続いて、図示しない治具を、離間する第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とにそれぞれ係合させ、前記治具の付勢作用下に、第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とを相互に接近する方向に押圧する。実質的には、第2治具用突起部26が長孔24の端部に固定されているため、第1治具用突起部14が長孔24の案内作用下に第2治具用突起部26側に向かって変位し、しかも、前記第1治具用突起部14と一体的にバンド本体12の一端部が波形形成部28の内周面に沿って変位する。前記第1治具用突起部14と第2治具用突起部26との離間間隔が徐々に縮まることにより、バンド本体12は被締結物(図示せず)の外周面を締め付けて縮径する方向に作用する。
【0026】
前記バンド本体12の縮径作用は、一端部側に形成された仮止め用爪部16が長孔24の端部に係止されるまで継続され、長孔24の端部に仮止め用爪部16が係止されることにより、図6および図7に示されるような第2仮止め状態となる。
【0027】
前記第2仮止め状態では、仮止め用爪部16が長孔24の端部に係止されるとともに、第1治具用突起部14が長孔24内に挿入された状態で第2治具用突起部26と仮止め用爪部16との中間部位に位置する。
【0028】
なお、第2仮止め状態では、被締結物に対してバンド本体12を所定の位置に位置決めする。この第2仮止め状態では、被締結物に対してバンド本体12があまりきつく緊締されていないため、被締結物の外周面に沿ってバンド本体12を周回させることが可能だからである。
【0029】
被締結物に対してバンド本体12を所定の位置に位置決めした後、再度、図示しない治具を第1治具用突起部14および第2治具用突起部26に係合させ、前記治具の付勢作用下に第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とを相互に接近する方向に押圧する。この場合、長孔24の案内作用下に第1治具用突起部14が前記長孔24の端部に固定された第2治具用突起部26に向かって変位するとともに、前記第1治具用突起部14と一体的にバンド本体12の一端部が波形形成部28の内周面に沿って変位する。
【0030】
図示しない治具による第1治具用突起部14および第2治具用突起部26に対する押圧作用は、図8および図9に示されるように、前記第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とが当接して、第1係合用突起部18がバンド本体12の他端部側に形成された長孔24に挿入され、且つ第2係合用突起部20が係合孔22に挿入されるまで継続され、前記第1係合用突起部18が長孔24の端部に係止されるとともに、第2係合用突起部20が係合孔22の端部に係止されることにより、被締結物に対する締め付けが完了する。
【0031】
上記したように、本実施の形態では、第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とが当接した際、第1係合用突起部18が長孔24の端部に係止され、且つ第2係合用突起部20が係合孔22の端部に係止されるように、予めその寸法が設定されている。従って、治具の押圧作用下に第1治具用突起部14と第2治具用突起部26とを当接させることにより締め付け完了状態となり、第1係合用突起部18が長孔24の端部に確実に係止され、且つ第2係合用突起部20が係合孔22の端部に確実に係止される。
【0032】
なお、被締結物に対する締め付けが完了したとき、バンド本体12の一端部は、図9に示されるように、波形形成部28を構成する一つの波形部分30eの凹部内に臨むように、予め、所定の寸法に設定されている。このため、本実施の形態では、後加工によってバンド本体12の一端部をプレス加工する作業が不要となり、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
【0033】
さらに、本実施の形態では、略Ω形に形成された加締め部分を設けることがなく、バンド本体12の外表面から半径外方向に向かって突出する度合を極力抑制することにより、締付バンド10に近接して配設された図示しない他の部材等が接触して干渉することを防止することができる。また、何ら障害物となるものがないため、締付バンド10に近接する空間を有効利用することが可能となる。
【0034】
さらにまた、本実施の形態では、略Ω形に形成された加締め部分に代替してばね要素として機能する波形形成部28を設けることにより、被締結物に装着された締付バンド10の周方向への伸縮に対して追従可能に形成されている。なお、本実施の形態では、5連の波形部分30a〜30eによって波形形成部28を形成しているが、これに限定されるものではなく、バンド本体12の一部あるいは全部に波形形成部28を形成するようにしてもよい。
【0035】
さらにまた、被締結物は、等速ジョイントを構成するアウタカップに限定されるものではなく、種々のサイズ、材質からなるシール類、ホース類、チューブ等を固定する場合にも適用できることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0037】
すなわち、バンド本体の外表面から半径外方向に向かって突出する度合を極力抑制することにより、締付バンドに近接して配設された図示しない他の部材等が接触して干渉することを防止することができる。また、何ら障害物となるものがないため、締付バンドに近接する空間を有効利用することが可能となる。
【0038】
さらに、治具の押圧作用下に第1治具用突起部と第2治具用突起部とを当接させることにより締め付け完了状態となり、第1係合用突起部が長孔の端部に確実に係止され、且つ第2係合用突起部が係合孔の端部に確実に係止され、被締結物に対して締付バンドを簡便に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る締付バンドの斜視図である。
【図2】図1に示す締付バンドの側面図である。
【図3】図1に示す締付バンドを直線状に伸ばした状態における一部省略平面図である。
【図4】図1の締付バンドを環状に曲折した第1仮止め状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す締付バンドの側面図である。
【図6】前記第1仮止め状態からさらに締め付けられた締付バンドの第2仮止め状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す締付バンドの側面図である。
【図8】前記第2仮止め状態からさらに締め付けられた締付バンドの締め付け完了状態を示す斜視図である。
【図9】図8に示す締付バンドの側面図である。
【図10】従来技術に係るブーツバンドの一部省略縦断面図である。
【図11】図10に示すブーツバンドの突起部を治具によって加締めた状態の一部省略縦断面図である。
【図12】従来技術に係るブーツバンドにおいて、帯状片の重畳部分を加圧して間隙をなくす状態を示す一部省略縦断面図である。
【図13】前記重畳部分が加圧され、平坦に潰されたブーツバンドの先端部分の一部省略縦断面図である。
【符号の説明】
10…締付バンド 12…バンド本体
14、26…治具用突起部 16…仮止め用爪部
18、20…係合用突起部 22…係合孔
24…長孔 28…波形形成部
30a〜30e…波形部分
Claims (4)
- 金属製の帯状片を円環状に丸めて使用し、その一部を重畳させて被締結物を緊締することによりシールあるいは固定するバンドにおいて、
金属製の帯状片からなるバンド本体と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った一端部側に形成された第1治具用突起部と、
前記第1治具用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として第1距離だけ離間する部位に設けられ、鈎状に屈曲して形成された仮止め用爪部と、
前記第1治具用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離より長い第2距離だけ離間する部位に形成された第1係合用突起部と、
前記第1係合用突起部から他端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離だけ離間する部位に形成された第2係合用突起部と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った他端部側に形成され、前記第2係合用突起部が係合する係合孔と、
前記係合孔から一端部側に向かって、他端位置を基準として前記第1距離だけ離間する部位に形成され、軸線方向に沿って前記第2距離だけ延在する長孔と、
前記長孔の一端部に固設された第2治具用突起部と、
前記バンド本体の一端部と他端部との間に設けられ、所定の曲率半径からなる複数の曲面が波状に連続して形成された波形形成部と、
を備え、
前記仮止め用爪部は、二段階の仮止めとして前記長孔及び前記係合孔と係止可能であることを特徴とする締付バンド。 - 請求項1記載の締付バンドにおいて、
前記第1治具用突起部と第2治具用突起部とが当接した際、第1係合用突起部が長孔の端部に係止され、且つ第2係合用突起部が係合孔の端部に係止されるように、予めその寸法が設定されていることを特徴とする締付バンド。 - 請求項1または2記載の締付バンドにおいて、
被締結物に対する締め付けが完了したとき、前記バンド本体の一端部が波形形成部を構成する一つの波形部分の凹部内に臨むように、予め、所定の寸法に設定されていることを特徴とする締付バンド。 - 金属製の帯状片からなるバンド本体と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った一端部側に形成された第1治具用突起部と、
前記第1治具用突起部から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に設けられ、鈎状に屈曲して形成された仮止め用爪部と、
前記仮止め用爪部から他端部側に向かって所定間隔離間する部位に形成された第1係合用突起部および第2係合用突起部と、
前記バンド本体の軸線方向に沿った他端部側に形成され、前記第2係合用突起部が係合する係合孔と、
前記係合孔に近接する部位に形成され、軸線方向に沿って所定長だけ延在する長孔と、
前記長孔の一端部に固設された第2治具用突起部と、
前記バンド本体の一端部と他端部との間に設けられ、所定の曲率半径からなる複数の曲面が波状に連続して形成された波形形成部と、
を備えるバンドを用いて、
前記バンドを円環状に丸めて、その一部を重畳させ、等速ジョイントのアウタカップに被せられるブーツを緊締することにより固定する前記第1治具用突起部が、前記長孔に係止されることにより仮止めされる第1仮止め工程と、
前記第1仮止め状態の後、前記第1治具用突起部と前記第2治具用突起部とを相互に接近する方向に押圧し、前記仮止め用爪部が前記長孔に係止されることにより仮止めされる第2仮止め工程と、
前記第2仮止め状態の後、前記第1治具用突起部と前記第2治具用突起部とを相互に接近する方向に押圧することで当接させることにより、前記第1係合用突起部が前記長孔に係止され、前記第2係合用突起部が前記係合孔に係止され、さらに、前記バンド本体の一端部が前記波形形成部を構成する一つの波形部分の凹部内に臨むことで、等速ジョイントのアウタカップに被せられるブーツを緊締する完了工程と、
を有することを特徴とする締付バンドの締め付け方法。
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